JP2004291716A - インクライン台車のブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】インクライン台車の非常ブレーキの作動後、作動状態の解除を容易にできるようにする。
【解決手段】インクライン架台35に敷設された台車軌条30を走行するインクライン台車20に装着され、前記台車軌条30の中間に敷設された第三軌条31を挟んで圧接することにより前記インクライン台車20を制動するインクライン台車のブレーキ装置において、 装置フレーム1の左右両側に前記第三軌条31の直交方向へ回動可能にブレーキ受け2を軸着し、前記ブレーキ受け2の下端内方で前記第三軌条31を挟むブレーキ部3を支持すると共に前記一側のブレーキ受け2の上端部と他側のブレーキ受け2の上端部とを油圧の注入可能なバネ入りブレーキシリンダー14で連結して成り、ブレーキシリンダー14に油圧を注入してブレーキ荷重を解除する。
【選択図】 図2
【解決手段】インクライン架台35に敷設された台車軌条30を走行するインクライン台車20に装着され、前記台車軌条30の中間に敷設された第三軌条31を挟んで圧接することにより前記インクライン台車20を制動するインクライン台車のブレーキ装置において、 装置フレーム1の左右両側に前記第三軌条31の直交方向へ回動可能にブレーキ受け2を軸着し、前記ブレーキ受け2の下端内方で前記第三軌条31を挟むブレーキ部3を支持すると共に前記一側のブレーキ受け2の上端部と他側のブレーキ受け2の上端部とを油圧の注入可能なバネ入りブレーキシリンダー14で連結して成り、ブレーキシリンダー14に油圧を注入してブレーキ荷重を解除する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、インクライン架台に敷設された軌条の上を走行するインクライン台車を緊急停止させる非常用のブレーキ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ダム工事やトンネルの斜坑掘削など斜面上の工事では、図8に示すように、斜面に沿ってインクライン架台50を構築して台車軌条51を敷設し、このインクライン架台50に載せたインクライン台車52で必要機材や作業員を運搬する所謂インクライン設備が設置されている。
【0003】
インクライン設備におけるインクライン台車52の昇降方法として、インクライン架台50の先端部にシープ台車(図指省略)を固定し、シープ台車とインクライン台車52との間に捲回したワイヤーロープ53の端をウインチ(図指省略)に繋ぎ、ウインチで駆動されるワイヤーロープ53によりインクライン台車52を昇降移動させる方法が公知である。
【0004】
上記のワイヤーロープ53によりインクライン台車52を昇降移動させる方法では、ワイヤーロープ53の切断等によりインクライン台車52が逸走するような万一の非常事態に備えてインクライン台車52に非常用のブレーキ装置55が設置されている。
【0005】
図9は、従来のインクライン台車の非常用のブレーキ装置55を模式的に示している。インクライン架台50上には、インクライン台車52の車輪54、54が走行する台車軌条51、51と、台車軌条51、51の間の中央に第三軌条57が敷設されており、また、インクライン台車52の下面には、前記第三軌条57を両側から挟んで締め付けることによりインクライン台車52の落下逸走を制動する為の非常用のブレーキ装置55が一体的に設置されている。
【0006】
このブレーキ装置55は、昇降用のワイヤーロープ53が切断したとき作動する非常用駆動装置(図指省略)や、インクライン台車50の逸走による車輪54の過回転によりガバナー等を介して作動する非常用駆動装置(図指省略)によって作動されるものであり、ブレーキ装置55におけるフレーム56の下方にブレーキ部63を有している。図10(a)は作動前のブレーキ部63を示しており、表面に摩擦板58が固定され裏面に勾配を有するクサビ状の山59と該山59とほぼ相似形の谷59aとが連続形成されたブレーキシュー60と、平時は前記ブレーキシュー60に噛み合っているクサビ状の山61と谷61aとが連続形成されたクサビ受け62とを有し、第三軌条57を中心に挟み所定間隔をおいて前記一対の機構が位置している。
【0007】
そして、図10(b)は作動状態のブレーキ部63を示しており、ブレーキ装置55の駆動装置(図指省略)によりブレーキシュー60が第三軌条57に沿って引かれると、噛み合っていたブレーキシューの山59とクサビ受けの山61とが相互に乗り上げることによりブレーキシュー60が第三軌条57に両側から圧接作動するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のブレーキ装置55は、緊急停止させる強力な締め付けをすることから、ブレーキ装置55を作動させると、ブレーキ部63のブレーキシューの山59とクサビ受けの山61とが強く圧接し、フレーム56に反力をとって圧着状態となると共にブレーキシュー60が第三軌条57に強固に食い込む。従って、ブレーキの作動状態を解除する為にブレーキシュー60をブレーキ部63から抜き出すときは、ブレーキシュー60をハンマーで叩き出したり、チェンブロックを使って抜き出しをしなければ解除できなかった。
【0009】
このブレーキの解除作業は、作業員がインクライン台車52の下面に潜って行うので、困難な作業となり安全上の問題があった。また、ブレーキ装置のテストをする際にも、かなりの労力を必要とするばかりか時間もかかり、不経済であった。
【0010】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたもので、インクライン台車の非常ブレーキの作動後、作動状態の解除を容易にできるようにすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、インクライン架台に敷設された台車軌条を走行するインクライン台車に装着され、前記台車軌条の中間に敷設された第三軌条を挟んで圧接することにより前記インクライン台車を制動するインクライン台車のブレーキ装置において、 装置フレームの左右両側に前記第三軌条の直交方向へ回動可能にブレーキ受けを軸着し、前記ブレーキ受けの下端内方で前記第三軌条を挟むブレーキ部を支持すると共に前記一側のブレーキ受けの上端部と他側のブレーキ受けの上端部とを油圧の注入可能なバネ入りブレーキシリンダーで連結して成ることを特徴としている。
【0012】
上記の構成としたことにより、ブレーキ装置が作動し前記ブレーキ部が前記第三軌条を締め付けると、ブレーキ部の拡張により前記ブレーキ受けが前記軸を支点に前記バネ入りブレーキシリンダーを圧縮する方向へ回動し、シリンダーのバネ圧により前記ブレーキ部が荷重される。ブレーキを解除するときは、前記バネ入りブレーキシリンダー内に油圧を注入し前記バネを更に圧縮して前記シリンダーを収縮させることにより、前記ブレーキ部の荷重を解除することができる。
【0013】
また、前記ブレーキ部を複数のブレーキ受けで支持すると共に一側の前記ブレーキ受け同士の上端部を梁で連結し、前記左右両側の梁の中央を前記バネ入りブレーキシリンダーで連結する構成とすることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
図1乃至図7は、本発明のインクライン台車のブレーキ装置の実施の形態を示しており、図1に示すように、本発明のブレーキ装置Sが設置されるインクライン台車20が走行するインクライン架台35上には、所定間隔の台車軌条30、30が敷設されていると共に、台車軌条30、30間の中央に第三軌条31が敷設されている。
【0016】
インクライン台車20は、その傾斜山側にシープ22が設けられている。このシープ22とインクライン架台35の山側先端部に固定されたシープ台車(図指省略)との間にはワイヤーロープ23が捲き架けられており、ワイヤーロープ23をウインチ(図指省略)で駆動することにより、インクライン台車20は台車軌条30、30の上を走行し傾斜面を昇降する。
【0017】
ブレーキ装置Sは、インクライン台車20における台車本体21の中央部に装着されており、図2、図3に示すように、第三軌条31に圧接する該ブレーキ装置Sのブレーキ部3は台車本体21の下面に位置している。また、ブレーキ装置Sが装着されている台車本体21の上面には、前記ブレーキ装置Sを作動する為のブレーキの駆動装置Kが設置されており、駆動装置Kがインクライン台車20の逸走を感知して作動することにより、ブレーキ装置Sのブレーキ部3が第三軌条31を挟み圧接してインクライン台車20を制動する。
【0018】
ブレーキ装置Sの装置フレーム1は、台車本体21の中央部の下面に所定間隔をとって垂設された台車ブラケット24、24の間に位置し、その前後両端部において前記台車ブラケット24、24を挿通する軸ピン12に挿通され、該軸ピン12を介し台車本体21と左右水平方向へ相対移動可能に連結されている。
【0019】
また、装置フレーム1の前後両端部の下面には、装置フレーム1に直交方向のガイドブラケット10を介して第三軌条31のフランジ部31aを両側から挟んで接触するサイドガイドローラ11、11が設けられており、ブレーキ装置Sは台車本体21の移動に伴いサイドガイドローラ11、11に案内されて、常に第三軌条31に沿って移動する。
【0020】
装置フレーム1の左右両側には、片側二本、計四本の支柱状のブレーキ受け2、2が、それぞれ第三軌条31の直交方向へ回動可能に軸ピン7で軸着されており、各ブレーキ受け2、2の下端内方で第三軌条31を挟むブレーキ部3を両側から支持している。また、装置フレーム1の下端にはサポートバー8が横設されており、その両端面が各ブレーキ受け2の下端部内側に当接してブレーキ部3の内側と第三軌条31との間隔を維持している。
【0021】
また、装置フレーム1の一側にあるブレーキ受け同士2、2の上端部は、それぞれ梁9、9で連結してあると共に、左右両側の梁9、9の中央をバネ入りブレーキシリンダー14で連結してある。ブレーキ受け2、2上部の内方回動によりブレーキ受け2、2上部の内方へかかる荷重は、梁9、9を介してバネ入りブレーキシリンダー14が受けるようになっている。
【0022】
図5に示すように、バネ入りブレーキシリンダー14内には、皿バネ17が内装されており、この皿バネ17はロッド16を連結したピストン15によって支持されている。また、バネ入りブレーキシリンダー14の外周面には、ピストン15の下方に油圧を注入してピストン15を押し上げる為の油圧の注入口18が突設されている。
【0023】
ブレーキ部3は、図10で説明したブレーキ部63と同様であって、表面に摩擦板4が固定され裏面に勾配を有するクサビ状の山と谷とが連続形成されたブレーキシュー5と、平時は前記ブレーキシュー5に噛み合っているクサビ状の山と谷とが連続形成されたクサビ受け6とを有している。
【0024】
このブレーキ部3は、インクライン台車20が逸走するような非常事態が発生すると、駆動装置Kが作動して駆動装置Kのアーム25が逆時計回りに回転し、アーム25の先端部に軸着されているブレーキシュー5が第三軌条31に沿って矢印方向へ引かれる。この作動により噛み合っていたブレーキシュー5の山とクサビ受け6の山とが相互に乗り上げ、ブレーキシュー5が第三軌条31に寄って、その摩擦板4が第三軌条31の両側から圧接する構成となっている。
【0025】
上記の構成としたことにより、図3に示す、ブレーキ装置Sの作動してない状態から、図6に示すように、ブレーキ装置Sが作動することによりブレーキ部3が第三軌条31を締め付けると、ブレーキシュー5の山とクサビ受け6の山とが相互に乗り上げることによりブレーキ部3の寸法Nが+αだけ拡張する。このブレーキ部3の拡張により、ブレーキ受け2、2が軸7、7を支点にバネ入りブレーキシリンダー14を圧縮する矢印方向へ回動し、バネ17が縮んでバネ入りブレーキシリンダー14の寸法Lが−δだけ収縮する。
【0026】
従って、バネ入りブレーキシリンダー14 のバネ17の縮み分がブレーキ力となって荷重され、ブレーキシュー5の摩擦板4が第三軌条31に強固に食い込んでインクライン台車20を強力に緊急制動する。
【0027】
ブレーキを解除するときは、バネ入りブレーキシリンダー14の油圧注入口18からシリンダー内19へ油圧ポンプ(図指省略)を使って油圧を注入する。ブレーキの作動によりバネ17が縮むが、バネ入りブレーキシリンダー14にはそのストロークに余裕が設けてあることから、油圧によりピストン15を介して更にバネ17が圧縮され、バネ入りブレーキシリンダー14が収縮してブレーキ部3の荷重が解除される。
【0028】
従って、ブレーキシュー5とクサビ受け6との間に隙間ができ、ブレーキ部3からブレーキシュー5を容易に抜き出してブレーキを完全に解除し、次のセット作業に備えることができる。
【0029】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0030】
ブレーキ部を支持する左右のブレーキ受けを回動可能に設けると共に左右のブレーキ受けを油圧の注入可能なバネ入りブレーキシリンダーで連結したことにより、非常ブレーキを解除するとき、バネ入りブレーキシリンダー内に油圧を注入して強力なブレーキ部の荷重を速やかに解除し、ブレーキシューをブレーキ部から容易に抜き出すことができる。
【0031】
従って、ブレーキの解除作業が容易となり、作業の安全性が向上すると共に、ブレーキ装置のテスト時間が短縮され、経済的に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブレーキ装置が設置されたインクライン台車の上部設備を取り除いた状態の概容を示す平面図。
【図2】図1におけるブレーキ装置を拡大して示す側面図。
【図3】図2のB矢視方向を示す断面図。
【図4】図2のC矢視方向を示すバネ入りブレーキシリンダーの図。
【図5】図4のバネ入りブレーキシリンダーを示す断面図。
【図6】図3の作動状態を示す説明図。
【図7】図5の作動状態を示す説明図。
【図8】公知のインクライン台車の説明図。
【図9】従来例を示す説明図。
【図10】図9におけるA−A矢視方向の断面図。
【符号の説明】
1 装置フレーム,2 ブレーキ受け,3 ブレーキ部,9 梁,14 バネ入りブレーキシリンダー,20 インクライン台車,30 台車軌条,31 第三軌条,35 インクライン架台,S ブレーキ装置,
【産業上の利用分野】
本発明は、インクライン架台に敷設された軌条の上を走行するインクライン台車を緊急停止させる非常用のブレーキ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ダム工事やトンネルの斜坑掘削など斜面上の工事では、図8に示すように、斜面に沿ってインクライン架台50を構築して台車軌条51を敷設し、このインクライン架台50に載せたインクライン台車52で必要機材や作業員を運搬する所謂インクライン設備が設置されている。
【0003】
インクライン設備におけるインクライン台車52の昇降方法として、インクライン架台50の先端部にシープ台車(図指省略)を固定し、シープ台車とインクライン台車52との間に捲回したワイヤーロープ53の端をウインチ(図指省略)に繋ぎ、ウインチで駆動されるワイヤーロープ53によりインクライン台車52を昇降移動させる方法が公知である。
【0004】
上記のワイヤーロープ53によりインクライン台車52を昇降移動させる方法では、ワイヤーロープ53の切断等によりインクライン台車52が逸走するような万一の非常事態に備えてインクライン台車52に非常用のブレーキ装置55が設置されている。
【0005】
図9は、従来のインクライン台車の非常用のブレーキ装置55を模式的に示している。インクライン架台50上には、インクライン台車52の車輪54、54が走行する台車軌条51、51と、台車軌条51、51の間の中央に第三軌条57が敷設されており、また、インクライン台車52の下面には、前記第三軌条57を両側から挟んで締め付けることによりインクライン台車52の落下逸走を制動する為の非常用のブレーキ装置55が一体的に設置されている。
【0006】
このブレーキ装置55は、昇降用のワイヤーロープ53が切断したとき作動する非常用駆動装置(図指省略)や、インクライン台車50の逸走による車輪54の過回転によりガバナー等を介して作動する非常用駆動装置(図指省略)によって作動されるものであり、ブレーキ装置55におけるフレーム56の下方にブレーキ部63を有している。図10(a)は作動前のブレーキ部63を示しており、表面に摩擦板58が固定され裏面に勾配を有するクサビ状の山59と該山59とほぼ相似形の谷59aとが連続形成されたブレーキシュー60と、平時は前記ブレーキシュー60に噛み合っているクサビ状の山61と谷61aとが連続形成されたクサビ受け62とを有し、第三軌条57を中心に挟み所定間隔をおいて前記一対の機構が位置している。
【0007】
そして、図10(b)は作動状態のブレーキ部63を示しており、ブレーキ装置55の駆動装置(図指省略)によりブレーキシュー60が第三軌条57に沿って引かれると、噛み合っていたブレーキシューの山59とクサビ受けの山61とが相互に乗り上げることによりブレーキシュー60が第三軌条57に両側から圧接作動するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のブレーキ装置55は、緊急停止させる強力な締め付けをすることから、ブレーキ装置55を作動させると、ブレーキ部63のブレーキシューの山59とクサビ受けの山61とが強く圧接し、フレーム56に反力をとって圧着状態となると共にブレーキシュー60が第三軌条57に強固に食い込む。従って、ブレーキの作動状態を解除する為にブレーキシュー60をブレーキ部63から抜き出すときは、ブレーキシュー60をハンマーで叩き出したり、チェンブロックを使って抜き出しをしなければ解除できなかった。
【0009】
このブレーキの解除作業は、作業員がインクライン台車52の下面に潜って行うので、困難な作業となり安全上の問題があった。また、ブレーキ装置のテストをする際にも、かなりの労力を必要とするばかりか時間もかかり、不経済であった。
【0010】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたもので、インクライン台車の非常ブレーキの作動後、作動状態の解除を容易にできるようにすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、インクライン架台に敷設された台車軌条を走行するインクライン台車に装着され、前記台車軌条の中間に敷設された第三軌条を挟んで圧接することにより前記インクライン台車を制動するインクライン台車のブレーキ装置において、 装置フレームの左右両側に前記第三軌条の直交方向へ回動可能にブレーキ受けを軸着し、前記ブレーキ受けの下端内方で前記第三軌条を挟むブレーキ部を支持すると共に前記一側のブレーキ受けの上端部と他側のブレーキ受けの上端部とを油圧の注入可能なバネ入りブレーキシリンダーで連結して成ることを特徴としている。
【0012】
上記の構成としたことにより、ブレーキ装置が作動し前記ブレーキ部が前記第三軌条を締め付けると、ブレーキ部の拡張により前記ブレーキ受けが前記軸を支点に前記バネ入りブレーキシリンダーを圧縮する方向へ回動し、シリンダーのバネ圧により前記ブレーキ部が荷重される。ブレーキを解除するときは、前記バネ入りブレーキシリンダー内に油圧を注入し前記バネを更に圧縮して前記シリンダーを収縮させることにより、前記ブレーキ部の荷重を解除することができる。
【0013】
また、前記ブレーキ部を複数のブレーキ受けで支持すると共に一側の前記ブレーキ受け同士の上端部を梁で連結し、前記左右両側の梁の中央を前記バネ入りブレーキシリンダーで連結する構成とすることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
図1乃至図7は、本発明のインクライン台車のブレーキ装置の実施の形態を示しており、図1に示すように、本発明のブレーキ装置Sが設置されるインクライン台車20が走行するインクライン架台35上には、所定間隔の台車軌条30、30が敷設されていると共に、台車軌条30、30間の中央に第三軌条31が敷設されている。
【0016】
インクライン台車20は、その傾斜山側にシープ22が設けられている。このシープ22とインクライン架台35の山側先端部に固定されたシープ台車(図指省略)との間にはワイヤーロープ23が捲き架けられており、ワイヤーロープ23をウインチ(図指省略)で駆動することにより、インクライン台車20は台車軌条30、30の上を走行し傾斜面を昇降する。
【0017】
ブレーキ装置Sは、インクライン台車20における台車本体21の中央部に装着されており、図2、図3に示すように、第三軌条31に圧接する該ブレーキ装置Sのブレーキ部3は台車本体21の下面に位置している。また、ブレーキ装置Sが装着されている台車本体21の上面には、前記ブレーキ装置Sを作動する為のブレーキの駆動装置Kが設置されており、駆動装置Kがインクライン台車20の逸走を感知して作動することにより、ブレーキ装置Sのブレーキ部3が第三軌条31を挟み圧接してインクライン台車20を制動する。
【0018】
ブレーキ装置Sの装置フレーム1は、台車本体21の中央部の下面に所定間隔をとって垂設された台車ブラケット24、24の間に位置し、その前後両端部において前記台車ブラケット24、24を挿通する軸ピン12に挿通され、該軸ピン12を介し台車本体21と左右水平方向へ相対移動可能に連結されている。
【0019】
また、装置フレーム1の前後両端部の下面には、装置フレーム1に直交方向のガイドブラケット10を介して第三軌条31のフランジ部31aを両側から挟んで接触するサイドガイドローラ11、11が設けられており、ブレーキ装置Sは台車本体21の移動に伴いサイドガイドローラ11、11に案内されて、常に第三軌条31に沿って移動する。
【0020】
装置フレーム1の左右両側には、片側二本、計四本の支柱状のブレーキ受け2、2が、それぞれ第三軌条31の直交方向へ回動可能に軸ピン7で軸着されており、各ブレーキ受け2、2の下端内方で第三軌条31を挟むブレーキ部3を両側から支持している。また、装置フレーム1の下端にはサポートバー8が横設されており、その両端面が各ブレーキ受け2の下端部内側に当接してブレーキ部3の内側と第三軌条31との間隔を維持している。
【0021】
また、装置フレーム1の一側にあるブレーキ受け同士2、2の上端部は、それぞれ梁9、9で連結してあると共に、左右両側の梁9、9の中央をバネ入りブレーキシリンダー14で連結してある。ブレーキ受け2、2上部の内方回動によりブレーキ受け2、2上部の内方へかかる荷重は、梁9、9を介してバネ入りブレーキシリンダー14が受けるようになっている。
【0022】
図5に示すように、バネ入りブレーキシリンダー14内には、皿バネ17が内装されており、この皿バネ17はロッド16を連結したピストン15によって支持されている。また、バネ入りブレーキシリンダー14の外周面には、ピストン15の下方に油圧を注入してピストン15を押し上げる為の油圧の注入口18が突設されている。
【0023】
ブレーキ部3は、図10で説明したブレーキ部63と同様であって、表面に摩擦板4が固定され裏面に勾配を有するクサビ状の山と谷とが連続形成されたブレーキシュー5と、平時は前記ブレーキシュー5に噛み合っているクサビ状の山と谷とが連続形成されたクサビ受け6とを有している。
【0024】
このブレーキ部3は、インクライン台車20が逸走するような非常事態が発生すると、駆動装置Kが作動して駆動装置Kのアーム25が逆時計回りに回転し、アーム25の先端部に軸着されているブレーキシュー5が第三軌条31に沿って矢印方向へ引かれる。この作動により噛み合っていたブレーキシュー5の山とクサビ受け6の山とが相互に乗り上げ、ブレーキシュー5が第三軌条31に寄って、その摩擦板4が第三軌条31の両側から圧接する構成となっている。
【0025】
上記の構成としたことにより、図3に示す、ブレーキ装置Sの作動してない状態から、図6に示すように、ブレーキ装置Sが作動することによりブレーキ部3が第三軌条31を締め付けると、ブレーキシュー5の山とクサビ受け6の山とが相互に乗り上げることによりブレーキ部3の寸法Nが+αだけ拡張する。このブレーキ部3の拡張により、ブレーキ受け2、2が軸7、7を支点にバネ入りブレーキシリンダー14を圧縮する矢印方向へ回動し、バネ17が縮んでバネ入りブレーキシリンダー14の寸法Lが−δだけ収縮する。
【0026】
従って、バネ入りブレーキシリンダー14 のバネ17の縮み分がブレーキ力となって荷重され、ブレーキシュー5の摩擦板4が第三軌条31に強固に食い込んでインクライン台車20を強力に緊急制動する。
【0027】
ブレーキを解除するときは、バネ入りブレーキシリンダー14の油圧注入口18からシリンダー内19へ油圧ポンプ(図指省略)を使って油圧を注入する。ブレーキの作動によりバネ17が縮むが、バネ入りブレーキシリンダー14にはそのストロークに余裕が設けてあることから、油圧によりピストン15を介して更にバネ17が圧縮され、バネ入りブレーキシリンダー14が収縮してブレーキ部3の荷重が解除される。
【0028】
従って、ブレーキシュー5とクサビ受け6との間に隙間ができ、ブレーキ部3からブレーキシュー5を容易に抜き出してブレーキを完全に解除し、次のセット作業に備えることができる。
【0029】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0030】
ブレーキ部を支持する左右のブレーキ受けを回動可能に設けると共に左右のブレーキ受けを油圧の注入可能なバネ入りブレーキシリンダーで連結したことにより、非常ブレーキを解除するとき、バネ入りブレーキシリンダー内に油圧を注入して強力なブレーキ部の荷重を速やかに解除し、ブレーキシューをブレーキ部から容易に抜き出すことができる。
【0031】
従って、ブレーキの解除作業が容易となり、作業の安全性が向上すると共に、ブレーキ装置のテスト時間が短縮され、経済的に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブレーキ装置が設置されたインクライン台車の上部設備を取り除いた状態の概容を示す平面図。
【図2】図1におけるブレーキ装置を拡大して示す側面図。
【図3】図2のB矢視方向を示す断面図。
【図4】図2のC矢視方向を示すバネ入りブレーキシリンダーの図。
【図5】図4のバネ入りブレーキシリンダーを示す断面図。
【図6】図3の作動状態を示す説明図。
【図7】図5の作動状態を示す説明図。
【図8】公知のインクライン台車の説明図。
【図9】従来例を示す説明図。
【図10】図9におけるA−A矢視方向の断面図。
【符号の説明】
1 装置フレーム,2 ブレーキ受け,3 ブレーキ部,9 梁,14 バネ入りブレーキシリンダー,20 インクライン台車,30 台車軌条,31 第三軌条,35 インクライン架台,S ブレーキ装置,
Claims (2)
- インクライン架台に敷設された台車軌条を走行するインクライン台車に装着され、前記台車軌条の中間に敷設された第三軌条を挟んで圧接することにより前記インクライン台車を制動するインクライン台車のブレーキ装置において、 装置フレームの左右両側に前記第三軌条の直交方向へ回動可能にブレーキ受けを軸着し、前記ブレーキ受けの下端内方で前記第三軌条を挟むブレーキ部を支持すると共に前記一側のブレーキ受けの上端部と他側のブレーキ受けの上端部とを油圧の注入可能なバネ入りブレーキシリンダーで連結して成ることを特徴とするインクライン台車のブレーキ装置。
- 前記ブレーキ部を複数のブレーキ受けで支持すると共に一側の前記ブレーキ受け同士の上端部を梁で連結し、前記左右両側の梁の中央を前記バネ入りブレーキシリンダーで連結したことを特徴とする請求項1記載のインクライン台車のブレーキ装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2003
- 2003-03-26 JP JP2003084364A patent/JP2004291716A/ja not_active Withdrawn
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