JP2004289946A - モーター駆動回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】駆動特性とフィードバック制御回路の安定性の双方の条件を満足させることが容易なモーター駆動回路を提供すること。
【解決手段】モーター駆動回路は、スイッチング素子、ダイオード、インダクタンス素子、PWM制御回路および出力端と接地間に接続された第1のコンデンサを含むチョッパ型のDC/DCコンバータ回路と、前記DC/DCコンバータ回路の出力電圧に基づき所望の極性でモーターのコイルを駆動するブリッジ型のスイッチング回路と、前記スイッチング回路と接地間に接続された電流検出用の抵抗器と、DC/DCコンバータ回路出力端と前記抵抗器の接地されていない端子との間に接続された第2のコンデンサとを備える。第1のコンデンサと第2のコンデンサの値を適切に選択することにより、定電流駆動特性とフィードバック制御回路の安定性の双方の条件を満足させることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】モーター駆動回路は、スイッチング素子、ダイオード、インダクタンス素子、PWM制御回路および出力端と接地間に接続された第1のコンデンサを含むチョッパ型のDC/DCコンバータ回路と、前記DC/DCコンバータ回路の出力電圧に基づき所望の極性でモーターのコイルを駆動するブリッジ型のスイッチング回路と、前記スイッチング回路と接地間に接続された電流検出用の抵抗器と、DC/DCコンバータ回路出力端と前記抵抗器の接地されていない端子との間に接続された第2のコンデンサとを備える。第1のコンデンサと第2のコンデンサの値を適切に選択することにより、定電流駆動特性とフィードバック制御回路の安定性の双方の条件を満足させることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はモーター駆動回路に関し、特にステッピングモーター等のコイルの駆動に好適なモーター駆動回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ステッピングモーターのコイルを駆動する場合には、チョッパ型のDC/DCコンバータをPWM制御することにより直流電圧を断続した電圧パルスを供給する方法が用いられていた。この場合、モーターの回転速度が上がるとモーターの電流が減少するため動作の高速化が困難であり、高速化のためには消費電力やモーターの発熱の問題があった。また、電圧パルスに起因するノイズ放射の問題もあった。これを解決するため、従来は、リニア方式の定電流駆動回路が採用されていた。定電流駆動回路の採用により、動作の高速化とモータ自身の発熱の低減化がなされた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記したような従来の定電流駆動回路においては、動作の高速化は達成されたが、駆動回路における損失が大きく、消費電力が大きいという問題があった。また、駆動回路における損失が小さいチョッパ型のDC/DCコンバータをPWM制御する方法で定電流駆動を行うためには、電流値フィードバック回路の安定性を維持することが非常に困難であるという問題点があった。
【0004】
本発明の目的は、前記のような従来技術の問題点を解決し、駆動特性とフィードバック制御回路の安定性の双方の条件を満足させることが容易なモーター駆動回路を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のモーター駆動回路は、スイッチング素子、ダイオード、インダクタンス素子、PWM制御回路および出力端と接地間に接続された第1のコンデンサを含むチョッパ型のDC/DCコンバータ回路と、前記DC/DCコンバータ回路の出力電流に基づき所望の極性でモーターのコイルを駆動するブリッジ型のスイッチング回路と、前記スイッチング回路と接地間に接続された電流検出用の抵抗器と、DC/DCコンバータ回路出力端と前記抵抗器の接地されていない端子との間に接続された第2のコンデンサとを備えたことを特徴とする。
【0006】
本発明のモーター駆動回路によれば、DC/DCコンバータ回路の出力端に接続された第1のコンデンサと共に、DC/DCコンバータ回路出力端と電流検出用抵抗器の接地されていない端子との間に接続された第2のコンデンサとを備えており、この第2のコンデンサからモーターのコイルに流れる放電電流は電流検出用抵抗器を通らずに流れる。そこで、第1のコンデンサと第2のコンデンサの値を適切に選択することにより、定電流駆動特性とフィードバック制御回路の安定性の双方の条件を満足させることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明のモーター駆動回路を採用した装置の構成を示すブロック図である。この装置は、例えばレーザー装置などの光学装置であってもよく、PC10の制御に基づき、各光学部品の位置調整機構に連結された複数のステッピングモーター30を所望の角度だけ回転させることによって光学部品の位置調整を自動的に行うシステムであってもよい。
【0008】
PC10とモーター駆動装置20とは周知のUSBインターフェイス回路21およびUSBケーブル11によって接続されている。駆動パルス発生回路22および駆動電流出力回路23は各ステッピングモーター30毎に設けられている。ステッピングモーター30は駆動コイルを2個備えた2極のモーターである。
【0009】
図2は、本発明の駆動パルス発生回路22の構成を示すブロック図である。マイクロコンピュータ40はUSBインターフェイス回路21からステッピングモーター制御信号を受信し、公知の方法によって、後述するスイッチング回路のFETを駆動する信号を生成する。
【0010】
また、D/A変換器41を介してステッピングモーターのコイルに流す電流値と対応する電流制御電圧を出力する。この電流制御電圧は公知のPWMスイッチング制御回路42に入力される。この電流制御電圧はソフトにより設定され、常時出力されている。また、D/A変換器41は、たとえば1ビットのものであってもよく、1ビットの場合は1つ のスイッチと抵抗で実現可能であり、また、用途によっては電圧値固定としてD/A変換器41を省略してもよい。D/A変換器41およびPWMスイッチング制御回路42はモーターの2つのコイルと対応して2組ある。
【0011】
PWMスイッチング制御回路42においては、オペアンプ43によって電流検出抵抗器によって検出された電圧と上記電流制御電圧との差(誤差)値を出力し、コンパレータ44によって差値と三角波との比較を行うことによってPWMパルスを生成する。三角波の周波数は一般に、概ね10kHzから500kHzの間であり、たとえば50kHzであってもよい。なお、このようなPWMスイッチング制御回路ICとして(株)日立製作所(登録商標)のHA17451APを使用可能である。
【0012】
図3は、本発明の駆動電流出力回路23の構成を示す回路図である。スイッチング素子であるFET50のドレインは例えばリセッタブルヒューズなどの保護回路51を介して+7ボルトの電源に接続されており、ソースはフリーホイールダイオード52およびコイル53の一端に接続されている。
【0013】
コイル53の他端は2つのコンデンサ54、56、オーバーシュート吸収用ダイオード55およびスイッチング回路の2個のFET57、59に接続されている。コンデンサ54の他端は接地されており、コンデンサ56の他端は、スイッチング回路の2個のFET58、60と電流検出用抵抗器64の接続点に接続されており、更に、PWMスイッチング制御回路42のオペアンプ43にも接続されている。電流検出用抵抗器64の他端は接地されている。
【0014】
スイッチング回路の4つのFETはそれぞれFETドライバIC61を介してマイクロコンピュータ40のデジタル出力端子に接続されており、マイクロコンピュータ40によってオン/オフ制御される。FET57、60あるいはFET58、59はそれぞれ同時にオン/オフ制御され、ステッピングモーター30のコイル63に所望の方向の電流を流すことが出来る。ノイズフィルタ62は高周波ノイズを減衰させるためのものである。
【0015】
図4は、本発明の駆動電流出力回路の要部の波形を示す波形図である。(c)はマイクロコンピュータ40のデジタル出力端子から出力される駆動信号波形であり、FET駆動波形(1)が”1”のときに例えばFET57および60がオンとなる。また、FET駆動波形(2)が”1”のときに例えばFET58および59がオンとなる。
【0016】
(a)はコイル53とコンデンサ54、56の接続点Aの電圧波形である。(c)の駆動波形が双方とも”0”の場合には、(a)の電圧はほぼ電源電圧である+7ボルトまで上昇している。そこで、どちらかの駆動波形が”1”になると、スイッチング回路のFET、ノイズフィルタ62を介してステッピングモーター30のコイル63に電流が流れる。
【0017】
コンデンサ54の放電電流はコイル63から電流検出用抵抗器64へと流れるので、電流検出用抵抗器64に発生する電圧に基づきPWMスイッチング制御回路42による定電流制御が行われ、A点の電圧は低下する。一方、コンデンサ56の放電電流は電流検出用抵抗器64へは流れないので、この電流はPWMスイッチング制御回路42による定電流制御には関与しない。そして駆動が停止されると再び電源電圧まで上昇する。この結果、コイル63に流れる電流波形は(b)に示すような定電流波形となる。
【0018】
次に、2つのコンデンサ54、56の作用について説明する。チョッパー回路の出力端Aにはリプル成分(脈流成分)がある。コンデンサ54は、このリプル成分を吸収する役割を果たす。コンデンサ54の値を増やすと、このリプル成分は減少するが、フィードバック制御ループの位相遅れが増加し、制御系の位相余裕が減少する。逆に、コンデンサ54の値を減らすとリプル成分は増加するが、制御ループの位相遅れが減少し、制御系の位相余裕が増加する。
【0019】
コンデンサ56は、負荷となるステッピングモータ30のインダクタンス成分による位相遅れを補償する役割を果たす。また、スイッチング回路があると電流の不連続が生じたり、極性の反転が生じて、制御系に 大きなノイズを与えることになるが、このような制御系の外乱もコンデンサ56によって吸収される。つまり、FET57〜60のスイッチング回路による電流の不連続や極性の反転を吸収することができる。
コンデンサ56の値を増やすと、制御系の位相遅れが減少して制御系の位相余裕が増加するが、モータへの出力電流制御をオフからオンに切り替える際に過電流(定電流の設定値より大きい電流)がモータに流れ、定電流制御からのずれが大きくなる。逆に、コンデンサ56の値を減らすと、制御系の位相遅れが増加して制御系の位相余裕が減少するが、モータへの出力電流制御をオフからオンに切り替える際の過電流、すなわち、定電流制御からのずれが減少する。
【0020】
コンデンサー54と56は、フィードバック制御系の安定性を確保するため、および立ち上がりを速くすると共に定電流駆動特性とするため、位相余裕が得られる範囲で最適化することが望ましい。本発明者による実験の結果、電流検出用抵抗器の値が3.3Ωのとき、双方のコンデンサ54、56を両方とも1μFとすることにより好ましい結果が得られた。
なお、チョッピング周波数が高いときは、C1の値を小さくすることが出来、その結果、C2も小さくすることができる。
図5は、制御ループの伝達特性のシミュレーション結果を示すグラフである。ステッピングモーターのインダクタンス成分が2.1mH、抵抗成分が1.4Ω、インダクタンス53が470μH、コンデンサ54が1μF、コンデンサ56が1μF、抵抗64が3.3Ωのときのシミュレーションである。
図5において、実線のカーブはループ利得、点線のカーブはループにおける位相を表す。位相が±180°となる周波数においてループ利得が1より十分小さく、またループ利得が1より大きい周波数において位相の±180°に対する差が十分大きいので、制御ループが安定である。
以上、本発明の実施例を開示したが、本発明には下記のような変形例も考えられる。実施例においてはチョッパ型のDC/DCコンバータ回路を使用する例を開示したが、本発明のモーター駆動回路においては、定電流制御可能な任意の形式のDC/DCコンバータ回路を採用可能である。また、実施例においては2極のステッピングモーターの場合を開示したが、この他の極数のステッピングモーターにおいても同様に本発明を適用可能である。
【0021】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のモーター駆動回路によれば、DC/DCコンバータ回路の出力端に接続された第1のコンデンサと共に、DC/DCコンバータ回路出力端と電流検出用抵抗器の接地されていない端子との間に接続された第2のコンデンサとを備えており、この第2のコンデンサからモーターのコイルに流れる放電電流は電流検出用抵抗器を通らずに流れる。そこで、第1のコンデンサと第2のコンデンサの値を適切に選択することにより、定電流駆動特性とフィードバック制御回路の安定性の双方の条件を満足させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のモーター駆動回路を採用した装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の駆動パルス発生回路22の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の駆動電流出力回路23の構成を示す回路図である。
【図4】本発明の駆動電流出力回路の要部の波形を示す波形図である。
【図5】制御ループの伝達特性のシミュレーション結果を示すグラフである。
【符号の説明】
10…PC、11…USBケーブル、20…モーター駆動装置、21…USBインターフェイス回路、22…駆動パルス発生回路、23…駆動電流出力回路、30…ステッピングモーター
【発明の属する技術分野】
本発明はモーター駆動回路に関し、特にステッピングモーター等のコイルの駆動に好適なモーター駆動回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ステッピングモーターのコイルを駆動する場合には、チョッパ型のDC/DCコンバータをPWM制御することにより直流電圧を断続した電圧パルスを供給する方法が用いられていた。この場合、モーターの回転速度が上がるとモーターの電流が減少するため動作の高速化が困難であり、高速化のためには消費電力やモーターの発熱の問題があった。また、電圧パルスに起因するノイズ放射の問題もあった。これを解決するため、従来は、リニア方式の定電流駆動回路が採用されていた。定電流駆動回路の採用により、動作の高速化とモータ自身の発熱の低減化がなされた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記したような従来の定電流駆動回路においては、動作の高速化は達成されたが、駆動回路における損失が大きく、消費電力が大きいという問題があった。また、駆動回路における損失が小さいチョッパ型のDC/DCコンバータをPWM制御する方法で定電流駆動を行うためには、電流値フィードバック回路の安定性を維持することが非常に困難であるという問題点があった。
【0004】
本発明の目的は、前記のような従来技術の問題点を解決し、駆動特性とフィードバック制御回路の安定性の双方の条件を満足させることが容易なモーター駆動回路を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のモーター駆動回路は、スイッチング素子、ダイオード、インダクタンス素子、PWM制御回路および出力端と接地間に接続された第1のコンデンサを含むチョッパ型のDC/DCコンバータ回路と、前記DC/DCコンバータ回路の出力電流に基づき所望の極性でモーターのコイルを駆動するブリッジ型のスイッチング回路と、前記スイッチング回路と接地間に接続された電流検出用の抵抗器と、DC/DCコンバータ回路出力端と前記抵抗器の接地されていない端子との間に接続された第2のコンデンサとを備えたことを特徴とする。
【0006】
本発明のモーター駆動回路によれば、DC/DCコンバータ回路の出力端に接続された第1のコンデンサと共に、DC/DCコンバータ回路出力端と電流検出用抵抗器の接地されていない端子との間に接続された第2のコンデンサとを備えており、この第2のコンデンサからモーターのコイルに流れる放電電流は電流検出用抵抗器を通らずに流れる。そこで、第1のコンデンサと第2のコンデンサの値を適切に選択することにより、定電流駆動特性とフィードバック制御回路の安定性の双方の条件を満足させることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明のモーター駆動回路を採用した装置の構成を示すブロック図である。この装置は、例えばレーザー装置などの光学装置であってもよく、PC10の制御に基づき、各光学部品の位置調整機構に連結された複数のステッピングモーター30を所望の角度だけ回転させることによって光学部品の位置調整を自動的に行うシステムであってもよい。
【0008】
PC10とモーター駆動装置20とは周知のUSBインターフェイス回路21およびUSBケーブル11によって接続されている。駆動パルス発生回路22および駆動電流出力回路23は各ステッピングモーター30毎に設けられている。ステッピングモーター30は駆動コイルを2個備えた2極のモーターである。
【0009】
図2は、本発明の駆動パルス発生回路22の構成を示すブロック図である。マイクロコンピュータ40はUSBインターフェイス回路21からステッピングモーター制御信号を受信し、公知の方法によって、後述するスイッチング回路のFETを駆動する信号を生成する。
【0010】
また、D/A変換器41を介してステッピングモーターのコイルに流す電流値と対応する電流制御電圧を出力する。この電流制御電圧は公知のPWMスイッチング制御回路42に入力される。この電流制御電圧はソフトにより設定され、常時出力されている。また、D/A変換器41は、たとえば1ビットのものであってもよく、1ビットの場合は1つ のスイッチと抵抗で実現可能であり、また、用途によっては電圧値固定としてD/A変換器41を省略してもよい。D/A変換器41およびPWMスイッチング制御回路42はモーターの2つのコイルと対応して2組ある。
【0011】
PWMスイッチング制御回路42においては、オペアンプ43によって電流検出抵抗器によって検出された電圧と上記電流制御電圧との差(誤差)値を出力し、コンパレータ44によって差値と三角波との比較を行うことによってPWMパルスを生成する。三角波の周波数は一般に、概ね10kHzから500kHzの間であり、たとえば50kHzであってもよい。なお、このようなPWMスイッチング制御回路ICとして(株)日立製作所(登録商標)のHA17451APを使用可能である。
【0012】
図3は、本発明の駆動電流出力回路23の構成を示す回路図である。スイッチング素子であるFET50のドレインは例えばリセッタブルヒューズなどの保護回路51を介して+7ボルトの電源に接続されており、ソースはフリーホイールダイオード52およびコイル53の一端に接続されている。
【0013】
コイル53の他端は2つのコンデンサ54、56、オーバーシュート吸収用ダイオード55およびスイッチング回路の2個のFET57、59に接続されている。コンデンサ54の他端は接地されており、コンデンサ56の他端は、スイッチング回路の2個のFET58、60と電流検出用抵抗器64の接続点に接続されており、更に、PWMスイッチング制御回路42のオペアンプ43にも接続されている。電流検出用抵抗器64の他端は接地されている。
【0014】
スイッチング回路の4つのFETはそれぞれFETドライバIC61を介してマイクロコンピュータ40のデジタル出力端子に接続されており、マイクロコンピュータ40によってオン/オフ制御される。FET57、60あるいはFET58、59はそれぞれ同時にオン/オフ制御され、ステッピングモーター30のコイル63に所望の方向の電流を流すことが出来る。ノイズフィルタ62は高周波ノイズを減衰させるためのものである。
【0015】
図4は、本発明の駆動電流出力回路の要部の波形を示す波形図である。(c)はマイクロコンピュータ40のデジタル出力端子から出力される駆動信号波形であり、FET駆動波形(1)が”1”のときに例えばFET57および60がオンとなる。また、FET駆動波形(2)が”1”のときに例えばFET58および59がオンとなる。
【0016】
(a)はコイル53とコンデンサ54、56の接続点Aの電圧波形である。(c)の駆動波形が双方とも”0”の場合には、(a)の電圧はほぼ電源電圧である+7ボルトまで上昇している。そこで、どちらかの駆動波形が”1”になると、スイッチング回路のFET、ノイズフィルタ62を介してステッピングモーター30のコイル63に電流が流れる。
【0017】
コンデンサ54の放電電流はコイル63から電流検出用抵抗器64へと流れるので、電流検出用抵抗器64に発生する電圧に基づきPWMスイッチング制御回路42による定電流制御が行われ、A点の電圧は低下する。一方、コンデンサ56の放電電流は電流検出用抵抗器64へは流れないので、この電流はPWMスイッチング制御回路42による定電流制御には関与しない。そして駆動が停止されると再び電源電圧まで上昇する。この結果、コイル63に流れる電流波形は(b)に示すような定電流波形となる。
【0018】
次に、2つのコンデンサ54、56の作用について説明する。チョッパー回路の出力端Aにはリプル成分(脈流成分)がある。コンデンサ54は、このリプル成分を吸収する役割を果たす。コンデンサ54の値を増やすと、このリプル成分は減少するが、フィードバック制御ループの位相遅れが増加し、制御系の位相余裕が減少する。逆に、コンデンサ54の値を減らすとリプル成分は増加するが、制御ループの位相遅れが減少し、制御系の位相余裕が増加する。
【0019】
コンデンサ56は、負荷となるステッピングモータ30のインダクタンス成分による位相遅れを補償する役割を果たす。また、スイッチング回路があると電流の不連続が生じたり、極性の反転が生じて、制御系に 大きなノイズを与えることになるが、このような制御系の外乱もコンデンサ56によって吸収される。つまり、FET57〜60のスイッチング回路による電流の不連続や極性の反転を吸収することができる。
コンデンサ56の値を増やすと、制御系の位相遅れが減少して制御系の位相余裕が増加するが、モータへの出力電流制御をオフからオンに切り替える際に過電流(定電流の設定値より大きい電流)がモータに流れ、定電流制御からのずれが大きくなる。逆に、コンデンサ56の値を減らすと、制御系の位相遅れが増加して制御系の位相余裕が減少するが、モータへの出力電流制御をオフからオンに切り替える際の過電流、すなわち、定電流制御からのずれが減少する。
【0020】
コンデンサー54と56は、フィードバック制御系の安定性を確保するため、および立ち上がりを速くすると共に定電流駆動特性とするため、位相余裕が得られる範囲で最適化することが望ましい。本発明者による実験の結果、電流検出用抵抗器の値が3.3Ωのとき、双方のコンデンサ54、56を両方とも1μFとすることにより好ましい結果が得られた。
なお、チョッピング周波数が高いときは、C1の値を小さくすることが出来、その結果、C2も小さくすることができる。
図5は、制御ループの伝達特性のシミュレーション結果を示すグラフである。ステッピングモーターのインダクタンス成分が2.1mH、抵抗成分が1.4Ω、インダクタンス53が470μH、コンデンサ54が1μF、コンデンサ56が1μF、抵抗64が3.3Ωのときのシミュレーションである。
図5において、実線のカーブはループ利得、点線のカーブはループにおける位相を表す。位相が±180°となる周波数においてループ利得が1より十分小さく、またループ利得が1より大きい周波数において位相の±180°に対する差が十分大きいので、制御ループが安定である。
以上、本発明の実施例を開示したが、本発明には下記のような変形例も考えられる。実施例においてはチョッパ型のDC/DCコンバータ回路を使用する例を開示したが、本発明のモーター駆動回路においては、定電流制御可能な任意の形式のDC/DCコンバータ回路を採用可能である。また、実施例においては2極のステッピングモーターの場合を開示したが、この他の極数のステッピングモーターにおいても同様に本発明を適用可能である。
【0021】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のモーター駆動回路によれば、DC/DCコンバータ回路の出力端に接続された第1のコンデンサと共に、DC/DCコンバータ回路出力端と電流検出用抵抗器の接地されていない端子との間に接続された第2のコンデンサとを備えており、この第2のコンデンサからモーターのコイルに流れる放電電流は電流検出用抵抗器を通らずに流れる。そこで、第1のコンデンサと第2のコンデンサの値を適切に選択することにより、定電流駆動特性とフィードバック制御回路の安定性の双方の条件を満足させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のモーター駆動回路を採用した装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の駆動パルス発生回路22の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の駆動電流出力回路23の構成を示す回路図である。
【図4】本発明の駆動電流出力回路の要部の波形を示す波形図である。
【図5】制御ループの伝達特性のシミュレーション結果を示すグラフである。
【符号の説明】
10…PC、11…USBケーブル、20…モーター駆動装置、21…USBインターフェイス回路、22…駆動パルス発生回路、23…駆動電流出力回路、30…ステッピングモーター
Claims (2)
- スイッチング素子、インダクタンス素子、制御回路および出力端と接地間に接続された第1のコンデンサを含むDC/DCコンバータ回路と、
前記DC/DCコンバータ回路の出力電流に基づき所望の極性でモーターのコイルを駆動するブリッジ型のスイッチング回路と、
前記スイッチング回路と接地間に接続された電流検出用の抵抗器と、
DC/DCコンバータ回路出力端と前記抵抗器の接地されていない端子との間に接続された第2のコンデンサと
を備えたことを特徴とするモーター駆動回路。 - 前記第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの容量比が1:2から2:1の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載されたモーター駆動回路。
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JP2003079780A JP2004289946A (ja) | 2003-03-24 | 2003-03-24 | モーター駆動回路 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008141882A (ja) * | 2006-12-04 | 2008-06-19 | Melec:Cc | ステッピングモータの複数軸同期駆動回路 |
CN109474214A (zh) * | 2018-12-29 | 2019-03-15 | 深圳市冠辰科技有限公司 | 一种usb接口兼容不同模块实现电机控制的系统及其方法 |
JP7352967B2 (ja) | 2020-11-06 | 2023-09-29 | 株式会社メレック | 駆動装置 |
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2003
- 2003-03-24 JP JP2003079780A patent/JP2004289946A/ja active Pending
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