JP2004293005A - 生分解性壁装材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材にポリ乳酸系樹脂組成物の発泡層を積層してなる生分解性発泡壁装材であって、前記ポリ乳酸系樹脂組成物が可塑剤を含有し、且つ40℃の貯蔵弾性率が1×107〜1×109Paであること、さらに基材として紙を使用することを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
【産業上の利用分野】
本発明は生分解性樹脂を用いた生分解性壁装材に関するものである。さらに、詳しくは、廃棄段階で埋め立て処理が可能な地球環境に優しい生分解性壁装材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、熱可塑性樹脂発泡体から構成される壁装材には、多くの場合、塩化ビニル樹脂が使用されてきたが、塩化ビニル樹脂製の壁装材廃材については、焼却するとダイオキシンが発生するなどの問題があり、埋め立て処理される場合が多かった。しかし、塩化ビニル樹脂は分解しにくい素材であるために、近年のゴミ増加に伴って埋め立ても困難になってきている。そこで最近では、塩化ビニル樹脂の焼却問題から、ポリオレフィン系樹脂製壁装材の開発が進んでいる。
【0003】
しかしながら、ポリオレフィン系樹脂の廃材は燃焼してもダイオキシンは発生しないが、燃焼カロリーが高いために焼却炉を傷めやすいという欠点がある。
【0004】
こうした廃材の焼却ならびに埋め立ての問題から、近年、生分解性樹脂に注目が集まるようになってきた。生分解性樹脂は埋め立て処理をすることで、加水分解を経た後に土壌や水中の微生物により水と二酸化炭素に分解される。
【0005】
また、これら生分解性樹脂はポリオレフィン系樹脂よりも燃焼カロリーが低いので、焼却処分しても焼却炉を傷めにくいという利点も持ち合わせている。
【0006】
生分解性樹脂に関しては、これまでに多くの素材が市場に投入されており、代表的なものとして、化学合成系としては、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート/アジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート/テレフタレート、ポリブチレンサクシネート/カーボネート、ポリビニルアルコール、微生物産生系としてはポリヒドロキシブチレート、天然物利用系としては酢酸セルロース、キトサン/セルロース/でんぷん混合系、でんぷん/ポリカプロラクトン混合系などが挙げられる。
これら生分解性樹脂は、その分子構造により、硬質から軟質まで種々のものが得られており、用途やその要求物性によって適用できる樹脂が限られることになる。例えば、壁装材に関しては、脂肪族ポリエステル系の生分解性樹脂が用いた材料が提案されているが、これについても生分解性樹脂の種類によって、製品の特性は異なってくる。例えば、硬質系の生分解性樹脂を用いた場合は、耐傷つき性は良好であるが、柔軟性が乏しく施工性は悪くなる。一方で、軟質系の生分解性樹脂を用いた場合は、柔軟性が良好であり施工性は良いが、耐傷つき性に劣るものとなる。(例えば、特許文献1参照)
柔軟性があって施工性に優れ、耐傷つき性も良好である両性能を満たした壁装材はいまだ提案されていない。
【0007】
【先行技術文献の開示】
【特許文献1】
特開平7−252779号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、壁装材を取り巻く上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは埋め立て処分や自然環境中に廃棄しても自然界の自浄作用で完全に分解するとともに、焼却処理してもダイオキシンを発生せず、低燃焼カロリーのため焼却炉を傷めることなく、且つ、施工性、耐傷つき性に優れた生分解性発泡壁装材を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記のような問題点を解決するために鋭意検討した結果、十分な生分解性および低燃焼カロリーであることに加えて、施工性、耐傷つき性に優れた生分解性発泡壁装材を見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明の壁装材は、基材にポリ乳酸系樹脂組成物の発泡層を積層してなる生分解性発泡壁装材であって、前記ポリ乳酸系樹脂組成物が可塑剤を含有し、且つ40℃の貯蔵弾性率が1×107〜1×109Paであることを特徴とし、風合いがよく、埋め立て処分や自然環境中に廃棄しても自然界の自浄作用で分解するとともに、低燃焼カロリーでの焼却が可能なため焼却処分しても燃焼炉を傷めることなく、且つ施工性、耐傷つき性に優れている生分解性発泡壁装材である。
【0011】
さらに、基材として紙を使用することにより、ポリ乳酸系樹脂組成物と相まって、壁装材の埋め立て処分や自然環境中に廃棄しても自然界の自浄作用で完全に分解することができ、低燃焼カロリーでの焼却も可能となる。
【0012】
【発明の実施形態】
本発明で使用するポリ乳酸系樹脂としては、ポリL−乳酸、ポリD−乳酸などのポリ乳酸ホモポリマー、ポリL/D−乳酸共重合体、およびこれらにエステル結合形成性の重合材料を共重合させたポリ乳酸共重合体などが挙げられる。
ポリ乳酸は乳酸を原料として製造されるが、乳酸の具体例としては、L−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸またはそれらの混合物、または、乳酸の環状二量体であるラクタノイドを挙げることができる。また、ポリ乳酸の製造方法の具体例としては、▲1▼乳酸を原料として、直接脱水重縮合する方法(例えば、USP 5,310,865号に示されている製造方法)、▲2▼乳酸の環状二量体(ラクタノイド)を溶融重合する開環重合法(例えば、米国特許2,758,987号に開示されている方法)などを挙げることができるが、その製造方法には、特に限定されない。ポリ乳酸系樹脂に関しては、島津製作所(株)がラクテイーという商品名で、三井化学(株)がレイシアという商品名、カーギル・ダウ社がNatureWorksという商品名で上市している。
【0013】
上記ポリ乳酸系樹脂の分子量は特に限定されないが、一般的には、重量平均分子量で10,000〜1,000,000の範囲のものが用いられ、好ましくは30,000〜500,000の範囲であり、より好ましくは50,000〜300,000の範囲である。重量平均分子量が10,000以上あれば、成形体の機械物性が良好であり、重量平均分子量が1,000,000以下であれば、成形加工が容易となる。また、経済的にも有利な場合がある。
【0014】
これらポリ乳酸系樹脂はペレットなどの固形タイプでも分散体、エマルジョン、ペーストのような液状タイプのものも使用できる。
【0015】
本発明ではポリ乳酸系樹脂に可塑剤を添加して、柔軟性を付与し調整する。柔軟性は各種用途に対して重要な要素となる。たとえば、柔軟性は製品の風合いや肌ざわり或いは施工する際の作業性の良否に影響を与える。
【0016】
本発明に使用する可塑剤は公知のものでよく、例えばフタル酸ジエチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジシクロヘキシル等のフタル酸エステル、アジピン酸ジ−1−ブチル、アジピン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−n−ブチル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル等の脂肪族二塩基酸エステル、リン酸ジフェニル−2−エチルヘキシル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、クエン酸トリブチル等のヒドロキシ多価カルボン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ステアリン酸アミル等の脂肪酸エステル、グリセリントリアセテート、トリエチレングリコールジカプリレート等の多価アルコールエステル、エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸オクチル等のエポキシ系可塑剤、ポリプロピレングリコールアジピン酸エステル、ポリプロピレングリコールセバシン酸エステル等のポリエステル系可塑剤などが挙げられる。この中でも、可塑剤自体の生分解性と安全性を踏まえると、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、クエン酸トリブチル等のヒドロキシ多価カルボン酸エステルやエポキシ化大豆油などが好適である。
【0017】
可塑剤の配合量は、ポリ乳酸系樹脂のグレードや可塑剤の種類で異なるが、可塑剤はポリ乳酸系樹脂組成物の必須成分であり、具体的にはポリ乳酸系樹脂組成物の固体動的粘弾性測定における40℃の貯蔵弾性率が、10Hzの測定周波数において、1×107〜1×109Paの範囲になるように可塑剤の種類、配合量を調整する。貯蔵弾性率が1×107Paより小さくなると耐傷つき性に劣り、1×109Paより大きくなると、施工性に劣る。
【0018】
本発明のポリ乳酸系樹脂組成物層は発泡体であるため表面積が大きく、自然環境中に廃棄した際、生分解の速度が速く、また、発泡体であるためクッション性があり壁装材として風合いもよくなる。発泡は如何なる方法でもよく、通常は発泡剤を用いて発泡させる方法が容易でかつ安価であり好ましい。
【0019】
発泡剤としては、加熱すると分解してガスを発生する分解型発泡剤、蒸発によりガスを発生し発泡させる蒸発型発泡剤を用いることができる。
【0020】
分解型発泡剤としてはアゾジカルボン酸アミド、N, N´−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4, 4´−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゼンスルホニルヒドラジドなどが挙げられる。蒸発型発泡剤としてはエタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、エリレン、プロピレン、石油エーテル等の炭化水素、塩化メチル、ジクロルジフルオロメタン、モノクロルトリフルオロメタン、ジクロルテトラフルオロエタン等のハロゲン化炭化水素などが挙げられる。
【0021】
使用する発泡剤の配合量は特に制限されないが、通常、ポリ乳酸系樹脂組成物に対して0.1〜30重量%添加され、十分な風合いと均一な発泡セル形成の点を考慮すれば0.5〜10重量%の範囲がより好ましい。
【0022】
ポリ乳酸系樹脂組成物には必要に応じて発泡助剤を加えてもよい。例としてステアリン酸、シュウ酸、サリチル酸、フタル酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸等の有機酸、ホウ酸等の無機酸、前記有機酸または無機酸の塩、炭酸ソーダ等の炭酸塩、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化チタン、シリカ、アルミナ、クレー、タルク、カオリン、ケイソウ土等が挙げられる。
【0023】
本発明に使用する基材としては普通紙、難燃紙、不燃紙等の紙、炭素、石綿、チタン酸カリウム、ガラス、合成樹脂等の繊維からなる不織布または織布、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、エステル系樹脂等の非ハロゲン系熱可塑性樹脂からなるシートなどが挙げられる。なかでも生分解性や価格の点から紙の基材が好ましく、また生分解性の不織布、織布、シートも好適に用いることができる。
【0024】
ポリ乳酸系樹脂組成物には生分解性に支障の無い範囲で、他の熱可塑性樹脂、滑剤、酸化防止剤、充填剤、紫外線吸収剤、結晶核剤、透明化剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、防錆剤、イオントラップ剤、難燃剤、難燃助剤、抗菌剤、防臭剤、導電材等の各種添加剤を加えることができるが、生分解性能の関係から自然界で分解可能であるものを使用することがより好ましい。
【0025】
ポリ乳酸系樹脂組成物は、顔料または染料の練り込みによって着色することが可能であり、用途に応じて透明着色または不透明(隠蔽性)着色をすることができる。顔料としては無機顔料、有機顔料、金属顔料、真珠光沢(パール)顔料等が用いられる。この他、必要に応じて炭酸カルシウム、シリカ(二酸化珪素)、アルミナ(酸化アルミニウム)、硫酸バリウムのような体質顔料(充填剤)を添加することもできる。
【0026】
次に、本発明の生分解性発泡壁装材の製造法について説明する。
ポリ乳酸系樹脂組成物をシート状に成形する方法は公知の方法を用いることができ、例としてはカレンダー成形、インフレーション成形、Tダイ等の押出し成形が挙げられる。ポリ乳酸系樹脂組成物と基材との積層については、シート状にしたポリ乳酸系樹脂組成物を先に発泡してから、その発泡体を基材に積層してもよく、またシート状にしたポリ乳酸系樹脂組成物を基材に積層した後に発泡させてもかまわない。
【0027】
本発明の壁装材にはインキ絵柄層により模様を形成することが可能である。方法としてはグラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、シルクスクリーン印刷、転写印刷法等のような公知の印刷方式を用いることができるが、描画でも差し支えない。絵柄層は顔料または染料が混合されたインキを任意の模様状に形成してなる。模様の例としては、木目、石目、布目、皮紋、文字、図形、全面ベタ等が挙げられる。
【0028】
また、壁装材表面に凹凸からなる模様を形成することが可能であり、その手法としては、ヘアライン加工、サンドブラスト加工、エンボス加工等が挙げられる。さらに、凹凸模様の凹部には必要に応じて公知のワイピング法により着色インキを充填させることができる。
【0029】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を示し、本発明を更に具体的に証明するが、本発明が実施例のみに限定されるものではない。さらには上記の具体的記述以外にも本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて当業者の知識に基づいて種々変更、修正、改良等を加え得るものであることが理解されるべきである。
【0030】
まず、ポリ乳酸系樹脂として、株式会社島津製作所製の市販品ポリ乳酸(商品名「ラクティー」)を用いた。なお、ここでは、ラクティーの中で2つのグレード(♯9400、♯9800)を用いた。♯9400は、結晶性のポリ乳酸系樹脂であり、融点は172℃で、ガラス転移温度は62℃である。また、重量平均分子量(Mw)は141,000である。♯9800は、非結晶性のポリ乳酸系樹脂であり、融点はなく、ガラス転移温度は50℃で、Mwは120,000である。さらに、比較例用に、脂肪族ポリエステル系樹脂である昭和高分子株式会社製の市販品ポリブチレンサクシネート(商品名「ビオノーレ」、グレード♯1001)を用いた。
【0031】
下記に実施例1〜3、比較例1〜8の配合を示す。なお発泡剤に関しては、アゾジカルボン酸アミドをADCA、4,4´−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)をOBSHと省略する。
<実施例1>
ポリ乳酸(ラクティー#9400) 100 部
アセチルクエン酸トリブチル 20 部
ADCA 10 部
モンタン酸ワックス 1 部
フェノール系酸化防止剤 0.5部
<実施例2>
ポリ乳酸(ラクテイー#9800) 100 部
アセチルクエン酸トリブチル 30 部
OBSH 5 部
酸化ポリエチレンワックス 1 部
リン系酸化防止剤 0.5部
<実施例3>
ポリ乳酸(ラクテイー#9800) 100 部
グリセリン脂肪酸エステル 30 部
ADCA 5 部
モンタン酸エステル 1 部
フェノール系酸化防止剤 0.5部
<比較例1>
ポリ乳酸(ラクテイー#9400) 100 部
アセチルクエン酸トリブチル 30 部
モンタン酸エステル 1 部
フェノール系酸化防止剤 0.5部
<比較例2>
ポリ乳酸(ラクテイー#9400) 100 部
エポキシ化大豆油 20 部
ポリエチレンワックス 1 部
リン系酸化防止剤 0.5部
<比較例3>
ポリ乳酸(ラクテイー#9400) 100 部
モンタン酸エステル 1 部
フェノール系酸化防止剤 0.5部
<比較例4>
ポリ乳酸(ラクテイー#9800) 100 部
アセチルクエン酸トリブチル 70 部
モンタン酸エステル 1 部
フェノール系酸化防止剤 0.5部
<比較例5>
ポリ乳酸(ラクテイー#9400) 100 部
エポキシ化大豆油 5 部
ADCA 10 部
モンタン酸エステル 1 部
フェノール系酸化防止剤 0.5部
<比較例6>
ポリ乳酸(ラクテイー#9400) 100 部
アセチルクエン酸トリブチル 70 部
OBSH(商品名「ネオセルボン」) 5 部
ポリエチレンワックス 1 部
リン系酸化防止剤 0.5部
<比較例7>
脂肪族ポリエステル(ビオノーレ#1001) 100 部
アセチルクエン酸トリブチル 30 部
モンタン酸ワックス 1 部
フェノール系酸化防止剤 0.5部
<比較例8>
ポリ乳酸(ラクテイー#9800) 50 部
脂肪族ポリエステル(ビオノーレ#1001) 50 部
ADCA 5 部
モンタン酸エステル 1 部
フェノール系酸化防止剤 0.5部
【0032】
<樹脂組成物シートの作製>
上記配合について、2本ロール(日本ロール製)にて、ロール温度170℃で10分間混練し、0.7mm厚のシートを作製し、シートから試験片を打ち抜いて、柔軟性の指標となる組成物の動的粘弾性の測定に用いた。
【0033】
<組成物の貯蔵弾性率>
動的粘弾性測定から算出される貯蔵弾性率(E’)の測定には、東洋精機製作所(株)製のレオログラフ・ソリッドを用いた。上記シートから、長さ21mm、幅10mmの試験片を切り出し、測定試料とした。測定は、引張モードで行い、試料止め具間の距離を15mmとし、測定周波数10Hzで、0℃におけるE’を算出した。
【0034】
<壁装材試験サンプルの作製>
上記の配合について2本ロール(日本ロール製)にて、ロール温度170℃で10分間混練し、0.7mm厚のシートを難燃紙に積層し、さらに発泡工程を経て壁装材サンプルを作製した。発泡工程の際、発泡剤にアゾジカルボン酸アミドを含むものは190℃、4, 4´−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)を含むものは160℃の温度で30秒〜2分間で発泡させた。
【0035】
[評価方法及び評価基準]
<耐傷つき性>
得られた壁装材試験サンプルを日本ビニル工業会ビニル建装部会および壁装問屋協議会で規定する表面強化商品性能表示における試験法を用いて耐傷つき性を評価した。評価は、変化がないものを5級、表面に少し変化があるものを4級、表面が破けて樹脂層および発泡層がみえるものを3級、表面が破けて基材層みえるもの(長さ1cm未満)を2級、表面が破けて基材層みえるもの(長さ1cm以上)を1級とし
○:4級以上
×:3級以下
<施工性>
得られた壁装材試験サンプルの施工評価を行った。試験サンプルを30cm×30cmに切り取り、室内内壁の出隅および入り隅部分に施工した。施工の際の接着剤は市販のデンプンのりを用いた。
○:浮き、はがれ、割れ等がなく施工できる。
×:浮き、はがれ、割れ等がある。
<発泡性>
得られた生分解性発泡壁装材試験サンプルについて発泡性評価を行った。発泡状態の評価として、発泡セルの大きさ、均一性を目視にて評価した。
○:発泡セルが細かく、均一である。
×:発泡セルが不均一または肥大化している。
実施例1〜3および比較例1〜8を上記評価方法及び評価基準で評価した結果について表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
また、これら壁装材は燃焼カロリーが低く、且つ自然界で良好に分解する原材料を主成分として作製していることから、壁装材自体が低燃焼カロリーであり、自然界で良好に分解されることは言うまでもない。
【0038】
【発明の効果】
本発明の壁装材は、基材にポリ乳酸系樹脂発泡層を積層し、ポリ乳酸系樹脂が可塑剤を含有し、且つ40℃の貯蔵弾性率を1×107〜1×109Paにすることにより、風合いが良く、埋め立て処分や自然環境中に廃棄しても自然界の自浄作用で完全に分解するとともに、焼却処分の場合でも、燃焼炉を傷めない低燃焼カロリーで焼却でき且つ、壁装材としての施工性、耐傷つき性に優れたものである。
Claims (2)
- 基材にポリ乳酸系樹脂組成物の発泡層を積層してなる生分解性発泡壁装材であって、前記ポリ乳酸系樹脂組成物が可塑剤を含有し、且つ40℃の貯蔵弾性率が1×107〜1×109Paであることを特徴とする生分解性発泡壁装材。
- 基材が紙であることを特徴とする請求項1に記載の生分解性発泡壁装材。
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