JP2004288697A - 固体撮像装置、固体撮像装置の駆動方法およびカメラ - Google Patents

固体撮像装置、固体撮像装置の駆動方法およびカメラ Download PDF

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Abstract

【課題】低電圧動作でもブート電圧を低下させないNMOSダイナミック回路による双方向シフトレジスタを備えた固体撮像装置を提供する。
【解決手段】ダイナミックロジック回路により形成され、二次元に配列された撮像素子の行又は列を順次選択する双方向シフトレジスタを有する固体撮像装置であって、前記双方向シフトレジスタは、信号を保持する複数段の単位レジスタResと、各単位レジスタに信号を入力するトランジスタTr6と、順方向シフトモードにおいてトランジスタTr6に前段の単位レジスタResの出力信号Nextを伝達するトランジスタTr4と、逆方向シフトモードにおいてトランジスタTr6に後段の単位レジスタResの出力信号Nextを伝達するトランジスタTr5とを有する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
ダイナミック型シフトレジスタを含むMOS型固体撮像装置に関し、特に走査方向を反転するダイナミック型シフトレジスタの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、固体撮像装置の一つとして、増幅型MOSセンサを用いた固体撮像装置が注目されている。この固体撮像装置は、画素を表す各セル毎にフォトダイオードで検出した信号をトランジスタで増幅するものであり、高感度という特徴を持つ。
【0003】
このような固体撮像装置では、二次元に配列された画素を有する撮像素子を水平走査又は垂直走査する回路としてダイナミック型シフトレジスタが用いられ、回路の簡素化、高密度化及び低消費電力化を図っている。
【0004】
図7は、従来の一般的な固体撮像装置の概略構成を示すブロック図である。この固体撮像装置は、二次元に配列された画素を有する撮像部61と、撮像部61の一行を選択するための行選択信号を出力するシフトレジスタ62と、選択された行内の一画素するための画素選択信号を出力するシフトレジスタ63と、選択された画素から画素信号を取り出す画素処理部64と、取り出された画素信号を増幅するプリアンプ65とを備える。
【0005】
シフトレジスタ63は、通常は画素を左から右へ一方向に走査するのが一般的である。これに対して、左右反転させた画像を得るために双方向に走査することを可能にする技術が特許文献1に開示されている。
【0006】
図8は、特許文献1等の従来技術における双方向に走査可能なダイナミック型シフトレジスタの部分的な構成を示すブロック図である。
同図において、Res1、Res2・・・(何れか1つを指す場合はResと略す)は、入力信号Inの論理値をクロック信号Clkに同期して内部に記憶し、記憶した論理値を出力信号Out及び出力信号Nextとして出力する単位レジスタである。Tr4−1、Tr4−2・・・(同Tr4)はそれぞれ通常動作(右シフト)モードでオンになるトランジスタであり、単位レジスタRes(N)の保持値を単位レジスタRes(N+1)に伝える。Tr5−1、Tr5−2・・・(同Tr5)はそれぞれ反転動作(左シフト)モードでオンになるトランジスタであり、単位レジスタRes(N)の保持値を単位レジスタRes(N−1)に伝える。
【0007】
また、図中のNorm信号及びRev信号は、外部から通常動作モードか反転動作モードかを指定するための信号であり何れか一方がハイレベルに指定される。通常動作モードではNorm号がハイレベル、反転動作モードではRev信号がハイレベルである。
【0008】
図9(a)は、右にシフトする通常動作を示すタイムチャートである。同図において、Clk1信号及びClk2信号はシフト動作の基準となる二相クロック信号である。Clk1信号は奇数番目の単位レジスタに、Clk2信号は偶数番目の単位レジスタに入力される。これにより、奇数番目の単位レジスタと偶数番目の単位レジスタとが交互に動作する。
【0009】
まず、単位レジスタRes1は、Clk1信号(図中▲1▼)に同期して、ハイレベル状態の入力信号In1を昇圧して(ブートと呼ぶ)内部に保持する(同▲2▼)。これと同時に画素選択信号としてOut1信号を出力し(同▲3▼)、Next1信号をハイレベルにする。このとき、Clk1信号が入力された他の奇数番目の単位レジスタは、その入力がローレベル(又はハイインピーダンス状態)であり、内部にハイレベルを取り込まない。
【0010】
通常モードでは、Next1信号のハイレベルはトランジスタTr4−1を介して単位レジスタRes2の入力信号In2として単位レジスタRes2に入力される。
次に、単位レジスタRes2は、Clk2信号(図中▲4▼)に同期してハイレベル状態である入力信号In2(Next1でもある)をブートして内部に保持する(同▲5▼)と同時に画素選択信号としてOut2を出力し(同▲6▼)、Next2信号をハイレベルにする。このとき、Clk2信号が入力された他の偶数番目の単位レジスタは、その入力がローレベル(又はハイインピーダンス状態)であり、内部にハイレベルを取り込まない。
【0011】
このように通常動作では、左から右にOut1、Out2、Out3・・・を順に出力する。
図9(b)は、左シフトする反転動作モードを示すタイムチャートである。反転動作モードでは、トランジスタTr4群ではなくトランジスタTr5群がオンになっている。これにより、各単位レジスタのNext(N)信号は左の単位レジスタのIn(N−1)信号に入力される。その結果、同図(b)では、同図(a)とは異なり、In3、In2、In1の順に単位レジスタ内部にハイレベルが保持され、Out3、Out2、Out1の順に画素選択信号が出力される。
【0012】
図10(a)は、単位レジスタの構成を示す回路図である。同図のように単位レジスタは、NMOS型トランジスタTr1、Tr2、キャパシタC1からなる。入力信号Inがハイレベルである場合の単位レジスタの動作説明図を図10(b)に示す。入力信号Inがハイレベルであるので、クロック信号Clkの立ち上がり(図中▲1▼)の前に、トランジスタTr1のゲート容量及びキャパシタC1の電位によってトランジスタTr1のゲート電極は既にハイレベルになっている。この状態で、クロック信号Clkがローレベルからハイレベルに立ち上がると、トランジスタTr1のゲート電圧InがキャパシタC1を介してブートされる(同▲2▼)。また、トランジスタTr1はゲートにハイレベルよりも高電圧が印加されることから、ゲート下のポテンシャルがクロック(clk)のハイレベル以上になり、Out信号にClk信号のハイレベルが出力される(同▲3▼)。Clk信号が立ち下がると、Out信号にClk信号のローレベルが出力される。このとき、Next信号は、一方向性トランジスタTr2のゲート容量にハイレベルが保持されているので、Clk信号が立ち下がった後もハイレベルを出力する。
【0013】
一方、入力信号Inがローレベル(又はフローティング)である場合にはブートトランジスタTr1がオンしないので、クロック信号Clkが入力されても、Out信号、Next信号は何れもローレベル(又はフローティング)のままである。
【0014】
なお、キャパシタC1は、次段のOut出力によってローレベルにリセットされる。図8の示したブロック図では、キャパシタC1をリセットする回路を省略している。
【0015】
このように、従来の双方向シフトレジスタは、単位レジスタは2つのNMOSトランジスタと1つのキャパシタという簡素なダイナミックロジック回路により構成される。
【0016】
【特許文献1】
特開昭64−44178号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術おける双方向シフトレジスタによれば通常動作モードと反転動作モードとを選択可能にするために単位レジスタ毎にトランジスタTr4とトランジスタTr5とを備えることから、図10(a)に示した入力信号In(トランジスタTr1のゲートとキャパシタC1への入力)の浮遊容量が大きくなり、NMOSダイナックロジック回路で形成されるシフトレジスタの安定動作に不可欠であるブート電圧が低下するという問題がある。この場合の入力Inに対する浮遊容量としては、トランジスタTr4とトランジスタTr5のそれぞれの容量成分と、その配線における浮遊容量である。
【0018】
特に、近年のカメラ付き携帯電話機やデジタルカメラなどにおける電源の低電圧化に伴って、NMOSダイナミックロジック回路の動作電圧マージンが少なくなっている。低電圧で動作する固体撮像装置においてはブート電圧低下の問題はより顕著になる。上記シフトレジスタは数百〜数千のオーダの段数を有するので、ブート電圧の低下は後段になるほど蓄積されて選択信号が出力されなくなる可能性がある。そうなれば、例えば、画像におけるある行またはある列以降における画素が真っ黒になる等の動作不良につながる。また、
上記問題に鑑み本発明は、低電圧動作でもブート電圧を低下させないNMOSダイナミック回路による双方向シフトレジスタを備えた固体撮像装置、固体撮像装置の方法及びカメラを提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明の固体撮像装置は、ダイナミックロジック回路により形成され、二次元に配列された撮像素子の行又は列を順次選択する双方向シフトレジスタを有する固体撮像装置であって、前記双方向シフトレジスタは、信号を保持する複数段の単位レジスタと、各単位レジスタに信号を入力する第1トランジスタと、順方向シフトモードにおいて第1トランジスタによって信号が伝達される単位レジスタの順方向での前段の単位レジスタの出力信号を当該第1トランジスタに伝達する第2トランジスタと、逆方向シフトモードにおいて第1トランジスタによって信号が伝達される単位レジスタの順方向での後段の単位レジスタの出力信号を当該第1トランジスタに伝達する第3トランジスタとを有する。
【0020】
この構成によれば、単位レジスタへの入力信号は順方向モードと逆方向モードの何れの場合であっても、必ず第1トランジスタを介して入力されるので、単位レジスタの入力における浮遊容量は、第1トランジスタの容量成分のみとなる。これにより、第2トランジスタの容量成分と、第3トランジスタの容量成分と、後段の単位レジスタから第3トランジスタを介して引き回される配線の浮遊容量とが、単位レジスタの入力負荷となることを解消しているので、入力負荷を小さくしている。単位レジスタ内におけるブート電圧が上記入力負荷により低下することを防止することができるという効果がある。加えて、低電源電圧で固体撮像素子が駆動される場合でもブート電圧を確保することができるので、電源電圧の低電圧化に適しているという効果がある。
【0021】
ここで、前記複数段の単位レジスタ中の奇数番目の各単位レジスタと、偶数番目の単位レジスタとは、位相が異なる第1クロック信号と第2クロック信号により交互に動作し、前記各第1トランジスタは、第1クロック信号及び第2クロック信号のうち、信号入力先の単位レジスタのクロック信号とは異なるクロック信号によりオンするように構成してもよい。
【0022】
この構成によれば、単位レジスタの動作時(ブート時)には第1トランジスタがオフになっているので、第1トランジスタのゲートによる容量成分が入力負荷となることをも防止することができる。
【0023】
ここで、前記各第1トランジスタは常時オンであるように構成してもよい。
この構成によれば、単位レジスタの動作時(ブート時)には第1トランジスタがオンになっているので、第1トランジスタのゲートによる容量成分も入力負荷としてブート電圧に影響するが、第1トランジスタをクロック信号によりオンオフによる電力消費が発生しないので回路の低消費電力化を図り、第1トランジスタへのクロック信号の配線が不要なので回路の簡素化を図ることができる。
【0024】
また、本発明の固体撮像装置の駆動方法及びカメラも上記と同様の手段、作用、効果を有する。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の形態におけるシフトレジスタの構成を示すブロック図である。このシフトレジスタは、図6のような固体撮像装置を備えるカメラにおいて、行選択信号を出力するシフトレジスタ62、画素選択信号を出力するシフトレジスタ63の何れか、又は両者として備えられる。
【0026】
図1のようにシフトレジスタは、単位レジスタRes1、Res2、・・・と、トランジスタTr4−1、Tr4−2・・・(何れか1つを指す場合はTr4と略す)と、トランジスタTr5−1、Tr5−2・・・(同Tr5)と、トランジスタTr6−1、Tr6−2・・・(同Tr6)とを備え、トランジスタTr6を単位レジスタResの入力Inの直前に備えることにより、入力Inの浮遊容量の低減を図っている。
【0027】
単位レジスタResは、入力信号Inの論理値をクロック信号Clkに同期して内部に記憶し、記憶した論理値を出力信号Out及び出力信号Nextとして出力する。ここで論理値はハイレベルとフローティングの2状態の何れか又はハイレベルとローレベルの2つの状態の何れかである。ただし、入力信号Inの現れる電圧は、単位レジスタ内部でブートされるので一時的にハイレベルよりも高電圧になる。単位レジスタresの個々の構成は図10(a)に示した構成と同じであり、内部動作タイミングも図10(b)と同じであるので説明を省略する。
【0028】
トランジスタTr4は、それぞれ通常動作(順方向シフト)モードでオンになるトランジスタであり、左からN番目の単位レジスタResNから出力される論理値を(N+1)番目の単位レジスタRes(N+1)に伝える。
【0029】
トランジスタTr5は、それぞれ反転動作(逆方向シフト)モードでオンになるトランジスタであり、単位レジスタResNから出力される論理値を単位レジスタRes(N−1)に伝える。
【0030】
トランジスタTr6は、それぞれ単位レジスタの入力InとトランジスタTr4及びTr5との間に設けられ、当該単位レジスタのシフト動作の前にオンになりシフト動作時はオフになるように、当該単位レジスタの動作クロックとは逆相のクロック信号によりオンオフする。
【0031】
図中のNorm信号及びRev信号は、外部から通常動作モードか反転動作モードかを指定するための信号であり何れか一方がH(ハイ)レベルに指定される。通常動作モードではNorm信号がハイレベル、反転動作モードではRev信号がハイレベルである。
【0032】
Clk1信号は、Clk2信号は、位相が異なるクロック信号であり(図2(a)、(b)参照)、奇数番目の各単位レジスタと偶数番目の各単位レジスタとが交互に入力信号を取り込む動作をするように供給される。そんため、Clk1信号は奇数番目の各単位レジスタに供給され、Clk2信号は偶数番目の各単位レジスタに供給されている。これに加えて、本実施形態では、Clk2信号は奇数番目の各単位レジスタ入力側のトランジスタTr6にも供給され、Clk1信号は偶数番目の各単位レジスタ入力側のトランジスタTr6にもに供給されている。これにより、各単位レジスタにおける入力信号の取り込み動作時にはトランジスタTr6がオフになり、トランジスタTr4及びトランジスタTr5による容量成分の負荷を遮断することに加えて、トランジスタTr6のゲート容量も単位レジスタ入力の負荷としてかからなくなる。
【0033】
なお、図10(a)に示したキャパシタC1は、次段のOut出力によってローレベルにリセットされる。図1の示したブロック図では、キャパシタC1をリセットする回路は本発明の主眼はないので省略している。
【0034】
図2(a)は、順方向シフトする通常動作を示すタイムチャートである。同図において、Clk1信号及びClk2信号はシフト動作の基準となる二相クロック信号である。順方向シフトする通常動作では、Norm信号、Rev信号は、ハイレベル、ローレベルにそれぞれ設定される。これにより、トランジスタTr4がオン状態に、トランジスタTr4がオフ状態になる。
【0035】
まず、単位レジスタRes1は、Clk1信号(例えば図中▲1▼)に同期して、ハイレベル状態の入力信号In1をブートして(昇圧して)内部に保持する(同▲2▼)。これと同時に画素選択信号としてOut1信号を出力し(同▲3▼)、Next1信号をハイレベルにする。上記Clk1信号の立ち上がりから立下りまでの期間、偶数番目のトランジスタTr6−2はオンになり(同▲2▼)、単位レジスタRes1のNext信号が単位レジスタRes2のIn入力に伝達される(同▲3▼)。これにより単位レジスタRes2内のキャパシタC1にハイレベルが入力され、Clk1が立下った後も保持される。
【0036】
このときの様子を図3に示す。同図のように、Clk1信号がハイレベルになり単位レジスタRes1の出力信号Next1が、トランジスタTr4−1及びトランジスタTr6−1を介して後段の単位レジスタRes2の入力信号In2として入力される。
【0037】
さらに、図2(a)において、Clk2信号が立ち上がると(同▲4▼)、単位レジスタRes2内のキャパシタC1に保持された信号はブートされ(同▲5▼)、単位レジスタRes2からOut2信号及びNext2信号が出力される。
【0038】
このときの様子を図4に示す。Clk2信号がハイレベルの期間は、トランジスタTr6−2がオフなので、このときの単位レジスタRes2入力における浮遊容量はトランジスタTr6−2の容量成分のみとなり、ブート電圧の低下を防止することになる。
【0039】
また、図2(b)は、逆方向シフトする反転動作を示すタイムチャートである。逆方向シフトする反転動作では、Norm信号、Rev信号は、ローレベル、ハイレベルにそれぞれ設定される。これにより、トランジスタTr4がオフ状態に、トランジスタTr4がオン状態になる。これにより、図2(a)におけるトランジスタTr4の代わりにトランジスタTr5を介して、順方向では後段の単位レジスタの出力信号Nextがその前段の単位レジスタの入力信号Inとして入力されることになる。その結果逆方向にシフトすることになる。ここで、「前段」とは一段上流側の単位レジスタをいう。「後段」とは信号の一段下流側の単位レジスタをいう。
【0040】
このような逆方向のシフト動作は、双方向シフトレジスタが固体撮像装置の行を選択する場合には、固体撮像装置は上下反転画像を出力することになる。例えば、カメラにおいて回転可能な表示パネルを有している場合に、表示パネルが正面方向を向いている場合は、順方向シフトによる通常動作モード、表示パネルが正面とは反対の方向を向いている場合は、逆方向シフトによる反転動作モードとして利用することができる。
【0041】
また、双方向シフトレジスタが固体撮像装置の列を選択する場合には、固体撮像装置は左右反転画像を出力することになる。例えば、カメラにおいてミラーの反射を介して撮影する場合などに利用することができる。
【0042】
以上説明してきたように本発明の実施形態におけるダイナミックNMOS型双方向シフトレジスタによれば、単位レジスタResへの入力信号は順方向モードと逆方向モードの何れの場合であっても、必ずトランジスタTr6を直前に介して入力されるので、単位レジスタResの入力Inにおける浮遊容量は、トランジスタTr6の容量成分のみとなる。これにより、トランジスタTr4の容量成分と、トランジスタTr5の容量成分と、後段の単位レジスタからトランジスタTr5を介して引き回される配線の浮遊容量とが、単位レジスタResの入力負荷となることを遮断しているので、単位レジスタRes入力の負荷容量を小さくしている。これにより単位レジスタRes内におけるブート電圧が上記入力負荷により低下することを防止することができる。加えて、低電源電圧で固体撮像素子が駆動される場合でもブート電圧を確保することができるので、電源電圧の低電圧化に適しているという効果がある。
【0043】
図5は、本発明の他の実施形態におけるダイナミックNMOS型双方向シフトレジスタの構成を示す図である。同図の双方向シフトレジスタは、図4に示したシフトレジスタと比較して、トランジスタTr6のゲートにクロック信号が入力される代わりに電源電圧VDDが印加されている点が異なっている。この構成によれば、各トランジスタTr6は、常にオン状態となる。単位レジスタresの動作時(ブート時)にはトランジスタTr6がオンになっているので、トランジスタTr6オン時容量成分が入力負荷となるが、2つのトランジスタTr4、トランジスタTr5の容量成分よりも小さい。
【0044】
図6(a)は図5のトランジスタTr6、同図(b)は図1のトランジスタTr6の容量についての説明図である。同図(a)(b)において、横軸の右は単位レジスタ内のキャパシタC1に、横軸の左はトランジスタTr4及びTr5に接続されている。縦軸は下方向にトランジスタTr6における電位及びブート電圧の大きさを表している。図中の黒塗りは浮遊容量を表している。白抜き部分はトランジスタ内のゲート電極により形成される電位の障壁の大きさを模式的に表している。
【0045】
同図(a)ではトランジスタTr6のゲートが電源電圧VDDであることからトランジスタがオンしている。単位レジスタの入力Inのキャパシタから見れば、黒塗りで示した容量Cfが負荷容量となる。
【0046】
同図(b)では、ブート時にトランジスタTr6がオフすることにより、黒塗りで示した浮遊容量Cfが障壁により遮断され、負荷容量としてもの影響がなくなる。
【0047】
このように、同図(b)の方がブート電圧の低下を防止する程度が優れているといえるが、同図(a)の方がクロック信号によりトランジスタTr6のオンオフによる電力消費が発生しない点と制御が不要である点で優れている。電源電圧がより低い場合は図1のシフトレジスタ、比較的高い場合は図5のシフトレジスタを採用する等適宜選択的に利用などの使い分けをすればよい。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、単位レジスタへの入力信号は順方向モードと逆方向モードの何れの場合であっても、単位レジスタの入力における浮遊容量は、第1トランジスタの容量成分のみとなり、単位レジスタ入力の負荷を小さくしている。これにより、単位レジスタ内におけるブート電圧が上記入力負荷により低下することを防止するという効果がある。加えて、低電源電圧で固体撮像素子が駆動される場合でもブート電圧を確保することができるので、電源電圧の低電圧化に適しているという効果がある。
【0049】
また、単位レジスタの動作時(ブート時)には第1トランジスタをオフにすれば、第1トランジスタのゲートによる容量成分が入力負荷となることをも防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるダイナミックNMOS型双方向シフトレジスタの構成を示すブロック図である。
【図2】(a)順方向シフトする通常動作を示すタイムチャートである。
(b)逆方向シフトする反転動作を示すタイムチャートである。
【図3】トランジスタTr6を介して、前段の信号を入力する様子を示す説明図である。
【図4】トランジスタTr6がオフのときの単位レジスタ内部のブートする様子を示す説明図である。
【図5】本発明の他の実施形態におけるダイナミックNMOS型双方向シフトレジスタの構成を示す図である。
【図6】(a)ブート時にトランジスタTr6がオンである場合の説明図である。
(b)ブート時にトランジスタTr6がオフである場合の説明図である。
【図7】従来の一般的な固体撮像装置の概略構成を示すブロック図である。
【図8】従来技術における双方向に走査可能なダイナミック型シフトレジスタの部分的な構成を示すブロック図である。
【図9】(a)右にシフトする通常動作を示すタイムチャートである。
(b)左にシフトする反転動作を示すタイムチャートである。
【図10】(a)単位レジスタの構成を示す回路図である。
(b)入力信号がハイレベルである場合の単位レジスタの動作説明図である。
【符号の説明】
61 撮像部
62 シフトレジスタ
63 シフトレジスタ
64 信号処理部
65 プリアンプ
Res 単位レジスタ
Tr1 トランジスタ
Tr2 トランジスタ
Tr4 トランジスタ
Tr5 トランジスタ
Tr6 トランジスタ
C1 キャパシタ

Claims (9)

  1. ダイナミックロジック回路により形成され、二次元に配列された撮像素子の行又は列を順次選択する双方向シフトレジスタを有する固体撮像装置であって、
    前記双方向シフトレジスタは、
    信号を保持する複数段の単位レジスタと、
    各単位レジスタに信号を伝達する第1トランジスタと、
    順方向シフトモードにおいて第1トランジスタによって信号が伝達される単位レジスタの順方向での前段の単位レジスタの出力信号を当該第1トランジスタに伝達する第2トランジスタと、
    逆方向シフトモードにおいて第1トランジスタによって信号が伝達される単位レジスタの順方向での後段の単位レジスタの出力信号を当該第1トランジスタに伝達する第3トランジスタと
    を有することを特徴とする固体撮像装置。
  2. 前記複数段の単位レジスタ中の奇数番目の各単位レジスタと、偶数番目の単位レジスタとは、位相が異なる第1クロック信号と第2クロック信号により交互に動作し、
    前記各第1トランジスタは、第1クロック信号及び第2クロック信号のうち、信号入力先の単位レジスタのクロック信号とは異なるクロック信号によりオンする
    ことを特徴とする請求項1記載の固体撮像装置。
  3. 前記各第1トランジスタは常時オンである
    ことを特徴とする請求項1記載の固体撮像装置。
  4. ダイナミックロジックにより形成され、二次元に配列された撮像素子の行又は列を順次選択する双方向シフトレジスタを有する固体撮像装置において反転画像と通常画像とを取得するための撮像素子の駆動方法であって、
    前記双方向シフトレジスタは、信号を保持する複数段の単位レジスタと、各単位レジスタに信号を伝達する第1トランジスタと、順方向シフトモードにおいて第1トランジスタによって信号が伝達される単位レジスタの順方向での前段の単位レジスタの出力信号を当該第1トランジスタに伝達する第2トランジスタと、逆方向シフトモードにおいて第1トランジスタによって信号が伝達される単位レジスタの順方向での後段の単位レジスタの出力信号を当該第1トランジスタに伝達する第3トランジスタとを有し、
    前記駆動方法は、
    反転画像取得モードにおいて各第2トランジスタをオフに各第3トランジスタをオンに設定し、通常画像取得モードにおいて各第2トランジスタをオンに各第3トランジスタをオフに設定する設定ステップと、
    第2及び第3トランジスタが設定された後前記双方向シフトレジスタをシフト動作させるシフトステップと
    を有することを特徴とする固体撮像装置の駆動方法。
  5. 前記シフトステップにおいて、
    前記複数段の単位レジスタ中の奇数番目の各単位レジスタと、偶数番目の単位レジスタとは、第1クロック信号及び第2クロック信号により交互に動作させ、
    前記各第1トランジスタを、第1クロック信号及び第2クロック信号のうち、信号入力先の単位レジスタの動作クロックとは異なるクロック信号によりオンする
    ことを特徴とする請求項4記載の固体撮像装置の駆動方法。
  6. 前記シフトステップにおいて、前記各第1トランジスタを常時オンにする
    ことを特徴とする請求項4記載の固体撮像装置の駆動方法。
  7. ダイナミックロジックにより形成され、二次元に配列された撮像素子の行又は列を順次選択する双方向シフトレジスタを有する固体撮像装置を備えるカメラであって、
    前記双方向シフトレジスタは、
    信号を保持する複数段の単位レジスタと、
    各単位レジスタに信号を伝達する第1トランジスタと、
    順方向シフトモードにおいて第1トランジスタによって信号が伝達される単位レジスタの順方向での前段の単位レジスタの出力信号を当該第1トランジスタに伝達する第2トランジスタと、
    逆方向シフトモードにおいて第1トランジスタによって信号が伝達される単位レジスタの順方向での後段の単位レジスタの出力信号を当該第1トランジスタに伝達する第3トランジスタと
    を有することを特徴とするカメラ。
  8. 前記複数段の単位レジスタ中の奇数番目の各単位レジスタと、偶数番目の単位レジスタとは、第1クロック信号及び第2クロック信号により交互に動作し、
    前記各第1トランジスタは、第1クロック信号及び第2クロック信号のうち、信号入力先の単位レジスタの動作クロックとは異なるクロック信号によりオンする
    ことを特徴とする請求項7記載のカメラ。
  9. 前記各第1トランジスタは常時オンである
    ことを特徴とする請求項7記載のカメラ。
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