JP2004298999A - 打ち抜き方法および打ち抜き装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】生産効率が良く、かつ圧力に対して耐えることができないような製品部分にも打ち抜きを行うことができ、適用範囲が広がった打ち抜き方法およびその方法による打ち抜き機構を備えた打ち抜き装置を提供すること。
【解決手段】シート1が、少なくとも前記シート1を挟んで回転し一対のローラを有する搬入側シート移送機構5によって一定方向に移送され、シート1が所定位置に形成されたICカード1aを打ち抜くプレス部6に移送されると、プレス部6によってICカード1aが順次打ち抜かれ、シート1を挟んで回転する一対のローラを有してシート1を搬出する搬出側シート移送機構7によってシート1がプレス部6から搬出される打ち抜き方法において、少なくともシート1の一部が上下からフレーム材2によって挟み込まれていることを特徴とする打ち抜き方法とした。
【選択図】 図2
【解決手段】シート1が、少なくとも前記シート1を挟んで回転し一対のローラを有する搬入側シート移送機構5によって一定方向に移送され、シート1が所定位置に形成されたICカード1aを打ち抜くプレス部6に移送されると、プレス部6によってICカード1aが順次打ち抜かれ、シート1を挟んで回転する一対のローラを有してシート1を搬出する搬出側シート移送機構7によってシート1がプレス部6から搬出される打ち抜き方法において、少なくともシート1の一部が上下からフレーム材2によって挟み込まれていることを特徴とする打ち抜き方法とした。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シートに対して打ち抜きを行う打ち抜き方法および打ち抜き装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の打ち抜き装置によるシートの打ち抜きは、次の通りである。まず、搬入側移送機構のローラによってシートが移送されてプレス部に送られる。そこで、シートの製品部分がプレス部により打ち抜かれる。打ち抜かれた製品部分は、プッシュバック方式によって打ち抜かれたシートの元の部分に戻る。こうして製品部分を打ち抜かれたシートは、搬出側移送機構のローラによって移送され、分離機構によってシートから製品部分が分離されて収容されていた。
【0003】
従来の打ち抜き装置を図5に示す。打ち抜き装置100は、搬入側シート移送機構101と、プレス部102と、搬出側シート移送機構103とを備えている。
【0004】
搬入側シート移送機構101は、シート104が通過する通路を介して、下部に搬入側駆動ローラ105と、上部に搬入側従動ローラ106とを備えている。搬入側駆動ローラ105と搬入側従動ローラ106とは、それぞれ、一様の円形断面を有する円柱状とされており、シート104の幅方向(紙面において垂直方向)全体に力を加えてシート104を押さえつけるようになっている。
プレス部102は、ダイ107とパンチ108とシェダー109とを備えている。ダイ107には孔部110が設けられている。孔部110の内部にはシェダー109が上下に摺動自在に嵌合されている。シェダー109の下部にはスプリング111が設けられている。
搬出側シート移送機構103は、シート104が通過する通路を介して、下部に搬出側駆動ローラ112と、上部に搬入側従動ローラ113とを備えている。搬出側駆動ローラ112と搬出側従動ローラ113とは、それぞれ、一様の円形断面を有する円柱状とされており、シート104の幅方向(紙面において垂直方向)全体に力を加えてシート104を押さえつけるようになっている。
【0005】
上記のように構成された打ち抜き装置100を作動させると、打ち抜き装置100に送られてきたシート104は、搬入側駆動ローラ105と搬入側従動ローラ106とによって上下から幅方向全体が挟み込まれる。そして、搬入側駆動ローラ105に駆動力が与えられ、搬入側駆動ローラ105が回転する。搬入側駆動ローラ105の回転に伴いシート104は所定方向に移送される。シート104がプレス部102に到達したところで、プレス部102によるシート104の打ち抜きを一列ずつ順次行いながらシート104を移送する。このように、搬入側シート移送機構101は、打ち抜きの送りに応じて間欠的に移送を行う。
【0006】
打ち抜きの工程は、パンチ108が下降してダイ107の孔部110に嵌合することによってシート104に形成された製品部分104aが打ち抜かれる。その後、パンチ108が製品部分104aと共にシェダー109を下方に押えながらパンチ108およびシェダー109が最下点に到達する。そして、パンチ108が上方に退避するにつれ、スプリング111の復元力によりシェダー109が製品部分104aを載置したまま上昇する。上昇した製品部分104aは、シート104の打ち抜かれる前の位置に戻る。このようにプッシュバック方式が行われる。
【0007】
その後、打ち抜かれた製品部分104aを保持したままのシート104が搬出側移送機構103によって移送される。打ち抜かれた製品部分104aは、プレス部102から出た後、図示しない製品抜き取り機構によりシート104から抜き取られる。
【0008】
他の従来の打ち抜き装置としては、上下動するパンチの下面周縁部に水平な平面部からなる刃部を突出形成し、その刃部の内側を凹部としてシートにおける製品部分の周縁部以外の部分に圧力を与えないプレス部としている例が報告されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0009】
また、従来のシート移送方法の別の報告においては、搬入側移送機構の搬入側ローラの手前で、二つのグリッパーが交互にシートを片持ちでプレス部まで移送することによって、シートの移送サイクルタイムが短縮できて、高速な打ち抜きに対応できシートの打ち抜きの生産性が向上する例が報告されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0010】
【特許文献1】
特開平11−333799号公報 (第3−4頁、第1−2図)
【特許文献2】
特開平9−123096号公報 (第4−6頁、第1−6図)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、カードにICが埋め込まれているICカードや、表面に情報記録用の磁気部分が形成されているクレジットカードやプリペイドカードといった製品部分をシートから打ち抜くにあたって、従来の打ち抜き方法を用いた場合、搬入側シート移送機構および搬出側シート移送機構に設けられた上下のローラ間にシートの幅方向全体が直接挟まれるために、IC部分や磁気部分に圧力がかかり、その部分に損傷を与え、破損させてしまう恐れがあるといった問題があった。
上記の問題点を回避するために、打ち抜きを行った後のカードに対して一つ一つIC部分や磁気部分を形成する方法が考えられる。しかし、これでは作業効率が悪くなり、製造に時間がかかると共に手間がかかり、製造コストが嵩むといった問題があった。
【0012】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、生産効率が良く、かつ圧力に対して耐えることができないような製品部分を有するシートの打ち抜きを行うことができ、打ち抜く製品部分の適用範囲が広がった打ち抜き方法および打ち抜き装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための手段として、次のような構成を採用する。すなわち、本発明の打ち抜き方法は、製品部分が形成されたシートを移送し、該製品部分を打ち抜く打ち抜き方法において、前記製品部分が形成されていない前記シートの非製品部分に対して当接する当接部材を前記シートに配置し、該当接部材を介在させて前記シートを複数のローラ間で挟持することによって前記シートを移送することを特徴とする。
【0014】
シートの非製品部分に当接部材を配置し、この当接部材を介在させてシートを複数のローラ間で挟持することとしたので、ローラとシートとの間には当接部材が介在する分だけ間隔が設けられることになる。特に、シートに形成された製品部分には当接部材が存在しないので、ローラと製品部分との間には空隙が形成されることになる。したがって、製品部分がローラに直接接触することがない。仮に、製品部分がローラに接触したとしても、当接部材が挟まれている分だけ製品部分に加えられる圧力は極めて小さいものとなる。
【0015】
また、本発明の打ち抜き方法は、当接部材を、シートの両側部において移送方向に沿って配置したことを特徴とする。
【0016】
製品部分がシートの中央に配置されている場合には、シートの側部を当接部材が当接する部分として用いると良い。また、当接部材が移送方向に沿って配置されているので、円滑に当接部材およびシートを移送することができる。
【0017】
また、本発明の打ち抜き方法は、当接部材がシートの上下に配置されることを特徴とする。
【0018】
当接部材がシートの上下に配置されることで、製品部分の上下両面のいずれもがローラによって加圧されることはない。
【0019】
本発明の打ち抜き装置によれば、シートに形成された製品部分を打ち抜くプレス部と、該プレス部の側部に配置されるとともに、前記シートを挟んで移送する複数のローラと、を備えた打ち抜き装置において、前記シートと前記ローラとの間には、前記製品部分が形成されていない前記シートの非製品部分に当接する当接部材が配置されていることを特徴とする。
【0020】
シートとローラとの間に、非製品部分に当接する当接部材を配置することとしたので、ローラとシートとの間には当接部材が介在する分だけ間隔が設けられることになる。特に、シートに形成された製品部分には当接部材が存在しないので、ローラと製品部分との間には空隙が形成されることになる。したがって、製品部分がローラに直接接触することがない。仮に、製品部分がローラに接触したとしても、当接部材が挟まれている分だけ製品部分に加えられる圧力は極めて小さいものとなる。
【0021】
また、本発明の打ち抜き装置によれば、当接部材は、前記シートの両側部において移送方向に沿って配置される左右の縦部材と、これら縦部材をその端部において連結する横部材とを有することを特徴とする。
【0022】
左右の縦部材を横部材で連結することとしたので、左右の縦部材をシートの幅に合わせた当接部材を一体に設けることができる。これにより、シートに対する当接部材の設置が容易となる。また、縦部材と横部材との接合部を剛接合として当接部材をラーメン構造とすれば、当接部材の剛性が向上する。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明に係る打ち抜き方法および打ち抜き装置の第1の実施形態を、図1ないし図4に示して説明する。
図1は、シート1に対してフレーム材(当接部材)2を設置した平面図である。シート1には、打ち抜きの対象となる複数のICカード(製品部分)1aが升目状に形成されている。シート1には、長手方向に10個、幅方向に5個とされた合計50個のICカード1aが形成されている。各ICカード1aには、装飾や表示等の印刷が予め施されており、さらに電子部品であるICが形成されている。シート1においてICカード1aが形成されていない部分が非製品部分1bとなっている。シート1の両側部1cに位置する非製品部分1bには、フレーム材2が当接した状態で設けられている。
【0024】
フレーム材2は、アルミ製のはしご形とされており、シート1の両側部1cにそれぞれ配置された2本の縦部材2a,2aと、これら縦部材2a,2aをその両端部で連結する2本の横部材2b,2bとから形成されている。縦部材2aは、後に説明するように、シート1の移送方向(図1において左右方向)に沿って配置されている。縦部材2aと横部材2bとは溶接によって剛に接合されている。フレーム材2は、シート1の上下(紙面において垂直方向)に設けられており、これにより、シート1は上下のフレーム材2によって挟まれている。
なお、本実施形態において、シート1は、フレーム材2の移送方向の中央に一つのみ配置されているが、もちろん、シート1の両隣に他のシートを配置して複数とすることもできる。
【0025】
次に、上記のように設置されたシート1およびフレーム材2を用いてICカード1aを打ち抜く打ち抜き装置4について、図2ないし図4を用いて説明する。図2は、打ち抜き装置4の要部を示した側断面図である。
打ち抜き装置4は、搬入側シート移送機構5と、プレス部6と、搬出側シート移送機構7とを備えている。
【0026】
搬入側シート移送機構5は、プレス部6に対して、シート1の移送方向における上流側に配置されている。この搬入側シート移送機構5は、シート1が通過する位置よりも下側に位置する搬入側駆動ローラ8と、シート1が通過する位置よりも上側に位置する搬入側従動ローラ9とを備えている。搬入側駆動ローラ8と搬入側従動ローラ9とは、それぞれ、一様の円形断面を有する円柱状とされている。
搬入側駆動ローラ8と搬入側従動ローラ9とは、互いに対向しており、間にシート1およびフレーム材2を挟むようになっている。
【0027】
プレス部6は、搬入側シート移送機構5の下流側に位置しており、ダイ10と、ダイ10の上方に位置するパンチ11とを備えている。ダイ10には孔部13が設けられており、この孔部13にシェダー12が上下摺動自在に収納されている。シェダー12の下部には、シェダー12を上方に押圧するスプリング14が設けられている。
【0028】
搬出側シート移送機構7は、プレス部6の下流側に配置されている。この搬出側シート移送機構7は、シート1が通過する位置よりも下側に位置する搬出側駆動ローラ15と、シート1が通過する位置よりも上側に位置する搬出側従動ローラ16とを備えている。搬出側駆動ローラ15と搬出側従動ローラ16とは、それぞれ、一様の円形断面を有する円柱状とされている。
搬出側駆動ローラ15と搬出側従動ローラ16とは、互いに対向しており、間にシート1およびフレーム材2を挟むようになっている。
なお、図2に示す打ち抜き装置4は、理解の容易のため、ダイ10に対してシート1を浮かせた状態で示しているが、実際にはダイ10上にシート1が載置されている。
【0029】
図3は、打ち抜き装置4の平面図である。図3に示すように、搬入側シート移送機構5の上方には、シート1の移送方向に延在するボールネジ23が設けられている。このボールネジ23には、シート1を把持するためのグリッパ24が所定間隔をおいて複数設けられている。また、プレス部6の下流側には、シート1から製品部分1aを分離する分離機構25が設けられている。
【0030】
図4には、搬入側シート移送機構5よりも上流側に設けられた第2の搬入側シート移送機構17と、搬出側シート移送機構7よりも下流側に設けられた第2の搬出側シート移送機構18とが示されている。第2の搬入側シート移送機構17は、第2の搬入側駆動ローラ19と第2の搬入側従動ローラ20とを備えている。第2の搬出側シート移送機構18は、第2の搬出側駆動ローラ21と、第2の搬出側従動ローラ22とを備えている。それぞれのシート移送機構5,7,17,18に設けられた従動ローラ9,16,20,22は、上下に移動可能となっている。
【0031】
上記のように構成された打ち抜き装置4は、以下のように動作する。
まず、打ち抜き装置4の上流側に位置するシート載置所(図示せず)に位置するシート1は、グリッパ24により把持されて、打ち抜き装置4側へと送られる。フレーム材2は、第2の搬入側シート移送機構17から搬入側シート移送機構5にかけて延在している。フレーム材2のうち上方に位置するフレーム材2は、図示しない手段によって上方に引き上げられており、これにより、上下のフレーム材2,2間には空間が形成されている。なお、上方のフレーム材2が引き上げられている場合は、それに応じて従動ローラ20,9,16,22も上方に位置している。
【0032】
次いで、シート1は、上下に開いた状態のフレーム材2に挿入される。その後、第2の搬入側従動ローラ20および搬入側従動ローラ9が下降し、第2の搬入側駆動ローラ19および搬入側駆動ローラ8との間でフレーム材2とともにシート1を挟み込む。
フレーム材2は、シート1を挟み込んだ状態で、第2の搬入側駆動ローラ19および搬入側駆動ローラ8の回転により、プレス部6に向かって移送される。
【0033】
シート1およびフレーム材2がプレス部6に到達すると、プレス部6がシート1に形成されたICカード1aの打ち抜きを行う。
まず、パンチ11が下降してダイ10の孔部13に嵌合することによってICカード1aを打ち抜く。打ち抜かれたICカード1aは、シェダー12とともにパンチ11に押えられながら下方へと移動する。パンチ11が最下点に到達した後に上方に退避するにつれ、シェダー12がスプリング14の復元力によってICカード1aを載置したまま上昇する。シェダー12は元の位置に戻り、これに応じてICカード1aも打ち抜かれる前の元の位置に戻る。
【0034】
ICカード1aの打ち抜きが順次行われつつ、シート1が打ち抜きの送りの速さに応じて間欠的に移送される。この移送によりシート1およびフレーム材2の進行方向先端部が、搬出側シート移送機構7に到達する。この時、搬出側従動ローラ16は上方に位置している状態である。それから、搬出側従動ローラ16が下降してフレーム材2を挟み込む。
【0035】
搬出側シート移送機構7による移送によりシート1およびフレーム材2の進行方向先端部が第2の搬出側シート移送機構18に到達すると、上部に位置していた第2の移送側従動ローラ22が下降して、第2の搬出側シート移送機構18によってフレーム材2を挟み込む。
【0036】
そして、搬出側シート移送機構7と第2の搬出側シート移送機構18との間に設けられた分離機構25によって、ICカード1aの取り出しが行われ、ICカード1aが回収される。
【0037】
シート1のICカード1aが全て回収されると、搬出側従動ローラ16と第2の搬出側従動ローラ22が上昇し、それに合わせてシート1を挟み込んでいたフレーム材2が上下に分離し、ICカード1aが抜き取られたシート1が第2の搬出側シート移送機構18と搬出側シート移送機構7との間に設けられたシート排出装置(図示せず)でICカード1aとは別に回収される。
【0038】
その後、フレーム材2は、各ローラの間を通って第2の搬入側シート移送機構17に戻り、再びシート1を挟み込んで、移送され、打ち抜きを行う。このように、フレーム材2は、第2の搬入側シート移送機構17から第2のシート搬出側移送機構18までの間を往復し、打ち抜き装置4を通過してしまうことはない。また、フレーム材2はシート1の前後にシート1枚分のスペースを有しているので、フレーム材2が往復する際に横部材2bとダイ10とが緩衝しないようになっている。
それぞれの駆動ローラ8,15,19,21の回転は、一つのサーボモータを共通の駆動源としていることにより全て同期している。また、シート1の移送はシート移送機構5,7,17,18のいずれか一つのみによりなされる。
【0039】
以上の通り、シート1をフレーム材2によって挟み込むこととしたので、移送の際に各シート移送機構5、7、17、18のローラ間にICカード1aが挟み込まれることがない。したがって、ICカード1aに圧力がかからず、ICカード1aに形成されたICや磁気部分が破損や損傷を受けずに済む。これにより、打ち抜きの工程の際に、ICカード1aにICを装着させて打ち抜きを行うことができるので、効率良くICカードを製造することが可能となる。
【0040】
また、フレーム材2をシート1の両側部1cに移送方向に沿って配置したことにより、フレーム材2を円滑に移送することができる。
【0041】
また、縦部材2aと横部材2bとを連結させてフレーム材2を形成したので、左右の縦部材2aをシート1の幅に合わせたフレーム材2を一体に設けることができる。これにより、シート1に対するフレーム材2の設置が容易となる。また、縦部材2aと横部材2bとの接合部を剛接合としてフレーム材2をラーメン構造としたので、フレーム材2の剛性が向上し、シート1の姿勢を適正に保った状態で移送することが可能となる。
【0042】
また、フレーム材2が上下からシート1を挟み込んでいることにより、ICカード1aの上下両面のいずれもがローラによって加圧されることはない。
【0043】
なお、本実施形態ではパンチ11の形状を、下端面を製品部分に合わせた単純な角柱状としたが、シート1のICカード1aは圧力に対して耐えることができないものとなる可能性があるので、これにかえて、プレスの際にもICカード1aに圧力がかからないように、パンチの下面周縁部に水平な平面部からなる刃部を突出形成し、その刃部の内側を凹部としたパンチ形状としてもよい。あるいは、特開2001−138289で示されているように、シートの上側にあるシェダーから切断時のみ刃部が降りて製品部分を切断し、その後刃部が上昇するのに伴い、シェダーが製品部分をシートに押し戻すようにしても構わない。むしろ、製品部分にかかる圧力を考慮すれば、これらのパンチ形状の方が好ましい。
【0044】
また、本実施形態においては、ICが装着されるICカードにおいて打ち抜きを行ったが、これにかえて表面に情報記録用の磁気部分が形成されているクレジットカードやプリペイドカード等、他の種類のシートの打ち抜きにも適用できる。
また、本実施形態においては、フレーム材2の材質をアルミとしたが、アルミに限定されるものではなく、強度が確保されるようであれば他の材質であっても良い。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の打ち抜き方法および打ち抜き装置によれば、以下の効果を奏することができる。
本発明の打ち抜き方法は、シートの非製品部分に当接部材を配置し、この当接部材を介在させてシートを複数のローラ間で挟持することとしたので、ローラによって製品部分に圧力が加えられることがない。したがって、製品部分を毀損させずに打ち抜くことができる。
【0046】
当接部材を移送方向に沿って配置することとしたので、円滑に当接部材およびシートを移送することができる。
【0047】
当接部材をシートの上下に配置することとしたので、製品部分の上下両面のいずれもがローラによって加圧されることがなく、製品部分の保護を一層図ることができる。
【0048】
本発明の打ち抜き装置は、シートとローラとの間に、非製品部分に当接する当接部材を配置することとしたので、ローラによって製品部分に圧力が加えられることがない。したがって、製品部分を毀損させずに打ち抜くことができる。
【0049】
左右の縦部材を横部材で連結することとしたので、左右の縦部材をシートの幅に合わせた当接部材を一体に設けることができる。これにより、シートに対する当接部材の設置が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるシートおよびフレーム材を示した平面図である。
【図2】本発明の一実施形態における打ち抜き装置を示した側断面図である。
【図3】本発明の一実施形態における打ち抜き装置を示した平面図である。
【図4】本発明の一実施形態における打ち抜き装置を示した側面図である。
【図5】従来の打ち抜き装置を示した断面図である。
【符号の説明】
1 シート
1a ICカード
1b 非製品部分
2 フレーム材
3 製品部分
4 打ち抜き装置
5 搬入側シート移送機構
6 プレス部
7 搬出側シート移送機構
【発明の属する技術分野】
本発明は、シートに対して打ち抜きを行う打ち抜き方法および打ち抜き装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の打ち抜き装置によるシートの打ち抜きは、次の通りである。まず、搬入側移送機構のローラによってシートが移送されてプレス部に送られる。そこで、シートの製品部分がプレス部により打ち抜かれる。打ち抜かれた製品部分は、プッシュバック方式によって打ち抜かれたシートの元の部分に戻る。こうして製品部分を打ち抜かれたシートは、搬出側移送機構のローラによって移送され、分離機構によってシートから製品部分が分離されて収容されていた。
【0003】
従来の打ち抜き装置を図5に示す。打ち抜き装置100は、搬入側シート移送機構101と、プレス部102と、搬出側シート移送機構103とを備えている。
【0004】
搬入側シート移送機構101は、シート104が通過する通路を介して、下部に搬入側駆動ローラ105と、上部に搬入側従動ローラ106とを備えている。搬入側駆動ローラ105と搬入側従動ローラ106とは、それぞれ、一様の円形断面を有する円柱状とされており、シート104の幅方向(紙面において垂直方向)全体に力を加えてシート104を押さえつけるようになっている。
プレス部102は、ダイ107とパンチ108とシェダー109とを備えている。ダイ107には孔部110が設けられている。孔部110の内部にはシェダー109が上下に摺動自在に嵌合されている。シェダー109の下部にはスプリング111が設けられている。
搬出側シート移送機構103は、シート104が通過する通路を介して、下部に搬出側駆動ローラ112と、上部に搬入側従動ローラ113とを備えている。搬出側駆動ローラ112と搬出側従動ローラ113とは、それぞれ、一様の円形断面を有する円柱状とされており、シート104の幅方向(紙面において垂直方向)全体に力を加えてシート104を押さえつけるようになっている。
【0005】
上記のように構成された打ち抜き装置100を作動させると、打ち抜き装置100に送られてきたシート104は、搬入側駆動ローラ105と搬入側従動ローラ106とによって上下から幅方向全体が挟み込まれる。そして、搬入側駆動ローラ105に駆動力が与えられ、搬入側駆動ローラ105が回転する。搬入側駆動ローラ105の回転に伴いシート104は所定方向に移送される。シート104がプレス部102に到達したところで、プレス部102によるシート104の打ち抜きを一列ずつ順次行いながらシート104を移送する。このように、搬入側シート移送機構101は、打ち抜きの送りに応じて間欠的に移送を行う。
【0006】
打ち抜きの工程は、パンチ108が下降してダイ107の孔部110に嵌合することによってシート104に形成された製品部分104aが打ち抜かれる。その後、パンチ108が製品部分104aと共にシェダー109を下方に押えながらパンチ108およびシェダー109が最下点に到達する。そして、パンチ108が上方に退避するにつれ、スプリング111の復元力によりシェダー109が製品部分104aを載置したまま上昇する。上昇した製品部分104aは、シート104の打ち抜かれる前の位置に戻る。このようにプッシュバック方式が行われる。
【0007】
その後、打ち抜かれた製品部分104aを保持したままのシート104が搬出側移送機構103によって移送される。打ち抜かれた製品部分104aは、プレス部102から出た後、図示しない製品抜き取り機構によりシート104から抜き取られる。
【0008】
他の従来の打ち抜き装置としては、上下動するパンチの下面周縁部に水平な平面部からなる刃部を突出形成し、その刃部の内側を凹部としてシートにおける製品部分の周縁部以外の部分に圧力を与えないプレス部としている例が報告されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0009】
また、従来のシート移送方法の別の報告においては、搬入側移送機構の搬入側ローラの手前で、二つのグリッパーが交互にシートを片持ちでプレス部まで移送することによって、シートの移送サイクルタイムが短縮できて、高速な打ち抜きに対応できシートの打ち抜きの生産性が向上する例が報告されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0010】
【特許文献1】
特開平11−333799号公報 (第3−4頁、第1−2図)
【特許文献2】
特開平9−123096号公報 (第4−6頁、第1−6図)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、カードにICが埋め込まれているICカードや、表面に情報記録用の磁気部分が形成されているクレジットカードやプリペイドカードといった製品部分をシートから打ち抜くにあたって、従来の打ち抜き方法を用いた場合、搬入側シート移送機構および搬出側シート移送機構に設けられた上下のローラ間にシートの幅方向全体が直接挟まれるために、IC部分や磁気部分に圧力がかかり、その部分に損傷を与え、破損させてしまう恐れがあるといった問題があった。
上記の問題点を回避するために、打ち抜きを行った後のカードに対して一つ一つIC部分や磁気部分を形成する方法が考えられる。しかし、これでは作業効率が悪くなり、製造に時間がかかると共に手間がかかり、製造コストが嵩むといった問題があった。
【0012】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、生産効率が良く、かつ圧力に対して耐えることができないような製品部分を有するシートの打ち抜きを行うことができ、打ち抜く製品部分の適用範囲が広がった打ち抜き方法および打ち抜き装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための手段として、次のような構成を採用する。すなわち、本発明の打ち抜き方法は、製品部分が形成されたシートを移送し、該製品部分を打ち抜く打ち抜き方法において、前記製品部分が形成されていない前記シートの非製品部分に対して当接する当接部材を前記シートに配置し、該当接部材を介在させて前記シートを複数のローラ間で挟持することによって前記シートを移送することを特徴とする。
【0014】
シートの非製品部分に当接部材を配置し、この当接部材を介在させてシートを複数のローラ間で挟持することとしたので、ローラとシートとの間には当接部材が介在する分だけ間隔が設けられることになる。特に、シートに形成された製品部分には当接部材が存在しないので、ローラと製品部分との間には空隙が形成されることになる。したがって、製品部分がローラに直接接触することがない。仮に、製品部分がローラに接触したとしても、当接部材が挟まれている分だけ製品部分に加えられる圧力は極めて小さいものとなる。
【0015】
また、本発明の打ち抜き方法は、当接部材を、シートの両側部において移送方向に沿って配置したことを特徴とする。
【0016】
製品部分がシートの中央に配置されている場合には、シートの側部を当接部材が当接する部分として用いると良い。また、当接部材が移送方向に沿って配置されているので、円滑に当接部材およびシートを移送することができる。
【0017】
また、本発明の打ち抜き方法は、当接部材がシートの上下に配置されることを特徴とする。
【0018】
当接部材がシートの上下に配置されることで、製品部分の上下両面のいずれもがローラによって加圧されることはない。
【0019】
本発明の打ち抜き装置によれば、シートに形成された製品部分を打ち抜くプレス部と、該プレス部の側部に配置されるとともに、前記シートを挟んで移送する複数のローラと、を備えた打ち抜き装置において、前記シートと前記ローラとの間には、前記製品部分が形成されていない前記シートの非製品部分に当接する当接部材が配置されていることを特徴とする。
【0020】
シートとローラとの間に、非製品部分に当接する当接部材を配置することとしたので、ローラとシートとの間には当接部材が介在する分だけ間隔が設けられることになる。特に、シートに形成された製品部分には当接部材が存在しないので、ローラと製品部分との間には空隙が形成されることになる。したがって、製品部分がローラに直接接触することがない。仮に、製品部分がローラに接触したとしても、当接部材が挟まれている分だけ製品部分に加えられる圧力は極めて小さいものとなる。
【0021】
また、本発明の打ち抜き装置によれば、当接部材は、前記シートの両側部において移送方向に沿って配置される左右の縦部材と、これら縦部材をその端部において連結する横部材とを有することを特徴とする。
【0022】
左右の縦部材を横部材で連結することとしたので、左右の縦部材をシートの幅に合わせた当接部材を一体に設けることができる。これにより、シートに対する当接部材の設置が容易となる。また、縦部材と横部材との接合部を剛接合として当接部材をラーメン構造とすれば、当接部材の剛性が向上する。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明に係る打ち抜き方法および打ち抜き装置の第1の実施形態を、図1ないし図4に示して説明する。
図1は、シート1に対してフレーム材(当接部材)2を設置した平面図である。シート1には、打ち抜きの対象となる複数のICカード(製品部分)1aが升目状に形成されている。シート1には、長手方向に10個、幅方向に5個とされた合計50個のICカード1aが形成されている。各ICカード1aには、装飾や表示等の印刷が予め施されており、さらに電子部品であるICが形成されている。シート1においてICカード1aが形成されていない部分が非製品部分1bとなっている。シート1の両側部1cに位置する非製品部分1bには、フレーム材2が当接した状態で設けられている。
【0024】
フレーム材2は、アルミ製のはしご形とされており、シート1の両側部1cにそれぞれ配置された2本の縦部材2a,2aと、これら縦部材2a,2aをその両端部で連結する2本の横部材2b,2bとから形成されている。縦部材2aは、後に説明するように、シート1の移送方向(図1において左右方向)に沿って配置されている。縦部材2aと横部材2bとは溶接によって剛に接合されている。フレーム材2は、シート1の上下(紙面において垂直方向)に設けられており、これにより、シート1は上下のフレーム材2によって挟まれている。
なお、本実施形態において、シート1は、フレーム材2の移送方向の中央に一つのみ配置されているが、もちろん、シート1の両隣に他のシートを配置して複数とすることもできる。
【0025】
次に、上記のように設置されたシート1およびフレーム材2を用いてICカード1aを打ち抜く打ち抜き装置4について、図2ないし図4を用いて説明する。図2は、打ち抜き装置4の要部を示した側断面図である。
打ち抜き装置4は、搬入側シート移送機構5と、プレス部6と、搬出側シート移送機構7とを備えている。
【0026】
搬入側シート移送機構5は、プレス部6に対して、シート1の移送方向における上流側に配置されている。この搬入側シート移送機構5は、シート1が通過する位置よりも下側に位置する搬入側駆動ローラ8と、シート1が通過する位置よりも上側に位置する搬入側従動ローラ9とを備えている。搬入側駆動ローラ8と搬入側従動ローラ9とは、それぞれ、一様の円形断面を有する円柱状とされている。
搬入側駆動ローラ8と搬入側従動ローラ9とは、互いに対向しており、間にシート1およびフレーム材2を挟むようになっている。
【0027】
プレス部6は、搬入側シート移送機構5の下流側に位置しており、ダイ10と、ダイ10の上方に位置するパンチ11とを備えている。ダイ10には孔部13が設けられており、この孔部13にシェダー12が上下摺動自在に収納されている。シェダー12の下部には、シェダー12を上方に押圧するスプリング14が設けられている。
【0028】
搬出側シート移送機構7は、プレス部6の下流側に配置されている。この搬出側シート移送機構7は、シート1が通過する位置よりも下側に位置する搬出側駆動ローラ15と、シート1が通過する位置よりも上側に位置する搬出側従動ローラ16とを備えている。搬出側駆動ローラ15と搬出側従動ローラ16とは、それぞれ、一様の円形断面を有する円柱状とされている。
搬出側駆動ローラ15と搬出側従動ローラ16とは、互いに対向しており、間にシート1およびフレーム材2を挟むようになっている。
なお、図2に示す打ち抜き装置4は、理解の容易のため、ダイ10に対してシート1を浮かせた状態で示しているが、実際にはダイ10上にシート1が載置されている。
【0029】
図3は、打ち抜き装置4の平面図である。図3に示すように、搬入側シート移送機構5の上方には、シート1の移送方向に延在するボールネジ23が設けられている。このボールネジ23には、シート1を把持するためのグリッパ24が所定間隔をおいて複数設けられている。また、プレス部6の下流側には、シート1から製品部分1aを分離する分離機構25が設けられている。
【0030】
図4には、搬入側シート移送機構5よりも上流側に設けられた第2の搬入側シート移送機構17と、搬出側シート移送機構7よりも下流側に設けられた第2の搬出側シート移送機構18とが示されている。第2の搬入側シート移送機構17は、第2の搬入側駆動ローラ19と第2の搬入側従動ローラ20とを備えている。第2の搬出側シート移送機構18は、第2の搬出側駆動ローラ21と、第2の搬出側従動ローラ22とを備えている。それぞれのシート移送機構5,7,17,18に設けられた従動ローラ9,16,20,22は、上下に移動可能となっている。
【0031】
上記のように構成された打ち抜き装置4は、以下のように動作する。
まず、打ち抜き装置4の上流側に位置するシート載置所(図示せず)に位置するシート1は、グリッパ24により把持されて、打ち抜き装置4側へと送られる。フレーム材2は、第2の搬入側シート移送機構17から搬入側シート移送機構5にかけて延在している。フレーム材2のうち上方に位置するフレーム材2は、図示しない手段によって上方に引き上げられており、これにより、上下のフレーム材2,2間には空間が形成されている。なお、上方のフレーム材2が引き上げられている場合は、それに応じて従動ローラ20,9,16,22も上方に位置している。
【0032】
次いで、シート1は、上下に開いた状態のフレーム材2に挿入される。その後、第2の搬入側従動ローラ20および搬入側従動ローラ9が下降し、第2の搬入側駆動ローラ19および搬入側駆動ローラ8との間でフレーム材2とともにシート1を挟み込む。
フレーム材2は、シート1を挟み込んだ状態で、第2の搬入側駆動ローラ19および搬入側駆動ローラ8の回転により、プレス部6に向かって移送される。
【0033】
シート1およびフレーム材2がプレス部6に到達すると、プレス部6がシート1に形成されたICカード1aの打ち抜きを行う。
まず、パンチ11が下降してダイ10の孔部13に嵌合することによってICカード1aを打ち抜く。打ち抜かれたICカード1aは、シェダー12とともにパンチ11に押えられながら下方へと移動する。パンチ11が最下点に到達した後に上方に退避するにつれ、シェダー12がスプリング14の復元力によってICカード1aを載置したまま上昇する。シェダー12は元の位置に戻り、これに応じてICカード1aも打ち抜かれる前の元の位置に戻る。
【0034】
ICカード1aの打ち抜きが順次行われつつ、シート1が打ち抜きの送りの速さに応じて間欠的に移送される。この移送によりシート1およびフレーム材2の進行方向先端部が、搬出側シート移送機構7に到達する。この時、搬出側従動ローラ16は上方に位置している状態である。それから、搬出側従動ローラ16が下降してフレーム材2を挟み込む。
【0035】
搬出側シート移送機構7による移送によりシート1およびフレーム材2の進行方向先端部が第2の搬出側シート移送機構18に到達すると、上部に位置していた第2の移送側従動ローラ22が下降して、第2の搬出側シート移送機構18によってフレーム材2を挟み込む。
【0036】
そして、搬出側シート移送機構7と第2の搬出側シート移送機構18との間に設けられた分離機構25によって、ICカード1aの取り出しが行われ、ICカード1aが回収される。
【0037】
シート1のICカード1aが全て回収されると、搬出側従動ローラ16と第2の搬出側従動ローラ22が上昇し、それに合わせてシート1を挟み込んでいたフレーム材2が上下に分離し、ICカード1aが抜き取られたシート1が第2の搬出側シート移送機構18と搬出側シート移送機構7との間に設けられたシート排出装置(図示せず)でICカード1aとは別に回収される。
【0038】
その後、フレーム材2は、各ローラの間を通って第2の搬入側シート移送機構17に戻り、再びシート1を挟み込んで、移送され、打ち抜きを行う。このように、フレーム材2は、第2の搬入側シート移送機構17から第2のシート搬出側移送機構18までの間を往復し、打ち抜き装置4を通過してしまうことはない。また、フレーム材2はシート1の前後にシート1枚分のスペースを有しているので、フレーム材2が往復する際に横部材2bとダイ10とが緩衝しないようになっている。
それぞれの駆動ローラ8,15,19,21の回転は、一つのサーボモータを共通の駆動源としていることにより全て同期している。また、シート1の移送はシート移送機構5,7,17,18のいずれか一つのみによりなされる。
【0039】
以上の通り、シート1をフレーム材2によって挟み込むこととしたので、移送の際に各シート移送機構5、7、17、18のローラ間にICカード1aが挟み込まれることがない。したがって、ICカード1aに圧力がかからず、ICカード1aに形成されたICや磁気部分が破損や損傷を受けずに済む。これにより、打ち抜きの工程の際に、ICカード1aにICを装着させて打ち抜きを行うことができるので、効率良くICカードを製造することが可能となる。
【0040】
また、フレーム材2をシート1の両側部1cに移送方向に沿って配置したことにより、フレーム材2を円滑に移送することができる。
【0041】
また、縦部材2aと横部材2bとを連結させてフレーム材2を形成したので、左右の縦部材2aをシート1の幅に合わせたフレーム材2を一体に設けることができる。これにより、シート1に対するフレーム材2の設置が容易となる。また、縦部材2aと横部材2bとの接合部を剛接合としてフレーム材2をラーメン構造としたので、フレーム材2の剛性が向上し、シート1の姿勢を適正に保った状態で移送することが可能となる。
【0042】
また、フレーム材2が上下からシート1を挟み込んでいることにより、ICカード1aの上下両面のいずれもがローラによって加圧されることはない。
【0043】
なお、本実施形態ではパンチ11の形状を、下端面を製品部分に合わせた単純な角柱状としたが、シート1のICカード1aは圧力に対して耐えることができないものとなる可能性があるので、これにかえて、プレスの際にもICカード1aに圧力がかからないように、パンチの下面周縁部に水平な平面部からなる刃部を突出形成し、その刃部の内側を凹部としたパンチ形状としてもよい。あるいは、特開2001−138289で示されているように、シートの上側にあるシェダーから切断時のみ刃部が降りて製品部分を切断し、その後刃部が上昇するのに伴い、シェダーが製品部分をシートに押し戻すようにしても構わない。むしろ、製品部分にかかる圧力を考慮すれば、これらのパンチ形状の方が好ましい。
【0044】
また、本実施形態においては、ICが装着されるICカードにおいて打ち抜きを行ったが、これにかえて表面に情報記録用の磁気部分が形成されているクレジットカードやプリペイドカード等、他の種類のシートの打ち抜きにも適用できる。
また、本実施形態においては、フレーム材2の材質をアルミとしたが、アルミに限定されるものではなく、強度が確保されるようであれば他の材質であっても良い。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の打ち抜き方法および打ち抜き装置によれば、以下の効果を奏することができる。
本発明の打ち抜き方法は、シートの非製品部分に当接部材を配置し、この当接部材を介在させてシートを複数のローラ間で挟持することとしたので、ローラによって製品部分に圧力が加えられることがない。したがって、製品部分を毀損させずに打ち抜くことができる。
【0046】
当接部材を移送方向に沿って配置することとしたので、円滑に当接部材およびシートを移送することができる。
【0047】
当接部材をシートの上下に配置することとしたので、製品部分の上下両面のいずれもがローラによって加圧されることがなく、製品部分の保護を一層図ることができる。
【0048】
本発明の打ち抜き装置は、シートとローラとの間に、非製品部分に当接する当接部材を配置することとしたので、ローラによって製品部分に圧力が加えられることがない。したがって、製品部分を毀損させずに打ち抜くことができる。
【0049】
左右の縦部材を横部材で連結することとしたので、左右の縦部材をシートの幅に合わせた当接部材を一体に設けることができる。これにより、シートに対する当接部材の設置が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるシートおよびフレーム材を示した平面図である。
【図2】本発明の一実施形態における打ち抜き装置を示した側断面図である。
【図3】本発明の一実施形態における打ち抜き装置を示した平面図である。
【図4】本発明の一実施形態における打ち抜き装置を示した側面図である。
【図5】従来の打ち抜き装置を示した断面図である。
【符号の説明】
1 シート
1a ICカード
1b 非製品部分
2 フレーム材
3 製品部分
4 打ち抜き装置
5 搬入側シート移送機構
6 プレス部
7 搬出側シート移送機構
Claims (5)
- 製品部分が形成されたシートを移送し、該製品部分を打ち抜く打ち抜き方法において、
前記製品部分が形成されていない前記シートの非製品部分に対して当接する当接部材を前記シートに配置し、該当接部材を介在させて前記シートを複数のローラ間で挟持することによって前記シートを移送することを特徴とする打ち抜き方法。 - 前記当接部材は、前記シートの両側部において移送方向に沿って配置されることを特徴とする請求項1記載の打ち抜き方法。
- 前記当接部材は、前記シートの上下に配置されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の打ち抜き方法。
- シートに形成された製品部分を打ち抜くプレス部と、
該プレス部の側部に配置されるとともに、前記シートを挟んで移送する複数のローラと、を備えた打ち抜き装置において、
前記シートと前記ローラとの間には、前記製品部分が形成されていない前記シートの非製品部分に当接する当接部材が配置されていることを特徴とする打ち抜き装置。 - 前記当接部材は、前記シートの両側部において移送方向に沿って配置される左右の縦部材と、これら縦部材をその端部において連結する横部材とを有することを特徴とする請求項4に記載の打ち抜き装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003095271A JP2004298999A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 打ち抜き方法および打ち抜き装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003095271A JP2004298999A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 打ち抜き方法および打ち抜き装置 |
Publications (1)
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ID=33407641
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JP2003095271A Withdrawn JP2004298999A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 打ち抜き方法および打ち抜き装置 |
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JP (1) | JP2004298999A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100673822B1 (ko) * | 2005-02-16 | 2007-01-25 | 김희창 | 칼날이 일체형으로 형성된 절단금형 |
-
2003
- 2003-03-31 JP JP2003095271A patent/JP2004298999A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100673822B1 (ko) * | 2005-02-16 | 2007-01-25 | 김희창 | 칼날이 일체형으로 형성된 절단금형 |
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