JP2004294213A - スキャン機能付フリップフロップ回路およびスキャンテスト回路ならびにスキャンテスト回路配線方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】スキャン機能付フリップフロップ回路を直列接続してスキャンパスを構成したスキャンテスト回路において、クロックスキューの影響による回路の誤動作を防止する。
【解決手段】クロック入力端子CK1とスキャンテスト用のクロック入力端子CK2およびクロック出力端子CKOを備えたスキャン機能付フリップフロップ回路10a,10bを複数直列接続してスキャンパスを構成したスキャンテスト回路30において、スキャンパスを構成するスキャン機能付フリップフロップ回路10bのクロック出力端子CKOから、その一段前のスキャン機能付フリップフロップ回路10aのスキャンテスト用クロック入力端子CK2へスキャンパスのクロック信号配線を行い、スキャンイネーブル信号SEによりスキャンデータSIとクロック信号CK2を選択して入力する。
【選択図】図1
【解決手段】クロック入力端子CK1とスキャンテスト用のクロック入力端子CK2およびクロック出力端子CKOを備えたスキャン機能付フリップフロップ回路10a,10bを複数直列接続してスキャンパスを構成したスキャンテスト回路30において、スキャンパスを構成するスキャン機能付フリップフロップ回路10bのクロック出力端子CKOから、その一段前のスキャン機能付フリップフロップ回路10aのスキャンテスト用クロック入力端子CK2へスキャンパスのクロック信号配線を行い、スキャンイネーブル信号SEによりスキャンデータSIとクロック信号CK2を選択して入力する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、近年、大規模化および複雑化しているシステムLSIなどにおいてテスト容易化設計のために用いられるスキャン機能を有するスキャン機能付きフリップフロップ回路およびそれを用いたスキャンテスト回路ならびにスキャンテスト回路配線方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば携帯型電話機や携帯型情報端末機器などの通信機能を有する電子機器の普及に伴って、これらの電子機器に使用されているLSIの小型化、高速化、低消費電力化に対する要求が急速に高まっている。このような要求により、半導体製造技術において微細化が進み、一つのLSIに集積される回路の規模が飛躍的に増大している。その結果、LSI内部に組み込まれた全ての機能を外部からテストすることが非常に困難になってきており、この状況に対応するため、様々なテスト容易化設計技術(DFT:Design For Testability)が開発されている。
【0003】
このようなテスト容易化設計技術の一つとして、LSIの故障検出率を向上させるために用いられているスキャンテスト回路がある。スキャンテスト回路は、既存のフリップフロップ回路にスキャン機能を設けて接続し、シフトレジスタ構成としたものである。そのテスト時には、テスト信号(スキャン入力信号)を入力してスキャンパスを通って出力された信号を検出することによって、スキャンパスによって分断された論理回路部分(順序回路接続)をテストすることができる。
【0004】
しかしながら、上述したように半導体製造技術の微細化に伴って、回路全体の遅延に占める配線遅延の割合が増大するため、クロックスキュー(クロック信号の位相ずれ)や最小パス遅延、最大パス遅延などの整合性を図ることが困難となり、回路を正常に動作させるためには、レイアウト時に遅延素子を挿入したり、駆動素子のドライブ能力を向上させるなどといった措置が必要になっている。
【0005】
特に、スキャンテスト回路に関しては、その構成がシフトレジスタと同等であるため、その最小パス遅延は、次段のフリップフロップ回路のクロックスキューを考慮したホールド時間を満たす必要がある。
【0006】
以下に、従来の一般的なスキャンテスト回路の構成およびその問題点について説明する。
【0007】
図3を用いて、従来のスキャン機能付きフリップフロップ回路10´の構成を説明する。図3において、このスキャン機能付きフリップフロップ回路10´は、マスターラッチ回路11およびスレーブラッチ回路12、クロックバファ13、マルチプレクサ14、インバータ15を有している。
【0008】
クロックバファ13は、インバータ131,132を有しており、クロック信号CLKを入力してクロック信号CKおよび反転クロック信号CKNを出力するようにしている。
【0009】
マルチプレクサ14は、スキャンイネーブル信号SEに応じて、通常動作時には入力データ信号Dを、スキャン動作時にはスキャン入力信号SIを選択出力する。
【0010】
マスターラッチ回路11は、クロックドインバータ111,112とインバータ113とを有しており、クロック信号CLKのロウレベル(Low)区間で入力データを取り込み、クロック信号CLKのハイレベル(High)区間では取り込んだデータを保持する。
【0011】
スレーブラッチ回路12は、クロックドインバータ121,122とインバータ123とを有しており、クロック信号CLKのハイレベル(High)区間でマスターラッチ回路11からの出力信号を取り込み、クロック信号CLKのロウレベル(Low)区間では取り込んだデータを保持する。スレーブラッチ回路12からの出力は、データ出力信号Qとして出力されると共にインバータ15を介して反転データ出力信号QNとして出力される。
【0012】
ここで、このように構成された従来のスキャン機能付きフリップフロップ回路10´を用いてスキャンテスト回路を構成した場合の問題点について説明する。
【0013】
図4(a)は、上記図3に示すフリップフロップ回路10´を用いて構成したスキャンテスト回路30´の構成を示すブロック図である。図4(b)は、図4(a)に示すスキャンテスト回路30´の一動作例を示すタイミングチャートである。
【0014】
図4(a)において、このスキャンテスト回路30´は、スキャン機能付きフリップフロップ回路(上記スキャン機能付きフリップフロップ回路10´にて構成されている)10´a、10´bと、通常動作の際に使用される組み合わせ回路20とを有している。実際には、スキャン機能付きフリップフロップ回路10´aの前段、およびスキャン機能付きフリップフロップ回路10´bの後段にも、同様の回路が接続されてスキャンパスが構成されており、スキャン動作(スキャンイネーブル信号SEがハイレベル)の際には、これらがシフトレジスタと同様に動作することになる。スキャン動作時には、組み合わせ回路20からの出力はスキャン機能付きフリップフロップ回路10´a、10´bのデータ入力端子Dから取り込まれないため、組み合わせ回路20の動作はスキャンテストに影響を与えない。
【0015】
ここで、CLK_aはスキャン機能付きフリップフロップ回路10´aに入力されるクロック信号であり、CLK_bはスキャン機能付きフリップフロップ回路10´bに入力されるクロック信号である。また、SI_aはスキャン機能付きフリップフロップ回路10´aに入力されるスキャン入力信号であり、Q_aはスキャン機能付きフリップフロップ回路10´aから出力されるデータ出力信号である。SI_bは、スキャン機能付きフリップフロップ回路10´bに入力されるスキャン入力信号である。Q_bはスキャン機能付きフリップフロップ回路10´bから出力されるデータ出力信号である。ここでは、両スキャン機能付きフリップフロップ回路10´a,10´bに入力されるスキャンイネーブル信号SEはハイレベルで、このスキャンテスト回路30´はスキャン入力信号が選択されてスキャン動作をする。
【0016】
図4(b)のタイミングチャートに示すように、クロックスキューの影響により、後段のスキャン機能付きフリップフロップ回路10´bのクロック信号CLK_bが前段のスキャン機能付きフリップフロップ回路10´aのクロック信号CLK_aから遅延して位相がずれた状態で入力されている。このため、例えばクロック信号CLK_aの立ち上がり時刻4aにおいてスキャン機能付きフリップフロップ回路10´aから出力されたデータD2が、クロック信号CLK_bの立ち上がり時刻4b以前(T41の期間)に後段のスキャン機能付きフリップフロップ回路10´bに入力されると、クロック信号CLK_bがロウレベルである期間T41にマスターラッチ回路11(図3参照)によってデータD2が取り込まれるため、クロック信号CLK_bの立ち上がり時刻4bから立ち下がり時刻(クロック信号CLK_bのハイレベル期間)にマスターラッチ回路11から出力されるデータD2がスレーブラッチ回路12によって取り込まれる。
【0017】
その結果、本来であれば、時刻4bにおいてスキャン機能付きフリップフロップ回路20からデータD1が出力されるべきであるにも関わらず、データD2が出力されてしまい、スキャンテスト回路が誤動作を起こすことになる。
【0018】
このような誤動作を防ぐために、従来から、前段のスキャン機能付きフリップフロップ回路10´aの出力端に遅延素子を挿入するなどといった方法も用いられているが、回路の大規模化および微細化が進むにつれて、配線遅延も含めた回路遅延の見積もりが困難となり、レイアウト時に大量の遅延素子を挿入する必要が生じ、回路規模や消費電力を増大させてしまうという問題があった。
【0019】
この問題を解決するために、配置配線時にクロック信号を出力するバッファの出力端から、最初にシフトレジスタ回路の最終段に接続されているフリップフロップ回路のクロック入力端に至る配線路を形成し、次に直列接続された後段のフリップフロップ回路のクロック入力端から前段のフリップフロップ回路のクロック入力端に至る配線路を順次形成する工程を繰り返すことにより、シフトレジスタを形成することにより、誤動作を防ぐようにした信号配線方法が開示されている(特許文献1参照)。
【0020】
図5は、上記特許文献1に開示されているクロック信号配線方法を用いて構成したスキャンテスト回路30´´の構成を示すブロック図である。
【0021】
図5において、このスキャンテスト回路30´´は、スキャン機能付フリップフロップ回路(上記スキャン機能付きフリップフロップ回路10´にて構成されている)10´a、10´b、10´c、10´dと、通常動作の際に使用される組み合わせ回路20、およびバッファ19を有している。スキャン動作時(スキャンイネーブル信号SEがハイレベルの時)には、組み合わせ回路20からの出力はスキャン機能付きフリップフロップ回路10´a、10´b、10´c、10´dのデータ入力端子Dから取り込まれないため、組み合わせ回路20の動作はスキャンテストに影響を与えない。
【0022】
図5のスキャンテスト回路30´´では、最初にクロック信号の信号源であるバッファ19から、最終段のフリップフロップ回路である10´dのクロック入力端への配線路を形成し、次に、前記フリップフロップ回路10´dのクロック入力端から、その前段のフリップフロップ回路である10´cのクロック入力端への配線路を形成する。同様にして、後段のフリップフロップ回路のクロック入力端から前段のフリップフロップ回路のクロック入力端への配線路を形成する要領で、フリップフロップ回路10´b、10´aへのクロック信号の配線路の形成を行う。
【0023】
これにより、クロック信号源であるバッファ19から、各フリップフロップ回路10´a、10´b、10´c、10´dに至るクロック信号の配線路長は、最終段のフリップフロップ回路10´dへの配線路長が最も短く、前段のフリップフロップ回路になるに従って後段のフリップフロップ回路への配線長よりも順次長くなり、先頭のフリップフロップ回路10´aへの配線路長が最も長くなる。その結果、前段のフリップフロップ回路のクロック信号の入力端におけるクロック信号の立ち上がり(又は立ち下り)エッジが、その後段のフリップフロップ回路のクロック信号の入力端におけるクロック信号の立ち上がり(又は立ち下り)エッジよりも時間的に遅延して入力されることになり、図5に示すスキャンテスト回路が誤動作を起こすことを防ぐことができる。
【0024】
【特許文献1】
特開平7−312094号公報
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に開示されている手法では、配置配線時にスキャンパスに接続されているフリップフロップ回路の接続順序の情報をもとに配線路を形成する必要があるために、回路データ(ネットリスト)を配置配線ツールに入力する際に、回路データからスキャンパスの情報、およびそのスキャンパスに接続されているフリップフロップ回路の接続順序の情報を抽出する必要がある。さらに、配置配線ツールにおいても、抽出された上記フリップフロップ回路の接続順序情報をもとに、最後段のフリップフロップ回路からクロック配線を行うように対応する必要があり、作業の手間が増大する。
【0026】
また、図5に示されたスキャンテスト回路30´´では、クロック配線は1種類のみとなっているが、回路の高速化が進んでくると回路のセットアップ時間を満たすことが必要不可欠となり、スキャンテスト回路30´´のクロック信号配線では前段のフリップフロップ回路へのクロック信号よりも後段のフリップフロップ回路へのクロック信号が必ず遅れて入力されることになるので、このままでは回路のセットアップ時間が満たされない可能性があり、そのような場合には通常動作時およびスキャン動作時それぞれの場合について、別系統のクロック配線が必要となる。
【0027】
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、従来のように配置配線時の手間を考えることなく、クロックスキューの影響により誤動作を起こすことを防止できるスキャン機能付フリップフロップ回路およびスキャンテスト回路を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によるスキャン機能付フリップフロップ回路は、データ入力信号およびスキャン入力信号の何れか一方の信号をクロック信号のタイミングに応じて取り込んで保持するとともに、この保持した一方の信号を出力するスキャン機能付フリップフロップ回路であって、前記保持する信号に応じてフリップフロップ回路の内部で使用される2種類のクロック信号入力端子と、一方のクロック信号を出力するためのクロック出力端子を有することを特徴とする。
【0029】
また、好ましくは、本発明によるスキャン機能付フリップフロップ回路は、スキャンイネーブル信号に応じて、前記データ入力信号と前記スキャン入力信号とを切り替えて前記一方の信号を出力する第一のセレクタ手段と、前記2種類のクロック入力信号を切り替え前記一方のクロック信号を内部クロック信号、およびクロック出力信号として用いるための第2のセレクタ手段を有することを特徴とする。
【0030】
本発明のスキャンテスト回路は、請求項1または請求項2の何れかに記載のスキャン機能付フリップフロップ回路が複数直列に接続されてスキャンパスが構成されており、そのことにより上記目的が達成される。
【0031】
本発明のスキャンテスト回路配線方法は、請求項3記載のスキャンテスト回路において、前記スキャンパスを構成するスキャン機能付フリップフロップ回路のクロック出力端子から、その一段前のスキャン機能付フリップフロップ回路の、前記スキャンイネーブル信号によりスキャンデータ信号と共に取り込まれるクロック信号の入力端子への配線を行うことにより前記スキャンパスのクロック信号配線を行うことにより、上記目的が達成される。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のスキャン機能付フリップフロップ回路の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0033】
図1(a)は、本発明のスキャン機能付フリップフロップ回路10における一実施形態の構成を示す回路図である。図1(b)は、図1(a)のスキャン機能付フリップフロップ回路10を用いて構成したスキャンテスト回路30の構成を示すブロック図である。
【0034】
図1(a)において、このスキャン機能付フリップフロップ回路10は、マスターラッチ回路11、スレーブラッチ回路12、クロックバッファ13およびセレクタ手段としてのマルチプレクサ14、16を有している。
【0035】
マルチプレクサ14は、スキャンイネーブル信号SEに応じて、通常動作時には入力データ端子からの入力データ信号Dを、スキャン動作時にはスキャンデータ入力端子からのスキャン入力信号SIを選択出力する。
【0036】
マスターラッチ回路11は、クロックドインバータ111,112とインバータ113とを有しており、クロック信号CKのロウレベル(Low)区間でマルチプレクサ14からのデータ信号を取り込み、クロック信号CKのハイレベル(High)区間ではその取り込んだ信号を保持する。
【0037】
スレーブラッチ回路12は、クロックドインバータ121,122とインバータ123とを有しており、クロック信号CKのハイレベル(High)区間でマスターラッチ回路11からの出力信号を取り込み、クロック信号CKのロウレベル(Low)区間では、その取り込んだデータを保持する。スレーブラッチ回路12からの出力は、データ出力信号Qとして出力されると共に、インバータ111を介して反転データ出力QNとしても出力される。
【0038】
マルチプレクサ16は、スキャンイネーブル信号SEに応じて、通常動作時には通常動作用のクロック信号CK1を、スキャン動作時にはスキャンテスト用のクロック信号CK2を選択出力する。
【0039】
クロックバッファ13は、直列接続されたインバータ131、132を有しており、マルチプレクサ16で選択されたクロックデータが入力され、クロック信号CK、反転クロック信号CKN、およびクロック出力信号CKOを出力する。
【0040】
図1(b)において、このスキャンテスト回路30は、スキャン機能付フリップフロップ回路10a、10b、10c、10d(上記スキャン機能付フリップフロップ回路10にて構成されている)と、通常動作時に使用される組み合せ回路20とを有している。実際には、スキャン機能付フリップフロップ回路10aの前段側およびスキャン機能付フリップフロップ回路10dの後段側にも、同様の回路が接続されてスキャンパスを構成しており、スキャン動作(スキャンイネーブル信号SEが例えばハイレベル)の際には、これらがシフトレジスタと同様に動作することになる。
【0041】
スキャン動作時には、組み合せ回路20からの出力は、内部のマルチプレクサ14の選択動作によってスキャン機能付フリップフロップ回路10a〜10dのデータ入力端子Dから取り込まれないため、組み合せ回路20の動作はスキャンテストに影響を与えない。同様に、スキャン動作時には、スキャン機能付フリップフロップ回路10a〜10dへのクロック信号は、内部のマルチプレクサ16の選択動作によりクロック入力端子CK2へ入力されるクロック信号が取り込まれる。
【0042】
また、通常動作時(スキャンイネーブル信号SEが例えばロウレベル)の際には、前段側のスキャン機能付フリップフロップ回路のデータ入力端子Dから取り込まれたデータは、組み合せ回路20を通って後段側のスキャン機能付フリップフロップ回路のデータ入力端子Dから取り込まれて出力される。同様に通常動作時には、スキャン機能付フリップフロップ回路10a〜10dへのクロック信号は、内部のマルチプレクサ16の選択動作によりクロック入力端子CK1へ入力されるクロック信号が取り込まれる。
【0043】
図1(b)に示すように、スキャン機能付フリップフロップ回路10aのクロック入力端子CK2には、その後段のスキャン機能付フリップフロップ回路10bのクロック出力端子CKOからの出力信号が入力され、スキャン機能付フリップフロップ回路10bのクロック入力端子CK2には、その後段のスキャン機能付フリップフロップ回路10cのクロック出力端子CKOからの出力信号が入力されている。このように、図1(b)に示されるスキャンテストでは、前段のスキャン機能付フリップフロップ回路のクロック入力端子に、その後段のスキャン機能付フリップフロップ回路のクロック出力端子からの出力信号が入力されるといったクロック信号配線が行われている。
【0044】
図2(a)は、図1(b)のスキャンテスト回路30の一部を抜き出した構成となっているスキャンテスト回路30の構成を示すブロック図である。図2(b)は、図2(a)のスキャンテスト回路30の一動作例を示すタイミングチャートである。
【0045】
図2(a)において、このスキャンテスト回路30は、スキャン機能付フリップフロップ回路10a、10b(上記スキャン機能付フリップフロップ回路10にて構成されている)と、通常動作の際に使用される組み合せ回路20とを有している。実際には、スキャン機能付フリップフロップ回路10aの前段側およびスキャン機能付フリップフロップ回路10bの後段側にも、同様の回路が接続されて、図1(b)に示したようなスキャンパスが構成されており、スキャン動作(スキャンイネーブル信号SEが例えばハイレベル)の際には、これらがシフトレジスタと同様に動作することになる。
【0046】
スキャン動作時には、組み合せ回路20からの出力は、内部のマルチプレクサ14の選択動作によってスキャン機能付フリップフロップ回路10a、10bのデータ入力端子Dから取り込まれないため、組み合せ回路20の動作はスキャンテストに影響を与えない。同様に、スキャン動作時には、スキャン機能付フリップフロップ回路10a、10bのクロック入力端子CK1へのクロック信号は、内部のマルチプレクサ16の選択動作によって取り込まれない。
【0047】
また、通常動作時(スキャンイネーブル信号SEが例えばロウレベル)の際には、前段側のスキャン機能付フリップフロップ回路10aのデータ入力端子Dから取り込まれたデータは、組み合せ回路20を通って後段側のスキャン機能付フリップフロップ回路10bのデータ入力端子Dから取り込まれて出力される。同様に通常動作時には、スキャン機能付フリップフロップ回路10a、10bへのクロック信号は、内部のマルチプレクサ16の選択動作によりクロック入力端子CK1へ入力されるクロック信号が取り込まれる。
【0048】
図2(b)タイミングチャートを用いて、図2(a)のスキャンテスト回路30の一動作例を説明する。
【0049】
図2(a)において、CK2_aはスキャン機能付フリップフロップ回路10aのクロック入力端子CK2に入力されるクロック信号であり、CK2_bはスキャン機能付フリップフロップ回路10bのクロック入力端子CK2に入力されるクロック信号である。また、SI_aはスキャン機能付フリップフロップ回路10aに入力されるスキャン入力信号であり、Q_aはスキャン機能付フリップフロップ回路10aから出力されるデータ出力信号である。さらに、SI_bはスキャン機能付フリップフロップ回路10bに入力されるスキャン入力信号であり、Q_bはスキャン機能付フリップフロップ回路10bから出力されるデータ出力信号である。ここでは、両スキャン機能付フリップフロップ回路10a、10bに入力されるスキャンイネーブル信号SEはハイレベルであり、このとき、スキャンテスト回路30はスキャン動作をしているものとする。
【0050】
スキャン機能付フリップフロップ回路10a、10bでは、スキャン動作の際にクロック信号入力端子CK2へのクロック信号が用いられており、図2(a)に示すように、スキャン機能付フリップフロップ回路10aのクロック信号入力端子CK2にはスキャン機能付フリップフロップ回路10bのクロック信号出力CKOが入力されているため、図2(b)に示すように、スキャン機能付フリップフロップ回路10aのクロック入力端子CK2に入力されるクロック信号CK2_aは、スキャン機能付フリップフロップ回路10bのクロック入力端子CK2に入力されるクロック信号CK2_bに比べて、常に遅延して入力されることになる。
【0051】
これにより、例えば、図2(b)に示すように、クロック信号CK2_bの立ち上がり時刻2a、2c、2eよりも、それらと同サイクルのクロック信号CK2_aの立ち上がり時刻2b、2d、2fは必ず遅延しているため、スキャン機能付フリップフロップ回路10bではCK2_bの立ち上がり時刻2a、2b、2eにおいて、必ず前サイクルのCK_2aの立ち上がり時刻にスキャン機能付フリップフロップ回路10aから出力されたデータQ_aを入力データSI_bとして取り込むことになる。
【0052】
このようにして、本実施形態のスキャン機能付フリップフロップ回路10を用いてスキャンテスト回路30を構成することにより、通常動作時に用いられるクロック信号のクロックスキューに影響されることなく、正確にデータをシフトさせることができる。したがって、従来のようにスキャンパス上に大量の遅延素子を挿入することなく、正常な動作を保証するスキャンテスト回路を得ることができる。
【0053】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、通常動作時とスキャン動作時においてそれぞれ別のクロック信号を用いることにより、通常動作時に用いられるクロックのクロックスキューに影響されることなく、スキャンテスト回路を構成することが可能となる。
【0054】
また、本発明によるスキャンテスト回路の配線方法によって構成したスキャンテスト回路を用いることにより、所望のデータを確実にシフトすることが可能となり、従来のようにスキャンパス上に大量の遅延素子を挿入必要がないため、回路規模を削減することができ、消費電力の削減にもつながる。また、配置配線時にも回路データ(ネットリスト)を配置配線ツールに入力後、配線の順序などを全く意識することなく、配線を行うことが可能なので、従来のようにスキャンパスの情報やフリップフロップの接続順序の情報などを用いる必要なく、容易に配置配線を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明のスキャン機能付フリップフロップ回路10における一実施形態の構成を示す回路図、図1(b)は、図1(a)のフリップフロップ回路を用いて構成したスキャンテスト回路の構成を示すブロック図である。
【図2】図2(a)は図1(b)のスキャンテスト回路の一部を抜き出したブロック図、図2(b)は、図2(a)のスキャンテスト回路の一動作例を示すタイミングチャートである。
【図3】従来のスキャン機能付フリップフロップ回路10´の構成を示す回路図である。
【図4】図4(a)は図3のフリップフロップ回路を用いて構成したスキャンテスト回路の構成を示すブロック図、図4(b)は図4(a)のスキャンテスト回路の一動作例を示すタイミングチャートである。
【図5】従来のスキャンテスト回路の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10、10´ スキャン機能付フリップフロップ回路
11 マスターラッチ回路
111、112 クロックドインバータ
113 インバータ
12 スレーブラッチ回路
121、122 クロックドインバータ
123 インバータ
13 クロックバッファ
131、132 インバータ
14、16 マルチプレクサ(セレクタ回路)
111、112、121、122 クロックドインバータ
15、19 インバータ
20 組み合せ回路
30、30´、30´´ スキャンテスト回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、近年、大規模化および複雑化しているシステムLSIなどにおいてテスト容易化設計のために用いられるスキャン機能を有するスキャン機能付きフリップフロップ回路およびそれを用いたスキャンテスト回路ならびにスキャンテスト回路配線方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば携帯型電話機や携帯型情報端末機器などの通信機能を有する電子機器の普及に伴って、これらの電子機器に使用されているLSIの小型化、高速化、低消費電力化に対する要求が急速に高まっている。このような要求により、半導体製造技術において微細化が進み、一つのLSIに集積される回路の規模が飛躍的に増大している。その結果、LSI内部に組み込まれた全ての機能を外部からテストすることが非常に困難になってきており、この状況に対応するため、様々なテスト容易化設計技術(DFT:Design For Testability)が開発されている。
【0003】
このようなテスト容易化設計技術の一つとして、LSIの故障検出率を向上させるために用いられているスキャンテスト回路がある。スキャンテスト回路は、既存のフリップフロップ回路にスキャン機能を設けて接続し、シフトレジスタ構成としたものである。そのテスト時には、テスト信号(スキャン入力信号)を入力してスキャンパスを通って出力された信号を検出することによって、スキャンパスによって分断された論理回路部分(順序回路接続)をテストすることができる。
【0004】
しかしながら、上述したように半導体製造技術の微細化に伴って、回路全体の遅延に占める配線遅延の割合が増大するため、クロックスキュー(クロック信号の位相ずれ)や最小パス遅延、最大パス遅延などの整合性を図ることが困難となり、回路を正常に動作させるためには、レイアウト時に遅延素子を挿入したり、駆動素子のドライブ能力を向上させるなどといった措置が必要になっている。
【0005】
特に、スキャンテスト回路に関しては、その構成がシフトレジスタと同等であるため、その最小パス遅延は、次段のフリップフロップ回路のクロックスキューを考慮したホールド時間を満たす必要がある。
【0006】
以下に、従来の一般的なスキャンテスト回路の構成およびその問題点について説明する。
【0007】
図3を用いて、従来のスキャン機能付きフリップフロップ回路10´の構成を説明する。図3において、このスキャン機能付きフリップフロップ回路10´は、マスターラッチ回路11およびスレーブラッチ回路12、クロックバファ13、マルチプレクサ14、インバータ15を有している。
【0008】
クロックバファ13は、インバータ131,132を有しており、クロック信号CLKを入力してクロック信号CKおよび反転クロック信号CKNを出力するようにしている。
【0009】
マルチプレクサ14は、スキャンイネーブル信号SEに応じて、通常動作時には入力データ信号Dを、スキャン動作時にはスキャン入力信号SIを選択出力する。
【0010】
マスターラッチ回路11は、クロックドインバータ111,112とインバータ113とを有しており、クロック信号CLKのロウレベル(Low)区間で入力データを取り込み、クロック信号CLKのハイレベル(High)区間では取り込んだデータを保持する。
【0011】
スレーブラッチ回路12は、クロックドインバータ121,122とインバータ123とを有しており、クロック信号CLKのハイレベル(High)区間でマスターラッチ回路11からの出力信号を取り込み、クロック信号CLKのロウレベル(Low)区間では取り込んだデータを保持する。スレーブラッチ回路12からの出力は、データ出力信号Qとして出力されると共にインバータ15を介して反転データ出力信号QNとして出力される。
【0012】
ここで、このように構成された従来のスキャン機能付きフリップフロップ回路10´を用いてスキャンテスト回路を構成した場合の問題点について説明する。
【0013】
図4(a)は、上記図3に示すフリップフロップ回路10´を用いて構成したスキャンテスト回路30´の構成を示すブロック図である。図4(b)は、図4(a)に示すスキャンテスト回路30´の一動作例を示すタイミングチャートである。
【0014】
図4(a)において、このスキャンテスト回路30´は、スキャン機能付きフリップフロップ回路(上記スキャン機能付きフリップフロップ回路10´にて構成されている)10´a、10´bと、通常動作の際に使用される組み合わせ回路20とを有している。実際には、スキャン機能付きフリップフロップ回路10´aの前段、およびスキャン機能付きフリップフロップ回路10´bの後段にも、同様の回路が接続されてスキャンパスが構成されており、スキャン動作(スキャンイネーブル信号SEがハイレベル)の際には、これらがシフトレジスタと同様に動作することになる。スキャン動作時には、組み合わせ回路20からの出力はスキャン機能付きフリップフロップ回路10´a、10´bのデータ入力端子Dから取り込まれないため、組み合わせ回路20の動作はスキャンテストに影響を与えない。
【0015】
ここで、CLK_aはスキャン機能付きフリップフロップ回路10´aに入力されるクロック信号であり、CLK_bはスキャン機能付きフリップフロップ回路10´bに入力されるクロック信号である。また、SI_aはスキャン機能付きフリップフロップ回路10´aに入力されるスキャン入力信号であり、Q_aはスキャン機能付きフリップフロップ回路10´aから出力されるデータ出力信号である。SI_bは、スキャン機能付きフリップフロップ回路10´bに入力されるスキャン入力信号である。Q_bはスキャン機能付きフリップフロップ回路10´bから出力されるデータ出力信号である。ここでは、両スキャン機能付きフリップフロップ回路10´a,10´bに入力されるスキャンイネーブル信号SEはハイレベルで、このスキャンテスト回路30´はスキャン入力信号が選択されてスキャン動作をする。
【0016】
図4(b)のタイミングチャートに示すように、クロックスキューの影響により、後段のスキャン機能付きフリップフロップ回路10´bのクロック信号CLK_bが前段のスキャン機能付きフリップフロップ回路10´aのクロック信号CLK_aから遅延して位相がずれた状態で入力されている。このため、例えばクロック信号CLK_aの立ち上がり時刻4aにおいてスキャン機能付きフリップフロップ回路10´aから出力されたデータD2が、クロック信号CLK_bの立ち上がり時刻4b以前(T41の期間)に後段のスキャン機能付きフリップフロップ回路10´bに入力されると、クロック信号CLK_bがロウレベルである期間T41にマスターラッチ回路11(図3参照)によってデータD2が取り込まれるため、クロック信号CLK_bの立ち上がり時刻4bから立ち下がり時刻(クロック信号CLK_bのハイレベル期間)にマスターラッチ回路11から出力されるデータD2がスレーブラッチ回路12によって取り込まれる。
【0017】
その結果、本来であれば、時刻4bにおいてスキャン機能付きフリップフロップ回路20からデータD1が出力されるべきであるにも関わらず、データD2が出力されてしまい、スキャンテスト回路が誤動作を起こすことになる。
【0018】
このような誤動作を防ぐために、従来から、前段のスキャン機能付きフリップフロップ回路10´aの出力端に遅延素子を挿入するなどといった方法も用いられているが、回路の大規模化および微細化が進むにつれて、配線遅延も含めた回路遅延の見積もりが困難となり、レイアウト時に大量の遅延素子を挿入する必要が生じ、回路規模や消費電力を増大させてしまうという問題があった。
【0019】
この問題を解決するために、配置配線時にクロック信号を出力するバッファの出力端から、最初にシフトレジスタ回路の最終段に接続されているフリップフロップ回路のクロック入力端に至る配線路を形成し、次に直列接続された後段のフリップフロップ回路のクロック入力端から前段のフリップフロップ回路のクロック入力端に至る配線路を順次形成する工程を繰り返すことにより、シフトレジスタを形成することにより、誤動作を防ぐようにした信号配線方法が開示されている(特許文献1参照)。
【0020】
図5は、上記特許文献1に開示されているクロック信号配線方法を用いて構成したスキャンテスト回路30´´の構成を示すブロック図である。
【0021】
図5において、このスキャンテスト回路30´´は、スキャン機能付フリップフロップ回路(上記スキャン機能付きフリップフロップ回路10´にて構成されている)10´a、10´b、10´c、10´dと、通常動作の際に使用される組み合わせ回路20、およびバッファ19を有している。スキャン動作時(スキャンイネーブル信号SEがハイレベルの時)には、組み合わせ回路20からの出力はスキャン機能付きフリップフロップ回路10´a、10´b、10´c、10´dのデータ入力端子Dから取り込まれないため、組み合わせ回路20の動作はスキャンテストに影響を与えない。
【0022】
図5のスキャンテスト回路30´´では、最初にクロック信号の信号源であるバッファ19から、最終段のフリップフロップ回路である10´dのクロック入力端への配線路を形成し、次に、前記フリップフロップ回路10´dのクロック入力端から、その前段のフリップフロップ回路である10´cのクロック入力端への配線路を形成する。同様にして、後段のフリップフロップ回路のクロック入力端から前段のフリップフロップ回路のクロック入力端への配線路を形成する要領で、フリップフロップ回路10´b、10´aへのクロック信号の配線路の形成を行う。
【0023】
これにより、クロック信号源であるバッファ19から、各フリップフロップ回路10´a、10´b、10´c、10´dに至るクロック信号の配線路長は、最終段のフリップフロップ回路10´dへの配線路長が最も短く、前段のフリップフロップ回路になるに従って後段のフリップフロップ回路への配線長よりも順次長くなり、先頭のフリップフロップ回路10´aへの配線路長が最も長くなる。その結果、前段のフリップフロップ回路のクロック信号の入力端におけるクロック信号の立ち上がり(又は立ち下り)エッジが、その後段のフリップフロップ回路のクロック信号の入力端におけるクロック信号の立ち上がり(又は立ち下り)エッジよりも時間的に遅延して入力されることになり、図5に示すスキャンテスト回路が誤動作を起こすことを防ぐことができる。
【0024】
【特許文献1】
特開平7−312094号公報
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に開示されている手法では、配置配線時にスキャンパスに接続されているフリップフロップ回路の接続順序の情報をもとに配線路を形成する必要があるために、回路データ(ネットリスト)を配置配線ツールに入力する際に、回路データからスキャンパスの情報、およびそのスキャンパスに接続されているフリップフロップ回路の接続順序の情報を抽出する必要がある。さらに、配置配線ツールにおいても、抽出された上記フリップフロップ回路の接続順序情報をもとに、最後段のフリップフロップ回路からクロック配線を行うように対応する必要があり、作業の手間が増大する。
【0026】
また、図5に示されたスキャンテスト回路30´´では、クロック配線は1種類のみとなっているが、回路の高速化が進んでくると回路のセットアップ時間を満たすことが必要不可欠となり、スキャンテスト回路30´´のクロック信号配線では前段のフリップフロップ回路へのクロック信号よりも後段のフリップフロップ回路へのクロック信号が必ず遅れて入力されることになるので、このままでは回路のセットアップ時間が満たされない可能性があり、そのような場合には通常動作時およびスキャン動作時それぞれの場合について、別系統のクロック配線が必要となる。
【0027】
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、従来のように配置配線時の手間を考えることなく、クロックスキューの影響により誤動作を起こすことを防止できるスキャン機能付フリップフロップ回路およびスキャンテスト回路を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によるスキャン機能付フリップフロップ回路は、データ入力信号およびスキャン入力信号の何れか一方の信号をクロック信号のタイミングに応じて取り込んで保持するとともに、この保持した一方の信号を出力するスキャン機能付フリップフロップ回路であって、前記保持する信号に応じてフリップフロップ回路の内部で使用される2種類のクロック信号入力端子と、一方のクロック信号を出力するためのクロック出力端子を有することを特徴とする。
【0029】
また、好ましくは、本発明によるスキャン機能付フリップフロップ回路は、スキャンイネーブル信号に応じて、前記データ入力信号と前記スキャン入力信号とを切り替えて前記一方の信号を出力する第一のセレクタ手段と、前記2種類のクロック入力信号を切り替え前記一方のクロック信号を内部クロック信号、およびクロック出力信号として用いるための第2のセレクタ手段を有することを特徴とする。
【0030】
本発明のスキャンテスト回路は、請求項1または請求項2の何れかに記載のスキャン機能付フリップフロップ回路が複数直列に接続されてスキャンパスが構成されており、そのことにより上記目的が達成される。
【0031】
本発明のスキャンテスト回路配線方法は、請求項3記載のスキャンテスト回路において、前記スキャンパスを構成するスキャン機能付フリップフロップ回路のクロック出力端子から、その一段前のスキャン機能付フリップフロップ回路の、前記スキャンイネーブル信号によりスキャンデータ信号と共に取り込まれるクロック信号の入力端子への配線を行うことにより前記スキャンパスのクロック信号配線を行うことにより、上記目的が達成される。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のスキャン機能付フリップフロップ回路の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0033】
図1(a)は、本発明のスキャン機能付フリップフロップ回路10における一実施形態の構成を示す回路図である。図1(b)は、図1(a)のスキャン機能付フリップフロップ回路10を用いて構成したスキャンテスト回路30の構成を示すブロック図である。
【0034】
図1(a)において、このスキャン機能付フリップフロップ回路10は、マスターラッチ回路11、スレーブラッチ回路12、クロックバッファ13およびセレクタ手段としてのマルチプレクサ14、16を有している。
【0035】
マルチプレクサ14は、スキャンイネーブル信号SEに応じて、通常動作時には入力データ端子からの入力データ信号Dを、スキャン動作時にはスキャンデータ入力端子からのスキャン入力信号SIを選択出力する。
【0036】
マスターラッチ回路11は、クロックドインバータ111,112とインバータ113とを有しており、クロック信号CKのロウレベル(Low)区間でマルチプレクサ14からのデータ信号を取り込み、クロック信号CKのハイレベル(High)区間ではその取り込んだ信号を保持する。
【0037】
スレーブラッチ回路12は、クロックドインバータ121,122とインバータ123とを有しており、クロック信号CKのハイレベル(High)区間でマスターラッチ回路11からの出力信号を取り込み、クロック信号CKのロウレベル(Low)区間では、その取り込んだデータを保持する。スレーブラッチ回路12からの出力は、データ出力信号Qとして出力されると共に、インバータ111を介して反転データ出力QNとしても出力される。
【0038】
マルチプレクサ16は、スキャンイネーブル信号SEに応じて、通常動作時には通常動作用のクロック信号CK1を、スキャン動作時にはスキャンテスト用のクロック信号CK2を選択出力する。
【0039】
クロックバッファ13は、直列接続されたインバータ131、132を有しており、マルチプレクサ16で選択されたクロックデータが入力され、クロック信号CK、反転クロック信号CKN、およびクロック出力信号CKOを出力する。
【0040】
図1(b)において、このスキャンテスト回路30は、スキャン機能付フリップフロップ回路10a、10b、10c、10d(上記スキャン機能付フリップフロップ回路10にて構成されている)と、通常動作時に使用される組み合せ回路20とを有している。実際には、スキャン機能付フリップフロップ回路10aの前段側およびスキャン機能付フリップフロップ回路10dの後段側にも、同様の回路が接続されてスキャンパスを構成しており、スキャン動作(スキャンイネーブル信号SEが例えばハイレベル)の際には、これらがシフトレジスタと同様に動作することになる。
【0041】
スキャン動作時には、組み合せ回路20からの出力は、内部のマルチプレクサ14の選択動作によってスキャン機能付フリップフロップ回路10a〜10dのデータ入力端子Dから取り込まれないため、組み合せ回路20の動作はスキャンテストに影響を与えない。同様に、スキャン動作時には、スキャン機能付フリップフロップ回路10a〜10dへのクロック信号は、内部のマルチプレクサ16の選択動作によりクロック入力端子CK2へ入力されるクロック信号が取り込まれる。
【0042】
また、通常動作時(スキャンイネーブル信号SEが例えばロウレベル)の際には、前段側のスキャン機能付フリップフロップ回路のデータ入力端子Dから取り込まれたデータは、組み合せ回路20を通って後段側のスキャン機能付フリップフロップ回路のデータ入力端子Dから取り込まれて出力される。同様に通常動作時には、スキャン機能付フリップフロップ回路10a〜10dへのクロック信号は、内部のマルチプレクサ16の選択動作によりクロック入力端子CK1へ入力されるクロック信号が取り込まれる。
【0043】
図1(b)に示すように、スキャン機能付フリップフロップ回路10aのクロック入力端子CK2には、その後段のスキャン機能付フリップフロップ回路10bのクロック出力端子CKOからの出力信号が入力され、スキャン機能付フリップフロップ回路10bのクロック入力端子CK2には、その後段のスキャン機能付フリップフロップ回路10cのクロック出力端子CKOからの出力信号が入力されている。このように、図1(b)に示されるスキャンテストでは、前段のスキャン機能付フリップフロップ回路のクロック入力端子に、その後段のスキャン機能付フリップフロップ回路のクロック出力端子からの出力信号が入力されるといったクロック信号配線が行われている。
【0044】
図2(a)は、図1(b)のスキャンテスト回路30の一部を抜き出した構成となっているスキャンテスト回路30の構成を示すブロック図である。図2(b)は、図2(a)のスキャンテスト回路30の一動作例を示すタイミングチャートである。
【0045】
図2(a)において、このスキャンテスト回路30は、スキャン機能付フリップフロップ回路10a、10b(上記スキャン機能付フリップフロップ回路10にて構成されている)と、通常動作の際に使用される組み合せ回路20とを有している。実際には、スキャン機能付フリップフロップ回路10aの前段側およびスキャン機能付フリップフロップ回路10bの後段側にも、同様の回路が接続されて、図1(b)に示したようなスキャンパスが構成されており、スキャン動作(スキャンイネーブル信号SEが例えばハイレベル)の際には、これらがシフトレジスタと同様に動作することになる。
【0046】
スキャン動作時には、組み合せ回路20からの出力は、内部のマルチプレクサ14の選択動作によってスキャン機能付フリップフロップ回路10a、10bのデータ入力端子Dから取り込まれないため、組み合せ回路20の動作はスキャンテストに影響を与えない。同様に、スキャン動作時には、スキャン機能付フリップフロップ回路10a、10bのクロック入力端子CK1へのクロック信号は、内部のマルチプレクサ16の選択動作によって取り込まれない。
【0047】
また、通常動作時(スキャンイネーブル信号SEが例えばロウレベル)の際には、前段側のスキャン機能付フリップフロップ回路10aのデータ入力端子Dから取り込まれたデータは、組み合せ回路20を通って後段側のスキャン機能付フリップフロップ回路10bのデータ入力端子Dから取り込まれて出力される。同様に通常動作時には、スキャン機能付フリップフロップ回路10a、10bへのクロック信号は、内部のマルチプレクサ16の選択動作によりクロック入力端子CK1へ入力されるクロック信号が取り込まれる。
【0048】
図2(b)タイミングチャートを用いて、図2(a)のスキャンテスト回路30の一動作例を説明する。
【0049】
図2(a)において、CK2_aはスキャン機能付フリップフロップ回路10aのクロック入力端子CK2に入力されるクロック信号であり、CK2_bはスキャン機能付フリップフロップ回路10bのクロック入力端子CK2に入力されるクロック信号である。また、SI_aはスキャン機能付フリップフロップ回路10aに入力されるスキャン入力信号であり、Q_aはスキャン機能付フリップフロップ回路10aから出力されるデータ出力信号である。さらに、SI_bはスキャン機能付フリップフロップ回路10bに入力されるスキャン入力信号であり、Q_bはスキャン機能付フリップフロップ回路10bから出力されるデータ出力信号である。ここでは、両スキャン機能付フリップフロップ回路10a、10bに入力されるスキャンイネーブル信号SEはハイレベルであり、このとき、スキャンテスト回路30はスキャン動作をしているものとする。
【0050】
スキャン機能付フリップフロップ回路10a、10bでは、スキャン動作の際にクロック信号入力端子CK2へのクロック信号が用いられており、図2(a)に示すように、スキャン機能付フリップフロップ回路10aのクロック信号入力端子CK2にはスキャン機能付フリップフロップ回路10bのクロック信号出力CKOが入力されているため、図2(b)に示すように、スキャン機能付フリップフロップ回路10aのクロック入力端子CK2に入力されるクロック信号CK2_aは、スキャン機能付フリップフロップ回路10bのクロック入力端子CK2に入力されるクロック信号CK2_bに比べて、常に遅延して入力されることになる。
【0051】
これにより、例えば、図2(b)に示すように、クロック信号CK2_bの立ち上がり時刻2a、2c、2eよりも、それらと同サイクルのクロック信号CK2_aの立ち上がり時刻2b、2d、2fは必ず遅延しているため、スキャン機能付フリップフロップ回路10bではCK2_bの立ち上がり時刻2a、2b、2eにおいて、必ず前サイクルのCK_2aの立ち上がり時刻にスキャン機能付フリップフロップ回路10aから出力されたデータQ_aを入力データSI_bとして取り込むことになる。
【0052】
このようにして、本実施形態のスキャン機能付フリップフロップ回路10を用いてスキャンテスト回路30を構成することにより、通常動作時に用いられるクロック信号のクロックスキューに影響されることなく、正確にデータをシフトさせることができる。したがって、従来のようにスキャンパス上に大量の遅延素子を挿入することなく、正常な動作を保証するスキャンテスト回路を得ることができる。
【0053】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、通常動作時とスキャン動作時においてそれぞれ別のクロック信号を用いることにより、通常動作時に用いられるクロックのクロックスキューに影響されることなく、スキャンテスト回路を構成することが可能となる。
【0054】
また、本発明によるスキャンテスト回路の配線方法によって構成したスキャンテスト回路を用いることにより、所望のデータを確実にシフトすることが可能となり、従来のようにスキャンパス上に大量の遅延素子を挿入必要がないため、回路規模を削減することができ、消費電力の削減にもつながる。また、配置配線時にも回路データ(ネットリスト)を配置配線ツールに入力後、配線の順序などを全く意識することなく、配線を行うことが可能なので、従来のようにスキャンパスの情報やフリップフロップの接続順序の情報などを用いる必要なく、容易に配置配線を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明のスキャン機能付フリップフロップ回路10における一実施形態の構成を示す回路図、図1(b)は、図1(a)のフリップフロップ回路を用いて構成したスキャンテスト回路の構成を示すブロック図である。
【図2】図2(a)は図1(b)のスキャンテスト回路の一部を抜き出したブロック図、図2(b)は、図2(a)のスキャンテスト回路の一動作例を示すタイミングチャートである。
【図3】従来のスキャン機能付フリップフロップ回路10´の構成を示す回路図である。
【図4】図4(a)は図3のフリップフロップ回路を用いて構成したスキャンテスト回路の構成を示すブロック図、図4(b)は図4(a)のスキャンテスト回路の一動作例を示すタイミングチャートである。
【図5】従来のスキャンテスト回路の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10、10´ スキャン機能付フリップフロップ回路
11 マスターラッチ回路
111、112 クロックドインバータ
113 インバータ
12 スレーブラッチ回路
121、122 クロックドインバータ
123 インバータ
13 クロックバッファ
131、132 インバータ
14、16 マルチプレクサ(セレクタ回路)
111、112、121、122 クロックドインバータ
15、19 インバータ
20 組み合せ回路
30、30´、30´´ スキャンテスト回路
Claims (4)
- データ入力信号およびスキャン入力信号の何れか一方の信号をクロック信号のタイミングに応じて取り込んで保持するとともに、この保持した一方の信号を出力するスキャン機能付フリップフロップ回路であって、
前記保持する信号に応じてフリップフロップ回路の内部で使用される2種類のクロック信号入力端子と、一方のクロック信号を出力するためのクロック出力端子を有することを特徴とするスキャン機能付フリップフロップ回路。 - スキャンイネーブル信号に応じて、前記データ入力信号と前記スキャン入力信号とを切り替えて前記一方の信号を出力する第1のセレクタ手段と、前記2種類のクロック入力信号を切り替え前記一方のクロック信号を内部クロック信号およびクロック出力信号として用いるための第2のセレクタ手段を有することを特徴とする請求項1記載のスキャン機能付フリップフロップ回路。
- 請求項1又は請求項2の何れかに記載のスキャン機能付フリップフロップ回路が複数直列接続されてスキャンパスが構成されているスキャンテスト回路。
- 請求項3記載のスキャンテスト回路において、前記スキャンパスを構成するスキャン機能付フリップフロップ回路のクロック出力端子から、その一段前のスキャン機能付フリップフロップ回路の、前記スキャンイネーブル信号によりスキャンデータ信号と共に取り込まれるクロック信号の入力端子への配線を行うことにより前記スキャンパスのクロック信号配線を行うことを特徴とするスキャンテスト回路配線方法。
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