JP2004291680A - 車両の空調システム - Google Patents
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Abstract
【課題】車両のエンジン停止時における、車室内の空調とその電力消費との調和を図ること。
【解決手段】車両内の各領域▲1▼〜▲4▼毎に当該各領域の空調を行う空調装置1〜3と、車両に対する太陽の日射方向を検出する太陽電池4及び電流センサ14a〜14dと、を備え、クランク回転検出センサ12により、車両のエンジンが停止していると判定した場合に、検出された日射方向に基づいて、空調装置1〜3による前記領域毎の空調を制御する。
【選択図】 図3
【解決手段】車両内の各領域▲1▼〜▲4▼毎に当該各領域の空調を行う空調装置1〜3と、車両に対する太陽の日射方向を検出する太陽電池4及び電流センサ14a〜14dと、を備え、クランク回転検出センサ12により、車両のエンジンが停止していると判定した場合に、検出された日射方向に基づいて、空調装置1〜3による前記領域毎の空調を制御する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の空調技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車室内の快適性を維持するため、エアコン、換気ファン等の空調設備を搭載した車両が普及している。また、乗員の足元等に配置され、車室内を部分的に空調するのに好適な空調設備を搭載したものも提案されており、そのような空調設備として例えばペルチェ素子を用いたものが提案されている(例えば、特許文献1及び2)。
【0003】
一方、車両を長時間駐車した場合、外気温の影響により車室内の温度が高温又は低温に至り、駐車中の車室内に残っている者や、その後車両に乗り込む者に不快感を与える。とりわけ夏場や冬場にあっては車室内の温度が著しく高温又は低温に至るため顕著となる。ここで、駐車時にあっては通常エンジンが停止しているためエンジン出力を利用して空調設備を駆動する電力を得ることはできない。この点、バッテリから電力を得ることが挙げられるが、バッテリは長時間に渡って十分な電力を供給することは困難である。そこで、車両に太陽電池を設けてこれにより空調設備のための電力を得ることも提案されている(例えば、特許文献1及び2)。
【0004】
【特許文献1】特開平8−11517号公報
【特許文献2】特開平11−342731号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、太陽電池の性能が向上しつつあるとはいえ、その出力電力は必ずしも大きなものではなく、車両のエンジン停止時に空調設備を駆動するために利用できる電力には制限がある。
【0006】
従って、本発明の目的は、車両のエンジン停止時における、車室内の空調とその電力消費との調和を図り得る車両の空調システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、車両のエンジンの停止を判定する判定手段と、前記車両内の各領域毎に当該各領域の空調を行う空調手段と、前記車両に対する太陽の日射方向を検出する日射方向検出手段と、前記判定手段により前記エンジンが停止していると判定された場合に、前記日射方向検出手段により検出された日射方向に基づいて、前記空調手段による前記領域毎の空調を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする車両の空調システムが提供される。
【0008】
このシステムは太陽光を効果的に利用するものである。すなわち、車両に対する太陽の日射方向如何により、車室内は部分的に太陽光により加温される場合があるところ、このシステムでは車両のエンジン停止時に車両に対する日射方向を検出し、これに基づて車室内の各領域毎に空調を制御することで、太陽光によって加温されている領域については、例えば他の領域よりも空調能力を下げて省エネルギ化を図ったり、逆に空調能力を上げて車室内の快適性を向上することが可能となる。従って、このシステムは車両のエンジン停止時における、車室内の空調とその電力消費との調和を図ることができる。
【0009】
本発明においては、更に、前記車両に対する太陽の日射量を検出する日射量検出手段を備え、前記制御手段は、前記日射量検出手段により検出された日射量が所定値以上の場合に、前記空調手段による前記領域毎の空調を制御することもできる。これにより、太陽光による加温の影響が大きい場合にのみ上記空調制御を行うことができる。
【0010】
また、本発明においては、前記空調手段が、1又は複数の前記領域の空調を行うために、外気を車室内に流通させる1又は複数のファンと、1又は複数の前記領域の空調を行うために、空気を加温又は冷却して車室内に供給する1又は複数のエアコンと、の少なくともいずれかを含むこともできる。
【0011】
また、本発明においては、前記空調手段が、各々の前記領域毎に設置され、通電により放熱又は吸熱する複数の素子を含むこともできる。
【0012】
この場合、更に、車室内の温度と外気温との温度差を検出する温度差検出手段を備え、前記制御手段は、前記日射方向検出手段により検出された日射方向と、前記温度差検出手段により検出された温度差と、に基づいて放熱又は吸熱する前記素子を制御することもできる。これにより日射方向のみならず、車室内温度と外気温との温度差も考慮した空調制御が可能となる。
【0013】
また、本発明においては、前記日射方向検出手段は、車両に設けられた太陽電池を含むこともできる。これにより、太陽電池を電力供給源としてのみならず、日射方向の検出にも併用できる。
【0014】
また、本発明においては、前記日射量検出手段は、車両に設けられた太陽電池を含むこともできる。これにより、太陽電池を電力供給源としてのみならず、日射量の検出にも併用できる。
【0015】
また、本発明においては、前記空調手段は、車両に設けられた太陽電池による電力により駆動されてもよい。車両のエンジン停止時の電力供給源として太陽電池は有益である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態に係る空調システムのブロック図、図2(a)は本実施形態の空調システムを適用した車両の平面視図、図3は本実施形態の空調システムを適用した車両内部の構成図である。
【0017】
本実施形態においては部分冷暖房ユニット1a〜1d(以下、総称するときは部分冷暖房ユニット1という。)と換気ファン2a〜2d(以下、総称するときは換気ファン2という。)とエアコン3という、3種類の空調装置を設けた場合を例に挙げて説明する。しかし、本発明はこれに限られず、種々の空調装置が採用可能である。
【0018】
部分冷暖房ユニット1は、車室内の所定の箇所に設置され、通電により放熱又は吸熱する素子を用いたユニットである。そのような素子としては例えばペルチェ素子を挙げることができる。本実施形態の場合、この部分冷暖房ユニット1を車室内の各シートにそれぞれ内蔵するように構成している。このように配置することで、乗員を直接的に加温又は冷却することができ、体感的には最も効率的な空調装置となる。また、この部分冷暖房ユニット1は、例えば、乗員の足元のフロアやルーフの内側に設けてもよい。換気ファン2は外気を車室内に流通させることにより、車室内の空調を行う空調装置であり、例えば、ファンモータから構成される。本実施形態の場合、車両の前後左右の各側部に合計4つ配設されている。
【0019】
エアコン3は空気を加温又は冷却して車室内に供給するものであり、空気を加温又は冷却する点で単に気流を生じさせる換気ファン2と異なる。車室内にはエアコン3からの空気を吹き出す複数の吹出口16a〜16dが設けられており、これらの吹出口から加温又は冷却された空気を車室内へ供給する。吹出口16a及び16bはインストルメントパネルに、吹出口16c及び16dは後方のシート上のルーフに、それぞれ配設することができる。
【0020】
各吹出口16a〜16dはダクトを介してダクト切り替え器13に接続されている。ダクト切り替え器13は例えば電気的に制御可能な複数の弁からなり、エアコン3からの空気の各ダクトへの流通を個別に切り替える。
【0021】
ここで、本実施形態では図3に示すように、車室内を仮想的な4つの領域▲1▼〜▲4▼に区画しており、各領域▲1▼〜▲4▼の空調を主として行うよう、上述した各空調装置を配設している。まず、運転席周辺に設定された領域▲1▼には部分冷暖房ユニット1a、換気ファン2a及びエアコン3の吹出口16aが割り当てられている。また、後部右座席周辺に設定された領域▲2▼には部分冷暖房ユニット1b、換気ファン2b及びエアコン3の吹出口16bが割り当てられている。また、後部左座席周辺に設定された領域▲3▼には部分冷暖房ユニット1c、換気ファン2c及びエアコン3の吹出口16cが割り当てられている。そして、助手席周辺に設定された領域▲4▼には部分冷暖房ユニット1d、換気ファン2d及びエアコン3の吹出口16dが割り当てられている。
【0022】
これらの各空調装置(部分冷暖房ユニット1、換気ファン2及びエアコン3)は、車両のエンジン停止時にあっては太陽電池4により発電された電気を蓄積するサブバッテリ5から電力の供給を受けることで駆動される。なお、エンジン駆動時にはエンジンに取付けられた発電機から電力の供給を受けるように構成することができる。このように太陽電池4から電力の供給を受けることでエンジン停止時においても電力の供給が可能となる。サブバッテリ5は例えば後方のシート下に配設されており、上述した3種類の空調装置の他、各種補機の電力源として用いることもできる。
【0023】
太陽電池4は車両のルーフ表面に配設されており、太陽光を電気エネルギーに変換する。本実施形態においては、この太陽電池4を電力源としてのみならず、太陽光の日射方向と日射量との検出にも用いる。以下、この点を説明する。図2(a)及び(b)に示すように太陽電池4は4つのセルA〜Dを四角錐型に形成したユニットをマトリックス状に多数配設してなる。図2(b)に示すように、セルAは車両の前方、セルBは車両の右側面、セルCは車両の後方、セルDは車両の左側面を向くように全てのユニットが構成されている。そして、図1に示すように、各セルは各群A〜D毎に直列に接続され、充放電コントローラ6に電流を供給するように構成され、各セル群A〜Dの電流はそれぞれ電流センサ14a〜14dにより個別に計測される。各電流センサ14a〜14dはインターフェース15を介してCPU7に接続されており、CPU7に計測結果を提供するようにしている。
【0024】
ここで、太陽電池から発電される電流は太陽光の日射量に比例する。従って、まず、太陽電池4からの総電流量により太陽光の日射量を計測することが可能となる。次に、各セル群A〜Dからの電流値を相互に比較することにより、日射方向を検出することが可能となる。例えば、セルA群からの電流のみが他の各セル群B〜Dからの電流よりも大きい場合、日射方向は車両の前方からとなる。また、セル群A及びBからの電流が他のセル群C及びDよりも大きく、かつ、両者の電流が略等しい場合、日射方向は車両の右前方からとなる。
【0025】
このようにして、日射方向を検出することが可能となる。本実施形態では図2(a)に示すように、車両の前方からの日射方向を0度として、時計回りに360度の日射方向を想定し、電流センサ14a〜14dの計測結果から求めた日射方向に基づき、各領域▲1▼〜▲4▼毎の空調制御を行うものである。なお、本実施形態では日射方向と日射量とを共通の太陽電池4を用いて検出するように構成しているが、日射センサ等の他の検出手段を用いてこれらを検出し、太陽電池4を専ら電力源として用いてもよいことはいうまでもない。
【0026】
次に、充放電コントローラ6は太陽電池4からの電力をサブバッテリ5に蓄電し、また、サブバッテリ5から各空調装置へ電力が供給されるようにサブバッテリ5の放電を制御するものである。充放電コントローラ6は、CPU7の命令に従って、エンジン停止時において各空調装置等を駆動する場合にサブバッテリ5を放電するようにし、エンジン駆動中或いは各空調装置等の非駆動時にはサブバッテリ5を充電するように作動する。
【0027】
CPU7は、インターフェース15を介して各空調装置(1乃至3)、ダクト切り替え器13及び充放電コントローラ6の制御を司るプロセッサである。CPU7は各空調装置(1乃至3)の駆動・非駆動の切り替え及び充放電コントローラ6の充電、放電の切り替え等を行い、特にエンジン停止時に後述する空調制御処理及び空調モード選択処理を実行する。ROM(リードオンリメモリ)8には後述する空調選択処理及び空調モード選択処理のプログラムの他、固定的なデータを記憶するメモリである。RAM(ランダムアクセスメモリ)9はCPU7によって処理されるプログラムのワークエリアを有し、可変データ等を記憶する。これらのROM8及びRAM9としては他の記憶手段を採用してもよいことはいうまでもない。また、CPU7、ROM8及びRAM9は車両の制御部で用いられるものを併用するようにしてもよい。
【0028】
車室内温度センサ10は車室内の温度を検出するためのセンサであり、本実施形態の場合、車両のルーフ内側に配置した場合を想定しているが車室内の温度を検出可能な任意の配設位置が選択できる。車外温度センサ11は車外気温を検出するためのセンサであり、本実施形態の場合、ボンネット上部に配設しているがこれも外気温を検出可能な任意の配設位置を選択できる。これらのセンサとしては例えばサーミスタ素子を用いることができる。
【0029】
車室内温度センサ10及び車外温度センサ11はインターフェース15を介してCPU7に接続されており、A/D変換器(図示せず)等により検出した車室内温度及び車外温度のデジタル情報をCPU7に提供する。
【0030】
クランク回転検出センサ12は車両のエンジンの停止を検出するためのセンサであり、例えば、エンジンの点火タイミング制御に用いられるクランク角センサをこのクランク回転検出センサ12として併用することもできる。なお、エンジンの停止を検出するために、このクランク回転検出センサ12に代えて他の物理量を検出する各種センサを採用してもよいことはいうまでもない。クランク回転検出センサ12による検出結果はインタフェース15を介してCPU7に提供される。
【0031】
次に、本実施形態における、エンジン停止時の空調制御処理について説明する。図4(a)はCPU7が実行する空調制御処理のフローチャートである。CPU7は所定のタイミングで図4(a)の処理を反復する。概説すると、本実施形態においては、太陽光の日射方向を判定することで、車室内の各領域▲1▼〜▲4▼のうちより多くの太陽光が照射されている領域を特定・選択し、その領域の空調を制御するものである。この空調制御としては、例えば、夏場のように暑い場合、太陽光が照射されている領域の冷房を他の領域よりも強くして車室内の快適性を向上し、或いは、冬場のように寒い場合、太陽光が照射されている領域の暖房を他の領域よりも弱くして空調装置の消費電力を節約することが挙げられる。このようにすることで、本実施形態では車両のエンジン停止時における、車室内の空調とその電力消費との調和を図ることができる。
【0032】
図4(a)において、S1ではクランク回転検出センサ12の検出結果を取得する。S2ではS1で取得した検出結果に基づいてエンジンが停止中か否かを判定する。エンジンが停止中の場合、エンジン停止時の空調制御を行うべくS3へ進み、エンジンが駆動中の場合、処理を終了する。エンジン駆動中の場合、エンジンに接続された発電機から電力の供給を受けて各空調装置(1乃至3)を適宜稼動させる。
【0033】
S3では日射量を検出する。具体的には、各電流センサ14a〜14cの計測結果を取得してその総量を算出することで車両に対する日射量を算出する。S4ではS3で検出した日射量が予め定めた値よりも大きいか否かを判定する。小さい場合、車室内に対する太陽光による加温の影響が小さく、領域▲1▼〜▲4▼毎の空調制御を行う効果が小さいと判断して処理を終了する。一方、S3で検出した日射量が予め定めた値よりも大きい場合、太陽光による加温の影響が大きいと考えられることから、S5以降に処理を移行する。
【0034】
S5では日射方向を検出する。具体的には、各電流センサ14a〜14cの計測結果を取得して、各セル群A〜Dからの電流値を相互に比較することにより、日射方向を検出する。S6〜S13の処理では検出した日射方向に従って、空調制御を行う領域を選択し、当該空調制御を実行する。
【0035】
本実施形態の場合、日射方向を90度単位で4つに区分けして領域▲1▼〜▲4▼の選択を行う。ただし、区分けする角度はこれに限られず、更に小さな角度で区分けしてもよい。また、本実施形態の場合、各領域▲1▼〜▲4▼について一度に2つの領域を選択する。ただし、選択する領域の数はこれに限られず、1つ又は複数の領域を選択することができる。
【0036】
S6では日射方向が315度より大きく45度以下か否かを判定する。この場合は日射方向が車両の前方側からの場合となる(図2参照)。該当しない場合はS8へ進む。該当する場合はS7へ進み、太陽光が照射される領域▲4▼及び▲1▼(助手席と運転席周辺)を選択し、これに対応する部分冷暖房ユニット1d及び1a、換気ファン2d及び2a、又は、エアコン3によるダクト16d及び16aの少なくともいずれかによる空調制御を行う。そして、例えば、夏場であれば冷房能力を向上させて快適性を維持し、冬場であれば暖房能力を低下させて消費電力を節約する。なお、他の領域▲2▼及び▲3▼の空調制御は行わなくてもよいし、適宜行ってもよい。
【0037】
次に、S8では日射方向が45度より大きく135度以下か否かを判定する。この場合は日射方向が車両の右側方側からの場合となる(図2参照)。該当しない場合はS10へ進む。該当する場合はS9へ進み、太陽光が照射される領域▲1▼及び▲2▼(運転席と後部右座席周辺)を選択し、これに対応する部分冷暖房ユニット1a及び1b、換気ファン2a及び2b、又は、エアコン3によるダクト16a及び16bの少なくともいずれかによる空調制御を行う。空調制御の内容はS7と同様である。
【0038】
次に、S10では日射方向が135度より大きく225度以下か否かを判定する。この場合は日射方向が車両の後方側からの場合となる(図2参照)。該当しない場合はS12へ進む。該当する場合はS11へ進み、太陽光が照射される領域▲2▼及び▲3▼(後部座席周辺)を選択し、これに対応する部分冷暖房ユニット1b及び1c、換気ファン2b及び2c、又は、エアコン3によるダクト16b及び16cの少なくともいずれかによる空調制御を行う。空調制御の内容はS7と同様である。
【0039】
次に、S12では日射方向が225度より大きく315度以下か否かを判定する。この場合は日射方向が車両の左側方側からの場合となる(図2参照)。該当しない場合はS14へ進む。該当する場合はS13へ進み、太陽光が照射される領域▲3▼及び▲4▼(後部左座席及び助手席周辺)を選択し、これに対応する部分冷暖房ユニット1b及び1c、換気ファン2b及び2c、又は、エアコン3によるダクト16b及び16cの少なくともいずれかによる空調制御を行う。空調制御の内容はS7と同様である。S14では検査モードを実行する。S14へ至る場合は装置の故障等が考えられるので、その故障の検出若しくはユーザへの警告の表示等を行う。
【0040】
このように本実施形態では日射方向に応じて車室内を部分的に空調制御することができ、車両のエンジン停止時における、車室内の空調とその電力消費との調和を図ることができる。
【0041】
次に、S7、S9、S11及びS13における領域選択後の空調制御の具体例について説明する。図4(b)は当該各ステップにおいてCPU7が実行する空調モード選択処理のフローチャートである。この処理では、車室内温度と外気温に基づいて、空調制御に用いる部分冷暖房ユニット1、換気ファン2及びエアコン3の選択を行い、とりわけ部分冷暖房ユニット1を駆動するか否かの制御を行うものである。
【0042】
S21では車室内温度と外気温とを検出する。具体的には、車室内温度センサ10と車外温度センサ11との温度の検出結果を取得する。S22では検出した車室内温度と外気温との温度差(絶対値)を算出して、この温度差が予め定めた値よりも小さいか否かを判定する。小さい場合はS23へ進み、それほど冷暖房能力がそれほど要求されないとみなしてエアコン3又は換気ファン2のいずれかを選択して駆動させる。小さくない場合はS24へ進み、比較的大きな冷暖房能力が要求されるとみなしてエアコン3又は換気ファン2のいずれかと、部分冷暖房ユニット1と、を選択し、両者を組合わせて駆動させる。
【0043】
このように本処理では日射方向のみならず、車室内温度と外気温との温度差も考慮した空調制御が可能となる。また、複数種類の空調装置の組合せを選択することで、車室内の快適性と消費電力とを考慮した空調制御が可能となる。
【0044】
【発明の効果】
以上述べたとおり、本発明によれば、車両のエンジン停止時における、車室内の空調とその電力消費との調和を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る空調システムのブロック図である。
【図2】(a)は本実施形態の空調システムを適用した車両の平面視図、(b)は太陽電池4のセルの説明図である。
【図3】本実施形態の空調システムを適用した車両内部の構成図である。
【図4】(a)は空調制御処理のフローチャート、(b)は空調モード選択処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1a〜1d 部分冷暖房ユニット
2a〜2d 換気ファン
3 エアコン
4 太陽電池
5 サブバッテリ
7 CPU
10 車室内温度センサ
11 車外温度センサ
12 クランク回転検出センサ
14a〜14d 電流センサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の空調技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車室内の快適性を維持するため、エアコン、換気ファン等の空調設備を搭載した車両が普及している。また、乗員の足元等に配置され、車室内を部分的に空調するのに好適な空調設備を搭載したものも提案されており、そのような空調設備として例えばペルチェ素子を用いたものが提案されている(例えば、特許文献1及び2)。
【0003】
一方、車両を長時間駐車した場合、外気温の影響により車室内の温度が高温又は低温に至り、駐車中の車室内に残っている者や、その後車両に乗り込む者に不快感を与える。とりわけ夏場や冬場にあっては車室内の温度が著しく高温又は低温に至るため顕著となる。ここで、駐車時にあっては通常エンジンが停止しているためエンジン出力を利用して空調設備を駆動する電力を得ることはできない。この点、バッテリから電力を得ることが挙げられるが、バッテリは長時間に渡って十分な電力を供給することは困難である。そこで、車両に太陽電池を設けてこれにより空調設備のための電力を得ることも提案されている(例えば、特許文献1及び2)。
【0004】
【特許文献1】特開平8−11517号公報
【特許文献2】特開平11−342731号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、太陽電池の性能が向上しつつあるとはいえ、その出力電力は必ずしも大きなものではなく、車両のエンジン停止時に空調設備を駆動するために利用できる電力には制限がある。
【0006】
従って、本発明の目的は、車両のエンジン停止時における、車室内の空調とその電力消費との調和を図り得る車両の空調システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、車両のエンジンの停止を判定する判定手段と、前記車両内の各領域毎に当該各領域の空調を行う空調手段と、前記車両に対する太陽の日射方向を検出する日射方向検出手段と、前記判定手段により前記エンジンが停止していると判定された場合に、前記日射方向検出手段により検出された日射方向に基づいて、前記空調手段による前記領域毎の空調を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする車両の空調システムが提供される。
【0008】
このシステムは太陽光を効果的に利用するものである。すなわち、車両に対する太陽の日射方向如何により、車室内は部分的に太陽光により加温される場合があるところ、このシステムでは車両のエンジン停止時に車両に対する日射方向を検出し、これに基づて車室内の各領域毎に空調を制御することで、太陽光によって加温されている領域については、例えば他の領域よりも空調能力を下げて省エネルギ化を図ったり、逆に空調能力を上げて車室内の快適性を向上することが可能となる。従って、このシステムは車両のエンジン停止時における、車室内の空調とその電力消費との調和を図ることができる。
【0009】
本発明においては、更に、前記車両に対する太陽の日射量を検出する日射量検出手段を備え、前記制御手段は、前記日射量検出手段により検出された日射量が所定値以上の場合に、前記空調手段による前記領域毎の空調を制御することもできる。これにより、太陽光による加温の影響が大きい場合にのみ上記空調制御を行うことができる。
【0010】
また、本発明においては、前記空調手段が、1又は複数の前記領域の空調を行うために、外気を車室内に流通させる1又は複数のファンと、1又は複数の前記領域の空調を行うために、空気を加温又は冷却して車室内に供給する1又は複数のエアコンと、の少なくともいずれかを含むこともできる。
【0011】
また、本発明においては、前記空調手段が、各々の前記領域毎に設置され、通電により放熱又は吸熱する複数の素子を含むこともできる。
【0012】
この場合、更に、車室内の温度と外気温との温度差を検出する温度差検出手段を備え、前記制御手段は、前記日射方向検出手段により検出された日射方向と、前記温度差検出手段により検出された温度差と、に基づいて放熱又は吸熱する前記素子を制御することもできる。これにより日射方向のみならず、車室内温度と外気温との温度差も考慮した空調制御が可能となる。
【0013】
また、本発明においては、前記日射方向検出手段は、車両に設けられた太陽電池を含むこともできる。これにより、太陽電池を電力供給源としてのみならず、日射方向の検出にも併用できる。
【0014】
また、本発明においては、前記日射量検出手段は、車両に設けられた太陽電池を含むこともできる。これにより、太陽電池を電力供給源としてのみならず、日射量の検出にも併用できる。
【0015】
また、本発明においては、前記空調手段は、車両に設けられた太陽電池による電力により駆動されてもよい。車両のエンジン停止時の電力供給源として太陽電池は有益である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態に係る空調システムのブロック図、図2(a)は本実施形態の空調システムを適用した車両の平面視図、図3は本実施形態の空調システムを適用した車両内部の構成図である。
【0017】
本実施形態においては部分冷暖房ユニット1a〜1d(以下、総称するときは部分冷暖房ユニット1という。)と換気ファン2a〜2d(以下、総称するときは換気ファン2という。)とエアコン3という、3種類の空調装置を設けた場合を例に挙げて説明する。しかし、本発明はこれに限られず、種々の空調装置が採用可能である。
【0018】
部分冷暖房ユニット1は、車室内の所定の箇所に設置され、通電により放熱又は吸熱する素子を用いたユニットである。そのような素子としては例えばペルチェ素子を挙げることができる。本実施形態の場合、この部分冷暖房ユニット1を車室内の各シートにそれぞれ内蔵するように構成している。このように配置することで、乗員を直接的に加温又は冷却することができ、体感的には最も効率的な空調装置となる。また、この部分冷暖房ユニット1は、例えば、乗員の足元のフロアやルーフの内側に設けてもよい。換気ファン2は外気を車室内に流通させることにより、車室内の空調を行う空調装置であり、例えば、ファンモータから構成される。本実施形態の場合、車両の前後左右の各側部に合計4つ配設されている。
【0019】
エアコン3は空気を加温又は冷却して車室内に供給するものであり、空気を加温又は冷却する点で単に気流を生じさせる換気ファン2と異なる。車室内にはエアコン3からの空気を吹き出す複数の吹出口16a〜16dが設けられており、これらの吹出口から加温又は冷却された空気を車室内へ供給する。吹出口16a及び16bはインストルメントパネルに、吹出口16c及び16dは後方のシート上のルーフに、それぞれ配設することができる。
【0020】
各吹出口16a〜16dはダクトを介してダクト切り替え器13に接続されている。ダクト切り替え器13は例えば電気的に制御可能な複数の弁からなり、エアコン3からの空気の各ダクトへの流通を個別に切り替える。
【0021】
ここで、本実施形態では図3に示すように、車室内を仮想的な4つの領域▲1▼〜▲4▼に区画しており、各領域▲1▼〜▲4▼の空調を主として行うよう、上述した各空調装置を配設している。まず、運転席周辺に設定された領域▲1▼には部分冷暖房ユニット1a、換気ファン2a及びエアコン3の吹出口16aが割り当てられている。また、後部右座席周辺に設定された領域▲2▼には部分冷暖房ユニット1b、換気ファン2b及びエアコン3の吹出口16bが割り当てられている。また、後部左座席周辺に設定された領域▲3▼には部分冷暖房ユニット1c、換気ファン2c及びエアコン3の吹出口16cが割り当てられている。そして、助手席周辺に設定された領域▲4▼には部分冷暖房ユニット1d、換気ファン2d及びエアコン3の吹出口16dが割り当てられている。
【0022】
これらの各空調装置(部分冷暖房ユニット1、換気ファン2及びエアコン3)は、車両のエンジン停止時にあっては太陽電池4により発電された電気を蓄積するサブバッテリ5から電力の供給を受けることで駆動される。なお、エンジン駆動時にはエンジンに取付けられた発電機から電力の供給を受けるように構成することができる。このように太陽電池4から電力の供給を受けることでエンジン停止時においても電力の供給が可能となる。サブバッテリ5は例えば後方のシート下に配設されており、上述した3種類の空調装置の他、各種補機の電力源として用いることもできる。
【0023】
太陽電池4は車両のルーフ表面に配設されており、太陽光を電気エネルギーに変換する。本実施形態においては、この太陽電池4を電力源としてのみならず、太陽光の日射方向と日射量との検出にも用いる。以下、この点を説明する。図2(a)及び(b)に示すように太陽電池4は4つのセルA〜Dを四角錐型に形成したユニットをマトリックス状に多数配設してなる。図2(b)に示すように、セルAは車両の前方、セルBは車両の右側面、セルCは車両の後方、セルDは車両の左側面を向くように全てのユニットが構成されている。そして、図1に示すように、各セルは各群A〜D毎に直列に接続され、充放電コントローラ6に電流を供給するように構成され、各セル群A〜Dの電流はそれぞれ電流センサ14a〜14dにより個別に計測される。各電流センサ14a〜14dはインターフェース15を介してCPU7に接続されており、CPU7に計測結果を提供するようにしている。
【0024】
ここで、太陽電池から発電される電流は太陽光の日射量に比例する。従って、まず、太陽電池4からの総電流量により太陽光の日射量を計測することが可能となる。次に、各セル群A〜Dからの電流値を相互に比較することにより、日射方向を検出することが可能となる。例えば、セルA群からの電流のみが他の各セル群B〜Dからの電流よりも大きい場合、日射方向は車両の前方からとなる。また、セル群A及びBからの電流が他のセル群C及びDよりも大きく、かつ、両者の電流が略等しい場合、日射方向は車両の右前方からとなる。
【0025】
このようにして、日射方向を検出することが可能となる。本実施形態では図2(a)に示すように、車両の前方からの日射方向を0度として、時計回りに360度の日射方向を想定し、電流センサ14a〜14dの計測結果から求めた日射方向に基づき、各領域▲1▼〜▲4▼毎の空調制御を行うものである。なお、本実施形態では日射方向と日射量とを共通の太陽電池4を用いて検出するように構成しているが、日射センサ等の他の検出手段を用いてこれらを検出し、太陽電池4を専ら電力源として用いてもよいことはいうまでもない。
【0026】
次に、充放電コントローラ6は太陽電池4からの電力をサブバッテリ5に蓄電し、また、サブバッテリ5から各空調装置へ電力が供給されるようにサブバッテリ5の放電を制御するものである。充放電コントローラ6は、CPU7の命令に従って、エンジン停止時において各空調装置等を駆動する場合にサブバッテリ5を放電するようにし、エンジン駆動中或いは各空調装置等の非駆動時にはサブバッテリ5を充電するように作動する。
【0027】
CPU7は、インターフェース15を介して各空調装置(1乃至3)、ダクト切り替え器13及び充放電コントローラ6の制御を司るプロセッサである。CPU7は各空調装置(1乃至3)の駆動・非駆動の切り替え及び充放電コントローラ6の充電、放電の切り替え等を行い、特にエンジン停止時に後述する空調制御処理及び空調モード選択処理を実行する。ROM(リードオンリメモリ)8には後述する空調選択処理及び空調モード選択処理のプログラムの他、固定的なデータを記憶するメモリである。RAM(ランダムアクセスメモリ)9はCPU7によって処理されるプログラムのワークエリアを有し、可変データ等を記憶する。これらのROM8及びRAM9としては他の記憶手段を採用してもよいことはいうまでもない。また、CPU7、ROM8及びRAM9は車両の制御部で用いられるものを併用するようにしてもよい。
【0028】
車室内温度センサ10は車室内の温度を検出するためのセンサであり、本実施形態の場合、車両のルーフ内側に配置した場合を想定しているが車室内の温度を検出可能な任意の配設位置が選択できる。車外温度センサ11は車外気温を検出するためのセンサであり、本実施形態の場合、ボンネット上部に配設しているがこれも外気温を検出可能な任意の配設位置を選択できる。これらのセンサとしては例えばサーミスタ素子を用いることができる。
【0029】
車室内温度センサ10及び車外温度センサ11はインターフェース15を介してCPU7に接続されており、A/D変換器(図示せず)等により検出した車室内温度及び車外温度のデジタル情報をCPU7に提供する。
【0030】
クランク回転検出センサ12は車両のエンジンの停止を検出するためのセンサであり、例えば、エンジンの点火タイミング制御に用いられるクランク角センサをこのクランク回転検出センサ12として併用することもできる。なお、エンジンの停止を検出するために、このクランク回転検出センサ12に代えて他の物理量を検出する各種センサを採用してもよいことはいうまでもない。クランク回転検出センサ12による検出結果はインタフェース15を介してCPU7に提供される。
【0031】
次に、本実施形態における、エンジン停止時の空調制御処理について説明する。図4(a)はCPU7が実行する空調制御処理のフローチャートである。CPU7は所定のタイミングで図4(a)の処理を反復する。概説すると、本実施形態においては、太陽光の日射方向を判定することで、車室内の各領域▲1▼〜▲4▼のうちより多くの太陽光が照射されている領域を特定・選択し、その領域の空調を制御するものである。この空調制御としては、例えば、夏場のように暑い場合、太陽光が照射されている領域の冷房を他の領域よりも強くして車室内の快適性を向上し、或いは、冬場のように寒い場合、太陽光が照射されている領域の暖房を他の領域よりも弱くして空調装置の消費電力を節約することが挙げられる。このようにすることで、本実施形態では車両のエンジン停止時における、車室内の空調とその電力消費との調和を図ることができる。
【0032】
図4(a)において、S1ではクランク回転検出センサ12の検出結果を取得する。S2ではS1で取得した検出結果に基づいてエンジンが停止中か否かを判定する。エンジンが停止中の場合、エンジン停止時の空調制御を行うべくS3へ進み、エンジンが駆動中の場合、処理を終了する。エンジン駆動中の場合、エンジンに接続された発電機から電力の供給を受けて各空調装置(1乃至3)を適宜稼動させる。
【0033】
S3では日射量を検出する。具体的には、各電流センサ14a〜14cの計測結果を取得してその総量を算出することで車両に対する日射量を算出する。S4ではS3で検出した日射量が予め定めた値よりも大きいか否かを判定する。小さい場合、車室内に対する太陽光による加温の影響が小さく、領域▲1▼〜▲4▼毎の空調制御を行う効果が小さいと判断して処理を終了する。一方、S3で検出した日射量が予め定めた値よりも大きい場合、太陽光による加温の影響が大きいと考えられることから、S5以降に処理を移行する。
【0034】
S5では日射方向を検出する。具体的には、各電流センサ14a〜14cの計測結果を取得して、各セル群A〜Dからの電流値を相互に比較することにより、日射方向を検出する。S6〜S13の処理では検出した日射方向に従って、空調制御を行う領域を選択し、当該空調制御を実行する。
【0035】
本実施形態の場合、日射方向を90度単位で4つに区分けして領域▲1▼〜▲4▼の選択を行う。ただし、区分けする角度はこれに限られず、更に小さな角度で区分けしてもよい。また、本実施形態の場合、各領域▲1▼〜▲4▼について一度に2つの領域を選択する。ただし、選択する領域の数はこれに限られず、1つ又は複数の領域を選択することができる。
【0036】
S6では日射方向が315度より大きく45度以下か否かを判定する。この場合は日射方向が車両の前方側からの場合となる(図2参照)。該当しない場合はS8へ進む。該当する場合はS7へ進み、太陽光が照射される領域▲4▼及び▲1▼(助手席と運転席周辺)を選択し、これに対応する部分冷暖房ユニット1d及び1a、換気ファン2d及び2a、又は、エアコン3によるダクト16d及び16aの少なくともいずれかによる空調制御を行う。そして、例えば、夏場であれば冷房能力を向上させて快適性を維持し、冬場であれば暖房能力を低下させて消費電力を節約する。なお、他の領域▲2▼及び▲3▼の空調制御は行わなくてもよいし、適宜行ってもよい。
【0037】
次に、S8では日射方向が45度より大きく135度以下か否かを判定する。この場合は日射方向が車両の右側方側からの場合となる(図2参照)。該当しない場合はS10へ進む。該当する場合はS9へ進み、太陽光が照射される領域▲1▼及び▲2▼(運転席と後部右座席周辺)を選択し、これに対応する部分冷暖房ユニット1a及び1b、換気ファン2a及び2b、又は、エアコン3によるダクト16a及び16bの少なくともいずれかによる空調制御を行う。空調制御の内容はS7と同様である。
【0038】
次に、S10では日射方向が135度より大きく225度以下か否かを判定する。この場合は日射方向が車両の後方側からの場合となる(図2参照)。該当しない場合はS12へ進む。該当する場合はS11へ進み、太陽光が照射される領域▲2▼及び▲3▼(後部座席周辺)を選択し、これに対応する部分冷暖房ユニット1b及び1c、換気ファン2b及び2c、又は、エアコン3によるダクト16b及び16cの少なくともいずれかによる空調制御を行う。空調制御の内容はS7と同様である。
【0039】
次に、S12では日射方向が225度より大きく315度以下か否かを判定する。この場合は日射方向が車両の左側方側からの場合となる(図2参照)。該当しない場合はS14へ進む。該当する場合はS13へ進み、太陽光が照射される領域▲3▼及び▲4▼(後部左座席及び助手席周辺)を選択し、これに対応する部分冷暖房ユニット1b及び1c、換気ファン2b及び2c、又は、エアコン3によるダクト16b及び16cの少なくともいずれかによる空調制御を行う。空調制御の内容はS7と同様である。S14では検査モードを実行する。S14へ至る場合は装置の故障等が考えられるので、その故障の検出若しくはユーザへの警告の表示等を行う。
【0040】
このように本実施形態では日射方向に応じて車室内を部分的に空調制御することができ、車両のエンジン停止時における、車室内の空調とその電力消費との調和を図ることができる。
【0041】
次に、S7、S9、S11及びS13における領域選択後の空調制御の具体例について説明する。図4(b)は当該各ステップにおいてCPU7が実行する空調モード選択処理のフローチャートである。この処理では、車室内温度と外気温に基づいて、空調制御に用いる部分冷暖房ユニット1、換気ファン2及びエアコン3の選択を行い、とりわけ部分冷暖房ユニット1を駆動するか否かの制御を行うものである。
【0042】
S21では車室内温度と外気温とを検出する。具体的には、車室内温度センサ10と車外温度センサ11との温度の検出結果を取得する。S22では検出した車室内温度と外気温との温度差(絶対値)を算出して、この温度差が予め定めた値よりも小さいか否かを判定する。小さい場合はS23へ進み、それほど冷暖房能力がそれほど要求されないとみなしてエアコン3又は換気ファン2のいずれかを選択して駆動させる。小さくない場合はS24へ進み、比較的大きな冷暖房能力が要求されるとみなしてエアコン3又は換気ファン2のいずれかと、部分冷暖房ユニット1と、を選択し、両者を組合わせて駆動させる。
【0043】
このように本処理では日射方向のみならず、車室内温度と外気温との温度差も考慮した空調制御が可能となる。また、複数種類の空調装置の組合せを選択することで、車室内の快適性と消費電力とを考慮した空調制御が可能となる。
【0044】
【発明の効果】
以上述べたとおり、本発明によれば、車両のエンジン停止時における、車室内の空調とその電力消費との調和を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る空調システムのブロック図である。
【図2】(a)は本実施形態の空調システムを適用した車両の平面視図、(b)は太陽電池4のセルの説明図である。
【図3】本実施形態の空調システムを適用した車両内部の構成図である。
【図4】(a)は空調制御処理のフローチャート、(b)は空調モード選択処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1a〜1d 部分冷暖房ユニット
2a〜2d 換気ファン
3 エアコン
4 太陽電池
5 サブバッテリ
7 CPU
10 車室内温度センサ
11 車外温度センサ
12 クランク回転検出センサ
14a〜14d 電流センサ
Claims (8)
- 車両のエンジンの停止を判定する判定手段と、
前記車両内の各領域毎に当該各領域の空調を行う空調手段と、
前記車両に対する太陽の日射方向を検出する日射方向検出手段と、
前記判定手段により前記エンジンが停止していると判定された場合に、前記日射方向検出手段により検出された日射方向に基づいて、前記空調手段による前記領域毎の空調を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする車両の空調システム。 - 更に、前記車両に対する太陽の日射量を検出する日射量検出手段を備え、
前記制御手段は、前記日射量検出手段により検出された日射量が所定値以上の場合に、前記空調手段による前記領域毎の空調を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両の空調システム。 - 前記空調手段が、
1又は複数の前記領域の空調を行うために、外気を車室内に流通させる1又は複数のファンと、
1又は複数の前記領域の空調を行うために、空気を加温又は冷却して車室内に供給する1又は複数のエアコンと、
の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1に記載の車両の空調システム。 - 前記空調手段が、
各々の前記領域毎に設置され、通電により放熱又は吸熱する複数の素子を含むことを特徴とする請求項1に記載の車両の空調システム。 - 更に、車室内の温度と外気温との温度差を検出する温度差検出手段を備え、
前記制御手段は、前記日射方向検出手段により検出された日射方向と、前記温度差検出手段により検出された温度差と、に基づいて放熱又は吸熱する前記素子を制御することを特徴とする請求項4に記載の車両の空調システム。 - 前記日射方向検出手段は、車両に設けられた太陽電池を含むことを特徴とする請求項1に記載の車両の空調システム。
- 前記日射量検出手段は、車両に設けられた太陽電池を含むことを特徴とする請求項2に記載の車両の空調システム。
- 前記空調手段は、車両に設けられた太陽電池による電力により駆動されることを特徴とする請求項1に記載の車両の空調システム。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008049989A (ja) * | 2006-08-28 | 2008-03-06 | Kia Motors Corp | 太陽熱を利用した空調装置駆動システム及びその方法 |
US7494308B2 (en) | 2005-11-01 | 2009-02-24 | Hyundai Motor Company | Air tank fixing structure for commercial vehicles |
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-
2003
- 2003-03-25 JP JP2003083366A patent/JP2004291680A/ja not_active Abandoned
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