JP2004299295A - 吸引用容積ポンプを有する液体噴射装置 - Google Patents

吸引用容積ポンプを有する液体噴射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】吸引用容積ポンプによる液体吸引量を正確に把握することができる液体噴射装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、ヘッド部材と、吐出データに基づいて液体噴射手段を駆動させる制御本体部と、ヘッド部材に対して離間した位置と当接した位置との間で相対的に移動可能なキャップ部材と、キャップ部材の内部に連通された吸引路と、吸引路に設けられた吸引用容積ポンプと、を備える。吸引用容積ポンプによる液体吸引量を取得する吸引量取得部は、吸引路を介して吸引される液体が吸引用容積ポンプに到達する液体到達状態を検出するセンサと、前記センサにより液体到達状態が検出されてからの吸引用容積ポンプの駆動量に基づいて吸引用容積ポンプによる液体吸引量を算出する算出部と、を有する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノズル開口から液体滴を吐出させるヘッド部材を備えた液体噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置は、ノズル開口を有する記録ヘッドと、ノズル開口部分のインクを吐出させる液体噴射手段(例えば、圧電振動子や発熱素子)と、記録データに応じて液体噴射手段を制御する制御本体部とを備えている。
【0003】
記録ヘッドのノズル開口のインクは、目詰まりを起こすことがある。ノズル開口におけるインクの目詰まりを防止するために、記録ヘッドのノズル開口からインクを吸引することによって、ノズル開口におけるインクの目詰まりを防止することが行われている。
【0004】
インクを吸引するためのポンプとしては、チューブポンプが主流である。チューブポンプは、プーリにより潰されたチューブがその剛性によって元の形状に戻る際の体積変化に基づいて吸引動作を行うものである。
【0005】
しかしながら、チューブポンプにおいては、温度変化などでチューブの剛性が変化すると、吸引速度も変化してしまうという問題がある。また、吸引量を上げるためには、プーリの回転速度を上げることが検討され得るが、変形したチューブが戻る時間以上に早く回転しても効果が無く、結果的に吸引量の大幅な増加が望めないという問題もある。一方、内径を太くすれば吸引量を増やせるが、その場合チューブ剛性を維持するために肉厚も増やす必要があり、装置が大型化してしまうという問題がある。
【0006】
そこで、本件発明者は、小型化が可能であり、低回転負荷・要求流量に合わせた最適設計が容易な吸引用容積ポンプに注目している(特願2003−51478号参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
チューブポンプの場合、ホイルの回転で生じるチューブ体積の変化とインク吸引量とは、ほぼ正確に対応する。従って、ホイルの回転数を検出することで、チューブポンプによるインク吸引量を把握することが容易である。チューブポンプによるインク吸引量の情報は、インクカートリッジのインク残量の算定や、インク吸収材の残能力の判断に、有用である。特開平8−238783号公報は、このような技術を開示している。
【0008】
しかしながら、吸引用容積ポンプは、長期間放置される等して内部が乾燥状態に近くなると、ポンプフレーム(ケーシング)と駆動部(ギヤ等)とのシールが弱くなって、吸引作用が顕著に低下する。すなわち、ポンプフレームと駆動部との間のシール状態の如何によって、ポンプの駆動状態とインク吸引量との関係が変化してしまう。
【0009】
より詳細に説明すれば、吸引用容積ポンプは、ポンプフレーム(ケーシング)内で駆動部(ギヤ等)が回転する機構を利用するポンプであるので、ポンプフレームと駆動部との間にはクリアランスが必要である。クリアランスが大きすぎれば、いわゆる「漏れ」が多くなるため、ポンプとしての機能が低下する。従って、クリアランスは小さい方が好ましいが、小クリアランスの実現は加工コストの増大を伴うという問題がある。
【0010】
実際のクリアランスの大きさは、例えば50〜60μm程度であっても、液体の「漏れ」の量は小さい。しかしこの場合、気体の「漏れ」の量は極めて大きい。気体の「漏れ」の量は、クリアランスが15〜20μm程度であっても、やはり無視できない。すなわち、クリアランスの存在による気体の「漏れ」は、完全に回避することが極めて困難である。また、気体の「漏れ」の量は、クリアランスの大きさによって大きく左右される。
【0011】
吸引されたインクが吸引用容積ポンプに一旦到達してしまえば、吸引用容積ポンプ内がインクで充満されるため、ポンプの駆動状態とインク吸引量との関係は安定する。
【0012】
しかしながら、吸引されたインクが吸引用容積ポンプに到達する前は、吸引路中の気体が吸引用容積ポンプで吸引されているが、吸引用容積ポンプ内での気体の「漏れ」のために、ポンプを高速回転で駆動しても低い吸引作用しか得られない。この吸引状態では、ポンプの回転数と吸引量との対応関係が安定せず、つまり、吸引されたインクが吸引用容積ポンプに到達するのに必要なポンプの回転数を予め知ることは困難で、結果的に、ポンプの回転数からポンプのインク吸引量を直接的に算出することができていない。
【0013】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、吸引用容積ポンプを用いた液体噴射装置において、吸引用容積ポンプによる液体吸引量を正確に把握することができる液体噴射装置を提供することを目的とする。
【0014】
【特許文献1】
特開平8−238783号公報
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ノズル開口と、ノズル開口部分の液体を噴射させる液体噴射手段と、を有するヘッド部材と、吐出データに基づいて液体噴射手段を駆動させる制御本体部と、ヘッド部材に対して離間した位置と当接した位置との間で相対的に移動可能なキャップ部材と、キャップ部材の内部に連通された吸引路と、吸引路に設けられた吸引用容積ポンプと、吸引用容積ポンプによる液体吸引量を取得する吸引量取得部と、を備え、吸引量取得部は、吸引路を介して吸引される液体が吸引用容積ポンプに到達する液体到達状態を検出するセンサと、前記センサにより液体到達状態が検出されてからの吸引用容積ポンプの駆動量に基づいて、吸引用容積ポンプによる液体吸引量を算出する算出部と、を有していることを特徴とする液体噴射装置である。
【0016】
本発明によれば、センサにより液体到達状態が検出されてからの吸引用容積ポンプの駆動量に基づいて吸引用容積ポンプによる液体吸引量が算出されるため、より正確に吸引用容積ポンプによる液体吸引量を把握することができる。
【0017】
好ましくは、前記センサは、吸引用容積ポンプの駆動負荷を検出する負荷センサを有している。この場合、液体到達状態を確実に検出することができる。負荷センサは、例えば、吸引用容積ポンプの回転駆動モータの負荷電流を検出するセンサである。
【0018】
あるいは、好ましくは、前記センサは、吸引用容積ポンプの内部の電位状態を検出する電位センサを有している。この場合も、液体到達状態を確実に検出することができる。
【0019】
あるいは、前記センサは、吸引路の吸引用容積ポンプとの接続部近傍に設けられた光学的センサを有している。この場合も、実質的に、液体到達状態を検出することができる。
【0020】
なお、吸引用容積ポンプは、前記センサにより液体到達状態が検出される前と後とで、駆動状態が変化するようになっていることが好ましい。一般に、気体吸引中には、吸引用容積ポンプが高速回転されても吸引量は少ないため、吸引用容積ポンプは高速回転で駆動される。しかしながら、気体吸引状態から完全な液体吸引状態に移り変わるタイミングは、前記の各センサによる検出タイミングより微小時間だけ遅れるのが一般である。この微小時間に相当する吸引用容積ポンプの駆動量が、依然として液体吸引量の算出誤差として残存し得るので、この微小時間の間は、吸引用容積ポンプは低速で回転されることが好ましい。すなわち、吸引用容積ポンプは、前記センサにより液体到達状態が検出される前は高速回転で駆動され、前記センサにより液体到達状態が検出された後は低速回転で駆動されるようになっていることが好ましい。
【0021】
なお、前記容積ポンプは、例えば、ギヤポンプまたはベーンポンプである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0023】
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態のインクジェット式記録装置(液体噴射装置の一例)は、インクジェット式プリンタ1であり、インクカートリッジ2(液体容器)を保持可能なカートリッジホルダ部4aを有する記録ヘッド4(ヘッド部材)が、キャリッジ5(キャリッジ部材)に支持されている。キャリッジ5は、ヘッド走査機構によって、主走査方向に沿って往復移動されるようになっている。
【0024】
ヘッド走査機構は、ハウジングの左右方向に架設されたガイド部材6と、ハウジングの一方側に設けられたパルスモータ7と、パルスモータ7の回転軸に接続されて回転駆動される駆動プーリー8と、ハウジングの他方側に取付けられた遊転プーリー9と、駆動プーリー8及び遊転プーリー9の間に掛け渡されると共にキャリッジ5に結合されたタイミングベルト10と、パルスモータ7の回転を制御する制御部11(図6参照)と、から構成されている。これにより、パルスモータ7を作動させることによって、キャリッジ5、即ち、記録ヘッド4を、記録紙12の幅方向である主走査方向に往復移動させることができる。
【0025】
また、プリンタ1は、記録紙12等の記録用媒体(液体被噴射媒体)を紙送り方向(副走査方向)に送り出す紙送り機構を有する。この紙送り機構は、紙送りモータ13及び紙送りローラ14等から構成される。記録紙12等の記録媒体は、記録動作に連動して、順次送り出される。
【0026】
本実施の形態のプリンタ1は、記録ヘッド4の往動時に記録動作を実行する(単方向記録を行う)ようになっている。
【0027】
キャリッジ5の移動範囲内であって記録領域よりも外側の端部領域には、ホームポジションと、記録ヘッド4(キャリッジ5)の待機ポジションと、が設定されている。図2(a)に示すように、ホームポジションは、記録ヘッド4が移動し得るヘッド移動範囲の一側(図の右側)端部に設定されている。また、待機ポジションは、ホームポジションに対して記録領域側に略隣接して設定されている。
【0028】
本発明は、記録ヘッド4の往動時及び復動時の両方で記録動作を実行する(双方向記録を行う)ように構成されたプリンタにも適用可能である。このようなプリンタでは、図2(b)に示すように、ホームポジションと略隣接する第1の待機ポジションWP1に加えて、ホームポジションとは反対側の端部に第2の待機ポジションWP2が設けられ得る。
【0029】
ホームポジションは、電源オフ時や長時間に亘って記録が行われなかった場合に記録ヘッド4が移動して留まる場所である。記録ヘッド4がホームポジションに位置する時には、図3(d)に示すように、キャッピング機構のキャップ部材15がノズルプレート16(図5参照)に当接してノズル開口17(図5参照)を実質的に封止する(詳細は後述する)。キャップ部材15は、ゴム等の弾性部材を上面が開放した略四角形トレー状に成型した部材であり、内部にはフェルト等の保湿材が取り付けられている。記録ヘッド4がキャップ部材15により実質的に封止されることで、キャップ内部が高湿度に保たれて、ノズル開口17からのインク溶媒の蒸発が緩和される。
【0030】
待機ポジションは、記録ヘッド4を走査する際の起点となる位置である。即ち、記録ヘッド4は、通常、この待機ポジションで待機し、記録動作時に待機ポジションから記録領域側へ走査され、記録動作が終了すると待機ポジションに戻る。
【0031】
双方向記録を行うプリンタの場合、図2(b)を参照して、記録ヘッド4は、第1の待機ポジションWP1で待機している状態から第2の待機ポジションWP2側へ走査されて往動時の記録動作を行う。この記録動作が終了すると、第2の待機ポジションWP2で待機する。次に、記録ヘッド4は、第2の待機ポジションWP2で待機している状態から第1の待機ポジションWP1側へ走査されて復動時の記録動作を行う。この記録動作が終了すると、第1の待機ポジションWP1で待機する。以後は、往動時の記録動作と復動時の記録動作とを交互に繰り返し実行する。
【0032】
待機ポジションには、フラッシング動作(メンテナンス動作の一種)によって記録ヘッド4が排出するインクを回収するためのインク受け部材が設けられる。本実施の形態では、上記のキャップ部材15が、インク受け部材を兼ねている。即ち、キャップ部材15は、図3(a)に示すように、通常は記録ヘッド4の待機ポジションの下方位置(ノズルプレート16の下方に少し離隔した位置)に配置されている。そして、記録ヘッド4のホームポジションヘの移動に伴って、図3(d)に示すように、斜上方側(ホームポジション側かつノズルプレート16側)に移動して、ノズル開口17を封止する。
【0033】
双方向記録を行うプリンタの場合には、図2(b)に示すように、第2の待機ポジションWP2にもインク受け部材18が配設される。このインク受け部材18は、例えば、記録ヘッド4との対向面が開放した箱状のフラッシングボックスによって構成され得る。
【0034】
さらに、本実施の形態では、待機ポジションと記録領域との間に、加速領域が設定されている。加速領域は、記録ヘッド4の走査速度を所定速度まで加速させるための領域である。
【0035】
さて、本実施の形態のキャップ部材15からは、図4に示すように、キャップ部材15の内部に連通する吸引路15wが延びている。そして、吸引路15wに、吸引用ギヤポンプ15gが設けられている。ギヤポンプ15gは、この場合、ギヤとポンプフレーム(ケース)との間の隙間が15ミクロン程度に調整されている(部品精度は5ミクロンである)。
【0036】
ここで、ギヤポンプ15gは、噛み合い部及びケーシング部のシールを解除できないため、IN側とOUT側とを連通して大気開放することができない。そこで、本実施の形態のキャップ部材15は、ノーマルオープンの開放バルブ機構15vを有している。開放バルブ15vの径は、小さく形成されている。図4(b)に示すように、開放バルブ機構15vは、インク吸引が必要な時に対応してキャップ部材15がフレームF等に当接する時にのみ閉じるようになっている。
【0037】
これにより、キャップ部材15内は、通常の状態では大気に連通されており、温度変化によるメニスカス崩壊が防止される一方で、インク吸引が必要な時には密封されるようになっている。
【0038】
また、本実施の形態のギヤポンプ15gには、その回転駆動モータ15mの入力電流に現れる駆動負荷電流を検出する電流計15cが設けられている。電流計15cには、当該電流計15cの検出値が所定値以上であるか否かを判別する負荷判別部15jが接続されている。これにより、吸引路15wを介して吸引されるインクがギヤポンプ15g内に到達したか否かを判別できるようになっている。すなわち、電流計15cと負荷判別部15jとが、吸引路15wを介して吸引されるインクがギヤポンプ15gに到達する液体到達状態を検出するセンサを構成している。
【0039】
次に、記録ヘッド4の内部機構について説明する。記録ヘッド4は、ブラックインクを吐出可能なブラックヘッドユニットと、シアンインクを吐出可能なシアンヘッドユニットと、マゼンタインクを吐出可能なマゼンタヘッドユニットと、イエローインクを吐出可能なイエローヘッドユニットと、ライトシアンインクを吐出可能なライトシアンヘッドユニットと、ライトマゼンタインクを吐出可能なライトマゼンタヘッドユニットと、を有する。また、各ヘッドユニットの底面には、副走査方向に沿って、複数のノズル開口17が形成されている。各ヘッドユニット毎のノズル開口17は、同数であって、互いに1対1に対応して主走査方向に整列している。
【0040】
次に、各ヘッドユニットについて、図5を用いて説明する。各ヘッドユニットは、共通の構造を有しており、図5に示すように、例えばプラスチックからなる箱体状のケース71の収納室72内に、櫛歯状の圧電振動子21が一方の開口から挿入されて櫛歯状先端部21aが他方の開口に臨んでいる。その他方の開口側のケース71の表面(下面)には流路ユニット74が接合され、櫛歯状先端部21aは、それぞれ流路ユニット74の所定部位に当接固定されている。
【0041】
圧電振動子21は、圧電体21bを挟んで共通内部電極21cと個別内部電極21dとを交互に積層した板状の振動子板を、ドット形成密度に対応させて櫛歯状に切断して構成してある。そして、共通内部電極21cと個別内部電極21dとの間に電位差を与えることにより、各圧電振動子21は、積層方向と直交する振動子長手方向に伸縮する。
【0042】
流路ユニット74は、流路形成板75を間に挟んでノズルプレート16と弾性板77を両側に積層することにより構成されている。
【0043】
流路形成板75は、ノズルプレート16に複数開設したノズル開口17とそれぞれ連通して圧力発生室隔壁を隔てて列設された複数の圧力発生室22と、各圧力発生室22の少なくとも一端に連通する複数の供給部82と、全供給部82が連通する細長い共通室83と、が形成された板材である。例えば、シリコンウエハーをエッチング加工することにより、細長い共通室83が形成され、共通室83の長手方向に沿って圧力発生室22がノズル開口17のピッチに合わせて形成され、各圧力発生室22と共通室83との間に溝状の供給部82が形成され得る。なお、この場合、圧力発生室22の一端に供給部82が接続し、この供給部82とは反対側の端部近傍でノズル開口17が位置するように配置されている。また、共通室83は、インクカートリッジ2に貯留されたインクを圧力発生室22に供給するための室であり、その長手方向のほぼ中央に供給管84が連通している。
【0044】
弾性板77は、ノズルプレート16とは反対側の流路形成板75の面に積層され、ステンレス板87の下面側にPPS等の高分子体フィルムを弾性体膜88としてラミネート加工した二重構造である。そして、圧力発生室22に対応した部分のステンレス板87をエッチング加工して、圧電振動子21を当接固定するためのアイランド部89が形成されている。
【0045】
上記の構成を有する各ヘッドユニットでは、圧電振動子21を振動子長手方向に伸長させることにより、アイランド部89がノズルプレート16側に押圧され、アイランド部89周辺の弾性体膜88が変形して圧力発生室22が収縮する。また、圧力発生室22の収縮状態から圧電振動子21を長手方向に収縮させると、弾性体膜88の弾性により圧力発生室22が膨張する。圧力発生室22を一旦膨張させてから収縮させることにより、圧力発生室22内のインクの圧力が高まって、ノズル開口17からインク滴が吐出される。
【0046】
すなわち、各ヘッドユニットにおいては、圧電振動子21に対する充放電に伴って、対応する圧力室22の容量が変化する。このような圧力室22の圧力変動を利用して、ノズル開口17からインク滴を吐出させたり、メニスカス(ノズル開口17で露出しているインクの自由表面)を微振動させたりすることができる。
【0047】
なお、上記の縦振動振動モードの圧電振動子21に代えて、いわゆるたわみ振動モードの圧電振動子を用いることも可能である。たわみ振動モードの圧電振動子は、充電による変形で圧力室を収縮させ、放電による変形で圧力室を膨張させる圧電振動子である。
【0048】
次に、プリンタ1の電気的構成について説明する。図6に示すように、このインクジェット式プリンタ1は、プリンタコントローラ30とプリントエンジン31とを備えている。
【0049】
プリンタコントローラ30は、外部インターフェース(外部I/F)32と、各種データを一時的に記憶するRAM33と、制御プログラム等を記憶したROM34と、CPU等を含んで構成された制御部11と、クロック信号を発生する発振回路35と、記録ヘッド4の各ヘッドユニットへ供給するための駆動信号等を発生する駆動信号発生回路36と、駆動信号や、印刷データに基づいて展開されたドットパターンデータ(ビットマップデータ)等をプリントエンジン31に送信する内部インターフェース(内部I/F)37と、を備えている。
【0050】
外部I/F32は、例えば、キャラクタコード、グラフィック関数、イメージデータ等によって構成される印刷データを、図示しないホストコンピュータ等から受信する。また、ビジー信号(BUSY)やアクノレッジ信号(ACK)が、外部I/F32を通じて、ホストコンピュータ等に対して出力される。
【0051】
RAM33は、受信バッファ、中間バッファ、出力バッファ及びワークメモリ(図示せず)を有している。そして、受信バッファは、外部I/F32を介して受信された印刷データを一時的に記憶し、中間バッファは、制御部11により変換された中間コードデータを記憶し、出力バッファは、ドットパターンデータを記憶する。ここで、ドットパターンデータとは、中間コードデータ(例えば、階調データ)をデコード(翻訳)することにより得られる印字データである。
【0052】
ROM34には、各種データ処理を行わせるための制御プログラム(制御ルーチン)の他に、フォントデータ、グラフィック関数等が記憶されている。さらにROM34は、メンテナンス情報保持手段として、メンテナンス動作用の設定データをも記憶している。
【0053】
制御部11は、ROM34に記憶された制御プログラムに従って各種の制御を行う。例えば、受信バッファ内の印刷データを読み出すと共にこの印刷データを変換して中間コードデータとし、当該中間コードデータを中間バッファに記憶させる。また、制御部11は、中間バッファから読み出した中間コードデータを解析し、ROM34に記憶されているフォントデータ及びグラフィック関数等を参照して、ドットパターンデータに展開(デコード)する。そして、制御部11は、必要な装飾処理を施した後に、このドットパターンデータを出力バッファに記憶させる。
【0054】
記録ヘッド4の1回の主走査により記録可能な1行分のドットパターンデータが得られたならば、当該1行分のドットパターンデータが、出力バッファから内部I/F37を通じて順次記録ヘッド4の各インクヘッドユニットの電気駆動系39に出力され、キャリッジ5が走査されて1行分の印刷が行われる。出力バッファから1行分のドットパターンデータが出力されると、展開済みの中間コードデータが中間バッファから消去され、次の中間コードデータについての展開処理が行われる。
【0055】
さらに、制御部11は、記録ヘッド4による記録動作とは別途に実施されるメンテナンス動作(回復動作)をも制御するようになっている。
【0056】
さらに、制御部11は、負荷判別部15jによってインクがギヤポンプ15g内に到達した状態が判別されてから、ギヤポンプ15の回転駆動モータ15mの回転量(駆動量)に基づいて、ギヤポンプ15gによるインク吸引量を算出するようになっている。すなわち、制御部11は、吸引量取得部の算出部として、液体到達状態が検出されてからのギヤポンプ15gの駆動量に基づいて、ギヤポンプ15gによるインク吸引量を算出できるようになっている。
【0057】
プリントエンジン31は、紙送り機構としての紙送りモータ13と、ヘッド走査機構としてのパルスモータ7と、記録ヘッド4の電気駆動系39と、を含んで構成してある。
【0058】
次に、記録ヘッド4の電気駆動系39について説明する。電気駆動系39は、図6に示すように、順に電気的に接続されたシフトレジスタ回路40、ラッチ回路41、レベルシフタ回路42、スイッチ回路43及び圧電振動子21を備えている。これらのシフトレジスタ回路40、ラッチ回路41、レベルシフタ回路42、スイッチ回路43及び圧電振動子21は、それぞれ、記録ヘッド4の各ヘッドユニットの各ノズル開口17毎に設けられている。
【0059】
この電気駆動系39では、スイッチ回路43に加わる選択データが「1」の場合、スイッチ回路43は接続状態となって駆動信号が圧電振動子21に直接印加され、各圧電振動子21は駆動信号の信号波形に応じて変形する。一方、スイッチ回路43に加わる選択データが「0」の場合、スイッチ回路43は非接続状態となって圧電振動子21への駆動信号の供給が遮断される。
【0060】
このように、選択データに基づいて、各圧電振動子21に対して駆動信号を選択的に供給できる。このため、与えられる選択データ次第で、ノズル開口17からインク滴を吐出させたり、メニスカスを微振動させたりすることができる。
【0061】
次に、プリンタ1の動作について説明する。
【0062】
電源が投入されると、まず必要な初期化動作が行われる。その後、記録ヘッド4は待機ポジションで待機する。1行分の印字データがRAM33の出力バッファから出力されると、記録ヘッド4は、記録動作に先だって、メンテナンス動作(回復動作)を実施する。
【0063】
このメンテナンス動作は、記録ヘッド4のインク滴の吐出能力を維持するために行われるもので、例えばインク吸引動作とフラッシング動作と微振動動作とがあり、適宜に選択されて実施される。
【0064】
インク吸引動作が行われる場合には、図4(b)に示すように開放バルブ15vがフレームF等によって閉じられ、キャップ部材15の内部が密封された状態でギヤポンプ15gの回転駆動モータ15mが作動されることによって、記録ヘッド4のノズル開口17からインクが吸引され得る。
【0065】
ここで、ギヤポンプ15g内及び吸引路15w内がインクですでに充満されていれば、電流計15cは高い駆動負荷電流を検出するため、負荷判別部15jはインクがギヤポンプ15g内に到達した状態であることを判別する。この時、制御部11が、吸引量取得部の算出部として、ギヤポンプ15の回転駆動モータ15mの回転量に基づいて、ギヤポンプ15gによるインク吸引量を算出する。
【0066】
一方、ギヤポンプ15g内及び吸引路15w内がインクで充満されていない場合には、電流計15cは低い駆動負荷電流を検出し、負荷判別部15jはインクがギヤポンプ15g内に到達していない状態であることを判別する。この間、ギヤポンプ15gは高速回転で駆動される。そして、当該高速回転でのギヤポンプ15gの作動により、ギヤポンプ15g内及び吸引路15w内の空気が吸引され、それに続くインクがギヤポンプ15g内に到達すると、電流計15cは高い駆動負荷電流を検出するため、負荷判別部15jはインクがギヤポンプ15g内に到達した状態であることを判別する。その後、制御部11が、吸引量取得部の算出部として、ギヤポンプ15の回転駆動モータ15mの回転量に基づいて、ギヤポンプ15gによるインク吸引量を算出する。
【0067】
この場合、制御部11は、インクがギヤポンプ15g内に到達した状態であることが判別された前後で、ギヤポンプ15gの回転駆動モータ15mの回転速度を変えることが好ましい。
【0068】
より具体的には、気体吸引中には、ギヤポンプ15gが高速回転されることが好ましい。そして、ギヤポンプ15gの状態が気体吸引状態から完全な液体吸引状態に移り変わるタイミングは、負荷判別部15jによる判別タイミングより微小時間だけ遅れるのが一般であるため、少なくともこの微小時間の間は、ギヤポンプ15gは低速で回転されることが好ましい。なぜなら、この微小時間におけるギヤポンプ15gの回転量が、算出される液体吸引量の誤差となるからである。
【0069】
なお、詳述はしないが、算出されたインク吸引量の情報は、インクカートリッジのインク残量の算出やインク吸収材の残能力の判別等に利用される。また、算出されるインク吸引量の情報を用いることにより、所望する吸引量のインク吸引動作を実施することができる。
【0070】
そして、メンテナンス動作がなされた後に、印字データに基づく記録動作が行われる。具体的には、記録ヘッド4の主走査方向の移動中に、ノズル開口17から適宜のタイミングでインク滴が吐出され得る。
【0071】
以上のように、本実施の形態によれば、最適設計が容易なギヤポンプ15gによってノズル開口17のインクを吸引することができる。一方、キャップ部材15の内部はノーマルオープンな開放バルブ15vによって大気に開放されるため、温度変化による空気の膨張/収縮に伴うメニスカス崩壊が防止される。
【0072】
また、本実施の形態によれば、負荷判別部15jにより液体到達状態が判別されてからのギヤポンプ15gの回転量に基づいてギヤポンプ15gによるインク吸引量が算出されるため、より正確にギヤポンプ15gによるインク吸引量を把握することができる。
【0073】
特に、本実施の形態では、回転駆動モータ15mの入力電流に現れる駆動負荷電流に基づいてインクがギヤポンプ15g内に到達したか否かを判別するので、インク到達状態を確実に検出することができる。
【0074】
なお、インク到達状態のセンシングは、常時継続的に行われてもよいが、所定のサイクルで断続的に行われてもよい。例えば図7に示すように、ギヤポンプ15gをn回転する毎に、あるいは、ギヤポンプ15gをt秒間だけ駆動する毎に、インク到達状態のセンシングが行われてもよい。
【0075】
次に、図8は、本発明の第2の実施の形態のインクジェット式記録装置におけるギヤポンプ近傍の概略断面図である。
【0076】
図8に示すように、本実施の形態のギアポンプ15gのキャップ部材15側のポンプフレーム15fには、ポンプフレーム15f内に延びる2つの電極15eが固定されている。そして、当該2つの電極15eは、電位計15pに接続されている。電位計15pには、当該電位計15pの検出値が所定値以下であるか否かを判別する電位判別部15kが接続されている。これにより、吸引路15wを介して吸引されるインクがギヤポンプ15g内に到達したか否かを判別できるようになっている。すなわち、電極15e、電位計15p及び電位判別部15kが、吸引路15wを介して吸引されるインクがギヤポンプ15gに到達する液体到達状態を検出するセンサを構成している。
【0077】
本実施の形態のその他の構成については、図1乃至図6を用いて説明した前記の実施の形態と略同様である。
【0078】
本実施の形態においても、インク吸引動作が行われる場合には、図4(b)に示すように開放バルブ15vがフレームF等によって閉じられ、キャップ部材15の内部が密封された状態でギヤポンプ15gの回転駆動モータ15mが作動されることによって、記録ヘッド4のノズル開口17からインクが吸引され得る。
【0079】
ここで、ギヤポンプ15g内及び吸引路15w内がインクですでに充満されていれば、電位計15pは2つの電極15e間の低い電位を検出するため、電位判別部15kはインクがギヤポンプ15g内に到達した状態であることを判別する。この時、制御部11が、吸引量取得部の算出部として、ギヤポンプ15の回転駆動モータ15mの回転量に基づいて、ギヤポンプ15gによるインク吸引量を算出する。
【0080】
一方、ギヤポンプ15g内及び吸引路15w内がインクで充満されていない場合には、電位計15pは2つの電極15e間に高い電位を検出し、電位判別部15kはインクがギヤポンプ15g内に到達していない状態であることを判別する。この間、ギヤポンプ15gは高速回転で駆動される。そして、当該高速回転でのギヤポンプ15gの作動により、ギヤポンプ15g内及び吸引路15w内の空気が吸引され、それに続くインクがギヤポンプ15g内に到達すると、電位計15pは2つの電極15e間に低い電位を検出するため、電位判別部15kはインクがギヤポンプ15g内に到達した状態であることを判別する。その後、制御部11が、吸引量取得部の算出部として、ギヤポンプ15の回転駆動モータ15mの回転量に基づいて、ギヤポンプ15gによるインク吸引量を算出する。
【0081】
この場合も、制御部11は、インクがギヤポンプ15g内に到達した状態であることが判別された前後で、ギヤポンプ15gの回転駆動モータ15mの回転速度を変えることが好ましい。
【0082】
より具体的には、気体吸引中には、ギヤポンプ15gが高速回転されることが好ましい。そして、ギヤポンプ15gの状態が気体吸引状態から完全な液体吸引状態に移り変わるタイミングは、電位判別部15kによる判別タイミングより微小時間だけ遅れるのが一般であるため、少なくともこの微小時間の間は、ギヤポンプ15gは低速で回転されることが好ましい。なぜなら、この微小時間におけるギヤポンプ15gの回転量が、算出される液体吸引量の誤差となるからである。
【0083】
以上のように、本実施の形態によれば、電位判別部15kにより液体到達状態が判別されてからのギヤポンプ15gの回転量に基づいてギヤポンプ15gによるインク吸引量が算出されるため、より正確にギヤポンプ15gによるインク吸引量を把握することができる。
【0084】
特に、本実施の形態では、ギヤポンプ15gの内部の電気抵抗状態を検出してインクがギヤポンプ15g内に到達したか否かを判別するので、インク到達状態を確実に検出することができる。この形態は、インクが高い導電性を有する場合に極めて効果的である。
【0085】
次に、図9は、本発明の第3の実施の形態のインクジェット式記録装置におけるギヤポンプ近傍の概略断面図である。
【0086】
図9に示すように、本実施の形態の吸引路15wは透明な部材によって形成され、当該吸引路15wのギアポンプ15gとの接続部近傍を挟んで、発光素子15aと受光素子15bとが設けられている。受光素子15bは、発光素子15aから発光される光を受光できる位置関係に配置されている。そして、受光素子15bには、当該受光素子15bの受光光量が所定値以下であるか否かを判別する光量判別部15nが接続されている。これにより、吸引路15wを介して吸引されるインクがギヤポンプ15g内に(厳密には、ギヤポンプ15gの直前に)到達したか否かを判別できるようになっている。すなわち、透明な吸引路15w、発光素子15a及び受光素子15bが、吸引路15wを介して吸引されるインクがギヤポンプ15gに到達する液体到達状態を検出するセンサを構成している。
【0087】
本実施の形態のその他の構成については、図1乃至図6を用いて説明した前記の実施の形態と略同様である。
【0088】
本実施の形態においても、インク吸引動作が行われる場合には、図4(b)に示すように開放バルブ15vがフレームF等によって閉じられ、キャップ部材15の内部が密封された状態でギヤポンプ15gの回転駆動モータ15mが作動されることによって、記録ヘッド4のノズル開口17からインクが吸引され得る。
【0089】
ここで、ギヤポンプ15g内及び吸引路15w内がインクですでに充満されていれば、受光素子15bは低い光量しか受光できず、光量判別部15nはインクがギヤポンプ15g内に到達した状態であることを判別する。この時、制御部11が、吸引量取得部の算出部として、ギヤポンプ15の回転駆動モータ15mの回転量に基づいて、ギヤポンプ15gによるインク吸引量を算出する。
【0090】
一方、ギヤポンプ15g内及び吸引路15w内がインクで充満されていない場合には、受光素子15bは高い光量を受光でき、光量判別部15kはインクがギヤポンプ15g内に到達していない状態であることを判別する。この間、ギヤポンプ15gは高速回転で駆動される。そして、当該高速回転でのギヤポンプ15gの作動により、ギヤポンプ15g内及び吸引路15w内の空気が吸引され、それに続くインクがギヤポンプ15g内に到達すると、受光素子15bは低い光量しが受光できなくなるため、光量判別部15nはインクがギヤポンプ15g内に到達した状態であることを判別する。その後、制御部11が、吸引量取得部の算出部として、ギヤポンプ15の回転駆動モータ15mの回転量に基づいて、ギヤポンプ15gによるインク吸引量を算出する。
【0091】
この場合も、制御部11は、インクがギヤポンプ15g内に到達した状態であることが判別された前後で、ギヤポンプ15gの回転駆動モータ15mの回転速度を変えることが好ましい。
【0092】
より具体的には、気体吸引中には、ギヤポンプ15gが高速回転されることが好ましい。そして、ギヤポンプ15gの状態が気体吸引状態から完全な液体吸引状態に移り変わるタイミングは、光量判別部15nによる判別タイミングより微小時間だけ遅れる。このため、少なくともこの微小時間の間は、ギヤポンプ15gは低速で回転されることが好ましい。なぜなら、この微小時間におけるギヤポンプ15gの回転量が、算出される液体吸引量の誤差となるからである。
【0093】
以上のように、本実施の形態によれば、光量判別部15nにより液体到達状態が判別されてからのギヤポンプ15gの回転量に基づいてギヤポンプ15gによるインク吸引量が算出されるため、より正確にギヤポンプ15gによるインク吸引量を把握することができる。
【0094】
特に、本実施の形態では、ギヤポンプ15gの直前における透明な吸引路15wの導光状態を検出してインクがギヤポンプ15g内に到達したか否かを判別するので、インク到達(の直前の)状態を確実に検出することができる。この形態は、インクの透明度が低い場合に極めて効果的である。
【0095】
尚、本実施の形態においてはギヤポンプが用いられているが、ギヤポンプの他に、ベーンポンプ、ベローズポンプ、ルーツポンプ、クインビーポンプ、等の他の容積ポンプが用いられてもよい。
【0096】
また、以上の説明はインクジェット記録装置についてなされているが、本発明は、広く液体噴射装置全般を対象としたものである。液体の例としては、インクの他に、グルー、マニキュア、導電性液体(液体金属)等が用いられ得る。更に、本発明は、液晶等の表示体におけるカラーフィルタの製造用装置にも適用され得る。
【0097】
【発明の効果】
本発明によれば、センサにより液体到達状態が検出されてからの吸引用容積ポンプの駆動量に基づいて吸引用容積ポンプによる液体吸引量が算出されるため、より正確に吸引用容積ポンプによる液体吸引量を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のインクジェット式記録装置の概略斜視図である。
【図2】記録ヘッドの走査範囲を説明する模式図であり、(a)は単方向記録を行うプリンタの走査範囲を、(b)は双方向記録を行うプリンタの走査範囲をそれぞれ示す。
【図3】記録ヘッドの動作を説明する模式図であり、(a)は待機ポジションに位置している状態を、(b)は待機位置から記録領域側へ移動している状態を、(c)は記録領域側から待機ポジションに戻ってくる時の状態を、(d)はホームポジションに位置している状態を、それぞれ示す。
【図4】本実施の形態のキャップ部材を示す概略断面図であり、(a)は開放バルブが開放している状態を、(b)は開放バルブが閉じている状態を、それぞれ示す。
【図5】本実施の形態の記録ヘッドのヘッドユニットの構成を説明する図である。
【図6】本実施の形態の記録ヘッドの電気的構成を示す概略ブロック図である。
【図7】インク到達状態のセンシングを断続的に行う場合の一例を示すフロー図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態のインクジェット式記録装置におけるギヤポンプ近傍の概略断面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態のインクジェット式記録装置におけるギヤポンプ近傍の概略断面図である。
【符号の説明】
1 インクジェット式プリンタ
2 インクカートリッジ
4 記録ヘッド
5 キャリッジ
6 ガイド部材
7 パルスモータ
8 駆動プーリー
9 遊転プーリー
10 タイミングベルト
11 制御部
12 記録紙
13 紙送りモータ
14 紙送りローラ
15 キャップ部材
15w 吸引路
15g ギヤポンプ
15v 開放バルブ
15f ポンプフレーム
15m 回転駆動モータ
15c 電流計
15j 負荷検出部
15e 電極
15p 電位計
15k 電位判別部
15a 発光素子
15b 受光素子
15n 光量判別部
16 ノズルプレート
17 ノズル開口
21 圧電振動子
21a 櫛歯状先端部
21b 圧電体
21c 共通内部電極
21d 個別内部電極
22 圧力発生室
30 プリンタコントローラ
31 プリントエンジン
32 外部インターフェース
33 RAM
34 ROM
35 発振回路
36 駆動信号発生回路
37 内部インターフェイス
39 記録ヘッドの電気駆動系
40 シフトレジスタ回路
41 ラッチ回路
42 レベルシフタ回路
43 スイッチ回路
71 ケース
72 収納室
74 流路ユニット
75 流路形成板
77 弾性板
80 ノズル開口
82 供給部
83 共通室
84 供給管
87 ステンレス板
88 弾性体膜
89 アイランド部

Claims (6)

  1. ノズル開口と、ノズル開口部分の液体を噴射させる液体噴射手段と、を有するヘッド部材と、
    吐出データに基づいて液体噴射手段を駆動させる制御本体部と、
    ヘッド部材に対して離間した位置と当接した位置との間で相対的に移動可能なキャップ部材と、
    キャップ部材の内部に連通された吸引路と、
    吸引路に設けられた吸引用容積ポンプと、
    吸引用容積ポンプによる液体吸引量を取得する吸引量取得部と、
    を備え、
    吸引量取得部は、
    吸引路を介して吸引される液体が吸引用容積ポンプに到達する液体到達状態を検出するセンサと、
    前記センサにより液体到達状態が検出されてからの吸引用容積ポンプの駆動量に基づいて、吸引用容積ポンプによる液体吸引量を算出する算出部と、
    を有している
    ことを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記センサは、吸引用容積ポンプの駆動負荷を検出する負荷センサを有している
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記センサは、吸引用容積ポンプの内部の電位状態を検出する電位センサを有している
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  4. 前記センサは、吸引路の吸引用容積ポンプとの接続部近傍に設けられた光学的センサを有している
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  5. 吸引用容積ポンプは、前記センサにより液体到達状態が検出される前と後とで、駆動状態が変化するようになっている
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の液体噴射装置。
  6. 吸引用容積ポンプは、前記センサにより液体到達状態が検出される前は高速回転で駆動され、前記センサにより液体到達状態が検出された後は低速回転で駆動されるようになっている
    ことを特徴とする請求項5に記載の液体噴射装置。
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