JP2004297072A - スピントランジスタ磁性ランダムアクセスメモリデバイス - Google Patents

スピントランジスタ磁性ランダムアクセスメモリデバイス Download PDF

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【課題】 伝導性の整合によりスピン注入が改良されたスピントロニックデバイスを提供すること。
【解決手段】 強磁性半導体/半導体ヘテロ接合を利用するスピントランジスタが開示される。強磁性半導体層は、通常の電界効果トランジスタのソースおよびドレイン上に直接ヘテロ接合を形成する。鉄ドープチタン酸化物のような室温の強磁性半導体材料を利用して、スピントランジスタは、半導体ソースおよびドレインを有する強磁性半導体の伝導性の整合により、スピン注入効率が改良され得る。スピントランジスタは、さらに書き込みプレートを含み、メモリ状態を提供する強磁性層の磁気分極を変更する。スピントランジスタは、磁気モーメント誘導抵抗性の変化を利用することによって、潜在的に大きなメモリ信号を有する磁性ランダムアクセスメモリのメモリセルとして利用され得る。
【選択図】 図4

Description

本発明は、概して強磁性コンポーネントとの組み合わせによる半導体構造を含むスピントロニック(スピンエレクトロニック)デバイスに関する。より詳細には、本発明は、スピントロニックメモリセルを用いた集積回路メモリデバイスの情報記憶に関する。
半導体集積回路(IC)メモリデバイスは、磁気コアメモリデバイスに比べ製造コストがより安価であり、かつより高性能であるために、磁気コアメモリデバイスに取って代わった。ICメモリ回路は、行デコーダ、列デコーダ、メモリセルアレイに書き込むための書き込み回路、この正しいメモリセルを選択するための制御回路、および信号を増幅するためのセンサー増幅器のようなサポート回路と共に、2つの状態の情報(0または1)または複数の状態の情報(例えば、00、01、10、11の4つの状態)のうちの1つの状態を格納するメモリセルの繰り返されるアレイを含む。
初期のメモリ回路の1つは、2つの可能な電圧レベルの一方のみに対して安定した出力を有するフリップフロップである。SRAM(スタティックランダムアクセスメモリ)回路は、フロップフロップに情報を格納する。フリップフロップにおいて、情報は、ランダムに任意のメモリセルから読み出され得(ランダムアクセスメモリ)、格納された情報は、回路が電力を受け取っている限り永久に保たれ得る。
次世代のメモリセルは、DRAM(ダイナミックランダムアクセスメモリ)セルである。DRAMセルは、通常、トランジスタおよびキャパシタを含む。キャパシタは、電荷の形式で情報を格納し、トランジスタは、キャパシタへのアクセスを提供する。キャパシタの電荷に対する元来の漏れのために、DRAMセルは、頻繁な間隔で再書き込みまたはリフレッシュされなくてはならない。
SRAMおよびDRAMメモリは、格納された情報を電力源なしに保持することができない。従って、これらのメモリは、揮発性メモリと呼ばれるメモリに分類される。メモリの別の分類は、電力が取り除かれた後でさえも依然として格納された情報を保持する、いわゆる不揮発性メモリである。
通常の不揮発性メモリは、強誘電性ランダムアクセスメモリ(FRAM)である。DRAMセルと同様に、FRAMセルは、アクセストランジスタおよび記憶キャパシタを含む。その差異は、FRAMセルは、キャパシタの誘電体に強誘電性材料を用いることである。ここで、格納される情報は、強誘電性材料の分極である。強誘電性材料は、約10年間の分極寿命を有し、電界によって分極され得る。
可変電気抵抗を有する材料についての近年の開発では、新しい種類の不揮発性メモリである、いわゆるRRAM(抵抗性ランダムアクセスメモリ)を導入した。RRAMセルの基本コンポーネントは、可変抵抗器である。可変抵抗器は、(2つの状態のメモリ回路では)高抵抗値または低抵抗値、あるいは(複数の状態のメモリ回路では)任意の中間の抵抗値を有するようにプログラムされ得る。このRRAMセルの差の抵抗値は、RRAM回路に格納される情報を示す。
RRAMの利点は、回路の単純性にある。この単純さが、より小さなデバイス、抵抗メモリセルの不揮発特性、およびメモリ状態の安定性をもたらす。
抵抗器は、受動的コンポーネントであり、近接する電気コンポーネントに能動的に影響を与えることができないので、基本のRRAMセルは、まさに可変抵抗器であり得る。クロストークまたは寄生電流経路を防ぐために、RRAMセルは、ダイオードをさらに含み得、この組み合わせは、しばしば1R1D(または1D1R)クロスポイント型メモリセルと呼ばれる。より良好なアクセスを提供するために、RRAMは、DRAMまたはFRAMセルと同じようにアクセストランジスタを含み得、この組み合わせは、しばしば1R1T(または1T1R)クロスポイント型メモリセルと呼ばれる。
RRAMの抵抗値の状態は、構造的状態、分極状態、または磁性状態のような異なる技術によって表現され得る。カルコゲニド合金は、構造的状態のRRAMデバイスの例である。カルコゲニド合金は、2つの異なる安定可逆構造フェーズを提示し得、すなわち高電気抵抗を有する非結晶フェーズ、および低電気抵抗を有する多結晶フェーズである。電流パルスによる抵抗性加熱は、カルコゲニド材料のフェーズを変化させ得る。分極状態の1つの例は、ポリマーメモリ素子である。ポリマーメモリ素子の抵抗値の状態は、ポリマー分子の分極の方向に依存する。ポリマーメモリ素子の分極は、電界を印加することによって書き込まれ得る。
MRAM(磁性ランダムアクセスメモリ)は、磁気抵抗効果に基づく情報を格納するための磁気特性を用いる、別の分類のRRAM回路である。ここで磁性材料の抵抗値は、プログラムされ得る。MRAMデバイスの磁気抵抗効果は、(自軸の周りでの電子の回転に対応する)電子のスピンによって生じる。
強磁性体材料では、電子スピンは、外部電界の影響下で1方向に並べられ得るが、電界が取り除かれた後でさえ、それぞれのアライメントを保持し得る。高温(キュリー温度を上回る)では、強磁性体材料は、高い熱エネルギーによるスピンアライメントの消失のために常磁性(非磁性)になる。
磁気抵抗効果を利用するMRAMセルでは、特定のスピンアライメントを有する伝導キャリアは(電子またはホール)、スピン偏極の強磁性体ソースから発生し、非強磁性体チャネルへ注入され、その後スピンアナライザ強磁性体ドレインで検出される(ヒステリシス効果)。伝導キャリアは、強磁性体ソースおよびドレインが逆平行または部分的に逆平行である場合よりも、強磁性体ソースおよびドレインにおける磁化が平行である場合に、強磁性体ソースから強磁性体ドレインまでをより自由に移動することが可能になる。抵抗値の変化は磁気抵抗効果であり、このデバイスは、多くの場合、強磁性体ソースおよびドレインの磁化状態が、スピン偏極キャリア用のバルブのように作用するという事実から、スピンバルブデバイスと呼ばれる。
典型的なスピンバルブデバイスでは、非強磁性体チャネルは、非強磁性金属である。磁気抵抗効果を改良するために、チャネルは、薄い絶縁体であってもよく、スピンバルブデバイスは、いわゆる磁気トンネル接合(MTJ)である。MTJでは、磁気抵抗は、2つの強磁性体層の間の伝導電子のスピン偏極トンネリングから生じる。トンネリング電流は、2つの強磁性体層の磁気モーメントの相対的な向きに依存する。
スピンバルブデバイスの動作は、2つの強磁性体層の磁化状態の差に依存する。実際のデバイスでは、強磁性体層の一方は固定されているが、他方の強磁性体層は、自由に分極を変化させる。この自由な層は、固定された層に対する磁気分極の方向に基づいて、情報を格納する。スピンバルブ構造の変動は、偽りのスピンバルブとなり、ここで、固定された強磁性体層は、より高抗力を有するより厚い強磁性体層と置換される。より高い抗力は、より厚い強磁性体層が磁気分極を変化させることを防ぐ一方で、他方の強磁性体層の磁気分極は変化する。
スピンバルブデバイスのさらなる改良により、スピントロニック(スピンエレクトロニック)と呼ばれる半導体および磁性材料のハイブリッドの分野を導いた。半導体および磁性材料は、大規模に研究されているが、最近になって初めて、両方の材料の特性および機能を組み合わせるデバイスが、研究された。
スピントロニックデバイスでは、非強磁性体チャネルは、半導体材料である。しかし、強磁性体材料から半導体材料までのスピン注入は、強磁性体材料と半導体材料との間のヘテロ接合のために、困難である。ヘテロ接合は、注入プロセスの期待される効率に根本的な制約を与え得る重要な量を示し得る。界面の問題ならびに界面のキャリア数およびエネルギー準位の差は、強磁性体材料と半導体材料との間のヘテロ接合を困難にし得る。界面では、強磁性金属は、ランダムな方向を向いたスピンを有し(いわゆる磁気的なデッド層)、これは、効果的なスピン結合に対するバリアを生成する。金属には、電荷キャリアの数が多く、電荷キャリアの数は、容易に制御することができない。半導体では、キャリアの数(従って抵抗性)は、不純物のドーピングによって容易に制御可能である。金属/半導体接合の伝導率の不整合の問題は、強誘電性体金属/半導体のヘテロ接合においては深刻な問題である。また、格子の不整合は、スピンを散乱させる原因として作用し、かつスピン注入効率を低減する転位を導き得る。
強磁性金属/半導体へテロ接合を利用するスピントロニックデバイスが開示する。
特許文献1は、磁性スピントランジスタおよび半導体絶縁トランジスタを含むハイブリッドメモリセルを開示し、ランダムアクセスメモリ回路における絶縁性および信号対ノイズ読み出し特性を改良する。
特許文献2は、伝導性チャネルを介してゲートに近接した(またはゲートの一部分としての)強磁性体材料を有する強磁性体ゲート電界効果トランジスタを開示し、高密度のメモリおよびロジック環境において容易かつ信頼して利用され得る改良されたデバイスを提供する。
特許文献3は、ソースおよびドレインに強磁性体材料を有するハイブリッド電界効果トランジスタを開示する。スピン偏極伝導電子は、強磁性体材料から半導体チャネルを通って注入される。
特許文献4は、半導体チャネル、1つの強磁性体層、および混合を妨げるバリアを含む磁気抵抗性スピン注入ダイオードを開示する。
特許文献5は、適切な半導体材料と適切な強磁性体材料との間で自動的に整列される境界を開示し、スピン偏極伝導電子の注入を改良する。
特許文献6は、ベースとしてのスピンバルブデバイスと共に、半導体エミッタおよび半導体コレクタを有するスピンバルブトランジスタを開示し、磁気抵抗比およびコレクタ/エミッタ電流の比を改良する。
特許文献7は、半導体基板上に強磁性体トンネル素子を用いた固体状態メモリを開示し、より多い容量、高信頼性、および高生産性を達成する。
開示した従来技術のスピントロニックデバイスは、強磁性金属と半導体金属とのヘテロ接合を含む。この金属と半導体とのヘテロ接合は、伝導率の不整合、強磁性体デッド層、ヘテロ接合界面におけるキャリア数およびエネルギーの不整合のような、スピン注入プロセスの効率に根本的な制約を示し得る。
強磁性体/半導体へテロ接合伝導率の不整合に対する1つの提案されている解決策は、トンネルコンタクト層の注入である。このアプローチは、スピントランジスタの製造にさらなる複雑性をもたらす。
伝導率の不整合に対する別の解決策は、強磁性半導体/半導体へテロ接合である。なぜなら、磁性半導体と半導体とのヘテロ接合に関しては、界面の問題が存在しないからである。非特許文献1では、低温での強磁性半導体/半導体へテロ接合の実現可能性について示すFiederlingおよびOhnoの2つのグループによる電子デバイスのスピン注入の進歩について検討している。Fiederlingらは、半磁性体から半導体へのスピン注入は、極めて効果的であり、約90%になることを示した。利用される材料は、通常のものとは異なり(BeMnZnSe II−VI属半導体化合物であり、キュリー温度は、約数ケルビンである)、GaAs半導体に注入するスピンアライナー(spin aligner)として作用する。Ohnoらは、GaMnAs(III−V属半導体)をスピンアライナーとして利用して、GaAsスペーサを通って量子ウェルにホールを注入する。
強磁性半導体/半導体へテロ接合の困難の1つは、特に室温における強磁性半導体材料の開発である。EuS(キュリー温度T=16.6K)は、非常に僅かな天然の強磁性半導体の1つである。強磁性半導体の大多数は、研究室という条件で製造された希薄磁性半導体である。
希薄磁性半導体は、高濃度の磁気イオン(Mg2+、Cr2+、Fe2+、Co2+)を含む半導体である。これらは、主にII−VIベースの材料について研究されている。なぜなら、2+磁気イオンは、II族の陽イオンを置換することによって容易にホストII−VI結晶に組み込まれるからである。しかし、II−VI材料は、p−およびn−型を形成するためにドーピングすることが困難であり、そうした材料は半導体用途により適さなくなる。II−VIベースの強磁性半導体の例には、(CdMn)Te、ZnSe、Zn1−xMnO、GaN、Zn1−xCoS(T=73K〜300K)、CdCrSe(T=113K)がある。
III−V族から希薄磁性半導体を作製する際の障害は、化合物の磁気素子の溶解度が低いことである。しかし、MBE(分子線エピタキシー)のような薄膜製造技術の進歩が、これらの非平衡薄膜の形成を可能にした。III−Vベースの強磁性半導体の例には、Ga1−xMnAs(T=110K)、(GaMn)Sb、(GaFe)Sb、MnドープInAs(T=77K)である。
また、メモリ用途ではないが、多くの強磁性半導体/半導体ヘテロ接合を利用したスピントロニックデバイスが開示されている。
特許文献8は、ベース材料が強磁性半導体であるバイポーラトランジスタの形式の磁気抵抗性素子を開示し、大出力を達成し、かつ増幅効果を示す。
特許文献9は、通常の電界効果トランジスタの半導体ソースおよびドレインの上部に多層強磁性半導体/半導体を有するスピン偏極電界効果トランジスタを開示し、ソースおよびドレイン電極を注入するスピン偏極電子装置を形成する。
強磁性半導体/半導体スピントランジスタについての困難の1つは、強磁性半導体の動作温度が低いことであり、このトランジスタは日々の用途には実用的ではなくなる。
米国特許第5,565,695号明細書 米国特許第5,652,445号明細書 米国特許第5,654,566号明細書 米国特許第6,297,987号明細書 米国特許第6,355,953号明細書 米国特許第6,501,143号明細書 米国特許第6,522,573号明細書 米国特許第5,962,905号明細書 米国特許第6,482,729号明細書 Oestreich、「Injecting spin into electronics」、Nature、1999年12月16日、Vol.402、p.735
従って、室温より高い動作温度を有する強磁性半導体/半導体へテロ構造を提供することは、非常に有利である。
さらに、より良好な制御および製造のために単純なスピン偏極電界効果トランジスタを提供することは、有利である。
さらに、メモリ用途のために単純なスピン偏極電界効果トランジスタを提供することは、有利である。
本発明により、伝導性の整合によりスピン注入が改良されたスピントロニックデバイスであって、該スピントロニックデバイスは、第1の強磁性半導体層と、第2の強磁性半導体層と、該第1の強磁性半導体層と該第2の強磁性半導体層との間に堆積された半導体層であって、該半導体層は、該強磁性半導体層とのヘテロ接合を形成する、半導体層とを含む、スピントロニックデバイスが提供され、それにより、上記目的が達成される。
前記強磁性半導体材料は、室温の強磁性半導体層であってもよい。
前記強磁性半導体層材料は、鉄ドープチタン酸化物化合物、またはコバルトドープチタン酸化物化合物であってもよい。
前記強磁性半導体層の近傍に提供される複数の書き込み層であって、該書き込み層は、該強磁性半導体層に磁界を供給して、前記スピントロニックデバイスの磁気抵抗特性を変化させるように適応される、複数の書き込み層をさらに含んでもよい。
本発明により、ソースとドレインとの間に堆積されたゲート制御可能な伝導性チャネルを含む電界効果トランジスタと、該電界効果トランジスタのソースおよびドレインと直接へテロ接合を形成する2つの強磁性半導体層とを含む、スピントランジスタデバイスが提供され、それにより、上記目的が達成される。
前記強磁性半導体材料は、室温の強磁性半導体層であってもよい。
前記強磁性半導体層材料は、鉄ドープチタン酸化物化合物であってもよい。
前記第1の強磁性半導体層上に提供される第1の書き込み層と、前記第2の強磁性半導体層上に提供される第2の書き込み層とをさらに含んでもよい。
書き込み電流を運ぶための複数の導電性書き込み線であって、該導電性書き込み線は、前記強磁性半導体層に磁界を供給するように適応される、導電性書き込み線をさらに含んでもよい。
前記電界効果トランジスタのソースおよびドレインは、1020cm−3よりも高い表面キャリア濃度にドーピングされてもよい。
前記ソースおよびドレイン領域の厚さは、100nmよりも薄くてもよい。
前記電界効果トランジスタのソースとドレインとの間のチャネルは、150nmよりも短くてもよい。
前記電界効果トランジスタのソースおよびドレインを有する前記強磁性半導体層の界面における複数のサリサイド領域をさらに含んでもよい。
前記サリサイドは、チタンサリサイド、コバルトサリサイド、ニッケルサリサイドからなるグループから選択されてもよい。
前記半導体層材料は、III-V族化合物半導体であってもよい。
前記III−V族化合物半導体は、InSb、InAs、GaAs、InAsPからなるグループから選択されてもよい。
前記半導体層材料は、IV族半導体であってもよい。
前記IV族半導体は、SiまたはGeのどちらかであってもよい。
本発明により、メモリセルを含むデータ状態を格納する磁気メモリであって、該磁気メモリは、ソースとドレインとの間に堆積されたゲート制御可能な伝導性チャネルを含む電界効果トランジスタと、該電界効果トランジスタのソースおよびドレインと直接へテロ接合を形成する2つの強磁性半導体層と書き込み電流を運ぶための複数の導電性書き込み線であって、該導電性書き込み線は、前記強磁性半導体層に磁界を供給するように適応される、複数の導電性書き込み線とを含む、磁気メモリが提供され、それにより、上記目的が達成される。
前記メモリセルは、複数のマトリクス状態に構成されてもよい。
(発明の要旨)
従って、伝導性の整合によって改良されたスピン注入を有するスピントロニックデバイスが提供される。本発明のスピントロニックデバイスは、複数の強磁性半導体/半導体ヘテロ接合を利用して、強磁性体材料から半導体材料へのスピン注入を改良する。
本発明はまた、実用的なスピントロニックデバイス用途のために、鉄ドープチタン酸化物のような室温の強磁性半導体材料の利用を開示する。
本発明はまた、デバイス製造プロセスを単純化し、潜在的にスピン注入を良好にするために、強磁性半導体材料がソースおよびドレインとの直接的なヘテロ接合を形成する、スピントランジスタを提供する。
本発明はまた、開示されたスピントランジスタをメモリセルとして利用する、磁性ランダムアクセスメモリ用途を提供する。
本発明のある局面では、スピントロニックデバイスは、半導体材料の層をはさんだ2層の強磁性半導体材料(ソースおよびドレイン)を含み、半導体層は、強磁性半導体層との2つのヘテロ接合を形成する。バイアス電圧および電流が、強磁性体層間に印加され、スピン偏極キャリア(強磁性半導体材料に依存する電子またはホール)が、ソースの強磁性半導体層において発生し、強磁性半導体/半導体ヘテロ接合を通って半導体層へ注入され、その後、ドレイン強磁性体層に集められる。2つの強磁性体層の相対的な磁気分極に依存して、ほぼ全部か、ある程度か、または少しだけのスピン偏極キャリアが集められ得、スピントロニックデバイスの様々な状態を表現する。
強磁性半導体は、EuSのような天然の強磁性半導体材料、または(CdMn)Te、Zn1−xMnO、Zn1−xCoS(T=73K〜300K)、CdCrSe(T=113K)、Ga1−xMnAs(T=110K)、(GaMn)Sb、(GaFe)Sb、MnドープInAs(T=77K)のような希薄強磁性半導体であってもよい。
好ましい実施形態では、実用的な用途のために、強磁性半導体材料は、室温の強磁性半導体である。すなわち、強磁性半導体材料のキュリー温度は、20℃(または293K)より高い。強磁性半導体材料は、鉄ドープチタン酸化物(FeTi1−x)(Wangら、「Room temperature ferromagnetic semiconductor in Fe−doped reduced rutile」、Phys.Rev.Lett.投稿)またはコバルトドープチタン酸化物であってもよい。
スピントロニックデバイスは、基板上で製造され得、かつ強磁性半導体層に電気的に接続される書き込み層をさらに含み得、キャリアをバイアス電圧または電流源からスピントロニックデバイスへ提供する。スピントロニックデバイスは、強磁性半導体層の近傍に複数の書き込み層をさらに含み得、磁気分極を変更するために強磁性半導体層に磁界を供給して、スピントロニックデバイスの磁気抵抗特性を変化させる。
スピントロニックデバイスの半導体界面は、強磁性半導体層と半導体層との間のコンタクトを改良するために、高濃度にドーピングされ得る。半導体層の高濃度にドーピングされた領域の表面濃度は、1020cm−3よりも高くなり得、強磁性半導体層と半導体層との間に良好なコンタクトを保証する。強磁性半導体層と半導体層とのヘテロ接合は、半導体層のサリサイド化によってさらに改良され得、強磁性半導体層から半導体層へのキャリアの注入効率を改良する。サリサイドは、チタンサリサイド、コバルトサリサイド、またはニッケルサリサイドであり得る。鉄ドープチタン酸化物強磁性半導体材料の好ましい実施形態では、スピン注入効率を著しく増強させるために、鉄ドープチタン酸化物強磁性半導体と半導体材料との間のほぼ完全な伝導性の整合が可能になり、ショットキーバリアが排除されるか、または低減される。
スピントロニックデバイスの半導体は、InSb、InAs、GaAs、InAsP、Si、またはGeのようなII−VI、III−V、またはIV族半導体材料であってもよい。好ましい実施形態では、半導体材料は、強磁性半導体材料と良好な格子の整合を有するように選択され、転位を低減し、それによりスピンの散乱を少なくする。半導体層の厚みは、ソース強磁性材料を通ってドレイン強磁性材料までの効果的なスピン注入電子の伝達のために、好ましくは150nmよりも小さい。
強磁性半導体材料および半導体材料の多数キャリアは同じであり得、つまり、それら全てがp型半導体であるか、またはそれら全てがn型半導体である。強磁性半導体材料および半導体材料の多数キャリアはまた、様々なp−n接合を形成するために異なり得る。
本発明の他の局面では、スピントロニックデバイスは、スピントランジスタである。スピントランジスタは、ソース強磁性半導体層およびドレイン強磁性半導体層が、トランジスタのソースおよびドレインと直接強磁性半導体/半導体のヘテロ接合を形成する、電界効果トランジスタを含む。スピントランジスタの電界効果トランジスタは、チャネルによって分離されたソースおよびドレインを有する半導体層を含む汎用型電界効果トランジスタである。伝導性のチャネルは、トランジスタチャネルの近傍に配置され、通常ゲート絶縁体を通ってトランジスタチャネルと物理的に接触するゲートに印加される電圧によって制御される。汎用型電界効果トランジスタは、本明細書中で参照として援用されるR.F.Pierret、G.W.Neudeck、Editors、1983、Addison−Wesley Publishing Companyの「Modular series on solid state device」中のR.F.Pierretによる「Chapter1.The junction field effect transistor」p.3〜p10および「Chapter5. MOS field effect transistors」p.81〜85に詳細に記載される。
さらに、チャネルの伝導性は、強磁性体層の相対的な磁気分極によって制御され得る。これらの強磁性体層の磁化が平行である場合の伝導性は、磁化が逆平行であるか、または部分的に逆平行である場合の伝導性よりも大きい。この局面では、スピントランジスタは、格納されるデータがソースおよびドレイン強磁性体層の相対的な磁化状態であるメモリセルである。強磁性体層の磁化状態は、強磁性体層の近傍に位置する複数の導電性書き込みプレートを通る外部書き込み電流によって発生する磁界によって変更され得る。第1の書き込みプレートは、ドレイン強磁性半導体層の近傍に配置され得、第2の書き込みプレートは、ソース強磁性半導体層の近傍に配置され得る。
スピントランジスタは、基板上に製造され得、かつ強磁性半導体層に電気的に接続される書き込み層をさらに含み得、キャリアをスピントロニックデバイスに提供する。スピントランジスタは、ゲートに電気的に接続される書き込み層をさらに含み得、トランジスタチャネルの伝導性を制御する。スピントロニックデバイスは、書き込みプレートに電気的に接続される複数の書き込み層をさらに含み得、強磁性体層の磁化を変更するために書き込み電流を供給する。
スピントランジスタは、好ましくは、ソース領域から表面チャネルを通ってドレイン領域までの効率的なスピン注入のために、150nmよりも短いチャネル長さを有する。スピントランジスタのソースおよびドレイン領域は、好ましくは高濃度にドーピングされ、伝導キャリアを提供する。高濃度にドーピングされたソースおよびドレイン領域の厚さは、好ましくは100nmよりも薄く、磁気抵抗効果を増強する。電界効果トランジスタの高濃度にドーピングされたソースおよびドレイン領域の表面濃度は、1020cm−3よりも高くなり得、強磁性半導体層と半導体層との間の良好なコンタクトを保証する。強磁性半導体層と半導体層とのヘテロ接合は、ソースおよびドレイン領域のサリサイド化によってさらに改良され得、強磁性半導体ソース層から半導体層までのキャリアの注入の効率を改良する。サリサイド化は、チタンサリサイド、コバルトサリサイド、またはニッケルサリサイドであってもよい。鉄ドープチタン酸化物強磁性半導体材料の場合、鉄ドープチタン酸化物強磁性半導体と半導体材料との間のほぼ完全な伝導性の整合が、可能である。ショットキーバリアは、スピン注入効率を大いに増大するために排除されるか、または低減され得る。高濃度にドーピングされた接合の深さは非常に浅いので、高濃度にドーピングされた接合の抵抗は、強磁性体層の抵抗よりもはるかに大きい。チャネルがオンにされ、かつバイアス電圧がドレイン電極に印加された時に、ソース強磁性体層からのスピン電子またはホールは、表面チャネルを通って注入され、かつドレイン接合によって集められ、その後、強磁性体ドレイン電極からコレクタ電極まで流れる。このように、通常のスピントランジスタの挙動のほかに、直列抵抗器が、トランジスタのドレインに加えられる。この直列抵抗器の抵抗はスピンに依存するので、この抵抗は、メモリデバイス出力信号を増大させる。
スピントランジスタは、分離のために、pウェルまたなnウェル領域をさらに含み得る。トランジスタチャネルは、pチャネルであってもよいし、またはnチャネルであってもよい。ソースおよびドレイン領域は、高濃度にドーピングされたp+であってもよいし、またはn+であってもよい。
強磁性半導体は、EuSのような天然の強磁性半導体材料であってもよいし、または強磁性半導体は、(CdMn)Te、Zn1−xMnO、Zn1−xCoS(T=73K〜300K)、CdCrSe(T=113K)、Ga1−xMnAs(T=110K)、(GaMn)Sb、(GaFe)Sb、MnドープInAs(T=77K)のような希薄強磁性半導体であってもよい。
実用的な用途では、強磁性半導体材料は、室温の強磁性半導体であり、すなわち、強磁性半導体材料のキュリー温度が、25℃(または298K)よりも高い。強磁性半導体材料は、鉄ドープチタン酸化物(FeTi1−x2−)であってもよいし、またはコバルトドープチタン酸化物であってもよい。
スピントロニックデバイスの半導体は、InSb、InAs、GaAs、InAsP、Si、またはGeのようなII−VI、III−V、またはIV族半導体材料であってもよい。半導体材料は、強磁性半導体材料と良好な格子の整合を有するように選択され、転位を低減し、それによりスピンの散乱を少なくする。
強磁性半導体材料および半導体材料の多数キャリアは、同じであり得、つまり、それら全てがp型半導体であるか、またはそれら全てがn型半導体である。
本発明の他の局面では、スピントロニックトランジスタは、データ状態を格納するメモリセルである。メモリセルは、スピントランジスタのみを含むが、抵抗器がスピントロニックトランジスタチャネルの抵抗値である、1抵抗器1トランジスタ(1R1T)メモリセルとして機能する。磁気メモリセルは、高密度のメモリセルの製造のために、従来のx−yアレイで構成され得る。磁性ランダムアクセスメモリは、行デコーダ、列デコーダ、メモリセルアレイに書き込むための書き込み回路、この正しいメモリセル抵抗器を選択するための制御回路、および電圧比較器に信号を送る前にその信号を増幅するセンサー増幅器のような他の回路コンポーネントと共に、メモリセルのアレイを含む。
本発明の強磁性半導体/半導体ヘテロ接合を利用するスピントランジスタは、強磁性半導体の伝導性の整合により、スピン注入効率が改良され得る。本発明のスピントランジスタは、さらに書き込みプレートを含み、メモリ状態を提供する強磁性層の磁気分極を変更し、磁気モーメント誘導抵抗性の変化を利用することによって、潜在的に大きなメモリ信号を有する磁性ランダムアクセスメモリのメモリセルとして利用され得る。
(発明の詳細な説明)
図1は、Johnsonの米国特許第5,654,566号によって開示されたスピントランジスタと同様の強磁性金属材料を用いた従来技術のスピントランジスタを示す。電界効果トランジスタのソースの強磁性体膜10は、スピン偏極キャリアを高移動度チャネル12に提供する。高移動度チャネル12の伝導性は、ゲート電圧Vによって決定される。ドレインの強磁性体膜16は、流れる電流に対するスピン感応インピーダンスを示し、これによって、デバイスの伝導性は、ソース10およびドレイン16強磁性体材料の磁化が平行に並べられる時に高くなり、逆平行に並べられる時に低くなる。強磁性体膜10および16の一方の磁化が、ある特定の方向(例えば、「上」方向)に設定される場合、デバイスの抵抗値は、他方の強磁性体膜の磁化方向によって決定される2つの異なる状態を有する(第1の強磁性体膜に対して「上」平行、または第1の強磁性体膜に対して「下」逆平行等)。このように、従来技術のスピン電界効果トランジスタは、不揮発性メモリ素子として利用され得る。論理データ値は、上書き書き込み線の電流パルスからの磁界を利用することによって書き込まれ得、強磁性体膜10および16の一方の磁化を方向付ける。書き込み線は、ドレイン16の強磁性体膜を覆うように概略的に示される。書き込み手順では、(強磁性体ドレイン16の近傍に位置する)書き込み線22に書き込み電流パルス20を送ることにより、ドレイン16に磁界24を発生させ、かつドレインの磁化状態を方向付ける。
従来技術のスピントランジスタは、強磁性金属および半導体のヘテロ接合を利用する。概して、強磁性金属半導体(2次元電子ガスモデル)−強磁性金属ヘテロ接合デバイスは、小さい磁気抵抗性を示し(Huら、「Spin injection across a hybrid heterojunction:theoretically understanding and experimental approach」、J.Appl.Phys.、2002年、Vol.91、p.7251を参照されたい)、したがって、実用的なメモリ用途としては経済的に実現可能でない。
図2は、Ohonoらの米国特許第6,482,729号によって開示されたスピントランジスタと同様の強磁性半導体/半導体ヘテロ接合を用いた従来技術のスピントランジスタを示す。このスピントランジスタは、電界効果トランジスタのソースおよびドレインに付加される2つの強磁性半導体/非磁性半導体へテロ接合を利用する。このスピントランジスタは、半導体基板52、ソースおよびドレイン領域53および54、およびゲート55を含む汎用のラテラル型電界効果トランジスタ構造を含む。非磁性半導体層56および強磁性半導体層57は、ソースおよびドレイン電極に注入されるスピン偏極電子装置を形成するのに連続して成長している。
従来技術のスピントランジスタは、強磁性半導体と半導体とのヘテロ接合に接続されたソースおよびドレインを有する、従来の電界効果トランジスタを利用する。強磁性半導体と半導体とのヘテロ接合は、伝導率の不整合を低減し、スピン注入の効率を増大させる。しかし、従来技術のスピントランジスタは、外部のコンポーネントにより複雑になり、メモリ用途には対応していない。
図3は、メモリ用途の強磁性半導体/半導体へテロ接合を用いた本発明のスピントランジスタである。図3aは、スピントランジスタの断面図を示す。スピントランジスタは、半導体基板101に(典型的にはnウェルに)p型チャネル100有する。基板は、シリコンまたは化合物半導体のどちらかであり得る。ソース102およびドレイン103領域は、ずっと高濃度のキャリアp+になるまでドーピングされる。極浅のソースおよびドレインp+接合は、好ましくは100nmよりも厚くなく、磁気抵抗効果を増強させるためには好適である。トランジスタは、ゲート104およびゲート絶縁体105を有し、トランジスタチャネル100の伝導率を制御する。これは、通常のp型プレーナー電界効果トランジスタである。
スピントランジスタはさらに、直接ソースおよびドレイン領域との2つのヘテロ接合を形成する強磁性半導体膜106および107の2つの層を含む。強磁性半導体層は、好ましくは、実用的な用途では20℃以上のキュリー温度である室温の強磁性半導体である。室温の強磁性半導体材料は、好ましくは、縮小されたルチル構造の鉄ドープチタン酸化物、明確には室温のp型強磁性半導体であり、本明細書中で参照として援用されるWangらによる大きな磁気モーメントの誘導抵抗性の変化を有する、ほぼ完全なスピン偏極を示す。
強磁性半導体106およびソース102は、強磁性半導体/半導体ヘテロ接合を形成して、スピン偏極伝導電子を提供する。鉄ドープチタン酸化物のような強磁性半導体の1つの利点は、半導体に近似していることであり、それにより、2次元電子ガス領域との伝導性の整合により、スピン偏極が改良される。ソースおよびドレイン領域の表面のドーピング濃度が1020cm−3よりも大きい場合、強磁性半導体とソースおよびドレイン層とが良好にコンタクトし得る。強磁性半導体と半導体との間の伝導性の整合により、ショットキーバリアは、スピン注入効率を増強するために低減されるか、または排除され得る。表面チャネルを通るドレイン電極までの効率的なスピンキャリアの伝達のためには、150nmより小さい非常に短いチャネル長さが好ましい。ソースおよびドレイン接合深さが非常に浅いので、ソースおよびドレイン接合の抵抗性は、強磁性半導体層の抵抗性よりもはるかに大きい。チャネルがオンにされ、かつバイアス電圧がドレイン電極に印加される時、ソース強磁性半導体からのスピン偏極キャリアは、表面チャネルを通って注入され、かつドレイン領域に集められ、そしてドレイン強磁性半導体を通って集める電極まで流れる。このように、通常のスピントランジスタの挙動のほかに、直列抵抗器が、トランジスタのドレインに加えられる。この抵抗器の抵抗性はスピンに依存するので、この抵抗は、メモリデバイス出力信号を増大させる。
上記の説明は、鉄ドープチタン酸化物のようなp型強磁性半導体層に適応するp型電界効果トランジスタについての説明である。コバルトドープチタン酸化物のようなn型強磁性半導体については、電界効果トランジスタはn型であり、ウェルはpウェルであり、ソースおよびドレインがn+である。
メモリ用途では、スピントランジスタは、デバイスのソースおよびドレイン接合の両方において強磁性半導体薄膜の磁気モーメントを整列するために外部の磁界を必要とする。ドレイン強磁性半導体の磁気モーメントは、スピントランジスタのドレイン接合の近傍に位置する書き込みプレート108を通るプレート電流、およびチャネル電流によって供給される磁界によって反転され得る。プレート電流は、書き込みバイアス電圧に依存して、どちらかの方向を向き得る。また、チャネル電流は、トランジスタのソースおよびドレインのバイアスに依存して、どちらかの方向を向き得る。したがって、ドレイン接合における強磁性半導体の磁気モーメントは、スピントランジスタの電流および書き込みプレートの電流の方向によって所望の偏極に固定され得る。プレート電流とチャネル電流とは直交し、適切な割合のこれらの2つの電流は、あらゆる方向に磁界を供給し得、ドレイン強磁性半導体層の磁気モーメントを変更する。
図3bは、本発明のスピントランジスタの平面図である。図3bは、ソースからドレインへのチャネル電流方向111を有する、ゲート104、ソース102、およびドレイン103を有する通常の電界効果トランジスタを示す。ソースおよびドレインにおいてバイアス電圧の偏極を反転することにより、チャネル電流方向を反転させ得る。強磁性半導体106は、トランジスタのソース上に堆積され、強磁性半導体107は、ドレインに堆積される。書き込みプレート108は、ドレイン強磁性半導体の近傍に堆積され、書き込みプレート電流は、どちらかの方向110を向き得る。
図4は、サリサイドソースを用いた本発明のスピントランジスタである。ソース強磁性半導体からチャネルへのキャリアの注入の効率は、さらにソース層のサリサイド化によって増強され得る。チタンサリサイド、コバルトサリサイド、ニッケルサリサイドのようなサリサイド層120は、ソース層との良好なコンタクトを形成し得、さらに強磁性半導体層とも良好なコンタクトを形成し得る。さらに、ドレイン領域(示されない)における別のサリサイド層は、強磁性半導体とドレイン層との間のコンタクト抵抗値を改良し得る。
図5は、本発明のスピントランジスタの別の実施形態である。スピントランジスタは、さらに、ソース強磁性半導体層の近傍に製造されるプログラミングプレート109を含む。ドレイン強磁性半導体層の磁気モーメントのプログラミングと同様に、プログラミングプレート109の電流およびチャネル電流は、磁界の直交成分を形成し得、ソース接合における強磁性層の磁気モーメントを制御する。
図6は、本発明のスピントランジスタメモリセルを用いた12ビットのメモリセルアレイの平面図である。書き込まれた水平ビット線B1〜B4は、スピントランジスタのドレインに接続される。垂直S1線、W1線、P1線は、それぞれトランジスタのソース、ゲート、プレートに接続される。書き込まれた水平ビット線B1〜B4は、スピントランジスタのチャネル電流と同じ方向であるので、ビット線B1〜B4を通る電流は、磁界を供給するために利用され得、ソースおよびドレイン強磁性層の磁気分極を変化させる。
図7は、図6に示される12ビットメモリアレイの等価回路である。実際のメモリセルはスピントランジスタを含むが、抵抗がスピントロニックトランジスタチャネルの抵抗値である1抵抗1トランジスタ(1R1T)メモリセルとして機能する。等価回路は、1R1Tメモリセルである。抵抗器は、プログラム可能抵抗器であり、スピントランジスタの伝導性を表す。
(要約)
本発明において、強磁性半導体/半導体ヘテロ接合を利用するスピントランジスタが開示される。強磁性半導体層は、通常の電界効果トランジスタのソースおよびドレイン上に直接ヘテロ接合を形成する。鉄ドープチタン酸化物のような室温の強磁性半導体材料を利用して、スピントランジスタは、半導体ソースおよびドレインを有する強磁性半導体の伝導性の整合により、スピン注入効率が改良され得る。スピントランジスタは、さらに書き込みプレートを含み、メモリ状態を提供する強磁性層の磁気分極を変更する。スピントランジスタは、磁気モーメント誘導抵抗性の変化を利用することによって、潜在的に大きなメモリ信号を有する磁性ランダムアクセスメモリのメモリセルとして利用され得る。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
図1は、強磁性材料を用いた従来技術のスピントランジスタである。 図2は、強磁性半導体材料を用いた従来技術のスピントランジスタである。 図3aは、本発明のスピントランジスタの断面である。 図3bは、本発明のスピントランジスタの平面図である。 図4は、サリサイドソースを用いた本発明のスピントランジスタである。 図5は、本発明のスピントランジスタの別の実施形態である。 図6は、本発明のスピントランジスタメモリセルを用いた12ビットメモリアレイの平面図である。 図7は、本発明のスピントランジスタメモリセルを用いた12ビットメモリアレイの等価回路である。
符号の説明
100 p型チャネル
101 半導体基板
102 ソース
103 ドレイン
104 ゲート
105 ゲート絶縁体
106 強磁性半導体膜
107 強磁性半導体膜
108 書き込みプレート
109 プログラミングプレート
110 書き込みプレート電流の方向
111 チャネル電流方向
120 サリサイド層

Claims (20)

  1. 伝導性の整合によりスピン注入が改良されたスピントロニックデバイスであって、該スピントロニックデバイスは、
    第1の強磁性半導体層と、
    第2の強磁性半導体層と、
    該第1の強磁性半導体層と該第2の強磁性半導体層との間に堆積された半導体層であって、該半導体層は、該強磁性半導体層とのヘテロ接合を形成する、半導体層と
    を含む、スピントロニックデバイス。
  2. 前記強磁性半導体材料は、室温の強磁性半導体層である、請求項1に記載のデバイス。
  3. 前記強磁性半導体層材料は、鉄ドープチタン酸化物化合物、またはコバルトドープチタン酸化物化合物である、請求項1に記載のデバイス。
  4. 前記強磁性半導体層の近傍に提供される複数の書き込み層であって、該書き込み層は、該強磁性半導体層に磁界を供給して、前記スピントロニックデバイスの磁気抵抗特性を変化させるように適応される、複数の書き込み層
    をさらに含む、請求項1に記載のデバイス。
  5. ソースとドレインとの間に堆積されたゲート制御可能な伝導性チャネルをを含む電界効果トランジスタと、
    該電界効果トランジスタのソースおよびドレインと直接へテロ接合を形成する2つの強磁性半導体層と
    を含む、スピントランジスタデバイス。
  6. 前記強磁性半導体材料は、室温の強磁性半導体層である、請求項5に記載のデバイス。
  7. 前記強磁性半導体層材料は、鉄ドープチタン酸化物化合物である、請求項5に記載のデバイス。
  8. 前記第1の強磁性半導体層上に提供される第1の書き込み層と、
    前記第2の強磁性半導体層上に提供される第2の書き込み層と
    をさらに含む、請求項5に記載のデバイス。
  9. 書き込み電流を運ぶための複数の導電性書き込み線であって、該導電性書き込み線は、前記強磁性半導体層に磁界を供給するように適応される、導電性書き込み線をさらに含む、請求項5に記載のデバイス。
  10. 前記電界効果トランジスタのソースおよびドレインは、1020cm−3よりも高い表面キャリア濃度にドーピングされる、請求項5に記載のデバイス。
  11. 前記ソースおよびドレイン領域の厚さは、100nmよりも薄い、請求項5に記載のデバイス。
  12. 前記電界効果トランジスタのソースとドレインとの間のチャネルは、150nmよりも短い、請求項5に記載のデバイス。
  13. 前記電界効果トランジスタのソースおよびドレインを有する前記強磁性半導体層の界面における複数のサリサイド領域
    をさらに含む、請求項5に記載のデバイス。
  14. 前記サリサイドは、チタンサリサイド、コバルトサリサイド、ニッケルサリサイドからなるグループから選択される、請求項13に記載のデバイス。
  15. 前記半導体層材料は、III-V族化合物半導体である、請求項5に記載のデバイス。
  16. 前記III−V族化合物半導体は、InSb、InAs、GaAs、InAsPからなるグループから選択される、請求項15に記載のデバイス。
  17. 前記半導体層材料は、IV族半導体である、請求項5に記載のデバイス。
  18. 前記IV族半導体は、SiまたはGeのどちらかである、請求項17に記載のデバイス。
  19. メモリセルを含むデータ状態を格納する磁気メモリであって、該磁気メモリは、
    ソースとドレインとの間に堆積されたゲート制御可能な伝導性チャネルを含む電界効果トランジスタと、
    該電界効果トランジスタのソースおよびドレインと直接へテロ接合を形成する2つの強磁性半導体層と
    書き込み電流を運ぶための複数の導電性書き込み線であって、該導電性書き込み線は、前記強磁性半導体層に磁界を供給するように適応される、複数の導電性書き込み線と
    を含む、磁気メモリ。
  20. 前記メモリセルは、複数のマトリクス状態に構成される、請求項19に記載の磁気メモリ。
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