JP2004291225A - 手動機構型マスタ・スレーブハンド - Google Patents

手動機構型マスタ・スレーブハンド Download PDF

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Abstract

【課題】 遠隔操作位置から作業実行ハンドに対して防護隔壁又はバイラテラル機構を介して高精度かつ精密な調整、制御の下に作業を安全に実行させ得る手動機構型マスタ・スレーブハンドを提供すること。
【解決手段】 基本ロッド軸12の遠隔二位置に平行配設した2つの軸端又は手首軸にそれぞれ取付けられて作動する遠隔操作具300又は手動操作ハンド25と作業具320又は作業実行ハンド45とを有し、基本ロッド軸12に沿って延設された連結リンク棒310又は60によって遠隔操作具300又は手動操作ハンド25と作業具320又は作業実行ハンド45とを相関動作可能に結合し、前者遠隔操作具300又は手動操作ハンド25のマスタ操作に従って該作業具320又は作業実行ハンド45がスレーブ動作し、かつ基本ロッド軸12を支持台200や防護隔壁を成す支承具340で支承する構成の手動機構型マスタ・スレーブハンド10を構成した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、全般的にはロッド軸を基本要素とし、その基本ロッド軸の手元後端側で操作者が手動により実行する遠隔操作に基づいて、同基本ロッド軸の前端側に設けた各種の作業手段により被作業面に対して所望の作業を遠隔的に遂行するための軽便な手動機構型マスタ・スレーブハンドに関し、更には操作者の手動による遠隔操作に基づいて、純機械的な作動機構を介して遠隔的に操作される手動機構型マスタ・スレーブハンドに関するものであり、特に作業ハンド部が、操作者の操作に応じて主従作動機構的に対応動作するような機械的機構を内蔵し、所望の動作を操作者の手から隔たる位置で達成し得ると共に操作者が作業ハンド部の作業を感覚的に認識することのできる遠隔手動機構型マスタ・スレーブハンドに関する。
この種遠隔手動機構型マスタ・スレーブハンドは、動力源を必要することなく、人の手動力のみで、作業ハンド部等の作業手段を操作し、しかも好ましくは透明かつ高強度の防護隔壁部材を介して常に作業観察が可能に実行し、又はバイラテラル機構の介在によって遠隔位置で実行される作業をあたかも自身の手元で実行している感覚で認識し得ると同時に持ち運び容易なハンド装置として形成されていることから、主に荒廃地等の地雷原現場へ搬入して地表下に埋設された地雷周囲の土等を掘削、除去し、或いは掘り出した地雷自体の撤去作業に最適に利用可能であるが、勿論、これに限定されるものではなく、電気的動力源、化石燃料動力源等の利用が困難な地域や環境下等における遠隔マスタ・スレーブハンド装置として各種用途に適用可能なことは言うまでもない。
近時、多数の地雷原が、アジアをはじめ世界に散在し、それらの地域の住民が、地雷に接触、爆発して被災する事態が多々発生していることから、地雷の撤去が急務とされている。
このような地雷の撤去作業の主たる手段は、多く、撤去作業者が赴いて地雷の埋設が検知される都度、銃剣等の鋭利な刃物の先端で注意深く、信管に触れないように土を掘り起こす作業によって遂行するものである。従って、絶えず危険が付きまとう現状にあることから、遠隔的にしかも作業者の手動操作と等価な作業遂行機能を有し、かつ現場に軽便に搬入して利用できる簡便な地雷撤去作業具の提供が望まれる状況にある。
ここで、原子炉等の原子核反応利用分野の産業では、純粋機構的な所謂、マジックハンドが従来から利用されている。すなわち、非特許文献1は、隔壁を隔ててマスタとスレーブが連結されたマスタ・スレーブ・マニピュレータを開示している。これは、スレーブ側に加わる力をある程度はマスタ側で感知することができるものであるが、マスタとスレーブ間を電気信号で連結する必要がるため、電源の使用が必須となる。さらに、同文献1には、かかるマスタ・スレーブ・マニピュレータに力伝達機能を有するバイラテラル・サーボ機構、特に電気油圧マスタ・スレーブサーボ系を組み込むことも開示されているが、その場合も電源や油圧源の準備が必須となる。しかしながら、この種のマスタ・スレーブ・マニピュレータは、作業者の手指の先端での運動を遠隔位置に有る作業遂行部の運動として再現する形態で実行し得る運動伝達手段を簡便な純粋機械的機構として実現しているものでは無い。依って、この分野のマニピュレータを直ちに地雷撤去用の遠隔マスタ・スレーブハンドに適用することは、簡便かつ安全な操作性、機器コスト等種々の観点から困難がある。
一方、地雷原は、一般的に荒廃地域や戦場跡など電力等の動力源を使用できない環境条件下にあることが多く、それでいて、作業の性質上から高度の信頼性を備え、操作者の操作と作業ハンド側の作業遂行部の動作との間の完全な対応性が必須である。すなわち、作業現場に容易に搬入して用いることができ、しかも操作者の操作に応じたハンド側の遂行作業が直視的に観察でき或いは直ちに双方的(バイラテラル)に操作者側へ作業感覚としてフィードバックされることで、操作者があたかも自分の手で実行している感覚を持ち得るような純粋機構的な遠隔操作系を備えることが爆発の危険回避上から必須とされる。また、地雷掘り出し過程で反復性の単純な作業から微細な調整、制御操作等の比較的複雑な作業を含む多種の手動操作を遠隔的に作業者が入力操作することに呼応して作業ハンドが高精度にその微細な調整、制御的作業をも忠実に再現し得ることが危険回避上から要請される。
「bit ロボット 臨時増刊、1976年7月号 Vol.8、No.8(通巻97号)第743頁」、共立出版株式会社により昭和51年7月15日発行。
よって、本発明は、作業者の手動操作により入力される調整、制御操作を含めた種々のマスタ操作に基づいて忠実にスレーブ動作して隔たる被作業面の位置で再現、実行し得る作業実行機能を備え、しかも作業者が、その手元位置から直視的に作業観察を行いながら所望の作業を実行でき、かつその被作業面の現場へ作業者が携行して搬入可能することが可能な軽便性を有した単一機械装置としての遠隔手動機構型マスタ・スレーブハンドを提供することを目的とするものである。
本発明の他の目的は、手動操作により入力される調整、制御操作を含めた種々のマスタ操作を忠実にスレーブ動作して隔たる位置で再現、実行し得る作業実行機能を備え、しかも作業者が、その手元位置で作業感覚を感触することができるような伝動機構を包含した単一機械装置としての遠隔手動機構型マスタ・スレーブハンドを提供することを目的とするものである。
本発明の更に他の目的は、地雷掘り出しに限らず、動力源を不要としながら、マスタ操作の遠隔入力に従って忠実にスレーブ動作する作業実行ハンドを備えた凡用度の高い遠隔手動機構型マスタ・スレーブハンドを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、所定の軸長を有する棒状体として形成され、両端二位置を操作用内端と作業用外端とする基本ロッド軸と、上記基本ロッド軸の操作用内端に設けられる作動要素を含んだ遠隔操作具と、上記基本ロッド軸の作業用外端に設けられる可動要素を含んだ作業具と、上記基本ロッド軸に沿って延設されると共に上記遠隔操作具の作動要素に一端を結合し、上記作業具の可動要素に他端を結合してなる伝動用の連結リンク棒とを具備して成り、上記所定軸長を有した上記基本ロッド軸の中間位置を支承具によって摺動および旋回、揺動可能に支持されて上記遠隔操作具のマスタハンド操作に従って上記作業具がスレーブハンド動作することにより、被作業面に所定の作業を遂行し得るように構成された手動機構型マスタ・スレーブハンドを供するものである。
このような構成を有した手動機構型マスタ・スレーブハンドは、基本ロッド軸の両端二位置における操作用内端と作業用外端として設け、その操作用内端には作動要素を持った遠隔操作具を、作業用外端には可動要素を持った作業具を備え、前者の遠隔操作具側で遠隔操作(マスタハンド操作)することで、支承具による支承点に対して該基本ロッド軸の摺動や揺動旋回を介してまた連結リンク棒の伝動作用を介して後者の作業具が被作業面に所定の作業を実行する。故に、基本的には基本ロッド軸、遠隔操作具、作業具との三つの機械的要素だけで作動可能な手動機構型マスタ・スレーブハンドとして機能する機構的に簡単でかつ作業者が携行して作業現場へ搬入可能な軽便な単一装置として用いることができる。このことは、荒廃地や地雷原に本手動機構型マスタ・スレーブハンドを搬入して作業者が遠隔操作を行って地雷埋設地点の周辺部の泥、土、瓦礫、石ころ等を掘削除去し、或いは掘削により露出した地雷自体を取りだし、撤去する等の作業に適用することができる。
また、上述した本発明の手動機構型マスタ・スレーブハンドにおいて、上記支承具は、ジョイント手段を所定の位置に有した隔壁部材と、上記隔壁部材を被作業表面に立設、保持する保持フレーム部材とを具備して構成され、上記隔壁部材のジョイント手段により上記基本ロッド軸を被作業表面に対して摺動、揺動可能に支持する構成とする。そして、好ましくは、上記隔壁部材は、透明樹脂製の防護盾板又は一部分にレンズを備えた防護盾板として形成され、該防護盾板に貫通、形成された上記基本ロッド軸の遊嵌孔の周壁部分によって上記ジョイント手段を形成してなる手動機構型マスタ・スレーブハンドとする。
このように構成すれば、隔壁部材のジョイント手段で支持された基本ロッド軸の中間位置を境界にして遠隔操作具と作業具とが空間的に隔離されるから、作業具の作業域に対して遠隔操作具を操作する作業者の安全性を確保できる。
その上、隔壁部材が透明樹脂製の又はレンズ部分を備えた防護盾板で形成されれば、該防護盾板を通して作業者が、作業具の作業域の環境条件や作業遂行状況を目視で観察、監視しながら遠隔操作することも可能であり、故に地雷周辺部の掘削や、地雷自体の撤去作業に本手動機構型マスタ・スレーブハンドが使用される場合でも遠隔マスタ動作の精度を高度に保つことで作業具の作業精度を向上させ、延いては作業者の高い作業安全性を確保することができる。
更に、本発明では、上記遠隔操作具に含まれた作動要素は、上記伝動用連結リンク棒の上記一端への結合端を有し該連結リンク棒のプッシュ・プル動作を起動する枢動レバーから成り、そのとき上記作業具に含まれた可動要素は、上記伝動用連結リンク棒の上記他端にトグル作動リンクを介して結合され、該トグル作動リンクを手首とする開閉ハンドから成る手動機構型マスタ・スレーブハンドとすることが好ましい。しかも、そのとき、上記作業具の上記開閉ハンドは、一対の可動、固定ハンドによって形成され、該可動ハンドを上記トグル作動リンクに結合した構成を有するように構成することが好ましい。
このように構成すれば、連結リンク棒の直線的なプッシュ・プル動作を作業者が枢動レバーを介して機械的に印加すると、トグル作動リンクを介して開閉ハンドが開閉作動する簡単なハンド機構が得られ、かつ一対の可動、固定ハンドとすれば、被作業面における土、泥、瓦礫の掘削ハンドから対象物の掴みハンドとして複数用途に利用することができる。
更に、上記遠隔操作具は、ハンドルを具備し、上記作業具は、被作業面を掘削するシャベル又は被作業面において所定の検知作業を遂行するセンサ要素を備えた構成としても良い。
このような構成をとれば、ハンドルを遠隔操作して被作業面をシャベルで掘削したり、センサ要素を被作業面上に移動させて、その被作業面下の対象物を検知する作業等を遂行したりすることができる。
更に、本発明では、上記基本ロッド軸は、内部直通路を有した中空棒状体として形成され、該内部直通路に上記伝動用連結リンク棒が延設されると共に該伝動用連結リンク棒に併設して上記操作用内端から作業用外端へ連通した圧力ガス供給路手段が配設されている構成とすることが好ましく、しかも上記基本ロッド軸を形成する上記中空棒状体は、中空薄肉金属直管から構成する手動機構型マスタ・スレーブハンドとすることが好ましい。
このような構成とすれば、基本ロッド軸の操作用内端から作業用外端に向けて圧力ガス供給手段、例えば基本ロッド軸の内部直通路にガス供給可能な管部材を配設して圧力ガスを供給することで、作業用外端で、送られた圧力ガスを利用した作業を遂行できる。故に、消炎、消火ガスの供給、化学薬品の中和ガスの供給等が可能となる。
更に、中空薄肉金属管により形成した基本ロッド軸は、手動機構型マスタ・スレーブハンドの軽量化に効果を発揮することができる。
また、好ましくは、上記圧力ガス供給路手段は、上記操作用内端側に圧力ガスボンベと結合するニップルを有し、上記作業用外端側にノズルを有したガス供給パイプから成るものとする。このとき、上記ガス供給パイプは、圧縮空気供給パイプから成る手動機構型マスタ・スレーブハンドとすることが好ましい。
上述した構成とすれば、基本ロッド軸の操作用内端側にニップルを介して圧力ガスボンベ、例えば圧縮空気ボンベを結合すると、作業用外端側のノズルから圧縮空気を被作業面に噴出して被作業面の土、泥、石ころ等の掘削時に掘削した土や泥、石ころ等を吹き飛ばすようにして掘削作業の進捗を促進することができる。
また、本発明において、上記保持フレーム部材は、上記被作業面に係留、固定可能な刃具を備え、上記隔壁部材を該被作業面に対して固定可能にすることが好ましく、望ましくは、上記保持フレーム部材は、上記隔壁部材に対して上記基本ロッド軸の上記操作用内端側に向かう後方に向きに延設されたバー材を備え、該バー材の前端に該隔壁部材を保持し、後端近傍に作業者の座席装置を取着して成り、かつ該前端、後端の略中間に該作業者の踏動により上記被作業面に接地、固定される足踏み板を備えている構成の手動機構型マスタ・スレーブハンドとする。
上述の構成とすれば、隔壁部材を被作業面へ固定することができる。この場合に、後者のバー材を備えた構成と採れば、座席に作業者が着座し、足踏み板を足で踏み下ろして被作業面へバー材を固定すれば、バー材の前端に保持して隔壁部材も同時に固定され、作業者は、固定された隔壁部材を通して作業を安定した作業環境下で観察、監視することができる。
また、上記足踏み板は、上記被作業面に係留、固定可能な刃具を備えると共に上記バー材に対して立ち上げ可能に蝶番機構を介して該バー材に取付けられ、かつ立ち上げ時に上記基本ロッド軸に係合してそれを保持可能なフック部材を備えて構成されることが好ましい。
このように構成すれば、足踏み板は、作業者が被作業面へ足踏み板を踏下し、刃具を同被作業面へ突き立てれば、足踏み板が固定され、バー材も安定に固定されるから上述と同様に該バー材の前端に保持して隔壁部材も同時に固定され、作業者は、固定された隔壁部材、特に透明防護盾の場合にはそれを通して作業を安定した作業環境下で観察、監視することができる。
また、上記バー材に取着された座席装置は、支柱と該支柱の上端に設けた座板とを具備してなり、該支柱の長さは上記作業者の座位による遠隔操作作業を可能にする高さに設定されることが好ましい。
これに依って、作業者は、適正な座居姿勢で安楽に手動機構型マスタ・スレーブハンドを遠隔操作できるから、作業に対する集中力を高め、高度の作業を遂行できる。
さらに、好ましくは、上記保持フレーム部材のバー材の後端は、上記座席装置の支柱の中心線周りに周回可能にかつ前傾可能に取着され、該中心線の周りに上記バー材を介して上記基本ロッド軸および上記隔壁部材を周回、移動可能な構成とした手動機構型マスタ・スレーブハンドとする。
このように構成すれば、座席装置の支柱を中心にして作業者が遠隔操作具を用いて上記のバー材を介して基本ロッド軸および隔壁部材を被作業面の表面上を周回、移動させることができる。これによって該基本ロッド軸の作業用外端に設けた作業具を被作業面に沿って周回方式に移動させることが可能であり又隔壁部材ないし透明防護盾板のジョイント手段を介して基本ロッド軸を摺動及び揺動、旋回移動させることが可能である。その結果、作業具にセンサ要素を具備すれば、それで検知対象物を走査し、検知することもできる。例えば、センサ要素として金属探知器を用いることにより、地雷原等を区分部分毎に順次に走査し、埋設された対人地雷の走査と検知とを安全に実行することができる。
他方、本発明の他の観点によれば、既述した発明の目的を達成するために、基本ロッド軸の離間した二位置に相互に平行に配設された2つの手首軸にそれぞれ取付けられて作動する手動操作ハンドと作業実行ハンドとを有し、前記手動操作ハンドおよび作業実行ハンドは、それぞれリンク要素、回動性の継手要素および軸受要素の組合せ機構の先端に指部材を備えて形成され、前記基本ロッド軸に沿って延設された連結リンク棒によって前記手動操作ハンドと作業実行ハンドとを相関動作可能に結合し、該手動操作ハンドのマスタ操作に従って該作業実行ハンドがスレーブ動作する手動機構型マスタ・スレーブハンドを構成したものである。
このような構成を有した手動機構型マスタ・スレーブハンドは、手動操作ハンドによる作業者の手動操作を手動操作ハンドに印加すれば、連結リンク棒を経てその手動操作が所定の動作となって作業実行ハンドに伝動され、作業実行ハンドにおいて一定の相関動作として作業実行ハンドで再現、実行されるので、作業者が地雷原で地雷掘り出し作業を実行するための手動操作を入力すれば、相関動作的に離れた位置で作業実行ハンドが地雷掘り出し作業を実行するのである。このため、作業者は、危険な目的作業を例えば、1ないし数メートルの距離を隔てた手動操作ハンドと作業実行ハンドとの間で遠隔的に起動と実行とを作業者が手元で実行していると感じる皮膚感覚を低減することなく実現させ、安全に目的作業を遂行することができる。しかもマスタ・スレーブハンドは、何らの動力源を必要としないので、荒廃地で動力エネルギーを確保困難な地域でも簡便に搬入して安全性を確保しつつ利用することができる。
また、本発明の更なる観点においては、同じく既述の目的を達成するために、基本ロッド軸と、その基本ロッド軸の離間した二位置に設けられて相関動作する手動操作ハンドと作業実行ハンドとを有する手動機構型マスタ・スレーブハンドであって、
前記基本ロッド軸の離間した二位置に相互に平行に配設された第一、第二の手首軸と、
前記第一の手首軸に回動自在に取着されるリンクとして形成されると共に1又は2個の結合端を備えた少なくとも1つの第一のリンクと、
前記第二の手首軸に回動自在に取着されるリンクとして形成されると共に1又は2個の結合端を備えた少なくとも1つの第二のリンクと、
前記第一、第二のリンクがそれぞれ有する前記結合端同志を対応動作可能に結合するように、前記基本ロッド軸に沿って延設された少なくとも1つの連結リンクと、
前記第一の手首軸の下端部に枢着された第一のハンド基部と、
前記第二の手首軸の下端部に枢着された第二のハンド基部と、
前記第一のハンド基部に回動自在に結合されるとともにその結合部を跨いで作業指リンクと支点とを有したリンク状作業ハンドと、
前記作業ハンドの支点と前記第一リンクとを自在継手手段を介して結合する伝動リンク棒と、
前記第二のハンド基部に回動自在に結合されるとともにその結合部を跨いで操作指リンクと支点とを具備したリンク状操作ハンドと、
前記操作ハンドの支点と前記第二リンクとを自在継手手段を介して結合する伝動リンク棒と、
を具備し、前記操作ハンドと前記作業ハンドとの間にバイラテラル応動機構が構成されている手動機構型マスタ・スレーブハンドを提供する。
上記の構成を有した手動機構型マスタ・スレーブハンドは、基本ロッド軸の隔たる二位置に設けた手動操作ハンドと作業実行ハンドとは、第一、第二の手首軸に保持された第一、第二のリンク、第一、第二のハンド基部、操作指を有したリンク状操作ハンド、作業指を有したリンク状作業ハンド、伝動リンク等で形成する機構を相関動作的に基本ロッド軸沿いに延在させた連結リンク棒で連結させバイラテラル機構を形成したことから、基本ロッド軸を把持して地雷原にマスタ・スレーブハンドを搬入し、地雷原での地雷掘り出し作業を操作指から作業指に伝動して実行し、かつ作業指から操作指への作業反応をフィードバック伝動することも可能であるから、作業者は自分の手元で地雷掘り出しを実行している感覚、すなわち皮膚感覚を損なうことなく作業成果を確かめ、それに従って更に作業を進捗、遂行できることとなるのである。そして、このマスタ・スレーブハンドには、機構構成に通常のモータやエンジン等の動力源を組み込んでいないため、それらが入手不可能な荒廃地等の地雷原でも簡便に操作させて目的作業を遂行できるのである。
また、好まし実施形態では、上記第一の手首軸に回動自在に取着される2つの別々のリンクとして形成された上記第一のリンクと、上記第二の手首軸に回動自在に取着される2つの別々のリンクとして形成された上記第二のリンクと、それぞれ2つのリンクからなる上記第一、第二リンク間を対応動作可能に結合する2つのリンク棒として形成された上記連結リンク棒と、上記リンク状作業ハンドの前述の支点と該支点に接近配置した別の支点との二支点と上記第一のリンクとをそれぞれ自在継手手段を介して結合する二つのリンク部材で形成された上記伝動リンクと、上記リンク状操作ハンドの上記支点と該支点に接近配置した別の支点との二支点と上記第二のリンクとをそれぞれ自在継手手段を介して結合する二つのリンク部材で形成された上記伝動リンク等を具備した手動機構型マスタ・スレーブハンドが構成される。
かかる手動機構型マスタ・スレーブハンドは、上述したリンク状操作ハンドの操作指、リンク状作業ハンドの作業指などを、前述した第一、第二の手首軸に関して更に繊細な操作の導入と作業の実行を可能とし、これによって、地雷原での地雷掘り出しをより正確に高い信頼性のもとに遂行可能とするものである。
更に好ましい実施形態の例では、上記第一の手首軸に回動自在に取着される3つの別々のリンクとして形成された上記第一のリンクと、
上記第二の手首軸に回動自在に取着される3つの別々のリンクとして形成された上記第二のリンクと、
それぞれ3つのリンクからなる上記第一、第二リンク間を対応動作可能に結合する3つのリンク棒として形成された上記連結リンク棒と、
上記第一のハンド基部に回動自在に結合され、上記リンク状作業ハンドの作業指リンクと協働可能な他の作業指リンクを有した第二の作業ハンドと、
上記第二のハンド基部に回動自在に結合され、上記リンク状操作ハンドの操作指リンクと協働可能な他の操作指リンクを有した第二の操作ハンドと、
上記リンク状作業ハンドの上記支点と該支点に接近配置した別の支点との二支点と上記第一のリンクにおける2つのリンクとをそれぞれ自在継手手段を介して結合する2つのリンク部材と上記第二の作業ハンドに設けられた支点と上記第一のリンクにおける他のリンクとを、自在継手手段を介して結合する1つのリンク部材との合計3つのリンク部材で形成された上記伝動リンクと、
上記リンク状操作ハンドの上記支点と該支点に接近配置した別の支点との二支点と上記第二のリンクにおける2つのリンクとをそれぞれ自在継手手段を介して結合する二つのリンク部材と上記第二の操作ハンドに設けられた支点と上記第一のリンクのおける他のリンクとを、自在継手手段を介して結合する1つのリンク部材との合計3つのリンク部材で形成された上記伝動リンクと、
を具備して構成される手動機構型マスタ・スレーブハンドが提供される。
上述した構成の手動機構型マスタ・スレーブハンドは、二つの操作ハンドと二つの作業ハンドを備え、それぞれに操作指と作業指とを有して開閉操作指および開閉作業指を形成しており、かつ開閉操作指と開閉作業指との間には連結リンク棒を介してバイラテラル機構が構成されていることから、地雷掘り出し作業の遂行時に所望に応じて掘り出し異物の指による把持、除去等も遂行可能であり、従って作業精度並びに作業能率の向上をより期待することが可能となる。
なお、本発明は地雷掘り出しを主たる作業対象として構成されているが、これだけに限定する意図はなく、リンク状操作ハンドに応動するリンク状作業ハンドを作業対象に適合する形態に選択、形成すれば、種々の作業目的に対処可能であることを理解すべきである。以下、本発明を幾つかの実施形態の説明に基づいて更に詳細に説明する。
上述した本発明の諸実施形態の記載を通して理解できるように、本発明によれば、一本の中空棒状の基本ロッド軸内に延在させた1ないし複数の連結リンク棒を介して関連動作可能に結合し、軸方向に相互に離隔して配設した2つのハンド、つまり、遠隔操作具ないし手動操作ハンドと作業具ないし作業実行ハンドとを具備した構成とし、かつ前者の遠隔操作具ないし手動操作ハンドの機械的マスタ操作運動と後者の作業具ないし作業実行ハンドの機械的なスレーブ作業運動との間に一定の対応性を形成し得る機構、好ましくはバイラテラル伝動機構をリンク要素、伝動リンク、回転軸受手段、自在継手等の組み込みに依って形成した高精度、高性能かつ制御性に優れた作業を遂行可能な手動機構型操作マスタ・スレーブハンドとしたから、地雷原の地雷の掘り出し作業等を高精度、高信頼性の下に遂行することができる。
その上、本発明の手動機構型マスタ・スレーブハンドは、作業を実行する被作業域の地表面等の場所まで、作業者ないし操作者が簡便に同ハンドを携行して搬入する軽便性を備えたハンドとして形成することが可能であることから、山間僻地の車輌等が直接、接近不可能な地点でも作業者が携行して持ち込み、作業を実行できるから、著しく便利性に優れるのである。
しかも、作業者又は操作者による遠隔操作具ないし遠隔操作ハンドと所望作業を実行する作業具ないし作業実行ハンドとにおいて基本ロッド軸を支承する支承具を安全性確保のための防御隔壁や透明樹脂製の可視防御盾板として形成することで、作業者の安全性を確保しながら、目視確認による遠隔操作で作業を実行できる有用性を有し、或いはハンドの一方から他方へバイラテラルに伝達される動作として操作者は、あたかも自分の手元で地雷原の地雷の掘り出し作業を実行しているように皮膚感覚を減ずることなく、しかも作業実行ハンドに対し離隔した安全な遠隔操作ハンドで調整、制御操作を行いながら遂行し得ると言う効果を奏することができる。
そして、本発明の手動機構型マスタ・スレーブハンドは、電力、化石燃料などによる動力源を用いないことから、戦場跡などの荒廃地等が主体となる地雷原等でも何ら不都合なく地雷の検知発見、地雷周囲の土、泥、石ころ等の掘削、除去、発見した地雷自体の撤去等の作業を遂行できる。
また、動力源を有しない純粋な機械的作動機構を組み込んで構成されていることから、徒に高製造コストを要すること無く製造、入手することができ、しかも軽合金材料や軽量かつ剛性に優れたプラスチック材料等を用い、操作時にも搬送時にも操作者が容易に扱うことのできる軽便な装置とし得られる効果も奏することができる。
図1は、本発明を地雷原等に埋設された多数の地雷の周辺の土、泥、石ころ等を掘削除去や、掘り出されて露出した地雷の撤去に使用することを意図して設計、構成した実施形態に係る手動機構型マスタ・スレーブハンドの基本形態の例を説明する全体的な側面図であり、また図2は、同マスタ・スレーブハンドの基本ロッド軸の軸心に沿って断面して軸内詳細構造と、その両端の遠隔操作要素、作業要素及び中間の支承具ないし防護盾板とを示した略示断面図である。
先ず、図1において、本実施形態に係る手動機構型マスタ・スレーブハンド10は、基本ロッド軸12を備え、この基本ロッド軸12は、1ないし2メートル程度の長さを有する中空の円筒軸体として形成され、例えば薄肉金属管からなる。上記基本ロッド軸12の手前内端と外先端との両端14、16は、操作用内端と作業用外端として用いられ、操作用内端14には、遠隔操作具300が、作業用外端16には、作業具320が備えられている。また、基本ロッド軸12は、その中間位置12aを支承具340で支持されており、この支承具340の中央下部位置に基本ロッド軸12がやや遊びを有して嵌合、貫通した支承孔341が形成され、この支承孔341を囲繞して設けられたジョイント手段350によって基本ロッド軸12はその軸心の前後方向に摺動可能に、また支承孔341の孔中心に対して旋回動作や上下左右の揺動動作が可能に形成されている。
ここで、支承具340は、作業具320に依って作業が施される被作業面Gの作業位置で発生する地雷爆発等の危険事故に対して遠隔操作具300を操作する作業者Pを防護する防護隔壁部材として配設されるものであり、好ましい実施形態としては、透明かつ充分な機械的強度を有した合成樹脂板材料(典型的にはポリカーボネイト板材等)からなる適宜の湾曲面形状を有した盾板として形成され、盾板の下端縁部分には保持枠343が設けられ、この保持枠343に取り付けた複数のスパイク状の固定爪344を被作業面Gに突き立てることにより、支承具340を該被作業面Gに安定に固定し得るように構成されている。
なお、支承孔341に装着されるジョイント手段350は、基本ロッド軸12の上記摺動動作、旋回動作、揺動動作を許容する自在継手手段であれば良く、故にすべり軸受と球面軸受ないしボール軸受とを組み合わせて支承孔341に適宜の取付け部材を用いて装着することにより設けられ、必要に応じて図2に明示するように、ベローズ等の皮膜材345で支承孔341の周囲を囲繞し、塵埃等から防御する構成としても良い。
さて、中空形状の基本ロッド軸12の操作用内端14に設けた遠隔操作具300は、一対のハンドル部材301を固定部材302によって該操作用内端14に取付けて具備し、また、該一対のハンドル部材301の片方に設けた支点303を中心に枢動するレバー304が作業者に握られる外端を有した可動要素として設けられ、このレバー304の内端は戻りバネ(図示なし)を内蔵した枢軸ピン305を介して基本ロッド軸12の内部空間に延在された伝動用の連結リンク棒310の一端に結合されている。
上記連結リンク棒310の他端は、基本ロッド軸12の作業用外端16において作業具320におけるリンク部材322に支点323を介して結合されている。上記リンク部材322は他の支点324においてトッグル動作リンク部材325に結合され、このトッグル動作リンク部材325は、先端が作業ハンド325aとして形成され、基本ロッド軸12の作業外端16に固定された他の作業ハンド321に設けた支点受けに支点326を介して枢着されている。
上記伝動用の連結リンク棒310は、遠隔操作具300のレバー304を図2の矢印Lで示すレバー動作を付与すると、これに応じて同じく図2に矢印Sで示す直線動作、すなわちプッシュ・プル動作を行う。 そして、この連結リンク棒310のプッシュ・プル動作によって作業具320のリンク部材322、トッグル動作リンク部材325を作動させて作業ハンド321に対して当該トッグル動作リンク部材325の先端に形成した作業ハンド325aを矢印T(図2)で示す開閉動作させるように構成されている。
ここで、図1を注目すると、作業者Pは基本ロッド軸12の操作用内端14における一対の遠隔操作ハンドル部材301、301を把持して防護隔壁部材としての支承具340のジョイント手段350に対して基本ロッド軸12を手動で前後摺動及び旋回動作や揺動動作させて被作業面Gにおいて埋設位置が確認された対人地雷Mの周辺近傍へ作業具320を設定し、次いで操作レバー304をレバー作動させると、作業具320における固定ハンド321に対して可動側の作業ハンド325aを連結リンク棒310のプッシュ・プル運動を介して誘起し、地雷Mの周囲の土、泥、石ころ等を掘削除去し、埋設した地雷Mを地中から露出させる。勿論、作業具320の固定、可動作業ハンド321、325aを予め把持ハンド機能を有するような形状に形成しておけば、掘り出し後の地雷Mを把持して地中から撤去することも可能である。
このとき、上述した防護隔壁部材としての支承具340を透明な合成樹脂材料で製造し、或いは部分的にレンズ部材を組み込んでおくことで透視可能な防護盾板として形成しておけば、作業者Pは、同盾板を通して作業地点の作業環境を観察、監視し、かつ作業進捗状況を観察しながら遠隔操作で所望の作業を作業具320に遂行させ得るのである。
なお、図1、図2の図示からも推考し得るように、本実施形態の手動機構型マスタ・スレーブハンド10は、基本ロッド軸12の中空管材料構造を用い、支承具340が比較的軽量な合成樹脂材で形成されること等から遠隔操作具300や作業具320等の金属材料部材の重量を考慮しても全装置は一人の作業者Pが携行して被作業面Gがある作業現場へ搬入し、かつそこで遠隔マスタ操作を行うことで所望の作業内容を、作業具320を駆使して遂行することができるのである。
ここで図3を参照すると、基本ロッド軸12の作業用外端16に設けられた作業具320の具体的構造例が示されており、基本ロッド軸12の内部直通路に延設された伝動用の連結リンク棒310が該作業用外端16から外方へ突出し、リンク部材322の一端の支点323においてピン結合等によって枢着されている。また、同リンク部材322の他端は、同様に支点324においてピン結合等により、トッグル動作リンク部材325と枢着、結合され、後者のトッグル動作リンク部材325は、前方へ延長した可動作業ハンドル325aを有すると共に固定作業ハンド321の後端領域に設けた一対の支点受け321aの上端に設けた支点326においてピン結合等によって枢着、結合されている。そして、可動、固定作業ハンド325a、321は、トッグル動作リンク部材325がトッグル動作することによって前者ハンドが後者ハンドとの間で開閉態様の作業動作を行うように形成されている。固定作業ハンド321は、後端を固定スリーブ327に溶接によって固着されており、該固定スリーブ327が基本ロッド軸12の作業用外端16にボルト328等で固定されている。ボルト328による固定に加えて例えばスリーブ端部327aを基本ロッド軸12の外周に溶接固定するようにして固定強度を高めても良い。
更に、固定、可動作業ハンド321、325aは、図3に図示のような二つの舌状板部材に限定されるものでは無く、把持機能を強化した指形状としたり、掘削機能を強化すべくシャベル形状やスコップ形状としたり等の種々の変形例を採用し得ることは、言うまでもない。
また、固定作業ハンド321の先端部分に汎用の金属探知器等を着脱自在に装着する取付け孔等を予め設けておくことも可能である。
また、基本ロッド軸12の内部直通路には、圧力ガス配管330を操作用内端14(図1参照)から作業用外端16まで延設し、この圧力ガス配管330を固定作業ハンド321の後端域でパイプ継手331を介して同固定作業ハンド321の表面に敷設したノズル配管332と結合している。このような圧力ガス配管330、ノズル配管332を設けた構成とすれば、基本ロッド軸12の操作用内端14から作業用外端16を経て作業具320の固定作業ハンド321においてノズル配管332から圧力ガス、例えば用途に応じた不活性ガスや圧縮空気等を噴出することが可能であり、圧縮空気を矢印wで示すように噴出することによって、前述した掘削作業時に掘り起こした土、泥、石ころ等を該圧縮空気で作業領域外へ吹き飛ばして作業を容易化することもできる。
圧力ガスとしては、上記圧力空気、不活性ガスを用いた冷却ガス、消火用噴出ガス等の種々用途に応じたものを噴出することができる。
次に、図4の(イ)、(ロ)を参照すると、基本ロッド軸12の操作用内端14に設けられた遠隔操作具300における一対のハンドル部材301と枢動するレバー304とが図示されている。ハンドル部材301は、それぞれ、複数の締め付けネジ306を有した固定部材302によって該操作用内端14にねじ止め固定等によって強固に取付けられた様式で設けられ、両者の間には、(イ)図のIV-IV矢視を示す(ロ)図に明示するように作業者の操作性を最適にするように角度を具備して左右に伸長した、また、該一対のハンドル部材301の一方に設けた枢動用ピンから成る支点303を中心に作業者に握られる外端を有したレバー304が設けられている。枢動レバー304は、上記支点303を形成する枢動用ピンの周囲に図示されていない戻りバネを内蔵し、常に例えば図示のように、ハンドル部材301から離反した破線表示(イ図)位置へ付勢され、作業者が手動でハンド部材側の実線表示位置側へ引き付けると、枢軸ピン305を介して基本ロッド軸12の内部空間に延在された伝動用連結リンク棒310の一端を介して同伝動用連結リンク棒310のプッシュ動作が生じる。
また、作業者が手を緩めれば、破線表示位置へ戻り、伝動用連結リンク棒310のプル動作を生じるものである。
そして、この基本ロッド軸12の操作用内端14には前述の圧力ガス配管330の端部が伸びて来ており、該端部が操作用内端14に適宜に取着した接続ニップル部材333に連結されている。すなわち、この接続ニップル部材333に圧力ガスの例えばボンベ等を結合し、バルブ操作で開閉する構成にすれば、圧縮空気等の圧力ガスを圧力ガス配管330へ供給して前述のように、当該圧力ガスによる種々の作業を遂行させることができるのである。
図5は、本発明の上記図1〜図4に示した実施形態を更に改変した実施形態を示す全体側面図である。
本実施形態が、上述した図1〜図4の実施形態と異なる点は、防護隔壁部材又は盾板部材として形成される支承具340を既述した保持枠(保持フレーム)部材343とスパイク状の固定爪344で被作業面Gに固定する構成に代えて座席付きの保持フレーム443を備えた構成とした点である。従って、基本ロッド軸12の中空管構造、その操作用内端14、作業用外端16に設けられた遠隔操作具300、作業具320、圧力ガス配管330等の諸構成に就いては、実質的に前述の実施形態と同じものと理解することができる。
さて、図5における支承具340は、既述と同様に透明な合成樹脂材料で防護隔壁部材として形成され、中央下部位置の基本ロッド軸12が遊嵌した支承孔341にはジョイント手段350を具備している点は先の実施形態と不変であるが、本実施形態では、作業者Pの作業姿勢における視線が支承具340の透明防護隔壁部材を通過する位置に拡大レンズ346を設けている。この拡大レンズ346は、例えば、フレネルレンズ等を防護隔壁部材に嵌着する構造とすれば良い。
ここで、図5と共に同支承具340を保持する保持フレーム434の上面とVI-VI矢視を示す図6の(イ)、(ロ)をも同時に参照すると、支承具340の保持構造がより明瞭となる。
すなわち、支承具340は、その下端縁で湾曲形状の保持ブラケット枠435とブリッジ枠436とに作業者Pの視線方向に適合した上縁を前傾姿勢にした状態で取付けられている。そして、これらの保持ブラケット枠435とブリッジ枠436との下面には、既述したスパイク状の固定爪344に相当する固定爪437が複数個取り付けられ、保持ブラケット枠435とブリッジ枠436とを介して防護隔壁部材としての支承具340を被作業面Gに固定し得る構成と成っている。
また、上記保持ブラケット枠435とブリッジ枠436とから後方へ延長した桁枠438は後端領域に座席439を支柱440の頂部に取付けて具備し、作業者Pが着座姿勢で遠隔マスタ操作を遂行可能にしている。このとき、桁枠438の中央部分には足踏み板450が設けられ、作業者Pがこの足踏み板450を踏下すると、作業者の体重を利用して保持フレーム434の全体を被作業面Gへ安定に固定し、よって支承具340をも安定に被作業面Gへ固定され得る構成となっている。
足踏み板450は、桁枠438と直交する方向に該桁枠438の両側へ延設されて設けられており、作業者Pの足位置に適合した位置へ設置される。また、足踏み板450の下面には被作業面へ同足踏み板450を作業時に不動に固定する刃具を適宜に設けておくことが好ましい。
なお、図示例では、上述した座席439の支柱440は、桁枠438の片側に溶接等の固着方法で固定されているもので、このように桁枠438の片側へ取着する構造としたことで、桁枠438の他の片側部分は、後述するように本実施形態に係る手動機構型マスタ・スレーブハンド10を作業者P等が携行、搬送する際に基本ロッド軸12を畳み込む領域部分として利用可能する空間として確保することができるのである。
図7は、上記足踏み板450を桁枠438の側面両側へ、蝶番452を用いることで立て姿勢に折り畳むことが可能に構成した実施形態を略示した斜視図である。
同図7からも明らかなように、足踏み板450が桁枠438の側面の両側で立て姿勢で折り畳むことが可能に構成すれば、足踏み板450を被作業面Gへ踏下した際には、刃具451で同足踏み板450を安定に固定するように、被作業面へ係合させることができ、一方、両側の足踏み板450を立て姿勢に折り畳んだときは、片方または両方の足踏み板450の端部に設けた係止フック453を設けておけば、前述したように、基本ロッド軸12、支承具340、保持フレーム434を携行搬送する際に同係止フック453によって基本ロッド軸12を桁枠438の片側側面へ係止し、手動機構型マスタ・スレーブハンド10をコンパクトに畳み込んだ状態に纏めることが可能となる。
図8は、上述のようにして、手動機構型マスタ・スレーブハンド10をコンパクトに畳み込んだ状態にして作業者Pが携行、搬送している様子を示したものである。このように、本発明の実施形態に係る手動機構型マスタ・スレーブハンド10は、中空棒状体形状の基本ロッド軸12に遠隔操作具300、作業具320を設け、これら両者間を当該基本ロッド軸12の内部に延設した伝動用の連結リンク棒310で連結することにより、作業者Pが遠隔操作具300を用いて作業具320を遠隔位置から操作、制御することが可能であり、かつ防御壁部材として形成される支承具340によって基本ロッド軸12の中間位置12aを支承しながらそのロッド軸12を遠隔操作具300で操作し、当該支承具340のジョイント手段350を介して前後に摺動させ、また旋回動作と揺動動作とを遂行させることができる。その結果、地雷原等の被作業面Gに対して作業具320を作業遂行に適正な位置へ設定し、また作業実行を可能にすることから、防御壁部材構造の支承具340による遠隔操作部位と作業実行部位との離隔作用によって作業者の安全性を充分に確保しながら地雷Mの周辺部分の土、泥、石ころなどを掘削除去できることに加えて作業具320に把持機能を具備させれば、掘り出した地雷Mを把持して安全な位置に移送、設置させるためのハンド装置としても適用し得る便宜性の高い手動機構型マスタ・スレーブハンド10を得ることができる。
加えて、本実施形態による手動機構型マスタ・スレーブハンド10は、前述した図1〜図4に示した実施形態と同様に中空棒材等や合成樹脂材料、軽量金属材料を用いて、一人の作業者Pが携行しながら例えば作業現場へ搬入することができる簡便性を備えたマスタ・スレーブハンドとして構成できるので、山間、僻地等の難所にも搬入して適用できる利便性を備えているのである。
図9は、更に本発明の他の実施形態として、図5〜図8に基づいて既述した上記実施形態を更に改変した実施形態を略示する図であり、(イ)が本実施形態の側面図、(ロ)が(イ)の上方から見た平面図、(ハ)は、一部分の機構を詳示した部分詳細図である。
本実施形態が、上述の実施形態と異なる点は、支承具340を保持する保持フレーム434に備えられた座席439を支柱440の縦軸心に関して(イ)に示すように旋回動作θを可能な構造にした点にある。従って、本実施形態に係る手動機構型マスタ・スレーブハンド10の基本ロッド軸12と、その操作用内端14、作業用外端16に設けた遠隔操作具300、作業具320、内部直通路に延設した伝動用の連結リンク310等は、従前の実施形態と同じ構成、作用を有するものと理解して良い。また、支承具340は、防護隔壁部材として形成され、既述のもの同様に透明かつ機械的強度に優れた合成樹脂材料で形成されているものと理解すれば良い。
さて、図9の((イ)を参照すると、支承具340の保持フレーム434は、桁枠438の後端部分の近くに座席439を備え、この座席439は、支柱440aを介して台座441に支持され、かつ上下に摺動可能に当該支柱440aに嵌着されたスリーブ442の側面に設けた耳部443に水平ピン部材444等を介して桁枠438の最後端438aを縦平面内で枢動自在に取り付けた構造を有している。また、スリーブ442の下端の下方には支柱440aに装着された浮上バネ445が設けられ、その浮上バネ445の上端をスリーブ442の下端に接触、係合させ、下端を台座441の上面に接触、係合させる様に配設してスリーブ442を常時、上向きに付勢し、以て、水平ピン部材444で枢着された桁枠438を上方へ向けて常時、付勢し台座441から該桁枠438を浮上させる構成としている。なお、図9の(ハ)は、支柱440a、台座441の上面、スリーブ442、スリーブ442の耳部443、桁枠438の最後端438a、浮上バネ445等の構成、特に図(イ)の”R”部をやや詳細に図示したものである。
上述の様な構造を有した保持フレーム434を設けることにより、その桁枠438は、座席439に関してスリーブ442の支柱440a周りの旋回動を介して図9の(ロ)に示すように支柱440aの軸心の周りに角度ψで示す旋回動を遂行させることが可能となる。この旋回角度ψは、予め任意に設定角度として設定され、適宜のストッパーにより角度を規制する構成等とすれば良い。
この桁枠438の旋回可能な構成は、作業者Pが立ち姿勢で基本ロッド軸12の遠隔操作具300におけるハンドル301、301を把持して左右に基本ロッド軸12を旋回方向に最大旋回角度ψの範囲内で移動させれば、支承具340を介して保持フレーム434と共に基本ロッド軸12が同じ旋回角度ψに亘って旋回動を許容されることを意味する。従って、基本ロッド軸12の作業用外端16に装備した作業具320における例えば、固定作業ハンド321(例:図1、図2参照)に金属探知器等のセンサ装置329を取着しておけば、上記基本ロッド軸12の旋回動作を探知物(例えば対人地雷M)の走査、検知動作として利用し得ることとするのである。
上述のように、基本ロッド軸12を支承具340、保持フレーム434等と共に座席439の支柱440aにおける軸心周りに走査、検知動作させれば、センサ装置329を駆使して検知対象物を検知し得ることから、検知後に、作業者Pが座席439に着座し、また足踏み板450を踏下すれば、桁枠438が浮上バネ445の収縮に応じて被作業面Gに向けて下動し、またピン444を介して同桁枠438を、前方側を下向きにして傾斜させ得るから、防護隔壁部材である支承具340を固定爪437で被作業面Gへ固定し、上記に検知した対象物を、今度は作業具320の掘削機能を用いて周辺の土、泥、石ころ等を掘削、除去する作業を遂行することができる。勿論、掘り出し後には、露出された対象物を把持して安全な位置へ移動させ、設置する等の作業をも所要に応じて遂行可能なことは自明である。
すなわち、図9に示した本実施形態では、手動機構型マスタ・スレーブハンド10が、被作業面Gに埋設された地雷M等の対象物を走査、検知することから開始して検知後は、その周囲の土、泥、石ころ類などの掘削除去し、更には掘削して掘り出された対象物の把持と安全位置への移送等を作業者Pの遠隔操作で遂行可能としたものである。
以上に記載した本発明の諸実施形態の手動機構型マスタ・スレーブハンド10は、基本ロッド軸12による遠隔操作具と作業具との作業機能構造に加えて、同基本ロッド軸12を摺動、旋回、揺動可能に支承する支承具340を防護隔壁ないし透視可能な防護盾板として作業者Pの防御、安全用具として機能させた構成を具有している点を特徴としているが、基本ロッド軸12の作業機能に注目した本発明の別の観点からの実施形態に関して、以下に詳述する。
図10は、本発明の一実施形態に係る手動機構型マスタ・スレーブハンドの全体的構成を示す斜視図である。
図10において、本実施形態に係る手動機構型マスタ・スレーブハンド10は、基本ロッド軸12を備え、この基本ロッド軸12は、1ないし2メートル程度の長さを有する中空の円筒軸体として形成されている。上記基本ロッド軸12の両端14、16には、略同形の中空ブラケット18a、18bが例えば、ボルトねじからなる固定手段によって該端14、16にねじ固定されており、基本ロッド軸12の軸心と一致する方向に外向きに開口19を有し、この両開口19、19が基本ロッド軸12の内孔と連通している。また、これらの中空ブラケット18a、18bはそれぞれが外向きに突出した軸保持腕20a、20bを備え、この保持腕20a、20bは各々が先端に軸支承部21、21を有している。この軸保持腕20a、20bの軸支承部21、21には手首軸22a、22bが保持され、この手首軸22a、22bが有する軸心は、互いに平行に、かつ基本ロッド軸12の軸心に対して交差する方向に配設されている。
さて、手首軸22aを有する基本ロッド軸12の端14側には手動操作ハンド25が設けられ、他方、手首軸22bを有する基本ロッド軸12の端16側には作業実行ハンド45が設けられている。両ハンド25、45は略同じ機械的構造を有し、両者は、基本ロッド軸12の内部空間内に軸方向に延在し、両端が中空ブラケット18a、18bの開口19、19から外方に突出して設けられる後述の連結リンク棒60によって互いに相関動作ないし主、従動作可能に結合され、手動操作ハンド25から印加される操作入力に従って作業実行ハンド45が所定の作業動作を実行するようになっている。さらに、両ハンド25、45は、後者の作業実行ハンド45に対して周囲外部から印加された何らかの力や運動が、連結リンク棒60を経て前者の手動操作ハンド25側にもフィードバック態様で伝達されるように、以下に記載するように、バイラテラル機構を構成する純粋な機械的リンク伝動機構を構成している。
まず、手動操作ハンド25側には、上記の手首軸22aに回転軸受26を介して同手首軸22aの軸心回りにリンク27がその略中央に形成された環状のボス部27aで回動自在に取着され、このリンク27は、上記ボス部27aの両側にアーム状に延長して二つの端部27b、27cを有している。そして、該アーム状リンク27の両端部27b、27cの片方の端部27cには回転軸受手段を介して手首軸22aの軸心と平行な軸心回りに1自由度の回転自由度を付与されたピボット軸28が装着され、このピボット軸28の上端に連結リンク棒60の一端が枢動自在に嵌着されている。
他方、アーム状リンク27のボス部27aの下方に向けて延長した手首軸22aの下端域には、一対の平行な平坦側面23aが形成され、この2つの平坦側面23aを貫通して穿設した横孔に嵌合された回転軸受手段を介してピボット軸31にハンド基部29がその一対のフランジ部29aで枢着され、従ってハンド基部29は、手首軸22aに対して、このピボット軸31を中心にして旋回自在にないし揺動自在に設けられている。
上記ハンド基部29は、そのフランジ部29aの下方に短軸部29bを有し、この短軸部29bに回転軸受30を介してリンク状の操作ハンド32における中間ボス部32aが嵌合され、故にリンク状操作ハンド32がハンド基部29の短軸部の軸心回りに回動自在に構成されている。上記リンク状操作ハンド32は、中間ボス部32aを中間にして操作指部32bと支点形成部32cとを有し、支点形成部32cの端部の支点位置には周知のユニバーサル継手等の自在継手33が取着され、この支点位置の自在継手33と上記アーム状のリンク27の端部27bに設けた同様の自在継手34との間に伝動リンク35が架設され、リンク27からリンク状操作ハンド32への運動伝達が行われる構成となっている。なお、伝動リンク35は、自在継手33との結合部内には回転軸受を内蔵して、伝動リンク35の伝動時における種々の姿勢の自由度を確保している。
つまり、手動操作ハンド25が有するリンク状操作ハンド32の操作指部32bによって同リンク状操作ハンド32をピボット軸31およびハンド基部29の短軸部29bに関して回動操作を起動すると、該動作は伝動リンク35を経てアーム状リンク27の複合的な操作運動を起動し、この複合的な操作運動が、アーム状リンク27の端部のピボット軸28を介して連結リンク棒60の軸方向の変位に変換され、以下に詳述する作業実行ハンド45へ伝動される機構を形成しているのである。
さて、基本ロッド軸12の端部16側に設けられた作業実行ハンド45も上述した手動操作ハンド25の機構、構成と実質的に等価な構成を有している。
すなわち、作業実行ハンド45側には、既述の手首軸22bに回転軸受46を介して同手首軸22bの軸心回りにリンク47がその略中央に形成されたボス部47aで回動自在に取着され、このリンク47は、上記ボス部47aの両側にアーム状に延長して二つの端部47b、47cを有している。そして、該アーム状リンク47の片方の端部47cには回転軸受手段を介して手首軸22bの軸心と平行な軸心回りに1自由度の回転自由度を付与されたピボット軸48が装着され、このピボット軸48の上端に前述の連結リンク棒60の一端が枢動自在に嵌着されている。
他方、アーム状リンク47のボス部47aの下方に向けて延長した手首軸22bの下端域には、一対の平行な平坦側面23aが形成され、この2つの平坦側面23aを貫通して穿設した横孔に嵌合された回転軸受手段を介してピボット軸51に作業側のハンド基部49がその一対のフランジ部49aで枢着され、従ってハンド基部49は、手首軸22bに対して、このピボット軸51を中心にして旋回自在にないし揺動自在に設けられている。
上記ハンド基部49は、その一対のフランジ部49aの下方に短軸部49bを有し、この短軸部49bに回転軸受50を介してリンク状の作業ハンド52における中間ボス部52aが嵌合され、故にリンク状作業ハンド52が、ハンド基部49の短軸部49bの軸心回りに回動自在に構成されている。上記リンク状作業ハンド52は、中間ボス部52aを中間にして作業指部52bと支点形成部52cとを有し、支点形成部52cの端部の支点位置には周知のユニバーサル継手等の自在継手53が取着され、この支点位置の自在継手53と上記アーム状のリンク47の端部47bに設けた同様の自在継手54との間に伝動リンク55が架設され、リンク47からリンク状作業ハンド32へ、またその逆方向への運動伝達が行われる構成となっている。なお、伝動リンク55は、自在継手53との結合部内には回転軸受を内蔵して、伝動リンク55の伝動時における種々の姿勢の自由度を確保している。
作業実行ハンド45が有するリンク状作業ハンド52の作業指部52bは、連結リンク棒60の軸方向の変位として伝動される手動操作ハンド32の操作指32bによる操作運動をアーム状リンク47、伝動リンク55、自在継手54、53を経て同リンク状作業ハンド52で受動し、手首軸22bに対し、ピボット軸51およびハンド基部49の短軸部49bに関する回動運動の複合的な作業運動として再現し、この複合的な作業運動によって所望とする作業、例えば地雷原における地雷の掘り出し運動を遂行する機構を形成している。
すなわち、本発明に係る手動機構型マスタ・スレーブハンドは、基本ロッド軸12の一端14側で手動操作ハンド25により実行されるマスタ運動(主動作)を、連結リンク棒60を介して基本ロッド軸12の他端16側で同作業実行ハンド45のスレーブ運動(従動作)として1対1の関係で受動する遠隔操作ハンドして実現するものであり、更に加えて作業実行ハンド45のリンク状作業ハンド52における作業指部52bが、例えば地雷掘り出し作業中に地中の異物などに衝接してそれから反力を受けると、その外部から印加された反力とそれに伴う運動とはリンク状作業ハンド52から自在継手53、54、伝動リンク55、アーム状リンク47へとフィードバック伝達され、更に連結リンク棒60の軸動変位として変換されることにより、手動操作ハンド25側に伝達される。そして、この伝達された異物からの反力、運動を同手動操作ハンド25におけるリンク状操作ハンド32の操作指部32bにおいて作業者が直接、感触することができるのである。つまり、手動操作ハンド25と作業実行ハンド45との間にはバイラテラル伝動機構が構成され、しかも注目すべきは、このバイラテラル伝動機構内には、何らの動力源手段、つまり、通常の電動モータや化石燃料エンジン等が一切、組み込まれていないことであり、故に、本発明の手動機構型マスタ・スレーブハンドは、適用現場を選択しないと言う利点を有しているのである。
図11から図13は、本発明の他の実施形態として上述した手動機構型マスタ・スレーブハンド10に組み込まれたバイラテラル伝動機構を更に機能向上させたものを示している。なお、この実施形態において、上述したマスタ・スレーブハンド10と同じ要素が多数、組み込まれているので、これらに就いては同じ参照番号を付して示し、その詳細な構成、作用の記載を省略する。
図11は、基本ロッド軸12の端部14側の中空ブラケット18aにおける軸保持腕20aに保持された手首軸22aに関して作動する手動操作ハンド25の構成を示している。この手動操作ハンド25は、既述した先の実施形態に関連して記載した機構、構造に加えて手首軸22aの軸方向の二位置に回転軸受36、37を介して二つのアーム状リンク38、39を有している。これら二つのアーム状リンク38、39における前者のリンク38は、先のアーム状リンク27とほぼ同形状、同構造を有し、環状のボス部38aで回転軸受36を介して手首軸22aに回動自在に取り付けられ、そのボス部38aの左右両側の延長部の両端部38b、38cにおける端部38cで図示のように、回転軸受手段を介してピボット軸40を有し、このピボット軸40には前述した連結リンク棒60と平行に基本ロッド軸12内に延設された第二の連結リンク棒62の一端が枢着されている。
他方、アーム状リンク38の他端38bには自在継手34と同種の自在継手34aが装着され、この自在継手34aと操作ハンド32における支点形成部32cの自在継手33に近接した位置に設けた他の自在継手33aとの両継手間には伝動リンク35aが架設され、リンク38と操作ハンド32とを相互に結合している。なお、伝動リンク35aも伝動リンク35と同様に自在継手33aとの結合域に回転軸受を内蔵している。
かかるアーム状リンク38は、上述のように連結リンク棒62と操作ハンド32との間に介在して伝動リンク35aと協働することにより、操作ハンド32の操作指部32bから入力する手動操作運動をより微細に調節、制御可能にするものであり、特にアーム状リンク38が他のアーム状リンク27より僅かに短く形成され、かつ自在継手33aが他の自在継手33より操作ハンド32の支点形成部32cの端部からより内側の近接位置に設けられていることから上記のような微細な調節、制御が遂行できるのである。
さて、他のアーム状リンク39は、その環状ボス部39aにおいて手首軸22aに回転軸受37を介して回動可能に取着されており、この環状のボス部39aから側方へ突出したリンク端部39cだけを有し、そのリンク端部39cに図示のように、回転軸受手段を介してピボット軸41が設けられ、このピボット軸41に、基本ロッド軸12に沿って前述の連結リンク棒60、62と平行に延設されて開口19から突出した第三の連結リンク棒64の先端が枢着されている。
そして、上記アーム状リンク39は、そのリンク端部39cにおいて、ピボット軸41の枢着された回転軸受手段より半径方向の内側に配設された支点39bで該ピボット軸41とは反対側の下方に自在継手42を備えている。
更に、ハンド基部29の短軸部29bには、既述の操作ハンド32と共に該操作ハンド32の直下位置に回転軸受手段を介して、他の第二操作ハンド132を回動可能に具備しており、その第二操作ハンド132は支点形成部132cと第二の操作指部132bとを有し、先の操作ハンド32の操作指部32bと第二の操作指部132bとがハンド回動に応じて相互に開閉協働し得る位置関係で設けられている。また、第二操作ハンド132の支点形成部132cには自在継手43が取着され、この自在継手43と上記の自在継手42との間に伝動リンク44が架設されている。この伝動リンク44と自在継手43との結合域には回転軸受手段が内蔵されていることは、前述して伝動リンク35、35aの場合と同様である。
第二操作ハンド132の第二操作指部132bにおける手動操作は、同第二操作ハンド132が手首軸22aに対して回動し、またはピボット軸31に対してハンド基部29と共に旋回または揺動する運動として起動され、自在継手43、伝動リンク44、自在継手42を経て上記アーム状リンク39に伝達され、ピボット軸41を介して第三の連結リンク棒64の軸方向変位に変換されて、以下に記載するように、作業実行ハンド45へと伝達される構成となっている。
さて、図12を参照すると、基本ロッド軸12の他端16側に設けられた作業実行ハンド45においては、既述したアーム状リンク47、ピボット軸48、自在継手54、伝動リンク55、自在継手53等を介して作業ハンド52の作業指52bに手動操作ハンド25側から操作運動が連結リンク棒60を経て伝達される構成を有すると同時に、手動操作ハンド25における図2に基づき上述した構成と同様に以下に説明する構成が設けられている。
すなわち、図12は、基本ロッド軸12の端部16側の中空ブラケット18bにおける軸保持腕20bに保持された手首軸22bに関して作動する作業実行ハンド45の構成を示していることは言うまでもない。この作業実行ハンド45は、既述した先の実施形態(図10)に関連して記載した機構、構造に加えて手首軸22bの軸方向の二位置に回転軸受66、67を介して二つのアーム状リンク68、69を有している。これら二つのアーム状リンク68、69における前者のリンク68は、先のアーム状リンク47とほぼ同形状、同構造を有し、環状のボス部68aで回転軸受66を介して手首軸22bに回動自在に取り付けられ、そのボス部68aの左右両側の延長部の両端部68b、68cにおける端部68cで図示のように、回転軸受手段を介してピボット軸70を有し、このピボット軸70には前述した連結リンク棒60と平行に基本ロッド軸12内に延設された第二の連結リンク棒62の他端が枢着されている。
他方、アーム状リンク68の他端68bには自在継手54と同種の自在継手54aが装着され、この自在継手54aと作業ハンド52における支点形成部52cの自在継手53に近接した位置に設けた他の自在継手53aとの両継手間には伝動リンク55aが架設され、リンク68と作業ハンド52とを相互に結合している。なお、伝動リンク55aも伝動リンク55と同様に自在継手53aとの結合域に回転軸受を内蔵している。
このアーム状リンク68は、上述のように連結リンク棒62と作業ハンド52との間に介在して伝動リンク55aと協働することにより、上記連結リンク棒62から伝達される手動操作ハンド25側の微細な調節、制御動作を含む運動を、作業ハンド52の作業指部52bへ伝達してより微細な作業を実行するものであり、特にアーム状リンク68が他のアーム状リンク47より僅かに短く形成され、かつ自在継手53aが他の自在継手53より操作ハンド32の支点形成部32cの端部からやや内側の近接位置に設けられていることから上記のような微細な調節、制御が遂行できるのである。
次に、他のアーム状リンク69は、その環状ボス部69aにおいて手首軸22bに回転軸受67を介して回動可能に取着されており、この環状のボス部69aから側方へ突出したリンク端部69cだけを有し、そのリンク端部69cに図示のごとく、回転軸受手段を介してピボット軸71が設けられ、このピボット軸71に、基本ロッド軸12に沿って前述の連結リンク棒60、62と平行に延設されて開口19から突出した第三の連結リンク棒64の先端が枢着されている。
そして、上記アーム状リンク69は、そのリンク端部69cにおいて、ピボット軸71の枢着された回転軸受手段より半径方向の内側に配設された支点69bで該ピボット軸71とは反対側の下方に自在継手72を備えている。
更に、ハンド基部49の短軸部49bには、既述の作業ハンド52と共に該作業ハンド52の直下位置に回転軸受手段を介して、他の第二作業ハンド152を回動可能に具備しており、その第二操作ハンド152は支点形成部152cと第二の操作指部152bとを有し、先の操作ハンド52の操作指部52bと第二の操作指部152bとがハンド回動に応じて相互に開閉協働し得る位置関係で設けられている。また、第二操作ハンド152の支点形成部152cには自在継手73が取着され、この自在継手73と上記の自在継手72との間に伝動リンク74が架設されている。この伝動リンク74と自在継手73との結合域には回転軸受手段が内蔵されていることは、前述して伝動リンク55、55aの場合と同様である。
上述した構成を有する第二作業ハンド152は、第三の連結リンク棒64の軸方向変位動作によって伝達される手動操作ハンド25の操作、つまり、同ハンド25の第二操作ハンド132における第二操作指部132bから作業者が入力するマスタ運動(主動作)を、アーム状リンク69、自在継手72、伝動リンク74、自在継手73介して受動する。その結果、第二作業ハンド152が手首軸22bに対して回動し、あるいはその回動に加えてピボット軸51に対してハンド基部49と共に旋回または揺動してスレーブ運動(従動作)を実行し、故に、作業ハンド152の作業指部152bに開閉動作等の作業を実行させる構成になっている。
すなわち、本実施形態に係る手動機構型マスタ・スレーブハンド10は、手動操作ハンド25、作業実行ハンド45の両者が、3つの連結リンク棒60、62、64によって相互に相関運動可能に連結されていることによって、先の実施形態(図1)による手動機構型マスタ・スレーブハンド10よりも精度の高い主・従対応性を有する作業実行を可能にするハンド装置として形成されているのである。
図13は、図11、図12に示した手動機構型マスタ・スレーブハンド10の全体的な作動形態を示している斜視図であり、手動操作ハンド25のハンド基部29に把手100を装着して作業者が手でその把手100を把持し、更に二本の指で操作指部32、132bに装着した指当て具101、102を介してそれら操作指部32、132bを操作して必要とする入力操作を印加する構成を備えている。かくして、手動操作ハンド25から印加された入力操作に応動して作業実行ハンド45が必要とする作業を実行するものである。この場合に、作業実行ハンド45が有する作業ハンド32、132の作業指部32b、132bの形状を必要とする作業機能に従って種々の形状(例えば、ナイフ形、スコップ形、掴み指形等)や寸法に設定すれば良いことは、自明であろう。
なお、図10の実施形態に就いても記載したように、本実施形態に係る手動機構型マスタ・スレーブハンド10もバイラテラル機構を構成していることは容易に理解することができよう。
図14は、上述した2つの実施形態に基づいて説明した本発明の手動機構型マスタ・スレーブハンドを地雷原において地雷の掘り出しに適用する場合の一例を示した概略の斜視図である。
図14に示す適用例では、上述したそれぞれの実施形態に係る手動機構型マスタ・スレーブハンド10を2台使用して地雷原において地雷の掘り出しに適用している場合を示しており、特に2つのマスタ・スレーブハンド10を支持台200上で平行リンク機構として形成された2つのハンド位置決め台201に搭載し、スライド機構202でマスタ・スレーブハンド10の基本ロッド軸12を作業対象物(例えば地雷"M")に対して摺動的に軸方向に移動させ、それぞれの作業実行ハンド32、132を地雷埋設位置の近傍に位置決めして作業を実行する場合を示している。作業者Pは、適宜の敷き台250上に匍匐して両腕を駆使して2つの手動機構型マスタ・スレーブハンド10を操作している。このとき、作業者Pの頭部前方に防護用の遮蔽板251を設置しておけば、万一、地雷"M"の爆発事故が発生した際にも作業者Pの安全確保を図ることができる。
さらに、手動機構型マスタ・スレーブハンド10には、図示のように、作業実行ハンド45の最先端域に適宜の撮影カメラ203を装着して作業者Pが地雷掘り出し場所の状況を観察しながら作業を遂行するようにすることも可能である。さらに、作業ハンド52、152の先端に予め地雷検知プローブ204を装着したり、地雷"M"の周辺の土や砂を排除するブロアーの吹き出し口205を設けたりして、地雷発見を容易にする改善、工夫を施しても良い。
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明は、上述した地雷原における地雷の掘り出しに適用する場合を好ましい適用例として構成したが、これのみに限定するものではなく、作業実行ハンド45の先端に装着するハンド52、152を適用用途に応じた形状、構造に選択、設計すれば、種々の遠隔操作用マスタ・スレーブハンドとして適用が可能であることは、自明であろう。特に、図2〜図4に示した3つの連結リンク棒60、62、64を備えたバイラテラル伝動機構を有した手動機構型マスタ・スレーブハンド10では、先端の作業実行ハンド45で実行する作業は、ピボット軸51周りのハンド基部49の旋回、揺動や手首軸22b周りの回動等に従って高性能かつ細密な作業とすることができるのである。
本発明の基本的な実施形態に係る手動機構型マスタ・スレーブハンドの構成と作用とを示す略示側面図。 図1に示した手動機構型マスタ・スレーブハンドにおける基本ロッド軸とその操作内端及び作業外端に設けられる遠隔操作具及び作業具、該ロッド軸の支承具等の構成、配置を一部断面して示した外観図。 図1に示した手動機構型マスタ・スレーブハンドにおける作業具の構成を拡大、詳示した部分拡大斜視図。 (イ)、(ロ)は、図1に示した手動機構型マスタ・スレーブハンドにおける遠隔操作具の構成を詳示した部分拡大断面図とIV-IV矢視図。 本発明の他の実施形態に係る手動機構型マスタ・スレーブハンドで、図1に示した実施形態を改変した実施形態を示す側面図である。 (イ)、(ロ)は、図5に示した実施形態おける支承具の保持フレームの構成を取りだし、図示した平面図及びそのVI-VI矢視図。 図5に示した実施形態における保持フレームの一部を改変した構成を示す部分略示斜視図。 本発明に係る手動機構型マスタ・スレーブハンドを携行、搬送する様子を示した側面図。 (イ)、(ロ)、(ハ)は、本発明の更に他の実施形態に係る手動機構型マスタ・スレーブハンドで、図5に示した実施形態を更に改変した実施形態を示す略示側面図、上方から見た平面図及び図(イ)における部分”R”の拡大断面図。 本発明の別の一実施形態による手動機構型マスタ・スレーブハンドの構成を示す斜視図。 本発明の更に別の実施形態による手動機構型マスタ・スレーブハンドの手動操作ハンド側の構成を示す斜視図。 本発明の上記別の実施形態による手動機構型マスタ・スレーブハンドの作業実行ハンド側の構成を示す斜視図。 図11、図12に示した手動機構型マスタ・スレーブハンドの操作方法を説明するための全体構成図。 本発明に係る手動機構型マスタ・スレーブハンドの適用状態の一例を示す略示斜視図。
符号の説明
10:手動機構型マスタ・スレーブハンド、12:基本ロッド軸、
14:端(操作用内端)、16:端(作業用外端)、18a、18b:中空ブラケット、19:開口、20a、20b:軸保持腕、21:軸支承部、22a、22b:手首軸、
23a:平坦側面、25:手動操作ハンド、26:回転軸受、27:リンク
27a:ボス部、27b、27c:端部、28:ピボット軸、
29:ハンド基部、29a:フランジ部、29b:短軸部、30:回転軸受、
31:ピボット軸、32:リンク状操作ハンド、32a:中間ボス部、
32b:操作指部、32c:支点形成部、33:自在継手、34:自在継手、
35;伝動リンク、36、37:回転軸受、38、39:アーム状リンク、
38a:環状ボス部、38b、38c:端部、40:ピボット軸、
41:ピボット軸、42、43:自在継手、44:伝動リンク、
45:作業実行ハンド、46:回転軸受、47:アーム状リンク、
47a:ボス部、47b、47c:端部、48:ピボット軸、
49:ハンド基部、49a:フランジ部、49b:短軸部、50:回転軸受、
51:ピボット軸52:リンク状の作業ハンド、52a:中間ボス部、
52b:作業指部、52c:支点形成部、53、54:自在継手、
53a:自在継手、54a:自在継手、55:伝動リンク、
55a:伝動リンク、60、62、64:連結リンク棒、
66、67:回転軸受、68、69:アーム状リンク、68a:ボス部、
68b、68c:端部、69:アーム状リンク、69a:環状ボス部、
69b:支点位置、69c:リンク端部、70:ピボット軸、
71:ピボット軸、72、73:自在継手、74:伝動リンク、
100:把手、101、102:指当て具、132:第二操作ハンド、
132b:第二操作指部、152:第二作業ハンド、152b:作業指部、
152c:支点形成部、200:支持台、201:ハンド位置決め台、
202:スライド機構、203:撮影カメラ、204:地雷検知プローブ、
205:吹き出し口、250:敷き台、300:遠隔操作具、301:ハンドル、
302:固定部材、303:支点、304:レバー、305:枢軸ピン、
306:締め付けネジ、310:連結リンク棒、320:作業具、
321:固定側作業ハンド、321a:支点受け、322:リンク部材、323:支点、
324:支点、325:トッグル動作リンク部材、325a:可動作業ハンド、
326:支点、327:固定スリーブ、328:ボルト、330:圧力ガス配管、
331:パイプ継手、332:ノズル配管、333:接続ニップル部材、
340:支承具、341:支承孔、343:保持枠、344:固定爪、
345:べローズ、346:レンズ、350:ジョイント手段、434:保持フレーム、
435:保持ブラケット枠436:ブリッジ枠、437:固定爪、438:桁枠、
438a:最後端、439:座席、440:支柱、440a:支柱、442:スリーブ、
443:耳、445:浮上バネ、450:足踏み板、451:刃具、452:蝶番、
453:フック、G:被作業面、P:作業者、"M":地雷。

Claims (20)

  1. 所定の軸長を有する棒状体として形成され、両端二位置を操作用内端と作業用外端とする基本ロッド軸と、
    前記基本ロッド軸の操作用内端に設けられる作動要素を含んだ遠隔操作具と、
    前記基本ロッド軸の作業用外端に設けられる可動要素を含んだ作業具と、
    前記基本ロッド軸に沿って延設されると共に前記遠隔操作具の作動要素に一端を結合し、前記作業具の可動要素に他端を結合してなる伝動用の連結リンク棒と、
    を具備して成り、前記所定軸長を有した前記基本ロッド軸の中間位置を支承具によって摺動および揺動旋回可能に支持されて前記遠隔操作具のマスタハンド操作に従って前記作業具がスレーブハンド動作することにより、被作業面に所定の作業を遂行し得るように構成されたことを特徴とする手動機構型マスタ・スレーブハンド。
  2. 前記支承具は、ジョイント手段を所定の位置に有した隔壁部材と、
    前記隔壁部材を被作業表面に立設、保持する保持フレーム部材と、
    を具備して構成され、前記隔壁部材のジョイント手段により前記基本ロッド軸を被作業表面に対して摺動及び旋回、揺動可能に支持する請求項1に記載の手動機構型マスタ・スレーブハンド。
  3. 前記隔壁部材は、透明樹脂製の防護盾板として形成され、該防護盾板に貫通、形成された前記基本ロッド軸の遊嵌孔の周壁部分によって前記ジョイント手段を形成してなる請求項1に記載の手動機構型マスタ・スレーブハンド。
  4. 前記隔壁部材は、一部にレンズ部分を備えた防護盾板として形成され、該防護盾板に貫通、形成された前記基本ロッド軸の遊嵌孔の周壁部分に前記ジョイント手段を装着してなる請求項1に記載の手動機構型マスタ・スレーブハンド。
  5. 前記遠隔操作具に含まれた作動要素は、前記伝動用連結リンク棒の前記一端への結合端を有し該連結リンク棒のプッシュ・プル動作を起動する枢動レバーから成り、そのとき前記作業具に含まれた可動要素は、前記伝動用連結リンク棒の前記他端にトグル作動リンクを介して結合され、該トグル作動リンクを手首とする開閉ハンドから成る請求項1に記載の手動機構型マスタ・スレーブハンド。
  6. 前記作業具の前記開閉ハンドは、一対の可動、固定ハンドによって形成され、該可動ハンドを前記トグル作動リンクに結合した構成を有する請求項5に記載の手動機構型マスタ・スレーブハンド。
  7. 前記遠隔操作具は、ハンドルを具備し、前記作業具は、被作業面を掘削するシャベル又は被作業面において所定の検知作業を遂行するセンサ要素を具備して成る請求項1に記載の手動機構型マスタ・スレーブハンド。
  8. 前記基本ロッド軸は、内部直通路を有した中空棒状体として形成され、該内部直通路に前記伝動用連結リンク棒が延設されると共に該伝動用連結リンク棒に併設して前記操作用内端から作業用外端へ連通した圧力ガス供給路手段が配設されている請求項1から7の何れか1項に記載の手動機構型マスタ・スレーブハンド。
  9. 前記基本ロッド軸を形成する前記中空棒状体は、中空薄肉金属直管から成る請求項8に記載の手動機構型マスタ・スレーブハンド。
  10. 前記圧力ガス供給路手段は、前記操作用内端側に圧力ガスボンベと結合するニップルを有し、前記作業用外端側にノズルを有したガス供給パイプから成る請求項8に記載の手動機構型マスタ・スレーブハンド。
  11. 前記ガス供給パイプは、圧縮空気供給パイプから成る請求項10に記載の手動機構型マスタ・スレーブハンド。
  12. 前記保持フレーム部材は、前記被作業面に係留、固定可能な刃具を備え、前記隔壁部材を該被作業面に対して固定可能にした請求項2又は3に記載の手動機構型マスタ・スレーブハンド。
  13. 前記保持フレーム部材は、前記隔壁部材に対して前記基本ロッド軸の前記操作用内端側に向かう後方に向きに延設されたバー材を備え、該バー材の前端に該隔壁部材を保持し、後端近傍に作業者の座席装置を取着して成り、かつ該前端、後端の略中間に該作業者の踏動により前記被作業面に接地、固定される足踏み板を備えている請求項2、3又は12に記載の手動機構型マスタ・スレーブハンド。
  14. 前記足踏み板は、前記被作業面に係留、固定可能な刃具を備えると共に前記バー材に対して立ち上げ可能に蝶番機構を介して該バー材に取付けられ、かつ立ち上げ時に前記基本ロッド軸に係合してそれを保持可能なフック部材を備えて構成された請求項13に記載の手動機構型マスタ・スレーブハンド。
  15. 前記バー材に取着された座席装置は、支柱と該支柱の上端に設けた座板とを具備してなり、該支柱の長さは前記作業者の座位による遠隔操作作業を可能にする高さに設定された請求項13又は14に記載の手動機構型マスタ・スレーブハンド。
  16. 前記保持フレーム部材のバー材の後端は、前記座席装置の支柱の中心線周りに周回可能にかつ前傾可能に取着され、該中心線の周りに前記バー材を介して前記基本ロッド軸および前記隔壁部材を周回、移動可能な構成とした請求項13から15の何れか1項に記載の手動機構型マスタ・スレーブハンド。
  17. 基本ロッド軸の離間した二位置に相互に平行に配設された2つの手首軸にそれぞれ取付けられて作動する手動操作ハンドと作業実行ハンドとを有し、前記手動操作ハンドおよび作業実行ハンドは、それぞれリンク要素、回動性の継手要素および軸受要素の組合せ機構の先端に指部材を備えて形成され、前記基本ロッド軸に沿って延設された連結リンク棒によって前記手動操作ハンドと作業実行ハンドとを相関動作可能に結合し、該手動操作ハンドのマスタ操作に従って該作業実行ハンドがスレーブ動作する構成からなる手動機構型マスタ・スレーブハンド。
  18. 基本ロッド軸と、その基本ロッド軸の離間した二位置に設けられて相関動作する手動操作ハンドと作業実行ハンドとを有する手動機構型マスタ・スレーブハンドであって、
    前記基本ロッド軸の離間した二位置に相互に平行に配設された第一、第二の手首軸と、
    前記第一の手首軸に回動自在に取着されるリンクとして形成されると共に1又は2個の結合端を備えた少なくとも1つの第一のリンクと、
    前記第二の手首軸に回動自在に取着されるリンクとして形成されると共に1又は2個の結合端を備えた少なくとも1つの第二のリンクと、
    前記第一、第二のリンクがそれぞれ有する前記結合端同志を対応動作可能に結合するように、前記基本ロッド軸に沿って延設された少なくとも1つの連結リンクと、
    前記第一の手首軸の下端部に枢着された第一のハンド基部と、
    前記第二の手首軸の下端部に枢着された第二のハンド基部と、
    前記第一のハンド基部に回動自在に結合されるとともにその結合部を跨いで作業指リンクと支点とを有したリンク状作業ハンドと、
    前記作業ハンドの支点と前記第一リンクとを自在継手手段を介して結合する伝動リンク棒と、
    前記第二のハンド基部に回動自在に結合されるとともにその結合部を跨いで操作指リンクと支点とを具備したリンク状操作ハンドと、
    前記操作ハンドの支点と前記第二リンクとを自在継手手段を介して結合する伝動リンク棒と、
    を具備し、前記操作ハンドと前記作業ハンドとの間にバイラテラル応動機構が構成されていることを特徴とする手動機構型マスタ・スレーブハンド。
  19. 前記第一の手首軸に回動自在に取着される2つの別々のリンクとして形成された前記第一のリンクと、前記第二の手首軸に回動自在に取着される2つの別々のリンクとして形成された前記第二のリンクと、それぞれ2つのリンクからなる前記第一、第二リンク間を対応動作可能に結合する2つのリンク棒として形成された前記連結リンク棒と、前記リンク状作業ハンドの前記支点と該支点に接近配置した別の支点との二支点と前記第一のリンクとをそれぞれ自在継手手段を介して結合する二つのリンク部材で形成された前記伝動リンクと、前記リンク状操作ハンドの前記支点と該支点に接近配置した別の支点との二支点と前記第二のリンクとをそれぞれ自在継手手段を介して結合する二つのリンク部材で形成された前記伝動リンクと、を具備して構成される請求項18に記載の手動機構型マスタ・スレーブハンド。
  20. 前記第一の手首軸に回動自在に取着される3つの別々のリンクとして形成された前記第一のリンクと、
    前記第二の手首軸に回動自在に取着される3つの別々のリンクとして形成された前記第二のリンクと、
    それぞれ3つのリンクからなる前記第一、第二リンク間を対応動作可能に結合する3つのリンク棒として形成された前記連結リンク棒と、
    前記第一のハンド基部に回動自在に結合され、前記リンク状作業ハンドの作業指リンクと協働可能な他の作業指リンクを有した第二の作業ハンドと、
    前記第二のハンド基部に回動自在に結合され、前記リンク状操作ハンドの操作指リンクと協働可能な他の操作指リンクを有した第二の操作ハンドと、
    前記リンク状作業ハンドの前記支点と該支点に接近配置した別の支点との二支点と前記第一のリンクにおける2つのリンクとをそれぞれ自在継手手段を介して結合する2つのリンク部材と前記第二の作業ハンドに設けられた支点と前記第一のリンクにおける他のリンクとを、自在継手手段を介して結合する1つのリンク部材との合計3つのリンク部材で形成された前記伝動リンクと、
    前記リンク状操作ハンドの前記支点と該支点に接近配置した別の支点との二支点と前記第二のリンクにおける2つのリンクとをそれぞれ自在継手手段を介して結合する二つのリンク部材と前記第二の操作ハンドに設けられた支点と前記第一のリンクのおける他のリンクとを、自在継手手段を介して結合する1つのリンク部材との合計3つのリンク部材で形成された前記伝動リンクと、
    を具備して構成される請求項18に記載の手動機構型マスタ・スレーブハンド。
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