JP2004299760A - 補助物質を収容した補助部材を含む容器蓋 - Google Patents

補助物質を収容した補助部材を含む容器蓋 Download PDF

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Abstract

【課題】飲料のために広く一般に使用されている容器に適用することができ、安価に製作することができ、そして更に過剰な力を必要とすることなく比較的容易に補助物質を容器に収容されている内容物に混入することができる、補助物質を収容した補助部材を含む容器蓋を提供する。
【解決手段】容器蓋(2)は、容器の口頸部(98)に装着される蓋本体(4)と、蓋本体に装着される中間部材(6)と、中間部材に装着される外蓋(8)と、容器内に充填すべき補助物質を収容した補助容器(10)とを具備する。中間部材は、破断可能な橋絡部(74)を介して筒状壁(56)の内周面に接続され且つ筒状壁内に位置せしめられている切断部材(68)を含んでいる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器内に充填すべき補助物質を収容した補助容器を含み、容器内に収容されている内容物を消費する際には補助容器内に収容されている補助物質を容器内に充填して容器内の内容物に混入することができる形態の容器蓋に関する。
【0002】
【従来の技術】
容器内に収容された内容物、例えばコーヒ、とは別個に容器蓋に補助物質、例えばミルク、を収容しておき、容器の内容物を消費する際に容器蓋に収容されている補助物質を混入するようになせば、容器の内容物に予め補助物質を混入しておく場合と比較して、優れた香り、風味等を得ることができる。
【0003】
下記特許文献1乃至3には、主たる内容物と補助物質とを別個に収容しておいて、消費に際して主たる内容物に補助物質を混入することができる形態の、容器と蓋との組み合わせが開示されている。
【0004】
【特許文献1】
実用新案登録第2518325号公報
【特許文献2】
実公平3−22131号公報
【特許文献3】
実公昭57−43785号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
然るに、上記特許文献1乃至3に開示された組み合わせには、特に容器に収容されている内容物がコーヒ、紅茶、日本茶等の飲料である場合に、次のとおりの問題がある。第一に、容器自体を独特な形態にせしめることが必要であり、飲料のために広く一般に使用されている、ポリエチレンテレフタレートの如き合成樹脂或いはガラスから形成された容器を利用することができない。第二に、容器の構成が相当複雑であり、製作コストが高価になる。第三に、主たる内容物に補助物質を混入するために必要な操作が必ずしも容易ではなく、過剰な力を必要とすることが少なくない。
【0006】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、飲料のために広く一般に使用されている容器に適用することができ、安価に製作することができ、そして更に過剰な力を必要とすることなく比較的容易に補助物質を容器に収容されている内容物に混入することができる、補助物質を収容した補助部材を含む新規且つ改良された容器蓋を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記主たる技術的課題を達成することができる容器蓋として、容器の口頸部に装着される蓋本体と、該蓋本体に装着される中間部材と、該中間部材に装着される外蓋と、容器内に充填すべき補助物質を収容した補助容器とを具備し、
該蓋本体は天面壁と該天面壁の周縁から垂下するスカート壁とを含み、該天面壁には破断可能ラインが形成されており、
該中間部材は該蓋本体の該天面壁を越えて上方に延びる筒状壁と、破断可能な橋絡部を介して該筒状壁の内周面に接続され且つ該筒状壁内に位置せしめられている切断部材とを含み、
該外蓋は上面壁と該上面壁の周縁から垂下する筒状垂下壁と該上面壁の内面から垂下する垂下筒とを含み、該垂下壁の下部内周面を該中間部材の該筒状壁の外周面に被嵌することによって該外蓋が該中間部材に装着され、該垂下壁には周方向に延びる周方向破断可能ラインが形成されており、
該補助容器は該外蓋の該上面壁と該垂下筒とによって規定される空間内に収容され、下面の少なくとも一部は破断可能シール部材によって閉じられており、
該外蓋の該垂下壁に形成されている該周方向破断可能ラインを破断せしめて該垂下壁の該周方向可能破断ラインよりも下方の部分を除去すると、該中間部材に対して該外蓋を下降せしめることが許容され、
該中間部材に対して該外蓋を下降せしめると、該切断部材の上端が該補助部材の該破断可能シール部材に作用することによって該破断可能シール部材が破断され、
該中間部材に対して更に該外蓋を下降せしめると、該外蓋の該垂下筒が該中間部材に作用することによって該橋絡部が破断せしめられ、次いで該外蓋の下降に付随して該切断部材も下降せしめられ、該切断部材の下端が該蓋本体の該天面壁に形成されている該破断可能ラインに作用することによって該破断可能ラインが破断される、
ことを特徴とする容器蓋が提供される。
【0008】
好ましくは、該中間部材の該筒状壁の外周面には上方を向いた外側環状肩面が形成されており、該外蓋の該垂下壁の下端が該外側環状肩面に当接せしめられ、そしてまた該中間部材の該筒状壁の内周面には下方を向いた内側環状肩面が形成されており、該内側環状肩面が該蓋本体の該天面壁の上面周縁部に当接せしめられている。該中間部材の該筒状壁は該蓋本体の該スカート壁の外周面に沿って延びる下部を有し、該下部の内周面には環状係合突条又は溝が形成されており、該スカート壁の外周面には該環状係合突条が係合せしめられる環状係合溝又は突条が形成されているのが望ましい。該外蓋の該垂下筒の内周面には拘束突条が形成されており、該補助容器は該拘束突条を弾性的に乗り越えて該拘束突条よりも上方の空間に収容されるのが好適である。該中間部材の該筒状壁の内周面上端部には係止突条が形成されており、該外蓋の該垂下筒の外周面下端部にも係止突条が形成されており、該外蓋の該係止突条は該中間部材の該係止突条を弾性的に乗り越えてその下方に位置せしめられているのが好都合である。好ましくは、該切断部材は軸線方向に延びる円筒形状切断部を有し、該切断部の上端及び下端は傾斜せしめられており、該切断部材は該橋絡部を介して該筒状壁の内周面に接続された環状部を有し、該切断部は該環状部内に配置されて該切断部と該環状部との間を放射状に延びる複数個の接続部によって該環状部に接続されている。該橋絡部は周方向に等間隔をおいて複数個配設することができる。該中間部材の該筒状壁の外周面と該外蓋の該垂下壁の内周面とには協働して該中間部材に対して該外蓋が回転するのを阻止する回り止め手段が配設されているのが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従って構成された容器蓋の好適実施形態を図示している添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
【0010】
図1を参照して説明すると、本発明に従って構成された全体を番号2で示す容器蓋は、蓋本体4、中間部材6、外蓋8及び補助容器10から構成されている。
【0011】
図1と共に図2及び図3を参照して説明を続けると、ポリエチレン或いはポリプロピレンの如き適宜の合成樹脂から一体に形成することができる蓋本体4は、円形天面壁12とこの天面壁12の周縁から垂下する略円筒形状のスカート壁14とを有する。スカート壁14の外周面には下方に向かって半径方向外方に傾斜する円錐台形状部16が形成されている。そして、この円錐台形状部16の上方において、スカート壁14の外周面には周方向に間隔をおいて軸線方向に延びる多数の滑り止め突条18が形成されている。図2に明確に図示する如く、スカート壁14の上端部には周方向に連続して延在する環状係合溝20が形成されており、上記滑り止め突条18は環状係合溝20によって中断されている。円錐台形状部16の直ぐ下方には周方向破断可能ライン22が配設されており、スカート壁14は周方向破断可能ライン22よりも上方の主部24と周方向破断可能ライン22よりも下方のタンパーエビデント裾部26とに区画されている。スカート壁14の内周面には下方を向いた環状肩面28が形成されており、かかる環状肩面28から下方に延びる突条30が周方向に適宜の間隔をおいて複数個形成されている。上記周方向破断可能ライン22は、突条30の軸線方向中間部において、スカート壁14の外周面から切断刃(図示していない)を作用せしめて、突条30の少なくとも一部を残留せしめてスカート壁14を切断することによって形成されている。突条30の各々の切断されることなく残留せしめられた部分が所謂橋絡部を構成し、タンパーエビデント裾部26は複数個の橋絡部を介して主部24に接続されている。
【0012】
スカート壁14の主部24の内周面には雌螺条32が形成されている。かかる雌螺条32は、周方向に間隔をおいて軸線方向に延びる通気用切欠34によって中断されている。タンパーエビデント裾部26の内周面には係止手段36が形成されている。図示の実施形態における係止手段36は、周方向に間隔をおいて配設され半径方向内方に向かって上方に傾斜して延びる複数個の突出片38から形成されている。
【0013】
天面壁12の内面における外周領域には内側円筒状シール片40、外側円筒状シール片42及び環状当接片44が形成されている。内側円筒状シール片40は天面壁12の内面から下方に向かって幾分半径方向外方に傾斜して延出している。外側円筒状シール片42は内側円筒状シール片40から半径方向外方に所定距離離間せしめて配置されており、天面壁12の内面から略鉛直に下方に延出せしめられている。環状当接片44は内側円筒状シール片40の直ぐ外側に位置せしめられており、天面壁12の内面から下方に向かって凸状に膨出せしめられている。
【0014】
天面壁12の上面中央部には円形沈降部46が配設されている。そして、この沈降部46には、略315度の角度範囲に渡って延びる円弧部48とかかる円弧部48の両端から放射状に延びる直線部50とから構成された主薄肉破断可能ラインが形成されている。沈降部46には、更に、主薄肉破断可能ラインの円弧部48から沈降部46の周縁まで放射状に延びる6本の放射状薄肉破断可能ライン52が形成され、そしてまた沈降部46の周縁に沿って延び主薄肉破断可能ラインの直線部50及び放射状薄肉破断可能ライン52の外側端を接続している円形外側薄肉ライン54が形成されている。
【0015】
図1と共に図4及び図5を参照して説明すると、ポリエチレン或いはポリプロピレンの如き適宜の合成樹脂から一体に形成することができる中間部材6は、略円筒形状である筒状壁56を有する。図示の実施形態における筒状壁56はその上部に対してその下部が半径方向外方に変位されており、筒状壁56の外周面には上方を向いた外側環状肩面58が形成され、内周面には下方を向いた内側環状肩面60が形成されている。筒状壁56の外周面における外側環状肩面58の直ぐ上方の領域には周方向に等間隔をおいて複数個、図示の場合は4個、の突起62が形成されている。かかる突起62は、後に更に言及する如く、外蓋8に形成されている対応する凹部と協働して回り止め手段を構成する。筒状壁56の内周面上端部には周方向に連続して延びる環状係止突条64が形成されている。また、筒状壁56の内周面における内側環状肩面60よりも幾分下方の領域(従って,筒状壁56の下部の内周面)には、周方向に連続して延在する環状係合突条66が形成されている。
【0016】
中間部材6は切断部材68も含んでいる。図示の実施形態における切断部材68は軸線方向に延びる円筒形状であり、その上端及び下端は共に傾斜せしめられている。筒状壁54の内周面に近接して環状部70が配設されており、切断部材68の外周面と環状部70の内周面とは両者間を放射状に延びる4個の接続部72によって接続されている。そして、環状部70は周方向に等間隔をおいて配置された複数個(図示の場合は4個)の破断可能橋絡部74を介して筒状壁54の内周面に接続されている。
【0017】
図1と共に図6を参照して説明を続けると、蓋本体4及び中間部材6と同様にポレエチレン或いはポリプロピレンの如き適宜の合成樹脂から一体に形成することができる外蓋8は、円形上面壁76、上面壁76の周縁から垂下する円筒状垂下壁78、及び上面壁76の内面から垂下する円筒形状の垂下筒80を有する。垂下壁78の軸線方向中間部には周方向に連続して延びる周方向破断可能ライン82が形成されている。この周方向破断可能ライン82は薄肉ラインから構成することができる。垂下壁78の外周面下端部には接続片84を介して把持片86が接続されており、接続片84に隣接する部位から周方向破断可能ライン82まで延びる、薄肉ライン又はミシン目ラインでよい付加破断可能ライン(図示していない)も形成されている。垂下壁78の内周面下端部には周方向に等間隔をおいて4個(図6にそのうちの2個のみを図示している)の凹部88が形成されている。この凹部88は、後に更に言及する如く、中間部材6に形成されている上記突起62と協働して回り止め手段を構成する。垂下筒80の垂下長さは垂下壁78の垂下長さの略半分であり、その外周面下端部には周方向に連続して延在する係止突条90が形成されている。また、垂下筒80の内周面には周方向に連続して延びる拘束突条92が形成されている。
【0018】
図1を参照して説明すると、補助容器10は倒立カップ形状の本体94と破断可能シール部材96とから構成されている。本体94は適宜の合成樹脂から形成することができ、破断可能シール部材96は合成樹脂フィルム及び/又は金属箔から形成することができる。本体94の開口された下面の周囲には張出フランジが形成されており、かかる張出フランジに破断可能シール部材96が貼着されて本体94の開口が閉じられている。かような補助容器10内には液状補助物質(図示していない)が収容されている。
【0019】
図1には、本発明に従って構成された容器蓋2と共にこの容器蓋2が適用される容器の口頸部98も図示されている。ポリエチレンテレフタレートの如き適宜の合成樹脂或いはガラスから形成することができる容器の口頸部98は全体として円筒形状である。口頸部98の外周面には雄螺条100及びこの雄螺条100の下方に位置する係止あご部102が形成されている。
【0020】
容器内に内容物を充填した後に口頸部98を密封する際には、最初に容器蓋2の蓋本体4のみを容器の口頸部98に装着する。かかる装着は、口頸部98に蓋本体4を被嵌して閉方向、即ち図1において上方から見て時計方向、に回転せしめられる。かくして、蓋本体4の雌螺条32が口頸部98の雄螺条100に螺合せしめられ、蓋本体4は回転と共に口頸部98に沿って下降せしめられる。タンパーエビデント裾部26に形成されている係止手段36は口頸部98の係止あご部102を弾性的に乗り越えて係止あご部102に係止せしめられる。蓋本体4の天面壁12の内面に形成されている内側円筒状シール片40は口頸部98内に進入して口頸部98の内周面に密接せしめられ、外側円筒状シール片42は口頸部98の外周面上端部に密接せしめられ、環状当接片44は口頸部98の頂面に当接せしめられ、かくして口頸部98が密封される。容器の口頸部98に対する蓋本体4の上述したとおりの装着操作は、容器の口頸部98に通常の合成樹脂製容器蓋を装着するための既存の装着システムをそのまま利用することができる。また、蓋本体4自体は通常の合成樹脂製容器蓋に近似した比較的簡潔な形状である故に、特に不都合を発生せしめることなく所謂アセプテック充填の場合には装着に先立って殺菌液で殺菌し、しかる後に洗浄液によって洗浄することができる。
【0021】
容器の口頸部96に蓋本体4を所要とおりに装着した後に、予め図1に図示するとおりに外蓋8及び補助容器10が組み合わされた中間部材6を蓋本体4に装着する。更に詳述すると、補助容器10は外蓋8の垂下筒80と上面壁76とによって規定される空間に収容される。図示の実施形態においては、倒立状態(即ち破断可能シール部材96を下方に位置せしめた状態)にせしめられている補助容器10の本体94の張出フランジ及びこれに貼着された破断可能シール部材96の外径は外蓋8の垂下筒80の内周面に形成されている拘束突条92の内径よりも若干大きく設定されており、補助容器10は拘束突条92を弾性的に乗り越えて上方に強制され、拘束突条92の上方に収容される。そして、補助容器10を収容した外蓋8が中間部材6に装着される。図1に明確に図示する如く、外蓋8の垂下壁78の下半部は中間部材6の筒状壁56の上半部に被嵌され、外蓋8の垂下筒80の下端部は中間部材6の筒状壁56内に挿入せしめられる。外蓋8の垂下壁78の下端は、中間部材6の筒状壁56の外周面に形成されている外側環状肩面58に当接せしめられる。垂下壁78の内周面下端部に形成されている複数個の凹部88の各々が筒状壁56の外周面に形成されている複数個の突起62の各々に係合せしめられ、これによって中間部材6に対して外蓋8が回転することが阻止される。垂下筒80の外周面下端に形成されている係止突条90は筒状壁56の内周面上端に形成されている係止突条64を弾性的に乗り越えてその下方に位置せしめられる。中間部材6は、その筒状壁56を蓋本体4のスカート壁14に被嵌せしめて、蓋本体4に装着される。中間部材6の筒状壁56の下部は蓋本体4のスカート壁14に沿って延び、筒状壁56の内周面に形成されている環状係合突条66がスカート壁14の外周面上部に形成されている環状係止溝20に係合せしめられる。また、中間部材6の筒状壁56の内周面に形成されている内側環状肩面60が蓋本体4の天面壁12の上面周縁部に当接せしめられる。図示の実施形態においては、筒状壁56の内周面に環状係合突条66を形成しスカート壁14の外周面に環状係合溝20を形成しているが、所望ならば、筒状壁56の内周面に環状係合溝を形成しスカート壁14の外周面に環状係合突条を形成することもできる。
【0022】
所望ならば、容器の口頸部98に蓋本体4を単独で装着した後に相互に組み合わされた中間部材6、外蓋8及び補助容器10を蓋本体4に装着することに代えて、蓋本体4、中間部材6、外蓋8及び補助容器10を図1に図示するとおりの状態に組み合わせ、しかる後に容器の口頸部98に装着することもできる。
【0023】
図1を参照して説明を続けると、容器内に収容されている内容物を消費する際には、外蓋8の垂下壁78の外周面に付設されている把持片86を把持して引っ張り、接続片84に隣接する部位から周方向破断可能ライン82まで延びる付加破断可能ライン(図示していない)を破断し、次いで周方向破断可能ライン82を破断する。かくして、外蓋8の垂下壁78の下半部を除去する(図1と共に図7を参照されたい)。しかる後に、外蓋8を押圧して図7に図示する位置まで下降せしめると、中間部材6の切断部材68の上端が補助容器10の破断可能シール部材96に作用してこれを破断し、切断部材68の上端部が補助容器10内に進入する。また、外蓋8の垂下筒80の下端が中間部材6の環状部70の上面に当接せしめられる。外蓋8を更に下降せしめると、図7と図8とを比較参照することによって明確に理解される如く、外蓋8の垂下筒80から加えられる力によって中間部材6の複数個の橋絡部74が破断され、環状部70、接続部72及び切断部材68が筒状壁56から分離され、環状部70,接続部72及び切断部材68は外蓋8と共に下降せしめられる。そして、図8に図示する如く、切断部材68の下端が蓋本体4の天面壁12の沈降部46内に進入して主薄肉破断可能ラインの円弧部48及び直線部50に作用してこれを破断せしめる。そして、主薄肉破断可能ラインの円弧部48及び直線部50間の部分を下方に変位せしめる。この際には、複数個の放射状薄肉破断可能ライン52の一部も破断されることが少なくない。かくして、補助容器10内に収容されていた補助物質が切断部材68及び破断可能シール部材96の破断された部位並びに蓋本体4の天面壁12における破断された部位を通して容器内に充填され、容器内の内容物に混入される。
【0024】
補助容器10内の補助物質を容器内の内容物に混入せしめるための上述したとおりの挙動において、破断可能シール部材96の破断、橋絡部74の破断及び主薄肉破断可能ラインの破断は同時ではなく順次に遂行され、それ故に過剰な力を必要とすることなく充分容易に遂行することができる。
【0025】
上述したとおりにして補助容器10内の補助物質を容器内の内容物に混入した後においては、中間部材6、外蓋8及び補助容器10が装着されている蓋本体4を開方向、即ち図8において上方から見て反時計方向に回転せしめる。蓋本体4を開方向に回転せしめる際には、蓋本体4に直接指を掛けることなく中間部材6或いは外蓋8に指を掛けて開方向に回転せしめることができる。蓋本体4と中間部材6との相対的回転を防止するために、所望ならば中間部材6の筒状壁56の下部内周面に蓋本体4のスカート壁14の外周面に形成されている滑り止め突条18に係合せしめられる複数個の溝(図示していない)を形成することができる。容器の口頸部98に対して蓋本体4を開方向に回転せしめると、蓋本体4のタンパーエビデント裾部26はその内周面に形成されている係止手段36が口頸部98の係止あご部102に係止されている故に上昇が阻止されるが、蓋本体4のその他の部分は口頸部98の雄螺条100と蓋本体4の雌螺条32の螺条が解除されるに従って上昇せしめられる。従って、スカート壁14に形成されている周方向破断可能ライン22が破断され、タンパーエビエント裾部26がスカート壁14の主部24から分離される。しかる後においては、タンパーエビデント裾部26以外の部分は回転と共に自由に上昇せしめられて口頸部98から離脱され、かくして口頸部98が開封される。従って、開封された口頸部98を通して、補助物資が混入された内容物を消費することができる。所望ならば、外蓋4から中間部材6、外蓋8及び補助容器10を離脱せしめた後に、蓋本体4を口頸部98から離脱せしめることもできる。
【0026】
【発明の効果】
本発明の容器蓋は、飲料のために広く一般に使用されている容器に適用することができ、安価に製作することができ、そして更に過剰な力を必要とすることなく比較的容易に補助物質を容器に収容されている内容物に混入することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成された容器蓋の好適実施形態を示す断面図。
【図2】図1の容器蓋における蓋本体を一部を断面で示す正面図。
【図3】図1の容器蓋における蓋本体の平面図。
【図4】図1の容器蓋における中間部材を一部を断面で示す正面図。
【図5】図1の容器蓋の中間部材の底面図。
【図6】図1の容器蓋の外蓋を一部を断面で示す正面図。
【図7】図1の容器蓋を、補助容器内の補助物質を容器内に充填する際の中間状態で示す断面図。
【図8】図1の容器蓋を、補助容器内の補助物質を容器内に充填する際の最終状態で示す断面図。
【符号の説明】
2:容器蓋
4:蓋本体
6:中間部材
8:外蓋
10:補助容器
12:天面壁
14:スカート壁
20:環状係合溝
22:周方向破断可能ライン
48:主薄肉破断可能ラインの円弧部
50:主薄肉破断可能ラインの直線部
56:筒状壁
58:外側環状肩面
60:内側環状肩面
62:突起(回り止め手段)
64:係止突条
66:係合突条
68:切断部材
70:環状部
72:接続部
74:橋絡部
76:上面壁
78:垂下壁
80:垂下筒
82:周方向破断可能ライン
88:凹部(回り止め)
90:係止突条
92:拘束突条
94:補助容器の本体
96:破断可能シール部材
98:容器の口頸部

Claims (10)

  1. 容器の口頸部に装着される蓋本体と、該蓋本体に装着される中間部材と、該中間部材に装着される外蓋と、容器内に充填すべき補助物質を収容した補助容器とを具備し、
    該蓋本体は天面壁と該天面壁の周縁から垂下するスカート壁とを含み、該天面壁には破断可能ラインが形成されており、
    該中間部材は該蓋本体の該天面壁を越えて上方に延びる筒状壁と、破断可能な橋絡部を介して該筒状壁の内周面に接続され且つ該筒状壁内に位置せしめられている切断部材とを含み、
    該外蓋は上面壁と該上面壁の周縁から垂下する筒状垂下壁と該上面壁の内面から垂下する垂下筒とを含み、該垂下壁の下部内周面を該中間部材の該筒状壁の外周面に被嵌することによって該外蓋が該中間部材に装着され、該垂下壁には周方向に延びる周方向破断可能ラインが形成されており、
    該補助容器は該外蓋の該上面壁と該垂下筒とによって規定される空間内に収容され、下面の少なくとも一部は破断可能シール部材によって閉じられており、
    該外蓋の該垂下壁に形成されている該周方向破断可能ラインを破断せしめて該垂下壁の該周方向破断可能ラインよりも下方の部分を除去すると、該中間部材に対して該外蓋を下降せしめることが許容され、
    該中間部材に対して該外蓋を下降せしめると、該切断部材の上端が該補助部材の該破断可能シール部材に作用することによって該破断可能シール部材が破断され、
    該中間部材に対して更に該外蓋を下降せしめると、該外蓋の該垂下筒が該中間部材に作用することによって該橋絡部が破断せしめられ、次いで該外蓋の下降に付随して該切断部材も下降せしめられ、該切断部材の下端が該蓋本体の該天面壁に形成されている該破断可能ラインに作用することによって該破断可能ラインが破断される、
    ことを特徴とする容器蓋。
  2. 該中間部材の該筒状壁の外周面には上方を向いた外側環状肩面が形成されており、該外蓋の該垂下壁の下端が該外側環状肩面に当接せしめられている、請求項1記載の容器蓋。
  3. 該中間部材の該筒状壁の内周面には下方を向いた内側環状肩面が形成されており、該内側環状肩面が該蓋本体の該天面壁の上面周縁部に当接せしめられている、請求項1又は2記載の容器蓋。
  4. 該中間部材の該筒状壁は該蓋本体の該スカート壁の外周面に沿って延びる下部を有し、該下部の内周面には環状係合突条又は溝が形成されており、該スカート壁の外周面には該環状係合突条が係合せしめられる環状係合溝又は突条が形成されている、請求項1から3までのいずれかに記載の容器蓋。
  5. 該外蓋の該垂下筒の内周面には拘束突条が形成されており、該補助容器は該拘束突条を弾性的に乗り越えて該拘束突条よりも上方の空間に収容される、請求項1から4までのいずれかに記載の容器蓋。
  6. 該中間部材の該筒状壁の内周面上端部には係止突条が形成されており、該外蓋の該垂下筒の外周面下端部にも係止突条が形成されており、該外蓋の該係止突条は該中間部材の該係止突条を弾性的に乗り越えてその下方に位置せしめられている、請求項1から5までのいずれかに記載の容器蓋。
  7. 該切断部材は軸線方向に延びる円筒形状切断部を有し、該切断部の上端及び下端は傾斜せしめられている、請求項1から6までのいずれかに記載の容器蓋。
  8. 該切断部材は該橋絡部を介して該筒状壁の内周面に接続された環状部を有し、該切断部は該環状部内に配置されて該切断部と該環状部との間を放射状に延びる複数個の接続部によって該環状部に接続されている、請求項7記載の容器蓋。
  9. 該橋絡部は周方向に等間隔をおいて複数個配設されている、請求項8記載の容器蓋。
  10. 該中間部材の該筒状壁の外周面と該外蓋の該垂下壁の内周面とには協働して該中間部材に対して該外蓋が回転するのを阻止する回り止め手段が配設されている、請求項1から9までのいずれかに記載の容器蓋。
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