JP2004300113A - 消炎鎮痛貼付剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体上に、有効成分としてインドメタシンを含有する粘着剤層が形成された消炎鎮痛貼付剤である。粘着剤層は、130℃以下の融点を示す結晶状態のインドメタシンを含有している。少なくともインドメタシンと溶解補助剤と粘着剤成分とを130℃以上の温度で混合して粘着剤組成物を形成し、次いで、該粘着剤組成物を支持体上に塗工する消炎鎮痛貼付剤の製造方法。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、有効成分としてインドメタシンを含有する粘着テープ型の消炎鎮痛貼付剤とその製造方法に関し、さらに詳しくは、インドメタシンの経皮吸収性が顕著に改善された消炎鎮痛貼付剤とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インドメタシンなどの非ステロイド系消炎鎮痛剤は、消炎鎮痛作用に優れているため、これらを有効成分として含有するパップ剤や粘着テープ型製剤などの各種経皮吸収製剤が開発されている。
【0003】
これらの経皮吸収製剤のうち、パップ剤は、含水基剤を用いているため、適用時に水の気化熱による冷却効果が発現して、慢性の炎症疾患に対して逆効果を招きやすい。しかも、パップ剤は、皮膚に対する接着性が不十分であり、長時間にわたって皮膚に接着させて使用することが困難である。
【0004】
これに対して、粘着テープ型の経皮吸収製剤である消炎鎮痛貼付剤は、基剤として実質的に水分を含有しないゴム系粘着剤やアクリル系粘着剤などの各種粘着剤を用いているため、含水基剤を用いたパップ剤に比べて、水の気化熱による冷却効果がなく、皮膚に対する接着性も良好であるという利点を有している。
【0005】
粘着テープ型消炎鎮痛貼付剤は、フィルム、シート、発泡体、織布、不織布、紙、これらの積層体などからなる支持体上に、消炎鎮痛剤を含有する粘着剤層を形成することにより製造されている。ゴム系粘着剤としては、エラストマー基剤として、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体などのA−B−A型ブロック共重合体を用いた加熱溶融型粘着剤が主流である。
【0006】
消炎鎮痛剤の中でもインドメタシンは、結晶性の化合物であり、かつ、粘着剤成分に対する溶解性が低いため、多くの場合、粘着剤層中で結晶状態で存在している。インドメタシンの溶解性を高めるために、脂肪酸エステルなどの溶解補助剤(経皮吸収促進剤)を使用することが知られているが、有効成分としてインドメタシンを含有する消炎鎮痛貼付剤は、一般に、薬効効果を持続させるために、過剰量のインドメタシンを粘着剤層中に含有させているため、粘着剤層中でインドメタシンが結晶状態で存在することは避けられない。
【0007】
従来、伸縮性ポリエチレン不織布からなる支持体上に、消炎鎮痛剤と温感刺激剤とを含有する粘着剤層を形成した消炎鎮痛貼付剤が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1の実施例1には、エラストマー基剤としてスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を用い、消炎鎮痛剤としてインドメタシンを用いた消炎鎮痛貼付剤が記載されている。
【0008】
より具体的には、特許文献1の実施例1には、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を130℃で素練した後、温度を120℃に下げてから粘着付与剤を加えて素練を行い、次いで、温度を80℃にまで下げてから軟化剤を加えて混練して基剤を調製したこと、そして、得られた基剤に、経皮吸収促進剤、インドメタシン、及び温感刺激剤を添加して混練して粘着剤組成物を調製したことが記載されている。特許文献1では、この粘着剤組成物をポリエチレン不織布上にカレンダー塗工することにより、消炎鎮痛貼付剤を得ている。
【0009】
特許文献1に記載された方法によれば、インドメタシンの皮膚透過性が良好な消炎鎮痛貼付剤が得られるものの、未だ十分ではなく、その経皮吸収性の更なる改善が求められている。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−256214号公報 (第1頁、実施例1)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、有効成分としてインドメタシンを含有する粘着テープ型の消炎鎮痛貼付剤であって、インドメタシンの経皮吸収性が顕著に改善された消炎鎮痛貼付剤とその製造方法を提供することにある。
【0012】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究した結果、支持体上に、有効成分としてインドメタシンを含有する粘着剤層を形成して消炎鎮痛貼付剤を製造する際に、少なくともインドメタシンと溶解補助剤と粘着剤成分とを130℃以上の温度で混合して粘着剤組成物を形成し、次いで、該粘着剤組成物を支持体上に塗工することにより、インドメタシンの経皮吸収性が著しく向上した消炎鎮痛貼付剤の得られることを見出した。
【0013】
従来、特許文献1に示されているように、有効成分としてインドメタシンを含有する粘着テープ型の消炎鎮痛貼付剤を製造する場合、粘着剤成分からなる基剤を調製してから、該基剤とインドメタシンと溶解補助剤(経皮吸収促進剤)とを100℃以下、多くの場合70〜90℃の比較的低温条件下で混合している。その理由は、ゴム系粘着剤などの粘着剤基剤を調製する場合には、120〜130℃程度の高温条件下で各成分を混合(混練)しているが、基剤にインドメタシンなどの有効成分や溶解補助剤などを混合する段階では、これらの成分の分解や揮散を防ぎ、塗工温度を調整するためであると解される。また、基剤に有効成分などを混合する工程では、それほど高温条件下にする必要がなかったためであると推定される。
【0014】
他方、市販のインドメタシンの結晶融点は、通常、155〜162℃の範囲内にある。前述の従来法によれば、粘着剤層中でのインドメタシンの結晶融点は、そのままか、あるいは僅かに低下傾向を示すだけである。
【0015】
これに対して、インドメタシンと溶解補助剤を含む各成分の混合温度を130℃以上にすると、カレンダー塗工後の粘着剤層中のインドメタシンの結晶融点が著しく低下し、しかもインドメタシンの皮膚透過速度が従来品に比べて顕著に向上することが分かった。本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
かくして、本発明によれば、支持体上に、有効成分としてインドメタシンを含有する粘着剤層が形成された消炎鎮痛貼付剤において、粘着剤層が、130℃以下の融点を示す結晶状態のインドメタシンを含有することを特徴とする消炎鎮痛貼付剤が提供される。
【0017】
また、本発明によれば、支持体上に、有効成分としてインドメタシンを含有する粘着剤層を形成する消炎鎮痛貼付剤の製造方法において、少なくともインドメタシンと溶解補助剤と粘着剤成分とを130℃以上の温度で混合して粘着剤組成物を形成し、次いで、該粘着剤組成物を支持体上に塗工することを特徴とする消炎鎮痛貼付剤の製造方法が提供される。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明で使用する支持体としては、特に限定されず、含浸紙、コート紙、上質紙、クラフト紙、和紙、グラシン紙などの紙;ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリウレタンフィルム、セロハンフィルムなどのプラスチックフィルム;発泡体;不織布、織布、編布などの布基材;これらの積層体などが挙げられる。これらの中でも、伸縮性、通気性、透湿性などの観点から、不織布、織布、編布などが好ましい。不織布、織布、編布などの材質としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタンなどが挙げられる。
【0019】
粘着剤成分(基剤成分)としては、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤などを挙げることができるが、高温での混合工程やインドメタシンの結晶状態、経皮吸収性などの観点から、ゴム系粘着剤が好ましい。
【0020】
ゴム系粘着剤のエラストマー基剤としては、各種合成ゴム及び天然ゴムの中から選択することができる。合成ゴムとしては、例えば、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ブチルゴムなどが好ましい。合成ゴム及び天然ゴムは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。ゴム系粘着剤は、加熱溶融型粘着剤であることが好ましく、その場合、エラストマー基剤としては、芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのブロック共重合体が好ましく、SISなどのA−B−A型ブロック共重合体がより好ましい。これらのブロック共重合体は、常温で分子間にポリスチレン相(ポリ芳香族ビニル化合物ブロック相)の疑似架橋を形成するため、粘着剤層に高い凝集力を付与することができる。
【0021】
ゴム系粘着剤には、粘着性を向上させるために、粘着付与剤を含有させることが好ましい。粘着付与剤としては、一般に、石油系樹脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、クマロンインデン樹脂、スチレン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂などの粘着付与樹脂(タッキファイヤー)を用いることができる。
【0022】
石油系樹脂としては、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族−芳香族共重合系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、及びこれらの変性物などが挙げられる。合成石油樹脂は、C5系でも、C9系でもよい。これらの石油系樹脂の中でも、脂環族系水添石油樹脂(すなわち、脂環族系飽和炭化水素樹脂)などの極性基を有しないものが好ましい。
【0023】
テルペン系樹脂としては、β−ピネン樹脂、α−ピネン樹脂、テルペン−フェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂などが挙げられる。これらのテルペン樹脂も、極性基を有していない。
【0024】
ロジン系樹脂としては、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジンなどのロジン;水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、マレイン化ロジンなどの変性ロジン;ロジングリセリンエステル、水添ロジンエステル、水添ロジングリセリンエステルなどのロジンエステル;などが挙げられる。これらの粘着付与剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0025】
ゴム系粘着剤層全体の粘度を下げ、濡れ特性を改善するために、軟化剤を添加することが好ましい。軟化剤には、典型的な軟化剤の他、可塑剤も含まれる。軟化剤の具体例としては、例えば、流動パラフィンなどの石油系軟化剤;液状ポリイソプレン、ポリブテン、ポリイソブチレンなどの液状ゴム系軟化剤;フタル酸エステル、アジピン酸エステルなどの二塩基酸エステル系可塑剤;ポリエチレングリコール、クエン酸エステルなどのその他の可塑剤;などが挙げられる。
【0026】
これらの軟化剤の中でも、流動パラフィン、液状ポリイソプレン、ポリブテンなどは、エラストマーとの相溶性に優れ、かつ、その凝集力を低下させるおそれがないため、好適に使用することができる。特に流動パラフィンは、SISのポリイソプレン相との相溶性に優れているため、SISと流動パラフィンとの組み合わせは、ゴム系粘着剤成分の構成成分として有用である。
【0027】
本発明では、インドメタシンの経皮吸収性を高めるために、溶解補助剤を使用する。溶解補助剤としては、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、中鎖脂肪酸グリセリドなどの脂肪酸エステルが好ましい。中鎖脂肪酸グリセリドは、モノ、ジ、トリ−グリセリドやそれらの混合物であり、その具体例としては、カプリン酸トリグリセリドなどが挙げられる。
【0028】
インドメタシンと併用して、他の薬効成分の薬剤を配合することもできる。他の薬剤としては、ノニル酸バニリルアミド、カプサイシン、トウガラシエキスなどの温感刺激剤;ハッカ油、チモール、サンシシエキスなどが挙げられる。他の薬剤は、添加する場合には、粘着剤組成物全量基準で、通常、0.001〜0.3重量%程度の割合で使用される。
【0029】
本発明の粘着剤層がゴム系粘着剤層である場合、一般に、エラストマー基剤、粘着付与剤、軟化剤、インドメタシン、及び溶解補助剤を含有するゴム系粘着剤組成物を調製して、これを支持体上に塗工するか、あるいはライナー上に塗工した後、支持体を貼り合わせる。
【0030】
ゴム系粘着剤組成物における各成分の配合割合は、エラストマーが好ましくは15〜60重量%、より好ましくは20〜55重量%;粘着付与剤が好ましくは10〜50重量%、より好ましくは15〜40重量%;軟化剤が好ましくは10〜60重量%、より好ましくは15〜50重量%;インドメタシンが好ましくは1〜10重量%、より好ましくは2〜8重量%;溶解補助剤が好ましくは2〜40重量%、より好ましくは5〜20重量%;である。
【0031】
インドメタシンの配合割合が過小であると、結晶化が生じず、また、薬効の持続性に劣る。インドメタシンの配合割合が過大であると、薬効が飽和し、また、経済的ではない。インドメタシンと溶解補助剤との重量比は、好ましくは1:1〜1:10の範囲内である。
【0032】
各成分が前記配合割合の範囲内にあることによって、有効成分を含む各成分の相溶性や粘着特性が良好な粘着剤層を有する貼付剤を得ることができる。エラストマーの配合割合が過小であると、凝集力が低下する。粘着付与樹脂の配合割合が過小であると、粘着性が低下する。流動パラフィン等の軟化剤の配合割合が過小であると、粘着剤層が硬くなり、過大であると、粘着性が低下する。
本発明の粘着剤層には、前記の各成分以外に、必要に応じて、充填剤、酸化防止剤、安定化剤、着色剤などを適宜・適量で配合することができる。
【0033】
本発明の消炎鎮痛貼付剤は、少なくともインドメタシンと溶解補助剤と粘着剤成分とを130℃以上の温度で混合して粘着剤組成物を形成し、次いで、該粘着剤組成物を支持体上に塗工する方法により製造することができる。粘着剤組成物を130℃以上の温度で混合するには、粘着剤成分が、加熱溶融型粘着剤であることが好ましく、エラストマー基剤として、SISなどの芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのブロック共重合体を含有する加熱溶融型粘着剤であることがより好ましい。このような加熱溶融型粘着剤は、高温での混合後、ホットメルト塗工またはカレンダー塗工などにより、支持体またはライナー上に塗工することができる。
【0034】
各成分を混合する方法としては、全成分をニーダーなどの混合機を用いて混合する方法、予め粘着剤成分を混練しておいてから、インドメタシンと溶解補助剤を混合する方法など任意である。本発明の方法では、インドメタシンと溶解補助剤とを混合する際に、混合温度を130℃以上とする必要がある。混合温度が低すぎると、インドメタシンの溶解が不十分となり、粘着剤層の冷却後に元の結晶状態を維持することになる。インドメタシンの結晶融点は、155〜162℃であるが、混合温度が低すぎると、元の結晶のままで存在する割合が高くなり、粘着剤層中での結晶融点の低下の度合いが小さくなるか、元のままである。粘着剤層中でのインドメタシンの融点が高すぎると、高い皮膚透過性を得ることができない。
【0035】
これに対して、インドメタシンと溶解補助剤とを粘着剤成分と130℃以上の温度で混合するとインドメタシンが粘着剤組成物中に溶解し、この粘着剤組成物を支持体上に塗布して粘着剤層を形成すると、冷却後に再結晶化するものの、粘着剤層中での結晶融点が130℃以下、好ましくは120℃以下、より好ましくは110℃以下にまで低下する。その結果、本発明の消炎鎮痛貼付剤は、インドメタシンの皮膚透過速度が従来品の約2倍以上も速くなり、皮膚透過性(経皮吸収性)が著しく改善される。
【0036】
インドメタシンなどの混合温度の上限は、好ましくは200℃、より好ましくは180℃、特に好ましくは170℃程度である。インドメタシンと溶解補助剤の混合温度が130℃以上であれば、支持体またはライナー上への塗工時の粘着剤組成物の温度を130℃未満としてもよい。
【0037】
本発明の消炎鎮痛貼付剤におけるインドメタシンの結晶融点は、粘着剤層を採取して試料とし、熱分析装置にて、室温から昇温速度5℃/分の条件で示差熱分析を行うことにより得られるチャートの吸熱ピークから求めたものである。粘着剤層中に明らかに130℃以下の吸熱ピークが存在すれば、それより高温の吸熱ピークが並存していてもよい。130℃以下の吸熱ピークと130℃を超える吸熱ピークとがある場合、両者の吸熱ピークの合計面積における130℃以下の吸熱ピークの面積の割合が1/2以上であることが好ましく、全ての吸熱ピークが実質的に130℃以下にあることがより好ましい。
【0038】
粘着剤層の厚さは、通常5〜500μm、好ましくは10〜300μm、より好ましくは30〜200μmの範囲内である。粘着剤層の表面には、剥離紙、剥離シートなどのカバー材を被覆することができる。
【0039】
【実施例】
以下に実施例と比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
【0040】
[実施例1]
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS;日本ゼオン社製、商品名「クインタック3520」)35重量%、脂環族飽和炭化水素樹脂(荒川化学社製、商品名「アルコンP100」)20重量%、パルミチン酸イソプピロル10重量%、流動パラフィン30重量%、及びインドメタシン5重量%を用いて、粘着剤組成物を調製した。
【0041】
混合機としてニーダーを用い、先ず、130℃にてスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、流動パラフィン、及び脂環族飽和炭化水素樹脂を加熱混合し、次いで、溶解補助剤とインドメタシンを添加後、160℃の温度に昇温して混合した。このようにして得られた粘着剤組成物をシリコーン処理したポリエチレンテレフタレートライナー上に展延し、ポリエステル製の編布を貼り合わせ、所定の大きさに裁断し、粘着テープ型の消炎鎮痛貼付剤を得た。結果を表1に示す。
【0042】
[実施例2]
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(シェル化学社製、商品名「カリフレックスTR1107」)、テルペン樹脂(ヤスハラケミカル社製、商品名「YSレジン1150N」)、ミリスチン酸イソプロピル、流動パラフィン、及びインドメタシンを用いて、表1に示す配合処方とし、かつ、インドメタシン投与後の混合を150℃で行ったこと以外は、実施例1と同様にして消炎鎮痛貼付剤を作製した。結果を表1に示す。
【0043】
[実施例3]
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(JSR社製、商品名「SIS5002」)、脂環族飽和炭化水素樹脂(アルコンP100)、テルペン樹脂(YSレジン1150N)、カプリン酸トリグリセリド、流動パラフィン、及びインドメタシンを用いて、表1に示す配合処方とし、かつ、インドメタシン投与後の混合を140℃で行ったこと以外は、実施例1と同様にして消炎鎮痛貼付剤を作製した。結果を表1に示す。
【0044】
[実施例4]
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(シェル化学社製、商品名「クレイトンD1125X」)テルペン樹脂(YSレジン1150N)、セバシン酸ジエチル、流動パラフィン、及びインドメタシンを用いて、表1に示す配合処方とし、かつ、インドメタシン投与後の混合を130℃で行ったこと以外は、実施例1と同様にして消炎鎮痛貼付剤を作製した。結果を表1に示す。
【0045】
[比較例1]
インドメタシン投入後の混合を120℃にて実施した以外は、実施例1と全く同様の配合処方及び製造方法で消炎鎮痛貼付剤を作製した。結果を表1に示す。
【0046】
[比較例2]
インドメタシン投入後の混合を110℃にて実施した以外は、実施例2と全く同様の配合処方及び製造方法で消炎鎮痛貼付剤を作製した。結果を表1に示す。
【0047】
[比較例3]
インドメタシン投入後の混合を100℃にて実施した以外は、実施例3と全く同様の配合処方及び製造方法で消炎鎮痛貼付剤を作製した。結果を表1に示す。
【0048】
<試験法>
(1)融点測定:
熱分析試験法により実施した。具体的には、貼付剤の粘着剤層から粘着剤組成物を採取し、その約20mgをアルミニウム製のカップに入れ、同じくアルミニウム製のフタで密封し、測定試料とした。作製した試料を熱分析装置(DSC−50、島津製作所)にセットし、室温から180℃まで、昇温速度5℃/分の条件にて、示差熱分析を行った。得られたチャートの吸熱ピークより、融点を求めた。
【0049】
(2)皮膚透過性試験法:
皮膚透過性試験として、拡散セル試験方法を採用した。具体的に、貼付剤からの薬剤の皮膚透過性は、次のようにして試験した。ペントパルビタール麻酔下、へアレスラットの腹部を電気シェーバーを用いて除毛後、皮膚を摘出し、直径20mmφの横型拡散セルに装着した。2重構造のセルに32℃の温水を循環させて、セル内部を一定の温度条件に保ち、皮膚の角質層側には、20mmφに打ち抜いた試験貼付剤を貼付した。レシーバー溶液には、pH7.4のリン酸緩衝液を用いた。経時的にサンプリングし、メタノールを加えて、攪拌後、遠心分離し、除蛋白した溶液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて定量した。サンプリングした後のレシーバー溶液には、同量のpH7.4のリン酸緩衝液を添加した。各貼付剤からの皮膚透過速度は、「時間−累積透過量」のプロットが直線になったところの傾きから求めた。単位は、μg/cm2/hrである。
【0050】
【表1】
【0051】
表1の結果から、本発明の消炎鎮痛貼付剤(実施例1〜4)は、粘着剤層中でのインドメタシンの融点が130℃以下であり、皮膚透過速度が極めて速いことが分かる。これに対して、インドメタシンと溶解補助剤との混合温度が低い場合(比較例1〜3)は、インドメタシンの融点が高く、皮膚透過速度が遅いことが分かる。
【0052】
実施例1〜3と比較例1〜3の貼付剤の粘着剤層を電子顕微鏡で観察したところ、実施例1〜3の電子顕微鏡写真は、インドメタシンの再結晶による細かな結晶が分散しているのに対して、比較例1〜3の電子顕微鏡写真は、インドメタシンの結晶が十分に溶けておらず、元の大きな結晶が観察された。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、有効成分としてインドメタシンを含有する粘着テープ型の消炎鎮痛貼付剤であって、インドメタシンの経皮吸収性が顕著に改善された消炎鎮痛貼付剤とその製造方法が提供される。
Claims (8)
- 支持体上に、有効成分としてインドメタシンを含有する粘着剤層が形成された消炎鎮痛貼付剤において、粘着剤層が、130℃以下の融点を示す結晶状態のインドメタシンを含有することを特徴とする消炎鎮痛貼付剤。
- 粘着剤層が、インドメタシンの溶解補助剤を含有する請求項1記載の消炎鎮痛貼付剤。
- 溶解補助剤が、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、及び中鎖脂肪酸グリセリドからなる群より選ばれる少なくとも一種の脂肪酸エステルである請求項2記載の消炎鎮痛貼付剤。
- 粘着剤層を構成する粘着剤成分が、加熱溶融型粘着剤である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の消炎鎮痛貼付剤。
- 加熱溶融型粘着剤が、エラストマー基剤として、芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのブロック共重合体を含有するものである請求項4記載の消炎鎮痛貼付剤。
- 支持体上に、有効成分としてインドメタシンを含有する粘着剤層を形成する消炎鎮痛貼付剤の製造方法において、少なくともインドメタシンと溶解補助剤と粘着剤成分とを130℃以上の温度で混合して粘着剤組成物を形成し、次いで、該粘着剤組成物を支持体上に塗工することを特徴とする消炎鎮痛貼付剤の製造方法。
- 粘着剤成分が、加熱溶融型粘着剤である請求項6記載の製造方法。
- 130℃以下の融点を示す結晶状態のインドメタシンを含有する粘着剤層を形成する請求項6または7記載の製造方法。
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