JP2004293899A - 流動層式熱処理炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】流動層を形成する粉粒体の流出が抑制されているとともに炉内温度がより安定していて、より安全でより質の高い熱処理を行うことが可能な流動層式熱処理炉を提供すること。
【解決手段】炉体39内に粉粒体が充填され、粉粒体が熱風管14から吹き出される熱風により熱せられ流動して流動層13が形成され、金属からなるワークピース11が、その流動層13で熱処理される流動層式熱処理炉3である。この流動層式熱処理炉3は、炉体39が密閉構造をなし、炉体39内から排気を吸引し排出する強制排気手段と、炉体39内の圧力を測定する圧力計測手段と、炉体39内の圧力を調節する圧力制御手段と、を有することを特徴としている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属の熱処理に用いられる流動層式熱処理炉に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、金属を熱処理し、金属内部の組成構造を変化させることによって、機械的性質を向上させ得ることが知られている。例えば、アルミニウム(Al)−ケイ素(Si)系合金に少量のマグネシウム(Mg)を添加した合金(AC4A、AC4C、AC4CH、AC4D等)では、溶体化処理により、凝固時に晶出した非平衡相を高温で固溶化させ、その後水冷して常温で均一な固溶体を得た後に、人工時効処理により、比較的低い温度で保持して中間析出相による析出硬化を起こさせて、機械的性質の向上を図ることが出来る。
【0003】従来、このような溶体化処理及び時効処理には、空気を熱媒体としたトンネル炉等の雰囲気炉が用いられている。しかしながら、雰囲気炉は、溶体化温度までの昇温速度が遅く昇温に時間がかかり、長時間の熱処理が必要であり、機械的性質の向上にも限界があった。又、処理装置が大型となる上に、運転操作が煩雑で人手が多くかかり、更には、昇温及び温度保持のために熱エネルギーを多量に必要とするという問題があった。そこで、本出願人は、これら従来の雰囲気炉の問題点を解決するべく新たな熱処理炉を開発し、特許文献1及び特許文献2に開示した。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−54880号公報
【特許文献2】
特開2002−107064号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、既に特許文献1及び特許文献2に開示された流動層を有する熱処理炉にかかる技術的思想を基にして、新たに高度な創作が加えられたものである。特許文献1及び特許文献2に示される熱処理炉は、雰囲気炉に対して、コンパクト化、省スペース化、熱エネルギーロスの低減、運転の全自動化等の目的が十分なレベルで達成されているが、本発明は、より質の高い熱処理を行い得る、より安全な流動層炉を得るべく、炉内温度をより安定させること、及び、流動層を形成する粉粒体の流出を抑制すること、を目標として、なされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明によれば、炉体内に粉粒体が充填され、粉粒体が熱風管から吹き出される熱風により熱せられ流動して流動層が形成され、金属からなるワークピースがその流動層で熱処理される炉であって、炉体が密閉構造をなし、炉体内から排気を吸引し排出する強制排気手段と、炉体内の圧力を測定する圧力計測手段と、炉体内の圧力を調節する圧力制御手段と、を有することを特徴とする流動層式熱処理炉が提供される。
【0007】本発明においては、圧力制御手段が、圧力計測手段で測定された炉体内の圧力を入力しフィードバック制御を行う手段であることが好ましい。そして、圧力制御手段により調節される炉体内の圧力の目標値は概ね−6〜0mmAqであることが好ましい。又、上記強制排気手段によって炉体内からの排気とともにエアが吸引され得るエア吸引手段を備えることが好ましい。
【0008】又、本発明は、粉粒体を流動させる熱風が熱風製造手段により燃焼用エアを加熱して製造される熱処理炉であって、排気の有する排熱を燃焼用エアへ与え加熱するための熱交換手段を有することが好ましい。そして、ワークピースを炉体内へ入れ炉体外へ取り出すワークピース搬入経路及び搬出経路に、2重の開閉手段が設けられてなることが好ましい。
【0009】本発明は、ワークピースが車両用ホイールである場合に好適に用いられる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について実施形態を具体的に説明するが、本発明は以下の記載に限定して解釈されるべきものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
【0011】本発明の流動層式熱処理炉は、金属からなるワークピースの熱処理に用いられるものである。金属として好ましくはAl合金を挙げることが出来るが、熱処理を施すことにより一定の効果を生じ得るものであれば限定されるものではなく、Mg合金、炭素鋼や鋳鉄等の鉄合金、チタン(Ti)合金、その他も対象となる。
【0012】熱処理として好ましいものは具体的に溶体化処理、時効処理を挙げることが出来るが、金属に一定の効果を生じ得る処理であれば限定されない。
【0013】ワークピースとしての具体的な金属製品は、好ましくは車両用ホイールを挙げることが出来るが、熱処理によって機械的性質の向上等の一定の効果を期待するものであれば限定されず、ホイール以外の車両用足周り部品、車体シャシー部品、歯車やカム等の伝達系機械部品、航空宇宙産業の構造部材、その他も対象となる。特に車両用ホイールは、熱処理によって実質的な機械的性質向上の効果を薄肉化に結実させ得るところに意義がある。熱処理によって、より薄肉化しても熱処理を施さない場合と同等の機械的性質、例えば引張強度、伸び等を保つことが出来るので、軽合金材料の採用等に加えて、更なる軽量化が図られる。軽量化した車両用ホイールは、環境負荷の低減を図るべく燃費の向上が求められる自動車の製造者あるいは需要者に望まれる製品である。
【0014】本発明の流動層式熱処理炉は、炉体内に粉粒体が充填され、その粉粒体が熱風管から吹き出される熱風により熱せられ流動して流動層が形成される熱処理炉である。その流動層は粉粒体が均一に混合されて形成され、空気を熱媒体とする雰囲気炉に対して伝熱効率がよい。加えて、後述する特徴を有することから、高温の粉粒体の流出が防止され、安全であり、粉粒体の補給頻度は極少なくて済み運転管理が容易である上に、温度分布の均一性に優れ流動層内の最高温度と最低温度の差が小さく、熱処理にかかる質の向上が期待出来る。
【0015】本明細書にいう熱処理にかかる質とは、ワークピースの機械的性質等の改善され具合等により評価出来る熱処理自体の質をいう。質の高い熱処理とは、例えば、より高い生産性を実現しつつ、より省エネルギーで、より安全・確実に、より高い機械的性質をワークピースに付与し得る熱処理をいう。熱処理において固溶その他の所望の現象は温度によって左右されるので、質の高い熱処理を実現するには、温度分布が均一な流動層を有する熱処理炉が必要となる。高温の粉粒体が流出されると、危険である上に、粉粒体の保持する熱が流出し熱エネルギーをロスするとともに温度分布が乱れる要因になるので、粉粒体の流出防止を図ることは、温度分布の均一化ひいては高い質の熱処理を施すためにも肝要である。
【0016】本発明の流動層式熱処理炉は、1)炉体が密閉構造をなし、2)炉体内から排気を吸引し排出する強制排気手段と、3)炉体内の圧力を測定する圧力計測手段と、4)炉体内の圧力を調節する圧力制御手段と、を有するところに必須の特徴を有する。
【0017】1)炉体が密閉構造をなしていることから、粉粒体を流動させる熱風の熱が放散されることなく粉粒体自体に伝わり、有効に熱処理に使用され得て、熱エネルギーのロスは最小限に抑えられる。又、流動層を形成する加熱された粉粒体が熱風により一定の展開率で流動していても、炉体外に流出し難い。尚、炉体が密閉構造をなすとは、開放型ではないことを意味し、本発明にかかる熱処理炉の炉体は完全密閉ではなく後述するように制御された熱風の排出経路を有する閉空間である。
【0018】炉体内の圧力は、大気圧(炉体外)と同等又は極僅か大気圧より負圧とすることが好ましい。炉体内と炉体外との間で気流が生じ難く、粉粒体が流出され難くなるからである。炉体内の圧力が高くなると、意図せぬ僅かな隙間から高温の粉粒体が流出するおそれが生じて危険である。そこで、本発明は、併せて2)〜4)の特徴を有している。
【0019】2)炉体内から排気を吸引し排出する強制排気手段は、上記密閉構造の炉体内に、流動層を形成するための熱風が吹き込まれて炉体内の圧力が上昇し過ぎるのを防止するとともに、意図せぬ僅かな隙間から細かな粉塵が飛散し職場環境が悪化するのを防止するために設けられる。例えば一定の開口面積を有する排気経路を設ける自然排気手段では、圧力を一定にすることは可能であっても炉体内の圧力は常に大気圧より高くなってしまい、炉体内と炉体外との間の気流を抑制することが困難である。
【0020】強制排気手段は、炉体内と炉体外との圧力差によらず炉体内から排気を吸引し炉体外へ排出可能な手段であれば、限定されない。例えば、炉体と配管、ダクト等で接続された吸込ブロワや真空又は負圧発生装置を挙げることが出来る。既に記したように、炉体内と炉体外との圧力差は同等又は極僅か炉体内側を負圧とすればよく、又、流動層を形成するための熱風量は概ね50〜120Nm/minであり大流量であることから、これらに合致した適切な仕様の強制排気手段を設けることが好ましい。より好ましくは配管を介し炉体内と接続された吸込ブロワである。
【0021】3)炉体内の圧力を測定する圧力計測手段は、炉体内の流動層内ではなく流動層の上側の雰囲気の圧力を測る手段であり、各種圧力計が採用され得る。測定した圧力は、監視、記録、制御等に供するデータとして用いられる。例えば、圧力信号は、別途用意される制御監視装置へ送られ、記録され、炉体内の圧力が所定の範囲(大気圧と同等若しくは稍負圧)を逸脱した場合には異常と判断されて警報が出力される。又、好ましくは後述する圧力制御手段に出力される。
【0022】圧力計の圧力検出原理は弾性式、液柱型重力平衡式、圧電式等限定されず、大気圧付近の圧力を測定するに適し反応性に優れるものが好ましく採用される。より好ましくはダイヤフラムを感圧素子とする半導体ゲージの弾性式圧力計である。圧力計は原則として炉体に1つ設置すればよい。
【0023】4)炉体内の圧力を調節する圧力制御手段は、炉体内の圧力が所定の範囲になるように調節可能な手段であれば限定されるものではない。例えば、熱風管から炉体内に吹き出される熱風の流量と上記強制排気手段によって炉体内から吸引され炉体外へ排出される排気の流量を測定し直接的に各々流量制御する手段や、流動層の流動状態は一定にすることが好ましいことから熱風管から炉体内に吹き出される熱風の流量を固定し、上記強制排気手段によって炉体内から吸引され炉体外へ排出される排気の流量を、吸込ブロワをVVVF制御運転したり調節弁等で調節する手段が挙げられる。
【0024】本発明においては、圧力制御手段は上記圧力計測手段で測定された炉体内の圧力を入力しフィードバック制御を行う手段であることが好ましい。ワークピースの搬入出その他による圧力変動に対応し易いからである。より具体的には、圧力計測手段で測定された炉体内の圧力を制御量とし、これをフィードバックして、炉体内の圧力の目標値と比較し、比較結果により、炉体内から排気を排出する経路(排気経路)の断面積を操作量として、例えば調節弁等でこれを変更し、直接的には排気の流量を変更する手段を例示することが出来る。
【0025】圧力制御手段により調節される炉体内の圧力の目標値は概ね−6〜0mmAqであることが好ましい。より好ましくは炉体内の圧力の目標値は−4mmAqである。炉体内の圧力は、結果として大気圧と同等若しくは稍負圧であればよい。目標値が概ね−6〜0mmAqであれば、炉体内が正圧になって粉粒体が炉体外へ流出するおそれは小さい。そして、炉体内から粉粒体が炉体外へ流出しない結果、粉塵の発生、及び、高温の粉粒体による危険発生を防止出来る。
【0026】次に、本発明の流動層式熱処理炉の好ましい特徴について説明する。本発明においては、上記強制排気手段によって炉体内からの排気とともにエアが吸引され得るエア吸引手段を備えることが好ましい。排気温度が下がって排気量が少なくなることから、強制排気手段に必要な能力を小さく出来、よりコンパクトなものとすることが可能だからである。エア吸引手段は、具体的には、強制排気手段の排気経路に炉体内との接続口と並列に設けられる吸引口が挙げられる。
【0027】又、粉粒体を流動させる熱風を製造する手段が、燃焼用エアを熱風製造手段により加熱するものである場合に、排気の有する排熱を、その加熱前の燃焼用エアへ与える熱交換手段を有することが好ましい。熱が有効利用され省エネルギーが図れるからである。又、高温の排気を放散させることは、環境に対して悪影響を与えるからであり、更には、排気中に含まれる粉塵を捕らえるための集塵機としてバグフィルタが一般的に使用されるが、高温の排気の温度によってはバグフィルタのバフ布が燃えてしまうからである。
【0028】更に、本発明においては、ワークピースを炉体内へ入れ炉体外へ取り出すワークピース搬入経路及び搬出経路に、2重の開閉手段が設けられてなることが好ましい。炉体内と炉体外とが直接通じないように2重の開閉手段を1つずつ開閉させてワークピースを搬入又は搬出することが可能であり、炉体内の圧力変動を抑制出来るからである。開閉手段とは、具体的にスライド式、観音開き式、引き倒し式、押し上げ式その他方式の、扉、ドア、シャッター等である。
【0029】続いて、流動層式熱処理炉について、図面に基づいて、より具体的に説明する。図1は、本発明の流動層式熱処理炉の一実施形態を示す構成図である。流動層式熱処理炉3は、炉体39内に粉粒体が充填され、その粉粒体が熱風管14から吹き出される熱風により熱せられ流動して形成される流動層13を有する。熱風管14は流動層13中に浸漬され、ワークピース11を流動層13中であって熱風管14の上部において熱処理する、密閉構造の炉である。
【0030】流動層13は粉粒体により構成される。粉粒体は、熱風管14から吹き込まれる熱風により、流動し加熱され均一に混合されて流動層13を形成する。熱風製造装置5は、送風ブロワ2より給気管17を介して送られる空気を火炎により暖めるもので、その熱風は温度調節され、熱風管14を経て炉体39内に吹き込まれる。
【0031】流動層式熱処理炉3には、2重の扉(引き倒し扉21及び観音開き扉22)を有する副室43が設けられ、ワークピース11の炉体39外〜炉体39内間の移動は、副室43を介して行われる。従って、炉体39内の圧力変動は抑制され、炉体39外への熱放出ロスも極めて少なくなる。
【0032】図2(a)〜図2(d)に、ワークピース11を炉体39外から炉体39内へ搬入する様子を表す。搬入準備として、ワークピース11を炉体39外で待機させる(図2(a))。次に、先ず、引き倒し扉21を開き、ワークピース11を副室43内へ移動させる(図2(b))。このとき、観音開き扉22は閉じたままであり、炉体39内と炉体39外とは通じておらず炉体39内に圧力変動は生じない。次いで、図示しないが、引き倒し扉21を閉じる。そして、下向きの観音開き扉22を開き、ワークピース11を炉体39(流動層13)内へ浸漬させる(図2(c))。このとき、引き倒し扉21は閉じたままであり、炉体39内と炉体39外とは通じておらず炉体39内に圧力変動は生じない。最後に、観音開き扉22を閉じる(図2(d))。
【0033】少なくともワークピース11の熱処理中において、以下のように炉体39内の圧力は調節される。上記した如く熱風が炉体39内に吹き込まれ流動層13を形成する。一方、炉体39内の排気は、強制排気手段たる吸込ブロワ4により排気管18を介して吸引され炉体39外へ排出される。ここで、熱風の流量と排気の流量とがバランスしていれば、炉体39内の圧力は一定になり得るが、圧力一定のみでは本発明の要件を満たすものではない。本発明においては炉体39内の圧力が所定の圧力で一定であることが肝要である。
【0034】そこで、圧力計測手段として圧力計12が設けられる。圧力計12は、感圧素子を含む検出部が、炉体39内であって流動層13の外の雰囲気部分に配置され、流動層13内ではない炉体39内の圧力を測定する。そして、例えば指示部を炉体39外に表すとともに、測定した圧力を電流、電圧、パルスその他信号として図示しない制御監視装置に送る。送られた圧力信号により制御監視装置では記録、監視、警報発報等が行われる。又、圧力計12は、上記圧力信号を、直接乃至制御監視装置を介して圧力制御手段へ送る。
【0035】圧力制御手段は、調節弁15、固定弁16、及び図示しない調節器を有しフィードバック制御を行う手段である。調節器には圧力の目標値が予め例えば−4mmAqと設定される。そして、調節器は、圧力計12から送られた圧力(信号)と比較して、比例動作、積分動作、微分動作を考慮しつつ、調節弁15に調節信号を出す。例えば測定した圧力が−2mmAqであれば開度を僅かに開くような調節信号が出される。それを受けた調節弁15は、開度を操作し排気管18(排気経路)の断面積を調節する。そうすると、排気の流量が調節されて炉体39内の圧力が上記目標値に近づく。この動作が繰り返される。
【0036】固定弁16は、直接制御動作に関与しないが、圧力の目標値を非常に狭い範囲で制御することから、排気ミニマムフローを確保するために必要である。
【0037】尚、突出した流動時に粉粒体が炉体39外へ不必要に持ち出されるのを防止するために、炉体39の排気管18が接続される部分に邪魔板を設けて、粉粒体が排気管18に吸い込まれ難くすることが好ましい。又、炉体39内の排気は、熱交換器7で温度を低下させた後に放散ダクト9を介して大気開放される。又、環境悪化を防止するとともに吸込ブロワ4や熱交換器7を保護するため、排気管18(排気経路)には集塵機6a,6bが設けられる。具体的には集塵機6a,6bとして例えば耐熱仕様のサイクロン、バグフィルタを採用することが出来る。
【0038】熱交換器7は、熱風になる燃焼用エアを熱風製造装置5で加熱する前に、排気の有する排熱をその燃焼用エアへ与える手段であり、これにより、熱が有効利用され、熱風製造装置5で必要なエネルギーが低減されるとともに、工場から放散される排気の温度を下げることが出来る。
【0039】排気管18に設けられた吸引口8は開口であり、吸引口8を設けて常温のエアを混合させ、排気の温度を低下させて体積を小さくさせることにより、吸込ブロワ4の必要能力を、より小さくすることが出来るとともに、バグフィルタ等の集塵機の寿命を延ばすことが出来る。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の流動層式熱処理炉は、流動層を形成する粉粒体の流出を抑制し、炉内温度をより安定させることが出来る炉であり、より安全により質の高い熱処理を行うことが可能である。本発明の流動層式熱処理炉の用途として、例えば、機械的性質向上効果を薄肉化に結実させ軽量化させることにより燃費の向上が図れる車両用ホイールの熱処理を挙げることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流動層式熱処理炉の一実施形態を示す構成図である。
【図2】図2(a)〜図2(d)は、本発明の流動層式熱処理炉においてワークピースを炉体外から炉体内へ搬入する様子を表す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
2…送風ブロワ、3…流動層式熱処理炉、4…吸込ブロワ、5…熱風製造装置、6a,6b…集塵機、7…熱交換器、8…吸引口、9…放散ダクト、11…ワークピース、12…圧力計、13…流動層、14…熱風管、15…調節弁、16…固定弁、17…給気管、18…排気管、21…引き倒し扉、22…観音開き扉、39…炉体、43…副室。

Claims (7)

  1. 炉体内に粉粒体が充填され、前記粉粒体が熱風管から吹き出される熱風により熱せられ流動して流動層が形成され、金属からなるワークピースが前記流動層で熱処理される炉であって、
    炉体が密閉構造をなし、炉体内から排気を吸引し排出する強制排気手段と、炉体内の圧力を測定する圧力計測手段と、炉体内の圧力を調節する圧力制御手段と、を有することを特徴とする流動層式熱処理炉。
  2. 前記圧力制御手段が、前記圧力計測手段で測定された炉体内の圧力を入力しフィードバック制御を行う手段である請求項1に記載の流動層式熱処理炉。
  3. 前記圧力制御手段により調節される炉体内の圧力の目標値が、略−6〜0mmAqである請求項1又は2に記載の流動層式熱処理炉。
  4. 前記強制排気手段によって炉体内からの排気とともにエアが吸引され得るエア吸引手段を備える請求項1に記載の流動層式熱処理炉。
  5. 前記粉粒体を流動させる熱風が熱風製造手段により燃焼用エアを加熱して製造される熱処理炉であって、前記排気の有する排熱を前記燃焼用エアへ与え加熱するための熱交換手段を有する請求項1に記載の流動層式熱処理炉。
  6. 前記ワークピースを炉体内へ入れ炉体外へ取り出すワークピース搬入経路及び搬出経路に、2重の開閉手段が設けられてなる請求項1に記載の流動層式熱処理炉。
  7. 前記ワークピースが、車両用ホイールである請求項1〜6の何れか一項に記載の流動層式熱処理炉。
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