JP2004299626A - 外装材及びそれを備えたアンダープロテクター - Google Patents

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Hiromi Hiuga
博実 日向
Taiichiro Kawashima
大一郎 川島
Koji Nakao
耕司 中尾
Katsuhiko Shiraki
雄彦 白木
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Toyoda Gosei Co Ltd
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Abstract

【課題】所望の色に着色する場合であっても、その製造コストの増大を抑制することができる外装材及びそれを備えたアンダープロテクターを提供する。
【解決手段】フェンダーライナー12を、黒色に着色したタイヤ側層22と、このタイヤ側層22とは異なる色を有するタイヤハウス側層23とで構成する。タイヤ側層22を、黒色に着色した主繊維24と、バインダー繊維25とが相互に交絡した状態でバインダー繊維25同士が融着する不織布から構成する。一方、タイヤハウス側層23を、エアバッグの廃材からなる再生繊維28が相互に交絡した状態でその再生繊維28を粒状のバインダー樹脂29同士の融着により接合固定する不織布から構成する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート状成形体を備える外装材、及び同外装材を備え、例えば車両のタイヤハウス等のボディの下部を被覆するアンダープロテクターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のアンダープロテクターとしては、自動車等の車両のボディに対してタイヤハウスの外面を沿うように添着されるとともに、車両の走行時における泥水の飛散や小石の跳ね上げ等によってタイヤ近傍の構成部品が汚損されたり破損されたりすることを抑制するためのフェンダーライナーが知られている。
【0003】
このフェンダーライナーでは、車両における装着部位を考慮して、黒色あるいはそれに近い色に着色したものを用いるのが一般的となっている。
また、近年では、タイヤと地面とによって発生する騒音(パターンノイズ)やタイヤにより跳ね上げられた砂や小石がタイヤハウスの壁面に衝突する際に生じる衝突音等を吸収するための不織布を備えたフェンダーライナーが開発され、実用化されてきている。
【0004】
この不織布としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)等の短繊維が用いられた単層構造を有するものが使用される。そして、この不織布は、高融点のPET短繊維の隙間に低融点の融着樹脂粒状体(ペレット)が分散されたプレシートを加熱しながらプレス成形することにより、PET短繊維同士が加熱溶融されたペレットを介して融着されて立体的な形状に成形される(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
このような不織布を備えたアンダープロテクターを自動車のタイヤハウスの外面に沿って添着することにより、前記パターンノイズや衝突音等が吸収され、車内への騒音の伝達が低減される。
【0006】
【特許文献1】
特開2000―264255号公報(第2頁、第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記特許文献1に記載のフェンダーライナーを所定の色に着色する場合、その所定の色に予め着色された短繊維からなる不織布を用いることが考えられる。しかし、この場合には、不織布をなす短繊維のほぼ全てを着色する必要が生じる。これにより、フェンダーライナーの製造コストが増大するという問題が生じる。
【0008】
なお、不織布またはフェンダーライナーにおいて外部から視認される部分のみを、例えばスプレー等を用いて所定の色に塗装することも考えられる。しかしながら、この場合には、塗料の塗布むらが生じたり、塗料が不織布内部の隙間に吸収されてしまい、塗料の使用量が多くなるとともに、隙間が塗料で埋められて吸音性能に支障を来すおそれがある。
【0009】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的としては、所望の色に着色する場合であっても、その製造コストの増大を抑制することができる外装材及びそれを備えたアンダープロテクターを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
前記目的を達成するために、本願請求項1に記載の発明は、多数の短繊維が交絡された不織布を含むシート状成形体からなる外装材において、前記シート状成形体は、複数の層が積層された積層構造を有するものであり、一方の最外層に配置され、所定の色に着色された第一層と、他方の最外層または前記シート状成形体の内部に配置され、前記第一層とは異なる色を有する第二層とを有することを要旨とするものである。
【0011】
この本願請求項1に記載の発明では、外部から視認されない層については、着色していない短繊維、所定の色とは異なる色に着色された短繊維、あるいはこれらの混合物を用いて形成することが可能となる。これにより、シート状成形体において、所定の色に着色された短繊維の使用量を低減することができる。このため、外装材の製造コストの増大を抑制することができる。
【0012】
また、本願請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記複数の層が、相互に交絡する短繊維を、その短繊維よりも低融点の材料からなる粒状または粉末状または繊維状のバインダー同士の融着により接合した不織布からなることを要旨とするものである。
【0013】
この本願請求項2に記載の発明では、前記請求項1に記載の発明の効果に加えて、複数の層のうちの少なくとも一つを、粒状または粉末状のバインダーを用いた不織布とすることにより、不織布自身の剛性を高くすることができる。このため、外装材を所望の形状に保持し易くなり、外装材を所定の部位に取り付ける際の取付性を向上することができる。一方、複数の層のうち少なくとも一つを、繊維状のバインダーを用いた不織布とすることにより、外装材の吸音性能を高めることができる。
【0014】
また、本願請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の発明において、前記不織布からなり、接合配置される複数の不織布層を、接合部近傍における2つの不織布層の短繊維を相互に交絡させるとともに、2つの不織布層のバインダーを互いに融着させることによって接合固定したことを要旨とするものである。
【0015】
この本願請求項3に記載の発明では、前記請求項2に記載の発明の効果に加えて、複数の接合配置された層を、互いに剥離しにくくすることができる。
また、本願請求項4に記載の発明は、前記請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の発明において、前記短繊維は、廃材から形成された再生繊維を含むことを要旨とするものである。
【0016】
この本願請求項4に記載の発明では、前記請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、安価に入手可能な再生繊維を用いることが可能となり、外装材の製造コストを低減することができる。また、廃材のリサイクル性を向上することができる。
【0017】
また、本願請求項5に記載の発明は、前記請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の発明において、前記バインダーが、スチレン系樹脂からなることを要旨とするものである。
【0018】
この本願請求項5に記載の発明では、前記請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、不織布を、強度、耐久性、耐油性などの点で優れたものとすることができる。
【0019】
また、本願請求項6に記載の発明は、前記請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の発明において、前記バインダーが、ポリエステル繊維またはポリプロピレンからなることを要旨とするものである。
【0020】
この本願請求項6に記載の発明では、前記請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、ポリエステル繊維及びポリプロピレンは、その材料の入手が容易で、かつ安価であるとともに、その繊維径が小さくなるように形成することが容易である。このため、不織布の内部に多数の微小な空間を容易に形成することができ、不織布による騒音の吸音性を好適に向上することができる。さらに、ポリエステル繊維及びポリプロピレンは、リサイクル性に優れているという利点もある。
【0021】
また、本願請求項7に記載の発明は、前記請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の発明において、前記短繊維が、ポリアミド繊維からなることを要旨とするものである。
【0022】
この本願請求項7に記載の発明では、前記請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、ポリアミド繊維は、強度の点で優れている上、その繊維径が小さくなるように形成することが容易である。このため、不織布の内部に多数の微小な空間を容易に形成することができ、不織布による騒音の吸音性を好適に向上することができる。
【0023】
また、本願請求項8に記載の発明は、車両ボディの下部の少なくとも一部を被覆するアンダープロテクターにおいて、請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載の外装材を、前記車両ボディの下部外面にほぼ沿った形状に形成したことを要旨とするものである。
【0024】
この本願請求項8に記載の発明では、アンダープロテクターの内部には、短繊維とバインダーとの間の微小な空間が多数存在する。これにより、タイヤと地面とによって発生する騒音(パターンノイズ)やタイヤにより跳ね上げられた砂や小石がタイヤハウスの壁面に衝突する際に生じる衝突音等が効率よく吸収される。このため、前記構成のアンダープロテクターを装着することにより、車室内における静粛性を高めることができる。
【0025】
また、アンダープロテクターを所定の色に着色する場合には、外部から視認される外面を有する最外層、すなわち地面側の最外層のみを、着色した短繊維を用いて形成すればよい。このため、アンダープロテクターを、車室内の静粛性を向上させるべく、その厚さを大きくしたとしても、所定の色に着色した短繊維の使用量を低減することができ、アンダープロテクターの製造コストを低減することができる。
【0026】
また、本願請求項9に記載の発明は、前記請求項8に記載の発明において、前記アンダープロテクターが、車両のタイヤハウスの外面に沿った形状に形成されてその外面に添設されるフェンダーライナーであることを要旨とするものである。
【0027】
この本願請求項9に記載の発明では、特に、タイヤの回転によって砂や小石が衝突することが多いフェンダーライナーにおいて、前記請求項8に記載の発明の効果を特に効果的に発揮させることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。
図1に示すように、車両としての自動車11には、車両ボディの下部外面を被覆するアンダープロテクターとしてのフェンダーライナー12が、自動車11(車両ボディ)のタイヤハウス13の外面13aに添設されている。このフェンダーライナー12は、自動車11の走行時にタイヤが地面から跳ね上げる小石や泥によってタイヤハウス13の外面13aが傷付けられることを抑制するものである。また、このフェンダーライナー12は、自動車11の走行時においてタイヤと地面とによって発生するパターンノイズ等の騒音を吸収することができるように構成されている。
【0029】
図2に示すように、フェンダーライナー12は、シート状の外装材20から構成されている。この外装材20は、前記タイヤハウス13(図1参照)の外面13aに添設されたときにその外面13aにほぼ沿う形状に形成されている。
【0030】
図3に示すように、外装材20は、シート状成形体21から構成されている。
本実施形態では、シート状成形体21として、複数(この例では2つ)の層が積層された積層構造を有するものが使用されている。詳しくは、このシート状成形体21は、前記タイヤハウス13内においてタイヤ側から順に、一方の最外層に配置される第一層としてのタイヤ側層22と、他方の最外層に配置される第二層としてのタイヤハウス側層23とを有している。これらタイヤ側層22とタイヤハウス側層23とは、ともに不織布からなる不織布層をなしており、接合配置されている。
【0031】
まず、タイヤ側層22について説明する。
このタイヤ側層22は、短繊維である第1短繊維としての主繊維24と、加熱溶融する合成繊維からなるバインダー繊維25とから構成されている。このタイヤ側層22は、主繊維24とバインダー繊維25とが相互に交絡した状態でバインダー繊維25同士が融着することによって略網目状構造を有するように形成されている。すなわち、このタイヤ側層22は、主繊維24とバインダー繊維25とにより囲まれた極めて微小な空間であるセル26の集合体として存在しており、主としてそれらセル26により吸音効果が発揮されるようになっている。そして、このセル26による吸音効果は、微小なセル26を数多く形成させるほど高められる。
【0032】
また、タイヤ側層22とタイヤハウス側層23とは、それらの接合部近傍において、タイヤ側層22とタイヤハウス側層23との主繊維24とバインダー繊維25と再生繊維28とを相互に交絡させるとともに、バインダー繊維25とバインダー樹脂29とを互いに融着させることにより接合固定されている。
【0033】
このタイヤ側層22の主繊維24は、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維により構成されている。本実施形態では、主繊維24として、ポリエチレンテレフタレートを材料として新規に形成された短繊維を用いている。また、主繊維24の外表面には、例えばカーボン等の着色剤を付着させており、主繊維24を、所定の色である黒色に着色している。一方、バインダー繊維25には、着色はしておらず、バインダー繊維25は、材料自身の色を呈している。そして、タイヤ側層22全体としては、黒色をなしている。
【0034】
この主繊維24の繊維径としては、フェンダーライナー12の製造工程における加工安定性を高めるために、10〜50μmであるのが好ましい。この主繊維24の繊維径が10μm未満の場合には、強度が低下するおそれがある。一方、主繊維24の繊維径が50μmを超える場合には、タイヤ側層22全体に占める主繊維24の体積の割合が著しく容易に高められることから、多数の微小なセル26を形成させることが困難となる。
【0035】
また、主繊維24の繊維長としては、フェンダーライナー12の製造工程における加工安定性を高めるために、10〜100mmの範囲の短繊維であるのが好ましい。さらに、微小なセル26をより多く形成させることができることから、機械捲縮等を有するように構成することが好ましい。
【0036】
一方、前記バインダー繊維25は、主繊維24及び再生繊維28よりも低融点の熱可塑性ポリマー単体、又はその熱可塑性ポリマー単体からなる繊維成分を表面に付着させた複合繊維(2成分繊維)からなる合成繊維により構成されている。前記熱可塑性ポリマー単体としては、入手が容易で、かつ安価であることから、PET等のポリエステル繊維が最も好適に使用される。一方、前記複合繊維としては、芯鞘型又はサイドバイサイド型の複合繊維が使用される。なお、これら複合繊維の芯部を構成する繊維は、主繊維24や再生繊維28よりも低融点である必要はなく、むしろ主繊維24や再生繊維28よりも融点が高いものであるのが好ましい。
【0037】
また、このバインダー繊維25としては、タイヤ側層22の内部に多数のセル26を容易に形成させることができることから、細く形成するのが容易な熱可塑性ポリマー単体からなる合成繊維も好適に使用される。この合成繊維としては、リサイクル性に優れたポリエステル繊維、特に低融点のPET繊維が最も好適に使用される。
【0038】
このバインダー繊維25の繊維径としては、フェンダーライナー12の製造工程における加工安定性を高めるために、10〜50μmであるのが好ましい。このバインダー繊維25の繊維径が10μm未満の場合には、強度が低下するおそれがある。また、タイヤ側層22の成形時にバインダー繊維25が溶断されるなどして、繊維としての形状をとどめることができず、セル26の形成に寄与しなくなるおそれもある。一方、バインダー繊維25の繊維径が50μmを超える場合には、タイヤ側層22全体に占めるバインダー繊維25の体積の割合が著しく高められることから、形成されるセル26の数が少なくなる。
【0039】
前記熱可塑性ポリマー単体の融点としては、好ましくは80〜170℃、より好ましくは100〜170℃である。この熱可塑性ポリマー単体の融点が80℃未満の場合には、フェンダーライナー12が前記タイヤハウス13の外面13aに添設されている状態にあるときに、前記車両ボディからの熱によって熱可塑性ポリマー単体が軟化して、フェンダーライナー12が変形するおそれがある。一方、熱可塑性ポリマー単体の融点が170℃を超える場合には、タイヤ側層22(フェンダーライナー12)の成形時において、主繊維24を、熱可塑性ポリマー単体を介して接合するのに必要な熱量が多くなり、加工容易性が著しく低下する。
【0040】
また、熱可塑性ポリマー単体の融点は、主繊維24や再生繊維28の融点よりも20℃以上低いのが好ましく、50℃以上低いのがより好ましい。繊維24,28と熱可塑性ポリマー単体との融点の差が20℃未満の場合には、タイヤ側層22(フェンダーライナー12)の成形時に熱可塑性ポリマー単体のみを溶融することが極めて困難となり、タイヤ側層22に吸音性能の高い略網目状構造を形成させることができなくなる。
【0041】
また、バインダー繊維25の繊維長としては、フェンダーライナー12の製造工程における加工安定性を高めるために、10〜100mmの範囲の短繊維であるのが好ましい。さらに、微小なセル26をより多く形成させることができることから、機械捲縮等を有するように構成するのが好ましい。
【0042】
このタイヤ側層22の厚さt1(図3参照)は、2〜8mmの範囲内であるのが好ましく、2〜6mmの範囲内であるのがより好ましく、2〜4mmの範囲内であるのがさらに好ましい。このタイヤ側層22の厚さt1が2mm未満の場合には、タイヤハウス側層23に無着色あるいは他の色に着色された再生繊維28、バインダー等を用いた場合には、それらの一部がフェンダーライナー12表面の近傍に達し、その表面の色調の調整が難しくなる。一方、タイヤ側層22の厚さt1が8mmを超える場合には、着色した主繊維24の使用量が増すことになり、経済的でない。
【0043】
加えて、タイヤ側層22中に含まれるバインダー繊維25の含有量は、20〜60重量%の範囲内であるのが好ましく、20〜50重量%の範囲内であるのがより好ましい。このタイヤ側層22中のバインダー繊維25の含有量が20重量%未満の場合には、立体的な形状に成形されたフェンダーライナー12の形態安定性を充分に維持することができない。一方、タイヤ側層22中のバインダー繊維25の含有量が60重量%を超える場合には、タイヤ側層22の成形時に溶融しないことからタイヤ側層22の強度維持に重要な役割をする主繊維24の含有量が相対的に低下し、フェンダーライナー12の強度及び耐久性を充分に高めることができない。
【0044】
次に、前記タイヤハウス側層23について説明する。
このタイヤハウス側層23は、短繊維である第2短繊維としての再生繊維28と、バインダーとしての粒状のバインダー樹脂29とから構成されている。このタイヤハウス側層23は、相互に交絡した再生繊維28がバインダー樹脂29同士の融着によって接合固定されることにより形成されている。また、タイヤハウス側層23の内部には、再生繊維28とバインダー樹脂29とにより囲まれた微小な空間であるセル30が多数形成されている。
【0045】
前記再生繊維28は、ポリアミド(PA)繊維から構成されている。本実施形態では、再生繊維28として、自動車11等の車両に搭載されるエアバッグ装置におけるエアバッグの廃材から形成されたナイロン等のポリアミドからなる再生繊維を用いている。なお、本実施形態において、前記廃材とは、エアバッグの材料となる基布の端材や廃車時に生じるエアバッグの廃品等を含むものである。
【0046】
この再生繊維28の繊維径としては、フェンダーライナー12の製造工程における加工安定性を高めるために、10〜50μmであるのが好ましい。この再生繊維28の繊維径が10μm未満の場合には、強度が低下するおそれがある。一方、再生繊維28の繊維径が50μmを超える場合には、タイヤハウス側層23全体に占める再生繊維28の体積の割合が著しく容易に高められることから、セル30の数が減少する。
【0047】
また、再生繊維28の繊維長としては、フェンダーライナー12の製造工程における加工安定性を高めるために、10〜100mmの範囲の短繊維であるのが好ましい。さらに、微小なセル30をより多く形成させることができることから、機械捲縮等を有するように構成することが好ましい。
【0048】
一方、前記バインダー樹脂29は、前記再生繊維28よりも低融点の硬質スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等のスチレン系樹脂から構成されている。
このバインダー樹脂29の融点としては、好ましくは80〜170℃、より好ましくは100〜170℃である。このバインダー樹脂29の融点が80℃未満の場合には、フェンダーライナー12が前記タイヤハウス13の外面13aに添設されている状態にあるときに、前記車両ボディからの熱によってバインダー樹脂29が軟化して、フェンダーライナー12が変形するおそれがある。一方、バインダー樹脂29の融点が170℃を超える場合には、タイヤハウス側層23(フェンダーライナー12)の成形時において、再生繊維28を、バインダー樹脂29を介して接合するのに必要な熱量が多くなり、加工容易性が著しく低下する。
【0049】
また、バインダー樹脂29の融点は、前記再生繊維28の融点よりも20℃以上低いのが好ましく、50℃以上低いのがより好ましい。これら再生繊維28とバインダー樹脂29との融点の差が20℃未満の場合には、タイヤハウス側層23(フェンダーライナー12)の成形時にバインダー樹脂29のみを溶融することが極めて困難となり、タイヤハウス側層23を、略網目状構造を有するように形成しにくくなる。
【0050】
本実施形態では、再生繊維28とバインダー樹脂29とは、主繊維24と同一の色には着色されていない。すなわち、再生繊維28は、前記エアバッグの形成時に着色された色、あるいは、それらを構成する材料自身の色を呈しており、バインダー樹脂29は、それらを構成する材料自身の色を呈している。これにより、タイヤハウス側層23全体としては、タイヤ側層22とは異なる色を有している。
【0051】
次に、前記シート状成形体21(外装材20)の製造方法について、以下に説明する。
まず、主繊維24とバインダー繊維25とを含む第1繊維集合体を形成するとともに、再生繊維28とバインダー樹脂29とを含む第2繊維集合体を形成する。ここで、これら第1繊維集合体と第2繊維集合体とは、例えば以下のような手順で形成される。
【0052】
第1繊維集合体を形成する場合には、予め黒色に着色されて綿状に形成された主繊維24にバインダー繊維25を散布し、そのバインダー繊維25を分散させる。次に、それら主繊維24とバインダー繊維25とをニードルパンチにより相互に交絡させる。一方、第2繊維集合体を形成する場合には、まず、エアバッグの廃材を、剣山状の道具を用いてほぐし、綿状にする。次に、綿状にされたエアバッグの廃材(再生繊維28)にバインダー樹脂29を散布し、そのバインダー樹脂29を分散させる。
【0053】
このように形成された第1繊維集合体と第2繊維集合体とを所定の態様(図3に示す態様)にて重ね合わせる。その後、重ね合わされた繊維集合体に対してニードルパンチを施す。このニードルパンチにより、第1繊維集合体と第2繊維集合体との接合部近傍の繊維24,25,28が相互に交絡する。
【0054】
続いて、第1繊維集合体と第2繊維集合体との接合部近傍の繊維24,25,28が相互に交絡した状態の繊維集合体を予備加熱処理する。この予備加熱処理は、バインダー繊維25及びバインダー樹脂29を構成する材料の融点以上の温度で、かつ主繊維24及び再生繊維28を構成する材料の融点未満の温度で行われる。
【0055】
その後、予備加熱処理が施された直後の繊維集合体をプレス成形機の型内でプレスしながら冷却し、シート状成形体21(外装材20)を所定の形状にする。この予備加熱処理と冷却処理とを通じて、バインダー繊維25やバインダー樹脂29が溶着し、主繊維24、再生繊維28が接合される。この際、タイヤ側層22とタイヤハウス側層23との接合部近傍では、主繊維24とバインダー繊維25と再生繊維28とが相互に交絡した状態で、バインダー繊維25及びバインダー樹脂29がそれぞれ溶着し、両層22,23が接合固定される。なお、予備加熱処理を行う代わりに、重合された状態でニードルパンチが施された繊維集合体を、プレス成形機の型内でプレスしながら加熱及び冷却を行うようにしてもよい。
【0056】
こうしてプレス成形されたシート状成形体21(外装材20)を所定の形状に切断することにより、フェンダーライナー12が製造される。
このフェンダーライナー12は、シート状成形体21におけるタイヤハウス側層23側の外面が自動車11(図1参照)の各タイヤハウス13の外面13aに沿って密着するようにタイヤハウス13内に取着される。すなわち、このフェンダーライナー12は、シート状成形体21のタイヤ側層22がタイヤ側に配置された状態でタイヤハウス13の外面13aに添設される。このようなフェンダーライナー12をタイヤハウス13の外面13aに添設することにより、タイヤの回転時に跳ね上げられた小石や泥等によってタイヤハウス13の外面13aが傷付けられることが抑制される。
【0057】
従って、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態のフェンダーライナー12では、黒色に着色されたタイヤ側層22と、タイヤ側層22とは異なる色を有するタイヤハウス側層23とを有している。
【0058】
これにより、外部から視認されないタイヤハウス側層23については、着色していない再生繊維28、所定の色とは異なる色に着色された再生繊維28、あるいはこれらの混合物を用いて形成することが可能となる。これにより、黒色に着色された主繊維24を全体に使用することなく、タイヤ側層22のみに使用すればよく、フェンダーライナー12の製造コストの増大を抑制することができる。
【0059】
(2)本実施形態のフェンダーライナー12では、タイヤ側層22を、相互に交絡する主繊維24をバインダー繊維25同士の融着により接合して形成している。これにより、タイヤ側層22のセル26を極めて微小かつ多数形成することができ、フェンダーライナー12の吸音性能を高めることができる。
【0060】
(3)本実施形態のフェンダーライナー12では、タイヤハウス側層23を、相互に交絡する再生繊維28を粒状のバインダー樹脂29同士の融着により接合して形成している。これにより、タイヤハウス側層23に微小なセル30が多数形成されるとともに、タイヤハウス側層23自身、ひいてはシート状成形体21自身の剛性を高くすることができる。このため、フェンダーライナー12の吸音性能を高めることができるとともに、フェンダーライナー12を所望の形状に保持し易くなり、自動車11のタイヤハウス13の外面13aに取り付ける際の取付性を向上することができる。
【0061】
(4)本実施形態のフェンダーライナー12では、タイヤ側層22とタイヤハウス側層23とを、両層22,23の接合部近傍において、各繊維24,25,28を相互に交絡させるとともに、バインダー繊維25及びバインダー樹脂29をそれぞれ融着させることにより接合固定している。
【0062】
これにより、タイヤ側層22とタイヤハウス側層23とを、互いに剥離しにくくすることができる。このため、シート状成形体21における両層22,23の接合性を高めることができる。
【0063】
(5)本実施形態のフェンダーライナー12では、タイヤハウス側層23を、エアバッグの廃材から形成されたポリアミド繊維からなる再生繊維28を用いて形成している。これにより、安価に入手できる再生繊維28を用いることにより、フェンダーライナー12の製造コストを低減することができる。また、エアバッグのリサイクル性を向上することができる。
【0064】
(6)本実施形態のフェンダーライナー12では、タイヤ側層22では、主繊維24よりも低融点の材料からなるバインダー繊維25を用いている。また、タイヤハウス側層23では、再生繊維28よりも低融点の材料からなるバインダー樹脂29を用いている。これにより、主繊維24や再生繊維28を構成する材料の融点に達するまで繊維集合体を加熱することなく、シート状成形体21を成形することができる。このため、フェンダーライナー12を形成する際の製造コストを低減することができる。
【0065】
(7)本実施形態のフェンダーライナー12では、タイヤ側層22のバインダー繊維25として、ポリエステル繊維からなるものを用いている。ここで、ポリエステル繊維は、その材料の入手が容易で、かつ安価であるとともに、その繊維径が小さくなるように形成することが容易である。このため、タイヤ側層22の内部に多数の極めて微小なセル26を容易に形成することができ、タイヤ側層22による騒音の吸音性を好適に向上することができる。さらに、ポリエステル繊維は、リサイクル性に優れているという利点もある。
【0066】
(8)本実施形態のフェンダーライナー12では、タイヤハウス側層23のバインダー樹脂29として、スチレン系樹脂からなるものを用いている。このため、タイヤハウス側層23を、強度、耐久性、耐油性などの点で優れたものとすることができる。
【0067】
(9)本実施形態のフェンダーライナー12では、タイヤ側層22とタイヤハウス側層23とを有するシート状成形体21を、自動車11のタイヤハウス13の外面13aに沿った形状に形成して、そのタイヤハウス13の外面13aに添設している。
【0068】
これにより、フェンダーライナー12の内部には、極めて微小かつ多数のセル26,30が存在する。このため、自動車11の走行時にタイヤと地面とによって発生する騒音(パターンノイズ)やタイヤにより跳ね上げられた砂や小石がタイヤハウス13の外面13aに衝突する際に生じる衝突音等が効率よく吸収され、その騒音が自動車11の車内に伝わることを抑制することができる。すなわち、前記パターンノイズ等の騒音は、フェンダーライナー12におけるタイヤ側層22及びタイヤハウス側層23の内部に入射した後、両層22,23の多数の微小なセル26,30による吸音作用によって音のエネルギーの減衰が図られ、車内に伝わるノイズ量を減少させることができる。さらに、セル26,30の吸音作用により、車内に伝わるノイズの周波数等も変質されて耳障りでなくなる。この結果、フェンダーライナー12の吸音性能を高く維持することができ、自動車11の室内の乗員に不快感を与え難くすることができる。また、自動車11の内部、特にタイヤハウス13の近接位置に配設される種々の機械、装置、配線等(例えば給油ホース等)の故障、誤作動、不具合等を極めて効果的に抑制することができる。
【0069】
また、フェンダーライナー12は、外部から視認されるタイヤ側層22のみが黒色に着色されている。このため、車室内の静粛性を向上させるべく、フェンダーライナー12の厚さを大きくしたとしても、黒色に着色された主繊維24の使用量を低減することができ、フェンダーライナー12の製造コストを低減することができる。また、自動車11においてフェンダーライナー12の周囲の外観を向上することができる。
【0070】
(変形例)
なお、本発明の実施形態は、以下のように変形してもよい。
・前記実施形態において、例えば図4に示すように、タイヤ側層22は、バインダー繊維25の代わりにバインダー樹脂29を有し、相互に交絡した主繊維24をバインダー樹脂29同士の融着によって接合する構成であってもよい。この場合、タイヤ側層22のバインダー樹脂29として、所定の色に着色されたものや所定の色を有する材料からなるものを用いることが望ましい。
【0071】
・前記実施形態において、例えば図5に示すように、タイヤハウス側層23は、バインダー樹脂29の代わりにバインダー繊維25を有し、相互に交絡した再生繊維28をバインダー繊維25同士の融着によって接合する構成であってもよい。この場合、タイヤハウス側層23のバインダー繊維25は、所定の色に着色されたものや、所定の色を有する材料からなるものである必要はない。
【0072】
また、この場合、タイヤ側層22は、ともに所定の色に着色された再生繊維28とバインダー繊維25とを有する構成であってもよいし、ともに所定の色に着色された再生繊維28とバインダー樹脂29とを有する構成であってもよい。
【0073】
・前記実施形態において、タイヤ側層22の主繊維24は、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維には限定されない。また、タイヤハウス側層23の再生繊維28は、ポリアミド(PA)繊維には限定されない。これら繊維24,28は、例えば、アラミド繊維、ポリエステル繊維、ビニロン繊維、ポリオレフィン繊維、ポリオキシメチレン繊維、スルホン系繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維、ポリイミド繊維、ポリエーテルイミド繊維、炭素繊維、ガラス繊維、セラミックス繊維などの無機繊維、綿、レーヨンなどのセルロース繊維、絹、羊毛等のタンパク質系繊維等を単独または混合して得られる短繊維または混合繊維等であってもよい。
【0074】
・前記実施形態において、タイヤハウス側層23の再生繊維28は、エアバッグの廃材から形成されたものには限定されない。この再生繊維28としては、エアバッグ以外の廃材、例えば、車両用シートの表皮、サイレンサー、フロアマット、フロアカーペット、フードインシュレータ、ダッシュアウターインシュレータ等を構成する織布または不織布の廃材から形成されたものであってもよい。このような場合には、再生繊維28は、種々の色が混ざったものであってもよい。また、この再生繊維28としては、例えば内装材やPETボトル等の各種樹脂成形品の廃材から形成されたものであってもよい。
【0075】
・前記実施形態において、タイヤ側層22のバインダー繊維25は、ポリエステル繊維からなるものには限定されない。また、タイヤハウス側層23のバインダー樹脂29は、スチレン系樹脂からなるものには限定されない。これらバインダー繊維25とバインダー樹脂29とは、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、またはこれらの混合物等からなるものであってもよい。
【0076】
・前記実施形態において、粒状のバインダー樹脂29を用いる代わりに、粉末状のバインダー樹脂を用いる構成としてもよい。
・前記実施形態において、タイヤ側層22の主繊維24及びバインダー繊維25の少なくとも一方を、黒色以外の色、例えば灰色など、黒色に近い色調を有する色に着色する構成としてもよい。
【0077】
・前記実施形態では、シート状成形体21(外装材20)を成形する際、タイヤ側層22の第1繊維集合体とタイヤハウス側層23の第2繊維集合体とを重合させる前に、それら両繊維集合体に対して個別にニードルパンチ処理を施すようにしたが、この順序には限定されない。シート状成形体21を成形するに際して、タイヤ側層22の第1繊維集合体とタイヤハウス側層23の第2繊維集合体とを重合させる前には、それら両繊維集合体に対して個別にはニードルパンチ処理を施さず、両繊維集合体を重合した後に、その重合した繊維集合体に対してニードルパンチ処理を施すようにしてもよい。
【0078】
この順序では、各層22,23における繊維24,25,28の交絡と、両層22,23の接合部近傍での繊維24,25,28の交絡とを同時に行うことができる。
【0079】
・前記実施形態において、シート状成形体21は、タイヤ側層22とタイヤハウス側層23とを有する2層構造のものには限定されない。本発明は、3層以上の複数の層が積層された積層構造を有するものであってもよい。この場合、各層を構成する繊維集合体間に接着剤や接着フィルム等からなる接着層を設けたり、各層を構成する任意の繊維集合体間に撥水層を設けたり、例えば樹脂プレート等からなる剛性付与層を設けたりしてもよい。
【0080】
このようにした場合には、自動車11のタイヤ側の最外層であるタイヤ側層が所定の色(例えば黒色など)に着色され、その他の層、すなわちシート状成形体21の内部の層とタイヤハウス13側の最外層とのうちの少なくとも一層は、タイヤ側層とは異なる色を有するように構成することができる。
【0081】
・前記実施形態において、例えば、各層を構成する繊維集合体間に接着剤や接着フィルム等からなる接着層を設けてその接着層により各繊維集合体を接着する構成としてもよいし、各層を構成する繊維集合体を重合させた状態で縫合することにより接合固定する構成としてもよい。
【0082】
・前記実施形態において、シート状成形体21は、その全体が積層構造を有する構成には限定されない。このシート状成形体21を、その一部において積層構造を有するように成形してもよい。
【0083】
・前記実施形態では、アンダープロテクターをフェンダーライナー12に具体化した。これに対して、本発明のアンダープロテクターを、例えば、フロント側のタイヤハウス13の前端縁の近傍に突出するように取着されるCdスパッツや、同じくフロント側のタイヤハウス13の後端縁の近傍に突出するように取着されるマッドガード等に具体化してもよい。また、本発明のアンダープロテクターを、例えば、リヤ側のタイヤハウス13の前側部分に装着されるクォータライナや、同じくリヤ側のタイヤハウス13の後側部分に装着されるプロテクタフューエルカバー等に具体化してもよい。この他、フロントバンパーの下部に取着されるエアダムスカート、車両ボディ側面の下部に取着されるサイドステップ、車両ボディの下面のほぼ全体を覆うように配設されるアンダープロテクター等、本発明のアンダープロテクターは、車両ボディの下部の少なくとも一部を被覆する部品に幅広く適用することができる。この場合、主繊維24及びバインダー繊維25の少なくとも一方を、例えば、自動車11のボディカラーに応じた色に着色するなど、着色する色は適宜に変更可能である。
【0084】
その他、前記実施形態、並びに以上の記載から把握できる技術的思想について、その効果とともに以下に記載する。
(イ)多数の短繊維が交絡された不織布を含むシート状成形体からなる外装材の製造方法において、前記シート状成形体は、複数の層が積層された積層構造を有するものであり、一方の最外層に対応し、所定の色に着色された第1短繊維とバインダーとを含む第1繊維集合体を形成し、その第1繊維集合体に接合して、前記第1の短繊維とは異なる色を有する第2短繊維とバインダーとを含む第2繊維集合体を形成し、前記第1繊維集合体と前記第2繊維集合体とを、接合部近傍における第1短繊維と第2短繊維とを相互に交絡させるとともに、前記バインダーを融着させて接合固定することを特徴とする外装材の製造方法。
【0085】
この(イ)に記載の発明によれば、前記請求項1に記載の発明の効果と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態のアンダープロテクターを装着した車両の部分側面図。
【図2】アンダープロテクターの斜視図。
【図3】外装材の断面構造を模式的に示す拡大断面図。
【図4】変形例にかかる外装材の断面構造を模式的に示す拡大断面図。
【図5】変形例にかかる外装材の断面構造を模式的に示す拡大断面図。
【符号の説明】
11…車両としての自動車、12…アンダープロテクターとしてのフェンダーライナー、13…タイヤハウス、13a…外面、20…外装材、21…シート状成形体、22…最外層である第一層としてのタイヤ側層、23…最外層である第二層としてのタイヤハウス側層、24…短繊維である第1短繊維としての主繊維、25…バインダーとしてのバインダー繊維、28…短繊維である第2短繊維としての再生繊維、29…バインダーとしてのバインダー樹脂。

Claims (9)

  1. 多数の短繊維が交絡された不織布を含むシート状成形体からなる外装材において、
    前記シート状成形体は、複数の層が積層された積層構造を有するものであり、一方の最外層に配置され、所定の色に着色された第一層と、他方の最外層または前記シート状成形体の内部に配置され、前記第一層とは異なる色を有する第二層とを有することを特徴とする外装材。
  2. 前記複数の層が、相互に交絡する短繊維を、その短繊維よりも低融点の材料からなる粒状または粉末状または繊維状のバインダー同士の融着により接合した不織布からなることを特徴とする請求項1に記載の外装材。
  3. 前記不織布からなり、接合配置される複数の不織布層を、接合部近傍における2つの不織布層の短繊維を相互に交絡させるとともに、2つの不織布層のバインダーを互いに融着させることによって接合固定したことを特徴とする請求項2に記載の外装材。
  4. 前記短繊維は、廃材から形成された再生繊維を含むことを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の外装材。
  5. 前記バインダーが、スチレン系樹脂からなることを特徴とする請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の外装材。
  6. 前記バインダーが、ポリエステル繊維またはポリプロピレンからなることを特徴とする請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の外装材。
  7. 前記短繊維が、ポリアミド繊維からなることを特徴とする請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の外装材。
  8. 車両ボディの下部の少なくとも一部を被覆するアンダープロテクターにおいて、
    請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載の外装材を、前記車両ボディの下部外面にほぼ沿った形状に形成したことを特徴とするアンダープロテクター。
  9. 前記アンダープロテクターが、車両のタイヤハウスの外面に沿った形状に形成されてその外面に添設されるフェンダーライナーであることを特徴とする請求項8に記載のアンダープロテクター。
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