JP2004291226A - 加工工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】 リーマ加工と研削加工とを一挙に行う加工工具において工具コストの低減を図る。
【解決手段】 加工工具10のリーマ部16と砥石部14とを、本体部材34とは別体とし、リーマ部材61または砥石部材60が寿命となった場合には、寿命となったものだけを交換する。第一部材30に油圧マンドレルを設けて砥石部材60としまり嵌合させ、リーマ部材61については、テーパ穴と嵌合突部とをしまり嵌合させるとともに、砥石部材60の前端面138とリーマ部材61の後端面158とを当接させて強固にかつ高精度で固定する。砥石部材と本体部材の嵌合部とも、テーパ面同士でしまり嵌合させるとともに当接面同士において互いに当接させることも可能である。
【選択図】 図1
【解決手段】 加工工具10のリーマ部16と砥石部14とを、本体部材34とは別体とし、リーマ部材61または砥石部材60が寿命となった場合には、寿命となったものだけを交換する。第一部材30に油圧マンドレルを設けて砥石部材60としまり嵌合させ、リーマ部材61については、テーパ穴と嵌合突部とをしまり嵌合させるとともに、砥石部材60の前端面138とリーマ部材61の後端面158とを当接させて強固にかつ高精度で固定する。砥石部材と本体部材の嵌合部とも、テーパ面同士でしまり嵌合させるとともに当接面同士において互いに当接させることも可能である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、リーマ部と砥石部とを備え、リーマ加工と研削加工ないし表面仕上加工とを一挙に行う加工工具の改良に関するものである。
この種の加工工具は、例えば特許文献1によって既に知られている。この加工工具は、棒状の加工工具の前端部にリーマ部が、そのリーマ部より後端部側に砥石部がそれぞれ設けられたものである。
特開2002−59314号公報
しかしながら、リーマ部と砥石部との寿命が異なる場合が多い。例えば、リーマ刃が超硬合金により形成される超硬リーマ部と、砥石が電着砥石とされた電着砥石部とでは、前者の寿命が後者のそれの1/10程度と著しく異なる。そして、リーマ部が寿命に達すれば再研削のために加工工具を集中研削室等へ送る必要があり、加工現場では予備の加工工具を使用して加工が継続する必要があって、工具コストが高くなる。また、電着砥石部が寿命となった場合には専門業者に再電着処理を依頼することとなり、長期間を要するため予備工具を準備することが不可欠となる。多量生産の現場では、再電着を依頼している加工工具の予備品,さらにその予備品が寿命となった場合の予備品というように、多くの予備品が必要となって一層工具コストが高くなる。
また、上記問題がない場合でも、製造工程が異なるリーマ部と砥石部とを一体に製造すること自体が煩わしいことである。
また、上記問題がない場合でも、製造工程が異なるリーマ部と砥石部とを一体に製造すること自体が煩わしいことである。
本発明は、以上の事情を背景とし、工具コストの低減を図ることを課題として為されたものであり、棒状の本体の前端部にリーマ部をそのリーマ部より後端部側に砥石部を互いに同軸に備えた加工工具において、前記リーマ部および前記砥石部を本体部材とは別体のリーマ部材および砥石部材とし、それぞれ個別に本体部材から取り外し可能としたことを特徴とする。
本加工工具はリーマ部材および砥石部材を本体部材から個別に取り外すことができるため、リーマ部材,砥石部材の予備品をそれぞれ必要な数だけ準備しておけば、リーマ部が寿命に達した場合にはリーマ部材を、砥石部が寿命に達した場合には砥石部材を予備品と交換すれば、加工を継続することができる。その間に、必要に応じてリーマ刃の再研削や砥石部の再電着等を行えばよい。
また、リーマ部材と砥石部材とを別個に製造すればよいため、加工工具の製造が容易になるメリットもある。
また、リーマ部材と砥石部材とを別個に製造すればよいため、加工工具の製造が容易になるメリットもある。
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、少なくとも、請求の範囲に記載された発明である「本発明」ないし「本願発明」を含むが、本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の各項において、 (1)項が請求項1に相当し、 (2)項が請求項2に、 (3)項が請求項3に、 (4)項が請求項4に、 (5)項が請求項5に、 (6)項が請求項6に、 (8)項と(9)項とを合わせたものが請求項7に、(12)項と(13)項とを合わせたものが請求項8にそれぞれ相当する。
(1)棒状の本体の前端部にリーマ部をそのリーマ部より後端部側に砥石部を互いに同軸に備えた加工工具において、
前記リーマ部および前記砥石部を本体部材とは別体のリーマ部材および砥石部材とし、それぞれ個別に本体部材から取り外し可能としたことを特徴とする加工工具。
本加工工具はリーマ部材および砥石部材を本体部材から個別に取り外すことができるため、リーマ部材,砥石部材の予備品をそれぞれ必要な数だけ準備しておけば、リーマ部が寿命になった場合にはリーマ部材を、砥石部が寿命になった場合には砥石部材を予備品と交換すれば、加工を継続することができる。その間に、必要に応じてリーマ刃の再研削や砥石部の再電着等を行えばよい。
また、リーマ部材と砥石部材とを別個に製造すればよいため、加工工具の製造が容易になるメリットもある。
前記リーマ部および前記砥石部を本体部材とは別体のリーマ部材および砥石部材とし、それぞれ個別に本体部材から取り外し可能としたことを特徴とする加工工具。
本加工工具はリーマ部材および砥石部材を本体部材から個別に取り外すことができるため、リーマ部材,砥石部材の予備品をそれぞれ必要な数だけ準備しておけば、リーマ部が寿命になった場合にはリーマ部材を、砥石部が寿命になった場合には砥石部材を予備品と交換すれば、加工を継続することができる。その間に、必要に応じてリーマ刃の再研削や砥石部の再電着等を行えばよい。
また、リーマ部材と砥石部材とを別個に製造すればよいため、加工工具の製造が容易になるメリットもある。
(2)前記砥石部材が概して中空円筒状をなし、前記本体部材の横断面形状が円形の嵌合軸部の外側に嵌合されるとともに、その嵌合軸部が、薄肉の膨張周壁の内側に液圧室を備え、前記中空円筒状の砥石部材と嵌合後、前記液圧室の液圧が上昇させられることにより外径が増大して砥石部材としまり嵌合状態となる液圧マンドレルとされた (1)項に記載の加工工具。
砥石部材を本体部材に対して着脱しようとすれば、本体部材の嵌合軸部と砥石部材との間に嵌合クリアランスを設けざるを得ず、砥石部材の心振れの原因となる。また、加工中に砥石部材の本体部材に対するがたつきが発生し、被加工物の加工面悪化や砥石寿命低下の一因となる。したがって、嵌合軸部と砥石部材との加工精度を著しく高くすることが必要になり、工具コストの上昇を招く。それに対して、本項の加工工具においては、液圧マンドレルに砥石部材を嵌合した後、液圧室の液圧を高めて液圧マンドレルの外径を増大させれば、本体部材の嵌合軸部と砥石部材との間の嵌合クリアランスが消滅し、砥石部材と本体部材との嵌合部の加工精度をそれほど高くする必要がなくなる。砥石部材を本体部材に繰り返し着脱する場合における砥石部材の外周面の位置決め再現性が良くなるのであり、それによって、被加工物の加工精度が向上する効果が得られる。また、加工中における砥石部材のがたつきが防止されるため、被加工物の加工面悪化や砥石寿命の低下を回避することができ、工具コストの上昇を抑えることができる。
砥石部材を本体部材に対して着脱しようとすれば、本体部材の嵌合軸部と砥石部材との間に嵌合クリアランスを設けざるを得ず、砥石部材の心振れの原因となる。また、加工中に砥石部材の本体部材に対するがたつきが発生し、被加工物の加工面悪化や砥石寿命低下の一因となる。したがって、嵌合軸部と砥石部材との加工精度を著しく高くすることが必要になり、工具コストの上昇を招く。それに対して、本項の加工工具においては、液圧マンドレルに砥石部材を嵌合した後、液圧室の液圧を高めて液圧マンドレルの外径を増大させれば、本体部材の嵌合軸部と砥石部材との間の嵌合クリアランスが消滅し、砥石部材と本体部材との嵌合部の加工精度をそれほど高くする必要がなくなる。砥石部材を本体部材に繰り返し着脱する場合における砥石部材の外周面の位置決め再現性が良くなるのであり、それによって、被加工物の加工精度が向上する効果が得られる。また、加工中における砥石部材のがたつきが防止されるため、被加工物の加工面悪化や砥石寿命の低下を回避することができ、工具コストの上昇を抑えることができる。
(3)前記砥石部材が概して中空円筒状をなし、内周面がテーパ面とされるとともに、前記本体部材がそのテーパ内周面に対応するテーパ外周面を有する嵌合軸部を備え、かつ、砥石部材と本体部材とが、前記テーパ内周面と前記テーパ外周面とがしまり嵌合した状態で軸方向において互いに当接する当接面をそれぞれ備えた (1)項に記載の加工工具。
砥石部材を本体部材に対して着脱可能としようとすれば、本体部材と砥石部材との嵌合部に嵌合クリアランスを設けざるを得ず、このクリアランスが大きい場合には砥石部材の本体部材に対する同心度が低下し、被加工物の加工精度低下の一因となる。したがって、本体部材と砥石部材との嵌合部の加工精度を著しく高くすることが必要になり、工具コストの上昇を招く。それに対して、本項の加工工具においては、嵌合軸部がテーパ軸とされ、このテーパ軸とテーパ穴とがしまり嵌合されるとともに、砥石部材と本体部材とが軸方向において当接面同士で当接させられるようになっているため、砥石部材は本体部材に精度良くかつ強固に固定されることとなり、加工精度を確保しつつ工具コストの上昇を抑えることができる。
砥石部材と本体部材との当接面は、軸方向において互いに当接し、両部材の軸方向の相対位置決めを行い得るものであれば、一応の目的を達し得るが、円環状をなす面とされることが望ましい。両部材の当接面を円環状とすれば、両部材が全周において互いに当接し、軸方向の相対移動が強固に防止されるため、砥石部材の本体部材に対する相対位置精度および取付剛性を十分高くできるからである。
砥石部材を本体部材に対して着脱可能としようとすれば、本体部材と砥石部材との嵌合部に嵌合クリアランスを設けざるを得ず、このクリアランスが大きい場合には砥石部材の本体部材に対する同心度が低下し、被加工物の加工精度低下の一因となる。したがって、本体部材と砥石部材との嵌合部の加工精度を著しく高くすることが必要になり、工具コストの上昇を招く。それに対して、本項の加工工具においては、嵌合軸部がテーパ軸とされ、このテーパ軸とテーパ穴とがしまり嵌合されるとともに、砥石部材と本体部材とが軸方向において当接面同士で当接させられるようになっているため、砥石部材は本体部材に精度良くかつ強固に固定されることとなり、加工精度を確保しつつ工具コストの上昇を抑えることができる。
砥石部材と本体部材との当接面は、軸方向において互いに当接し、両部材の軸方向の相対位置決めを行い得るものであれば、一応の目的を達し得るが、円環状をなす面とされることが望ましい。両部材の当接面を円環状とすれば、両部材が全周において互いに当接し、軸方向の相対移動が強固に防止されるため、砥石部材の本体部材に対する相対位置精度および取付剛性を十分高くできるからである。
(4)前記リーマ部材と前記本体部材との一方がテーパ穴を、他方がそのテーパ穴としまり嵌合するテーパ軸部を備えるとともに、それらリーマ部材と本体部材とが、テーパ穴とテーパ軸部とがしまり嵌合した状態で直接または前記砥石部材を介して間接に軸方向において互いに当接する当接面をそれぞれ備える (1)項ないし (3)項のいずれかに記載の加工工具。
リーマ部材の本体部材への取付けに関しては、前述の砥石部材の本体部材への取付けについての説明がそのまま当てはまる。
(5)前記リーマ部材と前記本体部材との一方がテーパを有さないストレート穴を、他方がそのストレート穴に嵌合するストレート軸部を備えるとともに、それらリーマ部材と本体部材とが、ストレート穴とストレート軸部とが嵌合した状態で前記砥石部材を介して間接に軸方向において互いに当接する当接面をそれぞれ備える (3)項に記載の加工工具。
(6)前記砥石部材と前記リーマ部材とがいずれも概して中空円筒状をなし、それら両部材の各内周面がそれぞれテーパ面とされるとともに、前記本体部材がそれら砥石部材とリーマ部材とのテーパ内周面に対応するテーパ外周面を有する嵌合軸部を備え、かつ、砥石部材と本体部材とが、前記テーパ内周面と前記テーパ外周面とがしまり嵌合した状態で軸方向において互いに当接する当接面をそれぞれ備え、砥石部材とリーマ部材とが、リーマ部材の内周面が前記嵌合軸部のテーパ外周面にしまり嵌合した状態で軸方向において互いに当接する当接面をそれぞれ備えた (1)項, (3)項または (4)項に記載の加工工具。
(7)前記本体部材に設けられ、前記リーマ部材を本体部材に対して相対的に本体部材の基端部側に向かって押すことにより、そのリーマ部材の前記当接面を前記砥石部材の前記当接面に当接させ、その結果、砥石部材の当接面を本体部材の当接面に当接させる軸方向押圧装置を含む (6)項に記載の加工工具。
リーマ部材の本体部材への取付けに関しては、前述の砥石部材の本体部材への取付けについての説明がそのまま当てはまる。
(5)前記リーマ部材と前記本体部材との一方がテーパを有さないストレート穴を、他方がそのストレート穴に嵌合するストレート軸部を備えるとともに、それらリーマ部材と本体部材とが、ストレート穴とストレート軸部とが嵌合した状態で前記砥石部材を介して間接に軸方向において互いに当接する当接面をそれぞれ備える (3)項に記載の加工工具。
(6)前記砥石部材と前記リーマ部材とがいずれも概して中空円筒状をなし、それら両部材の各内周面がそれぞれテーパ面とされるとともに、前記本体部材がそれら砥石部材とリーマ部材とのテーパ内周面に対応するテーパ外周面を有する嵌合軸部を備え、かつ、砥石部材と本体部材とが、前記テーパ内周面と前記テーパ外周面とがしまり嵌合した状態で軸方向において互いに当接する当接面をそれぞれ備え、砥石部材とリーマ部材とが、リーマ部材の内周面が前記嵌合軸部のテーパ外周面にしまり嵌合した状態で軸方向において互いに当接する当接面をそれぞれ備えた (1)項, (3)項または (4)項に記載の加工工具。
(7)前記本体部材に設けられ、前記リーマ部材を本体部材に対して相対的に本体部材の基端部側に向かって押すことにより、そのリーマ部材の前記当接面を前記砥石部材の前記当接面に当接させ、その結果、砥石部材の当接面を本体部材の当接面に当接させる軸方向押圧装置を含む (6)項に記載の加工工具。
(8)前記本体部材と前記砥石部材との間に、係合凹部と係合突部との係合によってそれら両部材の相対回転を防止する砥石用相対回転防止装置が設けられた (1)項ないし (7)項のいずれかに記載の加工工具。
本体部材と砥石部材との間に、係合凹部と係合突部との係合によってそれら両部材の相対回転を防止する砥石用相対回転防止装置を設ければ、砥石部材の本体部材に対する相対回転を確実に防止することができる。
(9)前記砥石用相対回転防止装置が、前記砥石部材の軸方向の両端部と前記本体部材のそれら両端部に対応する2部分との間にそれぞれ設けられた (8)項に記載の加工工具。
砥石部材は軸方向の長さが比較的長くなるため、砥石部材の一端部にのみ相対回転防止装置を設ける場合には、砥石部材あるいは本体部材のねじり弾性変形に伴って砥石部材の他端部が本体部材に対して微小角度相対回転することがある。それに対し、本項の構成によれば、砥石部材の両端部においてそれぞれ砥石部材の本体部材に対する相対回転が防止され、被加工物の加工面悪化や砥石寿命の低下が良好に回避される。
(10)前記砥石用相対回転防止装置が、前記砥石部材に設けられた横断面形状が非円形である非円形穴と、前記本体部材に設けられて前記非円形穴と嵌合する横断面形状が非円形の非円形軸部とを含む (8)項または (9)項に記載の加工工具。
上記非円形穴と非円形軸部には、実施形態におけるような正多角形やスプライン,セレーションは勿論、キーとキー溝との係合により相対回転が防止される円形断面の穴と軸部とも含まれるものとする。
(11)前記砥石用相対回転防止装置が、前記砥石部材の後端面とその後端面と当接する本体部材端面との一方に設けられた係合突部と、他方に設けられてその係合突部と係合する係合凹部とを含む (8)項ないし(10)項のいずれかに記載の加工工具。
本体部材と砥石部材との間に、係合凹部と係合突部との係合によってそれら両部材の相対回転を防止する砥石用相対回転防止装置を設ければ、砥石部材の本体部材に対する相対回転を確実に防止することができる。
(9)前記砥石用相対回転防止装置が、前記砥石部材の軸方向の両端部と前記本体部材のそれら両端部に対応する2部分との間にそれぞれ設けられた (8)項に記載の加工工具。
砥石部材は軸方向の長さが比較的長くなるため、砥石部材の一端部にのみ相対回転防止装置を設ける場合には、砥石部材あるいは本体部材のねじり弾性変形に伴って砥石部材の他端部が本体部材に対して微小角度相対回転することがある。それに対し、本項の構成によれば、砥石部材の両端部においてそれぞれ砥石部材の本体部材に対する相対回転が防止され、被加工物の加工面悪化や砥石寿命の低下が良好に回避される。
(10)前記砥石用相対回転防止装置が、前記砥石部材に設けられた横断面形状が非円形である非円形穴と、前記本体部材に設けられて前記非円形穴と嵌合する横断面形状が非円形の非円形軸部とを含む (8)項または (9)項に記載の加工工具。
上記非円形穴と非円形軸部には、実施形態におけるような正多角形やスプライン,セレーションは勿論、キーとキー溝との係合により相対回転が防止される円形断面の穴と軸部とも含まれるものとする。
(11)前記砥石用相対回転防止装置が、前記砥石部材の後端面とその後端面と当接する本体部材端面との一方に設けられた係合突部と、他方に設けられてその係合突部と係合する係合凹部とを含む (8)項ないし(10)項のいずれかに記載の加工工具。
(12)前記リーマ部材と前記本体部材との間にそれら両部材の相対回転を防止するリーマ用相対回転防止装置が設けられた (1)項ないし(11)項のいずれかに記載の加工工具。
(13)前記リーマ用相対回転防止装置が、前記リーマ部材と前記砥石部材との間に設けられ、リーマ部材の砥石部材に対する相対回転を防止することにより、リーマ部材の本体部材に対する相対回転を砥石部材を介して間接的に防止する間接的相対回転防止装置を含む(12)項に記載の加工工具。
本項の特徴は、 (8)項に記載の特徴と合わせて採用する場合に特に有効である。砥石部材の非円形穴と本体部材の非円形軸部との嵌合により砥石部材の本体部材に対する相対回転を防止する場合には、砥石部材の前端部に半径方向内向きのフランジ部を設け、そのフランジ部の中心穴を非円形穴とすることが望ましいのであるが、そのフランジ部にリーマ部材の回転を防止するための係合突部または係合凹部を設けることができるからである。
(14)前記間接的相対回転防止装置が、前記砥石部材の前記リーマ部材側の端面である前端面と前記リーマ部材のその前端面と当接するリーマ部材端面との一方に設けられた係合突部と、他方に設けられてその係合突部と係合する係合凹部とを含む(13)項に記載の加工工具。
(15)前記間接的相対回転防止装置の係合突部が、前記前端面と前記リーマ部材端面との一方に、中心軸線が半径方向に延びる姿勢でかつほぼ半分が露出した状態で固定された円筒部材であり、前記係合凹部がその円筒部材の前記露出部と嵌合する横断面形状がほぼ半円形の半円溝である(14)項に記載の加工工具。
本項の相対回転防止装置は構成が簡単で安価である利点を有する。(10)項に記載の砥石用相対回転防止装置にも本項の特徴を採用可能である。
(13)前記リーマ用相対回転防止装置が、前記リーマ部材と前記砥石部材との間に設けられ、リーマ部材の砥石部材に対する相対回転を防止することにより、リーマ部材の本体部材に対する相対回転を砥石部材を介して間接的に防止する間接的相対回転防止装置を含む(12)項に記載の加工工具。
本項の特徴は、 (8)項に記載の特徴と合わせて採用する場合に特に有効である。砥石部材の非円形穴と本体部材の非円形軸部との嵌合により砥石部材の本体部材に対する相対回転を防止する場合には、砥石部材の前端部に半径方向内向きのフランジ部を設け、そのフランジ部の中心穴を非円形穴とすることが望ましいのであるが、そのフランジ部にリーマ部材の回転を防止するための係合突部または係合凹部を設けることができるからである。
(14)前記間接的相対回転防止装置が、前記砥石部材の前記リーマ部材側の端面である前端面と前記リーマ部材のその前端面と当接するリーマ部材端面との一方に設けられた係合突部と、他方に設けられてその係合突部と係合する係合凹部とを含む(13)項に記載の加工工具。
(15)前記間接的相対回転防止装置の係合突部が、前記前端面と前記リーマ部材端面との一方に、中心軸線が半径方向に延びる姿勢でかつほぼ半分が露出した状態で固定された円筒部材であり、前記係合凹部がその円筒部材の前記露出部と嵌合する横断面形状がほぼ半円形の半円溝である(14)項に記載の加工工具。
本項の相対回転防止装置は構成が簡単で安価である利点を有する。(10)項に記載の砥石用相対回転防止装置にも本項の特徴を採用可能である。
(16)前記リーマ部材の切刃が超硬合金により形成された (1)項ないし(15)項のいずれかに記載の加工工具。
切刃が超硬合金により形成されたリーマ部材は比較的寿命が長いのであるが、それでも砥石部材に比較すれば短いことが多いため、砥石部材と別体に構成されることが望ましい。
(17)前記砥石部材が、円筒状の外周面の少なくとも一部に砥粒が固着されて形成された砥石面を1つ以上備えた (1)項ないし(16)項のいずれかに記載の加工工具。
砥石部材が、砥粒が電着された電着砥石である場合に、砥粒の電着は一般に専門業者に依頼して行われ、納期が比較的長いため特に有効となる。
切刃が超硬合金により形成されたリーマ部材は比較的寿命が長いのであるが、それでも砥石部材に比較すれば短いことが多いため、砥石部材と別体に構成されることが望ましい。
(17)前記砥石部材が、円筒状の外周面の少なくとも一部に砥粒が固着されて形成された砥石面を1つ以上備えた (1)項ないし(16)項のいずれかに記載の加工工具。
砥石部材が、砥粒が電着された電着砥石である場合に、砥粒の電着は一般に専門業者に依頼して行われ、納期が比較的長いため特に有効となる。
(18)前記1つ以上の砥石面の1つ以上の中央部に、その砥石面との境界線が閉曲線を成す凹部を形成するとともに、その凹部と前記本体部材に形成された加工液通路とが接続通路により接続された (1)項ないし(17)項のいずれかに記載の加工工具。
凹部の開口が被加工物の加工面により覆われた状態となれば、加工液通路と接続通路とを経て凹部に供給された加工液は、凹部の全周から砥石面と加工面との隙間に強制的に押し込まれることとなるため、砥石面全体において十分な冷却効果が得られ、あるいは隙間内に存在する切粉や砥粒の砕片が良好に排除されて目詰まりが防止される。
凹部は接続通路の横断面積より大きな横断面積を有するものとされることが多いが、特殊な態様として、凹部と接続通路との横断面積が等しい態様も本項の加工工具に属するものとする。すなわち、接続通路自体が砥石面に開口する態様も本項の加工工具に属するものと考えることとするのである。
(19)前記凹部が長手形状を有し、長手方向の両端が行止まりとなっている行止まり溝である(18)項に記載の加工工具。
砥石面に凹部を形成すれば、その分、砥石面の加工に関与する部分の面積である有効面積が減少する。一方、切粉の排除を良好に行うためには、できる限り砥石面全体に加工液を供給し得ることが望ましい。その点、長手形状の行止まり溝は、開口面積が比較的狭いものでありながら、広い砥石面に加工液を供給でき、好適なものである。
(20)前記行止まり溝が、前記砥石部の軸線に平行な方向の成分を有する方向に延びる(19)項に記載の加工工具。
(21)前記砥石部材が、軸方向の成分を有する方向に延びる複数のランドとそれら複数のランドの間に軸方向に貫通して形成された複数の貫通溝とを有し、複数のランドの先端面に砥粒が固着されて前記砥石面とされた (1)項ないし(20)項のいずれかに記載の加工工具。
ランドおよび貫通溝は、砥石部の軸線に平行な方向に延びるものとしても、軸線に平行な方向に対して傾斜した方向に延びるものとしてもよい。後者は、ねじれ溝を有する砥石部となる。
凹部の開口が被加工物の加工面により覆われた状態となれば、加工液通路と接続通路とを経て凹部に供給された加工液は、凹部の全周から砥石面と加工面との隙間に強制的に押し込まれることとなるため、砥石面全体において十分な冷却効果が得られ、あるいは隙間内に存在する切粉や砥粒の砕片が良好に排除されて目詰まりが防止される。
凹部は接続通路の横断面積より大きな横断面積を有するものとされることが多いが、特殊な態様として、凹部と接続通路との横断面積が等しい態様も本項の加工工具に属するものとする。すなわち、接続通路自体が砥石面に開口する態様も本項の加工工具に属するものと考えることとするのである。
(19)前記凹部が長手形状を有し、長手方向の両端が行止まりとなっている行止まり溝である(18)項に記載の加工工具。
砥石面に凹部を形成すれば、その分、砥石面の加工に関与する部分の面積である有効面積が減少する。一方、切粉の排除を良好に行うためには、できる限り砥石面全体に加工液を供給し得ることが望ましい。その点、長手形状の行止まり溝は、開口面積が比較的狭いものでありながら、広い砥石面に加工液を供給でき、好適なものである。
(20)前記行止まり溝が、前記砥石部の軸線に平行な方向の成分を有する方向に延びる(19)項に記載の加工工具。
(21)前記砥石部材が、軸方向の成分を有する方向に延びる複数のランドとそれら複数のランドの間に軸方向に貫通して形成された複数の貫通溝とを有し、複数のランドの先端面に砥粒が固着されて前記砥石面とされた (1)項ないし(20)項のいずれかに記載の加工工具。
ランドおよび貫通溝は、砥石部の軸線に平行な方向に延びるものとしても、軸線に平行な方向に対して傾斜した方向に延びるものとしてもよい。後者は、ねじれ溝を有する砥石部となる。
本願の請求可能発明の一実施形態である加工工具10について、図に基づいて詳細に説明する。この加工工具10はホーニングリーマであり、予め形成された下穴12に対して一工程で切削加工と研削加工とを含む仕上げ加工を実施する加工工具の一例である。図1に示すように、加工工具10は、前端近傍に研削加工部としての砥石部14を備え、それより前端側に切削加工部としてのリーマ部16を備えている。被加工物の本体はアルミニウム合金製であり、それの下穴12の内周面にはライニング部材18が鋳込みにより配設されている。また、下穴12の前方(図において左方)の部分には、内径が砥石部14の外径より大きく、加工工具10と接触しない逃げ部20が形成されている。加工工具10は、下穴12の逃げ穴20より後方の領域、すなわち、主としてライニング部材18の内周面の仕上げ加工を行う。
加工工具10は、工具保持部としての第一部材30と、図示しない主軸に取り付けられる取付部としての第二部材32とから成る本体部材34を備えている。第一部材30は、図2に示すように、段付円柱状に形成され、前端側から順に比較的小径の小径部36、比較的大径の大径部38、その大径部38の後端部において、半径方向外向きに突出するフランジ部40、およびそのフランジ部40の後端面から後方に突出する嵌合突部42を備えている。第一部材30のフランジ部40に、フランジ部40を軸方向に貫通する4つのボルト穴44が等角度間隔に形成されている(図4参照)。
これに対して、第二部材32に、軸方向に延び、前端面に開口した有底の嵌合穴46が形成されている。その嵌合穴46の周囲に、前端面に開口して軸方向に延びる雌ねじ穴48が複数、本実施形態においては4個、等角度間隔に形成されている。第一部材30の嵌合突部42が嵌合穴46に嵌合され、ボルト50がフランジ部40に形成されたボルト穴44を経て雌ねじ穴48にそれぞれ螺合され、締め付けられることにより、第一部材30が第二部材32に固定的に保持される。第二部材32は、後端部側ほど径の小さくなるテーパ軸部52を備え、主軸のテーパ穴にしまり嵌合される。54,56は、それぞれ第一部材30の第二部材32に対する同心度および傾きを調整するためのアジャストスクリュウである。なお、本体部材34は一体に形成されてもよい。
第一部材30についてさらに説明する。前述の砥石部14は、第一部材30の小径部36に中空円筒状の砥石部材60が着脱可能に嵌合されて成る。小径部36が砥石部材60と嵌合される嵌合軸部を構成しているのである。さらに、リーマ部16も、砥石部14と同様に第一部材30とは別体に構成されたリーマ部材61が着脱可能に取り付けられて成る。
本実施形態においては、小径部36にマンドレル部62と係合突部63とが形成されている。砥石部材60がそれらに嵌合された状態でマンドレル部62が半径方向外向きに膨出させられることにより、砥石部材60とマンドレル部62とがしまり嵌合状態とされる。具体的には、第一部材30のマンドレル部62に対応する部分は、小径部36より径がやや小さい円柱状に形成され、その部分の外側にスリーブ64が高精度で嵌合されている。そのスリーブ64の外径は、小径部36のスリーブ64が嵌合されていない部分の外径よりわずかに大きくなるようにされている。スリーブ64の内周面の軸方向中央部には幅広の円環状溝66が形成されており、これによって軸方向中央部が薄肉部68とされている。この薄肉部68と第一部材30の上記円柱状の部分との間にはスリーブ64を膨出させるための液圧室ないし作用室70が形成されている。作用室70に液圧が発生させられることにより、薄肉部68が半径方向外向きに膨出させられるようにされているのである。それにより、砥石部材60をマンドレル部62に繰り返し着脱する場合における砥石部材60の外周面の位置決め再現性が良くなり、被加工物の加工精度が向上する。また、加工中における砥石部材60のがたつきが防止されるため、被加工物の加工面悪化や砥石寿命の低下を回避することができる。作用室70内には、その内部に収容される作動液としての油の量が少なくて済むように、円筒部材が2つの半円筒部材に分割された形状のスペーサ72が挿入されている。なお、作用室70の軸方向の前後両側の第一部材30とスリーブ64との間にはOリング74が配設されており、これにより作用室70内の油が外部に漏れないようにされている。
第一部材30には、作用室70に連通する2本の油通路76が軸方向に沿って平行に設けられている。これらの油通路76は嵌合突部42の先端面、すなわち第一部材30の後端面78に開口しているが、その開口部はプラグ80によって密閉されている。油通路76が2本設けられているのは、油を作用室70に充填する際の空気抜きのためである。すなわち、2本の油通路76を開放した状態で、下側の油通路76から油を供給すれば、その油により押し出された空気が上側の油通路76から流出し、作用室70および2本の油通路76内の空気を排除することができるのである。第一部材30には、上記油通路76の開口部とは別個に、この油通路76と第一部材30の外部空間とを連通させる穴82が形成されており、この穴82にピストン84が摺動可能に嵌合されている。穴82の開口部には操作ねじ86が螺合されており、この操作ねじ86の操作によってピストン84が軸方向に移動させられるようになっている。すなわち、この操作ねじ86のねじ込み量によって、作用室70内の油圧が制御されるようになっているのである。なお、ピストン84と第一部材30とによって囲まれ、油通路76に連通させられた部分は、比較的容量の大きい加圧室88とされている。以上、マンドレル部62,油通路76,操作ねじ86およびピストン84が共同して、油圧マンドレル90を構成しているのである。
小径部36の軸方向の両端部に、砥石部材60と第一部材30との相対回転を防止する相対回転防止装置がそれぞれ設けられている。小径部36の後端部近傍に、図3に示すように、一対のピン100が半径方向に沿って、互いに反対向きに突出して設けられている。それに対して、小径部36の前端部には前記係合突部63が設けられている。係合突部63は、小径部36より小径に形成され、それの外周に、軸方向に平行な平面を有する切欠104が形成されている。切欠104は等角度間隔に4個所形成されており、図3に示すように、係合突部の横断面形状が略正方形となるようにされている。これらピン100および係合突部63と、後で詳細に説明する砥石部材60のキー溝および係合穴とがそれぞれ係合することにより、砥石部材60の第一部材30に対する回転を防止する。
上記係合突部63には、前端面105に開口し後方ほど径が小さくなるテーパ穴106が形成されている。このテーパ穴106に、後に詳細に説明するリーマ部材61のテーパ軸部たる嵌合突部がしまり嵌合させられる。さらに、テーパ穴106の底面から後方に延びる雌ねじ穴108が形成されている。後述するリーマ部材61のボルト穴を経て、雌ねじ穴108にボルトが螺合されることにより、リーマ部材61が第一部材30に固定される。
第一部材30には、さらに、砥石部14とリーマ部16とにクーラント液を供給するクーラント通路110が複数本(図4に示す例では4本)形成されている。クーラント通路110は、第一部材30の後端面78から大径部38にかけて軸方向に平行に形成され、さらに軸方向に対して傾斜して延びるクーラント通路112を経て大径部38と小径部36との境界である肩面114に開口している。この開口部において砥石部材60のクーラント通路と連通し、砥石部材60にクーラント液を供給する。
図5ないし図7に示すように、砥石部材60に、軸方向に貫通する嵌合穴118が形成され、小径部36と精度よく嵌合可能とされている。砥石部材60は、複数(図示の例では12個)の砥石120を有している。それら砥石120は軸方向に沿って短冊状に形成され、砥石部材60の外周面に等角度間隔に配置されている。砥石120は、砥石部材60の外周面に砥粒が電着されることにより形成された電着砥石である。砥粒は、例えば、ダイアモンドまたはCBN(立方晶型窒化ホウ素)等であり、ニッケル等を用いて電解メッキ法によって固着されている。
互いに隣接する砥石120の間に、砥石120と平行に延びる溝122がそれぞれ形成されている。それら溝122は砥石120より長く形成されている。各砥石120が砥石部14のランドを形成しており、それらランドの回転方向における前方に各溝122がランドに沿って延びる砥石部溝として形成されていると考えることができる。砥石部材60内に、各溝122に沿って延びるクーラント通路124が形成されている。クーラント通路124は、砥石部材60の後端面126から砥石部材60の途中まで延びる深穴である。砥石部材60には、後端面126に開口する座ぐり穴128が形成されており、この座ぐり穴128が各クーラント通路124と連通している。砥石部材60が第一部材30に嵌合された状態では、クーラント通路112の開口部と座ぐり穴128とが連通し、クーラント通路112から座ぐり穴128を経て各クーラント通路124にクーラント液が供給される。クーラント通路124と各溝122とを接続する接続通路130が複数形成されている。接続通路130は、すべての溝122の各々について4本ずつ軸方向に互いに隔たって形成され、溝底に開口している。クーラント液は、クーラント通路124と接続通路130とを通って、溝底の開口部たるクーラント噴出口132から噴出させられるのである。各クーラント通路124の前端からさらに接続通路133が延びており、この接続通路133を経てリーマ部材61にもクーラント液が供給される。
砥石部材60の軸方向両端部に、第一部材30のピン100および係合突部63とそれぞれ共同して砥石部材60の第一部材30に対する相対回転を防止するキー溝134と係合穴136とが設けられている。キー溝134は、図7に示すように、砥石部材60の後端部において、後端面126から軸方向に延びて2個形成されており、前記第一部材30のピン100と係合して砥石部材60の後端部の第一部材30に対する相対回転を防止する。それに対して、砥石部材60の前端部においては、図6に示すように、半径方向内向きのフランジ135が形成され、その中央に第一部材30の係合突部63と係合可能な係合穴136が形成されている。係合穴136は、前述のピン100とキー溝134とが係合する状態で係合突部63と係合可能な位相で形成され、その係合により砥石部材60の前端部の第一部材30に対する相対回転を防止する。
さらに、砥石部材60の前端面138からリーマ部材61と係合する係合突部140が前方に突出している。係合突部140は、中心軸線が半径方向に延びる姿勢でかつほぼ半分が前端面138から露出した状態で固定された円筒部材である。係合突部140は、係合穴136と干渉しない位置に設けられている。
リーマ部材61は、図8ないし図10に示すように、リーマ本体150を有する。リーマ部材61は、複数枚(図示の例では12枚)のチップ152を有する。それらチップ152は、超硬合金製であって、リーマ本体150の外周にろう付によって固着されている。具体的には、リーマ本体150の最も径の大きい部分である大径部154の外周面に軸方向に平行に延びる複数の溝156が等角度間隔に形成され、その溝156の回転方向における後ろ側の側壁にチップ152が固着されている。その大径部154に、大径部154の後端面158において開口し、軸方向に対して傾斜して延びるクーラント通路160が形成されている。クーラント通路160は、後端において前記砥石部材60の接続通路133と連通する一方、前端において各溝156の溝底に開口し、クーラント液を噴出するようにされている。
大径部154の前端面から比較的小径の小径部162が前方に突出して設けられ、大径部154の後端面から後方に突出し、第一部材30のテーパ穴106と嵌合する嵌合突部170が設けられている。嵌合突部170の外周面は後部ほど直径が漸減するテーパ外周面172とされている。嵌合突部170とテーパ穴106とがしまり嵌合した状態で大径部154の後端面158と係合突部63の前端面105とが互いに当接する。これら後端面158と前端面105とが当接面を構成しているのである。リーマ本体150を軸方向に貫通してボルト穴164が形成されている。リーマ部材150は、ボルト穴164にボルト166が挿通されて、第一部材30の前端部に形成された雌ねじ穴108に螺合されることにより、第一部材30に固定される。
さらに、大径部154の後端面158と砥石部材60との間に相対回転防止装置が設けられている。大径部154の後端面158に半円溝174が形成され、砥石部材60に形成された前記係合突部140と係合することにより、砥石部材60とリーマ部材61との相対回転を防止するようにされているのである。半円溝174は、図10に示すように、一直径上に2個形成され、横断面形状が半円で後端面158に開口している。上記のように、リーマ部材61の砥石部材60の前端部に対する相対回転が防止されるのであるが、その前端部の第一部材60に対する相対回転が前述のように係合突部102と係合穴136との係合により防止されているため、結局、リーマ部材61の第一部材60に対する相対回転が間接的に防止されることとなる。
本加工工具10は、砥石部材60とリーマ部材61とが第一部材30とは別体に構成されているので、砥石部材60とリーマ部材61とのいずれかが寿命となった場合には、その部材のみを予備の部材と交換することにより、使用し続けることができる。以下、砥石部材60およびリーマ部材61を交換する交換作業について説明する。
リーマ部材61の交換が必要になった場合には、ボルト166を外してリーマ部材61を取り外し、予備のリーマ部材と交換する。一方、砥石部材60を交換する場合には、リーマ部材61を外した後で、まず、第一部材30のフランジ部40に設けられた操作ねじ86のねじ込み量を減少させて、加圧室88および作用室70内の油圧を低下させ、スリーブ64の薄肉部68の半径方向外方への膨出を解消する。このことにより、砥石部材60のしまり嵌合状態が解除されるので、交換すべき砥石部材60を取り外して予備の砥石部材を第一部材30の小径部36に嵌合する。砥石部材60の後端部のキー溝134と、第一部材30に設けられたピン100とを係合させ、さらに、砥石部材60の前端部の係合穴136と第一部材30の係合突部63とを互いに係合させることにより、砥石部材60を第一部材30に対して相対回転不能とする。その状態で、砥石部材60の後端面126を第一部材30の肩面114に当接させる。
砥石部材60の後端面126を第一部材30の肩面114に強く押し付けた状態で、操作ねじ86のねじ込み量を増大させて、加圧室88および作用室70内の油圧を上昇させる。作用室70内の油圧の上昇に伴って薄肉部68が膨出し、砥石部材60とマンドレル部62とがしまり嵌合状態となる。次に、リーマ部材61の嵌合突部170を、第一部材30のテーパ穴106に嵌合する。このとき、大径部154の後端面158に形成された半円溝174が、砥石部材60の前端面138に形成された係合突部140と係合するようにする。このことにより、リーマ部材61の砥石部材60に対する相対回転が防止され、第一部材30に対する回転も防止される。その状態でボルト166によりリーマ部材61を第一部材30に固定すれば、嵌合突部170とテーパ穴106とがしまり嵌合するとともに、リーマ部材61の後端面158が砥石部材60の前端面138に当接して、リーマ部材61が砥石部材60および第一部材30に強固に固定される。
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、ピン100とキー溝134とが互いに共同して2つの「砥石用相対回転防止装置」の一方を構成し、係合突部63と係合穴136とが互いに共同して他方の「砥石用相対回転防止装置」を構成し、砥石部材60の係合突部140とリーマ部材の半円溝174とが互いに共同して「間接的相対回転防止装置」を構成している。なお、本実施形態においては、砥石部材60の砥石120が軸方向に平行に形成されていたが、軸方向に対して傾斜して形成されてもよい。
次に本願請求可能発明の別の実施形態である加工工具200について図11ないし図13に基づいて説明する。この加工工具200は、上記実施形態と比較して砥石部について異なるが、その他の構成についてはほぼ共通しているので、共通する構成要素については共通の符号を用いて説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
本実施形態においては、図11に示すように、砥石部材202は、砥石204が軸方向に対して傾斜する向きに延びており、それら砥石204に平行な溝206が、互いに隣接する砥石204の間に形成されている。各溝206の溝底から軸方向に対して傾斜して延び、嵌合穴118に連通するクーラント通路208が形成されている。クーラント通路208は、すべての溝206に対してそれぞれ3本ずつ形成されており、クーラント通路208の溝底側の開口がクーラント液を噴出するクーラント噴出口となっている。なお、砥石部材202は、前述の実施形態と同様に、砥石を軸方向に平行に設けてもよい。砥石部材202に、それの後端面126と外周面に開口する後端側キー溝230が、直径方向に隔たった2個所に形成されている。さらに、図13に示すように、上記後端側キー溝230とは異なる位相において、前端面138と内周面とに開口する前端側キー溝231が、直径方向に隔たった2個所に形成されている。
図12に示すように、本加工工具200の第一部材210は、小径部36の外周部に円環状の溝212が3本形成されている。第一部材210の後端部から軸方向に平行に小径部36の中央までクーラント通路214が形成されている。そのクーラント通路214と各円環状溝212とを連通させるクーラント通路216が形成されるとともに、第一部材210の前端面において開口してリーマ部材61にクーラント液を供給するクーラント通路218が形成されている。小径部36に中空円筒状の砥石部材202が嵌合されて砥石部220を構成する。砥石部材202のクーラント通路208の嵌合穴118側の開口は、砥石部材202が小径部36に嵌合された状態で小径部36の円環状溝212のいずれかに対向するようにされており、クーラント通路214,216から円環状溝212を経てクーラント液が供給される。本実施形態においては、第一部材210に油圧マンドレルが設けられていない。
第一部材210の大径部38の前端近傍部の直径方向に隔たった2個所に、肩面114および外周面に開口するキー溝232が形成され、そのキー溝232に後端側キー234がそれぞれボルト236によって固定されている。後端側キー234は肩面114から前方に突出し、かつ大径部38から半径方向外方には突出しない形状とされており、前方に突出した部分が砥石部材202の後端側キー溝230に係合することにより、砥石部材202の後端部と第一部材210との相対回転を防止する。さらに、小径部36の前端近傍部に形成された前記前端側キー溝231に前端側キー240が配設されている。前端側キー240は小径部36の前端面より前方へ突出し、かつ、小径部36の外周面より半径方向外向きに突出する形状とされている。また、前端側キー240の小径部36の前端面より前方へ突出した部分は、前端側キー溝231に嵌合される部分より寸法が小さくされている。その前端側キー240と、砥石部材202の前端側キー溝とが係合することにより、砥石部材202の前端部と第一部材210との相対回転を防止する。前端側キー240はさらに、小径部36から前方に突出する部分において、リーマ部材61のキー溝(図示省略)と係合してリーマ部材61の第一部材210に対する相対回転も防止する。
本願請求可能発明のさらに別の実施形態について説明する。本実施形態においても、前述の実施形態と共通する要素については、共通の符号を用いることにより説明を省略する。
図14ないし図17に示すように、本加工工具300は、第一部材302の前端部近傍であって砥石部材304が嵌合する嵌合部306の外周が後端部側ほど径の増大するテーパ外周面とされている。第一部材302の嵌合部306より後方のシャンク部308は嵌合部306より比較的大径に形成され、嵌合部306の後端部に軸方向と直交する肩面310が形成されている。
図14ないし図17に示すように、本加工工具300は、第一部材302の前端部近傍であって砥石部材304が嵌合する嵌合部306の外周が後端部側ほど径の増大するテーパ外周面とされている。第一部材302の嵌合部306より後方のシャンク部308は嵌合部306より比較的大径に形成され、嵌合部306の後端部に軸方向と直交する肩面310が形成されている。
その肩面310の直径方向に隔たった2個所において、軸方向前方に突出するキー320が配設されている。第一部材302の外周に肩面310から軸方向に延びるキー溝322が形成され、そのキー溝322内にキー320が配設されて、ボルト324によって第一部材302に固定されている。キー320は、肩面310から軸方向前方に突出する形状とされている。
嵌合部306の軸方向中央において外周に円環状の溝330が形成されている。この円環状溝330は、接続通路331により、第一部材302の中心に形成されたクーラント通路332と接続されており、クーラント液が供給される。第一部材302にはさらに、クーラント通路332から前端部側ほど外周に接近する向きに傾斜して嵌合部306の前端面において開口する接続通路334が複数形成されており、後述するリーマ部材にクーラント液を供給する。
第一部材302の嵌合部306に、前端面において開口し、軸方向に延びる嵌合穴336が形成されている。嵌合穴336は開口部近傍においては横断面形状が円形に形成された円形穴338とされている。これに対して、円形穴338より後端部側においては横断面形状が略正方形の角穴340が形成されている。角穴340の底部からさらに軸方向後方に延びる雌ねじ穴342が形成されている。
砥石部材304は、軸方向に貫通して第一部材302の嵌合部306と嵌合する嵌合穴が形成され、その嵌合穴が軸方向後方ほど径が増大するテーパ穴350とされている。テーパ穴350は、第一部材302の嵌合部306としまり嵌合した状態で砥石部材302の後端面352が第一部材302の肩面310に当接するように形成されている。本加工工具300においては、肩面310が一方の当接面を構成し、砥石部材の後端面352が砥石側の当接面を構成している。砥石部材304の後端部の直径方向に隔たった2個所において、後端面352と外周面とに開口するキー溝354が形成され、前述のキー320と嵌合可能とされている。キー320とキー溝354とが互いに共同して、砥石部材304の第一部材302に対する相対回転防止装置を構成している。
砥石部材304は、本実施形態においては、第一部材302の嵌合部306にしまり嵌合されて後端面352が第一部材302の肩面310に当接した状態で、それの軸方向先端部が嵌合部306よりわずかに突出する長さに形成されている。具体的には、砥石部材304の前端部において比較的小径の小径部356(図15参照)が形成され、その小径部356が第一部材304の嵌合部306より軸方向前方に位置するように形成されている。
砥石部材304の外周には、図16に示すように、軸方向に延びるランド360が等角度間隔に6個形成され、それらランド360の頂面に砥粒が電着された電着砥石362とされている。各ランド360の間に砥石部材304を軸方向に貫通する貫通溝364が形成されている。本砥石部材304は、さらに、各ランド360の中央に、ランド360より軸方向に短くかつ幅の狭い行止まり溝366が形成されている。行止まり溝366は、行止まり溝366とテーパ穴350とに開口する接続通路368により、前述の円環状溝330に接続されており、その円環状溝330を介してクーラント液が供給される。接続通路368は、行止まり溝366の溝底であって、前端部近傍において開口している。本実施形態においては、接続通路368は各行止まり溝366に1つ形成されているが、複数形成されてもよい。なお、すべてのランド360に行止まり溝366および接続通路368が形成されることが望ましいが、不可欠ではない。
リーマ部材380は、概して段付円柱状に形成され、最も径の大きい大径部382の外周面に軸方向に平行な貫通溝が形成され、その貫通溝の一方の側壁に超硬合金製のチップがろう付により固着されている。大径部382後端部側に、上述の砥石部材304の小径部356と同径の小径部383が形成されている。リーマ部材380は第一部材302に取り付けられた状態で、小径部383の後端面384が、砥石部材304の小径部356の前端面358と当接するようにされている。その小径部383のさらに後端部側に、第一部材302の嵌合穴336に精度良く嵌合する嵌合突部385が形成されている。嵌合突部385は、小径部383の後端部から順に、円形穴338に嵌合する円形部386と角穴340に嵌合する角形部388とが形成されている。本実施形態においては、角穴340と角形部388とが互いに共同して、リーマ部材380の第一部材302に対する相対回転を防止する相対回転防止装置を構成している。それら円形部386および角形部388の軸方向長さは、それぞれの穴の深さより僅かに短くされている。このことにより、リーマ部材380は、第一部材302に取り付けられた状態で、第一部材302と軸方向に直接当接することはない。リーマ部材380を軸方向に貫通してボルト穴392が形成され、ボルト394がボルト穴392を経て第一部材302の雌ねじ穴342に螺合されることにより、リーマ部材380が第一部材302に固定される。
以上の構成の加工工具300の砥石部材304およびリーマ部材382を交換する交換作業について説明する。ボルト394を取り外すことにより、リーマ部材382および砥石部材304を第一部材302から取り外すことができる。次に、新しい砥石部材304をそれのキー溝354がキー320と嵌合するように第一部材302に嵌合し、さらに、リーマ部材382の嵌合突部385を、角形部388が角穴340に嵌合するように位相を調節して、第一部材302の嵌合穴336に嵌合する。次に、ボルト394をボルト穴392を経て雌ねじ穴342に螺合して締め付ける。このとき、リーマ部材380の小径部383の後端面384が砥石部材304の小径部356の前端面358と当接して砥石部材304を相対的に後端部側に押し込むことにより、砥石部材304が弾性変形して第一部材302の嵌合部306にしまり嵌合される。それと同時に、砥石部材304の後端面352が第一部材302の肩面310に当接する。また、リーマ部材380は、砥石部材304と軸方向において当接することにより、第一部材302に対する軸方向位置が間接的に決められる。
さらに別の実施形態である加工工具400について説明する。本加工工具400においては、砥石部材402が上述の加工工具300と同様に第一部材404のテーパ嵌合部406にしまり嵌合することにより固定されるとともに、リーマ部材408も同じ嵌合部406にしまり嵌合することにより固定される。以下、リーマ部材408および、リーマ部材408を第一部材404に固定する部分の構成について詳細に説明し、上述の実施形態と同様の部分は共通の符号を用いることにより説明を省略する。
第一部材404は、上述のように、それの砥石部材402およびリーマ部材408と嵌合する部分が、後端部側ほど径が大きい嵌合部406とされており、砥石部材402がしまり嵌合された状態で、嵌合部406の前端部が砥石部材402より軸方向前方に突出する長さに形成されている。その突出した部分にリーマ部材408がテーパ穴414においてしまり嵌合することにより、リーマ部材408が固定的に保持される。以下、その突出部をリーマ嵌合部418と称する。リーマ嵌合部418に、直径方向に隔たった2個所において前端面と外周とに開口するキー溝420が形成されている。なお、リーマ部材408としまり嵌合する部分を嵌合部406に形成すれば、加工が容易となる利点があるが、リーマ部材408のテーパ穴414の直径の都合等により、嵌合部406に対して段付き状に直径が小さいテーパ嵌合部とすることも可能である。第一部材404の前端面において開口する嵌合穴430が形成されている。嵌合穴430は、有底の円形穴であって、その底面から軸方向後方に延びる雌ねじ穴432が形成されている。
リーマ部材408は、外周に複数の貫通溝が形成されてチップが取り付けられたリーマ本体410と、そのリーマ本体410の後端部から軸方向に僅かに延び出す小径部412とを備える。リーマ部材408のテーパ穴414内の直径方向に隔たった2個所に半径方向内向きに突出する係合ピン416が立設されており、第一部材404のキー溝420に嵌合させられることにより、リーマ部材408の第一部材404に対する相対回転を防止するキーとして機能するようにされている。なお、本実施形態においては、キー溝420および係合ピン416(キー)が直径方向に隔たった位置に2組設けられているが、軸対称位置に3組以上設けられてもよく、1組設けられるのみでもよい。
本実施形態においては、リーマ部材408は、嵌合部406にしまり嵌合した状態で、それの小径部412の後端面が砥石部材402の小径部356の前端面に当接する形状とされている。リーマ部材408は、そのように第一部材404に対して軸方向位置が決められた状態で、それの前端部が第一部材404より前方に突出する形状とされている。
本加工工具400は、リーマ部材408と砥石部材402との抜け出しを防止する抜け止め部材440を備える。抜け止め部材440は、段付円筒状に形成され、後端部に第一部材404の嵌合穴430と嵌合する嵌合突部442が形成されている。嵌合突部442の軸方向長さは上記嵌合穴430の深さより小さくされている。嵌合突部442の前端部に半径方向外向きに突出するフランジ部444が形成され、フランジ部444はリーマ部材408と軸方向に当接する当接面を備える大きさとされている。抜け止め部材440を軸方向に貫通してボルト穴446が形成され、そのボルト穴446を経てボルト448が雌ねじ穴432に螺合されることにより、リーマ部材408と砥石部材402とが嵌合部406にしまり嵌合させられる。抜け止め部材440がリーマ部材408を第一部材404に対して相対的に第一部材404の後端部側に向かって押すことにより、そのリーマ部材408の後端面を砥石部材402の前端面に当接させ、その結果、砥石部材402の後端面を第一部材402の肩面310に当接させる。以上の説明から明らかなように、本加工工具においては、抜け止め部材440がボルト448と共同して軸方向押圧装置を構成している。
以上、本願の請求可能発明の実施形態を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、請求可能発明は、前記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
10:加工工具 12:下穴 14:砥石部 16:リーマ部 30:第一部材 32:第二部材 34:本体部材 60:砥石部材 61:リーマ部材 62:マンドレル部 63:係合突部 64:スリーブ 66:円環状溝 68:薄肉部 70:作用室 86:操作ねじ 88:加圧室 90:油圧マンドレル 100:ピン 104:切欠 106:テーパ穴 134:キー溝 136:係合穴 140:係合突部 174:半円溝 200:加工工具 202:砥石部材 230:後端側キー溝 234:後端側キー 240:前端側キー 300:加工工具 302:第一部材 304:砥石部材 306:嵌合部 310:肩面 336:嵌合穴 338:円形穴 340:角穴 342:雌ねじ穴 350:テーパ穴 352:後端面 364:貫通溝 366:行止まり溝 380:リーマ部材 384:嵌合突部 386:円形部 388:角形部 390:切欠 400:加工工具 402:砥石部材 404:第一部材 406:嵌合部 408:リーマ部材 414:テーパ穴 440:抜け止め部材
Claims (8)
- 棒状の本体の前端部にリーマ部をそのリーマ部より後端部側に砥石部を互いに同軸に備えた加工工具において、
前記リーマ部および前記砥石部を本体部材とは別体のリーマ部材および砥石部材とし、それぞれ個別に本体部材から取り外し可能としたことを特徴とする加工工具。 - 前記砥石部材が概して中空円筒状をなし、前記本体部材の横断面形状が円形の嵌合軸部の外側に嵌合されるとともに、その嵌合軸部が、薄肉の膨張周壁の内側に液圧室を備え、前記中空円筒状の砥石部材と嵌合後、前記液圧室の液圧が上昇させられることにより外径が増大して砥石部材としまり嵌合状態となる液圧マンドレルとされた請求項1に記載の加工工具。
- 前記砥石部材が概して中空円筒状をなし、内周面がテーパ面とされるとともに、前記本体部材がそのテーパ内周面に対応するテーパ外周面を有する嵌合軸部を備え、かつ、砥石部材と本体部材とが、前記テーパ内周面と前記テーパ外周面とがしまり嵌合した状態で軸方向において互いに当接する当接面をそれぞれ備えた請求項1に記載の加工工具。
- 前記リーマ部材と前記本体部材との一方がテーパ穴を、他方がそのテーパ穴としまり嵌合するテーパ軸部を備えるとともに、それらリーマ部材と本体部材とが、テーパ穴とテーパ軸部とがしまり嵌合した状態で直接または前記砥石部材を介して間接に軸方向において互いに当接する当接面をそれぞれ備える請求項1ないし3のいずれかに記載の加工工具。
- 前記リーマ部材と前記本体部材との一方がテーパを有さないストレート穴を、他方がそのストレート穴に嵌合するストレート軸部を備えるとともに、それらリーマ部材と本体部材とが、ストレート穴とストレート軸部とが嵌合した状態で前記砥石部材を介して間接に軸方向において互いに当接する当接面をそれぞれ備える請求項3に記載の加工工具。
- 前記砥石部材と前記リーマ部材とがいずれも概して中空円筒状をなし、それら両部材の各内周面がそれぞれテーパ面とされるとともに、前記本体部材がそれら砥石部材とリーマ部材とのテーパ内周面に対応するテーパ外周面を有する嵌合軸部を備え、かつ、砥石部材と本体部材とが、前記テーパ内周面と前記テーパ外周面とがしまり嵌合した状態で軸方向において互いに当接する当接面をそれぞれ備え、砥石部材とリーマ部材とが、リーマ部材の内周面が前記嵌合軸部のテーパ外周面にしまり嵌合した状態で軸方向において互いに当接する当接面をそれぞれ備えた請求項1,3,4のいずれかに記載の加工工具。
- 前記砥石部材の軸方向の両端部と前記本体部材のそれら両端部に対応する2部分との間にそれぞれ設けられた2つの砥石用相対回転防止装置を含む請求項1ないし6のいずれかに記載の加工工具。
- 前記リーマ部材と前記砥石部材との間に設けられ、リーマ部材の砥石部材に対する相対回転を防止することにより、リーマ部材の本体部材に対する相対回転を砥石部材を介して間接的に防止する間接的相対回転防止装置を含む請求項1ないし7のいずれかに記載の加工工具。
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