JP2004298702A - 凝集濾過処理装置および凝集濾過処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】凝集剤を添加してフロックを生成した被処理水を膜モジュールへ供給し、所定の濾過流量を保ちながら濾過を行う凝集濾過処理装置であって、供給ポンプによって小さく破砕されるフロックの量を減少させる。
【解決手段】供給ポンプ5を駆動させるモーター6は、膜モジュール2の濾過抵抗が所定の許容値まで上昇した場合においても上記所定の濾過流量を保つように膜モジュール2へ被処理水を供給することが可能な回転速度を定格回転速度として有しており、流量計12で検出される膜モジュール2の濾過流量が所定の濾過流量となるように、モーター6の回転速度を定格回転速度よりも低い回転速度領域で調節する。
【選択図】 図1
【解決手段】供給ポンプ5を駆動させるモーター6は、膜モジュール2の濾過抵抗が所定の許容値まで上昇した場合においても上記所定の濾過流量を保つように膜モジュール2へ被処理水を供給することが可能な回転速度を定格回転速度として有しており、流量計12で検出される膜モジュール2の濾過流量が所定の濾過流量となるように、モーター6の回転速度を定格回転速度よりも低い回転速度領域で調節する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、上水,浄水,下水,用水,廃水等の処理において、このような被処理水に凝集剤を添加してフロックを形成した後、膜モジュールで濾過する凝集濾過処理装置および凝集濾過処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の凝集濾過処理装置としては、例えば図10に示すように、原水(被処理水)を膜モジュール51に供給する供給ポンプ52が設けられ、供給ポンプ52の吸込側(上流側)に凝集槽53と循環槽54とが設置され、凝集槽53内に導入された原水に凝集剤を添加する添加部56が設けられ、上記供給ポンプ52の吐出側(下流側)と膜モジュール51との間に絞り弁57が設けられている。また、上記供給ポンプ52から吐出された原水の一部を供給ポンプ52と絞り弁57との間から循環槽54へ戻す戻り配管59が設けられており、この戻り配管59には戻り弁60が設けられている。
【0003】
また、上記供給ポンプ52としては、複数の羽根から成るインペラをモーター58で回転させる渦巻ポンプが用いられている。尚、上記モーター58は定格回転速度Aで回転するものであり、膜モジュール51の濾過抵抗が所定の許容値まで上昇した場合においても所定の濾過流量を保つように膜モジュール51へ原水を供給することが可能な回転速度を定格回転速度Aとするようなモーター58が採用されている。尚、上記濾過抵抗は濾過する際の流れの抵抗であり、膜面の目詰まりが多くなるに従って濾過抵抗が増大する。
【0004】
これによると、モーター58を駆動させることにより、供給ポンプ52のインペラが回転する。この際、モーター58は常に定格回転速度Aで回転するため、供給ポンプ52も上記定格回転速度Aに対応する一定の(すなわち定格)回転速度で回転駆動する。
【0005】
これにより、凝集槽53に導入され、凝集剤を添加されて凝集反応した後、循環槽54内に貯留された原水は、供給ポンプ52の吸込口から吸い込まれ、吐出口から吐出され、絞り弁57を通って膜モジュール51に供給されて濾過される。
【0006】
このような濾過運転の初期時において、膜モジュール51には濾過抵抗となる目詰まりがほとんど無い場合、戻り弁60を開くとともに、絞り弁57を絞って流路抵抗を増加させることによって、供給ポンプ52から吐出された原水の一部が戻り配管59を流れて循環槽54へ戻され、その分、供給ポンプ52から膜モジュール51へ供給される原水の量が減り、これにより、膜モジュール51へ供給される原水の量が一定となり、膜モジュール51で濾過される濾過流量が所定の濾過流量に保たれる。
【0007】
尚、仮に上記のように絞り弁57を絞らないと、流路抵抗が減って、膜モジュール51へ供給される原水の量が過剰となり、膜モジュール51で濾過される濾過流量が所定の濾過流量よりも増大してしまうため、絞り弁57を絞って上記濾過流量を所定の濾過流量に調節している。
【0008】
その後、膜モジュール51の目詰まりが増加すると、膜モジュール51の濾過抵抗が次第に上昇するため、このままでは膜モジュール51で濾過される濾過流量が所定の濾過流量よりも減少してしまうが、この時、絞り弁57を開くことにより、流路抵抗が減少するため、上記膜モジュール51で濾過される濾過流量が所定の濾過流量まで増加して所定の濾過流量に維持される。
【0009】
尚、上記膜モジュール51の濾過抵抗が所定の許容値まで上昇した場合でも、絞り弁57をさらに開いて開度を大きくすることにより、流路抵抗がさらに減少し、上記膜モジュール51で濾過される濾過流量が所定の濾過流量まで増加して所定の濾過流量に維持される。
【0010】
上記のように、従来においては、モーター58を常に定格回転速度Aで回転させながら、絞り弁57の開度を調節することによって、膜モジュール51で濾過される濾過流量を所定の濾過流量に保っていた。
【0011】
上記のように、凝集剤を添加してフロックを生成した原水を膜モジュールへ供給して濾過を行う凝集濾過処理装置としては、例えば、下記の特許文献1に記載されたものがある。
【0012】
【特許文献1】
特開2001−259654号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら図10に示した凝集濾過処理装置では、濾過運転中、常に、モーター58は定格回転速度Aで回転しているため、供給ポンプ52も上記定格回転速度Aに対応する一定の(すなわち定格)回転速度で回転駆動している。したがって、凝集剤の添加によって生成されたフロックが供給ポンプ52を通過する際、上記一定の(すなわち定格)回転速度で回転するインペラによって、多量のフロックがせん断され小さく破砕されてしまうといった問題がある。
【0014】
尚、このように、小さく破砕されたフロックが膜モジュール51に供給されると、フロックが膜面の微細孔まで進入して詰まってしまうため、逆洗等を行っても、フロックが膜面から剥離除去され難く、膜面に残ってしまった。
【0015】
上記のような問題の対策として、上記特許文献1においては、供給ポンプ52の下流側と膜モジュール51との間にフロック調整槽を設け、小さく破砕されたフロックをフロック調整槽内で再凝集させて粗大化させている。しかしながら、上記のようなフロック調整槽といった特殊な装置を設ける必要があるため、凝集濾過処理装置が大型複雑化するといった問題がある。
【0016】
本発明は、供給ポンプによって小さく破砕されるフロックの量を減少させることができ、大型複雑化するのを抑制することができる凝集濾過処理装置および凝集濾過処理方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本第1発明は、凝集剤を添加してフロックを生成した被処理水を膜モジュールへ供給し、所定の濾過流量を保ちながら濾過を行う凝集濾過処理装置であって、上記被処理水を膜モジュールに供給する供給ポンプが設けられ、上記供給ポンプの吸込側に、被処理水に凝集剤を添加する添加部が設けられ、上記供給ポンプを駆動させる電動機は、膜モジュールの濾過抵抗が所定の許容値まで上昇した場合においても上記所定の濾過流量を保つように膜モジュールへ被処理水を供給することが可能な回転速度を定格回転速度として有しており、上記膜モジュールの濾過流量を検出する流量検出器の検出値に応じて、上記電動機の回転速度が上記定格回転速度よりも低い回転速度領域で調節可能に構成されているものである。
【0018】
これによると、凝集剤を添加部から被処理水に添加することによって、凝集反応が起こり、フロックが生成され、電動機を駆動させることによって、供給ポンプが回転し、上記被処理水が膜モジュールへ供給されて所定の濾過流量を保ちながら濾過され、その後、濾過処理水として膜モジュールから排出される。
【0019】
このような濾過運転の初期時において、膜モジュールの目詰まりが少ない(すなわち、流れの抵抗となる付着物が膜モジュールの膜面にほとんど付着していない)場合、流量検出器の検出値が所定の濾過流量になるように、電動機を定格回転速度よりも低い回転速度で駆動させる。
【0020】
その後、濾過運転の時間経過に応じて、流れの抵抗(濾過抵抗)となる付着物が膜モジュールの膜面に次第に付着し、膜モジュールの目詰まりが増加するに従って、流量検出器の検出値が所定の濾過流量になるように、電動機の回転速度を定格回転速度よりも低い回転速度領域で次第に上昇させる。
【0021】
上記のように、通常の濾過運転においては、電動機の回転速度(すなわち供給ポンプの回転速度)を調節することによって、膜モジュールで濾過される濾過流量を所定の濾過流量に保っており、この際、電動機の回転速度は常に定格回転速度よりも低い回転速度領域で調節されるため、従来に比べて、供給ポンプを通過する際に小さく破砕されるフロックの量を減らすことができる。
【0022】
尚、膜モジュールの濾過抵抗が所定の許容値まで上昇した場合、所定の濾過流量を保つためには、電動機の回転速度を定格回転速度にする必要があるが、通常の濾過運転においては、上記のように膜モジュールの濾過抵抗が上昇して所定の許容値に達するまでに、膜モジュールを逆洗するため、所定の許容値まで上昇することはない。
【0023】
また、本第2発明は、上記本第1発明に記載の凝集濾過処理装置を用いた凝集濾過処理方法であって、膜モジュールの目詰りが少ない場合、流量検出器の検出値が所定の濾過流量になるように、電動機を定格回転速度よりも低い回転速度で駆動させ、上記目詰りが増加するに従って、流量検出器の検出値が所定の濾過流量になるように、電動機の回転速度を定格回転速度よりも低い回転速度領域で次第に上昇させるものである。
【0024】
また、本第3発明は、凝集剤を添加してフロックを生成した被処理水を膜モジュールへ供給し、所定の濾過流量を保って濾過を行う凝集濾過処理装置であって、上記被処理水を膜モジュールに供給する供給ポンプが設けられ、上記供給ポンプの吸込側に、被処理水に凝集剤を添加する添加部が設けられ、上記供給ポンプとして、ケーシング内でねじを有する1本のロータを回転させ、被処理水を吸込側から吐出側へ押出すように構成された一軸ねじポンプが用いられているものである。
【0025】
これによると、凝集剤を添加部から被処理水に添加することによって、凝集反応が起こって被処理水中にフロックが生成され、供給ポンプによって上記被処理水が膜モジュールへ供給されて濾過され、その後、濾過処理水として膜モジュールから排出される。
【0026】
このような濾過運転の際、供給ポンプとして一軸ねじポンプを用いたため、被処理水は、ケーシング内で回転する1本のロータによって吸込側から吐出側へ押出される。このように、被処理水は主に押出作用によって移送されるため、渦巻ポンプや渦流ポンプに比べて、フロックに作用するせん断力が小さくなり、以って、供給ポンプを通過する際に小さく破砕されるフロックの量を減らすことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における第1の実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。
図1に示すように、1は、凝集剤(例えばポリ塩化アルミニウムなど)を添加してフロックを生成した被処理水(原水)を膜モジュール2へ供給し、所定の濾過流量(すなわち膜濾過流束)を保ちながら濾過を行う凝集濾過処理装置である。
【0028】
上記膜モジュール2へ被処理水を供給するための供給流路3には、混和槽4と供給ポンプ5とが設けられている。このうち、上記混和槽4は供給ポンプ5の吸込側(すなわち上流側)に設置されており、混和槽4内に注入された被処理水へ凝集剤を添加する添加部8が設けられている。尚、上記混和槽4には、被処理水と凝集剤とを攪拌混合させる混合機9が設けられている。また、上記膜モジュール2で濾過された濾過処理水を排出するための排出流路11には、濾過処理水の流量(すなわち濾過流量)を検出する流量計12(流量検出器の一例)が設けられている。
【0029】
上記供給ポンプ5は、混和槽4内の被処理水を膜モジュール2へ圧送するものであり、複数の羽根から成るインペラをモーター6(電動機の一例)によって回転する渦巻ポンプが用いられている。尚、上記モーター6としては、膜モジュール2の濾過抵抗が所定の許容値まで上昇した場合においても上記所定の濾過流量を保つように膜モジュール2へ被処理水を供給することが可能な回転速度を定格回転速度Aとするものが採用されている。
【0030】
また、上記モーター6はインバーター14によって周波数制御され、これにより、モーター6の回転速度が上記定格回転速度Aよりも低い回転速度領域で調節可能に構成され、これに対応して、供給ポンプ5の回転速度(すなわちインペラの回転速度)が調節される。
【0031】
また、凝集濾過処理装置1には、回転速度変更用操作スイッチ15から入力される操作信号に基づいて、上記インバーター14を制御する制御部16が設けられている。
【0032】
また、図2に示すように、膜モジュール2は、ケーシング21の内部に複数(2個)の膜エレメント22を備えたものである。上記膜エレメント22は、先端を閉塞した直管状のセラミック製の複数本の膜チューブ23と、これら膜チューブ23の基端部を集束固定して各膜チューブ23を片持状に支持する集束プレート24とで構成されている。上記ケーシング21の両端には、上記膜エレメント22を出し入れする膜エレメント挿入口25が形成され、さらに、膜エレメント22の各膜チューブ23の基端開口側を覆うキャップ状の集水部材26が着脱自在に取付けられている。上記ケーシング21には供給口27が設けられ、両集水部材26には、膜エレメント22で濾過された濾過処理水を排出する排出口28が設けられている。尚、上記供給流路3は供給口27に接続されており、上記排出流路11は排出口28に接続されている。
【0033】
以下、上記構成における作用を説明する。
混和槽4に導入された被処理水に凝集剤を添加部8から添加することによって、凝集反応が起こり、被処理水中にフロックが生成される。また、モーター6を駆動させることによって、供給ポンプ5が回転駆動し、混和槽4内の被処理水が膜モジュール2へ供給されて所定の濾過流量を保ちながら濾過され、その後、濾過処理水として排出流路11から排出される。また、オペレーターが操作スイッチ15を操作することによって、モーター6の回転速度が調節される。
【0034】
図3のグラフで示すように、上記のような濾過運転の初期時Bにおいて、膜モジュール2の膜チューブ23の目詰まりが少ない(すなわち、流れの抵抗となる付着物が上記膜チューブ23の膜面にほとんど付着していない)場合、流量計12で検出される流量が所定の濾過流量となるように操作スイッチ15を操作し、モーター6を定格回転速度Aよりも低い回転速度Cで駆動させる。すなわち、目詰まりが少ないということは濾過抵抗が少ないということであり、定格回転速度Aでは濾過流量が所定の濾過流量よりも過剰となるため、モーター6を定格回転速度Aよりも低い回転速度Cで駆動させている。
【0035】
その後、濾過運転の時間経過に応じて、流れの抵抗となる付着物が上記膜チューブ23の膜面に次第に付着し、膜チューブ23の目詰まりが増加するに従って、流量計12で検出される流量が所定の濾過流量となるように操作スイッチ15を操作し、モーター6の回転速度を定格回転速度Aよりも低い回転速度領域で上記回転速度Cから次第に上昇させる。
【0036】
上記のように、通常の濾過運転においては、インバーター14による周波数制御を行い、モーター6の回転速度(すなわち供給ポンプ5の回転速度)を調節することによって、膜モジュール2で濾過される濾過流量を所定の濾過流量に保っており、この際、モーター6の回転速度は常に定格回転速度Aよりも低い回転速度領域で調節されるため、従来に比べて、供給ポンプ5を通過する際に小さく破砕されるフロックの量を減らすことができる。したがって、従来のような再凝集用のフロック調整槽等の特殊な装置が不要となり、凝集濾過処理装置1の大型複雑化を抑制することができ、また、従来のような戻り配管59(図10参照)や戻り弁60(図10参照)も不要となるため、コストアップを抑制することもできる。
【0037】
尚、膜モジュール2の濾過抵抗が所定の許容値まで上昇した場合、所定の濾過流量を保つためには、モーター6の回転速度を定格回転速度Aにする必要があるが、通常の濾過運転においては、上記のように膜モジュール2の濾過抵抗が上昇して所定の許容値に達するまでに、膜モジュール2を逆洗するため、所定の許容値まで上昇することはない。
【0038】
上記第1の実施の形態では、流量計12の検出値に基づいてオペレーターが操作スイッチ15を操作しているが、このような手動操作を省いて、自動的に制御を行う構成にしてもよい。すなわち、第2の実施の形態として、図4に示すように、制御部16は、流量計12から入力された検出信号に基づいて、インバーター14を制御している。
【0039】
これによると、流量計12で検出される流量が所定の濾過流量よりも一時的に減少した場合、制御部16は、流量計12で検出される流量が所定の濾過流量に戻るまで、インバーター14を制御して、モーター6の回転速度を定格回転速度Aよりも低い回転速度領域で次第に上昇させ、上記所定の濾過流量に戻った時点でモーター6の回転速度の上昇を止める。
【0040】
また、流量計12で検出される流量が所定の濾過流量よりも一時的に増大した場合、制御部16は、流量計12で検出される流量が所定の濾過流量に戻るまで、インバーター14を制御して、モーター6の回転速度を定格回転速度Aよりも低い回転速度領域で次第に下降させ、上記所定の濾過流量に戻った時点でモーター6の回転速度の下降を止める。
【0041】
上記第1,第2の実施の形態では、供給ポンプ5として渦巻ポンプを用いたが、他の形式のターボポンプ、例えば渦流ポンプ等を用いてもよい。
また、先述した従来の形態および本発明における第1,第2の実施の形態では、供給ポンプ5として渦巻ポンプを用いているが、以下に説明する第3の実施の形態では、図5,図6に示すように、供給ポンプ35として、容積形ポンプの一種である一軸ねじポンプを用いている。すなわち、この供給ポンプ35は、ケーシング36内でねじを有する1本のロータ37を回転させ、被処理水を吸込口38側から吐出口39側へ押出すように構成されており、上記ロータ37を回転させるモーター40(電動機の一例)と、上記ロータ37の回転速度を変える歯車式の変速機41とを備えている。
【0042】
これによると、モーター40を駆動させることによって、供給ポンプ35が回転駆動し、混和槽4内の被処理水が膜モジュール2へ供給されて濾過され、その後、濾過処理水として排出流路11から排出される。
【0043】
このような濾過運転の際、供給ポンプ35として一軸ねじポンプを用いたため、被処理水は、回転する1本のロータ37により、吸込口38から吸い込まれ吐出口39側へ押出され、吐出口39から吐出される。このように、一軸ねじポンプを用いた場合、被処理水は主に押出作用によって移送されるため、渦巻ポンプや渦流ポンプを用いた場合に比べて、フロックに作用するせん断力が小さくなる。したがって、ロータ37の回転速度に関わらず、供給ポンプ35を通過する際に小さく破砕されるフロックの量を減らすことができ、これにより、従来のような再凝集用のフロック調整槽等の特殊な装置が不要となり、凝集濾過処理装置1の大型複雑化を抑制することができる。
【0044】
尚、上記のような濾過運転の時間経過に応じて、各膜チューブ23の膜面付着物の量が初期時よりも増加した場合、膜チューブ23を流れる際の抵抗が増加するため、流量計12で検出される流量が所定の濾過流量よりも一時的に減少するが、これに対応してオペレーターが変速機41を操作してロータ37の回転速度を上昇させる。これにより、上記流量計12で検出される流量が所定の濾過流量まで増加し、この時点で上記ロータ37の回転速度の上昇を停止させることによって、上記流量計12で検出される流量が所定の濾過流量に保たれる。
【0045】
また、上記第3の実施の形態では、図5に示すように、流量計12の検出値に基づいて、オペレーターが変速機41を操作して供給ポンプ35のロータ37の回転速度を変えているが、このような手動操作を省いて、自動的に制御を行う構成にしてもよい。すなわち、第4の実施の形態として、図7に示すように、流量計12から入力された検出信号に基づいて変速機41を制御する制御部42を設けてもよい。
【0046】
これによると、上記制御部42は、流量計12で検出される流量が所定の濾過流量になるように、変速機41を制御してロータ37の回転速度を変える。
尚、参考として、図8のグラフに、凝集濾過処理装置1の運転時間と膜モジュール2の供給口27側(入口側)の圧力との関係を示す。これによると、上記第1および第2の実施の形態のようにインバーター14で供給ポンプ5のモーター6の回転速度制御を行う場合と、上記第3および第4の実施の形態のように一軸ねじポンプ35を用いる場合とでは、膜モジュール2に対して約3時間ごとに逆洗を行った際、膜モジュール2の供給口27側(入口側)の圧力が確実に低下する。これは、濾過時、供給ポンプ35を通過する際に小さく破砕されるフロックの量が減少しているため、各膜チューブ23の微細孔まで入り込む微小なフロックが減少し、これにより、逆洗時、膜表面に付着していたフロックが容易に剥離され除去されるためである。
【0047】
これに対して、従来のもの(図10参照)では、供給ポンプ52を通過する際に小さく破砕されるフロックの量が多いため、膜モジュール51の膜面の微細孔に入り込む微小なフロックが増加し、これにより、濾過時には供給口側(入口側)の圧力が急増し、逆洗時には上記微細孔に入り込んだ微小なフロックが剥離除去され難く、逆洗効率が低い。
【0048】
上記第1〜第4の実施の形態では、図2に示すように、被処理水を膜チューブ23の外側から内側へ透過させて濾過する外圧式の膜モジュール2を用いたが、第5の実施の形態として、図9に示すように、被処理水を膜チューブ23の内側から外側へ透過させて濾過する内圧式の膜モジュール45を用いてもよい。この場合、膜モジュール45には、集水部材26(図2参照)の代わりに、同一形状の配水部材46が設けられており、供給口27は上記両配水部材46に設けられ、排出口28はケーシング21に設けられている。
【0049】
【発明の効果】
以上のように本第1および第2発明によると、通常の濾過運転においては、電動機の回転速度(すなわち供給ポンプの回転速度)を調節することによって、膜モジュールで濾過される濾過流量を所定の濾過流量に保っており、この際、電動機の回転速度は常に定格回転速度よりも低い回転速度領域で調節されるため、従来に比べて、供給ポンプを通過する際に小さく破砕されるフロックの量を減らすことができる。これにより、従来のような再凝集用のフロック調整槽等の特殊な装置が不要となり、凝集濾過処理装置の大型複雑化を抑制することができ、また、従来のような戻り配管や戻り弁も不要となるため、コストアップを抑制することもできる。
【0050】
また、本第3発明によると、供給ポンプとして一軸ねじポンプを用いたため、被処理水は、ケーシング内で回転する1本のロータによって吸込側から吐出側へ押出される。このように、被処理水が主に押出作用によって移送されるため、渦巻ポンプや渦流ポンプに比べて、フロックに作用するせん断力が小さくなり、以って、供給ポンプを通過する際に小さく破砕されるフロックの量を減らすことができる。したがって、従来のような再凝集用のフロック調整槽等の特殊な装置が不要となり、凝集濾過処理装置の大型複雑化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における凝集濾過処理装置の構成を示す図である。
【図2】同、凝集濾過処理装置の膜モジュールの断面図である。
【図3】同、凝集濾過処理装置の運転時間と供給ポンプのモーターの回転速度との関係を示すグラフである。
【図4】本発明の第2の実施の形態における凝集濾過処理装置の構成を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態における凝集濾過処理装置の構成を示す図である。
【図6】同、凝集濾過処理装置の供給ポンプの図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態における凝集濾過処理装置の構成を示す図である。
【図8】凝集濾過処理装置の運転時間と膜モジュールの供給口側(入口側)の圧力との関係を示すグラフである。
【図9】本発明の第5の実施の形態における凝集濾過処理装置の膜モジュールの断面図である。
【図10】従来の凝集濾過処理装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 凝集濾過処理装置
2 膜モジュール
5 供給ポンプ
6 モーター(電動機)
8 添加部
12 流量計(流量検出器)
14 インバーター
35 供給ポンプ(一軸ねじポンプ)
45 膜モジュール
A 定格回転速度
【発明の属する技術分野】
本発明は、上水,浄水,下水,用水,廃水等の処理において、このような被処理水に凝集剤を添加してフロックを形成した後、膜モジュールで濾過する凝集濾過処理装置および凝集濾過処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の凝集濾過処理装置としては、例えば図10に示すように、原水(被処理水)を膜モジュール51に供給する供給ポンプ52が設けられ、供給ポンプ52の吸込側(上流側)に凝集槽53と循環槽54とが設置され、凝集槽53内に導入された原水に凝集剤を添加する添加部56が設けられ、上記供給ポンプ52の吐出側(下流側)と膜モジュール51との間に絞り弁57が設けられている。また、上記供給ポンプ52から吐出された原水の一部を供給ポンプ52と絞り弁57との間から循環槽54へ戻す戻り配管59が設けられており、この戻り配管59には戻り弁60が設けられている。
【0003】
また、上記供給ポンプ52としては、複数の羽根から成るインペラをモーター58で回転させる渦巻ポンプが用いられている。尚、上記モーター58は定格回転速度Aで回転するものであり、膜モジュール51の濾過抵抗が所定の許容値まで上昇した場合においても所定の濾過流量を保つように膜モジュール51へ原水を供給することが可能な回転速度を定格回転速度Aとするようなモーター58が採用されている。尚、上記濾過抵抗は濾過する際の流れの抵抗であり、膜面の目詰まりが多くなるに従って濾過抵抗が増大する。
【0004】
これによると、モーター58を駆動させることにより、供給ポンプ52のインペラが回転する。この際、モーター58は常に定格回転速度Aで回転するため、供給ポンプ52も上記定格回転速度Aに対応する一定の(すなわち定格)回転速度で回転駆動する。
【0005】
これにより、凝集槽53に導入され、凝集剤を添加されて凝集反応した後、循環槽54内に貯留された原水は、供給ポンプ52の吸込口から吸い込まれ、吐出口から吐出され、絞り弁57を通って膜モジュール51に供給されて濾過される。
【0006】
このような濾過運転の初期時において、膜モジュール51には濾過抵抗となる目詰まりがほとんど無い場合、戻り弁60を開くとともに、絞り弁57を絞って流路抵抗を増加させることによって、供給ポンプ52から吐出された原水の一部が戻り配管59を流れて循環槽54へ戻され、その分、供給ポンプ52から膜モジュール51へ供給される原水の量が減り、これにより、膜モジュール51へ供給される原水の量が一定となり、膜モジュール51で濾過される濾過流量が所定の濾過流量に保たれる。
【0007】
尚、仮に上記のように絞り弁57を絞らないと、流路抵抗が減って、膜モジュール51へ供給される原水の量が過剰となり、膜モジュール51で濾過される濾過流量が所定の濾過流量よりも増大してしまうため、絞り弁57を絞って上記濾過流量を所定の濾過流量に調節している。
【0008】
その後、膜モジュール51の目詰まりが増加すると、膜モジュール51の濾過抵抗が次第に上昇するため、このままでは膜モジュール51で濾過される濾過流量が所定の濾過流量よりも減少してしまうが、この時、絞り弁57を開くことにより、流路抵抗が減少するため、上記膜モジュール51で濾過される濾過流量が所定の濾過流量まで増加して所定の濾過流量に維持される。
【0009】
尚、上記膜モジュール51の濾過抵抗が所定の許容値まで上昇した場合でも、絞り弁57をさらに開いて開度を大きくすることにより、流路抵抗がさらに減少し、上記膜モジュール51で濾過される濾過流量が所定の濾過流量まで増加して所定の濾過流量に維持される。
【0010】
上記のように、従来においては、モーター58を常に定格回転速度Aで回転させながら、絞り弁57の開度を調節することによって、膜モジュール51で濾過される濾過流量を所定の濾過流量に保っていた。
【0011】
上記のように、凝集剤を添加してフロックを生成した原水を膜モジュールへ供給して濾過を行う凝集濾過処理装置としては、例えば、下記の特許文献1に記載されたものがある。
【0012】
【特許文献1】
特開2001−259654号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら図10に示した凝集濾過処理装置では、濾過運転中、常に、モーター58は定格回転速度Aで回転しているため、供給ポンプ52も上記定格回転速度Aに対応する一定の(すなわち定格)回転速度で回転駆動している。したがって、凝集剤の添加によって生成されたフロックが供給ポンプ52を通過する際、上記一定の(すなわち定格)回転速度で回転するインペラによって、多量のフロックがせん断され小さく破砕されてしまうといった問題がある。
【0014】
尚、このように、小さく破砕されたフロックが膜モジュール51に供給されると、フロックが膜面の微細孔まで進入して詰まってしまうため、逆洗等を行っても、フロックが膜面から剥離除去され難く、膜面に残ってしまった。
【0015】
上記のような問題の対策として、上記特許文献1においては、供給ポンプ52の下流側と膜モジュール51との間にフロック調整槽を設け、小さく破砕されたフロックをフロック調整槽内で再凝集させて粗大化させている。しかしながら、上記のようなフロック調整槽といった特殊な装置を設ける必要があるため、凝集濾過処理装置が大型複雑化するといった問題がある。
【0016】
本発明は、供給ポンプによって小さく破砕されるフロックの量を減少させることができ、大型複雑化するのを抑制することができる凝集濾過処理装置および凝集濾過処理方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本第1発明は、凝集剤を添加してフロックを生成した被処理水を膜モジュールへ供給し、所定の濾過流量を保ちながら濾過を行う凝集濾過処理装置であって、上記被処理水を膜モジュールに供給する供給ポンプが設けられ、上記供給ポンプの吸込側に、被処理水に凝集剤を添加する添加部が設けられ、上記供給ポンプを駆動させる電動機は、膜モジュールの濾過抵抗が所定の許容値まで上昇した場合においても上記所定の濾過流量を保つように膜モジュールへ被処理水を供給することが可能な回転速度を定格回転速度として有しており、上記膜モジュールの濾過流量を検出する流量検出器の検出値に応じて、上記電動機の回転速度が上記定格回転速度よりも低い回転速度領域で調節可能に構成されているものである。
【0018】
これによると、凝集剤を添加部から被処理水に添加することによって、凝集反応が起こり、フロックが生成され、電動機を駆動させることによって、供給ポンプが回転し、上記被処理水が膜モジュールへ供給されて所定の濾過流量を保ちながら濾過され、その後、濾過処理水として膜モジュールから排出される。
【0019】
このような濾過運転の初期時において、膜モジュールの目詰まりが少ない(すなわち、流れの抵抗となる付着物が膜モジュールの膜面にほとんど付着していない)場合、流量検出器の検出値が所定の濾過流量になるように、電動機を定格回転速度よりも低い回転速度で駆動させる。
【0020】
その後、濾過運転の時間経過に応じて、流れの抵抗(濾過抵抗)となる付着物が膜モジュールの膜面に次第に付着し、膜モジュールの目詰まりが増加するに従って、流量検出器の検出値が所定の濾過流量になるように、電動機の回転速度を定格回転速度よりも低い回転速度領域で次第に上昇させる。
【0021】
上記のように、通常の濾過運転においては、電動機の回転速度(すなわち供給ポンプの回転速度)を調節することによって、膜モジュールで濾過される濾過流量を所定の濾過流量に保っており、この際、電動機の回転速度は常に定格回転速度よりも低い回転速度領域で調節されるため、従来に比べて、供給ポンプを通過する際に小さく破砕されるフロックの量を減らすことができる。
【0022】
尚、膜モジュールの濾過抵抗が所定の許容値まで上昇した場合、所定の濾過流量を保つためには、電動機の回転速度を定格回転速度にする必要があるが、通常の濾過運転においては、上記のように膜モジュールの濾過抵抗が上昇して所定の許容値に達するまでに、膜モジュールを逆洗するため、所定の許容値まで上昇することはない。
【0023】
また、本第2発明は、上記本第1発明に記載の凝集濾過処理装置を用いた凝集濾過処理方法であって、膜モジュールの目詰りが少ない場合、流量検出器の検出値が所定の濾過流量になるように、電動機を定格回転速度よりも低い回転速度で駆動させ、上記目詰りが増加するに従って、流量検出器の検出値が所定の濾過流量になるように、電動機の回転速度を定格回転速度よりも低い回転速度領域で次第に上昇させるものである。
【0024】
また、本第3発明は、凝集剤を添加してフロックを生成した被処理水を膜モジュールへ供給し、所定の濾過流量を保って濾過を行う凝集濾過処理装置であって、上記被処理水を膜モジュールに供給する供給ポンプが設けられ、上記供給ポンプの吸込側に、被処理水に凝集剤を添加する添加部が設けられ、上記供給ポンプとして、ケーシング内でねじを有する1本のロータを回転させ、被処理水を吸込側から吐出側へ押出すように構成された一軸ねじポンプが用いられているものである。
【0025】
これによると、凝集剤を添加部から被処理水に添加することによって、凝集反応が起こって被処理水中にフロックが生成され、供給ポンプによって上記被処理水が膜モジュールへ供給されて濾過され、その後、濾過処理水として膜モジュールから排出される。
【0026】
このような濾過運転の際、供給ポンプとして一軸ねじポンプを用いたため、被処理水は、ケーシング内で回転する1本のロータによって吸込側から吐出側へ押出される。このように、被処理水は主に押出作用によって移送されるため、渦巻ポンプや渦流ポンプに比べて、フロックに作用するせん断力が小さくなり、以って、供給ポンプを通過する際に小さく破砕されるフロックの量を減らすことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における第1の実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。
図1に示すように、1は、凝集剤(例えばポリ塩化アルミニウムなど)を添加してフロックを生成した被処理水(原水)を膜モジュール2へ供給し、所定の濾過流量(すなわち膜濾過流束)を保ちながら濾過を行う凝集濾過処理装置である。
【0028】
上記膜モジュール2へ被処理水を供給するための供給流路3には、混和槽4と供給ポンプ5とが設けられている。このうち、上記混和槽4は供給ポンプ5の吸込側(すなわち上流側)に設置されており、混和槽4内に注入された被処理水へ凝集剤を添加する添加部8が設けられている。尚、上記混和槽4には、被処理水と凝集剤とを攪拌混合させる混合機9が設けられている。また、上記膜モジュール2で濾過された濾過処理水を排出するための排出流路11には、濾過処理水の流量(すなわち濾過流量)を検出する流量計12(流量検出器の一例)が設けられている。
【0029】
上記供給ポンプ5は、混和槽4内の被処理水を膜モジュール2へ圧送するものであり、複数の羽根から成るインペラをモーター6(電動機の一例)によって回転する渦巻ポンプが用いられている。尚、上記モーター6としては、膜モジュール2の濾過抵抗が所定の許容値まで上昇した場合においても上記所定の濾過流量を保つように膜モジュール2へ被処理水を供給することが可能な回転速度を定格回転速度Aとするものが採用されている。
【0030】
また、上記モーター6はインバーター14によって周波数制御され、これにより、モーター6の回転速度が上記定格回転速度Aよりも低い回転速度領域で調節可能に構成され、これに対応して、供給ポンプ5の回転速度(すなわちインペラの回転速度)が調節される。
【0031】
また、凝集濾過処理装置1には、回転速度変更用操作スイッチ15から入力される操作信号に基づいて、上記インバーター14を制御する制御部16が設けられている。
【0032】
また、図2に示すように、膜モジュール2は、ケーシング21の内部に複数(2個)の膜エレメント22を備えたものである。上記膜エレメント22は、先端を閉塞した直管状のセラミック製の複数本の膜チューブ23と、これら膜チューブ23の基端部を集束固定して各膜チューブ23を片持状に支持する集束プレート24とで構成されている。上記ケーシング21の両端には、上記膜エレメント22を出し入れする膜エレメント挿入口25が形成され、さらに、膜エレメント22の各膜チューブ23の基端開口側を覆うキャップ状の集水部材26が着脱自在に取付けられている。上記ケーシング21には供給口27が設けられ、両集水部材26には、膜エレメント22で濾過された濾過処理水を排出する排出口28が設けられている。尚、上記供給流路3は供給口27に接続されており、上記排出流路11は排出口28に接続されている。
【0033】
以下、上記構成における作用を説明する。
混和槽4に導入された被処理水に凝集剤を添加部8から添加することによって、凝集反応が起こり、被処理水中にフロックが生成される。また、モーター6を駆動させることによって、供給ポンプ5が回転駆動し、混和槽4内の被処理水が膜モジュール2へ供給されて所定の濾過流量を保ちながら濾過され、その後、濾過処理水として排出流路11から排出される。また、オペレーターが操作スイッチ15を操作することによって、モーター6の回転速度が調節される。
【0034】
図3のグラフで示すように、上記のような濾過運転の初期時Bにおいて、膜モジュール2の膜チューブ23の目詰まりが少ない(すなわち、流れの抵抗となる付着物が上記膜チューブ23の膜面にほとんど付着していない)場合、流量計12で検出される流量が所定の濾過流量となるように操作スイッチ15を操作し、モーター6を定格回転速度Aよりも低い回転速度Cで駆動させる。すなわち、目詰まりが少ないということは濾過抵抗が少ないということであり、定格回転速度Aでは濾過流量が所定の濾過流量よりも過剰となるため、モーター6を定格回転速度Aよりも低い回転速度Cで駆動させている。
【0035】
その後、濾過運転の時間経過に応じて、流れの抵抗となる付着物が上記膜チューブ23の膜面に次第に付着し、膜チューブ23の目詰まりが増加するに従って、流量計12で検出される流量が所定の濾過流量となるように操作スイッチ15を操作し、モーター6の回転速度を定格回転速度Aよりも低い回転速度領域で上記回転速度Cから次第に上昇させる。
【0036】
上記のように、通常の濾過運転においては、インバーター14による周波数制御を行い、モーター6の回転速度(すなわち供給ポンプ5の回転速度)を調節することによって、膜モジュール2で濾過される濾過流量を所定の濾過流量に保っており、この際、モーター6の回転速度は常に定格回転速度Aよりも低い回転速度領域で調節されるため、従来に比べて、供給ポンプ5を通過する際に小さく破砕されるフロックの量を減らすことができる。したがって、従来のような再凝集用のフロック調整槽等の特殊な装置が不要となり、凝集濾過処理装置1の大型複雑化を抑制することができ、また、従来のような戻り配管59(図10参照)や戻り弁60(図10参照)も不要となるため、コストアップを抑制することもできる。
【0037】
尚、膜モジュール2の濾過抵抗が所定の許容値まで上昇した場合、所定の濾過流量を保つためには、モーター6の回転速度を定格回転速度Aにする必要があるが、通常の濾過運転においては、上記のように膜モジュール2の濾過抵抗が上昇して所定の許容値に達するまでに、膜モジュール2を逆洗するため、所定の許容値まで上昇することはない。
【0038】
上記第1の実施の形態では、流量計12の検出値に基づいてオペレーターが操作スイッチ15を操作しているが、このような手動操作を省いて、自動的に制御を行う構成にしてもよい。すなわち、第2の実施の形態として、図4に示すように、制御部16は、流量計12から入力された検出信号に基づいて、インバーター14を制御している。
【0039】
これによると、流量計12で検出される流量が所定の濾過流量よりも一時的に減少した場合、制御部16は、流量計12で検出される流量が所定の濾過流量に戻るまで、インバーター14を制御して、モーター6の回転速度を定格回転速度Aよりも低い回転速度領域で次第に上昇させ、上記所定の濾過流量に戻った時点でモーター6の回転速度の上昇を止める。
【0040】
また、流量計12で検出される流量が所定の濾過流量よりも一時的に増大した場合、制御部16は、流量計12で検出される流量が所定の濾過流量に戻るまで、インバーター14を制御して、モーター6の回転速度を定格回転速度Aよりも低い回転速度領域で次第に下降させ、上記所定の濾過流量に戻った時点でモーター6の回転速度の下降を止める。
【0041】
上記第1,第2の実施の形態では、供給ポンプ5として渦巻ポンプを用いたが、他の形式のターボポンプ、例えば渦流ポンプ等を用いてもよい。
また、先述した従来の形態および本発明における第1,第2の実施の形態では、供給ポンプ5として渦巻ポンプを用いているが、以下に説明する第3の実施の形態では、図5,図6に示すように、供給ポンプ35として、容積形ポンプの一種である一軸ねじポンプを用いている。すなわち、この供給ポンプ35は、ケーシング36内でねじを有する1本のロータ37を回転させ、被処理水を吸込口38側から吐出口39側へ押出すように構成されており、上記ロータ37を回転させるモーター40(電動機の一例)と、上記ロータ37の回転速度を変える歯車式の変速機41とを備えている。
【0042】
これによると、モーター40を駆動させることによって、供給ポンプ35が回転駆動し、混和槽4内の被処理水が膜モジュール2へ供給されて濾過され、その後、濾過処理水として排出流路11から排出される。
【0043】
このような濾過運転の際、供給ポンプ35として一軸ねじポンプを用いたため、被処理水は、回転する1本のロータ37により、吸込口38から吸い込まれ吐出口39側へ押出され、吐出口39から吐出される。このように、一軸ねじポンプを用いた場合、被処理水は主に押出作用によって移送されるため、渦巻ポンプや渦流ポンプを用いた場合に比べて、フロックに作用するせん断力が小さくなる。したがって、ロータ37の回転速度に関わらず、供給ポンプ35を通過する際に小さく破砕されるフロックの量を減らすことができ、これにより、従来のような再凝集用のフロック調整槽等の特殊な装置が不要となり、凝集濾過処理装置1の大型複雑化を抑制することができる。
【0044】
尚、上記のような濾過運転の時間経過に応じて、各膜チューブ23の膜面付着物の量が初期時よりも増加した場合、膜チューブ23を流れる際の抵抗が増加するため、流量計12で検出される流量が所定の濾過流量よりも一時的に減少するが、これに対応してオペレーターが変速機41を操作してロータ37の回転速度を上昇させる。これにより、上記流量計12で検出される流量が所定の濾過流量まで増加し、この時点で上記ロータ37の回転速度の上昇を停止させることによって、上記流量計12で検出される流量が所定の濾過流量に保たれる。
【0045】
また、上記第3の実施の形態では、図5に示すように、流量計12の検出値に基づいて、オペレーターが変速機41を操作して供給ポンプ35のロータ37の回転速度を変えているが、このような手動操作を省いて、自動的に制御を行う構成にしてもよい。すなわち、第4の実施の形態として、図7に示すように、流量計12から入力された検出信号に基づいて変速機41を制御する制御部42を設けてもよい。
【0046】
これによると、上記制御部42は、流量計12で検出される流量が所定の濾過流量になるように、変速機41を制御してロータ37の回転速度を変える。
尚、参考として、図8のグラフに、凝集濾過処理装置1の運転時間と膜モジュール2の供給口27側(入口側)の圧力との関係を示す。これによると、上記第1および第2の実施の形態のようにインバーター14で供給ポンプ5のモーター6の回転速度制御を行う場合と、上記第3および第4の実施の形態のように一軸ねじポンプ35を用いる場合とでは、膜モジュール2に対して約3時間ごとに逆洗を行った際、膜モジュール2の供給口27側(入口側)の圧力が確実に低下する。これは、濾過時、供給ポンプ35を通過する際に小さく破砕されるフロックの量が減少しているため、各膜チューブ23の微細孔まで入り込む微小なフロックが減少し、これにより、逆洗時、膜表面に付着していたフロックが容易に剥離され除去されるためである。
【0047】
これに対して、従来のもの(図10参照)では、供給ポンプ52を通過する際に小さく破砕されるフロックの量が多いため、膜モジュール51の膜面の微細孔に入り込む微小なフロックが増加し、これにより、濾過時には供給口側(入口側)の圧力が急増し、逆洗時には上記微細孔に入り込んだ微小なフロックが剥離除去され難く、逆洗効率が低い。
【0048】
上記第1〜第4の実施の形態では、図2に示すように、被処理水を膜チューブ23の外側から内側へ透過させて濾過する外圧式の膜モジュール2を用いたが、第5の実施の形態として、図9に示すように、被処理水を膜チューブ23の内側から外側へ透過させて濾過する内圧式の膜モジュール45を用いてもよい。この場合、膜モジュール45には、集水部材26(図2参照)の代わりに、同一形状の配水部材46が設けられており、供給口27は上記両配水部材46に設けられ、排出口28はケーシング21に設けられている。
【0049】
【発明の効果】
以上のように本第1および第2発明によると、通常の濾過運転においては、電動機の回転速度(すなわち供給ポンプの回転速度)を調節することによって、膜モジュールで濾過される濾過流量を所定の濾過流量に保っており、この際、電動機の回転速度は常に定格回転速度よりも低い回転速度領域で調節されるため、従来に比べて、供給ポンプを通過する際に小さく破砕されるフロックの量を減らすことができる。これにより、従来のような再凝集用のフロック調整槽等の特殊な装置が不要となり、凝集濾過処理装置の大型複雑化を抑制することができ、また、従来のような戻り配管や戻り弁も不要となるため、コストアップを抑制することもできる。
【0050】
また、本第3発明によると、供給ポンプとして一軸ねじポンプを用いたため、被処理水は、ケーシング内で回転する1本のロータによって吸込側から吐出側へ押出される。このように、被処理水が主に押出作用によって移送されるため、渦巻ポンプや渦流ポンプに比べて、フロックに作用するせん断力が小さくなり、以って、供給ポンプを通過する際に小さく破砕されるフロックの量を減らすことができる。したがって、従来のような再凝集用のフロック調整槽等の特殊な装置が不要となり、凝集濾過処理装置の大型複雑化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における凝集濾過処理装置の構成を示す図である。
【図2】同、凝集濾過処理装置の膜モジュールの断面図である。
【図3】同、凝集濾過処理装置の運転時間と供給ポンプのモーターの回転速度との関係を示すグラフである。
【図4】本発明の第2の実施の形態における凝集濾過処理装置の構成を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態における凝集濾過処理装置の構成を示す図である。
【図6】同、凝集濾過処理装置の供給ポンプの図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態における凝集濾過処理装置の構成を示す図である。
【図8】凝集濾過処理装置の運転時間と膜モジュールの供給口側(入口側)の圧力との関係を示すグラフである。
【図9】本発明の第5の実施の形態における凝集濾過処理装置の膜モジュールの断面図である。
【図10】従来の凝集濾過処理装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 凝集濾過処理装置
2 膜モジュール
5 供給ポンプ
6 モーター(電動機)
8 添加部
12 流量計(流量検出器)
14 インバーター
35 供給ポンプ(一軸ねじポンプ)
45 膜モジュール
A 定格回転速度
Claims (3)
- 凝集剤を添加してフロックを生成した被処理水を膜モジュールへ供給し、所定の濾過流量を保ちながら濾過を行う凝集濾過処理装置であって、上記被処理水を膜モジュールに供給する供給ポンプが設けられ、上記供給ポンプの吸込側に、被処理水に凝集剤を添加する添加部が設けられ、上記供給ポンプを駆動させる電動機は、膜モジュールの濾過抵抗が所定の許容値まで上昇した場合においても上記所定の濾過流量を保つように膜モジュールへ被処理水を供給することが可能な回転速度を定格回転速度として有しており、上記膜モジュールの濾過流量を検出する流量検出器の検出値に応じて、上記電動機の回転速度が上記定格回転速度よりも低い回転速度領域で調節可能に構成されていることを特徴とする凝集濾過処理装置。
- 請求項1に記載の凝集濾過処理装置を用いた凝集濾過処理方法であって、膜モジュールの目詰りが少ない場合、流量検出器の検出値が所定の濾過流量になるように、電動機を定格回転速度よりも低い回転速度で駆動させ、上記目詰りが増加するに従って、流量検出器の検出値が所定の濾過流量になるように、電動機の回転速度を定格回転速度よりも低い回転速度領域で次第に上昇させることを特徴とする凝集濾過処理方法。
- 凝集剤を添加してフロックを生成した被処理水を膜モジュールへ供給し、所定の濾過流量を保って濾過を行う凝集濾過処理装置であって、上記被処理水を膜モジュールに供給する供給ポンプが設けられ、上記供給ポンプの吸込側に、被処理水に凝集剤を添加する添加部が設けられ、上記供給ポンプとして、ケーシング内でねじを有する1本のロータを回転させ、被処理水を吸込側から吐出側へ押出すように構成された一軸ねじポンプが用いられていることを特徴とする凝集濾過処理装置。
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