JP2004294965A - オートフォーカス装置およびオートフォーカス方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ビデオカメラに対してテーブルが相対的に駆動され、位置P11乃至P15において、テーブル上の被写体の画像がサンプリングされる。各サンプリングにおいて、輝度成分の分散値AFV11乃至AFV15が演算される。各分散値は、判別2値化法により求められる値が最大となる輝度が閾値とされ、閾値以下の輝度の画素数と、閾値以上の輝度の画素数の比に基づいて、分散値AFV11乃至AFV15が演算される。本発明は、オートフォーカス装置に適用できる。
【選択図】 図11
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、オートフォーカス装置および方法に関し、特に、明るい被写体を観察する場合においても、フォーカス位置を正確に求めることができるようにしたオートフォーカス装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、顕微鏡用のオートフォーカス装置を先に提案した(例えば、特許文献1参照)。この提案においては、ビデオカメラから入力される映像信号から、リアルタイムで輝度ヒストグラムが生成され、生成された輝度ヒストグラムから輝度平均に対する分散値が計算される。
【0003】
顕微鏡の画像は、ピントが合った状態のとき、最もはっきりした状態となる。ピントが合った状態とは、輝度の明暗が最も良く分離された状態であり、このとき、輝度平均に対する分散値は最大とされる。
【0004】
一方、ピントが合っておらず、画像がボケた状態では(デフォーカス状態では)、明るい部分と暗い部分が混ざり合い、1つの輝度に近づいていくので、輝度が良く分離されない。そのため、輝度のばらつき(分散値)は、小さい値となる。
【0005】
そこで、特許文献1では、輝度平均に対する分散値が最も大きい値(最大値)となる位置が、ピントが合った状態となる最良のフォーカス位置とされる。
【0006】
【特許文献1】
特開平3−50513号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特に、被写体が明るい場合、特許文献1に示されるオートフォーカス方法では、最適なフォーカス位置を正確に求めることができないという課題があった。
【0008】
その理由について、以下に説明する。図1に示されるように、点光源1からの光は、集光レンズ2により位置f0に集光される。すなわち、位置f0は焦点とされる。光源は点光源1とされるので、輝度は、焦点とされる位置f0において、最も明るくなる。これは、点光源1からの光が、全て集光しているためである。このとき、位置f0における、点光源1からの光に対応する画像を点像と称する。
【0009】
一方、焦点とされる位置f0から離れた位置f1では、点光源1からの光が1点に集光しないため、点光源1からの光に対応する像が所定の面積を持つ(以下、点光源1からの光に対応する像をスポット画像と称する)。そのため、一般的には、位置f0における輝度より、位置f1における輝度の方が小さくなる(すなわち、暗くなる)。
【0010】
しかしながら、ビデオカメラで像を撮影した場合、点光源1の明るさが極めて明るい場合、ビデオカメラの撮像素子のダイナミックレンジを超えてしまうため、位置f1におけるスポット画像が、位置f0と同じ輝度で、面積だけが大きくなったように観察される。その結果、位置f0における分散値より位置f1における分散値の方が大きい値となる。そのため、特許文献1に記載のオートフォーカス方法では、焦点としての位置f0から若干ずれた位置f1が最適なフォーカス位置として誤検出されてしまうという課題があった。
【0011】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、被写体が明るい場合においても、最適のフォーカス位置を正確に求めることができるようにするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明のオートフォーカス装置は、所定の時間内でフォーカス位置を変えて被写体を順次撮影する撮影手段と、撮影手段により撮影して得られる各フォーカス位置毎の画像の輝度のクラス間分散の最大値を求める分散値演算手段と、フォーカス位置毎のクラス間分散の最大値に対応する輝度を閾値として、閾値以下の輝度の画素数と、閾値以上の輝度の画素の数により規定される判定値を演算する判定値演算手段と、判定値演算手段によって得られた判定値の最大値を求める最大値取得手段と、最大値取得手段によって得られた判定値の最大値に対応する位置を最適フォーカス位置として選択する選択手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
本発明のオートフォーカス方法は、所定の時間内でフォーカス位置を変えて被写体を順次撮影し、撮影して得られる各フォーカス位置毎の画像の輝度のクラス間分散の最大値を求め、フォーカス位置毎のクラス間分散の最大値に対応する輝度を閾値として、閾値以下の輝度の画素数と、閾値以上の輝度の画素の数により規定される判定値を演算し、判定値の最大値を求め、判定値の最大値に対応する位置を最適フォーカス位置として選択することを特徴とする。
【0014】
本発明のオートフォーカス装置および方法においては、所定の時間内でフォーカス位置が変えられて被写体が順次撮影され、撮影されて得られる各フォーカス位置毎の画像の輝度のクラス間分散の最大値が求められ、フォーカス位置毎のクラス間分散の最大値に対応する輝度が閾値とされて、閾値以下の輝度の画素数と、閾値以上の輝度の画素の数により規定される判定値が演算され、判定値の最大値が求められ、判定値の最大値に対応する位置が最適フォーカス位置として選択される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
図2は、本発明を適用したオートフォーカス装置の電気的構成例を示すブロック図である。
【0017】
オートフォーカス装置10においては、バス22を介して、A(Analog)/D(Digital)変換部12、記憶部13、RAM(Random Access Memory)14、表示部15、制御部16、入力部17、ROM(Read Only Memory)18、駆動部19、およびEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)21が相互に接続されている。A/D変換部12は、ビデオカメラ11と接続されており、駆動部19は、テーブル20と接続されている。
【0018】
ユーザは、スイッチ、ボタン、キーボード等により構成される入力部17を操作して、制御部16に、各種の指令を入力する。オートフォーカスの開始が指令されると、制御部16は、駆動部19を駆動し、IC(Integrated Circuit)ウェハ、プリント基板などの被写体が載せられたテーブル20を、所定の待機位置から、ビデオカメラ11により被写体を撮影する位置まで、一定の速度で移動させる。このテーブル20を移動させる一定の速度等のデータは、予めROM18またはEEPROM21に記憶されており、必要に応じて、適宜読み出される。勿論、テーブル20を停止させておき、ビデオカメラ11を一定の速度で相対的に移動させるようにしてもよい。
【0019】
駆動部19により、テーブル20が、ビデオカメラ11により被写体を撮影する位置まで駆動されると、ビデオカメラ11は、テーブル20に載せられているICウェハ、プリント基板等の被写体(図示せず)を撮影する。
【0020】
ビデオカメラ11により撮影された被写体(図示せず)のビデオ信号(アナログ信号)は、A/D変換部12に供給される。A/D変換部12は、供給されたビデオ信号(アナログ信号)を、デジタル信号に変換する。A/D変換部12は、デジタル信号に変換したビデオ信号を、バス22を介して、RAM14に供給し、記憶させる。また、制御部16は、RAM14に記憶されたビデオ信号を読み出し、バス22を介して表示部15に供給する。表示部15は、供給されたビデオ信号に対応する画像、すなわち、各フォーカス位置における被写体の画像を表示する。
【0021】
制御部16は、ROM18またはEEPROM21に予め記憶されている所定の時間(詳細は、図7を参照して後述する)を取得し、所定の時間(フレーム)毎に、RAM14に記憶されている映像信号の輝度信号を演算し、さらにその分散値を計算する。この所定の時間毎に計算された分散値は、対応するテーブル20の位置とともに、RAM14またはEEPROM21に記憶される。
【0022】
次に、図3のフローチャートを参照して、フォーカス装置10におけるフォーカス制御処理について説明する。この処理は、ユーザにより、入力部17が操作され、オートフォーカスの開始が指令されたとき開始される。
【0023】
ステップS1において、制御部16は、方向サーチ処理を実行する。この処理の詳細は、図4を参照して後述するが、制御部16は、この処理により、輝度平均に対する分散値(AFV)の最大値が存在する方向のサーチを行ない、サーチ方向(テーブル20をビデオカメラ11に対して相対的に移動させる方向)を検索し、設定する。
【0024】
ステップS2において、制御部16は、粗サーチによる最大値サーチ処理を実行する。この処理の詳細は、図6を参照して後述するが、制御部16は、ステップS1の処理により設定されたサーチ方向にテーブル20を移動させつつ、粗サーチにより分散値(AFV)の最大値を求め、分散値が最大値となる位置(フォーカス位置)を大まかに検出し、その位置で、テーブル20を停止させる。
【0025】
ステップS3において、制御部16は、微サーチによる最大値サーチ処理を実行する。この処理の詳細は、図8を参照して後述するが、制御部16は、ステップS2の処理により求められた粗サーチによる最大値を中心として、微サーチによる最大値サーチ処理を実行することにより、より正確なフォーカス位置を求める。
【0026】
このように、方向サーチ処理を実行し、その方向に、粗サーチによる最大値サーチ処理を実行し、さらに、微サーチによる最大値サーチ処理を行なうようにしたので、最適なフォーカス位置を迅速に求めることができる。
【0027】
図4は、図3のステップS1の処理、すなわち、方向サーチ処理を説明するフローチャートである。
【0028】
ステップS21において、制御部16は、基準位置P1のAFV(Auto Focus Value)をAFV1として演算する。具体的には、駆動部19が、テーブル20を、図5に示されるような基準位置P1まで駆動させると、制御部16は、基準位置P1におけるAFV(分散値)をAFV1として演算する。AFVの詳細な演算方法については、図13と図14を参照して後述するが、テーブル20上に載置されている被写体の画像がビデオカメラ11により撮像され、その輝度信号の分散値がAFVとして演算される。
【0029】
ステップS22において、制御部16は、ROM18またはEEPROM21に予め記憶されている範囲Dを読み出す。
【0030】
ステップS23において、制御部16は、基準位置P1から第1の方向に範囲Dだけ離れた位置P2のAFVをAFV2として演算する。具体的には、制御部16は、駆動部19を制御し、図5に示されるように、テーブル20を前ピン方向に位置P1から範囲Dだけ駆動させる。このとき、駆動された後の位置が位置P2とされる。制御部16は、位置P2におけるAFVをAFV2として演算する。
【0031】
図5に示されるように、いまの例の場合、第1の方向は、前ピン方向とされ、第2の方向は、後ピン方向とされている。位置P2は、基準位置P1より、第1の方向(前ピン方向)に範囲(距離)Dだけ離れている。
【0032】
ステップS24において、制御部16は、値Sを演算する。値Sは、式(1)に示される。
S=AFV1−AFV2 ・・・(1)
【0033】
ステップS25において、制御部16は、ステップS24の処理により求めた値Sが正であるか否かを判定する。このことは、ステップS21の処理により求めた基準位置P1の分散値(AFV1)が、ステップS23の処理により求めた基準位置P2の分散値(AFV2)より大きいか否かを判定していることと等価である。図5の例の場合、AFV1よりAFV2の方が大きい(AFV1<AFV2)ので、値Sは、負とされる(すなわち、ステップS25の処理では、NOと判定される)。
【0034】
ステップS25において、値Sが正であると判定された場合、すなわち、AFV1がAFV2より大きいとされた場合、処理はステップS26に進み、制御部16は、第1の方向と逆の第2の方向をサーチ方向と設定する。サーチ方向とは、分散値AFVの最大値が存在する方向(フォーカス(焦点)位置が存在する方向)を意味する。
【0035】
ステップS25において、値Sが負であると判定された場合、すなわち、AFV1がAFV2より小さいと判定された場合(図5の例の場合)、処理はステップS27に進み、制御部16は、第1の方向をサーチ方向とする。いまの例の場合、図5の前ピン方向が第1の方向とされるので、前ピン方向が、サーチ方向とされる。図5からも分かるように、位置P1より前ピン方向に、分散値AFVが最大となるフォーカス(焦点)位置が存在している。
【0036】
図4の処理により、基準位置P1に対する、分散値の最大値が存在する方向(サーチ方向)を求めることができる。
【0037】
なお、範囲Dは、ある程度の大きさを持つ。これは、局所的なピークや、雑音に影響されずに、最大値の方向を正しく検出するためである。しかしながら、例えば、図5の範囲(距離)D1で示されるような大きさに設定されると、範囲が広すぎるため、最大値を通り越してしまう。そのため、範囲Dは適当な値に設定される。
【0038】
図6は、図3のステップS2の処理、すなわち、粗サーチによる最大値サーチ処理を説明するフローチャートである。なお、この処理は、図3のステップS1の処理の後(図4のステップS26またはステップS27の処理の後)、すなわち、サーチ方向が設定された後、開始される。
【0039】
ステップS41において、制御部16は、第1の速度V1を設定する。第1の速度は、ROM18またはEEPROM21に予め記憶されているので、制御部16は、ROM18またはEEPROM21に記憶されている速度の中から、適当な速度を第1の速度V1として取得する。
【0040】
図7は、速度とサンプリングの関係を説明する図である。図7A乃至図7Cは、速度が異なり、駆動部19によりテーブル20を設定された速度で駆動させた場合において、一定の時間(100ms)間隔で、サンプリング(撮影)した場合におけるサンプリングの位置を示している。図7Aは最も速度が早く、図7Cが最も速度が遅く、図7Bは、速度がそれらの中間の値である場合を表わしている(すなわち、速度は、図7A>図7B>図7Cとされる)。
【0041】
分散値の演算は、所定の時間毎に行なわれる。例えば、図7の例の場合、100ms毎に行なわれる。そのため、速度が最も早い図7Aの場合が最もサンプリング間隔が粗くなり、速度が最も遅い図7Cの場合が最もサンプリング間隔が細かくなる。そのため、制御部16は、第1の速度を適宜の値に設定することにより、サンプリングの間隔を調整する。
【0042】
ステップS42において、制御部16は、駆動部19に指令を行ない、駆動部19は、この指令に基づいて、設定された第1の速度V1で、サーチ方向にテーブル20を移動させる。なお、このとき、制御部16は、表示部15に、各移動位置においてビデオカメラ11により撮像された画像を表示させる。
【0043】
ステップS43において、制御部16は、変数i=4と初期設定する。この変数iは、粗サーチのステップを表わしている。
【0044】
ステップS44において、制御部16は、ステップS42の処理の後、時間Tiだけ経過したか否かを判定する。いまの例の場合、TiはT4とされる(ステップS43の処理においてi=4と設定されているためである)。まだ、時間Tiだけ経過していないと判定された場合、処理は時間Tiが経過するまで待機される。
【0045】
ステップS44において、時間Ti(いまの例の場合、時間T4)だけ経過したと判定された場合、ステップS45において、制御部16は、いまの位置(いまの例の場合、位置P2から範囲M4だけ前ピン方向に移動した位置)のAFV(AFVmi)を演算する。いまの例の場合、i=4(ステップS43の処理によりi=4)、時間T4とされるので、分散値AFVm4が演算される。演算された分散値AFVm4は、分散値に対応するフォーカス位置とともに、RAM14に記憶される。
【0046】
具体的には、第1の速度が速度V1とされ、経過時間がT4とされるので、ステップS42の処理の後、速度V1×時間T4により演算される距離だけ、テーブル20が移動される。図5においては、移動距離が、範囲M4(=V1×T4)として示されている。制御部16は、位置P2から、範囲M4だけ、前ピン方向(第1の方向)、すなわち、サーチ方向に移動した位置におけるAFVm4を演算する。
【0047】
ステップS46において、制御部16は、i=0であるか否かを判定する。いまの例の場合、i=4なので、i=0ではないと判定される。i=0ではないと判定された場合、ステップS47において、制御部16は、i=i−1を演算する。すなわち、iが1だけデクリメントされる。いまの例の場合、i=4−1が演算され、i=3とされる。
【0048】
ステップS47の処理の後、またはステップS46において、i=0であると判定された場合、処理はステップS48に進み、制御部16は、ステップS45の処理の前(すなわち、ステップS44の処理においてYESと判定されたとき)から、時間Ti(いまの例の場合、時間T3)だけ経過したか否かを判定する。まだ、時間Ti(いまの例の場合、時間T3)が経過していないと判定された場合、処理は、時間Ti(いまの例の場合、時間T3)が経過するまで待機される。
【0049】
ステップS48において、時間Ti(いまの例の場合、時間T3)だけ経過したと判定された場合、処理はステップS49に進み、制御部16は、いまの位置における、分散値AFV(AFVmi)を演算する。いまの例の場合、ステップS47の処理によりi=3とされるので、AFVm3が演算される。演算された分散値AFVm3は、分散値に対応するフォーカス位置とともに、RAM14に記憶される。
【0050】
具体的には、第1の速度が速度V1とされ、経過時間がT3とされるので、ステップS44の処理の後、速度V1×時間T3により演算される距離だけ、テーブル20が移動される。図5においては、この移動距離が、範囲M3(=V1×T3)として示されている。制御部16は、位置P2から、範囲「M4+M3」だけ、前ピン方向(第1の方向)、すなわち、サーチ方向に移動した位置におけるAFVm3を演算する。
【0051】
ステップS50において、制御部16は、値Sを演算する。この場合、値Sは式(2)に示される。
S=AFVmi−AFVm(i+1) ・・・(2)
【0052】
いまの例の場合、i=3とされるので、式(2)は、式(3)に示されるようになる。
S=AFVm3−AFVm4 ・・・(3)
【0053】
すなわち、ステップS49の処理により演算されたAFVm3から、ステップS45の処理により演算されたAFVm4が減算される。
【0054】
ステップS51において、制御部16は、値Sが正であるか否かを判定する。図5の例の場合、位置P2からM4だけ移動した位置における分散値AFVm3の方が、位置P2からM4+M3だけ移動した位置における分散値AFVm4より大きいので、値Sは正とされる。値Sが正であると判定された場合、処理はステップS46に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0055】
具体的には、いまの例の場合、i=3とされるので、ステップS46の処理は、i=0でないと判定され、ステップS47において、iが1だけ減算され、i=2とされる。ステップS48において、時間T2が経過したとされた場合、AFVm2が演算され、i=2を式(2)に当てはめることにより、値Sが演算される。この場合においても、値Sは正であると判定されるので、処理はステップS46に戻り、ステップS51において値Sが正ではない(すなわち、負である)と判定されるまで、同様の処理が繰り返される。
【0056】
時間Tiは、iの値が小さくなる程、短くなるように設定されている。従って、図5に示されるように、間隔Miはiの値が小さくなる程、短くなる。これにより、迅速に、かつ、正確に分散値AFVの最大値を求めることができるようになる。
【0057】
ステップS46とステップS47の処理から分かるように、iの値は、0より小さくなることがない。すなわち、時間T0、第1の速度V1により求められる、最小の範囲M0に達すると、以後、一定の範囲M0とされる。
【0058】
ステップS51において値Sが負であると判定された場合、ステップS52において、制御部16は、AFVm+1を最大値として、対応する位置Prmを、RAM14に記憶させる。すなわち、値Sの極性が、範囲Dにおける極性と逆になったので、その直前の範囲M(i+1)との境界の分散値AFVm(i+1)が、粗サーチによる分散値の最大値とされる。
【0059】
具体的には、図5の例の場合、後ピン方向の範囲M0における分散値AFVm0と、前ピン方向の範囲M0における分散値AFVm0との差分(値S)が負であるとされるので(ステップS51の処理)、後ピン方向の範囲M0と、前ピン方向の範囲M0との境界の分散値範囲M0における分散値AFVm(i+1)が粗サーチによる分散値の最大値とされる。
【0060】
ステップS53において、駆動部19は、テーブル20を停止させる。これにより、粗サーチによる分散値の最大値とされる位置(粗く検出されたフォーカス位置)に、テーブル20を停止させることができる。
【0061】
図6の処理により、粗サーチにより、分散値の最大値の位置を求めることができる。範囲M0は、分散値AFVの最大値を迅速に求めるため、ある程度の広さを持たせてあるので、分散値AFVの最大値の位置に必ずしも正確に対応していない。そこで、粗サーチ処理の後(図3のステップS2の処理の後)、図3のステップS3に示されるように、さらに正確な位置を求める為の微サーチ処理が行なわれる。
【0062】
図8は、図3のステップS3の処理、すなわち、微サーチによる最大値サーチ処理を説明するフローチャートである。なお、この処理は、図3のステップS2の処理の後、すなわち、図6のステップS53の処理の後、開始される。
【0063】
ステップS71において、制御部16は、位置Prmを中心として、範囲Wを検索する。具体的には、位置Prmは、上述した図6のステップS52の処理によりRAM14に記憶されており、範囲Wは、ROM18またはEEPROM21に予め記憶されているので、制御部16は、RAM14から位置Prmを取得するとともに、ROM18またはEEPROM21から範囲Wを取得し、位置Prmを中心として範囲Wを設定する。
【0064】
ステップS72において、駆動部19は、制御部16からの指令に基づいて、範囲Wの端部Pwにテーブル20を移動させる。これにより、例えば、図9に示されるように、微サーチのサンプリング開始点が、位置Pwに移動される。
【0065】
ステップS73において、制御部16は、ROM18またはEEPROM21に予め記憶されている第2の速度V2を取得し、第2の速度V2を設定する。なお、微サーチのための第2の速度V2は、粗サーチにおける第1の速度V1より遅いものとされる。これは、粗サーチと比較して、微サーチの方で、より微細にフォーカス位置を検出するためである。
【0066】
例えば、粗サーチにおける速度が図7Aに示されるように設定される場合、微サーチにおける速度は、図7Bまたは図7Cに示されるように設定される。
【0067】
ステップS74において、駆動部19は、テーブル20を、設定された第2の速度V2で移動する。図9の例の場合、駆動部19は、位置Pwから、第2の方向(後ピン方向)に、第2の速度V2で移動される。
【0068】
ステップS75において、制御部16は、変数i=1と初期設定する。
【0069】
ステップS76において、制御部16は、ステップS74の処理の後、すなわち、テーブル20を第2の速度V2で移動させ始めてから、時間Tだけ経過したか否かを判定する。まだ、時間Tが経過していないと判定された場合、処理は、時間Tが経過するまで待機される。
【0070】
ステップS76において、時間Tが経過したと判定された場合、処理をステップS77進め、制御部16は、AFV(AFVi)を演算する。いまの例の場合、i=1なので、AFV1が演算される。
【0071】
ステップS78において、制御部16は、i=i+1を演算する。すなわち、変数iを1だけインクリメントする。
【0072】
ステップS79において、制御部16は、ステップS76の処理においてYESと判定された後(すなわち、ステップS77の処理の前)、時間Tが経過したか否かを判定する。まだ、時間Tが経過していないと判定された場合、処理は、時間Tが経過するまで待機される。
【0073】
ステップS79において、時間Tが経過したと判定された場合、ステップS80において、制御部16は、AFV(AFVi)を演算する。いまの例の場合、AFV2が演算される。この時間Tは、図6の粗サーチとは異なり、一定とされる。すなわち、位置Pwからフォーカス位置までサンプリングする間隔は、常に一定とされる。
【0074】
ステップS81において、制御部16は、値Sを演算する。値Sは、式(4)に示される。
S=AFVi−AFV(i−1) ・・・(4)
【0075】
ステップS82において、制御部16は、ステップS81の処理により演算した値Sが正であるか否かを判定する。いまの例の場合、i=2なので、正であると判定される。値Sが正であると判定された場合、処理はステップS78に戻り、それ以降の処理が繰り返される。すなわち、図6のステップS46乃至ステップS51の処理と同様に、値Sが負となる位置(分散値の最大値)が求められる。
【0076】
ステップS82において、値Sが正でない(負である)と判定された場合、処理はステップS83に進み、制御部16は、AFV(i−1)(値Sが負になる直前のAFVの値)を最大値とし、対応する位置Pmmを、RAM14に記憶させる。
【0077】
ステップS84において、駆動部19は、テーブル20を停止させる。
【0078】
図8の処理により、微サーチにより分散値が演算され、隣のフォーカス位置(時間T×速度V2により計算される距離だけ離れた位置)の分散値と順次比較され、最大値が求められる。そして、この最大値AFV(i−1)に対応する位置Pmmが、最終的に最適なフォーカス位置とされる。
【0079】
駆動部19は、最大値に対応する位置Pmmにおいてテーブル20を停止させるので、表示部15には、最も鮮明な被写体の画像(すなわち、ピントが合った画像)が表示される。
【0080】
次に、以上の処理において演算される、分散値AFVの求め方について説明する。
【0081】
各サンプリング位置においてビデオカメラ11により撮像されたフレームの画像を構成する各画素の明るさ(輝度)と頻度に対応するヒストグラムを作成した場合、いくつかの輝度の異なる広い領域があったとき(被写体が明るいとき)、例えば、図10に示されるように、ヒストグラムに山(頻度が大きい箇所、すなわち、極大値)と谷(頻度が小さい箇所、すなわち、極小値)が現れることが多い。そこで本発明では、判別2値化法で得られる閾値σB(k) 2に基づいて分散値AFVを演算する。このような双峰性ヒストグラムの場合、クラス間分散の最大値がヒストグラムの谷と対応し、閾値σB(k) 2とすることができる。この閾値σB(k) 2は、図10に示されるような双峰性ヒストグラムを所定の閾値σB(k) 2で2つに分けたとき、2つに分けられたグループ間の分散が最大になる。
【0082】
なお、判別2値化法については、例えば、文献「書名:画像認識論、著者:長尾真、発行者:株式会社 コロナ社、発行年月日:2000年8月25日、39頁乃至44」に開示されている。
【0083】
例えば、輝度レベルを0乃至255とし、輝度レベルiの頻度(画素数)をni(i=0乃至255)とした場合、そのフレームの全画素数Nは、式(5)により示される。
【数1】
【0084】
また、各輝度レベルiにおける確率を、それぞれ、Pi(i=0乃至255)とすると、各輝度レベルにおける確率は、式(6)により示される。
Pi=ni/N・・・(6)
【0085】
さらに、全画面における平均輝度Utは、式(7)により示される。
【数2】
【0086】
式(7)により示される平均輝度Utに、式(6)に示されるPiを代入することにより、式(8)が求められる。
【数3】
【0087】
また、輝度レベルk(k=0乃至255)を境界にした場合、輝度レベルk毎の画素数のkまでにおける平均Ukは、式(8)の「255」をkに置き代えることにより、式(9)に示されるように演算される。
【数4】
【0088】
さらに、輝度レベルが0乃至kまでの生起確率Wkは、式(10)により示される。すなわち、Wkは、輝度レベルkまでにおける各輝度レベルの生起確立の総和である。
【数5】
【0089】
このとき、そのフレームの全画素数の生起確率Wtは、式(11)により示され(すなわち、k=255とされる場合)、その値は1となる。
【数6】
【0090】
また、式(10)に、式(6)を代入することにより、式(10)は、式(12)に示されるようになる。
【数7】
【0091】
これらの式(5)乃至式(12)に基づく演算により、kにおけるクラス間分散σB(k) 2は、式(13)により定義される。
【数8】
【0092】
式(13)により定義されたkにおけるクラス間分散σB(k) 2を、各輝度レベルkについて演算し、最大のクラス間分散σB(k) 2におけるkが最適な閾値とされる。
【0093】
ただし、式(7)乃至式(13)は、ヒストグラムの総和が1となるように正規化された確率分布を想定している。そのため、ヒストグラムとして面積、すなわち、画素のカウント数をそのまま用いる場合、平均を毎回演算すると、処理に時間がかかる。そのため、本発明では、式(7)乃至式(13)を正規化しない場合の、輝度レベルk毎の画素数の全平均Ut、輝度レベルk毎の画素数の輝度レベルkまでにおける輝度総和Uk、輝度レベルk毎の画素数の輝度レベルkまでにおける総和Wk、および輝度レベル255までの画素数、すなわち、総面積Stを求めるようにする。これらの値は、以下の式(14)乃至式(17)に示される。
【数9】
【0094】
なお、式(17)に示される輝度レベル255までの総面積(総画素数)Stは、既知となる。また、A(i)は、輝度レベルiにおける面積(画素数)とされる(i=0乃至255)。
【0095】
以上の式(14)乃至(17)により、正規化しない場合のkにおけるクラス間分散σB(k) 2は、式(18)に示される。
【数10】
【0096】
式(18)に示される、閾値(kにおけるクラス間分散)σB(k) 2以下の面積をAFVに用いた場合、値のピーク付近では、広い面積(多い画素)の中の、数画素の変化(スポット画像が非常に小さく、点像に近い)となるので、値に対しての変化量が少なく、ピークの判定には不適となる。このため、最適フォーカス位置を検出するためには、AFVのピーク付近における変化量を大きくした方がよい。
【0097】
そこで、本発明では、閾値σB(k) 2以下の面積をそのまま使用せず、閾値σB(k) 2以上の面積に対する比を用いる。閾値以下の面積をALとし、閾値以上の面積をAHとすると、任意の位置におけるAFVは、式(19)により定義される。
AFV=AL/AH ・・・(19)
【0098】
総面積をStとした場合、式(19)は、式(20)に置き換えられる。
AFV=AL/(St−AL) ・・・(20)
【0099】
例えば、図11に示されるように、位置P13をフォーカス位置(焦点位置)として、位置P11乃至位置P15をサンプリングした場合について、以下に説明する。
【0100】
例えば、位置P12において、kにおけるクラス間分散をσB(k)12 2とし、kにおけるクラス間分散の最大値(すなわち、閾値)を閾値σB(u)12 2とした場合、閾値以下の面積AL12は、式(21)に示され、閾値以上の面積AH12は、式(22)に示される。なお、uは0乃至255の中のいずれか1つの値とされる。
【数11】
【0101】
上述した式(21)と式(22)を、式(20)に代入することにより、位置P12におけるAFV12は、式(23)に示されるようになる。
AFV12=AL12/(St−AL12) ・・・(23)
【0102】
また、例えば、位置P13において、kにおけるクラス間分散をσB(k)13 2とし、kにおけるクラス間分散の最大値(すなわち、閾値)を閾値σB(v)13 2とした場合、閾値以下の面積AL13は、式(24)に示され、閾値以上の面積AH13は、式(25)に示される。なお、vは0乃至255の中のいずれか1つの値とされる。
【数12】
【0103】
上述した式(24)と式(25)を、式(20)に代入することにより、位置P13におけるAFV13は、式(26)に示されるようになる。
AFV13=AL13/(St−AL13) ・・・(26)
【0104】
さらに、例えば、位置P14において、kにおけるクラス間分散をσB(k)14 2とし、kにおけるクラス間分散の最大値(すなわち、閾値)を閾値σB(g)14 2とした場合、閾値以下の面積AL14は、式(27)に示され、閾値以上の面積AH14は、式(28)に示される。なお、gは0乃至255の中のいずれか1つの値とされる。
【数13】
【0105】
上述した式(27)を、式(20)に代入することにより、位置P14におけるAFV14は、式(29)に示されるようになる。これにより、式(28)を演算する必要がなくなるため、AFVを迅速に求めることができる。
AFV14=AL14/(St−AL14) ・・・(29)
【0106】
このとき、式(23)、式(26)、および式(29)に示される、それぞれのAFVの値(AFV12,AFV13、AFV14の値)は、AFV12<AFV13、かつ、AFV13>AFV14となる。すなわち、AFVの値が、最良のフォーカス位置(焦点位置)で、最大となる。
【0107】
このように、閾値以下の面積をそのまま用いることなく、閾値以上の面積に対する比を用いてAFVを求めるようにしたので、最良のフォーカス位置で、最大となるAFVを迅速、かつ、確実に検出することができる。
【0108】
このとき、全画素数を1000として、閾値以上の最小面積を10とした場合におけるピークの違いを図12に示す。
【0109】
図12において、曲線Aは、閾値以下とされる場合における面積の変化を表わし、曲線Bは、閾値以上とされる場合における面積の変化を表わし、曲線Cは、閾値以上と閾値以下とされる場合における面積の比の変化を表わしている。曲線Cが急峻で、検出が容易であることが判る。
【0110】
図13と図14のフローチャートを参照して、AFV演算処理について説明する。なお、このフローチャートは、以上の点を考慮して作成されたものであり、上述した図4,図6,および図8のフローチャートにおいてAFVを演算する場合に、毎回、この処理が行なわれる。
【0111】
ステップS101において、制御部16は、サンプリングされたフレームの画像の各画素の輝度成分のヒストグラムhist[i]を求める。具体的には、上述したA(i)(i=0乃至255)が求められる。
【0112】
ステップS102において、制御部16は、全画素の輝度平均Utと全画素数Stを求める。具体的には、式(14)に基づいて、全画素の輝度平均Utが求められる。
【0113】
ステップS103において、制御部16は、k=0,Wk=0,Uk=0と初期設定する。
【0114】
ステップS104において、制御部16は、Wk=Wk+hist[k]を演算する。この式の右辺は、直前の輝度kにおける値を表わしているが、k=0の場合、それより前の輝度は存在しないので、ステップS103の処理によりWk=0、k=0とされており、W0=hist[0]×0(すなわち、W0=A(0))とされる。
【0115】
ステップS105において、制御部16は、Uk=Uk+hist[k]×kを演算する。いまの場合、ステップS103の処理によりUk=0とされているので、U0=hist[0]×0=0とされる。
【0116】
ステップS106において、Wk=0であるか否かが判定される。上述したように、Wkは輝度k毎の画素数のkまでにおける総和であり、式(18)のクラス間分散の計算において、Wk=0とされた場合、ゼロ除算が生じるため、エラーとなる。そのため、ステップS106において、Wk=0であると判定された場合、処理はステップS107に進み、制御部16は、dk(いまの場合、dk=d0)=0と設定する。dkは、上述した式(18)に示される、kにおけるクラス間分散σB(k) 2と等価とされ、この値が0とされる。その後、処理はステップS110に進む。
【0117】
ステップS110において、制御部16は、演算されたdkをRAM14に記憶させる。いまの例の場合、ステップS107の処理によりd0=0とされたので、d0=0が記憶される。
【0118】
ステップS111において、制御部16は、k=k+1と設定する。すなわち、kに1が加算される。いまの例の場合、ステップS103の処理によりk=0とされていたので、この処理によりk=1とされる。その後、処理はステップS104に戻り、それ以降の処理が繰り返される。すなわち、k=1の場合の演算が行なわれる。
【0119】
ステップS104において、制御部16は、Wk=Wk+hist[k]を演算する。いまの例の場合、ステップS111の処理によりk=1とされたので、W1=W0+hist[0]が演算される。その後、ステップS105において、制御部16は、Uk=Uk+hist[k]×kを演算する。いまの例の場合、k=1とされるので、U1=U0+hist[0]が演算される。
【0120】
ステップS106において、制御部16は、Wk=0であるか否かを判定する。いまの場合、ステップS106により、W1=W0+hist[0]とされるので、hist[0]の値が0であれば、W1=0となり、ステップS107で、再びd1=0とされる。hist[0]の値が0でなければ、W1は0ではなくなるので、Wk=0ではないと判定される。Wk=0ではないと判定された場合、処理はステップS108に進む。
【0121】
ステップS108において、制御部16は、Wk=Stであるか否かを判定する。Stは上述したように、式(17)により求められる、総面積(全画素数)である。Wk=Stとされる場合、上述したように(式(18)参照)、エラーとなるので、この処理が行なわれる。Wk=Stではないと判定された場合、ステップS109において、制御部16は、dk=(Ut×Wk−Uk)2/Wk(St−Wk)を演算する。すなわち、制御部16は、式(18)に基づく演算を行ない、kにおけるクラス間分散を求める。
【0122】
ステップS109の処理の後、または、ステップS107の処理の後、ステップS110において、制御部16は、dkをRAM14に記憶させる。具体的には、dkは、ステップS109の処理により演算されたdk、または、ステップS107の処理により設定されたdk(=0)とされる。いまの例の場合、ステップS109の処理により演算されたdkが記憶される。
【0123】
ステップS111において、制御部16は、k=k+1と設定する。すなわち、kに1を加算する。いまの例の場合、前回のステップS111の処理によりk=1とされていたので、この処理によりk=2とされる。その後、処理はステップS104に戻り、それ以降の処理が繰り返される。すなわち、k=2における処理が行なわれ、同様の処理が、ステップS108においてWk=Stである(全画素についての処理が行なわれた)と判定されるまで繰り返される。
【0124】
ステップS108において、Wk=Stであると判定された場合、ステップS112において、制御部16は、式(18)の演算を行なうとエラーとなるので、dk=0と設定する。
【0125】
ステップS113において、制御部16は、RAM14に、dkの値(いまの場合、dk=0)を記憶させる。
【0126】
ステップS114において、制御部16は、RAM14に記憶されている複数のdkの中から、最大のdkの値(輝度のクラス間分散の最大値)を求める。このことは、上述したように、閾値を求めることと等価である。
【0127】
ステップS115において、制御部16は、最大のdkが得られるkまでの画素数WkをALpと設定する。具体的には、式(24)のvがkに置き換えられ、AL13がALpに置き換えられることにより画素数ALpが求められる。
【0128】
ステップS116において、制御部16は、ステップS115の処理により求めたALpと、全画素数Stが等しいか否か(ALp=Stであるか否か)を判定する。上述したようにALpと全画素数Stが等しい場合、上述したように、式(20)の演算処理AFVが無限大となってエラーとなるので、このような場合には、処理はステップS117に進められる。
【0129】
ステップS116において、ALp=Stであると判定された場合、ステップS117において、制御部16は、AFVp=0と設定する。すなわち、その点において求められるAFVの値は0であるとされる。
【0130】
ステップS116において、ALp=Stではないと判定された場合、ステップS118において、制御部16は、AFVp=ALp/(St−ALp)を演算する。すなわち、上述した、式(20)に示されるように、その位置におけるAFVが求められる。
【0131】
図13と図14の処理により、閾値と閾値以下の面積を求めるようにして、AFVを算出するようにしたので、最適なフォーカス位置(焦点位置)において、AFVの値を最も大きくすることができる。すなわち、上述した図3,図4,図6,および図8において、AFVを求める場合(例えば、図4のステップS21やステップS23においてAFVを求める場合)、図13と図14の方法により求めるようにすることにより、極めて明るい被写体であっても最適なフォーカス位置を求めることができる。
【0132】
以上のように、判別2値化法により閾値を設定するようにし、さらに、閾値以下(または閾値以上)の面積をパラメータとして、AFVを算出するようにしたので、最良のフォーカス位置において、分散値AFVを最も大きくすることができ、もって、極めて明るい被写体の場合においても、画像のピントが正確に合った状態となる最良のフォーカス位置を求めることができる。
【0133】
なお、本明細書において、各フローチャートを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0134】
【発明の効果】
以上の如く、本発明によれば、最適なフォーカス位置を求めることができる。特に、本発明によれば、被写体が極めて明るい場合においても、画像のピントが合った状態となる最良のフォーカス位置を、迅速かつ正確に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の光学系における焦点の位置を説明する図である。
【図2】本発明を適用したオートフォーカス装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】図1のオートフォーカス装置におけるオートフォーカス制御処理を説明するフローチャートである。
【図4】図3のステップS1の方向サーチ処理を説明するフローチャートである。
【図5】粗サーチを説明する図である。
【図6】図3のステップS2の粗サーチ処理を説明するフローチャートである。
【図7】移動速度に対応するサンプリング間隔を説明する図である。
【図8】図3のステップS3の微サーチ処理を説明するフローチャートである。
【図9】微サーチを説明する図である。
【図10】輝度に対する頻度を説明する図である。
【図11】光学系の焦点の位置とそれに対応するAFVを説明する図である。
【図12】閾値を説明する図である。
【図13】AFVの演算処理を説明するフローチャートである。
【図14】AFVの演算処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
10 オートフォーカス装置
11 ビデオカメラ
15 表示部
16 制御部
18 ROM
19 駆動部
20 テーブル
21 EEPROM
Claims (2)
- 所定の時間内でフォーカス位置を変えて被写体を順次撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影して得られる各フォーカス位置毎の画像の輝度のクラス間分散の最大値を求める分散値演算手段と、
前記フォーカス位置毎の前記クラス間分散の最大値に対応する輝度を閾値として、前記閾値以下の輝度の画素数と、前記閾値以上の輝度の画素の数により規定される判定値を演算する判定値演算手段と、
前記判定値演算手段によって得られた前記判定値の最大値を求める最大値取得手段と、
前記最大値取得手段によって得られた前記判定値の最大値に対応する位置を最適フォーカス位置として選択する選択手段と
を備えることを特徴とするオートフォーカス装置。 - 所定の時間内でフォーカス位置を変えて被写体を順次撮影し、
撮影して得られる各フォーカス位置毎の画像の輝度のクラス間分散の最大値を求め、
前記フォーカス位置毎の前記クラス間分散の最大値に対応する輝度を閾値として、前記閾値以下の輝度の画素数と、前記閾値以上の輝度の画素の数により規定される判定値を演算し、
前記判定値の最大値を求め、
前記判定値の最大値に対応する位置を最適フォーカス位置として選択する
ことを特徴とするオートフォーカス方法。
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