JP2004288684A - 金属酸化膜の製造方法および容量素子の製造方法 - Google Patents

金属酸化膜の製造方法および容量素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】所望の金属組成比をもった金属酸化膜を有機金属気相成長法で精度良く形成する方法を提供する。
【解決手段】アルカリ金属またはアルカリ土類金属とそれ以外の金属を構成要素としてもつ金属酸化膜を有機金属気相成長法で製造するに際し、所定量よりも多いアルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む金属酸化膜をこの金属酸化膜の結晶化温度より低い温度で支持基板上に成膜後、この金属酸化膜を水を主成分とする洗浄液で洗浄して所定量よりも多いアルカリ金属またはアルカリ土類金属を溶出させることで所定の金属組成比にする。この方法により金属組成比の制御の難しい有機金属気相成長法を用いながらも工業的に容易な方法で組成制御が可能になる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、特に所定の金属組成比をもった強誘電体膜を有機金属気相成長法で形成する金属酸化膜の製造方法および容量素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年デジタル技術の進展に伴い、大容量のデータを処理、保存する傾向が推進される中で電子機器が一段と高度化し、使用される半導体装置もその半導体素子の微細化が急速に進んできている。それに伴ってダイナミックRAM(Random Access Memory )の高集積化を実現するために、従来の珪素酸化物または窒化物の代わりに高誘電率を有する誘電体(以下、高誘電体と呼ぶ)を記憶容量素子の容量膜として用いる技術が広く研究開発されている。さらに従来にない低電圧動作かつ高速書き込み読み出し可能な不揮発性RAMの実用化を目指し、自発分極特性を有する強誘電体を用いたFeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)に関する研究開発が盛んに行われている。
【0003】
不揮発性RAMに用いる強誘電体としては、ペロブスカイト構造やビスマス層状構造の強誘電体がよく用いられる。ペロブスカイト構造は以下の化学式(式1)で表され一般によく用いられる。
【0004】
ABO …(式1)
A:1,2,3価の金属
B:4,5,6価の金属
またビスマス層状構造は以下の化学式(式2)で表される。
【0005】
(Bi)(Am−13m+1) …(式2)
m=1,2,3・・・
A:1,2,3価の金属
B:4,5,6価の金属
この構造は、酸化ビスマス層Biと擬ペロブスカイト層Am−13m+1が交互に積層した構造になっており、書き換え耐性に優れ、低電圧動作可能な有望な材料である。一般にビスマス層状構造からなる強誘電体は、少なくとも2種類以上の金属より構成されているため、良好な強誘電性を発現させるためにその金属組成比を正確に制御することが必要である。
【0006】
強誘電体薄膜の製造方法としては、CSD(Chemical Solution Deposition)法と気相成長法に大別される。CSD法とは、基板に溶液を直接塗布して熱処理を施すことで所定の膜を形成する方法で、溶液の種類によりMOD(Metal Organic Decomposition)法(有機金属熱分解法)やゾルゲル法等が存在する。また塗布の方法として通常よく用いられるスピンコートの他に、溶液を霧状にして塗布するLSMCD(Liquid Source Misted Chemical Deposition)法がある。一方、気相成長法には、スパッタ法、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法(有機金属気相成長法)等がある。
【0007】
従来は、CSD法が一般に用いられてきた。CSD法の利点は、溶液中の金属組成比と最終の膜での金属組成比がほぼ同じになるので組成制御性が容易に行えることである。ところがメモリの高集積化を進めるには、立体型キャパシタを形成する必要があり、このため良好な段差被覆性が要求されるが、CSD法はこの点で不利である。そこで段差被覆性の優れたMOCVD法の開発が期待されている。
【0008】
MOCVD法は、液相あるいは固相の有機金属化合物を加熱により気化し、基板表面まで気相で輸送した後、高温の基板表面で熱分解させることにより金属または金属酸化物を堆積させる方法である。強誘電体のような2元系以上の材料を成膜する場合、それぞれの金属の有機化合物を供給源として用意し、ガス供給量を個別に制御することで所定の金属組成を得る方法が一般的である。
【0009】
しかしこの方法によると組成制御性がよくなる代わりに供給律速(堆積速度が基板温度ではなくガス供給量に依存する状態)での堆積になる。したがって、深い段差のある基板ではガス供給の多い凸部では堆積速度が速くなり、ガス供給の少ない凹部では堆積速度が遅くなるため、段差被覆性が悪くなる。一方、段差被覆性を良くするには反応律速(堆積速度がガス供給量ではなく基板温度に依存する状態)での堆積にすればよいが、今度は逆に組成制御性が難しくなる。
【0010】
また、金属組成比を変化させるには、基板温度・圧力・酸素分圧等のパラメーターを変化させて各金属の堆積速度比を変化させればよいが、各金属の堆積速度は同様に変化するため堆積速度比の微調整はできるものの大きく変えることはできない。この堆積速度比を大きく変えるには、各有機金属化合物の有機基の種類を変える必要がある。しかし有機金属化合物には、低温で気化し、輸送中に熱分解せず、基板上で適切な速度で分解するという多くの条件が求められるため材料の選択が限られ、適切な材料が容易に得られないという課題があった。
【0011】
このような課題に対する対策の1つとしてダブルアルコキシドを用いてビスマス層状構造強誘電体を成膜する方法が検討されている(例えば、特許文献1)。この方法は、A,Bに相当する金属を含む金属アルコキシド化合物を用いることで、従来少なくとも3種類必要だった原料ガスの種類を最低2種類までに減らすことができ組成制御が容易になる。
【0012】
【特許文献1】
特開平9−301716号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のダブルアルコキシドによる方法を用いてもなお2種類のガスを必要とするため、ビスマスとの組成比を制御することが難しい。また金属アルコキシド化合物中のA:Bの比が1:2であるため、逆に1:2からずれた組成にすることが難しくなるなどの課題があった。
【0014】
したがって、この発明の目的は、上記のような課題を鑑みてなされたもので、所定の金属組成比をもった強誘電体膜を有機金属気相成長法で精度良く製造することができる金属酸化膜の製造方法および容量素子の製造方法を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためにこの発明の請求項1記載の金属酸化膜の製造方法は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属と、前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属以外の金属とを含む金属酸化膜の製造方法であって、前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属を所望の組成比率よりも高い比率で含む前記金属酸化膜を支持基板上に成膜する第1工程と、水を主成分とする洗浄液で前記金属酸化膜を洗浄し、前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属における前記所望の組成比率よりも高い比率分に相当する量を溶出させて前記金属酸化膜を所望の金属組成比に制御する第2工程とを含む。
【0016】
このように、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を所望の組成比率よりも高い比率で含む金属酸化膜においてアルカリ金属またはアルカリ土類金属のみを水により溶出させ、水に溶けない他の金属に対して組成比を自由に変えることができるので工業的に容易な手法で組成制御を可能とする。
【0017】
請求項2記載の金属酸化膜の製造方法は、請求項1記載の金属酸化膜の製造方法において前記第1工程が、有機金属気相成長法により成膜する工程である。このように、段差被覆性は優れているが組成制御の困難な有機金属気相成長法を用いても、工業的に容易な手法で組成制御を可能とする。
【0018】
請求項3記載の金属酸化膜の製造方法は、請求項1,2記載の金属酸化膜の製造方法において前記第1工程が、前記金属酸化膜を該金属酸化膜の結晶化温度より低い温度で成膜する工程である。このように結晶化温度より低い温度にすることで、前記金属酸化膜が熱的に不安定なフルオライト相や非晶質相になることと、前記金属酸化膜中に膜中に未反応の有機成分やボイド等が残存するので、水による溶解が容易に起こり組成制御が可能となる。
【0019】
請求項4記載の金属酸化膜の製造方法は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属と、前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属以外の金属とを含む金属酸化膜の製造方法であって、前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属を所望の組成比率よりも高い比率で含む第1の前記金属酸化膜を支持基板上に成膜する第1工程と、水を主成分とする洗浄液で前記第1の金属酸化膜を洗浄し、前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属を完全に溶出させる第2工程と、前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属を所望の組成比率よりも高い比率で含む第2の前記金属酸化膜を前記第1の金属酸化膜上に成膜する第3工程と、前記支持基板を前記第1または第2の金属酸化膜の結晶化温度のうちいずれか高い方の結晶化温度以上の温度で熱処理して前記第1および第2の金属酸化膜を所望の金属組成比に制御する第4工程とを含む。
【0020】
このように、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を所望の組成比率よりも高い比率で含む第1の金属酸化膜を支持基板上に成膜する第1工程と、水を主成分とする洗浄液で第1の金属酸化膜を洗浄し、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を完全に溶出させる第2工程と、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を所望の組成比率よりも高い比率で含む第2の金属酸化膜を第1の金属酸化膜上に成膜する第3工程と、支持基板を第1または第2の金属酸化膜の結晶化温度のうちいずれか高い方の結晶化温度以上の温度で熱処理して第1および第2の金属酸化膜を所望の金属組成比に制御する第4工程とを含むので、請求項1と同様に工業的に容易な手法で組成制御を可能とする。また、洗浄工程での組成ばらつきを低減でき、良好な組成均一性を得ることができる。
【0021】
請求項5記載の金属酸化膜の製造方法は、請求項3記載の金属酸化膜の製造方法において前記第1および第3工程のうち少なくとも一方が、前記金属酸化膜を有機金属気相成長法により成膜する工程である。このように、段差被覆性は優れているが組成制御の困難な有機金属気相成長法を用いても、工業的に容易な手法で組成制御を可能とする。
【0022】
請求項6記載の金属酸化膜の製造方法は、請求項4,5記載の金属酸化膜の製造方法において前記第1工程が、前記第1の金属酸化膜を該第1の金属酸化膜の結晶化温度より低い温度で成膜する工程である。このように結晶化温度より低い温度にすることで、前記金属酸化膜が熱的に不安定なフルオライト相や非晶質相になることと、前記金属酸化膜中に膜中に未反応の有機成分やボイド等が残存するので、水による溶解が容易に起こり組成制御が可能となる。
【0023】
請求項7記載の金属酸化膜の製造方法は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属と、前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属以外の金属とを含む金属酸化膜の製造方法であって、前記金属酸化膜を前記支持基板上に成膜する第1工程と、水を主成分とする洗浄液で前記金属酸化膜を洗浄し、前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属の一部分を溶出させる第2工程と、前記支持基板を前記金属酸化膜の結晶化温度以上の温度で熱処理する第3工程とを含み、前記第1工程から第3工程を所定回数繰り返して前記金属酸化膜を所望の金属組成比に制御する。
【0024】
このように、金属酸化膜を支持基板上に成膜する第1工程と、水を主成分とする洗浄液で金属酸化膜を洗浄し、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の一部分を溶出させる第2工程と、支持基板を金属酸化膜の結晶化温度以上の温度で熱処理する第3工程とを含み、第1工程から第3工程を所定回数繰り返して金属酸化膜を所望の金属組成比に制御するので、請求項1と同様に工業的に容易な手法で組成制御を可能とする。また、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度勾配を形成でき、望ましい特性を得ることができる。すなわち、成膜・洗浄・成膜の途中で意図的に熱処理を加えることで、膜中に残存する未反応の有機成分やボイド等がなくなり緻密化するので金属の拡散が生じにくくなる。したがって、膜の深さ方向にアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度分布を形成することができる。
【0025】
請求項8記載の金属酸化膜の製造方法は、請求項7記載の金属酸化膜の製造方法において前記第1工程が、前記金属酸化膜を有機金属気相成長法により成膜する工程である。このように、段差被覆性は優れているが組成制御の困難な有機金属気相成長法を用いても、工業的に容易な手法で組成制御を可能とする。
【0026】
請求項9記載の金属酸化膜の製造方法は、請求項6,7記載の金属酸化膜の製造方法において前記第1工程が、前記金属酸化膜を該金属酸化膜の結晶化温度より低い温度で成膜する工程である。このように結晶化温度より低い温度にすることで、前記金属酸化膜が熱的に不安定なフルオライト相や非晶質相になることと、前記金属酸化膜中に膜中に未反応の有機成分やボイド等が残存するので、水による溶解が容易に起こり組成制御が可能となる。
【0027】
請求項10記載の金属酸化膜の製造方法は、請求項2,5または8記載の金属酸化膜の製造方法において、前記金属酸化膜を有機金属気相成長法で成膜する際、前記金属酸化膜を反応律速条件下で成膜する。このように、金属酸化膜を反応律速条件下で成膜するので、金属酸化膜の段差被覆性を向上することができる。
【0028】
請求項11記載の金属酸化膜の製造方法は、請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9または10記載の金属酸化膜の製造方法において、前記金属酸化膜が、Aをアルカリ土類金属、Bを5価の金属として、(Bi)(AB)で表されるビスマス層状構造強誘電体である。このようにすることにより、書き換え特性に優れたビスマス層状構造強誘電体を形成することができる。
【0029】
請求項12記載の金属酸化膜の製造方法は、請求項11記載の金属酸化膜の製造方法において、前記ビスマス層状構造強誘電体を有機金属気相成長法で成膜する際、アルカリ土類金属Aおよび5価の金属Bを含む金属ダブルアルコキシド化合物および有機ビスマスを原料ガスに用いる。このように、ビスマス層状構造強誘電体を有機金属気相成長法で成膜する際、アルカリ土類金属Aおよび5価の金属Bを含む金属ダブルアルコキシド化合物および有機ビスマスを原料ガスに用いるので、アルカリ土類金属Aと5価の金属Bの組成比をより正確にすることができる。
【0030】
請求項13記載の金属酸化膜の製造方法は、請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11または12記載の金属酸化膜の製造方法において、前記水を主成分とする洗浄液が、酸化剤、還元剤、酸またはアルカリのうち少なくとも一つを含む。このように、水を主成分とする洗浄液が、酸化剤、還元剤、酸またはアルカリのうち少なくとも一つを含むので、反応を促進でき洗浄にかかる時間を短縮できる。
【0031】
請求項14記載の金属酸化膜の製造方法は、請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12または13記載の金属酸化膜の製造方法において、前記水を主成分とする洗浄液で洗浄する際に超音波を加える。このように、水を主成分とする洗浄液で洗浄する際に超音波を加えるので、反応を促進でき洗浄にかかる時間を短縮できる。
【0032】
請求項15記載の容量素子の製造方法は、請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13または14記載の金属酸化膜の製造方法を用いて金属酸化膜を支持基板である下部電極上に形成する工程と、前記金属酸化膜上に上部電極を形成する工程とを含む。このように、請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13または14記載の金属酸化膜の製造方法を用いて金属酸化膜を支持基板である下部電極上に形成する工程と、金属酸化膜上に上部電極を形成する工程とを含むので、容量膜の段差被覆性と組成制御性を改善でき、良好な特性をもった立体型の容量素子を得ることが出来る。
【0033】
【発明の実施の形態】
この発明の第1の実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。
【0034】
本発明の実施形態の金属酸化膜の製造方法は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属とそれ以外の金属を含む金属酸化膜を対象としている。ここでアルカリ金属とはNa、K等のIa族元素であり、アルカリ土類金属とはCa、Sr、Ba等のIIa族元素である。また金属酸化膜とは具体的に、BaTiO、SrTiO、(Ba1−xSr)TiO(0<x<1、通称BST)等のペロブスカイト構造、SrBiTa(通称SBT)、SrBiNb(通称SBN)、SrBi(Ta1−xNb(0<x<1、通称SBTN)等のビスマス層状構造強誘電体膜である。
【0035】
アルカリ金属またはアルカリ土類金属は水酸化物を形成するため容易に水に溶解することが知られている。この性質を利用すれば、金属酸化膜においてアルカリ金属またはアルカリ土類金属のみを水により溶出させ、水に溶けない他の金属に対して組成比を自由に変えることができる。以下この原理を利用した組成制御の方法について説明する。なおここではアルカリ金属またはアルカリ土類金属をA、それ以外の金属をBと呼ぶことにする。
【0036】
金属酸化膜の原料としてA,Bそれぞれの有機金属化合物を用意する。有機金属化合物の選び方としては、成膜直後の膜において所定の組成よりもAの比が多くなるようにする。ここで所定の組成とは、必要な電気特性等が得られる組成のことである。例えばBaTiOだとBa:Ti=1:1が望ましい。また有機金属化合物の種類は、有機金属の熱分解温度に着目して選べばよい。例えばある金属の量を多くしたい場合、熱分解温度の低い材料を選ぶ。これらの原料はそれぞれ独立して気化して輸送してもよいし、共通の溶液に溶解して同時に気化・輸送してもよい。
【0037】
基板温度は堆積が可能な範囲でできるだけ低い温度に設定するのが望ましい。その理由の一つは、基板温度を低温にすると反応律速での成膜になり良好な段差被覆性が得られるからである。なお反応律速条件では前述したように組成比を自由に変えることが困難になるが、逆にいうと本願発明の利点が十分発揮できる条件である。もう一つの理由は、実際に溶出を行うには低温で形成した膜が望ましい。十分な高温で成膜すると熱的に安定なペロブスカイト構造やビスマス層状構造結晶が形成されるため、水による溶解がほとんど生じなくなるからである。逆に低温で成膜すると、熱的に不安定なフルオライト相や非晶質相になることと、膜中に残存する未反応の有機成分やボイド等が原因で水による溶解が容易に起こる。
【0038】
水による溶解は、水槽を用いてのディップ洗浄やスピン洗浄等により行う。洗浄液としては純水を用いるが、洗浄は基本的には純水を用いるが、オゾン、水素、フッ酸、アンモニア等の酸化剤・還元剤・酸・アンモニアを少量添加して反応を促進してもよい。また洗浄中に超音波を加えたり、液温を70℃〜90℃に加熱して反応を促進してもよい。洗浄時間はAが溶出してA:Bが所定の比になる時間に設定する。
【0039】
この後、炉やRTA(Rapid Thermal Anneal)装置を用いて結晶化温度以上で処理することにより結晶化を行って最終的な金属酸化膜が得られる。なお、後述の実施形態に示すように結晶化の前に成膜・洗浄を任意の組み合わせで繰り返し行ってもよい。また結晶化の工程は必ずしも、水による溶解を行った直後でなくてもよい。例えば容量素子を形成する場合は、上部電極を形成してから行ってもよいし、それ以降の工程で行ってもよいし、上部電極形成前に仮焼結を行った後、上部電極形成後の工程で結晶化を行ってもよい。
【0040】
以上、有機金属気相成長法を前提として説明を行ったが、MOD法やゾルゲル法などのCSD法を用いても同様の効果が得られる。またスパッタ法などの他の気相成長法を用いてもよい。
【0041】
以下、本発明のSBT等の金属酸化膜の製造方法に関する実施の形態について具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0042】
この実施形態の金属酸化膜の製造方法は、支持基板上に、アルカリ金属またはアルカリ土類金属Aと、アルカリ金属またはアルカリ土類金属以外の金属Bとを含む金属酸化膜を有機金属気相成長法で成膜する際、アルカリ金属またはアルカリ土類金属Aを所望の組成比率よりも高い比率で含む金属酸化膜を、金属酸化膜の結晶化温度より低い温度で支持基板上に成膜する第1工程と、水を主成分とする洗浄液で金属酸化膜を洗浄し、アルカリ金属またはアルカリ土類金属Aにおける所望の組成比率よりも高い比率分に相当する量を溶出させて金属酸化膜を所望の金属組成比に制御する第2工程とを含む。
【0043】
金属酸化膜は、従来の技術の式1に示したペロブスカイト構造や式2に示したビスマス構造であるが、ここではAをアルカリ土類金属、Bを5価の金属として、(Bi)(AB)で表されるビスマス層状構造強誘電体である。ビスマス層状構造強誘電体を有機金属気相成長法で成膜する際、金属Aおよび金属Bを含む金属ダブルアルコキシド化合物および有機ビスマスを原料ガスに用いる。原料として、SrとTaのダブルアルコキシドであるストロンチウム・ビス・タンタル・ペンタエトキシ・メトキシエトキシドSr[Ta(OC(OCOCH)]と、ビスマス・トリ・ターシャリー・アミロキシドBi(O−t−C11を準備する。各原料は気化器内にインジェクターから噴出させることにより霧状にした後、200℃に保持された気化器内でガス化させる。さらに原料ガスは、キャリアガスであるArと酸化剤である酸素と混合させシャワーヘッドを通じて基板表面に供給する。基板表面は300℃〜550℃に保持されており、原料ガスを熱分解させることで分解物を堆積させ膜を形成させる。
【0044】
得られた膜はスピン洗浄装置による洗浄を行う。ここで洗浄による各金属元素の変化を調べるため、洗浄前後でXPS分析を行った結果を図1に示す。試料とした膜は350℃で50nm形成したもので、洗浄溶液は純水のみ、液温は室温で洗浄を10分間行った。図より他の金属に対してSrは明らかに減少していることがわかる。これはSrがアルカリ土類金属であり、Sr(OH)の形で水に容易に溶解するからである。なおTa、Biについてはむしろ増加しているように見えるが、これはSrが減少したため相対的に増えたものであり、実際にはTa、Biも微量ではあるが多少溶解していると考えられる。
【0045】
ここでSBTの化学量論比組成はSr:Bi:Ta=1:2:2であるが、分極特性の観点から望ましい組成はSr:Bi:Ta=0.7〜0.9:2.1〜2.3:2の範囲内であり、仮にSr:Bi:Ta=1:0.8:2.2を目標値とするとSr:Ta=0.8:2すなわち2Sr/Ta=0.8にする必要がある。ところが本実施の形態で用いているSr−Taダブルアルコキシドは1分子中にSrとTaが1:2で含有することを特徴とし、形成された膜もほぼSr:Ta=1:2すなわち2Sr/Ta=1になる。したがって上記手順で成膜した膜から2Sr/Taを0.2減らす必要がある。
【0046】
図2にSr溶出量(2Sr/Taの減少量)の時間依存性を調べた結果を示す。この範囲内ではSr溶出量は処理時間にほぼ比例することがわかる。図より2Sr/Taを0.2減らすためには約5分間処理すればよいことがわかる。
【0047】
図3に2Sr/Ta溶出速度(1分間あたりの2Sr/Taの減少量)の基板温度依存性を示す。基板温度が高くなると溶出速度は遅くなり500℃より上ではほとんど溶出しなくなる。したがって最低限500℃以下での成膜が必要になる。またSr溶出量は、成膜時の基板温度によって変化するため基板温度に合わせて処理時間を設定する。
【0048】
この発明の第2の実施の形態について説明する。
【0049】
この実施形態の金属酸化膜の製造方法は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属Aと、アルカリ金属またはアルカリ土類金属以外の金属Bとを含む金属酸化膜を有機金属気相成長法で成膜する際、アルカリ金属またはアルカリ土類金属Aを所望の組成比率よりも高い比率で含む金属酸化膜として第1の金属酸化膜を、第1の金属酸化膜の結晶化温度より低い温度で支持基板上に成膜する第1工程と、水を主成分とする洗浄液で第1の金属酸化膜を洗浄し、アルカリ金属またはアルカリ土類金属Aを完全に溶出させる第2工程と、アルカリ金属またはアルカリ土類金属Aを所望の組成比率よりも高い比率で含む金属酸化膜として第2の金属酸化膜を、第2の金属酸化膜の結晶化温度より低い温度で第1の金属酸化膜上に成膜する第3工程と、第3の工程の後の支持基板を第2の金属酸化膜の結晶化温度以上の温度で熱処理して金属酸化膜を所望の金属組成比に制御する第4工程とを含む。
【0050】
第1の実施形態では洗浄処理時間により組成の制御を行ったが、Sr溶出量の面内での組成均一性をさらに向上させるため、第2の実施形態では2段階の成膜を用いることで組成制御を行う。まず第1の実施形態と同じ原料を用いて基板温度350℃でSBTを10nm成膜する。Sr−Taのダブルアルコキシドを用いているので得られた膜のSr:Ta比はやはり1:2すなわち2Sr/Ta=1になる。次に純水でのスピン洗浄を30分間行うことによりSr成分を完全に除去し、金属成分がBiとTaだけすなわち2Sr/Ta=0の膜にする。この膜の上にさらにSBTを、基板温度350℃で40nm成膜した。最後にRTA装置により800℃1分の熱処理を加えることで結晶化させる。RTA処理前は完全には緻密化していない状態なのでRTA処理中に金属原子の拡散が容易に生じ、最終的には組成の均一な膜が出来る。得られた膜の組成は、もともと2Sr/Ta=0が10nmで2Sr/Ta=1が40nmの割合で入っているので2Sr/Ta=0.8となり所望の組成比が得られる。
【0051】
以上、有機金属気相成長法を前提として説明を行ったが、MOD法やゾルゲル法などのCSD法を用いても同様の効果が得られる。またスパッタ法などの他の気相成長法を用いてもよい。
【0052】
この発明の第3の実施の形態について説明する。
【0053】
この実施形態の金属酸化膜の製造方法は、支持基板上に、アルカリ金属またはアルカリ土類金属と、アルカリ金属またはアルカリ土類金属以外の金属とを含む金属酸化膜を有機金属気相成長法で成膜する際、金属酸化膜の結晶化温度より低い温度で金属酸化膜を支持基板上に成膜する第1工程と、水を主成分とする洗浄液で金属酸化膜を洗浄し、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の一部分を溶出させる第2工程と、第2工程の後の支持基板を金属酸化膜の結晶化温度以上の温度で熱処理する第3工程とを含み、第1工程から第3工程を所定回数繰り返して金属酸化膜を所望の金属組成比に制御する。
【0054】
第2の実施形態では成膜・洗浄・成膜の間に熱処理を加えず、最後に熱処理することで組成の均一な膜を得た。第3の実施形態では途中で意図的に熱処理を加えることで最終的に組成が深さ方向に分布をもつ膜を形成する。
【0055】
まず第1の実施形態と同じ原料を用いて基板温度350℃で2Sr/Ta=1のSBTを10nm成膜した後、純水でスピン洗浄を5分間行い、2Sr/Ta=0.8にした後、RTA装置により650℃1分間処理した。次に2層目を基板温度350℃でSBTを30nm成膜後、純水でスピン洗浄を7.5分間行い、Sr/Ta=0.7にした後、RTA装置により650℃1分間処理する。さらに3層目を基板温度350℃でSBTを10nm成膜後、純水でスピン洗浄を5分間行い、2Sr/Ta=0.8とした。最後にRTA装置により800℃1分の熱処理を加えることで結晶化させる。
【0056】
650℃1分間の熱処理をすると、膜中に残存する未反応の有機成分やボイド等がなくなり緻密化するので金属の拡散が生じにくくなる。したがって膜の深さ方向にSrの濃度分布を形成することが出来る。
【0057】
以上、有機金属気相成長法を前提として説明を行ったが、MOD法やゾルゲル法などのCSD法を用いても同様の効果が得られる。またスパッタ法などの他の気相成長法を用いてもよい。
【0058】
この発明の第4の実施の形態を図4および図5に基づいて説明する。図4および図5はこの発明の第4の実施形態の半導体装置の製造方法の工程断面図である。
【0059】
第1乃至第3の実施形態はすべて金属酸化膜の製造方法として示したが、第4の実施形態ではその金属酸化膜を用いた容量素子および半導体装置の製造方法について説明する。
【0060】
この実施形態の容量素子の製造方法は、第1〜3の実施形態の金属酸化膜の製造方法を用いて金属酸化膜を支持基板である下部電極上に形成する工程と、金属酸化膜上に上部電極を形成する工程とを含む。
【0061】
まず図4(a)に示すように、半導体支持基板1上にソースおよびドレイン領域2、ゲート3よりなるトランジスタ4を形成する。次にトランジスタ4を覆って全面に、BおよびPを添加した酸化膜よりなる層間膜5を形成する。層間膜5にはタングステンよりなるコンタクトプラグ6を形成する。層間膜5上にはコンタクトプラグ6を覆うように導電性バリア7を形成する。下部電極7はコンタクトプラグ6を通じてトランジスタ4のソースおよびドレイン領域2に電気的に接続されている。導電性バリア7の構成は上部よりIrO/Ir/TiAlNである。次に全面に酸化膜よりなるスペーサ8を形成し、導電性バリア7に到達する開口部9を形成する。次にPtよりなる下部電極10を全面に形成し、少なくとも開口部9の底面側壁を覆う領域を残して除去する。
【0062】
次に図4(b)に示すように、下部電極10とスペーサ8全面に、第1の実施形態と同じ原料を用いて基板温度350℃でSBTよりなる金属酸化膜11を50nm成膜する。次にスピン洗浄装置で、室温の純水を用いて5分間処理を行う。次にRTA装置を用いて650℃1分間酸素雰囲気中で熱処理を行い、残留有機成分や膜中ボイドの除去を行う。
【0063】
次に図5に示すように、金属酸化膜11上にPtよりなる上部電極12を形成する。次にドライエッチングにより、金属酸化膜11、上部電極12をパターニングする。最後にRTA装置を用いて800℃1分間の熱処理を行い、金属酸化膜11の結晶化を行う。
【0064】
以上の工程で形成された下部電極10、金属酸化膜11、上部電極12より容量素子13が構成される。またトランジスタ4がアクセス・トランジスタ、容量素子13がデータ蓄積容量素子となることで不揮発性メモリ装置が形成される。
【0065】
【発明の効果】
この発明の請求項1記載の金属酸化膜の製造方法によれば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を所望の組成比率よりも高い比率で含む金属酸化膜を支持基板上に成膜する第1工程と、水を主成分とする洗浄液で金属酸化膜を洗浄し、前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属における前記所望の組成比率よりも高い比率分に相当する量を溶出させて前記金属酸化膜を所望の金属組成比に制御する第2工程とを含むので、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のみを水により溶出させ、水に溶けない他の金属に対して組成比を自由に変えることができ、工業的に容易な手法で組成制御を可能となる。
【0066】
請求項2では、第1工程で金属酸化膜を有機金属気相成長法を用いて成膜するので、段差被覆性は優れているが組成制御の困難な有機金属気相成長法を用いても、工業的に容易な手法で組成制御を可能となる。
【0067】
請求項3では、第1工程で金属酸化膜をこの金属酸化膜の結晶化温度より低い温度で成膜するので、金属酸化膜が熱的に不安定なフルオライト相や非晶質相になることと、金属酸化膜中に膜中に未反応の有機成分やボイド等が残存するので、水による溶解が容易に起こり組成制御が可能となる。
【0068】
この発明の請求項4記載の金属酸化膜の製造方法では、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を所望の組成比率よりも高い比率で含む第1の前記金属酸化膜を支持基板上に成膜する第1工程と、水を主成分とする洗浄液で第1の金属酸化膜を洗浄し、前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属を完全に溶出させる第2工程と、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を所望の組成比率よりも高い比率で含む第2の前記金属酸化膜を前記第1の金属酸化膜上に成膜する第3工程と、前記支持基板を前記第1または第2の金属酸化膜の結晶化温度のうちいずれか高い方の結晶化温度以上の温度で熱処理して前記第1および第2の金属酸化膜を所望の金属組成比に制御する第4工程とを含むので、請求項1と同様に工業的に容易な手法で組成制御を可能となる。また、洗浄工程での組成ばらつきを低減でき、良好な組成均一性を得ることができる。
【0069】
請求項5では、第1および第3工程のうち少なくとも一方で金属酸化膜を有機金属気相成長法により成膜するので、段差被覆性は優れているが組成制御の困難な有機金属気相成長法を用いても、工業的に容易な手法で組成制御を可能とする。
【0070】
請求項6では、第1工程で前記第1の金属酸化膜を該第1の金属酸化膜の結晶化温度より低い温度で成膜するので、金属酸化膜が熱的に不安定なフルオライト相や非晶質相になることと、金属酸化膜中に膜中に未反応の有機成分やボイド等が残存するので、水による溶解が容易に起こり組成制御が可能となる。
【0071】
この発明の請求項7記載の金属酸化膜の製造方法では、金属酸化膜を支持基板上に成膜する第1工程と、水を主成分とする洗浄液で前記金属酸化膜を洗浄し、前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属の一部分を溶出させる第2工程と、支持基板を前記金属酸化膜の結晶化温度以上の温度で熱処理する第3工程とを含み、前記第1工程から第3工程を所定回数繰り返して前記金属酸化膜を所望の金属組成比に制御するので、請求項1と同様に工業的に容易な手法で組成制御を可能とする。また、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度勾配を形成でき、望ましい特性を得ることができる。すなわち、成膜・洗浄・成膜の途中で意図的に熱処理を加えることで、膜中に残存する未反応の有機成分やボイド等がなくなり緻密化するので金属の拡散が生じにくくなる。したがって、膜の深さ方向にアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度分布を形成することができる。
【0072】
請求項8では、第1工程で金属酸化膜を有機金属気相成長法により成膜するので、段差被覆性は優れているが組成制御の困難な有機金属気相成長法を用いても、工業的に容易な手法で組成制御を可能となる。
【0073】
請求項9では、第1工程で金属酸化膜をこの金属酸化膜の結晶化温度より低い温度で成膜するので、金属酸化膜が熱的に不安定なフルオライト相や非晶質相になることと、金属酸化膜中に膜中に未反応の有機成分やボイド等が残存するので、水による溶解が容易に起こり組成制御が可能となる。
【0074】
請求項10では、金属酸化膜を有機金属気相成長法で成膜する際、前記金属酸化膜を反応律速条件下で成膜するので、金属酸化膜の段差被覆性を向上することができる。
【0075】
請求項11では、金属酸化膜が、Aをアルカリ土類金属、Bを5価の金属として、(Bi)(AB)で表されるビスマス層状構造強誘電体であるので、書き換え特性に優れたビスマス層状構造強誘電体を形成することができる。
【0076】
請求項12では、ビスマス層状構造強誘電体を有機金属気相成長法で成膜する際、アルカリ土類金属Aおよび5価の金属Bを含む金属ダブルアルコキシド化合物および有機ビスマスを原料ガスに用いるので、アルカリ土類金属Aと5価の金属Bの組成比をより正確にすることができる。
【0077】
請求項13では、水を主成分とする洗浄液が、酸化剤、還元剤、酸またはアルカリのうち少なくとも一つを含むので、反応を促進でき洗浄にかかる時間を短縮できる。
【0078】
請求項14では、水を主成分とする洗浄液で洗浄する際に超音波を加えるので、反応を促進でき洗浄にかかる時間を短縮できる。
【0079】
請求項15では、請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13または14記載の金属酸化膜の製造方法を用いて金属酸化膜を支持基板である下部電極上に形成する工程と、前記金属酸化膜上に上部電極を形成する工程とを含むので、容量膜の段差被覆性と組成制御性を改善でき、良好な特性をもった立体型の容量素子を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る洗浄処理による金属組成比の変化を示すグラフである。
【図2】この発明の第1の実施形態に係る洗浄処理時間とSr溶出量依存性を示すグラフである。
【図3】この発明の第1の実施形態に係る基板温度とSr溶出速度を示すグラフである。
【図4】この発明の第4の実施形態に係る容量素子および半導体装置の製造方法の工程断面図である。
【図5】この発明の第4の実施形態に係る容量素子および半導体装置の断面図である。
【符号の説明】
1 半導体支持基板
2 ソースおよびドレイン領域
3 ゲート
4 トランジスタ
5 層間膜
6 コンタクトプラグ
7 導電性バリア
8 スペーサ
9 開口部
10 下部電極
11 金属酸化膜
12 上部電極
13 容量素子

Claims (15)

  1. アルカリ金属またはアルカリ土類金属と、前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属以外の金属とを含む金属酸化膜の製造方法であって、前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属を所望の組成比率よりも高い比率で含む前記金属酸化膜を支持基板上に成膜する第1工程と、水を主成分とする洗浄液で前記金属酸化膜を洗浄し、前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属における前記所望の組成比率よりも高い比率分に相当する量を溶出させて前記金属酸化膜を所望の金属組成比に制御する第2工程とを含む金属酸化膜の製造方法。
  2. 前記第1工程が、前記金属酸化膜を有機金属気相成長法により成膜する工程であることを特徴とする請求項1記載の金属酸化膜の製造方法。
  3. 前記第1工程が、前記金属酸化膜を該金属酸化膜の結晶化温度より低い温度で成膜する工程であることを特徴とする請求項1,2記載の金属酸化膜の製造方法。
  4. アルカリ金属またはアルカリ土類金属と、前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属以外の金属とを含む金属酸化膜の製造方法であって、前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属を所望の組成比率よりも高い比率で含む第1の前記金属酸化膜を支持基板上に成膜する第1工程と、水を主成分とする洗浄液で前記第1の金属酸化膜を洗浄し、前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属を完全に溶出させる第2工程と、前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属を所望の組成比率よりも高い比率で含む第2の前記金属酸化膜を前記第1の金属酸化膜上に成膜する第3工程と、前記支持基板を前記第1または第2の金属酸化膜の結晶化温度の結晶化温度のうちいずれか高い方の結晶化温度以上の温度で熱処理して前記第1および第2の金属酸化膜を所望の金属組成比に制御する第4工程とを含む金属酸化膜の製造方法。
  5. 前記第1および第3工程のうち少なくとも一方が、前記金属酸化膜を有機金属気相成長法により成膜する工程であることを特徴とする請求項4記載の金属酸化膜の製造方法。
  6. 前記第1工程が、前記第1の金属酸化膜を該第1の金属酸化膜の結晶化温度より低い温度で成膜する工程であることを特徴とする請求項4,5記載の金属酸化膜の製造方法。
  7. アルカリ金属またはアルカリ土類金属と、前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属以外の金属とを含む金属酸化膜の製造方法であって、前記金属酸化膜を支持基板上に成膜する第1工程と、水を主成分とする洗浄液で前記金属酸化膜を洗浄し、前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属の一部分を溶出させる第2工程と、前記支持基板を前記金属酸化膜の結晶化温度以上の温度で熱処理する第3工程とを含み、前記第1工程から第3工程を所定回数繰り返して前記金属酸化膜を所望の金属組成比に制御することを特徴とする金属酸化膜の製造方法。
  8. 前記第1工程が、前記金属酸化膜を有機金属気相成長法により成膜する工程であることを特徴とする請求項7記載の金属酸化膜の製造方法。
  9. 前記第1工程が、前記金属酸化膜を該金属酸化膜の結晶化温度より低い温度で成膜する工程であることを特徴とする請求項7,8記載の金属酸化膜の製造方法。
  10. 前記金属酸化膜を有機金属気相成長法で成膜する際、前記金属酸化膜を反応律速条件下で成膜する請求項2,5または8記載の金属酸化膜の製造方法。
  11. 前記金属酸化膜が、Aをアルカリ土類金属、Bを5価の金属として、
    (Bi)(AB
    で表されるビスマス層状構造強誘電体である請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9または10記載の金属酸化膜の製造方法。
  12. 前記ビスマス層状構造強誘電体を有機金属気相成長法で成膜する際、アルカリ土類金属Aおよび5価の金属Bを含む金属ダブルアルコキシド化合物および有機ビスマスを原料ガスに用いる請求項11記載の金属酸化膜の製造方法。
  13. 前記水を主成分とする洗浄液が、酸化剤、還元剤、酸またはアルカリのうち少なくとも一つを含む請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11または12記載の金属酸化膜の製造方法。
  14. 前記水を主成分とする洗浄液で洗浄する際に超音波を加える請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12または13記載の金属酸化膜の製造方法。
  15. 請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13または14記載の金属酸化膜の製造方法を用いて金属酸化膜を支持基板である下部電極上に形成する工程と、前記金属酸化膜上に上部電極を形成する工程とを含む容量素子の製造方法。
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