JP5493163B2 - 外用貼付剤 - Google Patents

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Description

本発明は酸性薬物と粘着基剤を含有する外用貼付剤に関するものである。
外用貼付剤は、特に皮膚を介した投与経路が特徴であり、使用が簡単な上に、体内で一定の薬物濃度を維持することが可能である。また、吸収後の消化管及び肝臓において代謝を受けないため、これまで種々の外用貼付剤の開発がなされてきた。
外用貼付剤は粘着基剤や薬物貯留層に含まれる薬物の皮膚への分配、拡散、組織への移行という過程を経て薬物を体内に吸収させる。従って、基剤中の薬物の存在状態によって皮膚透過性が変化し得ることは周知の事実である。薬物の皮膚への移行の駆動力は濃度勾配であるので、薬物含有量が飽和濃度以下であれば、粘着基剤中の薬物濃度が高ければ高いほど皮膚への移行性が上昇し、さらに粘着基剤中の薬物含有量が飽和濃度以上では、過飽和等の特別な状態でない限り移行性は変化しないことが知られている。
例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3及び特許文献4には、粘着基剤中の薬物濃度を高くして薬物結晶を析出させたり、さらには飽和濃度以上で溶解状態を保たせる過飽和状態の貼付剤等が提案されている。
しかしながら、通例、ホットメルト法にて製造された粘着剤で、薬物を飽和濃度以上含有させた外用貼付剤は、製造時は薬物の過飽和状態や非晶質等の不安定な状態となっているために、流通中に状態が変化し、薬物結晶が析出したりすることで、薬物皮膚透過性や物性が変化することが多く、問題となってくる。また、粘着剤中での薬物結晶析出を製造工程中または流通過程の中で制御することは難しく、一定な品質の製剤が得られない場合もある。
本来、外用貼付剤では製剤中に薬物結晶が存在すると、薬物の飽和状態が保たれるため、高い放出性及び経皮吸収性を保持することが可能となる。しかし、製剤中に薬物が飽和濃度以上含有されている場合、結晶の析出状態がコントロールされないと、製剤の薬物放出性及び経皮吸収性が変化してしまうと共に、さらには皮膚への粘着力の低下や外観の悪さ等の問題も発生するのである。
一方、金属水酸化物を配合した貼付剤の例として、特許文献5には、分子内にカルボキシル基(又はその塩)を有する抗炎症薬と、分子内にヒドロキシル基を有する添加剤、及び金属水酸化物を含んでなることを特徴とする外用剤が提案されている。しかし、これらはカルボキシル基とヒドロキシル基とのエステル化反応を抑制することで薬物安定性を改善しているものである。従来、飽和濃度以上の薬物を含有する外用剤における薬物結晶析出の改善や、高い透過性の維持を可能にする技術は提案されていない。
特開昭60−16916号公報 特開昭60−185713号公報 特開昭63−35521号公報 特開昭63−93714号公報 特開2005−314328号公報
本発明の目的は、製剤自体の物性を変化させることなく、かつ簡単な手段で、薬物の高い放出性及び経皮吸収性を安定的に維持することが可能な外用貼付剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、酸性薬物を粘着基剤に含有させた外用貼付剤において、微量の1価及び/又は2価の金属水酸化物を配合することで薬物結晶の析出を大幅に抑制できる上、高い放出性及び経皮吸収性を維持することが可能であることを見出し、本発明に到達した。
本発明は、プロピオン酸系消炎鎮痛剤と粘着基剤を含有するホットメルト法で製造される外用貼付剤であって、飽和濃度以上のプロピオン酸系消炎鎮痛剤と、微量の水酸化カルシウムとを組み合わせて薬物透過性を安定的に維持させることを特徴とする外用貼付剤である。
本発明において、前記プロピオン酸系消炎鎮痛剤前記水酸化カルシウムとの質量比率は1:0.01〜0.1の範囲にあることが好ましい。
本発明の外用貼付剤は、粘着基剤に、酸性薬物とともに微量の薬物透過性安定化剤を配合することにより、薬物結晶の析出が抑制されるため、従来の外用貼付剤と比較し、薬物放出性の維持を実現し、長期にわたり極めて優れた経皮吸収性を有する製剤とすることができる。
特に、本発明の外用貼付剤に含有される1価及び/又は2価の金属水酸化物は、特に極少量で薬物の透過性安定化作用を発揮することから、その配合による粘着力の変化など物性面への影響が少なく、かつ低コストで上記の効果を示すことができる。
比較例2、4、5と実施例2における酸性薬物含有製剤の累積透過量を示すグラフ。 比較例1と実施例1における酸性薬物含有製剤の累積透過量を示すグラフ。 比較例2と実施例2における酸性薬物含有製剤の累積透過量を示すグラフ。 比較例3と実施例3における酸性薬物含有製剤の累積透過量を示すグラフ。 製造2箇月後における酸性薬物含有製剤の累積透過量を示すグラフ。
本発明の外用貼付剤は、皮膚を介して体内に薬物を吸収させ、薬効を発揮させる。本発明で用いられる薬物としては、医薬品として許容される通常酸性薬物(その塩を含む)と称される薬物であれば特に限定されるものではない。具体的な薬物の例としては、抗炎症薬(アセメタシン、インドメタシン、エトドラク、スリンダク等のインドール酢酸系消炎鎮痛剤、サリチル酸、エテンザミド、ジフルニサル等のサリチル酸系消炎鎮痛剤、フルフェナム酸アルミニウム、メフェナム酸等のフェナム酸系消炎鎮痛剤、アルクロフェナク、ジクロフェナクナトリウム、フェンブフェン、フェルビナク等のフェニル酢酸系消炎鎮痛剤、イブプロフェン、ケトプロフェン、ザルトプロフェン、スプロフェン、チアプロフェン酸、プラノプロフェン、フルルビプロフェン、ロキソプロフェンナトリウム等のプロピオン酸系消炎鎮痛剤)、抗生物質(セファゾリン、塩酸セフォチアム、塩酸セフメノキシム、ペニシラミン、イミペナム・シラスタチンナトリウム等)催眠鎮静・抗不安剤(アモバルビタール、アロバルビタール、セコバルビタール、フェノバルビタール)、筋弛緩剤(ダントロレン、ミバクリウム等)、強心剤(ブクラデシン等)、利尿剤(フロセミド、テオブロミン、カレノン酸カリウム等)、循環器官用剤(オザグレル、プラバスタチン、ニスバスタチン等)、抗アレルギー剤(クロモグリク酸ナトリウム、ペシロラストカリウム等)、卵胞・黄体ホルモン剤(エストロン硫酸ナトリウム、エクイリン硫酸ナトリウム等)、皮膚疾患用剤(シクロピロクスオラミン等)、血液凝固阻止剤(ワルファリン等)、糖尿病用剤(グリミジンナトリウム等)が挙げられる。特にフルルビプロフェン、ケトプロフェン、ロキソプロフェンナトリウム、ジクロフェナクナトリウムである事が望ましい。
この場合、酸性薬物の配合量は、少なくなると薬効を示すのに必要な皮膚透過量が得られず、過剰量になると粘着基剤中に薬物結晶が析出しやすくなり、皮膚透過量の低下につながってしまう。従って好ましくは粘着基剤、即ち貼付剤組成物中に1〜10質量%であり、より好ましくは2〜7質量%である。
一方、本発明において、粘着基剤中に安定的に飽和濃度以上の薬物の溶解及び/又は融解状態を維持するために微量の1価及び/又は2価の金属水酸化物が用いられる。その種類は特に限定されるものではないが、水酸化カルシウムと水酸化カリウムが好ましい。また金属水酸化物は1種で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明において、「飽和濃度以上」とは、貼付剤組成物中の薬物濃度が室温(約20℃)において飽和濃度以上であることをいい、通常は飽和濃度を越え、飽和濃度の10倍程度までの薬物濃度が用いられる。
このような状態は、通常、加熱して融解(擬似的融解状態も包含する)した粘着基剤に薬物を溶解ないし融解させて均一な流動性組成物をつくり、室温まで徐冷すること、即ちホットメルト法を用いることによって形成される。その際、微量の上記金属水酸化物を均一に分散させることにより、薬物が結晶化を遅らせ、溶解状態を長期間保ち、薬物透過性の安定的な維持を可能にする。他方、上記金属水酸化物を組合せない場合には短期間で薬物の結晶化が起こる。
本発明における1価及び/又は2価の金属水酸化物の配合量は、酸性薬物1に対する質量比が0.01〜0.1程度、特に0.02〜0.05であることが望ましい。0.01未満であると十分な薬物過飽和安定化効果が得られず、0.1を超えた場合、結晶抑制効果は得られるが、過剰量の金属水酸化物が薬物の皮膚透過を制限し、十分な皮膚透過量を得られなかったり、生物学的な利用率を低下させたりする。
本発明の外用貼付剤において使用される粘着基剤としては、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、含水性粘着剤等が挙げられるが、ゴム系粘着剤がより好ましい。このゴム系粘着剤の例としては、天然ゴム、合成イソプレンゴム、スチレン−イソプレン−スチレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム、ポリイソブチレン、ポリイソプレン及びポリブチルゴム等が挙げられる。これらの少なくとも1種を使用することが好ましい。
上記に示した粘着剤に、必要に応じて粘着付与剤、軟化剤、吸収促進剤、酸化防止剤等を添加しても良い。粘着付与剤としては、ロジン及びロジン誘導体、ポリテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、石油樹脂、クマロンインデン樹脂、アルキルフェノール樹脂、キシレン樹脂等が挙げられる。また軟化剤としては、流動パラフィン、ポリブテン、液状ポリイソブチレン、ひまし油、ラノリン等が、吸収促進剤としては、グリコール類、油脂類、極性溶剤等が、酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン等が挙げられる。
本発明では、飽和濃度以上の薬物が、前記したように、貼付剤組成物中に1〜10質量%存在するように、用いる薬物に応じ、貼付剤を構成する粘着基剤を選択することが好ましい。
本発明の外用貼付剤は、前記したように、薬物が溶解ないし融解して粘着基剤中に均一に溶解ないし融解分散する高温過程を経る方法、即ちホットメルト法で適当な支持体表面に塗工することによって製造される。上記の工程は非水系で行うことが好ましい。ホットメルト法は、従来から油性外用貼付剤所謂テープ剤の製造で常用されている。
本発明では、通常加熱融解した粘着基剤中に、微細な金属水酸化物を分散させて酸性薬物を溶解ないし融解させて均一な流動性組成物をつくり、これを支持体表面に塗工して外用貼付剤とされる。
支持体としては、従来から使用されている適宜の支持体を用いることができる。好ましくは薬物の放出に影響しないものであり、伸縮性及び非伸縮性のいずれのものも用いることができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ナイロン、ポリウレタン等の合成樹脂フィルムまたはシートあるいはこれらの積層体、多孔質体、発泡体、紙、布及び不織布等より選択され、使用される。
上記のようにして製造された本発明の外用貼付剤は、使用時まで貼付剤の粘着層を保護する目的で表面に剥離紙や剥離フィルムを貼付しておくことが好ましい。
表面保護のための、剥離フィルムまたは剥離紙としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の高分子材料で作られたフィルムや、紙の上にシリコーンオイル等を塗布したものが好ましく使用される。
本発明の外用貼付剤の粘着層の厚みは、使用目的により異なるが、薄くなると薬物を必要量含有できず、厚くなると、皮膚に対する追従性の低下や粘着層の凝集性が悪化、ブレードなど問題が発生してしまう。通常10〜300μmが好ましい。
上記のようにして得られる本発明の外用貼付剤は、皮膚及び粘膜を介して薬物を体内に投与するため、皮膚や粘膜に直接貼付される。
本発明の外用貼付剤においては、薬物及び金属水酸化物は粘着基剤中で、何らかの相互作用、例えばイオン結合や配位結合などの電気的な相互作用を起こし、その相互作用が固定化されるのではなく、平衡状態を保ち変化することが薬物の結晶化を抑制するものと考えられる。このとき金属水酸化物は1分子で2分子またはそれ以上の薬物と相互作用を示すと考えられ、極微量でその効果を大いに発揮すると考えられる。
また、驚くべきことに、この作用は一定の薬物濃度でのみ起こることではなく、薬物濃度に応じて1価及び/又は2価の金属水酸化物を適当量添加することで、この平衡状態を変化させることができることを発見した。すなわち、濃度の異なる状態でこの平衡状態を保たせることにより、皮膚透過性をコントロールすることが出来ることを発見したものである。
次に、実施例及び比較例によって本発明を例証する。
〔比較例1〕
フルルビプロフェン 2
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 25
テルペン樹脂 15
流動パラフィン 48
ポリブデン 10
(製法)
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、テルペン樹脂、流動パラフィン及びポリブデンを加熱して混合し、それに流動パラフィンとフルルビプロフェンを混合させたものを添加して均一な溶融物とした。この溶融物をフィルムライナー上に厚さ100μmになるように塗布展延して膏体層を形成した。その後、塗布面に支持体を貼り合わせ、所望の大きさに裁断して貼付剤を得た。この貼付剤は基剤中の飽和濃度が約1.5%であるため、その約1.3倍の薬物量が含有されている事になる。
フルルビプロフェン 2
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 25
テルペン樹脂 15
流動パラフィン 47.95
ポリブデン 10
水酸化カルシウム 0.05
(製法)
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、テルペン樹脂、流動パラフィン、ポリブデン及び水酸化カルシウムを加熱して混合し、それに流動パラフィンとフルルビプロフェンを混合させたものを添加して均一な溶融物とした。この溶融物をフィルムライナー上に厚さ100μmになるように塗布展延して膏体層を形成した。その後、塗布面に支持体を貼り合わせ、所望の大きさに裁断して貼付剤を得た。この貼付剤は飽和濃度の約1.3倍の薬物量が含有されている事になる。
〔比較例2〕
フルルビプロフェン 4
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 25
テルペン樹脂 15
流動パラフィン 46
ポリブデン 10
(製法)
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、テルペン樹脂、流動パラフィン及びポリブデンを加熱して混合し、それに流動パラフィンとフルルビプロフェンを混合させたものを添加して均一な溶融物とした。この溶融物をフィルムライナー上に厚さ100μmになるように塗布展延して膏体層を形成した。その後、塗布面に支持体を貼り合わせ、所望の大きさに裁断して貼付剤を得た。この貼付剤は飽和濃度の約2.7倍の薬物量が含有されている事になる。
フルルビプロフェン 4
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 25
テルペン樹脂 15
流動パラフィン 45.8
ポリブデン 10
水酸化カルシウム 0.2
(製法)
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、テルペン樹脂、流動パラフィン、ポリブデン及び水酸化カルシウムを加熱して混合し、それに流動パラフィンとフルルビプロフェンを混合させたものを添加して均一な溶融物とした。この溶融物をフィルムライナー上に厚さ100μmになるように塗布展延して膏体層を形成した。その後、塗布面に支持体を貼り合わせ、所望の大きさに裁断して貼付剤を得た。この貼付剤は飽和濃度の約2.7倍の薬物量が含有されている事になる。
〔比較例3〕
フルルビプロフェン 6
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 25
テルペン樹脂 15
流動パラフィン 44
ポリブデン 10
(製法)
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、テルペン樹脂、流動パラフィン及びポリブデンを加熱して混合し、それに流動パラフィンとフルルビプロフェンを混合させたものを添加して均一な溶融物とした。この溶融物をフィルムライナー上に厚さ100μmになるように塗布展延して膏体層を形成した。その後、塗布面に支持体を貼り合わせ、所望の大きさに裁断して貼付剤を得た。この貼付剤は飽和濃度の約4.0倍の薬物量が含有されている事になる。
フルルビプロフェン 6
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 25
テルペン樹脂 15
流動パラフィン 43.7
ポリブデン 10
水酸化カルシウム 0.3
(製法)
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、テルペン樹脂、流動パラフィン、ポリブデン及び水酸化カルシウムを加熱して混合し、それに流動パラフィンとフルルビプロフェンを混合させたものを添加して均一な溶融物とした。この溶融物をフィルムライナー上に厚さ100μmになるように塗布展延して膏体層を形成した。その後、塗布面に支持体を貼り合わせ、所望の大きさに裁断して貼付剤を得た。この貼付剤は飽和濃度の約4.0倍の薬物量が含有されている事になる。
〔比較例4〕
フルルビプロフェン 4
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 25
テルペン樹脂 15
流動パラフィン 45.8
ポリブデン 10
水酸化アルミニウム 0.2
(製法)
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、テルペン樹脂、流動パラフィン、ポリブデン及び水酸化アルミニウムを加熱して混合し、それに流動パラフィンとフルルビプロフェンを混合させたものを添加して均一な溶融物とした。この溶融物をフィルムライナー上に厚さ100μmになるように塗布展延して膏体層を形成した。その後、塗布面に支持体を貼り合わせ、所望の大きさに裁断して貼付剤を得た。この貼付剤は飽和濃度の約2.7倍の薬物量が含有されている事になる。
〔比較例5〕
フルルビプロフェン 4
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 25
テルペン樹脂 15
流動パラフィン 45.8
ポリブデン 10
炭酸カルシウム 0.2
(製法)
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、テルペン樹脂、流動パラフィン、ポリブデン及び炭酸カルシウムを加熱して混合し、それに流動パラフィンとフルルビプロフェンを混合させたものを添加して均一な溶融物とした。この溶融物をフィルムライナー上に厚さ100μmになるように塗布展延して膏体層を形成した。その後、塗布面に支持体を貼り合わせ、所望の大きさに裁断して貼付剤を得た。この貼付剤は飽和濃度の約2.7倍の薬物量が含有されている事になる。
〔試験例1〕
放出性試験
実施例2及び比較例2、4及び5で作製した外用貼付剤から直径1cmの平面円形状の試験片(貼付面積:0.785cm)を切り出し、厚さ0.2mmのシリコン膜に装着した後、速やかに37℃に保持された2−チャンバー拡散セルに装着した。レセプター側にpH7.2のリン酸緩衝液を適用し、所定時間ごとにレセプター液を一定量採取し、高速液体クロマトグラフによりフルルビプロフェンの濃度を測定し、累積透過量を算出した。またこれらの貼付剤を製造から1箇月及び2箇月間25℃のチャンバーで保存した製剤においても同様の試験を行った。
結果を図1に示した。比較例2、4及び5は時間が経過すると結晶が析出したため、それに伴う放出性(累積透過量)の低下が確認された。ただし試験開始時において比較例4、5は結晶析出が既に始まっており、比較例2よりも低い放出性を示していた。これらの結果より、比較例2、4及び5の製剤は製造初期において不安定な状態、例えば薬物が過飽和のような状態にあり、結晶析出が起こりやすい状態になっていると考えられる。よって時間が経過するに伴い結晶が析出し、放出性の低下が起こったものと考えられる。
それに対し、実施例2の経皮吸収型製剤は、1箇月後及び2箇月後でも結晶析出が抑制され、試験開始時とほぼ同程度の放出性を維持していることが確認された。それぞれ同量の薬物を含有している比較例2、4及び5に比較して、高い放出性を維持していることを示している。つまり本発明で1価及び/又は2価の金属水酸化物、特に水酸化カルシウムを加える事により、製剤中の薬物が不安定な状態と類似の状態を長期間維持できるようになったため、結晶析出が抑制され、結果として放出性の維持が可能となったものと考えられる。つまりこれらの結果は本発明の有用性を裏づけるものである。
〔試験例2〕
ラット皮膚透過試験
麻酔した8週齢のヘアレスラットの腹部皮膚を摘出し、真皮側の脂肪層を取り除いた。実施例1、2及び3、比較例1、2及び3で作製した外用貼付剤から直径1cmの平面円形状の試験片(貼付面積:0.785cm)を切り出し、皮膚に装着した後、速やかに37℃に保持された2−チャンバー拡散セルに装着した。レセプター側にpH7.2のリン酸緩衝液を適用し、所定時間ごとにレセプター液を一定量採取し、高速液体クロマトグラフによりフルルビプロフェンの濃度を測定し、累積透過量を算出した。またこれらの貼付剤を製造から1及び2箇月間25℃のチャンバーで保存した製剤においても同様の試験を行った。
結果を図2、3、4及び5に示した。比較例1、2及び3は時間が経過すると結晶が析出したため、それに伴う皮膚透過性(累積透過量)の低下が確認された。ただし比較例3(フルルビプロフェン6%含有)においては試験開始の時点で結晶析出が始まっており、比較例2(フルルビプロフェン4%含有)よりも低い透過性を示した。
それに対し、実施例1、2及び3の経皮吸収型製剤は、1箇月後及び2箇月後でも結晶析出が抑制され、試験開始時とほぼ同程度の透過性を維持していることが確認された。それぞれ同量の薬物を含有している比較例1、2及び3に比較して、高い透過性を維持していることを示している。また製剤中の薬物の状態が十分に安定していると考えられる製造2箇月後において、ラット皮膚透過試験の累積透過量を各フルルビプロフェン濃度で比較し、図5に示した。特に、薬物濃度を高く設定していっても、それに応じて1価及び/又は2価の金属水酸化物を添加することで透過性が更に高い値に維持出来ることがわかった。すなわち、これらの結果は、基剤中の薬物濃度を上げることにより、皮膚透過性を向上させたことを示しており、本発明の有用性を裏づけるものである。

Claims (4)

  1. プロピオン酸系消炎鎮痛剤と粘着基剤を含有するホットメルト法で製造される外用貼付剤であって、飽和濃度以上のプロピオン酸系消炎鎮痛剤と、微量の水酸化カルシウムとを組み合わせて薬物透過性を安定的に維持させることを特徴とする外用貼付剤。
  2. 前記プロピオン酸系消炎鎮痛剤前記水酸化カルシウムとの質量比率が1:0.01〜0.1の範囲にある請求項1に記載の外用貼付剤。
  3. 前記プロピオン酸系消炎鎮痛剤が、フルルビプロフェンである請求項1または2に記載の外用貼付剤。
  4. 非水系である請求項1〜のいずれかに記載の外用貼付剤。
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