JP2004296080A - ディスク再生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高速送り時の送り速度を確保し得ると共に、モーター個々の最小起動電圧のばらつきによる影響を受けず、安定した微速送りを行わせることを可能にする。
【解決手段】 ピックアップを搭載したスライド部をディスクの半径方向に送るスライド送りモーターを備え、スライド送り後に上記スライド送りモーターに逆回転方向の電圧を供給してブレーキ力を作用させ制動させるディスク再生装置において、高速サーチ時、ブレーキ開始点の前記スライド送りモーターへの供給電圧を低下させ、スライド部の速度に対応したパルス幅を有するトラッククロス信号を発生する手段と、ブレーキ開始後、トラッククロス信号から得られるパルス幅が所定のパルス幅より大きいかを判定し、ブレーキ開始後の時間が、トラッククロス信号のトラックカウント数に対応した予め定められるブレーキ時間を経過したかを監視する。
【選択図】 図1
【解決手段】 ピックアップを搭載したスライド部をディスクの半径方向に送るスライド送りモーターを備え、スライド送り後に上記スライド送りモーターに逆回転方向の電圧を供給してブレーキ力を作用させ制動させるディスク再生装置において、高速サーチ時、ブレーキ開始点の前記スライド送りモーターへの供給電圧を低下させ、スライド部の速度に対応したパルス幅を有するトラッククロス信号を発生する手段と、ブレーキ開始後、トラッククロス信号から得られるパルス幅が所定のパルス幅より大きいかを判定し、ブレーキ開始後の時間が、トラッククロス信号のトラックカウント数に対応した予め定められるブレーキ時間を経過したかを監視する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ディスクに記録されている情報を再生する際、ディスクの半径方向にピックアップを移動させるスライド送りモーターを備えたディスク再生装置に関するものである。
上記のようなスライド送りモーターとして、一部の中・高級機ではリニアモーターが使用されている。しかしながら、リニアモーターによるスライド送りでは速度制御用の周辺回路が複雑となり、また、高精度のスライド機構が必要なためにコスト高となる。しかも、高速サーチを実現しようとすると消費電力も多くなる。
そこで、従来の普及型のディスク再生装置では、ピックアップのスライド送りモーターは、その殆どの装置で、DCブラシモーターがラック・ピニオン機構やボールネジ等と組合わせて使用されている。
DCブラシモーターによるスライド送りにおいては、図8に示すように、トラッキングサーボループでのラジアルアクチュエーターコイル51を駆動するためのBTL
(Balanced Transformer Less)ドライバー52への入力信号(TrackingDrive Signal :以下、TRD信号という)から、ローパスフィルター53を通して低域成分を抽出し、この信号にてスライドモータードライバー54を介してスライド送りモーターとしてのDCブラシモーター55を駆動し、ピックアップ56を搭載したスライド部57のスライド送りを行なっている。
(Balanced Transformer Less)ドライバー52への入力信号(TrackingDrive Signal :以下、TRD信号という)から、ローパスフィルター53を通して低域成分を抽出し、この信号にてスライドモータードライバー54を介してスライド送りモーターとしてのDCブラシモーター55を駆動し、ピックアップ56を搭載したスライド部57のスライド送りを行なっている。
上記のようなDCブラシモーター55は、低出力インピーダンスのBTLモータードライバー等を使用すれば、回路構造上、ドライブされていないときはモーターコイルがドライバー出力に連結、即ち低インピーダンス状態となる。このため、モータートライバーからのドライブ出力が停止されると、その後の惰性回転に伴う逆起電力によって、ブレーキがかかるようになる。
したがって、DCブラシモーターにより、トラックカウントによる高速サーチ動作を行う場合には、図9に示すように、
イ.まず、スタート時点(a点)でトラッキングサーボをOFFにする。
ロ.スライド送りモーターの所定の方向への回転を開始する(b点)。
ハ.トラッキングエラー信号でのトラッククロス信号をカウントするカウンターに所定の値をセットする(c点)。
ニ.カウンターがトラッククロス信号にて所定値に達したら、スライド送りモーターを停止する(d点)。→自然に逆起電力ブレーキがかかる。
ホ.スライド送りモーターの逆起電力ブレーキ及びスライド機構のロストルクでスライドが充分止まる迄待って(eで示す期間)、トラッキングサーボをONにする(f点)。という手順にて行われる。このように、DCブラシモーターでは、比較的容易な制御で、トラックカウントによる高速サーチが行われる。
イ.まず、スタート時点(a点)でトラッキングサーボをOFFにする。
ロ.スライド送りモーターの所定の方向への回転を開始する(b点)。
ハ.トラッキングエラー信号でのトラッククロス信号をカウントするカウンターに所定の値をセットする(c点)。
ニ.カウンターがトラッククロス信号にて所定値に達したら、スライド送りモーターを停止する(d点)。→自然に逆起電力ブレーキがかかる。
ホ.スライド送りモーターの逆起電力ブレーキ及びスライド機構のロストルクでスライドが充分止まる迄待って(eで示す期間)、トラッキングサーボをONにする(f点)。という手順にて行われる。このように、DCブラシモーターでは、比較的容易な制御で、トラックカウントによる高速サーチが行われる。
ところが、DCブラシモーターでは電力(電流)の供給経路にブラシ接点があるためにスパークの発生は避けられず、耐久性に大きな課題がある。一般的にDCブラシモーターの連続動作寿命は1,000時間程度である。そこで、スライド送りモーターに3相ブラシレスモーターを使用することが考えられる。このような3相ブラシレスモーターは、DCブラシモーターに比較してブラシ構造を持たないため、その耐久性は5,000〜10,000時間であり、DCブラシモーターに比較して5〜10倍である。
なお、上記のような3相ブラシレスモーターを駆動するモータードライバーは、例えば図10に示すような回路構成をなしている。すなわち、3相のモーターコイルC1〜C3にそれぞれ対応して、各々対をなす上側スイッチングトランジスタTr1〜Tr3と下側スイッチングトランジスタTr4〜Tr6とを備えたスイッチング回路が設けられている。また、上側スイッチグトランジスタTr1〜Tr3の各ベースに制御用PNPトランジスタTr7〜Tr9が接続され、これら制御用PNPトランジスタTr7〜Tr9のエミッタと、各上側スイッチングトランジスタTr1〜Tr3のコレクタとに、それぞれモーター電圧供給端子T23・T24を介してモーター電圧VMが供給されるようになっている。
このような回路構成において、各コイルC1〜C3に実際にかかる電圧VLは、上側スイッチングトランジスタTr1〜Tr3と下側スイッチングトランジスタTr4〜Tr6とのON抵抗による電圧降下VCESATだけ、モーター電圧VMから低下する。また、制御用PNPトランジスタTr7〜Tr9と上側スイッチングトランジスタTr1〜Tr3との間に、同図における外付けの抵抗CSに代えてダイオードを介設し、これにより、モーター電圧供給端子T23・T24を共通にしたモータードライバーでは、さらに、上記のダイオードでの電圧降下VDだけさらに低下する。したがって、
VL=VM−2VCESAT(−VD)
となる。
VL=VM−2VCESAT(−VD)
となる。
このため、VLが1V以上で安定して動作するモーターのときでも、モーター電圧VMとしては、最低でも2.0〜3.0Vが必要となる。したがって、モーター電圧VMの可変範囲の最大値を8Vと仮定してみると、モーターの動作可能な電圧のダイナミックレンジは、上記のような3相ブラシレスモーターでは20log 8/2〜20log 8/3(12dB〜8.5dB)程度となる。これは、前記したDCブラシモーターの約20dBと比較して格段に小さなものとなっている。
上記のように、3相ブラシレスモーターでは、DCブラシモーターと比較して、モーターの動作可能な電圧のダイナミックレンジが小さいため、DCブラシモーター採用時と同一の回転数/トルク特性のモーターを使用し、また、スライド送りのギア比を同一とした場合には、高速サーチ時やトラックカウント時のスライド送り速度を上げ、サーチ時間を短くしようとすると、以下の(1)〜(5)に示す問題を生じる。
(1)まず、図11に示すように、立ち上がり時定数ZmAの小さいモーターAの場合、その回転数/トルク特性は図12中のAのようになる。このような特性の3相ブラシレスモーターの場合、トラックカウントは早くできるが、前述のように、動作可能電圧レンジがDCブラシモーターと比較して小さいため、通常再生時における微速スライド送り時のモーター電圧を低くできない。この結果、このときのスライド送りの加速度が大きくなり、これによって、サーボ特性のマージンを逸脱し易く、不安定なシステムとなってしまう。
一方、図11および図12中、各Bで示す特性を有するモーターでは、起動トルクが小さく、立上がり時定数ZmBが大きいため、トラックカウントによる高速サーチが遅くなる。すなわち、図13に示すように、ディスクにおけるピットのEFM(Eight to
Fourteen Modulation)ノイズによるS/Nで決まる上限周波数fLIMの制約から、前記Aのモーターと同面積(面積がトラックカウント数を示す)となるまでトラックカウントを行わせようとすると、その時間が長くなり、トラックカウントでの高速サーチが遅くなる。
Fourteen Modulation)ノイズによるS/Nで決まる上限周波数fLIMの制約から、前記Aのモーターと同面積(面積がトラックカウント数を示す)となるまでトラックカウントを行わせようとすると、その時間が長くなり、トラックカウントでの高速サーチが遅くなる。
このように、3相ブラシレスモーターをスライド送りモーターとして使用する場合、3相モータードライブ回路によって、動作可能なモーター駆動電圧範囲が低電圧側でDCブラシモーターよりも狭く、このため、高速サーチと再生時の微速送り時とでの安定したサーボ特性の両立が不可能あるいは困難となる。なお、DCブラシモーターでも低電圧駆動時は同様の問題を生じる。
(2)3相ブラシレスモーターにおいて、DCブラシモーターのようにコイルをショートし、逆起電力によるブレーキ力を停止時に生じさせようとすると、各コイルに対応してショート回路を構成する外付けの部品を多数必要とする。
一方、逆起電力によるコイルショート方式のブレーキでは、磁気回路部やモーター機構部、また、ロストルク等のモーター特性のばらつきを考慮し、最悪条件を想定したブレーキ時間の設定が必要となる。このため、高速サーチやトラックカウント時のブレーキ時間を短縮することが困難である。
さらに、逆転ブレーキを使用してトラックカウント時のブレーキ時間の短縮を図る場合には、スライド部の速度検出を行ってブレーキ解除点を定める必要があり、このために専用の検出装置や制御回路等が別途必要となって、コスト高になる。
(3)トラックカウントによる高速サーチにおいて、逆転ブレーキによるブレーキ領域に次に述べる問題が生じる。一般に、図4のグラフ中で実線にて示すように、スライド速度の変化点、特に加速開始点(a点)やブレーキ開始点(b点)で、ピックアップは、その自己共振周波数および高次共振周波数での振動が生じる。このため、どのような方法でスライド部の停止検出を行っても、ピックアップのラジアルアクチュエーターのQ
(quality factor)に対してブレーキ開始点の加速度が大き過ぎたり、また、逆転ブレーキ時のトルクに対しスライド部の負荷荷重が小さくブレーキ時間が短くなり過ぎると、スライド部停止後もピックアップの振動が残り、トラックカウントの着地精度が悪化する。
(quality factor)に対してブレーキ開始点の加速度が大き過ぎたり、また、逆転ブレーキ時のトルクに対しスライド部の負荷荷重が小さくブレーキ時間が短くなり過ぎると、スライド部停止後もピックアップの振動が残り、トラックカウントの着地精度が悪化する。
なお、前述のDCブラシモーターにおいても、逆転ブレーキを併用する場合は同様となる。
(4)トラックカウントによる高速サーチを、図5に示すように少ないトラック数を対象とし、このとき、スライド送りモーターの逆転ブレーキ時の速度制御・停止検出にトラッククロス信号をカウンターに入力すると共に、このトラッククロス信号に基づくパルス幅検出を行う場合には、前記したピックアップの振動による誤検出が生じ易い。このため、ブレーキを停止するタイミングが早まり、必要なブレーキ時間が与えられずに、スライド部が止まる位置が先に進むこととなり、この結果、トラックカウントの着地精度が悪くなったり、特異点が生じたりする。
また、ディスクの偏心等でピックアップが自由中心にない時にトラックカウントを開始(トラッキングサーボOFF)すると、前述のピックアップの振動が大きくなったり、その位相がずれたりし、更にトラックカウントの着地精度が悪化する。
また、ディスクのきず、汚れ、外からの衝撃等による誤検出が生じた場合も、大幅に速い時点でブレーキが解除されてしまうこともある。
なお、DCブラシモーターでもブレーキ時間を短縮するために逆転ブレーキを併用すると、上記と全く同様の問題を生じる。
(5)キック動作によるトラックジャンプにおいて、キックによるラジアルアクチュエーターの移動分に対し、この移動量を補う分だけ3相ブラシレスモーターでスライド送りする場合(以下、このスライド送りをキックのアシストという)、キックのアシストを行う直前のモーターの状態がどうであったかにより、キックのアシストによるスライド送り量が大幅に変化する。
これは、3相ブラシレスモーターにおいて、停止時に各コイルをショートさせるショート回路がない構成(図10における3相モータードライバーの全波ドライブ回路で、端子T20にショート回路の接続なし)で、キックのアシストを行うときに生じるもので、この場合、モーター停止時に各コイルはOPENとなるため、コイルの充・放電流を考慮する必要が生じる。即ち、直前のモーターの状態がどうであったかにより、キックのアシストによるスライド送り量が変化する。
なお、DCブラシモーターにおいても、ショート回路のインピーダンスやモーターコイルのインピーダンスによるが、直前のモーター動作からキック・アシスト迄の時間が10msec付近以下からは影響を受け始める。
本発明は、ピックアップを搭載したスライド部をディスクの半径方向に送るスライド送りモーターを備え、
このスライド送りモーターへの通電を断続的に切換えてスライド部のスライド動作を間欠的に行わせ、
スライド送り後に前記スライド送りモーターに逆回転方向の電圧を供給してブレーキ力を作用させ制動させるディスク再生装置において、
高速サーチ時、
ブレーキ開始点の前記スライド送りモーターへの供給電圧を低下させるスライド送り制御手段と、
スライド部の速度に対応したパルス幅を有するトラッククロス信号を発生する手段と、
ブレーキ開始後、トラッククロス信号から得られるパルス幅が所定のパルス幅より大きいかを判定するパルス幅判定手段と、
ブレーキ開始後の時間が、トラッククロス信号のトラックカウント数に対応した予め定められるブレーキ時間を経過したかを、監視するブレーキ時間監視手段とを含むことを特徴とするディスク再生装置である。
このスライド送りモーターへの通電を断続的に切換えてスライド部のスライド動作を間欠的に行わせ、
スライド送り後に前記スライド送りモーターに逆回転方向の電圧を供給してブレーキ力を作用させ制動させるディスク再生装置において、
高速サーチ時、
ブレーキ開始点の前記スライド送りモーターへの供給電圧を低下させるスライド送り制御手段と、
スライド部の速度に対応したパルス幅を有するトラッククロス信号を発生する手段と、
ブレーキ開始後、トラッククロス信号から得られるパルス幅が所定のパルス幅より大きいかを判定するパルス幅判定手段と、
ブレーキ開始後の時間が、トラッククロス信号のトラックカウント数に対応した予め定められるブレーキ時間を経過したかを、監視するブレーキ時間監視手段とを含むことを特徴とするディスク再生装置である。
また本発明は、前記パルス幅判定手段および前記ブレーキ時間監視手段の出力に応答し、トラッククロス信号から得られるパルス幅が前記所定のパルス幅より大きく、かつブレーキ開始後の時間が、前記予め定めるブレーキ時間を経過した低速度時点cから、前記所定パルス幅判定時のパルス幅に基づいて、スライド送りモーターの停止までの継続時間をセットする継続時間セット手段をさらに含むことを特徴とする。
以上のように、本発明のディスク再生装置は、ピックアップを搭載したスライド部をディスクの半径方向に送るスライド送りモーターを備え、高速サーチ動作時、ブレーキ開始点bでスライド送りモータへの供給電圧を低下させ、パルス幅判定手段は、トラッククロス信号から得られるパルス幅が所定のパルス幅より大きいか、すなわちスライド部の速度が所定の値まで下がったかを判定し、ブレーキ時間監視手段は、ブレーキ開始後の時間が、トラッククロス信号のトラックカウント数に対応した予め定められるブレーキ時間t1を経過したかを判定する。したがってスライド部の速度が所定の値まで低下したことがトラッククロス信号のパルス幅に基づいて判定された場合でも、ブレーキ開始後の時間が、トラッククロス信号のトラックカウント数に対応した予め定められるブレーキ時間t1を経過していない場合には、所定のパルス幅を検出した後の結果を出力しないようにし、これによってたとえばピックアップの振動や、ディスクのキズ・汚れ、外乱等によるパルス幅の誤検出を防止することができる。
本発明の一実施例について図1ないし図7に基づいて説明すれば、以下の通りである。
図2に示すように、本実施例に係るディスク再生装置は、ピックアップ1が搭載されたスライド部2を備えている。ピックアップ1により検出されるトラッキング誤差信号はRF/AMP3で増幅され、トラッキングエラー信号TEとしてサーボLSI4に入力される。このサーボLSI4内の位相補償・フィルターAMP4aを通して、上記のトラッキングエラー信号TEはトラッキングドライブ信号TRDに変換される。この信号TRDが、トラッキングサーボループに沿ってラジアルアクチュエータードライバ5に入力されると、ピックアップ1に設けられているラジアルアクチュエーターコイル1aに通電され、トラッキングサーボが行われる。
図2に示すように、本実施例に係るディスク再生装置は、ピックアップ1が搭載されたスライド部2を備えている。ピックアップ1により検出されるトラッキング誤差信号はRF/AMP3で増幅され、トラッキングエラー信号TEとしてサーボLSI4に入力される。このサーボLSI4内の位相補償・フィルターAMP4aを通して、上記のトラッキングエラー信号TEはトラッキングドライブ信号TRDに変換される。この信号TRDが、トラッキングサーボループに沿ってラジアルアクチュエータードライバ5に入力されると、ピックアップ1に設けられているラジアルアクチュエーターコイル1aに通電され、トラッキングサーボが行われる。
一方、上記の装置におけるスライドサーボループには、マイクロコンピュータ(以下、マイコンと略記する)6が設けられている。上記のトラッキングドライブ信号TRDは、さらに、サーボLSI4内における1〜10Hz程度のローパスフィルタ4bを通して、ラジアルアクチュエーターコイル1aの平均偏移量を示す信号、即ち、スライド部2を動かすSlide Drive 信号(以下、SLD信号という)となり、A/D入力切換スイッチSW−1を介して、マイコン6のA/D入力ポートに入力されるようになっている。
さらに、上記のトラッキングドライブ信号TRDは、300〜500Hz程度のローパスフィルター7を通すことによって、ディスクの偏心成分を含むピックアップ1の実際の位置を示す高域(外乱・ノイズ等)を除去したTRDFS信号となり、このTRDFS信号も、上記のA/D入力切換スイッチSW−1を介して、マイコン6のA/D入力ポートに入力される。
マイコン6のAD入力ポートを通して取り込まれるSLD信号およびTRDFS信号から、マイコン6でピックアップ1の状態が把握される。このマイコン6のVM制御ポートからは、モーター電圧可変回路8を切換制御するVM制御信号が出力される。また、前述の図10に示すと同様の構成を有する3相モータードライバー9に対し、モーターの起動・停止をスタート・ストップさせるST/SP信号と、モーターの回転方向の切換信号(Dir信号)とがマイコン6から出力される。上記の3相モータードライバー9には、3相ブラシレスモーターから成るスライド送りモーター10が接続され、このモーター10の回転によって、前記スライド部2がディスクの半径方向にスライド送りされる。
なお、マイコン6には、前記トラッキングエラー信号TEに基づくトラッククロス信号が入力されるカウンター入力ポートがさらに設けられている。そして、マイコン6内には、前記のSLD信号およびTRDFS信号や、トラッククロス信号に基づいて、低速送り時切換制御手段や制動制御手段、スライド送り制御手段、間欠送り時制御手段として機能するソフトウェアが組込まれている。また、図示してはいないが、ガード時間記憶手段となるメモリや、タイマーが内蔵されている。
次に、上記のマイコン6によって制御されるスライド送り時の具体的な制御動作について、(1)ディスク再生時の微速送り時、(2)トラックカウント方式による高速サーチ時、(3)キック動作による低速サーチ時に分けて、順次説明する。
(1)ディスク再生時の微速送り時の制御
ディスク再生時の微速送り時には、前記のVM制御信号で、モーター電圧可変回路8を低電圧側(2〜3V)に切り換えると共に、マイコン6のAD入力制御ポートにスライドドライブ(SLD)信号が入力されるように、A/D入力切換スイッチSW−1が切換えられ、一定の時間間隔でSLD信号を取り込む。
ディスク再生時の微速送り時には、前記のVM制御信号で、モーター電圧可変回路8を低電圧側(2〜3V)に切り換えると共に、マイコン6のAD入力制御ポートにスライドドライブ(SLD)信号が入力されるように、A/D入力切換スイッチSW−1が切換えられ、一定の時間間隔でSLD信号を取り込む。
そして、その値が所定の値、即ち、ピックアップ1のシフト量が所定量となると、スライドの送り方向をSLD信号より判断して方向切換信号(Dir信号)で切り換え、図1(a)に示すようなスタート・ストップの制御信号をモータードライバー9に送り、スライド送りモーター10を駆動する。
同図(a)のように、マイコン6からパルス状のスタート・ストップ制御信号がモータードライバー9に入力されると、スライド送りモーター10のコイルには同図(b)に示すように略鋸歯状の電流が流れる。この電流波形からわかるように、上記のスタート・ストップ制御信号のパルス幅は、モーター電流の過渡応答の領域を超えないように小さくしている。これにより、コイルに流れる電流積は小さく、同じモーター電圧VMでは相対的に磁気エネルギーが小さくなる。この結果、スライド部に生じる加速度が抑えられる。
また、同図(c)には、スライド部2の速度変化を示しており、図のように、後追いパルスを加えることで瞬時の最大加速度を初回のパルス以上に上げずに、必要なスライド移動量が確保される。なお、同図では、時間経過と共に増加する面積が移動量を示し、一点鎖線は初回のパルスのみの移動量を示している。
(2)トラックカウント方式による高速サーチ時の制御
トラックカウント方式による高速サーチ時の制御手順について、図3を参照して説明する。まず、同図においてS1に示す「初期設定」のステップで、目標サーチ先までの所要トラックジャンプ本数が計算され、また、トラックカウントの方向がマイコンの方向切換Dir信号により設定される。
トラックカウント方式による高速サーチ時の制御手順について、図3を参照して説明する。まず、同図においてS1に示す「初期設定」のステップで、目標サーチ先までの所要トラックジャンプ本数が計算され、また、トラックカウントの方向がマイコンの方向切換Dir信号により設定される。
次いで、スライド送りモーター10に与える電圧VMが、VM制御信号でのモーター電圧可変回路8の切換えにより、高電圧側(5〜8V)に設定され、スタート・ストップ制御信号でスライド送りモーター10の駆動が開始される(S2)。なお、このとき同時に、マイコン6とサーボLSI4間のコントロール信号によって、サーボLSI4がトラックカウントモードに設定されると共に、トラッキングサーボがOFFされる。続いて、マイコン6のスタート・ストップ制御信号がスタートされ、スライド送りモーター10が起動し、トラックカウント状態へ移行する。
この時、トラッククロス信号が入力されるマイコン6内部のカウンターに、S1で計算したカウント数がセットされ(S3)、その後のスライド送り動作に伴って入力されるトラッククロス信号に基づいてトラックカウントが行われ、カウント毎に順次減算される(S4)。
ステップS4において内部カウンターでのカウント値が0に達したことが判別されると、逆転ブレーキを開始するモーター電圧がスライド送りモーター10に供給されるように、モーター電圧可変回路8が切換えられ、同時に、方向切換Dir信号により、逆回転方向に切換えられる(S5)。これによって、スライド送りに対し、逆転ブレーキによる制動が開始される。
この時、予め実験で求められている「トラックカウント数に対する最低限必要なブレーキ時間」のテーブルから、この時のトラックカウント数に応じたガードブレーキ時間がガードタイマーt1にセットされると共に(S6)、内部カウンターがパルス幅検出モードに設定される(S7)。
次いで、その後のトラッククロス信号から得られるパルス幅が所定のパルス幅Aより大きいか、即ち、スライド部の速度が所定の値の近く迄下がったかを判定し(S8)、Aを超えた時には、さらに、上記のガードタイマーt1が0に達しているか否かを判定する(S9)。すなわち、スライド部の速度が所定の値まで低下したことがトラッククロス信号に基づいて判別された場合でも、所定の時間経過していない場合には、所定のパルス幅を検出したとの結果を出力しないようになっている。これにより、例えばピックアップの振動や、ディスクのキズ・汚れ・外乱等によるパルス幅の誤検出が防止される。
その後、図4におけるc点、すなわち、所定パルス幅検出時のパルス幅に基づいてスライド部2の速度を算出し、この算出結果に基づいて、タイマーt2にその後のブレーキ継続時間をセットする(S10)。つまり、その後にスライド部2が停止する迄の制御は、ディスクの偏心成分によりトラッククロス信号に基づくパルス幅検出では正確にはできないため、スライド部2の速度から停止する迄の時間tを、次式で算出する。すなわち、c点での速度をv、スライド部2の質量をm、3相ブラシレスモーターから成るスライド送りモーター10の起動トルクをTとして、mv2/2=T×tからt=mv2/2Tにより継続時間tを算出する。なお、実際には上式におけるT(トルク)に入力系の動摩擦等を考慮し、安定してスライド部2が停止する時間tを定めている。
そして、上記の継続時間tが経過した時点で、スライド送りモーター10への電圧供給を停止する(S11、S12)。なお、ステップS12では、さらに、後述するキック動作時のタイマーt3への新たな時間設定も行われるが、その詳細については後で説明する。
なお、上記では、トラックカウント方式の高速サーチ時には、図2におけるモーター電圧可変回路8をVM制御信号で高電圧側(5〜8V)に切り換えて行う例を示したが、以下のように、ピックアップ1の振動を低減するために、トラックカウント動作時における供給電圧を適宜切換える制御構成とすることも可能である。
すなわち、前記の図4に示したように、特に、加速開始点aおよびブレーキ開始点bで、スライド送りモーター10からの加速度によりピックアップ1の振動が生じ、また、加速開始点aにおいて、ピックアップ1のラジアル自由中心からの偏移量が大きい時にスライド部2の加速が始まると、その振動振幅が大きくなったり、振動の位相が変化したりする。また、図5に示すように、ブレーキ時間が短くなると、振動がほとんど減少しないうちにパルス幅検出点に達する。これらの振動による所定パルス幅検出点cの誤検出によってトラックカウントのブレーキ領域のばらつきが生じ、着地精度が悪化する。
そこで、前記の図2に示したように、トラックカウント開始前にAD入力切換制御信号でA/D入力ポートに入る信号を前記のSLD信号から、TRDFS信号、即ち現時点のピックアップ1の位置を知る信号に切り換え、これにりより、自由中心付近に微速送りをし、その後、トラックカウントを開始できる。又、トラックカウント開始時点のモーター電圧VMをモーター電圧可変回路8で低電圧側に切り換え、スライド部2の加速開始後に段階的にVMを上げていくことにより、加速時のピックアップ1の振動を抑えることができる。
さらに、図4のブレーキ開始点bでのモーター電圧VMを低電圧側へ切り換えてブレーキ開始時の加速度を抑えたり、図5のような場合に、トラックカウント時のブレーキ時間が短くなり過ぎないようにしたりして、ピックアップ1の振動を極力減らすことができる。これにより、スライド部2の速度減少を示す図4の所定パルス幅検出点cを安定なものとし、トラックカウントの着地精度を向上できる。例えば、ディスク偏心が50〜60μm以下の場合、その着地精度をトラック数で±50本程度とすることが可能となる。
(3)キック動作による低速サーチ時の制御
3相ブラシレスモーターのドライブ回路内にモーターコイルをショートする機能を持たない場合にキックのアシスト微速送りをする際、モーターの直前の状態によってキックのアシストの移動量は大きく影響を受ける。
3相ブラシレスモーターのドライブ回路内にモーターコイルをショートする機能を持たない場合にキックのアシスト微速送りをする際、モーターの直前の状態によってキックのアシストの移動量は大きく影響を受ける。
そこで、本実施例においては、図2に示すマイコン6からのスタート・ストップ信号、方向切換信号Dirで3相モータードライバー9を制御し、スライド送りモーター10を駆動して、キック時のアシストを行う。
そのときの制御手順について、図6を参照して説明する。まず、ステップS21の「初期設定」ではキック本数が計算され、その計算結果とキックの方向とが設定される。次いで、上記のキック本数に対応する必要なアシスト量を、予め記憶されているテーブルから読み込む(S22)。このテーブルは、図7に示すような「駆動パルス幅対モーター回転角度」の関係を実験で予め求め、これよりアシスト量テーブルが作成されている。このテーブルから、キック本数に対応するアシストパルスが設定される。
次いで、図6のステップS23において、キックアシスト制御タイマーt3が0になっているか否かを判別する。このタイマーt3は、後述するステップS30にて設定されたもの、すなわち、前回のキックアシスト終了時に、セットされたものである。したがって、前回のキックアシスト終了後、タイマーt3でのセット時間が経過し、タイマーt3が0であればそのままステップS25に移行し、上記のセット時間が経過していなければ、S24で、上記のアシスト量テーブルに基づいて設定されたアシストパルスのパルス幅を、この時の残時間に応じて補正し、その後、ステップS25に移行する。
上記の補正は、前記のモーターコイルへの通電停止後、残留する電流エネルギーの蓄積の有無に対応するものである。すなわち、前記したように、3相ブラシレスモーターをスライド送りモーターとして使用し、このとき、3相全波方式のドライブ回路でモーター停止時にモーターのコイルを短絡する回路を持たず、また、直前のモーター動作からキックのアシスト迄の時間が短く、コイル内の残留エネルギーの影響がある場合には、キックのアシストによるスライド送り量が大幅に変化する。
そこで、直前のモーターの状態を記憶しておいて、モーターのコイルに蓄積されたE=LI2/2(L:モーターのインダクタンス、I:モーターに流れた電流)のエネルギーを求めて、上記のアシストパルスのパルス幅を補正する。これにより、前回のモーター動作からの経過時間が短く、モーターコイルの残留エネルギーが充分に自己放電していない場合でも、そのエネルギー蓄積量を考慮して安定なキックアシストが可能となる。
このように、タイマーt3での経過時間に応じた補正を行った後、キック動作が開始される(S25)。そして、ほぼ同時にキックアシストが開始され、上記のアシストパルスの出力が開始される(S26)。その後、所定の時間が経過したことがタイマーt4で検出されると(S27)、キックアシスト動作を完了し(S28)、スライド送りモーター10が停止される。
その後、上記のキックアシスト動作期間の長短を判別し(S29)、所定時間以上の場合には、その時間に応じた初期値が、前記キックアシスト制御タイマーt3に設定される(S30)。次いで、トラッキングサーボ系におけるキック動作の完了を待ち(S31)、その後、キック終了処理を行って(S32)、このときのキック動作制御を終了する。
なお、前回のモーター動作が、前記のトラックカウントによる高速サーチの場合には、図3におけるステップS12で、上記のキックアシスト制御タイマーt3への初期値のセットが行われる。
以上の説明のように、上記実施例においては、耐久性の高い3相ブラシレスモーターをスライド送りモーター10として使用し、また、上述した各制御機能を備えるスライド送りサーボ回路を設けて、ディスク再生装置が構成されている。
特に、従来、3相ブラシレス・モーターをスライド送りモーターとして使用する場合、DCブラシ・モーターに比較して、動作可能なモーター駆動電圧範囲がモータードライブ回路により低電圧側で制限され、このため、高速サーチと再生時の微速送り時のサーボ特性余裕の両立が不可能あるいは困難となるという課題を有していた。
これに対し、上記実施例では、微速送り時のスライド送りにソフトウェアーによるパルス幅制御駆動を行い、これにより、比較的高いモーター電圧でもスライド部2にかかる加速度を低めに抑えることができるようになっている。
すなわち、3相ブラシレスモーターの駆動可能電圧範囲が、上記の制御によって相対的に広げられたこととなる。また、必ず微速回転するモーター供給電圧VMで、上記のようなパルス波にして駆動し、しかも、マイコンのA/D入力でラジアルアクチュエーター1aのシフト量を検出して制御するため、モーター個々の最小起動電圧のばらつきによる影響を受けず、安定してラジアル・アクチュエーターの自由中心付近で微速送りができる。
この結果、より耐久性の高い高信頼性の高速サーチを備え、かつ、微速送りも安定して行なえるディスク再生装置を提供することができる。なお、上記の制御をDCブラシモーターでのスライド送りサーボに応用すれば、送りのギヤ比を上げての一層の高速サーチ化や、モーター電圧を低圧化しながら高速サーチ可能なディスク再生装置とすることが可能となる。
また、上記実施例では、トラックカウントによる高速サーチにおいて、トラックカウント領域(図4においてa点からb点までの領域)終了後に、3相ブラシレスモーターで逆転ブレーキを掛けるブレーキ領域の制御時には、トラッククロス信号をマイコン4のカウンター入力に加え、トラッククロス信号のパルス幅を検出し、所定の値迄スライドの送り速度が低下したことが検出されると、その後、その時点のスライド送り速度からスライド部2が完全に停止するように、t=mv2/2T(m:スライド部質量、T:モータートルク、v:スライド部の速度)で求まる時間tだけブレーキを継続するように制御する。
この場合、マイコン6のカウンターポートとスライドモーターをON/OFFする出力ポートおよびスライドモーターの正/逆転を制御する出力ポートを使用するだけで、別に制御用の周辺機構・回路、例えばFG検出・FV変換等を必要とせず、最小限の費用で比較的安定に逆転ブレーキの速度制御ができる。しかも、ブレーキ領域時間を従来のモーターコイルショートでの逆起動力によるブレーキより短縮でき、より高速サーチが可能となる。
また、上記実施例においては、トラックカウントによる高速サーチ時の3相モーターの逆転ブレーキによるブレーキ領域において、所定のパルス幅検出によってその後のブレーキ時間を制御をする場合に、トラックカウント領域の加速時間あるいは指定したトラックカウント数に相関した最低限必要なブレーキ時間のテーブルを予め記憶させている。そして、このブレーキ時間のテーブル値、即ち必要ブレーキ時間内に上記の所定パルス幅の検出が行われても、ブレーキ解除処理に移行しないようになっている。
これにより、ブレーキ時の速度制御におけるピックアップの振動や、ディスクのキズ・汚れ・外乱等によるパルス幅の誤検出に基づいて、ブレーキが解除されるのが抑制され、ブレーキ不足が防止される。この結果、トラックカウントの着地精度の向上、フェイルセーフが計れ、シーク時の一連の動作、即ち、トラック・カウントから次のキックへ移行した時に、キック本数をより少なくでき、平均的なシーク時間を短縮することができる。
さらに、上記実施例においては、トラックカウントによる高速サーチでのピックアップの振動を抑制するために、トラックカウント領域(モーター加速領域)及び逆転ブレーキ領域における速度変化点でのモーター電圧を低下させる制御を行っている。
つまり、3相ブラシレス・モーターを送りモーターとして使用したトラック・カウント方式の高速サーチにおいて、トラッククロス信号のパルス幅によりスライド部の速度低下の検出をする場合、トラックカウント領域及びブレーキ領域におけるスライド部2の速度変化点、即ち加速度が生じる時でのピックアップ1の振動によるピックアップ1とスライド部2との速度差が問題となる。言い換えると、速度制御の対称はスライド部2であるのに、その速度検出信号にピックアップ1から得られるトラッククロス信号を使用するため、ピックアップ1の振動が大きいと正確な速度制御ができないことになる。
そこで、上記のように、スライド部2の速度変化点でモーター電圧VMを低下させ、連続あるいは段階的に切換えていくことにより、ピックアップ1への加速度を抑えることがでる。またトラックカウント開始時には、ピックアップ1のラジアル方向の偏移量に応じた信号をローパスフィルター7を通してマイコン6のA/D入力ポートに取込み、これによって、ピックアップ1のシフト量を知ることで、トラックカウント開始時にピックアップ1のシフト量が大きいとその振動も大きくなる現象を抑えることができ、ほぼ正確なスライド速度制御が可能となる。特に、ピックアップ1の位置がラジアル方向での自由中心付近でトラックカウント(モーター加速)が開始されるように制御することで、さらに安定な着地精度を有するトラックカウント方式の高速サーチが可能となる。
なお、DCブラシモーターをスライド送りモーターに使用するトラックカウント方式の高速サーチにおいても、上記のような制御により、ピックアップの振動を防止することで、トラックカウントの誤カウントが防止される。また、前記した逆転ブレーキ領域で所定パルス幅検出を行う時も、上記のような制御が併用されることで、より安定したブレーキ制御が可能となる。
一方、上記実施例においは、キック動作時のアシスト送りでは、その直前のモーター非動作時間に応じた補正をモーター供給電圧に対して行っている。すなわち、キックのアシスト、即ち、ピックアップ1のシフトでトラックジャンプ実行時にスライド部2をピックアップ1のシフト分送る時、直前のモーターの状態をソフトウェアー上記憶しておいて、モーターのコイルに蓄積されたE=1/2LI2に応じた補正を行って、キックアシストを行う。
これにより、それぞれのキック本数に合ったアシスト量をより確実に行わせることができる。この結果、汎用低価格のショートブレーキ回路のない3相モータードライバーを使用した場合でも、安定した信頼性の高いキックアシストができ、連続キック動作が可能となって、短いトラックジャンプ時のシーク速度の速いディスク再生装置として構成することが可能となる。
なお、DCブラシモーターでも、ショート回路系のインピーダンスがあまり低くできない時には、上記同様の制御により、安定したアシストを行わせることが可能となる。このように、上記の実施例においては、スライド送りモーターを3相ブラシレスモーターで構成した例を挙げたが、本発明は、DCブラシモーターでスライド送りモーターを構成した装置にも適用することが可能である。
本発明は、次の実施の形態が可能である。
(1)ピックアップを搭載したスライド部をディスクの半径方向に送るスライド送りモーターを備え、スライド送り後に上記スライド送りモーターに逆回転方向の電圧を供給してブレーキ力を作用させ制動させるディスク再生装置において、スライド送りを開始する時の加速開始点やブレーキ力の作用状態に切換えるブレーキ開始点で、スライド送りモーターへの供給電圧を低下させるスライド送り制御手段が設けられていることを特徴とするディスク再生装置。
(1)ピックアップを搭載したスライド部をディスクの半径方向に送るスライド送りモーターを備え、スライド送り後に上記スライド送りモーターに逆回転方向の電圧を供給してブレーキ力を作用させ制動させるディスク再生装置において、スライド送りを開始する時の加速開始点やブレーキ力の作用状態に切換えるブレーキ開始点で、スライド送りモーターへの供給電圧を低下させるスライド送り制御手段が設けられていることを特徴とするディスク再生装置。
ディスク再生装置においては、速度変化点でのモーターコイルへの供給電圧を低下させることにより、このときにピックアップに作用する加速度を極力抑えることが可能になり、ピックアップに生じる振動を抑制することができる。この結果、ピックアップで検出されるトラッククロス信号でスライド送りを制御する場合でも、ピックアップの振動に伴う検出誤差が抑制され、このため、より正確なスライド速度制御が可能となる。
1 ピックアップ
2 スライド部
6 マイコン(制動制御手段、スライド送り制御手段、ガード時間記憶手段)
10 スライド送りモーター
2 スライド部
6 マイコン(制動制御手段、スライド送り制御手段、ガード時間記憶手段)
10 スライド送りモーター
Claims (2)
- ピックアップを搭載したスライド部をディスクの半径方向に送るスライド送りモーターを備え、
このスライド送りモーターへの通電を断続的に切換えてスライド部のスライド動作を間欠的に行わせ、
スライド送り後に前記スライド送りモーターに逆回転方向の電圧を供給してブレーキ力を作用させ制動させるディスク再生装置において、
高速サーチ時、
ブレーキ開始点の前記スライド送りモーターへの供給電圧を低下させるスライド送り制御手段と、
スライド部の速度に対応したパルス幅を有するトラッククロス信号を発生する手段と、
ブレーキ開始後、トラッククロス信号から得られるパルス幅が所定のパルス幅より大きいかを判定するパルス幅判定手段と、
ブレーキ開始後の時間が、トラッククロス信号のトラックカウント数に対応した予め定められるブレーキ時間を経過したかを、監視するブレーキ時間監視手段とを含むことを特徴とするディスク再生装置。 - 前記パルス幅判定手段および前記ブレーキ時間監視手段の出力に応答し、トラッククロス信号から得られるパルス幅が前記所定のパルス幅より大きく、かつブレーキ開始後の時間が、前記予め定めるブレーキ時間を経過した低速度時点cから、前記所定パルス幅判定時のパルス幅に基づいて、スライド送りモーターの停止までの継続時間をセットする継続時間セット手段をさらに含むことを特徴とする請求項1記載のディスク再生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004175886A JP2004296080A (ja) | 2004-06-14 | 2004-06-14 | ディスク再生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004175886A JP2004296080A (ja) | 2004-06-14 | 2004-06-14 | ディスク再生装置 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001379378A Division JP2002184134A (ja) | 2001-12-13 | 2001-12-13 | ディスク再生装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004296080A true JP2004296080A (ja) | 2004-10-21 |
Family
ID=33411344
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004175886A Pending JP2004296080A (ja) | 2004-06-14 | 2004-06-14 | ディスク再生装置 |
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JP (1) | JP2004296080A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012100414A (ja) * | 2010-11-01 | 2012-05-24 | Yokogawa Electric Corp | 伝送器電源装置 |
-
2004
- 2004-06-14 JP JP2004175886A patent/JP2004296080A/ja active Pending
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