JP2004296218A - センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】リード線に対して外力が印加された場合においても、リードフレームおよびリード線の抜け落ちが生じ難く、各電流経路の絶縁性を維持できる接続端子部材を有するセンサを提供する。
【解決手段】全領域空燃比センサ2の接続端子部材24は、フレーム固着部25とリード線固着部26とが連結変形部27により連結されており、連結変形部27(詳細には、屈曲部28)が変形することで、フレーム固着部25とリード線固着部26との相対距離が変化する。このため、リード線46に外力(引っ張り力)が印加された場合には、連結変形部27が変形することにより、外力が直接的にフレーム固着部25およびリード線固着部26に作用するのを避けることができる。よって、リード線固着部26からのリード線46の抜け落ちや、フレーム固着部25からのリードフレーム10の抜け落ちなどが、発生し難くなる。
【選択図】 図3
【解決手段】全領域空燃比センサ2の接続端子部材24は、フレーム固着部25とリード線固着部26とが連結変形部27により連結されており、連結変形部27(詳細には、屈曲部28)が変形することで、フレーム固着部25とリード線固着部26との相対距離が変化する。このため、リード線46に外力(引っ張り力)が印加された場合には、連結変形部27が変形することにより、外力が直接的にフレーム固着部25およびリード線固着部26に作用するのを避けることができる。よって、リード線固着部26からのリード線46の抜け落ちや、フレーム固着部25からのリードフレーム10の抜け落ちなどが、発生し難くなる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、センサ素子に設けられる電極端子部と接続されるリードフレームと外部回路接続用のリード線とを電気的に接続する接続端子部材を有するセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、センサ素子の後端側に設けられる電極端子部に接続するためのリードフレームが固着されるフレーム固着部を先端側に備えると共に、リード線が固着されるリード線固着部を後端側に備えて構成される接続端子部材を有するセンサが知られている。
【0003】
このような接続端子部材を有するセンサとしては、内燃機関などの排気系(排気管など)に設置し、排ガス中の酸素濃度等を測定するためのガスセンサや排ガス温度を測定するための温度センサなどが挙げられる。
そして、センサに用いられる接続端子部材としては、例えば、特許文献1に記載のように、フレーム固着部としての筒状部28と、リード線固着部としての芯線カシメ部24と、を備えて構成されたものがある(特許文献1参照)。
【0004】
この接続端子部材では、加締め固定によりリード線固着部(芯線カシメ部24)にリード線20が固着され、加締め固定および溶接によりフレーム固着部(筒状部28)にリードフレーム(電極リード16)が固着されている。これにより、接続端子部材は、リード線とリードフレームとを電気的に接続している。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−260431号公報(図3、接続端子18)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のセンサに備えられる接続端子部材は、リード線固着部とフレーム固着部との相対位置が常に一定の固定状態となる構成であるため、リード線に対して何らかの外力(引っ張り力)が印加された場合には、リード線固着部およびフレーム固着部に対して外力が直接的に作用して、リード線やリードフレームが接続端子部材から抜け落ちる可能性が高くなる。
【0007】
他方、接続端子部材が備えられるセンサにおいて、他の構成部材における製造寸法誤差の影響により、リードフレームとリード線との実際の相対距離が設計上の距離とは異なる値となる場合がある。このような問題については、リード線とリードフレームとの実際の相対距離に対して、接続端子部材の長さ寸法(リード線固着部からフレーム固着部までの寸法)が不足しないように、接続端子部材の長さ寸法を長めに設定しておくとよい。
【0008】
しかし、リード線とリードフレームとの実際の相対距離に対して、接続端子部材の長さ寸法が長すぎる場合には、接続端子部材およびリードフレームを限られた領域内(センサ内部)に収容するにあたり、リードフレームが湾曲した状態で配置されることがある。このようなリードフレームの変形に伴い、隣接するリードフレーム同士の接触やリードフレームと他の導電性部材(センサ素子の周囲を取り囲む外筒など)との接触などが生じて、接続端子部材およびリードフレームを含む電流経路に異常を生じる虞がある。
【0009】
そこで、本発明はこうした問題に鑑みなされたものであり、リード線に対して外力が印加された場合においても、リードフレームおよびリード線の抜け落ちが生じ難く、各電流経路を正常に維持できる接続端子部材を有するセンサを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、センサ素子の後端側に設けられる電極端子部に接続するリードフレームを固着するためのフレーム固着部を先端側に備えると共に、リード線を固着するためのリード線固着部を後端側に備え、リードフレームとリード線とを電気的に接続する導電性材料からなる接続端子部材を有するセンサであって、接続端子部材が、フレーム固着部とリード線固着部とを連結すると共に、フレーム固着部とリード線固着部との相対距離を変化させるように変形する連結変形部を備えること、を特徴とするセンサである。
【0011】
このセンサに備えられる接続端子部材は、フレーム固着部とリード線固着部とが連結変形部により連結されており、連結変形部が変形することで、フレーム固着部とリード線固着部との相対距離が変化するよう構成されている。
このため、リード線に外力(引っ張り力)が印加された場合には、連結変形部が変形することにより、外力が直接的にフレーム固着部およびリード線固着部に作用するのを避けることができる。これにより、リード線固着部からのリード線の抜け落ちや、フレーム固着部からのリードフレームの抜け落ちなどが、発生し難くなる。
【0012】
また、この接続端子部材は、連結変形部の変形によりフレーム固着部とリード線固着部との相対距離が変化することから、当該接続端子部材が備えられるセンサのうち他の構成部材に製造寸法誤差が生じた場合であっても、その製造寸法誤差を吸収して、リード線とリードフレームとを適切に接続することができる。つまり、他の構成部材により定められるリード線とリードフレームとの実際の相対距離に応じて、連結変形部が変形することにより、フレーム固着部とリード線固着部との相対距離を適切に設定することができる。
【0013】
これにより、リードフレームが他の導電性部材などと接触するのを防ぐことができ、接続端子部材およびリードフレームを含む電流経路を良好に確保することができる。
よって、本発明によれば、リード線に外力が印加された場合であっても、リード線やリードフレームが接続端子部材から抜け落ち難く、リード線とリードフレームとの導通を接続端子部材を介して良好に維持できるセンサを得ることができる。
【0014】
次に、上述のセンサについては、請求項2に記載のように、連結変形部が、リード線固着部からフレーム固着部に向かう軸線方向に平行な面における断面形状が略U字形に形成された屈曲部を有し、該屈曲部の変形によりフレーム固着部とリード線固着部との相対距離が変化するとよい。
【0015】
このセンサに備えられる接続端子部材においては、略U字形の開口部分が拡大する方向に屈曲部が弾性変形すると、フレーム固着部とリード線固着部との相対距離が長くなり、略U字形の開口部分が縮小する方向に屈曲部が弾性変形すると、フレーム固着部とリード線固着部との相対距離が短くなる。
【0016】
このため、リード線に対し、リードフレームから遠ざかる方向の外力(引っ張り力)が印加された場合には、略U字形の開口部分が拡大する方向に屈曲部が弾性変形して、フレーム固着部とリード線固着部との相対距離が長くなることで、外力が直接的にフレーム固着部およびリード線固着部に作用するのを避けることができる。
【0017】
また、リード線に対し、リードフレームに近づく方向の外力(押し込み力)が印加された場合には、略U字形の開口部分が縮小する方向に屈曲部が弾性変形して、フレーム固着部とリード線固着部との相対距離が短くなることで、リードフレームの変形(湾曲)を防止し、リードフレームが他の導電性部材などと接触するのを防ぐことができる。
【0018】
よって、本発明によれば、リード線やリードフレームが接続端子部材から抜け落ち難く、リード線とリードフレームとの導通を良好に維持できる。
次に、上述のセンサについては、請求項3に記載のように、屈曲部が、リードフレームの後端に当接すると共に、フレーム固着部とリードフレームとの相対位置を規定するように形成されるとよい。
【0019】
このセンサに備えられる接続端子部材においては、屈曲部およびフレーム固着部は共に接続端子部材を構成する部分であることから、屈曲部が変形していない場合には、両者の相対位置は一定となる。また、リードフレームの後端は、屈曲部に当接することにより屈曲部との相対位置が一定に定まることから、屈曲部に当接する状態のリードフレームは、フレーム固着部との相対位置についても一定に定まることになる。
【0020】
つまり、リードフレームをフレーム固着部に固着するにあたり、リードフレームの後端を屈曲部に当接させてフレーム固着部との相対位置を一定位置に設定しつつ、溶接、カシメあるいは圧入などを行うことで、フレーム固着部とリードフレームとの相対位置に誤差が生じるのを防ぐことができる。
【0021】
なお、リードフレームに当接する位置規定部を、屈曲部とは別に形成することで、フレーム固着部とリードフレームとの相対位置を規定することもできる。しかし、屈曲部が、フレーム固着部とリード線固着部との相対距離を変化させる機能と、位置規定部としての機能とを併せて備えることで、接続端子部材の構成を単純化することができ、製造コストの低減を図ることができる。
【0022】
よって、本発明によれば、フレーム固着部とリードフレームとの相対位置を適切に規定できると共に、低コストで製造することができる接続端子部材を有するセンサを得ることができる。
次に、上述のセンサにおいては、請求項4に記載のように、連結変形部は、自身の変形に必要な変形用荷重の大きさが、リードフレームをフレーム固着部から引き抜くために必要な引き抜き荷重(フレーム引き抜き荷重)およびリード線をリード線固着部から引き抜くために必要な引き抜き荷重(リード線引き抜き荷重)のいずれの荷重よりも小さいとよい。
【0023】
このセンサに備えられる接続端子部材は、リード線に外力が印加された場合において、リードフレームまたはリード線がフレーム固着部またはリード線固着部から引き抜かれる前に連結変形部が変形することとなり、リード線固着部およびフレーム固着部に対して外力が直接的に作用するのを確実に防ぐことができる。
【0024】
よって、本発明によれば、リード線やリードフレームが接続端子部材から抜け落ちるのを確実に防止でき、リード線とリードフレームとの電気的な接続状態を良好に維持することができる。
なお、連結変形部は、自身が破断しない範囲において連結変形部の変形量が最大値(許容最大変形量)となるときに、連結変形部に印加される荷重の大きさ(許容最大荷重)が、フレーム引き抜き荷重およびリード線引き抜き荷重のいずれの荷重よりも小さい値であることがより好ましい。これにより、連結変形部の変形量が許容最大変形量となるまでは、リード線固着部およびフレーム固着部に対して外力が直接的に作用するのを確実に防止することができる。
【0025】
次に、上述のセンサにおいては、請求項5に記載のように、リード線が挿通されるリード線挿通孔を有する絶縁部材が備えられており、リード線固着部は、リード線挿通孔には挿通できず、絶縁部材におけるリード線挿通孔の周囲部分に係止される形状に形成されているとよく、また、連結変形部は、フレーム固着部とリード線固着部との相対距離が拡大する変形方向への許容最大変形量が、リード線固着部が絶縁部材に係止される際の連結変形部の変形量よりも大きくなるように形成されているとよい。
【0026】
このようなリード線固着部および連結変形部を有する接続端子部材は、連結変形部の変形量が許容最大変形量となる前に、リード線固着部が絶縁部材に係止されることとなり、連結変形部が許容最大変形量を超えて変形するのを防ぐことができる。これにより、外力の印加に伴う連結変形部の破断、ひいては接続端子部材の断線を防ぐことができ、リード線とリードフレームとの電気的な接続状態を良好に維持することができる。
【0027】
よって、本発明によれば、リード線に対して外力が印加された場合であっても、接続端子部材の断線を防ぐことができると共に、接続端子部材およびリードフレームを含む電流経路の断線を防ぐことができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を適用した実施例を、図面と共に説明する。なお、本実施例では、特定ガスを検出するガスセンサの一種である全領域空燃比センサ2(以下、空燃比センサ2ともいう)について説明する。なお、空燃比センサ2は、自動車や各種内燃機関における空燃比フィードバック制御に使用するために、測定対象となる排ガス中の特定ガスを検出する検出素子(センサ素子)が組み付けられるとともに、内燃機関の排気管に装着される。
【0029】
図1は、実施例の接続端子部材24を備える空燃比センサ2の全体構成を示す断面図である。
空燃比センサ2は、排気管に固定するためのネジ部103が外表面に形成された筒状の主体金具102と、軸線方向(図中上下方向)に延びる板状形状をなす検出素子4と、検出素子4の径方向周囲を取り囲むように配置される筒状のセラミックスリーブ6と、検出素子4とセラミックスリーブ6との間に配置される5個のリードフレーム10と、外部回路(例えば、電子制御装置(ECU))接続用のリード線46にリードフレーム10を電気的に接続する接続端子部材24と、を備えている。
【0030】
検出素子4は、軸線方向に延びる板状形状をなし、測定対象となるガスに向けられる先端側(図中下方)に検出部8が形成され、後端側(図中上方)の外表面のうち表裏の位置関係となる第1板面21および第2板面23に電極端子部30,31,32,34,36が形成されている。リードフレーム10は、検出素子4とセラミックスリーブ6との間に配置されることで、検出素子4の電極端子部30,31,32,34,36にそれぞれ電気的に接続される。
【0031】
なお、主体金具102の筒内部には、検出素子4の径方向周囲を取り囲む状態で、筒状のセラミックホルダ106、タルク粉末108および上述のセラミックスリーブ6が、この順に先端側から後端側にかけて積層されている。また、セラミックスリーブ6と主体金具102の後端部との間には、加締リング112が配置されており、セラミックホルダ106と主体金具102の筒内部との間には、気密性を維持するためのパッキン109が配置されている。なお、主体金具102の後端部114は、加締リング112を介してセラミックスリーブ6を先端側に押し付けるように、加締められている。
【0032】
検出素子4は、軸線方向(図1における上下方向)に延びる板状形状に形成された素子部と、同じく軸線方向に延びる板状形状に形成されたヒータとが積層されて、長方形状の軸断面を有する板状形状に形成されている。なお、空燃比センサ2として用いられる検出素子4は従来公知のものであるため、その内部構造等の詳細な説明は省略するが、その概略構成は以下のようである。
【0033】
まず、素子部は、固体電解質基板の両側に多孔質電極を形成した酸素濃淡電池素子と、同じく固体電解質基板の両側に多孔質電極を形成した酸素ポンプ素子と、これらの両素子の間に積層され、中空の測定ガス室を形成するためのスペーサとから構成される。この固体電解質基板は、イットリアを安定化剤として固溶させたジルコニアから形成され、多孔質電極は、Ptを主体に形成される。また、測定ガス室を形成するスペーサは、アルミナを主体に構成されており、中空の測定ガス室の内側には、酸素濃淡電池素子の一方の多孔質電極と、酸素ポンプ素子の一方の多孔質電極が露出するように配置されている。なお、測定ガス室は、素子部の先端側に位置するように形成されており、この測定ガス室が形成される部分が検出部8に相当する。
【0034】
ついで、ヒータは、アルミナを主体とする絶縁基板の間に、Ptを主体とする発熱抵抗体パターンが挟み込まれて形成されている。
そして、素子部とヒータとは、セラミック層(例えば、ジルコニア系セラミックやアルミナ系セラミック)を介して互いに接合される。
【0035】
このような検出素子4では、第1板面21の後端側(図1における上側)に3個の電極端子部30,31,32が形成され、第2板面23の後端側に2個の電極端子部34,36が形成されている。電極端子部30,31,32は、素子部に形成されるものであり、1つの電極端子部は、測定ガス室の内側に露出する酸素濃淡電池素子の一方の多孔質電極と酸素ポンプ素子の一方の多孔質電極と共用する形で電気的に接続される。また、電極端子部30,31,32のうち残りの2つの電極端子部は、酸素濃淡電池素子の他方の多孔質電極と酸素ポンプ素子の他方の多孔質電極と各々電気的に接続されている。また、電極端子部34,36は、ヒータに形成されるものであり、ヒータの厚さ方向に横切るビア(図示せず)を介して発熱抵抗体パターンの両端に各々接続されている。
【0036】
つまり、電極端子部30,31,32は、排気ガス中の特定ガスの検出結果に応じた電流(検出電流)が流れる電流経路の一部を形成しており、電極端子部34,36は、ヒータの発熱に用いられる電流(ヒータ電流)が流れる電流経路の一部を形成している。
【0037】
そして、検出素子4は、図1に示すように、先端側(図1における下方)の検出部8が、排気管に固定される主体金具102の先端より突出した状態で、この主体金具102の内部に固定される。
一方、図1に示すように、主体金具102の先端側(図1における下方)外周には、検出素子4の突出部分を覆うと共に、複数の孔部を有する金属製の二重のプロテクタ42,43が、溶接等によって取り付けられている。
【0038】
また、主体金具102の後端側外周には、外筒44が溶接等により固定されている。外筒44の後端側(図1における上方)の内側には、5本のリード線46(2本は図示省略)を挿通するためのリード線挿通孔が形成されたセラミックセパレータ48とグロメット50とが配置されている。なお、リード線46は、検出素子4の各電極端子部30,31,32,34,36と外部との電気的接続を、接続端子部材24およびリードフレーム10を介して行うために備えられる。
【0039】
セラミックセパレータ48は、セラミックからなる絶縁材料で構成されており、軸線方向略中央の外周面に全周にわたり外向きに突出するフランジ部62が形成されている。このフランジ部62は、外筒44において内向きに突出する形態で形成された外筒側支持部64と、セラミックセパレータ48のうちフランジ部62よりも先端側部分(図1における下側部分)の周囲を包囲する筒状の筒状部材78と、の間で支持されている。なお、筒状部材78は、外筒44において内向きに突出する形状の筒状部材保持部79とセラミックセパレータ48の先端側部分との間で挟持されることにより保持されている。
【0040】
また、セラミックセパレータ48は、リード線46を挿通するために軸線方向に形成されたリード線挿通孔66と、リード線挿通孔66に連通した接続端子配置部67と、を備えている。
接続端子配置部67は、接続端子部材24を収容可能に形成されると共に、リード線挿通孔66の開口部の周囲に接続端子部材24(詳細には、後述するリード線固着部26)を係止可能な接続端子係止部68が形成されている。
【0041】
また、グロメット50は、ゴムなどの弾性材料で形成されており、外筒44の後端側の開口部の内側に配置され、外筒44に形成される加締め部65により保持されている。
検出素子4は、主体金具102の筒内先端側から順番に配置されるセラミックホルダ106、タルク粉末108、セラミックスリーブ6と、セラミックスリーブ6との間に配置されるリードフレーム10とを介して主体金具102に保持されている。また、検出素子4は、電極端子部30,31,32,34,36が形成された後端側における径方向周囲が、セラミックスリーブ6に覆われた状態で保持される。
【0042】
図2に、検出素子4および5本のリードフレーム10が挿通孔54に配置された状態のセラミックスリーブ6を2分割したときの縦断面を表す一部断面斜視図を示す。なお、図2では、セラミックスリーブ6のみを断面として表しており、検出素子4およびリードフレーム10は、断面ではなく外観を表している。
【0043】
セラミックスリーブ6は、図2に示すように、軸線方向に延びる筒状の本体部58と、本体部58の後端側(図における上方)に突出する突出部52と、本体部58の後端側外周面から外向きに延設された最も外径が大きい径大部51と、を備えて形成されると共に、検出素子4およびリードフレーム10を挿通するための挿通孔54が、中心軸部分の先端側から後端側にかけて貫通して形成されている。
【0044】
また、セラミックスリーブ6は、挿通孔54のうち、検出素子4の第1板面21および第2板面23に対応する内壁の後端側に、内壁面から内向きに突出して形成されるリブ部55がそれぞれ2個ずつ(図2では、1個のみを図示)備えられている。挿通孔54の後端側に備えられる4個のリブ部55は、6個のリードフレーム配置領域56(図2では、1個のみを図示)の境界を形成している。
【0045】
さらに、セラミックスリーブ6の後端面(図2における上端面)には、軸線方向(図2における上下方向)に高低差を有する凹凸形状に形成された後端面段差部57が形成されている。後端面段差部57は、セラミックスリーブ6のうち最も後端側に位置する4個の後端側凸状部59(図2では、2個の図示を省略)と、後端側凸状部59よりも先端側方向に窪んだ形状の6個の後端側凹状部60(図2では、2個の図示を省略)とから形成されている。なお、後端側凸状部59は、リブ部55と一体に構成されている。
【0046】
後端側凸状部59およびリブ部55は、リードフレーム配置領域56および後端側凹状部60に配置される複数のリードフレーム10どうしが接触するのを阻止する仕切り部として機能している。つまり、後端側凸状部59およびリブ部55を有するセラミックスリーブ6は、隣接して配置されるリードフレーム10どうしが電気的に導通するのを阻止することにより、電流経路が不良となるのを防止することができる。
【0047】
次に、リードフレーム10について説明する。
図6に、リードフレーム10の外観を表した斜視図を示す。なお、図6では、リードフレーム10のうち後述する後端面当接部17から接合部19に至る部分の一部を省略して表している。
【0048】
リードフレーム10は、導電性材料(インコネルなど)からなる板状部材を曲げ加工して形成されており、図6に示すように、フレーム本体12と、フレーム本体12の先端側(図における下側)が折り曲げられて形成された折曲部14と、を備えて構成されている。
【0049】
リードフレーム10のうちフレーム本体12の後端(図における上側端部)には、接続端子部材24に接合される接合部19が形成されている。また、フレーム本体12のうち検出素子4とセラミックスリーブ6(詳細には、挿通孔54の内壁面)との間に配置される部分には、検出素子4とセラミックスリーブ6との隙間間隔方向が振幅方向となる波形形状の波状部分16が形成されている。
【0050】
さらに、フレーム本体12のうちセラミックスリーブ6の後端面(詳細には、後端面段差部57)に配置される部分には、後端側凹状部60に当接する面を形成するように折り曲げられた後端面当接部17が形成されている。また、フレーム本体12のうち、後端面当接部17の先端側に隣接する位置決め部18は、セラミックスリーブ6のリードフレーム配置領域56に配置される。
【0051】
次に、接続端子部材24について説明する。
図3に、リードフレーム10およびリード線46が接続された状態の接続端子部材24の斜視図を示す。なお、図3では、リードフレーム10のうち軸線方向における中間部分を省略して表している。また、リード線46は、可撓性の導電性材料からなる芯線47と、芯線47の周囲を被覆する絶縁性材料からなる被覆部49と、を備えて構成されている。
【0052】
接続端子部材24は、導電性材料(例えば、インコネルなど)により形成されており、リードフレーム10(詳細には、接合部19)を固着するために先端側に形成されるフレーム固着部25と、リード線46(詳細には、芯線47)を固着するために後端側に形成されるリード線固着部26と、フレーム固着部25およびリード線固着部26を連結する連結変形部27と、を備えて構成されている。
【0053】
連結変形部27は、縦断面形状(換言すれば、リード線固着部26からフレーム固着部25に向かう軸線方向に平行な面における断面形状)が略U字形状に形成された屈曲部28を備えており、屈曲部28が弾性変形することでフレーム固着部25とリード線固着部26との相対距離を変化させるように構成されている。
【0054】
つまり、連結変形部27は、屈曲部28が略U字形の開口部分が拡大する方向に弾性変形することで、フレーム固着部25とリード線固着部26との相対距離が長くなるように変形する。また、連結変形部27は、屈曲部28が略U字形の開口部分が縮小する方向に弾性変形することで、フレーム固着部25とリード線固着部26との相対距離が短くなるように変形する。
【0055】
このため、リード線46に対し、リードフレーム10から遠ざかる方向の外力(引っ張り力)が印加された場合には、略U字形の開口部分が拡大する方向に屈曲部28が弾性変形して、フレーム固着部25とリード線固着部26との相対距離が長くなることで、外力が直接的にフレーム固着部25およびリード線固着部26に作用するのを避けることができる。
【0056】
また、リード線46に対し、リードフレーム10に近づく方向の外力(押し込み力)が印加された場合には、略U字形の開口部分が縮小する方向に屈曲部28が弾性変形して、フレーム固着部25とリード線固着部26との相対距離が短くなることで、リードフレーム10の変形(湾曲)を防止し、リードフレーム10が他の導電性部材(外筒44など)と接触するのを防ぐことができる。
【0057】
なお、屈曲部28は、自身の少なくとも一部がフレーム固着部25のうちリードフレーム10が挿通される部分の延長線上に配置されるように形成されており、フレーム固着部25に挿通されたリードフレーム10(詳細には、接合部19)の後端が当接するよう形成されている。そして、屈曲部28およびフレーム固着部25は共に接続端子部材24を構成する部分であることから、屈曲部28が変形していない場合には、両者の相対位置は一定となる。また、リードフレーム10は、屈曲部28に当接することにより屈曲部28との相対位置が一定に定まることから、屈曲部28に当接する状態のリードフレーム10は、フレーム固着部25との相対位置についても一定に定まることになる。
【0058】
つまり、屈曲部28は、リードフレーム10に当接して、フレーム固着部25に対するリードフレーム10の挿入寸法(挿入量)を規定することで、フレーム固着部25とリードフレーム10との相対位置を一定位置に設定している。
次に、図4に、リードフレーム10およびリード線46が接続される前の接続端子部材24を表す斜視図、および接続端子部材24の一部断面斜視図を示す。なお、図4では、左側に、リードフレーム10およびリード線46が接続される前の接続端子部材24を表す斜視図を示し、右側に、左側に示した接続端子部材24におけるB−B視断面を表した一部断面斜視図を示す。
【0059】
また、図5に、接続端子部材24のうち、連結変形部27の一部とフレーム固着部25に相当する部分の展開図を示す。
図5に示すように、フレーム固着部25は、連結変形部27の軸線方向先端側に連続して形成された平板状の背面部37と、背面部37の左側端部および右側端部からそれぞれ延設される2つの側面部38と、側面部38のうち背面部37との接続側とは反対側の端部に形成される2つの凸部39と、を備えて構成されている。
【0060】
なお、背面部37は、板面の略中央部分に板面の厚さ方向に貫通する四角形の開口部40が形成されている。開口部40の開口端面のうち先端側に位置する開口端面41は、フレーム固着部25におけるリードフレーム10の挿通方向(図における上下方向)に略垂直な面として形成されている。
【0061】
また、凸部39の先端部71は、後端部72に近づくほど側面部38との距離が長くなるテーパ形状に形成されている。なお、凸部39における先端部71とは、フレーム固着部25へのリードフレーム10の挿入時に、凸部39のうちで最先にリードフレーム10に接触する端部のことであり、凸部39における後端部72とは、凸部39におけるリードフレーム10の挿通方向の両端部のうち、先端部71とは反対側の端部のことである。
【0062】
このフレーム固着部25のうち、側面部38は、凸部39を有する端部が背面部37に対向するように、リードフレーム10の挿通方向に垂直な断面形状が略C字型に曲げ加工されることで、図4に示すように形成される。これにより、フレーム固着部25は、背面部37および2つの側面部38により、リードフレーム10の接合部19を包囲できる形状となる。
【0063】
なお、2つの凸部39は、側面部38が曲げ加工されたときにリードフレーム10に対向する部分の断面積の合計値が、開口部40の開口面積よりも小さくなるように形成されている。すなわち、2つの凸部39は、開口部40に対して同時に収容できる形状に形成されている。
【0064】
次に、図4に示すように形成された接続端子部材24に対して、リードフレーム10を加締めにより固着(固定)する作業手順について、簡単に説明する。
まず、接続端子部材24のフレーム固着部25に対して、接合部19を挿入可能な位置にリードフレーム10を配置し、そのあと、リードフレーム10をフレーム固着部25に挿入して、接続端子部材24の屈曲部28に接合部19(リードフレーム10の後端)が当接するまで、リードフレーム10を移動させる。このとき、凸部39の先端部71がテーパ形状であることから、リードフレーム10が凸部39に係止されることなく、滑らかにフレーム固着部25の内部にリードフレーム10を挿入させることができる。
【0065】
次に、側面部38のうち凸部39が形成された端部を背面部37に近づけるように、2つの側面部38に対して外力を印加することで、側面部38を加締め変形させる。この側面部38の変形に伴い、凸部39によりリードフレーム10(接合部19)の一部を開口部40に向けて変形させることにより、リードフレーム10の一部が開口部40の内部に配置される。つまり、背面部37の開口端面41および凸部39によりリードフレーム10(接合部19)を変形させて張り出し部11(図7参照)を形成させる。なお、張り出し部11は、リードフレーム10の軸線方向に対する垂直方向に突出する形状に形成される。
【0066】
このような側面部38の変形作業により、開口部40の開口端面41および凸部39のそれぞれにリードフレーム10の張り出し部11を係合させると共に、リードフレーム10をフレーム固着部25に加締め固定させることができる。
この結果、リードフレーム10の張り出し部11が開口部40の内部に配置されることにより、張り出し部11が開口端面41および凸部39のそれぞれに係合する状態となり、リードフレーム10は、フレーム固着部25から抜け落ちるのが防止される。また、リードフレーム10は、フレーム固着部25のうち凸部39および背面部37に確実に当接するため、接続端子部材24との電気的接続状態が良好となる。
【0067】
次に、接続端子部材24のうちリード線固着部26について簡単に説明する。
リード線固着部26は、図3および図4に示すように、連結変形部27から連続して形成されるリード線背面部80と、リード線背面部80の左右両側部からそれぞれ延設される2つのリード線側面部81と、を備えて構成されている。
【0068】
リード線固着部26は、2つのリード線側面部81がそれぞれ曲げ加工されることで、リード線背面部80と2つのリード線側面部81とによりリード線46の芯線47を包囲できる形状に形成される(図4参照)。そして、このように形成されたリード線固着部26に対してリード線46の芯線47を挿通した後、リード線背面部80および2つのリード線側面部81により囲まれる部分の断面積が縮小されるように、リード線側面部81を加締め変形させることで、リード線46の芯線47をリード線固着部26に固定することができる(図3参照)。
【0069】
次に、セラミックセパレータ48の接続端子配置部67に接続端子部材24が配置された際の、リード線固着部26と接続端子係止部68との隙間間隔L1を表す説明図を図7に示す。
接続端子部材24のうちフレーム固着部25は、接続端子配置部67での軸線方向における配置位置が、リードフレーム10(詳細には、リードフレーム10の後端部)の位置によって決定される。そして、接続端子部材24は、自身(詳細には、連結変形部27)が外力を受けていない場合には、図7に示すように、リード線固着部26と接続端子配置部67の接続端子係止部68との間に一定の隙間(隙間間隔L1)が生じる位置に配置される。
【0070】
なお、接続端子部材24のリード線固着部26は、軸線方向(図における上下方向)に垂直な断面形状における外径寸法の最大値が、セラミックセパレータ48のリード線挿通孔66の内径寸法よりも大きい形状に形成されている。具体的には、リード線固着部26のうち、リード線背面部80(図4参照)の幅方向における外径寸法(換言すれば、一方のリード線側面部81(図4参照)の最外端部から他方のリード線側面部81の最外端部までの寸法)リード線挿通孔66の内径寸法よりも大きい形状に形成されている。
【0071】
このため、接続端子部材24は、リード線側面部81がセラミックセパレータ48におけるリード線挿通孔66の周囲部分(リード線挿通孔66の先端側開口端面より形成される接続端子係止部68)に係止される形状となり、リード線挿通孔66に挿通することができない。
【0072】
次に、接続端子部材24の許容最大変形量を表す説明図を図8に示す。なお、図8では、左側に、外力(変形用荷重)を受けていない状態の接続端子部材24の側面図を示し、右側に、外力(引っ張り方向の変形用荷重)が印加されて、フレーム固着部25とリード線固着部26との相対距離が拡大する方向に連結変形部27が変形した状態の接続端子部材24の側面図を示す。
【0073】
接続端子部材24は、前述のように、外力の印加により連結変形部27(詳細には、屈曲部28)が変形することで、軸線方向における全長寸法が変化(縮小あるいは拡大)するよう構成されている。
図8の右側の図には、フレーム固着部25とリード線固着部26との相対距離が拡大する方向に連結変形部27が変形した状態であって、連結変形部27が破断する直前まで外力を印加したときの接続端子部材24の状態を示している。このときの変形量L2が、接続端子部材24における許容最大変形量L2となる。
【0074】
そして、本実施例の空燃比センサ2においては、空燃比センサ2を構成する構成部材(リードフレーム10やセラミックセパレータ48など)の各寸法に基づいて、許容最大変形量L2が隙間間隔L1よりも長くなるように、接続端子部材24の形状(軸線方向寸法や屈曲部28の形状)が設定されている。つまり、連結変形部27は、フレーム固着部25とリード線固着部26との相対距離が拡大する変形方向における許容最大変形量L2が、リード線固着部26がセラミックセパレータ48に係止される際の連結変形部27の変形量(換言すれば、隙間間隔L1)よりも大きくなるように形成されている。
【0075】
なお、このとき、フレーム固着部25は、リードフレーム10によって一定位置に規定されており、ほとんど移動することはない。
このようなリード線固着部26および連結変形部27を有する接続端子部材24は、連結変形部27の変形量が許容最大変形量L2となる前に、リード線固着部26の後端がセラミックセパレータ48の接続端子係止部68に係止されることとなり、連結変形部27が許容最大変形量L2を超えて変形するのを防ぐことができる。これにより、外力の印加に伴う連結変形部27の破断を防止し、接続端子部材24の断線を防ぐことができるため、リード線46とリードフレーム10との電気的な接続状態を良好に維持することができる。
【0076】
また、接続端子部材24は、連結変形部27が許容最大変形量L2だけ変形するために必要な外力(許容最大荷重)が、リードフレーム10をフレーム固着部25から引き抜くために必要な引き抜き荷重(フレーム引き抜き荷重)およびリード線46をリード線固着部26から引き抜くために必要な引き抜き荷重(リード線引き抜き荷重)のいずれの荷重よりも小さくなるように構成されている。具体的には、屈曲部28の形状を変更することで、変形用荷重の大きさと連結変形部27の変形量との関係が調整されている。
【0077】
このような接続端子部材24は、リード線46に外力が印加された場合において、リードフレーム10またはリード線46がフレーム固着部25またはリード線固着部26から引き抜かれる前に、連結変形部27が変形することになる。
なお、本実施例においては、セラミックセパレータ48が特許請求の範囲に記載の絶縁部材に相当する。
【0078】
以上、説明したように、本実施例の全領域空燃比センサ2に備えられる接続端子部材24は、フレーム固着部25とリード線固着部26とが連結変形部27により連結されており、連結変形部27が変形することで、フレーム固着部25とリード線固着部26との相対距離が変化するよう構成されている。
【0079】
このため、リード線46に外力(引っ張り力)が印加された場合には、連結変形部27が変形することにより、外力が直接的にフレーム固着部25およびリード線固着部26に作用するのを避けることができる。これにより、リード線固着部26からのリード線46の抜け落ちや、フレーム固着部25からのリードフレーム10の抜け落ちなどが、発生し難くなる。
【0080】
また、この接続端子部材24は、連結変形部27の変形により、フレーム固着部25とリード線固着部26との相対距離が変化するように構成されている。このため、全領域空燃比センサ2のうち接続端子部材24の他の構成部材(リードフレーム10、セラミックスリーブ6、セラミックセパレータ48など)に製造寸法誤差が生じた場合であっても、その製造寸法誤差を吸収して、リード線46とリードフレーム10とを適切に接続することができる。つまり、接続端子部材24は、空燃比センサ2において他の構成部材により定められるリード線46とリードフレーム10との実際の相対距離に応じて、連結変形部27が変形することにより、フレーム固着部25とリード線固着部26との相対距離を適切に設定することができる。
【0081】
これにより、リードフレーム10が、空燃比センサ2のうち他の導電性部材(外筒44など)と接触するのを防ぐことができ、接続端子部材24およびリードフレーム10を含む電流経路を良好に確保することができる。
また、接続端子部材24においては、リードフレーム10をフレーム固着部25に固着する際には、リードフレーム10の後端を屈曲部28に当接させることで、フレーム固着部25との相対位置が一定位置となるように容易に設定することができる。このようにして、接続端子部材24とフレーム固着部25との相対位置を一定位置に設定して、両者をカシメにより固着することで、フレーム固着部25とリードフレーム10との実際の相対位置が設計上の相対位置とは異なる位置となるのを防ぐことができ、誤差が生じるのを防ぐことができる。
【0082】
さらに、屈曲部28は、フレーム固着部25とリード線固着部26との相対距離を変化させる機能と、リードフレーム10とフレーム固着部25との相対位置を一定位置に規定する位置規定部としての機能とを併せて備えている。このため、位置規定部を屈曲部28とは別に備える必要が無くなり、接続端子部材24の構成を単純化することができ、接続端子部材24および全領域空燃比センサ2の製造コストの低減を図ることができる。
【0083】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、リードフレームと接続端子部材との固着方法およびリード線と接続端子部材との固着方法は、カシメに限られることはなく、溶接あるいは圧入などの固着方法を用いることができる。
【0084】
また、屈曲部は、断面形状が略U字形のものに限られることはなく、断面形状が略W字形や波状形状、略V字形状に形成されていてもよい。
さらに、接続端子部材の適用対象となるセンサは、全領域空燃比センサに限られることはなく、酸素センサ、NOxセンサ、温度センサなど他の種類のセンサに対して本発明の接続端子部材を適用することができる。
【0085】
また、リード線固着部の断面形状は、周方向の全てにおける径方向寸法がリード線挿通孔の内径寸法よりも大きい必要はなく、いずれか一部の方向における径方向寸法がリード線挿通孔の内径寸法よりも大きくなり、絶縁部材に係合するように形成されていればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の接続端子部材を備える空燃比センサの全体構成を示す断面図である。
【図2】検出素子およびリードフレームが挿通孔に配置された状態のセラミックスリーブの一部断面斜視図である。
【図3】リードフレームおよびリード線が接続された状態の接続端子部材の斜視図である。
【図4】リードフレームおよびリード線が接続される前の接続端子部材を表す斜視図および一部断面斜視図である。
【図5】接続端子部材のうち、連結変形部の一部とフレーム固着部に相当する部分の展開図である。
【図6】リードフレームの外観を表した斜視図である。
【図7】セラミックセパレータの接続端子配置部に接続端子部材が配置された際の、リード線固着部と接続端子係止部との隙間間隔を表す説明図である。
【図8】接続端子部材の許容最大変形量を表す説明図である。
【符号の説明】
2…全領域空燃比センサ、4…検出素子、10…リードフレーム、19…接合部、24…接続端子部材、25…フレーム固着部、26…リード線固着部、27…連結変形部、28…屈曲部、30,31,32,34,36…電極端子部、46…リード線、48…セラミックセパレータ、66…リード線挿通孔、68…接続端子係止部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、センサ素子に設けられる電極端子部と接続されるリードフレームと外部回路接続用のリード線とを電気的に接続する接続端子部材を有するセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、センサ素子の後端側に設けられる電極端子部に接続するためのリードフレームが固着されるフレーム固着部を先端側に備えると共に、リード線が固着されるリード線固着部を後端側に備えて構成される接続端子部材を有するセンサが知られている。
【0003】
このような接続端子部材を有するセンサとしては、内燃機関などの排気系(排気管など)に設置し、排ガス中の酸素濃度等を測定するためのガスセンサや排ガス温度を測定するための温度センサなどが挙げられる。
そして、センサに用いられる接続端子部材としては、例えば、特許文献1に記載のように、フレーム固着部としての筒状部28と、リード線固着部としての芯線カシメ部24と、を備えて構成されたものがある(特許文献1参照)。
【0004】
この接続端子部材では、加締め固定によりリード線固着部(芯線カシメ部24)にリード線20が固着され、加締め固定および溶接によりフレーム固着部(筒状部28)にリードフレーム(電極リード16)が固着されている。これにより、接続端子部材は、リード線とリードフレームとを電気的に接続している。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−260431号公報(図3、接続端子18)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のセンサに備えられる接続端子部材は、リード線固着部とフレーム固着部との相対位置が常に一定の固定状態となる構成であるため、リード線に対して何らかの外力(引っ張り力)が印加された場合には、リード線固着部およびフレーム固着部に対して外力が直接的に作用して、リード線やリードフレームが接続端子部材から抜け落ちる可能性が高くなる。
【0007】
他方、接続端子部材が備えられるセンサにおいて、他の構成部材における製造寸法誤差の影響により、リードフレームとリード線との実際の相対距離が設計上の距離とは異なる値となる場合がある。このような問題については、リード線とリードフレームとの実際の相対距離に対して、接続端子部材の長さ寸法(リード線固着部からフレーム固着部までの寸法)が不足しないように、接続端子部材の長さ寸法を長めに設定しておくとよい。
【0008】
しかし、リード線とリードフレームとの実際の相対距離に対して、接続端子部材の長さ寸法が長すぎる場合には、接続端子部材およびリードフレームを限られた領域内(センサ内部)に収容するにあたり、リードフレームが湾曲した状態で配置されることがある。このようなリードフレームの変形に伴い、隣接するリードフレーム同士の接触やリードフレームと他の導電性部材(センサ素子の周囲を取り囲む外筒など)との接触などが生じて、接続端子部材およびリードフレームを含む電流経路に異常を生じる虞がある。
【0009】
そこで、本発明はこうした問題に鑑みなされたものであり、リード線に対して外力が印加された場合においても、リードフレームおよびリード線の抜け落ちが生じ難く、各電流経路を正常に維持できる接続端子部材を有するセンサを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、センサ素子の後端側に設けられる電極端子部に接続するリードフレームを固着するためのフレーム固着部を先端側に備えると共に、リード線を固着するためのリード線固着部を後端側に備え、リードフレームとリード線とを電気的に接続する導電性材料からなる接続端子部材を有するセンサであって、接続端子部材が、フレーム固着部とリード線固着部とを連結すると共に、フレーム固着部とリード線固着部との相対距離を変化させるように変形する連結変形部を備えること、を特徴とするセンサである。
【0011】
このセンサに備えられる接続端子部材は、フレーム固着部とリード線固着部とが連結変形部により連結されており、連結変形部が変形することで、フレーム固着部とリード線固着部との相対距離が変化するよう構成されている。
このため、リード線に外力(引っ張り力)が印加された場合には、連結変形部が変形することにより、外力が直接的にフレーム固着部およびリード線固着部に作用するのを避けることができる。これにより、リード線固着部からのリード線の抜け落ちや、フレーム固着部からのリードフレームの抜け落ちなどが、発生し難くなる。
【0012】
また、この接続端子部材は、連結変形部の変形によりフレーム固着部とリード線固着部との相対距離が変化することから、当該接続端子部材が備えられるセンサのうち他の構成部材に製造寸法誤差が生じた場合であっても、その製造寸法誤差を吸収して、リード線とリードフレームとを適切に接続することができる。つまり、他の構成部材により定められるリード線とリードフレームとの実際の相対距離に応じて、連結変形部が変形することにより、フレーム固着部とリード線固着部との相対距離を適切に設定することができる。
【0013】
これにより、リードフレームが他の導電性部材などと接触するのを防ぐことができ、接続端子部材およびリードフレームを含む電流経路を良好に確保することができる。
よって、本発明によれば、リード線に外力が印加された場合であっても、リード線やリードフレームが接続端子部材から抜け落ち難く、リード線とリードフレームとの導通を接続端子部材を介して良好に維持できるセンサを得ることができる。
【0014】
次に、上述のセンサについては、請求項2に記載のように、連結変形部が、リード線固着部からフレーム固着部に向かう軸線方向に平行な面における断面形状が略U字形に形成された屈曲部を有し、該屈曲部の変形によりフレーム固着部とリード線固着部との相対距離が変化するとよい。
【0015】
このセンサに備えられる接続端子部材においては、略U字形の開口部分が拡大する方向に屈曲部が弾性変形すると、フレーム固着部とリード線固着部との相対距離が長くなり、略U字形の開口部分が縮小する方向に屈曲部が弾性変形すると、フレーム固着部とリード線固着部との相対距離が短くなる。
【0016】
このため、リード線に対し、リードフレームから遠ざかる方向の外力(引っ張り力)が印加された場合には、略U字形の開口部分が拡大する方向に屈曲部が弾性変形して、フレーム固着部とリード線固着部との相対距離が長くなることで、外力が直接的にフレーム固着部およびリード線固着部に作用するのを避けることができる。
【0017】
また、リード線に対し、リードフレームに近づく方向の外力(押し込み力)が印加された場合には、略U字形の開口部分が縮小する方向に屈曲部が弾性変形して、フレーム固着部とリード線固着部との相対距離が短くなることで、リードフレームの変形(湾曲)を防止し、リードフレームが他の導電性部材などと接触するのを防ぐことができる。
【0018】
よって、本発明によれば、リード線やリードフレームが接続端子部材から抜け落ち難く、リード線とリードフレームとの導通を良好に維持できる。
次に、上述のセンサについては、請求項3に記載のように、屈曲部が、リードフレームの後端に当接すると共に、フレーム固着部とリードフレームとの相対位置を規定するように形成されるとよい。
【0019】
このセンサに備えられる接続端子部材においては、屈曲部およびフレーム固着部は共に接続端子部材を構成する部分であることから、屈曲部が変形していない場合には、両者の相対位置は一定となる。また、リードフレームの後端は、屈曲部に当接することにより屈曲部との相対位置が一定に定まることから、屈曲部に当接する状態のリードフレームは、フレーム固着部との相対位置についても一定に定まることになる。
【0020】
つまり、リードフレームをフレーム固着部に固着するにあたり、リードフレームの後端を屈曲部に当接させてフレーム固着部との相対位置を一定位置に設定しつつ、溶接、カシメあるいは圧入などを行うことで、フレーム固着部とリードフレームとの相対位置に誤差が生じるのを防ぐことができる。
【0021】
なお、リードフレームに当接する位置規定部を、屈曲部とは別に形成することで、フレーム固着部とリードフレームとの相対位置を規定することもできる。しかし、屈曲部が、フレーム固着部とリード線固着部との相対距離を変化させる機能と、位置規定部としての機能とを併せて備えることで、接続端子部材の構成を単純化することができ、製造コストの低減を図ることができる。
【0022】
よって、本発明によれば、フレーム固着部とリードフレームとの相対位置を適切に規定できると共に、低コストで製造することができる接続端子部材を有するセンサを得ることができる。
次に、上述のセンサにおいては、請求項4に記載のように、連結変形部は、自身の変形に必要な変形用荷重の大きさが、リードフレームをフレーム固着部から引き抜くために必要な引き抜き荷重(フレーム引き抜き荷重)およびリード線をリード線固着部から引き抜くために必要な引き抜き荷重(リード線引き抜き荷重)のいずれの荷重よりも小さいとよい。
【0023】
このセンサに備えられる接続端子部材は、リード線に外力が印加された場合において、リードフレームまたはリード線がフレーム固着部またはリード線固着部から引き抜かれる前に連結変形部が変形することとなり、リード線固着部およびフレーム固着部に対して外力が直接的に作用するのを確実に防ぐことができる。
【0024】
よって、本発明によれば、リード線やリードフレームが接続端子部材から抜け落ちるのを確実に防止でき、リード線とリードフレームとの電気的な接続状態を良好に維持することができる。
なお、連結変形部は、自身が破断しない範囲において連結変形部の変形量が最大値(許容最大変形量)となるときに、連結変形部に印加される荷重の大きさ(許容最大荷重)が、フレーム引き抜き荷重およびリード線引き抜き荷重のいずれの荷重よりも小さい値であることがより好ましい。これにより、連結変形部の変形量が許容最大変形量となるまでは、リード線固着部およびフレーム固着部に対して外力が直接的に作用するのを確実に防止することができる。
【0025】
次に、上述のセンサにおいては、請求項5に記載のように、リード線が挿通されるリード線挿通孔を有する絶縁部材が備えられており、リード線固着部は、リード線挿通孔には挿通できず、絶縁部材におけるリード線挿通孔の周囲部分に係止される形状に形成されているとよく、また、連結変形部は、フレーム固着部とリード線固着部との相対距離が拡大する変形方向への許容最大変形量が、リード線固着部が絶縁部材に係止される際の連結変形部の変形量よりも大きくなるように形成されているとよい。
【0026】
このようなリード線固着部および連結変形部を有する接続端子部材は、連結変形部の変形量が許容最大変形量となる前に、リード線固着部が絶縁部材に係止されることとなり、連結変形部が許容最大変形量を超えて変形するのを防ぐことができる。これにより、外力の印加に伴う連結変形部の破断、ひいては接続端子部材の断線を防ぐことができ、リード線とリードフレームとの電気的な接続状態を良好に維持することができる。
【0027】
よって、本発明によれば、リード線に対して外力が印加された場合であっても、接続端子部材の断線を防ぐことができると共に、接続端子部材およびリードフレームを含む電流経路の断線を防ぐことができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を適用した実施例を、図面と共に説明する。なお、本実施例では、特定ガスを検出するガスセンサの一種である全領域空燃比センサ2(以下、空燃比センサ2ともいう)について説明する。なお、空燃比センサ2は、自動車や各種内燃機関における空燃比フィードバック制御に使用するために、測定対象となる排ガス中の特定ガスを検出する検出素子(センサ素子)が組み付けられるとともに、内燃機関の排気管に装着される。
【0029】
図1は、実施例の接続端子部材24を備える空燃比センサ2の全体構成を示す断面図である。
空燃比センサ2は、排気管に固定するためのネジ部103が外表面に形成された筒状の主体金具102と、軸線方向(図中上下方向)に延びる板状形状をなす検出素子4と、検出素子4の径方向周囲を取り囲むように配置される筒状のセラミックスリーブ6と、検出素子4とセラミックスリーブ6との間に配置される5個のリードフレーム10と、外部回路(例えば、電子制御装置(ECU))接続用のリード線46にリードフレーム10を電気的に接続する接続端子部材24と、を備えている。
【0030】
検出素子4は、軸線方向に延びる板状形状をなし、測定対象となるガスに向けられる先端側(図中下方)に検出部8が形成され、後端側(図中上方)の外表面のうち表裏の位置関係となる第1板面21および第2板面23に電極端子部30,31,32,34,36が形成されている。リードフレーム10は、検出素子4とセラミックスリーブ6との間に配置されることで、検出素子4の電極端子部30,31,32,34,36にそれぞれ電気的に接続される。
【0031】
なお、主体金具102の筒内部には、検出素子4の径方向周囲を取り囲む状態で、筒状のセラミックホルダ106、タルク粉末108および上述のセラミックスリーブ6が、この順に先端側から後端側にかけて積層されている。また、セラミックスリーブ6と主体金具102の後端部との間には、加締リング112が配置されており、セラミックホルダ106と主体金具102の筒内部との間には、気密性を維持するためのパッキン109が配置されている。なお、主体金具102の後端部114は、加締リング112を介してセラミックスリーブ6を先端側に押し付けるように、加締められている。
【0032】
検出素子4は、軸線方向(図1における上下方向)に延びる板状形状に形成された素子部と、同じく軸線方向に延びる板状形状に形成されたヒータとが積層されて、長方形状の軸断面を有する板状形状に形成されている。なお、空燃比センサ2として用いられる検出素子4は従来公知のものであるため、その内部構造等の詳細な説明は省略するが、その概略構成は以下のようである。
【0033】
まず、素子部は、固体電解質基板の両側に多孔質電極を形成した酸素濃淡電池素子と、同じく固体電解質基板の両側に多孔質電極を形成した酸素ポンプ素子と、これらの両素子の間に積層され、中空の測定ガス室を形成するためのスペーサとから構成される。この固体電解質基板は、イットリアを安定化剤として固溶させたジルコニアから形成され、多孔質電極は、Ptを主体に形成される。また、測定ガス室を形成するスペーサは、アルミナを主体に構成されており、中空の測定ガス室の内側には、酸素濃淡電池素子の一方の多孔質電極と、酸素ポンプ素子の一方の多孔質電極が露出するように配置されている。なお、測定ガス室は、素子部の先端側に位置するように形成されており、この測定ガス室が形成される部分が検出部8に相当する。
【0034】
ついで、ヒータは、アルミナを主体とする絶縁基板の間に、Ptを主体とする発熱抵抗体パターンが挟み込まれて形成されている。
そして、素子部とヒータとは、セラミック層(例えば、ジルコニア系セラミックやアルミナ系セラミック)を介して互いに接合される。
【0035】
このような検出素子4では、第1板面21の後端側(図1における上側)に3個の電極端子部30,31,32が形成され、第2板面23の後端側に2個の電極端子部34,36が形成されている。電極端子部30,31,32は、素子部に形成されるものであり、1つの電極端子部は、測定ガス室の内側に露出する酸素濃淡電池素子の一方の多孔質電極と酸素ポンプ素子の一方の多孔質電極と共用する形で電気的に接続される。また、電極端子部30,31,32のうち残りの2つの電極端子部は、酸素濃淡電池素子の他方の多孔質電極と酸素ポンプ素子の他方の多孔質電極と各々電気的に接続されている。また、電極端子部34,36は、ヒータに形成されるものであり、ヒータの厚さ方向に横切るビア(図示せず)を介して発熱抵抗体パターンの両端に各々接続されている。
【0036】
つまり、電極端子部30,31,32は、排気ガス中の特定ガスの検出結果に応じた電流(検出電流)が流れる電流経路の一部を形成しており、電極端子部34,36は、ヒータの発熱に用いられる電流(ヒータ電流)が流れる電流経路の一部を形成している。
【0037】
そして、検出素子4は、図1に示すように、先端側(図1における下方)の検出部8が、排気管に固定される主体金具102の先端より突出した状態で、この主体金具102の内部に固定される。
一方、図1に示すように、主体金具102の先端側(図1における下方)外周には、検出素子4の突出部分を覆うと共に、複数の孔部を有する金属製の二重のプロテクタ42,43が、溶接等によって取り付けられている。
【0038】
また、主体金具102の後端側外周には、外筒44が溶接等により固定されている。外筒44の後端側(図1における上方)の内側には、5本のリード線46(2本は図示省略)を挿通するためのリード線挿通孔が形成されたセラミックセパレータ48とグロメット50とが配置されている。なお、リード線46は、検出素子4の各電極端子部30,31,32,34,36と外部との電気的接続を、接続端子部材24およびリードフレーム10を介して行うために備えられる。
【0039】
セラミックセパレータ48は、セラミックからなる絶縁材料で構成されており、軸線方向略中央の外周面に全周にわたり外向きに突出するフランジ部62が形成されている。このフランジ部62は、外筒44において内向きに突出する形態で形成された外筒側支持部64と、セラミックセパレータ48のうちフランジ部62よりも先端側部分(図1における下側部分)の周囲を包囲する筒状の筒状部材78と、の間で支持されている。なお、筒状部材78は、外筒44において内向きに突出する形状の筒状部材保持部79とセラミックセパレータ48の先端側部分との間で挟持されることにより保持されている。
【0040】
また、セラミックセパレータ48は、リード線46を挿通するために軸線方向に形成されたリード線挿通孔66と、リード線挿通孔66に連通した接続端子配置部67と、を備えている。
接続端子配置部67は、接続端子部材24を収容可能に形成されると共に、リード線挿通孔66の開口部の周囲に接続端子部材24(詳細には、後述するリード線固着部26)を係止可能な接続端子係止部68が形成されている。
【0041】
また、グロメット50は、ゴムなどの弾性材料で形成されており、外筒44の後端側の開口部の内側に配置され、外筒44に形成される加締め部65により保持されている。
検出素子4は、主体金具102の筒内先端側から順番に配置されるセラミックホルダ106、タルク粉末108、セラミックスリーブ6と、セラミックスリーブ6との間に配置されるリードフレーム10とを介して主体金具102に保持されている。また、検出素子4は、電極端子部30,31,32,34,36が形成された後端側における径方向周囲が、セラミックスリーブ6に覆われた状態で保持される。
【0042】
図2に、検出素子4および5本のリードフレーム10が挿通孔54に配置された状態のセラミックスリーブ6を2分割したときの縦断面を表す一部断面斜視図を示す。なお、図2では、セラミックスリーブ6のみを断面として表しており、検出素子4およびリードフレーム10は、断面ではなく外観を表している。
【0043】
セラミックスリーブ6は、図2に示すように、軸線方向に延びる筒状の本体部58と、本体部58の後端側(図における上方)に突出する突出部52と、本体部58の後端側外周面から外向きに延設された最も外径が大きい径大部51と、を備えて形成されると共に、検出素子4およびリードフレーム10を挿通するための挿通孔54が、中心軸部分の先端側から後端側にかけて貫通して形成されている。
【0044】
また、セラミックスリーブ6は、挿通孔54のうち、検出素子4の第1板面21および第2板面23に対応する内壁の後端側に、内壁面から内向きに突出して形成されるリブ部55がそれぞれ2個ずつ(図2では、1個のみを図示)備えられている。挿通孔54の後端側に備えられる4個のリブ部55は、6個のリードフレーム配置領域56(図2では、1個のみを図示)の境界を形成している。
【0045】
さらに、セラミックスリーブ6の後端面(図2における上端面)には、軸線方向(図2における上下方向)に高低差を有する凹凸形状に形成された後端面段差部57が形成されている。後端面段差部57は、セラミックスリーブ6のうち最も後端側に位置する4個の後端側凸状部59(図2では、2個の図示を省略)と、後端側凸状部59よりも先端側方向に窪んだ形状の6個の後端側凹状部60(図2では、2個の図示を省略)とから形成されている。なお、後端側凸状部59は、リブ部55と一体に構成されている。
【0046】
後端側凸状部59およびリブ部55は、リードフレーム配置領域56および後端側凹状部60に配置される複数のリードフレーム10どうしが接触するのを阻止する仕切り部として機能している。つまり、後端側凸状部59およびリブ部55を有するセラミックスリーブ6は、隣接して配置されるリードフレーム10どうしが電気的に導通するのを阻止することにより、電流経路が不良となるのを防止することができる。
【0047】
次に、リードフレーム10について説明する。
図6に、リードフレーム10の外観を表した斜視図を示す。なお、図6では、リードフレーム10のうち後述する後端面当接部17から接合部19に至る部分の一部を省略して表している。
【0048】
リードフレーム10は、導電性材料(インコネルなど)からなる板状部材を曲げ加工して形成されており、図6に示すように、フレーム本体12と、フレーム本体12の先端側(図における下側)が折り曲げられて形成された折曲部14と、を備えて構成されている。
【0049】
リードフレーム10のうちフレーム本体12の後端(図における上側端部)には、接続端子部材24に接合される接合部19が形成されている。また、フレーム本体12のうち検出素子4とセラミックスリーブ6(詳細には、挿通孔54の内壁面)との間に配置される部分には、検出素子4とセラミックスリーブ6との隙間間隔方向が振幅方向となる波形形状の波状部分16が形成されている。
【0050】
さらに、フレーム本体12のうちセラミックスリーブ6の後端面(詳細には、後端面段差部57)に配置される部分には、後端側凹状部60に当接する面を形成するように折り曲げられた後端面当接部17が形成されている。また、フレーム本体12のうち、後端面当接部17の先端側に隣接する位置決め部18は、セラミックスリーブ6のリードフレーム配置領域56に配置される。
【0051】
次に、接続端子部材24について説明する。
図3に、リードフレーム10およびリード線46が接続された状態の接続端子部材24の斜視図を示す。なお、図3では、リードフレーム10のうち軸線方向における中間部分を省略して表している。また、リード線46は、可撓性の導電性材料からなる芯線47と、芯線47の周囲を被覆する絶縁性材料からなる被覆部49と、を備えて構成されている。
【0052】
接続端子部材24は、導電性材料(例えば、インコネルなど)により形成されており、リードフレーム10(詳細には、接合部19)を固着するために先端側に形成されるフレーム固着部25と、リード線46(詳細には、芯線47)を固着するために後端側に形成されるリード線固着部26と、フレーム固着部25およびリード線固着部26を連結する連結変形部27と、を備えて構成されている。
【0053】
連結変形部27は、縦断面形状(換言すれば、リード線固着部26からフレーム固着部25に向かう軸線方向に平行な面における断面形状)が略U字形状に形成された屈曲部28を備えており、屈曲部28が弾性変形することでフレーム固着部25とリード線固着部26との相対距離を変化させるように構成されている。
【0054】
つまり、連結変形部27は、屈曲部28が略U字形の開口部分が拡大する方向に弾性変形することで、フレーム固着部25とリード線固着部26との相対距離が長くなるように変形する。また、連結変形部27は、屈曲部28が略U字形の開口部分が縮小する方向に弾性変形することで、フレーム固着部25とリード線固着部26との相対距離が短くなるように変形する。
【0055】
このため、リード線46に対し、リードフレーム10から遠ざかる方向の外力(引っ張り力)が印加された場合には、略U字形の開口部分が拡大する方向に屈曲部28が弾性変形して、フレーム固着部25とリード線固着部26との相対距離が長くなることで、外力が直接的にフレーム固着部25およびリード線固着部26に作用するのを避けることができる。
【0056】
また、リード線46に対し、リードフレーム10に近づく方向の外力(押し込み力)が印加された場合には、略U字形の開口部分が縮小する方向に屈曲部28が弾性変形して、フレーム固着部25とリード線固着部26との相対距離が短くなることで、リードフレーム10の変形(湾曲)を防止し、リードフレーム10が他の導電性部材(外筒44など)と接触するのを防ぐことができる。
【0057】
なお、屈曲部28は、自身の少なくとも一部がフレーム固着部25のうちリードフレーム10が挿通される部分の延長線上に配置されるように形成されており、フレーム固着部25に挿通されたリードフレーム10(詳細には、接合部19)の後端が当接するよう形成されている。そして、屈曲部28およびフレーム固着部25は共に接続端子部材24を構成する部分であることから、屈曲部28が変形していない場合には、両者の相対位置は一定となる。また、リードフレーム10は、屈曲部28に当接することにより屈曲部28との相対位置が一定に定まることから、屈曲部28に当接する状態のリードフレーム10は、フレーム固着部25との相対位置についても一定に定まることになる。
【0058】
つまり、屈曲部28は、リードフレーム10に当接して、フレーム固着部25に対するリードフレーム10の挿入寸法(挿入量)を規定することで、フレーム固着部25とリードフレーム10との相対位置を一定位置に設定している。
次に、図4に、リードフレーム10およびリード線46が接続される前の接続端子部材24を表す斜視図、および接続端子部材24の一部断面斜視図を示す。なお、図4では、左側に、リードフレーム10およびリード線46が接続される前の接続端子部材24を表す斜視図を示し、右側に、左側に示した接続端子部材24におけるB−B視断面を表した一部断面斜視図を示す。
【0059】
また、図5に、接続端子部材24のうち、連結変形部27の一部とフレーム固着部25に相当する部分の展開図を示す。
図5に示すように、フレーム固着部25は、連結変形部27の軸線方向先端側に連続して形成された平板状の背面部37と、背面部37の左側端部および右側端部からそれぞれ延設される2つの側面部38と、側面部38のうち背面部37との接続側とは反対側の端部に形成される2つの凸部39と、を備えて構成されている。
【0060】
なお、背面部37は、板面の略中央部分に板面の厚さ方向に貫通する四角形の開口部40が形成されている。開口部40の開口端面のうち先端側に位置する開口端面41は、フレーム固着部25におけるリードフレーム10の挿通方向(図における上下方向)に略垂直な面として形成されている。
【0061】
また、凸部39の先端部71は、後端部72に近づくほど側面部38との距離が長くなるテーパ形状に形成されている。なお、凸部39における先端部71とは、フレーム固着部25へのリードフレーム10の挿入時に、凸部39のうちで最先にリードフレーム10に接触する端部のことであり、凸部39における後端部72とは、凸部39におけるリードフレーム10の挿通方向の両端部のうち、先端部71とは反対側の端部のことである。
【0062】
このフレーム固着部25のうち、側面部38は、凸部39を有する端部が背面部37に対向するように、リードフレーム10の挿通方向に垂直な断面形状が略C字型に曲げ加工されることで、図4に示すように形成される。これにより、フレーム固着部25は、背面部37および2つの側面部38により、リードフレーム10の接合部19を包囲できる形状となる。
【0063】
なお、2つの凸部39は、側面部38が曲げ加工されたときにリードフレーム10に対向する部分の断面積の合計値が、開口部40の開口面積よりも小さくなるように形成されている。すなわち、2つの凸部39は、開口部40に対して同時に収容できる形状に形成されている。
【0064】
次に、図4に示すように形成された接続端子部材24に対して、リードフレーム10を加締めにより固着(固定)する作業手順について、簡単に説明する。
まず、接続端子部材24のフレーム固着部25に対して、接合部19を挿入可能な位置にリードフレーム10を配置し、そのあと、リードフレーム10をフレーム固着部25に挿入して、接続端子部材24の屈曲部28に接合部19(リードフレーム10の後端)が当接するまで、リードフレーム10を移動させる。このとき、凸部39の先端部71がテーパ形状であることから、リードフレーム10が凸部39に係止されることなく、滑らかにフレーム固着部25の内部にリードフレーム10を挿入させることができる。
【0065】
次に、側面部38のうち凸部39が形成された端部を背面部37に近づけるように、2つの側面部38に対して外力を印加することで、側面部38を加締め変形させる。この側面部38の変形に伴い、凸部39によりリードフレーム10(接合部19)の一部を開口部40に向けて変形させることにより、リードフレーム10の一部が開口部40の内部に配置される。つまり、背面部37の開口端面41および凸部39によりリードフレーム10(接合部19)を変形させて張り出し部11(図7参照)を形成させる。なお、張り出し部11は、リードフレーム10の軸線方向に対する垂直方向に突出する形状に形成される。
【0066】
このような側面部38の変形作業により、開口部40の開口端面41および凸部39のそれぞれにリードフレーム10の張り出し部11を係合させると共に、リードフレーム10をフレーム固着部25に加締め固定させることができる。
この結果、リードフレーム10の張り出し部11が開口部40の内部に配置されることにより、張り出し部11が開口端面41および凸部39のそれぞれに係合する状態となり、リードフレーム10は、フレーム固着部25から抜け落ちるのが防止される。また、リードフレーム10は、フレーム固着部25のうち凸部39および背面部37に確実に当接するため、接続端子部材24との電気的接続状態が良好となる。
【0067】
次に、接続端子部材24のうちリード線固着部26について簡単に説明する。
リード線固着部26は、図3および図4に示すように、連結変形部27から連続して形成されるリード線背面部80と、リード線背面部80の左右両側部からそれぞれ延設される2つのリード線側面部81と、を備えて構成されている。
【0068】
リード線固着部26は、2つのリード線側面部81がそれぞれ曲げ加工されることで、リード線背面部80と2つのリード線側面部81とによりリード線46の芯線47を包囲できる形状に形成される(図4参照)。そして、このように形成されたリード線固着部26に対してリード線46の芯線47を挿通した後、リード線背面部80および2つのリード線側面部81により囲まれる部分の断面積が縮小されるように、リード線側面部81を加締め変形させることで、リード線46の芯線47をリード線固着部26に固定することができる(図3参照)。
【0069】
次に、セラミックセパレータ48の接続端子配置部67に接続端子部材24が配置された際の、リード線固着部26と接続端子係止部68との隙間間隔L1を表す説明図を図7に示す。
接続端子部材24のうちフレーム固着部25は、接続端子配置部67での軸線方向における配置位置が、リードフレーム10(詳細には、リードフレーム10の後端部)の位置によって決定される。そして、接続端子部材24は、自身(詳細には、連結変形部27)が外力を受けていない場合には、図7に示すように、リード線固着部26と接続端子配置部67の接続端子係止部68との間に一定の隙間(隙間間隔L1)が生じる位置に配置される。
【0070】
なお、接続端子部材24のリード線固着部26は、軸線方向(図における上下方向)に垂直な断面形状における外径寸法の最大値が、セラミックセパレータ48のリード線挿通孔66の内径寸法よりも大きい形状に形成されている。具体的には、リード線固着部26のうち、リード線背面部80(図4参照)の幅方向における外径寸法(換言すれば、一方のリード線側面部81(図4参照)の最外端部から他方のリード線側面部81の最外端部までの寸法)リード線挿通孔66の内径寸法よりも大きい形状に形成されている。
【0071】
このため、接続端子部材24は、リード線側面部81がセラミックセパレータ48におけるリード線挿通孔66の周囲部分(リード線挿通孔66の先端側開口端面より形成される接続端子係止部68)に係止される形状となり、リード線挿通孔66に挿通することができない。
【0072】
次に、接続端子部材24の許容最大変形量を表す説明図を図8に示す。なお、図8では、左側に、外力(変形用荷重)を受けていない状態の接続端子部材24の側面図を示し、右側に、外力(引っ張り方向の変形用荷重)が印加されて、フレーム固着部25とリード線固着部26との相対距離が拡大する方向に連結変形部27が変形した状態の接続端子部材24の側面図を示す。
【0073】
接続端子部材24は、前述のように、外力の印加により連結変形部27(詳細には、屈曲部28)が変形することで、軸線方向における全長寸法が変化(縮小あるいは拡大)するよう構成されている。
図8の右側の図には、フレーム固着部25とリード線固着部26との相対距離が拡大する方向に連結変形部27が変形した状態であって、連結変形部27が破断する直前まで外力を印加したときの接続端子部材24の状態を示している。このときの変形量L2が、接続端子部材24における許容最大変形量L2となる。
【0074】
そして、本実施例の空燃比センサ2においては、空燃比センサ2を構成する構成部材(リードフレーム10やセラミックセパレータ48など)の各寸法に基づいて、許容最大変形量L2が隙間間隔L1よりも長くなるように、接続端子部材24の形状(軸線方向寸法や屈曲部28の形状)が設定されている。つまり、連結変形部27は、フレーム固着部25とリード線固着部26との相対距離が拡大する変形方向における許容最大変形量L2が、リード線固着部26がセラミックセパレータ48に係止される際の連結変形部27の変形量(換言すれば、隙間間隔L1)よりも大きくなるように形成されている。
【0075】
なお、このとき、フレーム固着部25は、リードフレーム10によって一定位置に規定されており、ほとんど移動することはない。
このようなリード線固着部26および連結変形部27を有する接続端子部材24は、連結変形部27の変形量が許容最大変形量L2となる前に、リード線固着部26の後端がセラミックセパレータ48の接続端子係止部68に係止されることとなり、連結変形部27が許容最大変形量L2を超えて変形するのを防ぐことができる。これにより、外力の印加に伴う連結変形部27の破断を防止し、接続端子部材24の断線を防ぐことができるため、リード線46とリードフレーム10との電気的な接続状態を良好に維持することができる。
【0076】
また、接続端子部材24は、連結変形部27が許容最大変形量L2だけ変形するために必要な外力(許容最大荷重)が、リードフレーム10をフレーム固着部25から引き抜くために必要な引き抜き荷重(フレーム引き抜き荷重)およびリード線46をリード線固着部26から引き抜くために必要な引き抜き荷重(リード線引き抜き荷重)のいずれの荷重よりも小さくなるように構成されている。具体的には、屈曲部28の形状を変更することで、変形用荷重の大きさと連結変形部27の変形量との関係が調整されている。
【0077】
このような接続端子部材24は、リード線46に外力が印加された場合において、リードフレーム10またはリード線46がフレーム固着部25またはリード線固着部26から引き抜かれる前に、連結変形部27が変形することになる。
なお、本実施例においては、セラミックセパレータ48が特許請求の範囲に記載の絶縁部材に相当する。
【0078】
以上、説明したように、本実施例の全領域空燃比センサ2に備えられる接続端子部材24は、フレーム固着部25とリード線固着部26とが連結変形部27により連結されており、連結変形部27が変形することで、フレーム固着部25とリード線固着部26との相対距離が変化するよう構成されている。
【0079】
このため、リード線46に外力(引っ張り力)が印加された場合には、連結変形部27が変形することにより、外力が直接的にフレーム固着部25およびリード線固着部26に作用するのを避けることができる。これにより、リード線固着部26からのリード線46の抜け落ちや、フレーム固着部25からのリードフレーム10の抜け落ちなどが、発生し難くなる。
【0080】
また、この接続端子部材24は、連結変形部27の変形により、フレーム固着部25とリード線固着部26との相対距離が変化するように構成されている。このため、全領域空燃比センサ2のうち接続端子部材24の他の構成部材(リードフレーム10、セラミックスリーブ6、セラミックセパレータ48など)に製造寸法誤差が生じた場合であっても、その製造寸法誤差を吸収して、リード線46とリードフレーム10とを適切に接続することができる。つまり、接続端子部材24は、空燃比センサ2において他の構成部材により定められるリード線46とリードフレーム10との実際の相対距離に応じて、連結変形部27が変形することにより、フレーム固着部25とリード線固着部26との相対距離を適切に設定することができる。
【0081】
これにより、リードフレーム10が、空燃比センサ2のうち他の導電性部材(外筒44など)と接触するのを防ぐことができ、接続端子部材24およびリードフレーム10を含む電流経路を良好に確保することができる。
また、接続端子部材24においては、リードフレーム10をフレーム固着部25に固着する際には、リードフレーム10の後端を屈曲部28に当接させることで、フレーム固着部25との相対位置が一定位置となるように容易に設定することができる。このようにして、接続端子部材24とフレーム固着部25との相対位置を一定位置に設定して、両者をカシメにより固着することで、フレーム固着部25とリードフレーム10との実際の相対位置が設計上の相対位置とは異なる位置となるのを防ぐことができ、誤差が生じるのを防ぐことができる。
【0082】
さらに、屈曲部28は、フレーム固着部25とリード線固着部26との相対距離を変化させる機能と、リードフレーム10とフレーム固着部25との相対位置を一定位置に規定する位置規定部としての機能とを併せて備えている。このため、位置規定部を屈曲部28とは別に備える必要が無くなり、接続端子部材24の構成を単純化することができ、接続端子部材24および全領域空燃比センサ2の製造コストの低減を図ることができる。
【0083】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、リードフレームと接続端子部材との固着方法およびリード線と接続端子部材との固着方法は、カシメに限られることはなく、溶接あるいは圧入などの固着方法を用いることができる。
【0084】
また、屈曲部は、断面形状が略U字形のものに限られることはなく、断面形状が略W字形や波状形状、略V字形状に形成されていてもよい。
さらに、接続端子部材の適用対象となるセンサは、全領域空燃比センサに限られることはなく、酸素センサ、NOxセンサ、温度センサなど他の種類のセンサに対して本発明の接続端子部材を適用することができる。
【0085】
また、リード線固着部の断面形状は、周方向の全てにおける径方向寸法がリード線挿通孔の内径寸法よりも大きい必要はなく、いずれか一部の方向における径方向寸法がリード線挿通孔の内径寸法よりも大きくなり、絶縁部材に係合するように形成されていればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の接続端子部材を備える空燃比センサの全体構成を示す断面図である。
【図2】検出素子およびリードフレームが挿通孔に配置された状態のセラミックスリーブの一部断面斜視図である。
【図3】リードフレームおよびリード線が接続された状態の接続端子部材の斜視図である。
【図4】リードフレームおよびリード線が接続される前の接続端子部材を表す斜視図および一部断面斜視図である。
【図5】接続端子部材のうち、連結変形部の一部とフレーム固着部に相当する部分の展開図である。
【図6】リードフレームの外観を表した斜視図である。
【図7】セラミックセパレータの接続端子配置部に接続端子部材が配置された際の、リード線固着部と接続端子係止部との隙間間隔を表す説明図である。
【図8】接続端子部材の許容最大変形量を表す説明図である。
【符号の説明】
2…全領域空燃比センサ、4…検出素子、10…リードフレーム、19…接合部、24…接続端子部材、25…フレーム固着部、26…リード線固着部、27…連結変形部、28…屈曲部、30,31,32,34,36…電極端子部、46…リード線、48…セラミックセパレータ、66…リード線挿通孔、68…接続端子係止部。
Claims (5)
- センサ素子の後端側に設けられる電極端子部に接続するリードフレームを固着するためのフレーム固着部を先端側に備えると共に、リード線を固着するためのリード線固着部を後端側に備え、前記リードフレームと前記リード線とを電気的に接続する導電性材料からなる接続端子部材を有するセンサであって、
前記接続端子部材は、前記フレーム固着部と前記リード線固着部とを連結すると共に、前記フレーム固着部と前記リード線固着部との相対距離を変化させるように変形する連結変形部を備えること、
を特徴とするセンサ。 - 前記連結変形部は、前記リード線固着部から前記フレーム固着部に向かう軸線方向に平行な面における断面形状が略U字形に形成された屈曲部を有し、該屈曲部の変形により前記フレーム固着部と前記リード線固着部との相対距離が変化すること、
を特徴とする請求項1に記載のセンサ。 - 前記屈曲部は、前記リードフレームの後端に当接すると共に、前記フレーム固着部と前記リードフレームとの相対位置を規定すること、
を特徴とする請求項2に記載のセンサ。 - 前記連結変形部は、自身の変形に必要な変形用荷重の大きさが、前記リードフレームをフレーム固着部から引き抜くために必要な引き抜き荷重および前記リード線を前記リード線固着部から引き抜くために必要な引き抜き荷重のいずれの荷重よりも小さいこと、
を特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のセンサ。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載のセンサあって、
前記リード線が挿通されるリード線挿通孔を有する絶縁部材を備えており、
前記リード線固着部は、前記リード線挿通孔には挿通できず、前記絶縁部材における前記リード線挿通孔の周囲部分に係止される形状であり、
前記連結変形部は、前記フレーム固着部と前記リード線固着部との相対距離が拡大する変形方向への許容最大変形量が、前記リード線固着部が前記絶縁部材に係止される際の前記連結変形部の変形量よりも大きいこと、
を特徴とするセンサ。
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