JP2004292018A - 蒸し加工食品用縦ひだ付き紙製容器とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】蒸し加工食品用縦ひだ付き紙製容器胴部の吸湿による膨潤拡開と容器胴部の外力による拡開とを減少させること、および多数容器の重積体から容器単品を容易に分離可能とすること。
【解決手段】加熱収縮性プラスチックフィルム貼着面の反対面を滑性撥水面2Aとなした複合紙2を用い、容器底部3となる部分の周囲に多数の縦ひだ4と共に容器胴部5を加熱しながら一体起立後冷却して容器を成形することで、前記プラスチックフィルム1と複合紙2における滑性撥水面2Aとにより容器胴部5の吸湿による膨潤拡開を防ぎ、前記加熱収縮性プラスチックフィルム1の加熱収縮後の冷却固化剛性により、前記容器胴部5の外力による拡開を減少させた。
【選択図】 図1
【解決手段】加熱収縮性プラスチックフィルム貼着面の反対面を滑性撥水面2Aとなした複合紙2を用い、容器底部3となる部分の周囲に多数の縦ひだ4と共に容器胴部5を加熱しながら一体起立後冷却して容器を成形することで、前記プラスチックフィルム1と複合紙2における滑性撥水面2Aとにより容器胴部5の吸湿による膨潤拡開を防ぎ、前記加熱収縮性プラスチックフィルム1の加熱収縮後の冷却固化剛性により、前記容器胴部5の外力による拡開を減少させた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、蒸し饅頭等の蒸し菓子や蒸しパンなどの蒸し加工食品の生地を容器に入れて蒸し加工したり、蒸し加工食品を高温高湿雰囲気で保存する際に用いて好適な蒸し加工食品用縦ひだ付き紙製容器とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の縦ひだ付き紙製容器としては、従来、例えば本出願人が先に提案した特開2002−173128号公報記載のものが周知である。
この従来の技術は、加熱収縮性プラスチックフィルムを一面に貼着した複合紙から容器底部となる部分の周囲に多数の縦ひだと共に容器胴部を加熱しながら一体起立後冷却固化することで、前記容器胴部5の外力による拡開を阻止可能となした縦ひだ付き紙製容器とその製造方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来の技術における複合紙のフィルム貼着面の反対面は、そのまま紙面剥き出しであり、この紙面には撥水処理を施こしてないから、複合紙に水がしみ込み易く、この複合紙で前記のように作った縦ひだ付き紙製容器は、その外面または内面から吸湿し易いため、前記従来の縦ひだ付き紙製容器内に蒸し饅頭等の蒸し菓子や蒸しパンなどの蒸し加工食品の生地を入れて蒸し加工したり、蒸し菓子などの蒸し加工食品を高温高湿雰囲気で保存すると、この従来容器は吸湿して容器胴部が多数の縦ひだと共に大きく膨潤拡開してしまうため、蒸し加工食品用容器としては使い物にならないという本質的かつ、大きな問題点が有る。
【0004】
また、この従来例では複合紙を3〜10枚程度重合し、これを同時に加熱成形金型で成形して3〜10個程の縦ひだ付き紙製容器単品が重積した重積体を一挙に作った場合、この容器重積体は容器単品同士がきつく密着重合しているためと、各容器の内面または外面は不滑性の紙面剥き出しとなっているために、容器重積体から容器単品をユーザが一個ずつ分離して使用するに当たり、容器同士の滑りが悪く、容器の単品分離が著しく困難であるという本質的な問題点も有る。
【0005】
この発明は、前記した各問題点を除去するために、加熱収縮性プラスチックフィルム貼着面の反対面を滑性撥水面となした複合紙を用いて蒸し加工食品用縦ひだ付き紙製容器を作ることで、容器胴部の吸湿による膨潤拡開を防ぎ、かつ容器重積体から容器単品を容易に分離可能とすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記したこの発明の目的は、加熱収縮性プラスチックフィルムを一面に貼着した複合紙から容器底部となる部分の周囲に多数の縦ひだと共に容器胴部を加熱しながら一体起立成形した縦ひだ付き紙製容器を作るに当たり、前記複合紙における前記フィルム貼着反対面を滑性撥水面となした複合紙を用い、容器底部となる部分の周囲に多数の縦ひだと共に容器胴部を加熱しながら一体起立後冷却して蒸し加工食品用縦ひだ付き紙製容器を成形することで、前記プラスチックフィルムと複合紙における滑性撥水面とにより容器胴部の吸湿による膨潤拡開を防ぎ、かつ前記加熱収縮性プラスチックフィルムの剛性により、前記容器胴部の外力による拡開を減少させたことで達成できた。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態例について図面を参照して説明する。
この発明の基本形態は、加熱収縮性プラスチックフィルム1を一面に貼着した複合紙2から容器底部3となる部分の周囲に多数の縦ひだと4共に容器胴部5を加熱しながら一体起立成形した縦ひだ付き紙製容器を作るに当たり、図2のように、二軸延伸ポリプロピレンフイルムなどの加熱収縮性プラスチックフィルム1をカレンダードポリプロピレンフィルムによるバインダー1aによりクラフト紙などの用紙2aに貼着し、かつ、このフィルム貼着面の反対面に食用油やパラフィンなどを含浸または塗工して滑性撥水処理を施こすことで滑性撥水面2Aとなした複合紙2を用意する。
【0008】
次いで、上記複合紙2を前記加熱収縮性プラスチックフィルム1の軟化収縮点以上に加熱した雌雄一対のベベルギャー状プレス成形金型(周知のものでよいから図示せず)で上記複合紙2を容器状にプレス成形することで、図1のように容器底部3の周囲に多数の縦ひだ4と共に容器胴部5を一体起立させた縦ひだ付き紙製容器を成形後、複合紙2と共に加熱収縮したフィルム1に冷風を当てるなどしてこのフィルム1の収縮状態を固定することで、前記多数の縦ひだ4と容器胴部5との剛性をそれぞれ強化した本発明による蒸し加工食品用縦ひだ付き紙製容器を作ることができ、前記加熱収縮性プラスチックフィルム1と複合紙2における滑性撥水面2Aとにより、容器胴部5の吸湿を阻止できたので、容器内食品生地の蒸し加工時や蒸し加工済食品を高温高湿雰囲気で保存する際などにおける容器胴部5の膨潤拡開と上記多数の縦ひだ4同士の相互拡開を防止できた。
【0009】
すなわち、二軸延伸処理を施こしたポリプロピレン、ポリエチレン、PET等の加熱収縮性フイルム1を貼着した複合紙2を用いた底部、胴部一体形の本発明による縦ひだ付き紙製容器は、加熱加圧による容器形成時の前記加熱収縮性プラスチックフィルム1の熱収縮後の冷却固化により、容器胴部5の縦ひだ4の収縮状態が固定化してその剛性が強固になるため、容器胴部5は外力により容器の内部・外部へ倒れるような変形も生ぜず、また、特に複合紙2における滑性撥水面2Aの撥水作用で容器の内容充填物の圧力や湿気による胴部縦ひだ4の外部への押し出し崩壊や膨潤拡開も生じなかったし、容器内食品生地の蒸し加工時における外熱や高熱蒸気による容器胴部5の拡開変形と上記多数の縦ひだ4同士の相互拡開をも防止できたし、前記容器内食品生地の蒸し加熱加工時における加熱収縮性プラスチックフィルム1による前記各縦ひだ4同士の収縮に伴なう接近作用により、容器胴部5の拡開変形をもさらに防止することができた。
【0010】
また、本発明における前記複合紙2を3〜10枚程度重合し、これを同時に加熱成形金型で容器状に一挙に成形して3〜10個程の縦ひだ付き紙製容器の単品同士がきつく密着重合重積した容器重積体を作った場合、各容器の内面または外面は、前記のように滑性撥水面2Aや加熱収縮性プラスチックフィルム面となっているため、多数容器の重積体から容器単品を一個ずつ分離して使用するに当たり、容器同士の滑りがよく、容器の単品分離が著しく容易である。
【実施例】
【0011】
用紙2aとしては、100g/平方メートル程度の晒クラフト紙を用いた。 そして、この用紙2aの片面へ厚さ20μmの2軸延伸ポリプロピレンフイルムからなる加熱収縮性プラスチックフィルム1を貼着した後、このフィルム貼着面の反対紙面に食用油やパラフィンなどを含浸または塗工して撥水処理を施こすことで、前記フィルム貼着反対面を滑性撥水面2Aとなした複合紙2を得た。
用紙2aに上記加熱収縮性プラスチックフィルム1を貼着するには、このフィルム1の軟化収縮点よりも接着所要温度が低い、ポリエチレンなどの加熱接着性ラミネート層からなる厚さ5〜15μm程度のバインダ層1aを予め用紙2aに周知手段でラミネート被着しておき、このバインダ層1aにより、用紙2aに上記加熱収縮性プラスチックフィルム1を加熱接着した。
加熱収縮性プラスチックフィルム1は、図1に示す実施例では容器の内部(内側)になるように貼着したが、容器の外側でもよい。
【0012】
一般に加熱収縮性延伸処理を施こした加熱収縮性プラスチックフィルム1としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、塩化ビニール、スチロールがあるが、食品衛生上、軟化点等の観点から実用的には2軸延伸ポリプロピレンが最適である。
そして、上記のようにして作った複合紙2を約150〜180℃程度に昇温した前記成形金型で挟み込み、加熱収縮させながら容器胴部5に多数の縦ひだ4を有する本発明による蒸し加工食品用縦ひだ付き紙製容器を作ることができた。
なお、縦ひだ4の平面的な形状としては前記図1、図3に示すようなアコーディオン式形状のもの以外に、連続鳩尾形状のものや連続Ω字状とか、連続稲妻形状の縦ひだ4としてもよいが、これらの縦ひだ4の場合には、複合紙2に予じめ上記各縦ひだ4に対応した折り目を付けた複合紙を用いることで実施できた。
【0013】
【発明の効果】
本発明は、以上のような形態を採用したので、以下に記載の効果を奏する。
本発明における請求項1の発明によれば、加熱収縮性プラスチックフィルム1を一面に貼着した複合紙2から容器底部3となる部分の周囲に多数の縦ひだと4共に容器胴部5を加熱して一体起立成形した縦ひだ付き紙製容器を作るに当たり、前記複合紙2における前記フィルム貼着反対面を滑性撥水面2Aとなした複合紙2を用い、容器底部3となる部分の周囲に多数の縦ひだ4と共に容器胴部5を加熱しながら一体起立後冷却して容器を成形することで、前記プラスチックフィルム1と複合紙2における滑性撥水面2Aとにより、容器内食品生地の蒸し加工時や蒸し加工済食品を高温高湿雰囲気で保存する際などにおける容器胴部5の吸湿による膨潤拡開を防ぐことができるとともに、前記加熱収縮性プラスチックフィルム1の加熱収縮後の冷却固化剛性により、前記各縦ひだ4の剛性を強化して容器胴部5の外力による拡開変形を防止できると共に、前記容器内食品生地の加熱加工時における前記各縦ひだ4同士の前記加熱収縮に伴なう接近作用により、容器内食品生地の加熱加工時にも容器胴部5の拡開変形を防止することができたという優れた工業的効果が有る。
【0014】
また、前記請求項1の発明によれば、前記複合紙2を3〜10枚程度重合し、これを同時に加熱成形金型で容器状に一挙に成形して3〜10個程の縦ひだ付き紙製容器の単品同士がきつく密着重合重積した多数容器の重積体を作っても、各容器の内面または外面は、前記のように滑性撥水面2Aや加熱収縮性プラスチックフィルム面となっているために、上記多数容器の重積体から容器単品をユーザが一個ずつ分離するに当たり、容器同士の滑りがよく、容器の単品分離が著しく容易であるという効果も有る。
【0015】
本発明における請求項2、請求項3の各発明では、前記諸効果に加え複合紙2の滑性撥水面2Aとして、食品衛生上無害で安価な食用油やパラフィンを用紙2aに含浸定着または塗工した複合紙2を用いたので、保形性良く安価な蒸し加工食品用縦ひだ付き紙製容器とすることができたという効果を付加できた。
【0016】
本発明における請求項4の発明によれば、前記複合紙2における前記フィルム貼着反対面を滑性撥水面2Aとなした複合紙2を加熱済の対をなすプレス成形金型で加熱収縮させながら容器底部3の周囲に縦ひだ4と共に容器胴部5を一体起立後冷却して容器を成形することで、前記プラスチックフィルム1と複合紙2における滑性撥水面2Aとにより容器胴部5の吸湿による膨潤拡開を防ぎ、かつ前記プラスチックフィルム1の加熱収縮後の冷却固化剛性により、前記容器胴部5の外力による拡開を減少させた蒸し加工食品用縦ひだ付き紙製容器を安価に多量製造することができたという工業的な効果が有る。
【0017】
本発明における請求項5の発明によれば、前記諸効果に加え、複合紙2に予じめ前記縦ひだ4に対応した多数の折り目線を形成しておき、これら各折り目線を基準として、複合紙2から前記容器底部3の周囲に前記折り目線に基づいた多数の縦ひだ4と共に容器胴部5を加熱しながら一体起立後冷却して容器を成形したので、縦ひだ4の平面的輪郭形状をより一層複雑な形状構造にすることができるという工業的な効果を付加できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による蒸し加工食品用縦ひだ付き紙製容器
【図2】本発明に用いる複合紙の一例を示す拡大断面図
【図3】本発明の他の実施形態例を示す斜視図
【符号の説明】
1 加熱収縮性フイルム
1a バインダ層
2 複合紙
2A 複合紙における滑性撥水面
2a 用紙(紙素材)
3 容器底部
4 縦ひだ
5 多数の縦ひだを有する容器胴部
【発明の属する技術分野】
この発明は、蒸し饅頭等の蒸し菓子や蒸しパンなどの蒸し加工食品の生地を容器に入れて蒸し加工したり、蒸し加工食品を高温高湿雰囲気で保存する際に用いて好適な蒸し加工食品用縦ひだ付き紙製容器とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の縦ひだ付き紙製容器としては、従来、例えば本出願人が先に提案した特開2002−173128号公報記載のものが周知である。
この従来の技術は、加熱収縮性プラスチックフィルムを一面に貼着した複合紙から容器底部となる部分の周囲に多数の縦ひだと共に容器胴部を加熱しながら一体起立後冷却固化することで、前記容器胴部5の外力による拡開を阻止可能となした縦ひだ付き紙製容器とその製造方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来の技術における複合紙のフィルム貼着面の反対面は、そのまま紙面剥き出しであり、この紙面には撥水処理を施こしてないから、複合紙に水がしみ込み易く、この複合紙で前記のように作った縦ひだ付き紙製容器は、その外面または内面から吸湿し易いため、前記従来の縦ひだ付き紙製容器内に蒸し饅頭等の蒸し菓子や蒸しパンなどの蒸し加工食品の生地を入れて蒸し加工したり、蒸し菓子などの蒸し加工食品を高温高湿雰囲気で保存すると、この従来容器は吸湿して容器胴部が多数の縦ひだと共に大きく膨潤拡開してしまうため、蒸し加工食品用容器としては使い物にならないという本質的かつ、大きな問題点が有る。
【0004】
また、この従来例では複合紙を3〜10枚程度重合し、これを同時に加熱成形金型で成形して3〜10個程の縦ひだ付き紙製容器単品が重積した重積体を一挙に作った場合、この容器重積体は容器単品同士がきつく密着重合しているためと、各容器の内面または外面は不滑性の紙面剥き出しとなっているために、容器重積体から容器単品をユーザが一個ずつ分離して使用するに当たり、容器同士の滑りが悪く、容器の単品分離が著しく困難であるという本質的な問題点も有る。
【0005】
この発明は、前記した各問題点を除去するために、加熱収縮性プラスチックフィルム貼着面の反対面を滑性撥水面となした複合紙を用いて蒸し加工食品用縦ひだ付き紙製容器を作ることで、容器胴部の吸湿による膨潤拡開を防ぎ、かつ容器重積体から容器単品を容易に分離可能とすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記したこの発明の目的は、加熱収縮性プラスチックフィルムを一面に貼着した複合紙から容器底部となる部分の周囲に多数の縦ひだと共に容器胴部を加熱しながら一体起立成形した縦ひだ付き紙製容器を作るに当たり、前記複合紙における前記フィルム貼着反対面を滑性撥水面となした複合紙を用い、容器底部となる部分の周囲に多数の縦ひだと共に容器胴部を加熱しながら一体起立後冷却して蒸し加工食品用縦ひだ付き紙製容器を成形することで、前記プラスチックフィルムと複合紙における滑性撥水面とにより容器胴部の吸湿による膨潤拡開を防ぎ、かつ前記加熱収縮性プラスチックフィルムの剛性により、前記容器胴部の外力による拡開を減少させたことで達成できた。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態例について図面を参照して説明する。
この発明の基本形態は、加熱収縮性プラスチックフィルム1を一面に貼着した複合紙2から容器底部3となる部分の周囲に多数の縦ひだと4共に容器胴部5を加熱しながら一体起立成形した縦ひだ付き紙製容器を作るに当たり、図2のように、二軸延伸ポリプロピレンフイルムなどの加熱収縮性プラスチックフィルム1をカレンダードポリプロピレンフィルムによるバインダー1aによりクラフト紙などの用紙2aに貼着し、かつ、このフィルム貼着面の反対面に食用油やパラフィンなどを含浸または塗工して滑性撥水処理を施こすことで滑性撥水面2Aとなした複合紙2を用意する。
【0008】
次いで、上記複合紙2を前記加熱収縮性プラスチックフィルム1の軟化収縮点以上に加熱した雌雄一対のベベルギャー状プレス成形金型(周知のものでよいから図示せず)で上記複合紙2を容器状にプレス成形することで、図1のように容器底部3の周囲に多数の縦ひだ4と共に容器胴部5を一体起立させた縦ひだ付き紙製容器を成形後、複合紙2と共に加熱収縮したフィルム1に冷風を当てるなどしてこのフィルム1の収縮状態を固定することで、前記多数の縦ひだ4と容器胴部5との剛性をそれぞれ強化した本発明による蒸し加工食品用縦ひだ付き紙製容器を作ることができ、前記加熱収縮性プラスチックフィルム1と複合紙2における滑性撥水面2Aとにより、容器胴部5の吸湿を阻止できたので、容器内食品生地の蒸し加工時や蒸し加工済食品を高温高湿雰囲気で保存する際などにおける容器胴部5の膨潤拡開と上記多数の縦ひだ4同士の相互拡開を防止できた。
【0009】
すなわち、二軸延伸処理を施こしたポリプロピレン、ポリエチレン、PET等の加熱収縮性フイルム1を貼着した複合紙2を用いた底部、胴部一体形の本発明による縦ひだ付き紙製容器は、加熱加圧による容器形成時の前記加熱収縮性プラスチックフィルム1の熱収縮後の冷却固化により、容器胴部5の縦ひだ4の収縮状態が固定化してその剛性が強固になるため、容器胴部5は外力により容器の内部・外部へ倒れるような変形も生ぜず、また、特に複合紙2における滑性撥水面2Aの撥水作用で容器の内容充填物の圧力や湿気による胴部縦ひだ4の外部への押し出し崩壊や膨潤拡開も生じなかったし、容器内食品生地の蒸し加工時における外熱や高熱蒸気による容器胴部5の拡開変形と上記多数の縦ひだ4同士の相互拡開をも防止できたし、前記容器内食品生地の蒸し加熱加工時における加熱収縮性プラスチックフィルム1による前記各縦ひだ4同士の収縮に伴なう接近作用により、容器胴部5の拡開変形をもさらに防止することができた。
【0010】
また、本発明における前記複合紙2を3〜10枚程度重合し、これを同時に加熱成形金型で容器状に一挙に成形して3〜10個程の縦ひだ付き紙製容器の単品同士がきつく密着重合重積した容器重積体を作った場合、各容器の内面または外面は、前記のように滑性撥水面2Aや加熱収縮性プラスチックフィルム面となっているため、多数容器の重積体から容器単品を一個ずつ分離して使用するに当たり、容器同士の滑りがよく、容器の単品分離が著しく容易である。
【実施例】
【0011】
用紙2aとしては、100g/平方メートル程度の晒クラフト紙を用いた。 そして、この用紙2aの片面へ厚さ20μmの2軸延伸ポリプロピレンフイルムからなる加熱収縮性プラスチックフィルム1を貼着した後、このフィルム貼着面の反対紙面に食用油やパラフィンなどを含浸または塗工して撥水処理を施こすことで、前記フィルム貼着反対面を滑性撥水面2Aとなした複合紙2を得た。
用紙2aに上記加熱収縮性プラスチックフィルム1を貼着するには、このフィルム1の軟化収縮点よりも接着所要温度が低い、ポリエチレンなどの加熱接着性ラミネート層からなる厚さ5〜15μm程度のバインダ層1aを予め用紙2aに周知手段でラミネート被着しておき、このバインダ層1aにより、用紙2aに上記加熱収縮性プラスチックフィルム1を加熱接着した。
加熱収縮性プラスチックフィルム1は、図1に示す実施例では容器の内部(内側)になるように貼着したが、容器の外側でもよい。
【0012】
一般に加熱収縮性延伸処理を施こした加熱収縮性プラスチックフィルム1としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、塩化ビニール、スチロールがあるが、食品衛生上、軟化点等の観点から実用的には2軸延伸ポリプロピレンが最適である。
そして、上記のようにして作った複合紙2を約150〜180℃程度に昇温した前記成形金型で挟み込み、加熱収縮させながら容器胴部5に多数の縦ひだ4を有する本発明による蒸し加工食品用縦ひだ付き紙製容器を作ることができた。
なお、縦ひだ4の平面的な形状としては前記図1、図3に示すようなアコーディオン式形状のもの以外に、連続鳩尾形状のものや連続Ω字状とか、連続稲妻形状の縦ひだ4としてもよいが、これらの縦ひだ4の場合には、複合紙2に予じめ上記各縦ひだ4に対応した折り目を付けた複合紙を用いることで実施できた。
【0013】
【発明の効果】
本発明は、以上のような形態を採用したので、以下に記載の効果を奏する。
本発明における請求項1の発明によれば、加熱収縮性プラスチックフィルム1を一面に貼着した複合紙2から容器底部3となる部分の周囲に多数の縦ひだと4共に容器胴部5を加熱して一体起立成形した縦ひだ付き紙製容器を作るに当たり、前記複合紙2における前記フィルム貼着反対面を滑性撥水面2Aとなした複合紙2を用い、容器底部3となる部分の周囲に多数の縦ひだ4と共に容器胴部5を加熱しながら一体起立後冷却して容器を成形することで、前記プラスチックフィルム1と複合紙2における滑性撥水面2Aとにより、容器内食品生地の蒸し加工時や蒸し加工済食品を高温高湿雰囲気で保存する際などにおける容器胴部5の吸湿による膨潤拡開を防ぐことができるとともに、前記加熱収縮性プラスチックフィルム1の加熱収縮後の冷却固化剛性により、前記各縦ひだ4の剛性を強化して容器胴部5の外力による拡開変形を防止できると共に、前記容器内食品生地の加熱加工時における前記各縦ひだ4同士の前記加熱収縮に伴なう接近作用により、容器内食品生地の加熱加工時にも容器胴部5の拡開変形を防止することができたという優れた工業的効果が有る。
【0014】
また、前記請求項1の発明によれば、前記複合紙2を3〜10枚程度重合し、これを同時に加熱成形金型で容器状に一挙に成形して3〜10個程の縦ひだ付き紙製容器の単品同士がきつく密着重合重積した多数容器の重積体を作っても、各容器の内面または外面は、前記のように滑性撥水面2Aや加熱収縮性プラスチックフィルム面となっているために、上記多数容器の重積体から容器単品をユーザが一個ずつ分離するに当たり、容器同士の滑りがよく、容器の単品分離が著しく容易であるという効果も有る。
【0015】
本発明における請求項2、請求項3の各発明では、前記諸効果に加え複合紙2の滑性撥水面2Aとして、食品衛生上無害で安価な食用油やパラフィンを用紙2aに含浸定着または塗工した複合紙2を用いたので、保形性良く安価な蒸し加工食品用縦ひだ付き紙製容器とすることができたという効果を付加できた。
【0016】
本発明における請求項4の発明によれば、前記複合紙2における前記フィルム貼着反対面を滑性撥水面2Aとなした複合紙2を加熱済の対をなすプレス成形金型で加熱収縮させながら容器底部3の周囲に縦ひだ4と共に容器胴部5を一体起立後冷却して容器を成形することで、前記プラスチックフィルム1と複合紙2における滑性撥水面2Aとにより容器胴部5の吸湿による膨潤拡開を防ぎ、かつ前記プラスチックフィルム1の加熱収縮後の冷却固化剛性により、前記容器胴部5の外力による拡開を減少させた蒸し加工食品用縦ひだ付き紙製容器を安価に多量製造することができたという工業的な効果が有る。
【0017】
本発明における請求項5の発明によれば、前記諸効果に加え、複合紙2に予じめ前記縦ひだ4に対応した多数の折り目線を形成しておき、これら各折り目線を基準として、複合紙2から前記容器底部3の周囲に前記折り目線に基づいた多数の縦ひだ4と共に容器胴部5を加熱しながら一体起立後冷却して容器を成形したので、縦ひだ4の平面的輪郭形状をより一層複雑な形状構造にすることができるという工業的な効果を付加できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による蒸し加工食品用縦ひだ付き紙製容器
【図2】本発明に用いる複合紙の一例を示す拡大断面図
【図3】本発明の他の実施形態例を示す斜視図
【符号の説明】
1 加熱収縮性フイルム
1a バインダ層
2 複合紙
2A 複合紙における滑性撥水面
2a 用紙(紙素材)
3 容器底部
4 縦ひだ
5 多数の縦ひだを有する容器胴部
Claims (5)
- 加熱収縮性プラスチックフィルム1を一面に貼着した複合紙2から容器底部3となる部分の周囲に多数の縦ひだと4共に容器胴部5を加熱しながら一体起立成形した縦ひだ付き紙製容器において、前記複合紙2における前記フィルム貼着反対面を滑性撥水面2Aとなした複合紙2を用い、容器底部3となる部分の周囲に多数の縦ひだ4と共に容器胴部5を加熱しながら一体起立後冷却して容器を成形することで、前記プラスチックフィルム1と複合紙2における滑性撥水面2Aとにより、容器胴部5の吸湿による膨潤拡開を防ぎ、かつ前記加熱収縮性プラスチックフィルム1の加熱収縮後の冷却固化剛性により、前記容器胴部5の外力による拡開を減少させたことを特徴とする蒸し加工食品用縦ひだ付き紙製容器。
- 前記複合紙2における前記フィルム貼着反対面に食用油を含浸定着することで、滑性撥水面2Aとした複合紙2を用いてなる請求項1に記載の蒸し加工食品用縦ひだ付き紙製容器。
- 前記複合紙2における前記フィルム貼着反対面にパラフィンを塗工定着することで、滑性撥水面2Aとした複合紙2を用いてなる請求項1に記載の蒸し加工食品用縦ひだ付き紙製容器。
- 加熱収縮性プラスチックフィルム1を一面に貼着した複合紙2から容器底部3となる部分の周囲に多数の縦ひだと4共に容器胴部5を加熱しながら一体起立成形した縦ひだ付き紙製容器を作るに当たり、前記複合紙2における前記フィルム貼着反対面を滑性撥水面2Aとなした複合紙2を加熱済の対をなすプレス成形金型で加熱収縮させながら容器底部3の周囲に縦ひだ4と共に容器胴部5を一体起立後冷却して容器を成形することで、前記プラスチックフィルム1と複合紙2における滑性撥水面2Aとにより、容器胴部5の吸湿による膨潤拡開を防いだ蒸し加工食品用縦ひだ付き紙製容器の製造方法。
- 前記複合紙2に予じめ前記縦ひだ4に対応した多数の折り目線を形成しておき、これら各折り目線を基準として、複合紙2から前記容器底部3の周囲に前記折り目線に基づいた多数の縦ひだ4と共に容器胴部5を加熱しながら一体起立後冷却して容器を成形することを特徴とする請求項4に記載の蒸し加工食品用縦ひだ付き紙製容器の製造方法。
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JP2003087631A JP2004292018A (ja) | 2003-03-27 | 2003-03-27 | 蒸し加工食品用縦ひだ付き紙製容器とその製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008260557A (ja) * | 2007-04-12 | 2008-10-30 | Hokuoo Pack:Kk | 襞付き容器及び襞付き容器の製造方法 |
-
2003
- 2003-03-27 JP JP2003087631A patent/JP2004292018A/ja active Pending
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