JP2004300074A - エルカトニン水溶液組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、エルカトニンを有効成分とする水溶液組成物において、例えば、ガラスアンプルに入れた後、長期間活性値を保つことができるエルカトニン水溶液組成物を提供することにある。
【解決手段】エルカトニンを有効成分とする水溶液注射剤において、NH2CH2COOH(グリシン)を含むことを特徴とする。
【選択図】 なし
【解決手段】エルカトニンを有効成分とする水溶液注射剤において、NH2CH2COOH(グリシン)を含むことを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はエルカトニンを有効成分として含有する水溶液組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
エルカトニンを有効成分とする製剤は、おもに高カルシウム血症、骨ページェット病、或いは骨粗鬆症における疼痛改善に用いられている。このエルカトニンは、消化液によって分解されることから経口投与が困難であり、これにより水溶液注射剤として注射用のガラスアンプルで供給される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、注射用のガラスアンプルに入れられたエルカトニンは、時間の経過に伴って、その定量値が減少する。すなわち、エルカトニンの活性値が減少し、投与時に充分な効能を発揮できない不都合を生じるものであった。そこで、エルカトニンの活性値を維持する方法として、特公平5−24137号公報のような水溶液のpHとイオン強度を調整するものが発表されており、この方法では、酢酸、又は/及びその他の水可溶性塩を用い、イオン強度をμ=0.01〜0.5に調整するものであるが、このイオン強度の調整の煩雑さや、或いは得られた医薬を使用した場合における酢酸臭を有する不都合があった。
【0004】
本発明は、エルカトニンを有効成分とする水溶液組成物において、例えば、ガラスアンプルに入れた後、長期間活性値を保つことができるエルカトニン水溶液組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、エルカトニンを有効成分とする水溶液注射剤において、NH2CH2COOH(グリシン)を含むことを特徴とする。
【0006】
ここでグリシンを添加するのは、このグリシンが最も単純な構造をなすアミノ酸であり、エルカトニンの活性を変化させることがなく、注射用のガラスアンプルに入れられたエルカトニンの活性値減少を抑え、しかも、水溶性が非常に高いからである。さらに本発明に使用する溶媒としては、生理学的に許容されているものであれば特に限定するものではないが、具体的には、注射用水や或いは生理食塩水などが挙げられる。
【0007】
このように形成すると、グリシン水溶液に有効成分であるエルカトニンを含有させることで、有効成分の安定性を保ち、更に製造ライン及びガラスアンプルにおける吸着等による定量値の減少、すなわち、エルカトニンの経時的活性値低下を抑えるので、長時間薬効を持続できる。
【0008】
本発明のうち請求項2記載の発明は、NH2CH2COOH(グリシン)の含有量を0.1〜25.0w/v%とするもので、特に、この範囲内にあれば、水溶液注射剤中のエルカトニンの活性値が充分に保たれる。
【0009】
【発明の実施の形態】
まず本発明の水溶液注射剤の有効成分であるエルカトニンについて説明すると、このエルカトニンは、高カルシウム血症、骨ページェット症、或いは骨粗鬆症における疼痛改善に用いられる医薬である。
【0010】
一方、本発明で安定化剤として用いるグリシンは、1つの炭素に水素とカルボキシル基、アミノ基とが結合した最も簡単な構造のアミノ酸であり、一般的に動物性タンパク質中に多く含まれている。また本実施形態では、このグリシンの水溶液注射剤の濃度の設定として、0.1〜25.0w/v%の範囲内で添加する。
【0011】
上記のエルカトニンとグリシンとを溶解する溶媒としては、本実施形態では注射用水を用いるものであるが、この他に例えば、生理食塩水等を使用してもよい。また本発明のエルカトニン水溶液組成物は、さらにpH調節剤、緩衝剤、等張化剤、吸着防止剤等を配合してもよい。
【0012】
【実施例】
次に、実験例及び比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。
尚、本実験例は高速液体クロマトグラフ法によって残存率を測定したものであり、この測定条件は以下の通りである。
・カラム:ODSカラム 4.6×150mm
・検出:UV 220nm
・移動相:0.1%TFA−アセトニトリル(68:32)
・カラム温度:40℃
「比較例(ブランク)」
ブランクは、エルカトニン0.8mg、クエン酸20.0mg、塩化ナトリウム1800mgを注射用水に溶解し、次いで、水酸化ナトリウムを適量加えpH6に調整後、注射用水で全量を200mlに調整した。
「実験例1〜4」
実験例1〜4は、エルカトニン0.8mg、クエン酸20.0mg、塩化ナトリウム1800mgを注射用水に溶解し、次いで、水酸化ナトリウムを適量加えpH6に調整後、各アミノ酸を加え、注射用水で全量を200mlに調整した。
【0013】
「 結 果 」
高速液体クロマトグラフ法により測定したエルカトニンの残存率を表2に示した。
この結果から、本発明のグリシンを添加したエルカトニン水溶液組成物のエルカトニン含量(実験例4)は、前述の比較例及び実験例1〜3と比べて長時間保たれることがわかり、また製造されたエルカトニン水溶液注射剤についても、性状が変化することなく安定した薬効を発揮するものである。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
【発明の効果】
本発明によれば、例えば、エルカトニンを有効成分とする水溶液注射剤において、熱や光に対して安定で良好なエルカトニン水溶液組成物を提供することができる。
【産業上の利用分野】
本発明はエルカトニンを有効成分として含有する水溶液組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
エルカトニンを有効成分とする製剤は、おもに高カルシウム血症、骨ページェット病、或いは骨粗鬆症における疼痛改善に用いられている。このエルカトニンは、消化液によって分解されることから経口投与が困難であり、これにより水溶液注射剤として注射用のガラスアンプルで供給される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、注射用のガラスアンプルに入れられたエルカトニンは、時間の経過に伴って、その定量値が減少する。すなわち、エルカトニンの活性値が減少し、投与時に充分な効能を発揮できない不都合を生じるものであった。そこで、エルカトニンの活性値を維持する方法として、特公平5−24137号公報のような水溶液のpHとイオン強度を調整するものが発表されており、この方法では、酢酸、又は/及びその他の水可溶性塩を用い、イオン強度をμ=0.01〜0.5に調整するものであるが、このイオン強度の調整の煩雑さや、或いは得られた医薬を使用した場合における酢酸臭を有する不都合があった。
【0004】
本発明は、エルカトニンを有効成分とする水溶液組成物において、例えば、ガラスアンプルに入れた後、長期間活性値を保つことができるエルカトニン水溶液組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、エルカトニンを有効成分とする水溶液注射剤において、NH2CH2COOH(グリシン)を含むことを特徴とする。
【0006】
ここでグリシンを添加するのは、このグリシンが最も単純な構造をなすアミノ酸であり、エルカトニンの活性を変化させることがなく、注射用のガラスアンプルに入れられたエルカトニンの活性値減少を抑え、しかも、水溶性が非常に高いからである。さらに本発明に使用する溶媒としては、生理学的に許容されているものであれば特に限定するものではないが、具体的には、注射用水や或いは生理食塩水などが挙げられる。
【0007】
このように形成すると、グリシン水溶液に有効成分であるエルカトニンを含有させることで、有効成分の安定性を保ち、更に製造ライン及びガラスアンプルにおける吸着等による定量値の減少、すなわち、エルカトニンの経時的活性値低下を抑えるので、長時間薬効を持続できる。
【0008】
本発明のうち請求項2記載の発明は、NH2CH2COOH(グリシン)の含有量を0.1〜25.0w/v%とするもので、特に、この範囲内にあれば、水溶液注射剤中のエルカトニンの活性値が充分に保たれる。
【0009】
【発明の実施の形態】
まず本発明の水溶液注射剤の有効成分であるエルカトニンについて説明すると、このエルカトニンは、高カルシウム血症、骨ページェット症、或いは骨粗鬆症における疼痛改善に用いられる医薬である。
【0010】
一方、本発明で安定化剤として用いるグリシンは、1つの炭素に水素とカルボキシル基、アミノ基とが結合した最も簡単な構造のアミノ酸であり、一般的に動物性タンパク質中に多く含まれている。また本実施形態では、このグリシンの水溶液注射剤の濃度の設定として、0.1〜25.0w/v%の範囲内で添加する。
【0011】
上記のエルカトニンとグリシンとを溶解する溶媒としては、本実施形態では注射用水を用いるものであるが、この他に例えば、生理食塩水等を使用してもよい。また本発明のエルカトニン水溶液組成物は、さらにpH調節剤、緩衝剤、等張化剤、吸着防止剤等を配合してもよい。
【0012】
【実施例】
次に、実験例及び比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。
尚、本実験例は高速液体クロマトグラフ法によって残存率を測定したものであり、この測定条件は以下の通りである。
・カラム:ODSカラム 4.6×150mm
・検出:UV 220nm
・移動相:0.1%TFA−アセトニトリル(68:32)
・カラム温度:40℃
「比較例(ブランク)」
ブランクは、エルカトニン0.8mg、クエン酸20.0mg、塩化ナトリウム1800mgを注射用水に溶解し、次いで、水酸化ナトリウムを適量加えpH6に調整後、注射用水で全量を200mlに調整した。
「実験例1〜4」
実験例1〜4は、エルカトニン0.8mg、クエン酸20.0mg、塩化ナトリウム1800mgを注射用水に溶解し、次いで、水酸化ナトリウムを適量加えpH6に調整後、各アミノ酸を加え、注射用水で全量を200mlに調整した。
【0013】
「 結 果 」
高速液体クロマトグラフ法により測定したエルカトニンの残存率を表2に示した。
この結果から、本発明のグリシンを添加したエルカトニン水溶液組成物のエルカトニン含量(実験例4)は、前述の比較例及び実験例1〜3と比べて長時間保たれることがわかり、また製造されたエルカトニン水溶液注射剤についても、性状が変化することなく安定した薬効を発揮するものである。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
【発明の効果】
本発明によれば、例えば、エルカトニンを有効成分とする水溶液注射剤において、熱や光に対して安定で良好なエルカトニン水溶液組成物を提供することができる。
Claims (2)
- エルカトニンを有効成分とする水溶液注射剤において、
NH2CH2COOH(グリシン)を含むことを特徴とするエルカトニン水溶液組成物。 - NH2CH2COOH(グリシン)の含有量は、0.1〜25.0w/v%とすることを特徴とする請求項1記載のエルカトニン水溶液組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003095678A JP2004300074A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | エルカトニン水溶液組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003095678A JP2004300074A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | エルカトニン水溶液組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004300074A true JP2004300074A (ja) | 2004-10-28 |
Family
ID=33407946
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003095678A Pending JP2004300074A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | エルカトニン水溶液組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004300074A (ja) |
-
2003
- 2003-03-31 JP JP2003095678A patent/JP2004300074A/ja active Pending
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