JP2004292576A - 泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物、泥汚れ洗浄方法及び泥汚れ用洗浄剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(a)シュウ酸及び/又は1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸と(b)アルキルもしくはアルケニルエーテルカルボン酸、その塩及びスルホコハク酸エステル型アニオン界面活性剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上とを含有してなり、25℃でのpHが1以上5未満(但し、組成物が、固形、粉体の場合のpHは、(a)成分の濃度として1質量%となるようにイオン交換水で希釈した時のpHを示す。)であることを特徴とする泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物。
【効果】本発明の泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物によって、被洗物の泥汚れを浸漬処理することにより、頑固な泥汚れを簡便に落とすことができ、その後に石鹸含有洗浄剤組成物により洗浄することにより、頑固な泥汚れをより効果的に落とすことができる。
【選択図】 なし
【効果】本発明の泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物によって、被洗物の泥汚れを浸漬処理することにより、頑固な泥汚れを簡便に落とすことができ、その後に石鹸含有洗浄剤組成物により洗浄することにより、頑固な泥汚れをより効果的に落とすことができる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、泥汚れの付着した衣類や布製品等を洗浄する際の前処理剤として使用される泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物及びこれを用いた洗浄方法並びに泥汚れ用洗浄剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
衣類に付着した泥汚れは、我々が日常感じているように、通常の洗濯では落としにくい。そのため、事前に液体洗浄剤組成物や固形石鹸を塗り、さらに手でもみ洗いする等で汚れを落とすことが行われている。しかし、手もみ洗いは、とても手間がかかり、不満に思っている人も少なくない。
【0003】
この事前処理のための液体洗浄剤組成物として、一般的には、液体ヘビー洗剤や塗布用洗剤が用いられおり、その製剤について精力的な研究が行われてきた。
【0004】
例えば、カチオン界面活性剤からなる組成物(特許文献1:特開昭54−39411号公報参照)等が提供されている。また、界面活性剤以外の添加物として、酵素(セルラーゼ)を使うもの(特許文献2:特開昭60−212496号公報、3:特開昭60−212497号公報参照)も提供されているが、充分とは言えない。
【0005】
これらよりも効果的な剤として、ホスホン酸基含有化合物を含む酸性組成物(特許文献4:特開平3−26797号公報参照)、シュウ酸を含む酸性組成物(特願2001−301036号)も提案されている。
【0006】
また、市販還元系漂白剤を用いて泥汚れを落す方法もあるが、色物衣類には使用できないという欠点がある。
【0007】
【特許文献1】
特開昭54−39411号公報
【特許文献2】
特開昭60−212496号公報
【特許文献3】
特開昭60−212497号公報
【特許文献4】
特開平3−26797号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、衣類に頑固に広範囲に付着した泥汚れでも簡便に、且つ画期的に脱落させる泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物及びこれを用いた洗浄方法並びに泥汚れ用洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、(a)シュウ酸及び/又は1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸と(b)アルキルもしくはアルケニルエーテルカルボン酸、その塩及びスルホコハク酸エステル型アニオン界面活性剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上とを含有してなり、25℃でのpHが1以上5未満である泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物で泥汚れの付着した衣類等を浸漬処理した後、石鹸含有洗浄剤の組成物で洗浄することにより、上記課題を達成できることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
【0010】
従って、本発明は(1)(a)シュウ酸及び/又は1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸と(b)アルキルもしくはアルケニルエーテルカルボン酸、その塩及びスルホコハク酸エステル型アニオン界面活性剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上とを含有してなり、25℃でのpHが1以上5未満(但し、組成物が、固形、粉体の場合のpHは、(a)成分の濃度として1質量%となるようにイオン交換水で希釈した時のpHを示す。)であることを特徴とする泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物、泥に汚れたものを(1)記載の泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物で浸漬した後、石鹸含有洗浄剤組成物で洗浄することを特徴とする洗浄方法、及び第1剤として(a)シュウ酸及び/又は1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸と(b)アルキルもしくはアルケニルエーテルカルボン酸、その塩及びスルホコハク酸エステル型アニオン界面活性剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上とを含有してなり、25℃でのpHが1以上5未満(但し、組成物が、固形、粉体の場合のpHは、(a)成分の濃度として1質量%となるようにイオン交換水で希釈した時のpHを示す。)である泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物と、第2剤として石鹸含有洗浄剤組成物とからなることを特徴とする泥汚れ用洗浄剤組成物を提供する。
【0011】
以下、本発明につきさらに詳しく説明する。
本発明の泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物は、(a)シュウ酸及び/又は1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸と(b)アルキルもしくはアルケニルエーテルカルボン酸、その塩及びスルホコハク酸エステル型アニオン界面活性剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上とを含有してなり、25℃でのpHが1以上5未満である泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物であり、このような剤に、泥汚れの付着した衣類等を浸漬処理することにより、泥汚れを改質し、衣類より落ちやすくするものである。
【0012】
(a)シュウ酸及び/又は1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸の配合量は、泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物中に0.1〜80質量%が好ましく、1〜50質量%が特に好ましい。配合量が少なすぎると、泥汚れを十分に落とし易くすることが困難となる場合があり、多すぎると、後述するその他の成分を必要量配合することが困難となる場合がある。
【0013】
(b)成分は、アルキルもしくはアルケニルエーテルカルボン酸、その塩及びスルホコハク酸エステル型アニオン界面活性剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上である。アルキルもしくはアルケニルエーテルカルボン酸又は塩は、下記一般式(I)で表わされる。
R1−O−(CH2CH2O)nCH2COOM (I)
(式中、R1は、炭素数10〜18、好ましくは11〜14の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示す。nはエチレンオキサイド(EO)の平均付加モル数を示し、2〜20、好ましくは2〜15である。また、Mは水素原子、アルカリ金属、置換又は非置換のアンモニウムの中から選ばれる。具体的には水素原子、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウム等が好ましく、特に好ましくは、水素原子、ナトリウム、カリウムである。)
【0014】
また、スルホコハク酸エステル型アニオン界面活性剤は、炭素数2〜22、好ましくは、11〜18のアルキル基又はアルケニル基を有するものが好ましい。具体例としては、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、モノアルキルスルホコハク酸エステル塩、ポリオキシエチレンジアルキルスルホコハク酸エステル塩、ポリオキシエチレンスルホコハク酸エステル塩等が挙げられる。これらの中でもモノアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンスルホコハク酸エステル塩が好ましい。また、塩としては、ナトリウム、カリウム、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウム等のアルカノールアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ただし、これらの中でもナトリウム、カリウムは特に好ましい。
【0015】
上記(b)成分のアニオン界面活性剤の配合量は、泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物中に0.1〜80質量%が好ましく、0.1〜50質量%が特に好ましい。配合量が少なすぎると、泥汚れを十分に落とし易くすることが困難となる場合があり、多すぎると、後述するその他の成分を必要量配合することが困難となる場合がある。
【0016】
また、本発明の泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物は、pHが1以上5未満であり、好ましくは1〜3である。pHが高すぎると、本発明が目的とする泥汚れを落とし易くする効果が得られない。なお、pHが低い程、泥汚れを落とし易くする効果は高いが、pH1未満では、実使用に向かない。なお、本発明において、組成物のpHは、泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物が液体のように直接pHが測定できる場合はそれ自身の、一方、固形や粉体のように、直接pHが測定できない場合は、(a)成分の濃度として1質量%となるようにイオン交換水で希釈した時のpHを示す。本発明の泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物のpHは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の適当なアルカリ性化合物又は必要に応じて硫酸等の酸性化合物を用いて調整できる。
【0017】
本発明の泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物は、上記pH調整剤の他に、泥汚れ中のアルカリ金属をキレートする目的でキレート剤を併用してもよい。キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸等のアミノポリカルボン酸類又はそのアルカリ金属塩等の塩類、トリポリリン酸塩、ポリリン酸塩等の無機リン化合物、2−ホスホノ−1,2,4−トリカルボン酸等のホスホン酸類、又はそのアルカリ金属塩等の塩類、フィチン酸等の有機リン酸化合物等を挙げることができる。また、キレート剤は1種単独でも2種以上併用して配合してもよい。キレート剤の配合量は泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物中に0〜30質量%の範囲が好適である。より好ましくは0.01〜5質量%である。
【0018】
また、溶液の被処理物への浸透性向上や皮脂汚垢等の泥汚れ以外の汚れも落とし易くする目的で、(b)成分以外のアニオン界面活性剤、ノニオン性等の界面活性剤を配合してもよい。(b)成分以外のアニオン界面活性剤としては、スルホン酸塩又は硫酸塩が好ましく、以下のものが例示される。炭素数8〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキルベンゼンスルホン酸塩、炭素数10〜20の疎水鎖を有するアルキル硫酸塩又はアルケニル硫酸塩、炭素数10〜20の疎水鎖を有するα−オレフィンスルホン酸塩、炭素数8〜20の飽和又は不飽和α−スルホ脂肪酸エステル塩、炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均0.5〜8モルのエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はエチレンオキシド/プロピレンオキシド=0.1/9.9〜9.9/0.1の比率で付加したアルキルエーテル硫酸塩で、対イオンとしてはナトリウム、カリウム、アルカノールアミン等が挙げられる。また、アニオン界面活性剤は2種類以上併用して配合してもよい。(b)成分以外のアニオン界面活性剤の配合量は泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物中に0〜40質量%の範囲が好適である。より好ましくは0.1〜20質量%である。
【0019】
また、ノニオン界面活性剤としては、特に限定されないが、以下のものが例示される。炭素数10〜18のアルキル基を有し、エチレンオキサイドの平均付加モル数2〜30のポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル又はアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、炭素数10〜20のアルキル基を有し、エチレンオキサイドの平均付加モル数1〜30のメトキシポリオキシエチレンアルカノエート、炭素数10〜20の高級脂肪酸アルカノールアミド、炭素数8〜18のアルキル基を有し、グルコースユニットの平均付加モル数1〜3のアルキルポリグルコシド、炭素数10〜14のアルキル基を有し、グリセリンユニットの平均付加モル数1〜3のアルキルグリセリルエーテル。本発明の組成物中のノニオン界面活性剤は、1種単独でも2種以上併用してもよい。ノニオン界面活性剤の配合量は泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物中0〜40質量%の範囲が好適である。より好ましくは0.1〜20質量%である。
【0020】
さらに、液体組成物の場合の増粘剤や、固形に成形するための固形化剤等を共存させることもできるし、溶液や固形の保存時の安定性向上のために各種添加剤を共存させることもできる。またさらに、色素、香料、酵素等を共存させることもできる。
【0021】
なお、本発明の泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物の形態は、上述したように、固形、粉体、液体のみならず、ペースト等の各種形態に調製することができ、その調製方法は、特に制限されず、(a)成分(b)成分、上記pH調整剤、必要に応じて上記任意成分を本発明の効果を損なわない範囲で配合し、各形態の常法に準じて調製することができる。
【0022】
本発明の泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物の浸漬処理方法としては、以下の方法が挙げられる。
【0023】
泥で汚染された被洗物を泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物中にそのまま浸漬させても、泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物を水に希釈してから被洗物を浸漬させても、泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物を被洗物に塗布してから水に浸漬させてもよい。泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物を水に希釈してから被洗物を浸漬させる場合、処理溶液中の(a)成分と(b)成分を合わせた濃度は、洗浄力の観点から、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは、0.1〜10質量%となるように、泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物の使用量を決定すると好適である。浸漬する場合の浸漬時間は好ましくは1時間以上、より好ましくは1晩(12時間)以上である。なお、浸漬時間の上限は、特に制限されるものではないが、通常、24時間程度を超えて浸漬しても、それ以上の処理効果は得られないことから、24時間以下が好適である。
【0024】
上記泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物は、上述したように浸漬処理を行った後、洗浄することによって、泥汚れを効率的に除去することができるものであり、洗浄に使用する洗浄剤の種類が特に制限されるものではないが、本発明の洗浄方法は、上記泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物で浸漬した後、石鹸洗浄剤含有組成物で洗浄するものであり、これによって、画期的な泥汚れ洗浄効果を得ることができる。
【0025】
ここで、本発明の石鹸洗浄剤含有組成物に使用される石鹸とは、高級脂肪酸塩を意味する。脂肪酸塩は、炭素数8〜22の範囲にあるものが好ましく、12〜18がより好ましい。脂肪酸としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸、又はオレイン酸、リノール酸、リノレイン酸等の不飽和脂肪酸のいずれであってもよい。対イオンとしては、ナトリウム、カリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。特に泥汚れの洗浄力の観点から、オレイン酸塩が最も好ましい。上記脂肪酸塩を1種又は2種以上組み合わせて使用することが可能である。
【0026】
本発明の石鹸含有洗浄剤組成物中の脂肪酸塩は、1〜99質量%配合することが好ましい。より好ましくは、形態が粉体又は液体の場合は、1〜20質量%、固体の場合は、5〜85質量%である。脂肪酸塩の配合量が少なすぎると、十分な洗浄力効果が得られない場合があり、多すぎると、使用性が悪くなる場合がある。また、石鹸含有洗浄剤組成物の形態は、固形、粉体、液体等どのような形態であってもよく、各形態の常法に準じて調製することができる。
【0027】
本発明の石鹸含有洗浄剤組成物は、洗浄効果向上の目的で、さらに、キレート剤、アルカリ剤を組成物中に共存させる方が好ましい。また、粉体の場合は、同目的で、カルシウム捕捉剤を共存させる方が好ましい。
【0028】
キレート剤としては、特に限定されないが、以下のものが例示される。クエン酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸等のアミノポリカルボン酸類又はそのアルカリ金属塩等の塩類、トリポリリン酸塩、ポリリン酸塩等の無機リン化合物、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、2−ホスホノ−1,2,4−トリカルボン酸等のホスホン酸類、又はそのアルカリ金属塩等の塩類、フィチン酸等の有機リン酸化合物等を挙げることができる。
【0029】
本発明の石鹸含有洗浄剤組成物中のキレート剤は、1種単独でも2種以上併用してもよい。キレート剤の配合量は石鹸含有洗浄剤組成物中0〜30質量%の範囲が好適である。より好ましくは0.5〜3質量%である。
【0030】
アルカリ剤の例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウム、アンモニア及びモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン等が挙げられ、1種単独でも2種以上併用してもよい。アルカリ剤の配合量は石鹸含有洗浄剤組成物中、0〜30質量%の範囲が好適である。より好ましくは0.5〜20質量%である。
【0031】
カルシウム捕捉剤としては、A型ゼオライト、P型ゼオライト、アクリル酸マレイン酸共重合体、層状ケイ酸塩等が挙げられ、1種単独でも2種以上併用してもよい。カルシウム捕捉剤は好ましくは、A型ゼオライトであり、配合量は石鹸含有洗浄剤組成物中0〜30質量%の範囲が好適である。より好ましくは10〜30質量%である。
【0032】
また、溶液の被洗物への浸透性向上や皮脂汚垢等の泥汚れ以外の洗浄力を向上させる目的で、石鹸を除くアニオン性、ノニオン性界面活性剤を配合してもよい。
【0033】
上記の石鹸を除くアニオン界面活性剤としては、特に限定されないが、以下のものが例示される。(b)成分のアルキルもしくはアルケニルエーテルカルボン酸、その塩、スルホコハク酸エステル型アニオン界面活性剤、炭素数8〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキルベンゼンスルホン酸塩、炭素数10〜20の疎水鎖を有するアルキル硫酸塩又はアルケニル硫酸塩、炭素数10〜20の疎水鎖を有するα−オレフィンスルホン酸塩、炭素数8〜20の飽和又は不飽和α−スルホ脂肪酸エステル塩、炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均0.5〜8モルのエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はエチレンオキシド/プロピレンオキシド=0.1/9.9〜9.9/0.1の比率で付加したアルキルエーテル硫酸塩で、対イオンとしてはナトリウム、カリウム、アルカノールアミン等が挙げられる。また、アニオン界面活性剤は2種類以上併用して配合してもよい。アニオン界面活性剤の配合量は石鹸含有洗浄剤組成物中0〜40質量%の範囲が好適である。より好ましくは3〜20質量%である。
【0034】
また、ノニオン界面活性剤としては、特に限定されないが、以下のものが例示される。炭素数10〜18のアルキル基を有し、エチレンオキサイドの平均付加モル数2〜30のポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル又はアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、炭素数10〜20のアルキル基を有し、エチレンオキサイドの平均付加モル数1〜30のメトキシポリオキシエチレンアルカノエート、炭素数10〜20の高級脂肪酸アルカノールアミド、炭素数8〜18のアルキル基を有し、グルコースユニットの平均付加モル数1〜3のアルキルポリグルコシド、炭素数10〜14のアルキル基を有し、グリセリンユニットの平均付加モル数1〜3のアルキルグリセリルエーテル。本発明の組成物中のノニオン界面活性剤は、単独でも2種以上併用してもよい。ノニオン界面活性剤の配合量は石鹸含有洗浄剤組成物中、0〜40質量%の範囲が好適である。より好ましくは3〜20質量%である。
【0035】
また、液体組成物の場合の増粘剤又は減粘剤、固形に成形するための固形化剤等を共存させることもできる。さらに、溶液や固形の保存時の安定性向上のために、各種添加剤を共存させることもできる。またさらに、色素、香料、漂白剤、蛍光剤、酵素等を共存させることもできる。
【0036】
本発明の洗浄方法として、より具体的には、上記石鹸含有洗浄剤組成物を水で希釈し、その中に前記の泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物で処理した被洗物を入れて洗浄してもよく、また、石鹸含有洗浄剤組成物を上記被洗物に直接又は水で希釈して塗布し、その後、水中に投入し洗浄してもよい。
【0037】
上記石鹸含有洗浄剤組成物を水で希釈した洗浄溶液を使用する場合、洗浄溶液中の脂肪酸塩の濃度は、洗浄力の観点から、好ましくは1ppm以上、より好ましくは10ppm以上となるように、石鹸含有洗浄剤組成物の使用量を決定すると、好適である。
【0038】
本発明の泥汚れ用洗浄剤は、上述の泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物を第1剤とし、上記石鹸含有洗浄剤組成物を第2剤とする2剤型洗浄剤であり、上記洗浄方法に好適に使用される。洗浄に関しては、上述の如く第1剤及び第2剤を順次適用すればよい。
【0039】
【発明の効果】
本発明の泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物によって、被洗物の泥汚れを浸漬処理することにより、頑固な泥汚れを簡便に落とすことができ、その後に石鹸含有洗浄剤組成物により洗浄することにより、頑固な泥汚れをより効果的に落とすことができる。
【0040】
従って、本発明の泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物、洗浄方法及び泥汚れ用洗浄剤組成物は、衣類の他、運動靴やキャンバスのような布製品の洗浄にも利用できる。
【0041】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0042】
[実施例1〜10及び比較例1〜6]
表1〜3の組成に従って、常法に準じて実施例1〜10及び比較例1〜6の泥汚れ用浸漬洗浄剤、石鹸含有洗浄剤組成物を調製し、下記方法に従って、洗浄効果を評価した。なお、実施例10の石鹸含有洗浄剤組成物は、バー状洗浄剤として調製した。
【0043】
<汚垢布の作製>
汚垢布は、赤土汚垢布を用いた。汚垢布作製に用いた赤土は、洪積台地の赤黄色土(静岡県、三方ケ原)を200℃で乾燥させ、ミクロンアトマイザーにより平均粒径1μm程度まで粉砕したものを使用した。
【0044】
汚垢布の作製方法は、上記赤土20gを採り、水道水500g中に入れた。ホモジナイザー(ポリトロン)を用いて80rpmで約10分間分散させた。その溶液中に、10cm×25cmに裁断した綿メリヤスニット布15枚を浸し、布を手で良くもみ、全体が均一に泥分散液を含んでから、ローラーを用いて軽く絞った。30分間、自然乾燥した後、105℃の恒温槽にて1時間乾燥させた。その布表面をポリッシングして、余分な泥粒子を落としたものを泥汚垢布として、使用した。
【0045】
<浸漬方法>
浸漬処理方法としては、浸漬処理方法▲1▼の場合、表1〜3の泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物7gをイオン交換水93gで希釈する。▲2▼の場合は、表1〜3の泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物10gをイオン交換水90gで希釈する。▲3▼の場合は、表1〜3の泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物14gをイオン交換水86gで希釈する。▲4▼の場合は、表1〜3の泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物20gをイオン交換水80gで希釈する。▲5▼の場合は表1〜3の泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物40gをイオン交換水60gで希釈する。その後、希釈した溶液中に上記汚垢布(5cm×5cm)を5枚入れ、25℃恒温室で12時間浸漬した。浸漬処理方法▲6▼の場合、表1〜3の泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物3gをイオン交換水97gで希釈した後、その中に汚垢布(5cm×5cm)を5枚入れ、25℃恒温室で12時間浸漬した。
【0046】
その後、浸漬方法▲1▼〜▲6▼で処理した汚垢布は、二槽式洗濯機(三菱CW−C30A1−H1)にて10秒脱水した。
【0047】
<洗浄方法>
石鹸含有洗浄剤組成物での洗浄方法としては、洗浄方法▲7▼の場合、表1〜3の石鹸含有洗浄剤組成物を汚垢布1枚あたり2g塗布し、5分放置後、5枚の汚垢布をそのまま二槽式洗濯機に投入し、25℃水道水(硬度3°DH)30Lを入れ、標準水流で10分撹拌した後、1分脱水した。その後、3分ためすすぎ、1分脱水を2回繰り返した後、風乾した。
【0048】
洗浄方法▲8▼の場合、表1〜3の石鹸含有洗浄剤組成物20gを二槽式洗濯機の25℃水道水(硬度3°DH)30Lに希釈した後、浸漬した汚垢布5枚を投入した。その後、標準水流で10分撹拌した後、1分脱水した。その後、3分ためすすぎ、1分脱水を2回繰り返した後、風乾した。
【0049】
<洗浄力の評価方法>
洗浄力は、洗浄前後の反射率の変化に基づき、下記数1に示すノーマル式により求めた。ここで、反射率としては、日本電色製式差計SE2000による測定されたZ値を用いた。また、洗浄力は汚垢布5枚の平均値で求めた。洗浄力は、75%以上を◎、65〜74%を○、50〜64%を△、50%未満を×とした。
【0050】
【数1】
【0051】
<pH測定方法>
泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物におけるpH測定は、浸漬方法▲1▼〜▲5▼(実施例10以外)の場合は、原液(泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物そのもの)のpHを測定し、浸漬方法▲6▼(実施例10)の場合は、泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物2gに98gのイオン交換水で希釈した時のpHを測定した。測定はすべて、25℃で行ない、pHメーターはTOA製のHM−30Vを用いた。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
*pHは水酸化ナトリウム又は硫酸を用いて、各々のpHに調整した。
【0056】
表中の各成分の濃度(質量%)は純分換算であり、各組成物における各成分の合計量は、100質量%である。また、表中の略記は、以下の通りである。
・シュウ酸:三菱ガス化学(株)製
・ヒドロキシエタンジホスホン酸:1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、商品名 BRIQUEST ADPA−A、ALBRIGHT&WILSON製
・エーテルカルボン酸ナトリウム:(C12のアルキル基、EO=3)、商品名エナジコールEC−30、ライオン(株)製
・エ−テルカルボン酸:(C12〜13のアルキル基、EO=4)、商品名 NEODOX23−4、シェル石油(株)製
・ポリオキシエチレンスルホコハク酸エステル2ナトリウム:下記式で表させる化合物
【化1】
(R:C12〜14のアルキル基)、商品名 リパールMSC、ライオン(株)製
・ポリオキシエチレンアルキルエーテル:(C12のアルキル基,EO=7)、商品名 エマレックス707、日本エマルジョン(株)製
・クエン酸:協和発酵(株)製
[石鹸]
・オレイン酸ジエタノールアミン:オレイン酸のジエタノールアミン中和物。オレイン酸は、商品名エキストラオレイン、製造業者は日本油脂(株)を使用。ジエタノールアミンは、三井化学(株)製を使用。
・オレイン酸ナトリウム:オレイン酸の水酸化ナトリウム中和物。オレイン酸は、商品名エキストラオレイン、製造業者は日本油脂(株)を使用。水酸化ナトリウムは、住友化学(株)製を使用。
・ラウリン酸ジエタノールアミン:ラウリン酸のジエタノールアミン中和物。ラウリン酸は日本油脂(株)を使用。ジエタノールアミンは、三井化学(株)製を使用。
・ラウリン酸カリウム:ラウリン酸の水酸化カリウム中和物。ラウリン酸は日本油脂(株)を使用。水酸化カリウムは、住友化学(株)製を使用。
・ミリスチン酸ナトリウム:ミリスチン酸の水酸化ナトリウム中和物。ミリスチン酸は日本油脂(株)を使用。水酸化ナトリウムは、住友化学(株)製を使用
・パルミチン酸カリウム:パルミチン酸の水酸化カリウム中和物。パルミチン酸は日本油脂(株)を使用。水酸化カリウムは、住友化学(株)製を使用。
・ステアリン酸カリウム:ステアリン酸の水酸化カリウム中和物。ステアリン酸はライオン(株)を使用。水酸化カリウムは、住友化学(株)製を使用。
[カルシウム捕捉剤]
・ゼオライト:A型ゼオライト、商品名 シルトンB、製造業者水澤化学(株)[界面活性剤]
・直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(C9〜11のアルキル基):ライオン(株)製
・ポリオキシエチレンアルキルエーテル:(C12のアルキル基,EO=7)、商品名 エマレックス707、日本エマルジョン(株)製
[アルカリ剤]
・ジエタノールアミン:三井化学(株)製
・水酸化ナトリウム:住友化学(株)製
・炭酸ナトリウム:旭硝子(株)製
・メタ珪酸ナトリウム:関東化学(株)製
[その他]
・硫酸ナトリウム:中性無水ボウショウ、日本化学(株)製
・プロピレングリコール:三井化学(株)製
・硫酸:三菱化学(株)製
・エタノール:一般95合成無変性アルコール、日本エタノール(株)製
・香料組成物:特開2002−146399号公報記載の表11〜18記載の香料組成物A〜D
【発明の属する技術分野】
本発明は、泥汚れの付着した衣類や布製品等を洗浄する際の前処理剤として使用される泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物及びこれを用いた洗浄方法並びに泥汚れ用洗浄剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
衣類に付着した泥汚れは、我々が日常感じているように、通常の洗濯では落としにくい。そのため、事前に液体洗浄剤組成物や固形石鹸を塗り、さらに手でもみ洗いする等で汚れを落とすことが行われている。しかし、手もみ洗いは、とても手間がかかり、不満に思っている人も少なくない。
【0003】
この事前処理のための液体洗浄剤組成物として、一般的には、液体ヘビー洗剤や塗布用洗剤が用いられおり、その製剤について精力的な研究が行われてきた。
【0004】
例えば、カチオン界面活性剤からなる組成物(特許文献1:特開昭54−39411号公報参照)等が提供されている。また、界面活性剤以外の添加物として、酵素(セルラーゼ)を使うもの(特許文献2:特開昭60−212496号公報、3:特開昭60−212497号公報参照)も提供されているが、充分とは言えない。
【0005】
これらよりも効果的な剤として、ホスホン酸基含有化合物を含む酸性組成物(特許文献4:特開平3−26797号公報参照)、シュウ酸を含む酸性組成物(特願2001−301036号)も提案されている。
【0006】
また、市販還元系漂白剤を用いて泥汚れを落す方法もあるが、色物衣類には使用できないという欠点がある。
【0007】
【特許文献1】
特開昭54−39411号公報
【特許文献2】
特開昭60−212496号公報
【特許文献3】
特開昭60−212497号公報
【特許文献4】
特開平3−26797号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、衣類に頑固に広範囲に付着した泥汚れでも簡便に、且つ画期的に脱落させる泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物及びこれを用いた洗浄方法並びに泥汚れ用洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、(a)シュウ酸及び/又は1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸と(b)アルキルもしくはアルケニルエーテルカルボン酸、その塩及びスルホコハク酸エステル型アニオン界面活性剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上とを含有してなり、25℃でのpHが1以上5未満である泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物で泥汚れの付着した衣類等を浸漬処理した後、石鹸含有洗浄剤の組成物で洗浄することにより、上記課題を達成できることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
【0010】
従って、本発明は(1)(a)シュウ酸及び/又は1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸と(b)アルキルもしくはアルケニルエーテルカルボン酸、その塩及びスルホコハク酸エステル型アニオン界面活性剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上とを含有してなり、25℃でのpHが1以上5未満(但し、組成物が、固形、粉体の場合のpHは、(a)成分の濃度として1質量%となるようにイオン交換水で希釈した時のpHを示す。)であることを特徴とする泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物、泥に汚れたものを(1)記載の泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物で浸漬した後、石鹸含有洗浄剤組成物で洗浄することを特徴とする洗浄方法、及び第1剤として(a)シュウ酸及び/又は1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸と(b)アルキルもしくはアルケニルエーテルカルボン酸、その塩及びスルホコハク酸エステル型アニオン界面活性剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上とを含有してなり、25℃でのpHが1以上5未満(但し、組成物が、固形、粉体の場合のpHは、(a)成分の濃度として1質量%となるようにイオン交換水で希釈した時のpHを示す。)である泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物と、第2剤として石鹸含有洗浄剤組成物とからなることを特徴とする泥汚れ用洗浄剤組成物を提供する。
【0011】
以下、本発明につきさらに詳しく説明する。
本発明の泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物は、(a)シュウ酸及び/又は1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸と(b)アルキルもしくはアルケニルエーテルカルボン酸、その塩及びスルホコハク酸エステル型アニオン界面活性剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上とを含有してなり、25℃でのpHが1以上5未満である泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物であり、このような剤に、泥汚れの付着した衣類等を浸漬処理することにより、泥汚れを改質し、衣類より落ちやすくするものである。
【0012】
(a)シュウ酸及び/又は1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸の配合量は、泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物中に0.1〜80質量%が好ましく、1〜50質量%が特に好ましい。配合量が少なすぎると、泥汚れを十分に落とし易くすることが困難となる場合があり、多すぎると、後述するその他の成分を必要量配合することが困難となる場合がある。
【0013】
(b)成分は、アルキルもしくはアルケニルエーテルカルボン酸、その塩及びスルホコハク酸エステル型アニオン界面活性剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上である。アルキルもしくはアルケニルエーテルカルボン酸又は塩は、下記一般式(I)で表わされる。
R1−O−(CH2CH2O)nCH2COOM (I)
(式中、R1は、炭素数10〜18、好ましくは11〜14の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示す。nはエチレンオキサイド(EO)の平均付加モル数を示し、2〜20、好ましくは2〜15である。また、Mは水素原子、アルカリ金属、置換又は非置換のアンモニウムの中から選ばれる。具体的には水素原子、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウム等が好ましく、特に好ましくは、水素原子、ナトリウム、カリウムである。)
【0014】
また、スルホコハク酸エステル型アニオン界面活性剤は、炭素数2〜22、好ましくは、11〜18のアルキル基又はアルケニル基を有するものが好ましい。具体例としては、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、モノアルキルスルホコハク酸エステル塩、ポリオキシエチレンジアルキルスルホコハク酸エステル塩、ポリオキシエチレンスルホコハク酸エステル塩等が挙げられる。これらの中でもモノアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンスルホコハク酸エステル塩が好ましい。また、塩としては、ナトリウム、カリウム、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウム等のアルカノールアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ただし、これらの中でもナトリウム、カリウムは特に好ましい。
【0015】
上記(b)成分のアニオン界面活性剤の配合量は、泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物中に0.1〜80質量%が好ましく、0.1〜50質量%が特に好ましい。配合量が少なすぎると、泥汚れを十分に落とし易くすることが困難となる場合があり、多すぎると、後述するその他の成分を必要量配合することが困難となる場合がある。
【0016】
また、本発明の泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物は、pHが1以上5未満であり、好ましくは1〜3である。pHが高すぎると、本発明が目的とする泥汚れを落とし易くする効果が得られない。なお、pHが低い程、泥汚れを落とし易くする効果は高いが、pH1未満では、実使用に向かない。なお、本発明において、組成物のpHは、泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物が液体のように直接pHが測定できる場合はそれ自身の、一方、固形や粉体のように、直接pHが測定できない場合は、(a)成分の濃度として1質量%となるようにイオン交換水で希釈した時のpHを示す。本発明の泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物のpHは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の適当なアルカリ性化合物又は必要に応じて硫酸等の酸性化合物を用いて調整できる。
【0017】
本発明の泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物は、上記pH調整剤の他に、泥汚れ中のアルカリ金属をキレートする目的でキレート剤を併用してもよい。キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸等のアミノポリカルボン酸類又はそのアルカリ金属塩等の塩類、トリポリリン酸塩、ポリリン酸塩等の無機リン化合物、2−ホスホノ−1,2,4−トリカルボン酸等のホスホン酸類、又はそのアルカリ金属塩等の塩類、フィチン酸等の有機リン酸化合物等を挙げることができる。また、キレート剤は1種単独でも2種以上併用して配合してもよい。キレート剤の配合量は泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物中に0〜30質量%の範囲が好適である。より好ましくは0.01〜5質量%である。
【0018】
また、溶液の被処理物への浸透性向上や皮脂汚垢等の泥汚れ以外の汚れも落とし易くする目的で、(b)成分以外のアニオン界面活性剤、ノニオン性等の界面活性剤を配合してもよい。(b)成分以外のアニオン界面活性剤としては、スルホン酸塩又は硫酸塩が好ましく、以下のものが例示される。炭素数8〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキルベンゼンスルホン酸塩、炭素数10〜20の疎水鎖を有するアルキル硫酸塩又はアルケニル硫酸塩、炭素数10〜20の疎水鎖を有するα−オレフィンスルホン酸塩、炭素数8〜20の飽和又は不飽和α−スルホ脂肪酸エステル塩、炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均0.5〜8モルのエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はエチレンオキシド/プロピレンオキシド=0.1/9.9〜9.9/0.1の比率で付加したアルキルエーテル硫酸塩で、対イオンとしてはナトリウム、カリウム、アルカノールアミン等が挙げられる。また、アニオン界面活性剤は2種類以上併用して配合してもよい。(b)成分以外のアニオン界面活性剤の配合量は泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物中に0〜40質量%の範囲が好適である。より好ましくは0.1〜20質量%である。
【0019】
また、ノニオン界面活性剤としては、特に限定されないが、以下のものが例示される。炭素数10〜18のアルキル基を有し、エチレンオキサイドの平均付加モル数2〜30のポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル又はアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、炭素数10〜20のアルキル基を有し、エチレンオキサイドの平均付加モル数1〜30のメトキシポリオキシエチレンアルカノエート、炭素数10〜20の高級脂肪酸アルカノールアミド、炭素数8〜18のアルキル基を有し、グルコースユニットの平均付加モル数1〜3のアルキルポリグルコシド、炭素数10〜14のアルキル基を有し、グリセリンユニットの平均付加モル数1〜3のアルキルグリセリルエーテル。本発明の組成物中のノニオン界面活性剤は、1種単独でも2種以上併用してもよい。ノニオン界面活性剤の配合量は泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物中0〜40質量%の範囲が好適である。より好ましくは0.1〜20質量%である。
【0020】
さらに、液体組成物の場合の増粘剤や、固形に成形するための固形化剤等を共存させることもできるし、溶液や固形の保存時の安定性向上のために各種添加剤を共存させることもできる。またさらに、色素、香料、酵素等を共存させることもできる。
【0021】
なお、本発明の泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物の形態は、上述したように、固形、粉体、液体のみならず、ペースト等の各種形態に調製することができ、その調製方法は、特に制限されず、(a)成分(b)成分、上記pH調整剤、必要に応じて上記任意成分を本発明の効果を損なわない範囲で配合し、各形態の常法に準じて調製することができる。
【0022】
本発明の泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物の浸漬処理方法としては、以下の方法が挙げられる。
【0023】
泥で汚染された被洗物を泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物中にそのまま浸漬させても、泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物を水に希釈してから被洗物を浸漬させても、泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物を被洗物に塗布してから水に浸漬させてもよい。泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物を水に希釈してから被洗物を浸漬させる場合、処理溶液中の(a)成分と(b)成分を合わせた濃度は、洗浄力の観点から、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは、0.1〜10質量%となるように、泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物の使用量を決定すると好適である。浸漬する場合の浸漬時間は好ましくは1時間以上、より好ましくは1晩(12時間)以上である。なお、浸漬時間の上限は、特に制限されるものではないが、通常、24時間程度を超えて浸漬しても、それ以上の処理効果は得られないことから、24時間以下が好適である。
【0024】
上記泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物は、上述したように浸漬処理を行った後、洗浄することによって、泥汚れを効率的に除去することができるものであり、洗浄に使用する洗浄剤の種類が特に制限されるものではないが、本発明の洗浄方法は、上記泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物で浸漬した後、石鹸洗浄剤含有組成物で洗浄するものであり、これによって、画期的な泥汚れ洗浄効果を得ることができる。
【0025】
ここで、本発明の石鹸洗浄剤含有組成物に使用される石鹸とは、高級脂肪酸塩を意味する。脂肪酸塩は、炭素数8〜22の範囲にあるものが好ましく、12〜18がより好ましい。脂肪酸としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸、又はオレイン酸、リノール酸、リノレイン酸等の不飽和脂肪酸のいずれであってもよい。対イオンとしては、ナトリウム、カリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。特に泥汚れの洗浄力の観点から、オレイン酸塩が最も好ましい。上記脂肪酸塩を1種又は2種以上組み合わせて使用することが可能である。
【0026】
本発明の石鹸含有洗浄剤組成物中の脂肪酸塩は、1〜99質量%配合することが好ましい。より好ましくは、形態が粉体又は液体の場合は、1〜20質量%、固体の場合は、5〜85質量%である。脂肪酸塩の配合量が少なすぎると、十分な洗浄力効果が得られない場合があり、多すぎると、使用性が悪くなる場合がある。また、石鹸含有洗浄剤組成物の形態は、固形、粉体、液体等どのような形態であってもよく、各形態の常法に準じて調製することができる。
【0027】
本発明の石鹸含有洗浄剤組成物は、洗浄効果向上の目的で、さらに、キレート剤、アルカリ剤を組成物中に共存させる方が好ましい。また、粉体の場合は、同目的で、カルシウム捕捉剤を共存させる方が好ましい。
【0028】
キレート剤としては、特に限定されないが、以下のものが例示される。クエン酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸等のアミノポリカルボン酸類又はそのアルカリ金属塩等の塩類、トリポリリン酸塩、ポリリン酸塩等の無機リン化合物、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、2−ホスホノ−1,2,4−トリカルボン酸等のホスホン酸類、又はそのアルカリ金属塩等の塩類、フィチン酸等の有機リン酸化合物等を挙げることができる。
【0029】
本発明の石鹸含有洗浄剤組成物中のキレート剤は、1種単独でも2種以上併用してもよい。キレート剤の配合量は石鹸含有洗浄剤組成物中0〜30質量%の範囲が好適である。より好ましくは0.5〜3質量%である。
【0030】
アルカリ剤の例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウム、アンモニア及びモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン等が挙げられ、1種単独でも2種以上併用してもよい。アルカリ剤の配合量は石鹸含有洗浄剤組成物中、0〜30質量%の範囲が好適である。より好ましくは0.5〜20質量%である。
【0031】
カルシウム捕捉剤としては、A型ゼオライト、P型ゼオライト、アクリル酸マレイン酸共重合体、層状ケイ酸塩等が挙げられ、1種単独でも2種以上併用してもよい。カルシウム捕捉剤は好ましくは、A型ゼオライトであり、配合量は石鹸含有洗浄剤組成物中0〜30質量%の範囲が好適である。より好ましくは10〜30質量%である。
【0032】
また、溶液の被洗物への浸透性向上や皮脂汚垢等の泥汚れ以外の洗浄力を向上させる目的で、石鹸を除くアニオン性、ノニオン性界面活性剤を配合してもよい。
【0033】
上記の石鹸を除くアニオン界面活性剤としては、特に限定されないが、以下のものが例示される。(b)成分のアルキルもしくはアルケニルエーテルカルボン酸、その塩、スルホコハク酸エステル型アニオン界面活性剤、炭素数8〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキルベンゼンスルホン酸塩、炭素数10〜20の疎水鎖を有するアルキル硫酸塩又はアルケニル硫酸塩、炭素数10〜20の疎水鎖を有するα−オレフィンスルホン酸塩、炭素数8〜20の飽和又は不飽和α−スルホ脂肪酸エステル塩、炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均0.5〜8モルのエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はエチレンオキシド/プロピレンオキシド=0.1/9.9〜9.9/0.1の比率で付加したアルキルエーテル硫酸塩で、対イオンとしてはナトリウム、カリウム、アルカノールアミン等が挙げられる。また、アニオン界面活性剤は2種類以上併用して配合してもよい。アニオン界面活性剤の配合量は石鹸含有洗浄剤組成物中0〜40質量%の範囲が好適である。より好ましくは3〜20質量%である。
【0034】
また、ノニオン界面活性剤としては、特に限定されないが、以下のものが例示される。炭素数10〜18のアルキル基を有し、エチレンオキサイドの平均付加モル数2〜30のポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル又はアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、炭素数10〜20のアルキル基を有し、エチレンオキサイドの平均付加モル数1〜30のメトキシポリオキシエチレンアルカノエート、炭素数10〜20の高級脂肪酸アルカノールアミド、炭素数8〜18のアルキル基を有し、グルコースユニットの平均付加モル数1〜3のアルキルポリグルコシド、炭素数10〜14のアルキル基を有し、グリセリンユニットの平均付加モル数1〜3のアルキルグリセリルエーテル。本発明の組成物中のノニオン界面活性剤は、単独でも2種以上併用してもよい。ノニオン界面活性剤の配合量は石鹸含有洗浄剤組成物中、0〜40質量%の範囲が好適である。より好ましくは3〜20質量%である。
【0035】
また、液体組成物の場合の増粘剤又は減粘剤、固形に成形するための固形化剤等を共存させることもできる。さらに、溶液や固形の保存時の安定性向上のために、各種添加剤を共存させることもできる。またさらに、色素、香料、漂白剤、蛍光剤、酵素等を共存させることもできる。
【0036】
本発明の洗浄方法として、より具体的には、上記石鹸含有洗浄剤組成物を水で希釈し、その中に前記の泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物で処理した被洗物を入れて洗浄してもよく、また、石鹸含有洗浄剤組成物を上記被洗物に直接又は水で希釈して塗布し、その後、水中に投入し洗浄してもよい。
【0037】
上記石鹸含有洗浄剤組成物を水で希釈した洗浄溶液を使用する場合、洗浄溶液中の脂肪酸塩の濃度は、洗浄力の観点から、好ましくは1ppm以上、より好ましくは10ppm以上となるように、石鹸含有洗浄剤組成物の使用量を決定すると、好適である。
【0038】
本発明の泥汚れ用洗浄剤は、上述の泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物を第1剤とし、上記石鹸含有洗浄剤組成物を第2剤とする2剤型洗浄剤であり、上記洗浄方法に好適に使用される。洗浄に関しては、上述の如く第1剤及び第2剤を順次適用すればよい。
【0039】
【発明の効果】
本発明の泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物によって、被洗物の泥汚れを浸漬処理することにより、頑固な泥汚れを簡便に落とすことができ、その後に石鹸含有洗浄剤組成物により洗浄することにより、頑固な泥汚れをより効果的に落とすことができる。
【0040】
従って、本発明の泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物、洗浄方法及び泥汚れ用洗浄剤組成物は、衣類の他、運動靴やキャンバスのような布製品の洗浄にも利用できる。
【0041】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0042】
[実施例1〜10及び比較例1〜6]
表1〜3の組成に従って、常法に準じて実施例1〜10及び比較例1〜6の泥汚れ用浸漬洗浄剤、石鹸含有洗浄剤組成物を調製し、下記方法に従って、洗浄効果を評価した。なお、実施例10の石鹸含有洗浄剤組成物は、バー状洗浄剤として調製した。
【0043】
<汚垢布の作製>
汚垢布は、赤土汚垢布を用いた。汚垢布作製に用いた赤土は、洪積台地の赤黄色土(静岡県、三方ケ原)を200℃で乾燥させ、ミクロンアトマイザーにより平均粒径1μm程度まで粉砕したものを使用した。
【0044】
汚垢布の作製方法は、上記赤土20gを採り、水道水500g中に入れた。ホモジナイザー(ポリトロン)を用いて80rpmで約10分間分散させた。その溶液中に、10cm×25cmに裁断した綿メリヤスニット布15枚を浸し、布を手で良くもみ、全体が均一に泥分散液を含んでから、ローラーを用いて軽く絞った。30分間、自然乾燥した後、105℃の恒温槽にて1時間乾燥させた。その布表面をポリッシングして、余分な泥粒子を落としたものを泥汚垢布として、使用した。
【0045】
<浸漬方法>
浸漬処理方法としては、浸漬処理方法▲1▼の場合、表1〜3の泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物7gをイオン交換水93gで希釈する。▲2▼の場合は、表1〜3の泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物10gをイオン交換水90gで希釈する。▲3▼の場合は、表1〜3の泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物14gをイオン交換水86gで希釈する。▲4▼の場合は、表1〜3の泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物20gをイオン交換水80gで希釈する。▲5▼の場合は表1〜3の泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物40gをイオン交換水60gで希釈する。その後、希釈した溶液中に上記汚垢布(5cm×5cm)を5枚入れ、25℃恒温室で12時間浸漬した。浸漬処理方法▲6▼の場合、表1〜3の泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物3gをイオン交換水97gで希釈した後、その中に汚垢布(5cm×5cm)を5枚入れ、25℃恒温室で12時間浸漬した。
【0046】
その後、浸漬方法▲1▼〜▲6▼で処理した汚垢布は、二槽式洗濯機(三菱CW−C30A1−H1)にて10秒脱水した。
【0047】
<洗浄方法>
石鹸含有洗浄剤組成物での洗浄方法としては、洗浄方法▲7▼の場合、表1〜3の石鹸含有洗浄剤組成物を汚垢布1枚あたり2g塗布し、5分放置後、5枚の汚垢布をそのまま二槽式洗濯機に投入し、25℃水道水(硬度3°DH)30Lを入れ、標準水流で10分撹拌した後、1分脱水した。その後、3分ためすすぎ、1分脱水を2回繰り返した後、風乾した。
【0048】
洗浄方法▲8▼の場合、表1〜3の石鹸含有洗浄剤組成物20gを二槽式洗濯機の25℃水道水(硬度3°DH)30Lに希釈した後、浸漬した汚垢布5枚を投入した。その後、標準水流で10分撹拌した後、1分脱水した。その後、3分ためすすぎ、1分脱水を2回繰り返した後、風乾した。
【0049】
<洗浄力の評価方法>
洗浄力は、洗浄前後の反射率の変化に基づき、下記数1に示すノーマル式により求めた。ここで、反射率としては、日本電色製式差計SE2000による測定されたZ値を用いた。また、洗浄力は汚垢布5枚の平均値で求めた。洗浄力は、75%以上を◎、65〜74%を○、50〜64%を△、50%未満を×とした。
【0050】
【数1】
【0051】
<pH測定方法>
泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物におけるpH測定は、浸漬方法▲1▼〜▲5▼(実施例10以外)の場合は、原液(泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物そのもの)のpHを測定し、浸漬方法▲6▼(実施例10)の場合は、泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物2gに98gのイオン交換水で希釈した時のpHを測定した。測定はすべて、25℃で行ない、pHメーターはTOA製のHM−30Vを用いた。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
*pHは水酸化ナトリウム又は硫酸を用いて、各々のpHに調整した。
【0056】
表中の各成分の濃度(質量%)は純分換算であり、各組成物における各成分の合計量は、100質量%である。また、表中の略記は、以下の通りである。
・シュウ酸:三菱ガス化学(株)製
・ヒドロキシエタンジホスホン酸:1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、商品名 BRIQUEST ADPA−A、ALBRIGHT&WILSON製
・エーテルカルボン酸ナトリウム:(C12のアルキル基、EO=3)、商品名エナジコールEC−30、ライオン(株)製
・エ−テルカルボン酸:(C12〜13のアルキル基、EO=4)、商品名 NEODOX23−4、シェル石油(株)製
・ポリオキシエチレンスルホコハク酸エステル2ナトリウム:下記式で表させる化合物
【化1】
(R:C12〜14のアルキル基)、商品名 リパールMSC、ライオン(株)製
・ポリオキシエチレンアルキルエーテル:(C12のアルキル基,EO=7)、商品名 エマレックス707、日本エマルジョン(株)製
・クエン酸:協和発酵(株)製
[石鹸]
・オレイン酸ジエタノールアミン:オレイン酸のジエタノールアミン中和物。オレイン酸は、商品名エキストラオレイン、製造業者は日本油脂(株)を使用。ジエタノールアミンは、三井化学(株)製を使用。
・オレイン酸ナトリウム:オレイン酸の水酸化ナトリウム中和物。オレイン酸は、商品名エキストラオレイン、製造業者は日本油脂(株)を使用。水酸化ナトリウムは、住友化学(株)製を使用。
・ラウリン酸ジエタノールアミン:ラウリン酸のジエタノールアミン中和物。ラウリン酸は日本油脂(株)を使用。ジエタノールアミンは、三井化学(株)製を使用。
・ラウリン酸カリウム:ラウリン酸の水酸化カリウム中和物。ラウリン酸は日本油脂(株)を使用。水酸化カリウムは、住友化学(株)製を使用。
・ミリスチン酸ナトリウム:ミリスチン酸の水酸化ナトリウム中和物。ミリスチン酸は日本油脂(株)を使用。水酸化ナトリウムは、住友化学(株)製を使用
・パルミチン酸カリウム:パルミチン酸の水酸化カリウム中和物。パルミチン酸は日本油脂(株)を使用。水酸化カリウムは、住友化学(株)製を使用。
・ステアリン酸カリウム:ステアリン酸の水酸化カリウム中和物。ステアリン酸はライオン(株)を使用。水酸化カリウムは、住友化学(株)製を使用。
[カルシウム捕捉剤]
・ゼオライト:A型ゼオライト、商品名 シルトンB、製造業者水澤化学(株)[界面活性剤]
・直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(C9〜11のアルキル基):ライオン(株)製
・ポリオキシエチレンアルキルエーテル:(C12のアルキル基,EO=7)、商品名 エマレックス707、日本エマルジョン(株)製
[アルカリ剤]
・ジエタノールアミン:三井化学(株)製
・水酸化ナトリウム:住友化学(株)製
・炭酸ナトリウム:旭硝子(株)製
・メタ珪酸ナトリウム:関東化学(株)製
[その他]
・硫酸ナトリウム:中性無水ボウショウ、日本化学(株)製
・プロピレングリコール:三井化学(株)製
・硫酸:三菱化学(株)製
・エタノール:一般95合成無変性アルコール、日本エタノール(株)製
・香料組成物:特開2002−146399号公報記載の表11〜18記載の香料組成物A〜D
Claims (3)
- (a)シュウ酸及び/又は1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸と(b)アルキルもしくはアルケニルエーテルカルボン酸、その塩及びスルホコハク酸エステル型アニオン界面活性剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上とを含有してなり、25℃でのpHが1以上5未満(但し、組成物が、固形、粉体の場合のpHは、(a)成分の濃度として1質量%となるようにイオン交換水で希釈した時のpHを示す。)であることを特徴とする泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物。
- 泥に汚れたものを請求項1記載の泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物で浸漬した後、石鹸含有洗浄剤組成物で洗浄することを特徴とする洗浄方法。
- 第1剤として(a)シュウ酸及び/又は1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸と(b)アルキルもしくはアルケニルエーテルカルボン酸、その塩及びスルホコハク酸エステル型アニオン界面活性剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上とを含有してなり、25℃でのpHが1以上5未満(但し、組成物が、固形、粉体の場合のpHは、(a)成分の濃度として1質量%となるようにイオン交換水で希釈した時のpHを示す。)である泥汚れ用浸漬洗浄剤組成物と、第2剤として石鹸含有洗浄剤組成物とからなることを特徴とする泥汚れ用洗浄剤組成物。
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