JP2004286765A - 無線式時刻情報伝達システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 第1の無線装置が微弱な電波しか出力することができなくても第2の無線装置を自由に配置することができ、時刻情報を受信しているかどうかの確認も多数の第2の無線装置について簡単且つ省電力で行なえる、無線式時刻情報伝達システムを提供する。
【解決手段】 無線式親子時計システム1は、第1の無線装置の例として親時計2と、第2の無線装置の例として複数の子時計3A、3B及び3Cと、子時計の間に配された中継器41及び42とを備える。ランク制御手段37Aはデコーダ32からの情報に基づき、送信する時刻情報が第1の参照時刻情報であることを表すデータをエンコーダ36に送る。エンコード36は計時手段34からの第1の参照時刻情報に、ランク制御手段37Aからの第1の参照時刻情報であることを示すデータと、個体識別番号制御手段37からの特定の子時計を示すデータと、を付け加えて、送信器38に送る。
【選択図】 図1

Description

本発明は、一般に無線で時刻修正を行なう時刻情報伝達システムに関する。より詳細には、本発明は時刻修正を行なう第1の無線装置たとえば、親時計の無線の到達範囲が限られていても、リレー式に第2の無線装置たとえば子時計の時刻修正を行なうことが可能な時刻情報伝達システムに関する。
第1の無線装置が基準となる時刻情報を電波等の無線で発信し、周囲に配置された第2の無線装置がこれを受信して第1の無線装置の基準時刻情報に基づいて時刻を修正して第1の無線装置の時刻に一致させる無線式の時刻情報伝達システムが知られている。第1の無線装置の基準時刻は外部の標準時刻情報源から電波等で受信して作られる。この無線式時刻情報伝達システムは、時刻情報の伝達に有線を必要としないから、第1の無線装置の時刻と一致した時刻を表示する複数の第2の無線装置を比較的に自由に敷地内又は構内に配置するのに好適である。
しかし、この無線式時刻情報伝達システムにおいて、第1の無線装置が基準時刻情報を送信するために比較的な大きな出力電波を使用する場合は法的規制を受け、免許等の手続が必要である。また、第1の無線装置の送信装置も大規模なものを必要とする。
このため、法的規制が緩やかな又は無い微弱な出力の電波を用いて、第1の無線装置から基準時刻情報を第2の無線装置に送信することが考えられる。しかし、この場合は第1の無線装置の電波の有効到達範囲が限られる。従って、1つの第1の無線装置でカバーできる第2の無線装置の配置範囲は限られて、第2の無線装置を第1の無線装置からあまり遠く離れて配置することができない問題点がある。
また、第1の無線装置が微弱な電波でもって基準電波を送信するため、第2の無線装置が第1の無線装置からの基準時刻情報の電波を受信して時刻を修正しているか否かを実際に確認することが好ましい。なぜならば、たとえ第2の無線装置が第1の無線装置の比較的近くに配置されていたとしても、微弱な電波は他の電波による混信及び障害物の影響を受けやすく、第2の無線装置が第1の無線装置からの基準時刻情報の電波を正しく受信できずに時刻修正できない場合があるからである。このため、時刻情報伝達システムの信頼性を確保するために、第1の無線装置と第2の無線装置が双方向に無線で通信可能にし、第1の無線装置が第2の無線装置を常にポーリングして第2の無線装置の状態を監視するシステムが考えられる。しかし、多数の第2の無線装置を1つの第1の無線装置でポーリングして監視する場合には、全ての第2の無線装置の受信装置はポーリングを受けるため常時動作させておく必要があり、第2の無線装置の消費電力が増えるという問題点がある。
従って、本発明は上記した従来技術の問題点を解決した、第1の無線装置が比較的な微弱な電波しか出力することができなくても第2の無線装置の比較的広く自由に配置することができ、しかも第2の無線装置が時刻情報を受信しているかどうかの確認も多数の第2の無線装置について簡単且つ省電力で行なうことのできる、無線式時刻情報伝達システム及びその第2の無線装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため。本発明は、第1の無線装置から無線で時刻情報を受信して時刻修正を行なう複数の第2の無線装置を含む時刻情報伝達システムであって、子時計は、時刻情報を受信する受信手段と、受信された時刻情報に基づいて自己の時刻を修正する修正手段と、修正された自己の時刻に基づいて他の子時計の時刻を修正するための時刻情報を無線で送信する送信手段と、受信された時刻情報と区別するランク情報を送信される時刻情報に付して送信するためランク情報を送信手段に与えるランク制御手段とを有することを特徴とする無線式時刻情報伝達システムを提供する。
本発明の無線式時刻情報伝達システムの構成では、時刻修正を行なう基準時刻情報を伝える第1の無線装置の無線出力が微弱で到達範囲が限られていても、第1の無線装置の時刻情報を受信した子時計から他の子時計へとリレー式に時刻修正を行なうことができる。従って、第1の無線装置から直接に時刻情報を受信できないような位置に第2の無線装置を配置しても時刻を修正できる。
本発明の別の実施の形態によれば、上記の構成において、第2の無線装置はさらに、自己を識別する個体識別情報を送信される時刻情報に付して送信するため、個体識別情報を送信手段に与える個体識別情報制御手段を有することを特徴とする無線式時刻情報伝達システムが提供される。
この構成によれば、複数の第2の無線装置を個別に識別できるため、時刻情報伝達システムにおいて第2の無線装置を個別に管理することができる。
さらに本発明の別の実施の形態によれば、上記2番目の構成において、送信手段は、ランク制御手段からのランク情報及び個体識別情報制御手段からの個体識別情報に従い、他の第2の無線装置と重複しないように予め定められた時間に、時刻情報を送信することを特徴とする無線式時刻情報伝達システムが提供される。
この構成によれば、複数の第2の無線装置が同一の送信周波数を使用して送信しても、輻輳と混信を回避することができる。
さらに本発明の別の実施の形態によれば、上記1番目の構成において、受信手段は、時刻情報の受信に成功したら、その後所定時間の間、時刻情報の受信を停止する手段を有することを特徴とする無線式時刻情報伝達システムが提供される。
この構成によれば、第2の無線装置が一旦、時刻情報の受信に成功したら、その後、他の第2の無線装置が発信する時刻情報の受信を防止して繰返しの時刻修正や送信を回避することができる。また、受信手段の消費電力を節約できる。
さらに本発明の別の実施の形態によれば、上記1番目の構成において、第2の無線装置は、受信器の時刻情報の受信の可否、受信した時刻情報に付随するランク情報、及び受信した前記時刻情報に付随する送信元の前記個体識別情報を含む受信情報を表示する手段を有することを特徴とする無線式時刻情報伝達システムが提供される。
この構成によれば、第2の無線装置の時刻情報の受信確認及びその伝播経路を把握でき、これにより第1の無線装置又は第2の無線装置の配置や移設を容易にすることができる。
さらに本発明の別の実施の形態によれば、上記2番目の構成において、送信手段は、受信器の時刻情報の受信の可否、受信した時刻情報に付随するランク情報、及び受信した時刻情報の送信元の前記個体識別情報を含む受信情報を第1の無線装置に送信することを特徴とする無線式時刻情報伝達システムが提供される。
この構成によれば、第2の無線装置の時刻情報の受信確認と時刻情報の伝播経路を第1の無線装置で把握することができる。
さらに本発明の別の実施の形態によれば、上記6番目の構成において、第2の無線装置は、他の第2の無線装置からの受信情報の送信を第1の無線装置に中継することを特徴とする無線式時刻情報伝達システムが提供される。
この構成によれば、各第2の無線装置が他の第2の無線装置の受信情報を第1の無線装置に中継するため、第2の無線装置の無線出力の到達範囲外にある第1の無線装置に受信情報の伝達を行なうことができる。
さらに本発明の別の実施の形態によれば、上記7番目の構成において、第1の無線装置は、各第2の無線装置からの受信情報を受信する手段と、各第2の無線装置の受信情報を表示する表示手段を有することを特徴とする無線式時刻情報伝達システムが提供される。
この構成によれば、第1の無線装置において複数の第2の無線装置の時刻情報の受信状態を把握でき、複数の第2の無線装置の管理を集中して行なうことができる。
さらに本発明の別の実施の形態によれば、上記1番目の構成において、第1の無線装置と第2の無線装置の間に、又は第2の無線装置間に、双方向の無線通信を中継する中継器をさらに含むことを特徴とする無線式時刻情報伝達システムが提供される。
この構成によれば、第2の無線装置が電波の到達範囲外に置かれる場合、その第2の無線装置に電波が到達するように電波を中継する中継器をおいて、第1の無線装置から又は他の第2の無線装置から時刻情報を受信して時刻修正したり又は第2の無線装置から第1の無線装置への受信情報の送信を中継することができ、第2の無線装置の配置の自由度が増すことができる。
さらに本発明の別の観点によれば、第1の無線装置から無線で時刻情報を受信して時刻修正を行なう時刻情報伝達システム用の第2の無線装置において、第2の無線装置は、時刻情報を受信する受信手段と、受信された時刻情報に基づいて自己の時刻を修正する修正手段と、修正された自己の時刻に基づいて他の第2の無線装置の時刻を修正するための時刻情報を無線で送信する送信手段と、を有することを特徴とする第2の無線装置が提供される。
この構成によれば、第2の無線装置が時刻情報をリレー式に送信するため、微弱な無線出力の第1の無線装置であっても第2の無線装置を第1の無線装置の無線出力の到達範囲外に配置できる。
また、第1の無線装置、各第2の無線装置及び中継器に受信情報を表示する表示部を設けるとともに、以上のような送信動作、受信動作を所定の操作スイッチのマニュアル操作により、開始可能とすれば、無線時刻情報伝達システムの設置の際に、所望の折に受信状態を確認しながら設置作業が行なえ、作業効率が上がる。
本発明の無線時刻情報伝達システムによれば、子時計がリレー式に電波を中継する構成のため、微弱出力無線機や特定小電力無線機の程度の電波強度で広い範囲をカバーすることができる。また、第1の無線装置からから第2の無線装置への時刻情報伝達の各段階において子時計が存在して、自己の時刻を修正しながら下位の第2の無線装置の第1の無線装置としての役割を果たしていくので、単純な信号中継に見られるような時刻情報の遅延が発生しない。第2の無線装置が時刻情報を受取ると自己の計時を修正して下位の第2の無線装置のため時刻修正用の時刻情報を発信するが、発信する時間帯を他の第2の無線装置と重複しないように選択しているため、無線式時刻情報伝達システム全体で同一の送信周波数を使用しても送信信号が輻輳を生じたり混信することが無く、また信号情報伝達手段の選択の自由度が広い。各第2の無線装置に時刻情報の受信の可否と受信した時刻情報のランクを表示することができるので、時計の設置や移設が容易にできる。そして、親時計にて各第2の無線装置の時刻修正用の時刻情報の信号の受信の可否とその時刻情報の伝達系統の情報を把握できて管理できるので、システムの信頼性が高い。
また、第1の無線装置、各第2の無線装置及び中継器に受信情報を表示する表示部を設けるとともに、以上のような送信動作、受信動作を操作スイッチをマニュアル操作により、開始可能とすれば、無線式時刻情報伝達システムの設置の際に、所望の折に受信状態を確認しながら作業が行なえ、作業効率が上がる。
以下、図面を参照して本発明を実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態による無線式時刻情報伝達システムの例として無線式親子時計システム1の概略を示す。無線式親子時計システム1は、第1の無線装置の例として親時計2と、第2の無線装置の例として複数の第1の子時計3A、複数の第2の子時計3B及び第3の子時計3Cと、複数の第2の子時計3Bの内の1つと第3の子時計3Cとの間に配された中継器41及び42とを備える。
親時計2と第1の子時計3Aの間、第1の子時計3Aと第2の子時計3Bの間、上記1つの第2の子時計3Bと中継器41の間、中継器41と中継器42の間、及び中継器42と第3の子時計3Cの間は、所定の出力と所定の周波数を持った電波で双方向に通信可能に接続されている。この出力と周波数は法規制による免許や許可を必要としない値に選ばれている。この電波は同一周波数であってよい。
親時計2は、図2のブロック図に示す構成を有する。すなわち、親時計2は、アンテナ20及び受信器21により外部の標準時刻情報の電波(放送の時報ないしは電波JJY)を受信し、デコーダ22を経由して時刻修正手段23により標準時刻に一致するよう修正するための修正情報を作り、計時手段24に送る。計時手段24は自己の時刻を標準時刻に合うように修正し、そして時刻表示手段25の時刻表示を修正する。さらに計時手段24は、子時計に送信して子時計の時刻を修正するための基準時刻情報をエンコーダ26に送る。エンコーダ26は、親時計2からの情報であることを識別するためのデータを識別番号制御手段27から受け、基準時刻情報に付して送信器28へ送る。送信器28は、アンテナ20を経由して、基準時刻情報と親時計からの情報であることを識別するデータを所定の周波数と出力の搬送電波で子時計へ向けて送信する。
また親時計2は、後述するように各子時計からの受信情報を伝える電波をアンテナ20及び受信器21により受信して、デコーダ22により各子時計から情報を識別して表示手段22Aにより受信された各子時計の受信情報を表示する。
親時計2が送信する電波と各子時計が送信する後述の電波は同一の周波数でもよい。但し、後述するように親時計2と子時計の送信時間が一致しないように時間をシフトして送信して、混信を回避する。これに代えて、親時計2が送信する電波と各子時計が送信する電波を異なる周波数として、混信を回避してもよい。
計時手段24は、電源制御手段29を制御して、所定の基準時刻情報の送信時間、又は所定の標準時刻情報及び子時計からの電波の受信時間にのみ、送信器28又は受信器21に電力を送り、電力消費を節約する。
第1の子時計3A、第2の子時計3B、及び第3の子時計3Cは図3に示す同一の構成を有する。各子時計3A、3B、3Cは、アンテナ30と受信器31と送信器38により親時計2及び他の子時計と双方向に通信可能である。
図1に示すように、第1の子時計3Aは、親時計2と直接に電波により双方向の通信可能な子時計である。第2の子時計3Bは、親時計2と直接に電波により双方向の通信することはできないが、1つの第1の子時計3Aと電波により双方向に通信可能な子時計である。第3の子時計3Cは、親時計2及び第1の子時計3Aと直接に電波により双方向の通信することはできないが、第2の子時計3Bと電波により双方向に通信可能な子時計である。
再び、図3を参照して、子時計の構成を第1の子時計3Aを例示として説明する。子時計3Aは、アンテナ30と受信器31により親時計2から基準時刻情報を受信し、デコーダ32を経由して時刻修正手段33に送る。デコーダ32は親時計2から送られたことを示す情報を解読して、表示手段32Aに親時計2から基準時刻情報の受信に成功したことを示す表示を行い、さらにランク制御手段37Aを介して電源制御手段39から受信器31への電力供給を停止して、所定時間の間、受信を停止する。
時刻修正手段33は、親時計2からの基準時刻情報に基づいて自己の時刻を修正する修正情報を作り、計時手段34の時刻を修正し親時計2の時刻に合わせる。そして、計時手段34は時刻表示器35の時刻表示を修正し、第2の子時計3Bの時刻を修正するための第1の参照時刻情報をエンコーダ36に送る。この第1の参照時刻情報は、後述する第1の子時計3Aの所定の送信時間に送信される。この第1の参照時刻情報はこの第1の子時計3Aの所定の送信時間に対応した時刻情報であり、親時計2からの基準時刻情報とは異なり遅れている。
エンコーダ36は、この第1の参照時刻情報に親時計の基準時刻情報から区別するためのデータを追加する。子時計3Aが、受信器31により基準時刻情報を親時計2から受信すると、デコーダ32は親時計2から送られたことを示す情報をランク制御手段37Aに送る。ランク制御手段37Aはデコーダ32からの情報に基づき、送信する時刻情報が第1の参照時刻情報であることを表すデータをエンコーダ36に送る。また、個体識別番号制御手段37はこの子時計3Aを親子時計システム内の他の子時計から識別するデータをエンコーダ36に与える。エンコード36は計時手段34からの第1の参照時刻情報に、ランク制御手段37Aからの第1の参照時刻情報であることを示すデータと、個体識別番号制御手段37からの特定の子時計を示すデータと、を付け加えて、送信器38に送る。
送信器38は、所定の時刻にエンコーダ36からの情報をアンテナ30を経由して他の子時計へ送信する。この所定時刻は後述するように決められていて、同一送信周波数を使用する親時計2や他の子時計3A、3B、3Cの送信時間と重複しないようになっていて、混信を回避している。各子時計の送信時間は、子時計のランク、すなわち、親時計2からの基準時刻情報を直接に受信する第1の子時計3A、第1の子時計からの第1の参照時刻情報を受信する第2の子時計3B、第2の子時計からの第2の参照時刻情報を受信する第3の子時計3C、に応じて、順次時間が遅れるようにシフトされている。さらに、同じランクでも複数の子時計が存在し得るため、各子時計は子時計の個体識別番号に応じてさらに細分して割当てられた送信時間に送信するようになっている。
電源制御手段39は、上記した自己のランクをランク制御手段37Aから得、自己の個体識別番号を個体識別番号制御制御手段37から得、所定時刻に達したことを計時手段34から知り、送信器38に電力を供給して送信を行なう。
また、電源制御手段39は、親時計2及び自己のランクより上位ランクの子時計からの基準時刻情報の所定の送信時間に受信器31への電力を供給を開始して、基準時刻情報を受信し、受信後に受信器31への電力の供給を停止する。ここでは、第1の子時計3Aは、最上位ランクとされているので、親時計2の送信時間に受信器31を動作させる。これにより受信のための消費電力を節約することができる。これに加えて、他の子時計が送信する第1又は第2の参照時間情報の受信を防止して、繰返しの時刻修正や再度の参照時刻情報の送信を防止する。
また、子時計3Aは、自己の個体識別番号の情報、基準時刻情報の受信の可否、及び親時計から受信したことを示す情報を含んだ受信情報を、予め定められた時間に親時計2に送信する。後述するように、この予め定められた時間は、時刻情報の送信時間とは異なる時間帯であって、ランクごと、個体識別番号ごと、に異なる時間が割当てられている。電源制御手段38は、計時手段34、個体識別番号制御手段37、及びランク制御手段37Aからこの予め定められた時間になったことを知ると、自己の個体識別番号の情報、基準時刻情報の受信の可否、及び親時計から受信したことを示す情報を含んだ受信情報を親時計2に送信するために、送信器38へ電力を供給する。
さらに、子時計3Aは、下位のランクの子時計、すなわち、第2の子時計3Bと第3の子時計3Cが、自己の個体識別番号の情報と時刻情報の受信の可否と受信時刻情報の送信元の情報を含んだ受信情報を親時計2に送る際、電波の中継を行う。このため、子時計3Aは下位のランクの子時計が親時計に受信情報を送信する時間帯に受信器31と送信器38に電力を供給して、下位のランクの子時計からの電波を親時計2に中継する。
第2の子時計3Bは第1の子時計3Aと同じ構成を有し、類似した作用を行う。第2の子時計3Bは、第1の子時計3Aからの第1の参照時刻情報を受信したことをデコーダ32で解析してランク制御手段37Aに伝える。ランク制御手段37Aは、自己が第2の子時計のランクであることを識別し、自己が発信する時刻情報が第2の参照時刻情報であることを示すデータをエンコーダ36に送り、さらに第2の子時計に割当てられた受信時間と送信時間に受信と送信をするために電源制御手段39を介して受信器31と送信器39への電力供給の時間を指示する。受信器31は、第1の参照時刻情報を受信した後は一定時間受信を停止し、他の子時計の発信する時刻情報を受信することを防止する。さらにデコーダ32は、表示手段32Aに受信した時刻情報の送信元の子時計の識別番号及び第1の参照時刻情報を受信したことを示す表示を行なう。
なお、上述の動作説明では、第2の子時計3Bは、親時計2の送信する基準時刻情報を受信できない状態にあるとして述べたが、基準時刻情報を受信できた場合には、第1の子時計3Aと同様に動作し、自己が発信する時刻情報を第1の参照時刻情報とする。
時刻修正手段33は、第1の参照時刻情報に基づいて自己の計時手段34の時刻を修正し、時刻表示手段35の時刻表示を修正する。そして、次のランクの第3の子時計3Cが時刻修正に使用するための第2の参照時刻情報をエンコーダ36に送る。エンコーダ36は、この時刻情報に個体識別番号制御手段37からの当該子時計3Bの特定の個体識別番号と第2の参照時刻情報であることを示す情報を付け加えて、送信器38に送る。この第2の子時計3Bが送信する第2の参照時刻情報は、後述のように第2の子時計3Bのランクと個体識別番号により定められる送信時間における時刻情報である。
第3の子時計3Cは、第1及び第2の子時計3A及び3Bと同じ構成を有し、類似した作用を行う。ここで注意すべきことは、第3の子時計3Cは第2の子時計3Bから直接に電波を受信できない位置にあるため、1つの第2の子時計3Bと第3の子時計3Cの間に、必要な数の電波中継器、例えば図1の場合は、2つの電波中継器41と電波中継器42、を介在させて双方向の電波の通信を行なう。
電波中継器41、42は時刻表示部を持たない他、各子時計3A、3B、3Cと同じ構成のものであり、子時計の個体識別番号を備える。電波中継器41、42はそれぞれ第3、第4の子時計のランクである。
また、中継器41及び42は、子時計と同じ表示手段により、電波の受信の可否、受信された電波のランク、すなわち、基準時刻情報、第1又は第2の参照時刻情報の区別、及びその送信元とを表示して、中継器41及び42の設置の際に利用できる。なお、中継器として単なる電波中継器のための受信・送信手段からなるものとしても良い。
第3の子時計3Cは、電波中継器42からの第4の参照時刻情報を受信したことをデコーダ32で解析してランク制御手段37Aに伝える。ランク制御手段37Aは、自己が第5の子時計のランクであることを識別して、自己が時刻情報を発信する場合は、第5の参照時刻情報であることを示す情報をエンコーダ36に送り、さらに電源制御手段を介して受信器31と送信器39への電力供給を、第5の子時計に割当てられた受信時間と送信時間に行なうように指示する。さらにデコーダ32は、表示手段32Aに受信した第4の参照時刻情報の送信元の中継器42の識別番号及び第4の参照時刻情報を受信したことを示す表示を行なう。
図1は、第1の子時計3Aから第3の子時計3Cまでを示しているが、さらに第4、第5、又はこれ以上の子時計を配置して、リレー式に電波で双方向通信可能に接続することもできる。
各子時計3A、3B、3Cは、独自の個体識別番号を個体識別番号制御手段37に有するがその他は同じ構成を有し、ランク制御手段37Aにより親時計2からの基本時刻情報を受信する場合は第1の子時計3Aに、第1の子時計3Aからの第1参照時刻情報を受信する場合は第2の子時計3Bに、又は第2の子時計3Bからの第2参照時刻情報を受信する場合は第3の子時計3Cに、自動的にランク付けされる。この結果、子時計同士は交換可能であり、移設が容易にできる。
次に、図4を参照して、親時計と子時計の間で時刻修正のための時刻情報を送信するダウンリンク時の時間割当てを説明する。ダウンリンクは、例えば1日に1回、2時台に1時間を使用して行なう。但し、各子時計が時刻情報の受信と送信に要する時間は、その内の割当てられた時間、この例では1秒間である。しかも子時計は時刻修正のための時刻情報を一旦受信すると、上記のように受信器の電源を切るために無駄な電力消費を防ぐことができる。以降の時刻情報の受信は受信器による受信を停止して行なわないから、繰返しの時刻修正や送信が防止できる。各子時計は受信可能な基準時刻情報、第1の参照時刻情報、第2の参照時刻情報等の時刻情報の内、より高いランク、すなわち、より親時計に近い方の時刻情報を優先して受信するように構成されている。
図4に示すように、2時から2時1分までの1分間がランク1である第1の子時計3Aの時刻情報、すなわち、第1の参照時刻情報、の送信時間帯である。この1分の時間帯はさらに1秒間間隔で60の時間帯に細分されて、第1の子時計3Aの個体識別番号(1から60の間の特定の番号とする)に対応して割当てられた時間帯の1秒間に送信を行なう。2時1分から2時2分までの1分間がランク2である第2の子時計3Bの時刻情報、すなわち、第2の参照時刻情報、の送信時間帯である。この1分の時間帯はさらに1秒間間隔で60の時間帯に細分されて、第2の子時計3Bの個体識別番号(1から60の間の特定の番号とする)に対応して割当てられた時間帯の1秒間に送信を行なう。以下のランクの子時計がある場合も同様である。このようにして、同一の周波数の電波を用いても、混信することがない。
次に、図5を参照して、第1ないしは第3の子時計3A、3B、3Cから親時計2へ各子時計の受信状態を示す受信情報を電波で送信するアップリンクの時間割当てを説明する。各子時計の受信情報は、子時計の個体識別番号、時刻修正のための時刻情報の受信の可否、受信した時刻情報のランク(すなわち、基準時刻情報、第1及び第2の参照時刻情報等の区別)、そして受信した時刻情報の送信元の個体識別番号を含む。アップリンクは、例えば、1日に1回3時台に1時間を使用して行なう。但し、各子時計が情報の送信に要する時間は、その内の割当てられた時間、この例では1秒間である。したがって、無駄な電力消費を防ぐことができる。アップリンク開始とともに各子時計において受信動作が開始され、送信動作が終了した子時計から受信動作は停止される。このように各子時計の受信状態の情報を親時計に集めて、システム全体の稼動状況を確認し、必要ならば、中継器の配置あるいは子時計の位置の変更を行なうことができる。
図5に示すように、ダウンリンクの場合とは逆により下位の子時計からアップリンク送信が開始される。すなわち、3時から3時1分までの1分間がランク60の子時計の受信情報の送信時間帯である。この1分の時間帯はさらに1秒間間隔で60の時間帯に細分されて、子時計の個体識別番号(1から60の間の特定の番号とする)ごとに割当てられた時間帯の1秒間に送信を行なう。この子時計の送信した電波は上位の子時計により順次中継されて親時計2まで送られる。
3時55分から3時56分までの1分間がランク5である第3の子時計3Cの受信情報の送信時間帯である。この1分の時間帯は上記のようにさらに1秒間間隔で60の時間帯に細分されて、子時計3Cは自己の個体識別番号に対応して割当てられた時間帯の1秒間に送信を行なう。子時計3Cは、自己の個体識別番号と時刻情報の受信の可否とその時刻情報のランク(すなわち、第4の参照時刻情報であること)とその送信元の中継器42の個体識別番号を含む受信情報を送信する。この第3の子時計3Cの受信情報は、中継器42、中継器41、第2の子時計3B、第1の子時計3Aのそれぞれの送信タイミングに送信されるそれぞれの受信情報に付加されて、これらにより中継されて、親時計2で受信される。
3時56分から3時57分までの1分間がランク4である中継器42の受信情報の送信時間帯である。この1分の時間帯は上記のようにさらに1秒間間隔で60の時間帯に細分されて、中継器42は自己の個体識別番号に対応して割当てられた時間帯の1秒間に送信を行なう。
3時57分から3時58分までの1分間がランク3である中継器41の受信情報の送信時間帯である。この1分の時間帯は上記のようにさらに1秒間間隔で60の時間帯に細分されて、中継器41は自己の個体識別番号に対応して割当てられた時間帯の1秒間に送信を行なう。
3時58分から3時59分までの1分間がランク2である第2の子時計3Bの受信情報の送信時間帯である。この1分の時間帯は上記のようにさらに1秒間間隔で60の時間帯に細分されて、子時計3Bは自己の個体識別番号(1から60の間の特定の番号とする)に対応して割当てられた時間帯の1秒間に送信を行なう。第2の子時計3Bの送信電波は第1の子時計3Aに中継されて親時計2に届けられる。
第1のランクである第1の子時計3Aは、3時59分から4時までの1分間の内の割当てられた1秒の間に、直接に親時計2に受信情報を送信する。このようにして、同一の周波数の電波を用いても、混信することがない。
親時計2では、4時の時点で全ての子時計3A、3B、3Cからの受信情報が受信され、その受信情報が表示手段22Aに表示される。この表示された受信状態により、各子時計が実際に時刻情報を受信して時刻を修正することができたか否か及び伝播経路を確認でき、必要ならば中継器を配置したり子時計を移設したりして、親子時計システムの信頼性を高めることができる。
また、以上のようなダウンリンクまたはアップリンクの際の親時計2、各子時計3A、3B、3C及び中継器41、42の送信動作、受信動作を操作スイッチを設けてマニュアル操作により、開始可能とすれば、親子時計システムの設置の際に、所望の折に受信状態を確認しながら設置作業が行なえ、作業効率が上がる。
本発明の実施の形態による親子時計システムの概略図。 本発明の実施の形態による親子時計システムの親時計のブロック図。 本発明の実施の形態による親子時計システムの子時計のブロック図。 本発明の実施の形態による親子時計システムの時刻修正用の時刻情報のダウンリンク時の時間割当てを示すタイムチャート。 本発明の実施の形態による親子時計システムの子時計の受信情報のアップリンク時の時間割当てを示すタイムチャート。
符号の説明
1 親子時計システム
2 親時計
3A、3B、3C 子時計
31 受信器
33 時刻修正手段
37A ランク制御手段
38 送信器

Claims (15)

  1. 第1の無線装置から無線で時刻情報を受信して時刻修正を行なう複数の第2の無線装置を含む時刻情報伝達システムであって、
    前記第2の無線装置は、時刻情報を受信する受信手段と、前記受信された時刻情報に基づいて自己の時刻を修正する修正手段と、修正された自己の時刻に基づいて他の子時計の時刻を修正するための時刻情報を無線で送信する送信手段と、前記受信された時刻情報と区別するランク情報を前記送信される時刻情報に付して送信するため前記ランク情報を前記送信手段に与えるランク制御手段とを有することを特徴とする無線式時刻情報伝達システム。
  2. 前記第2の無線装置はさらに、自己を識別する個体識別情報を前記送信される時刻情報に付して送信するため前記個体識別情報を前記送信手段に与える個体識別情報制御手段を有することを特徴とする請求項1に記載の無線式時刻情報伝達システム。
  3. 前記送信手段は、前記ランク制御手段からの前記ランク情報及び前記個体識別情報制御手段からの前記個体識別情報に従い、他の第2の無線装置と重複しないように予め定められた時間に前記時刻情報を送信することを特徴とする請求項2に記載の無線式時刻情報伝達システム。
  4. 前記受信手段は、時刻情報の受信に成功したら、その後所定時間の間、時刻情報の受信を停止する手段を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の無線式時刻情報伝達システム。
  5. 前記第2の無線装置は、前記受信器の時刻情報の受信の可否、受信した前記時刻情報に付随するランク情報、及び受信した前記時刻情報に付随する送信元の前記個体識別情報を含む受信情報を表示する手段を有する請求項2乃至4のいずれかに記載の無線式時刻情報伝達システム。
  6. 前記送信手段は、前記受信器の時刻情報の受信の可否、受信した前記時刻情報に付随するランク情報、及び受信した前記時刻情報の送信元の前記個体識別情報を含む受信情報を前記第1の無線装置に送信することを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の無線式時刻情報伝達システム。
  7. 前記第2の無線装置は、他の第2の無線装置からの前記受信情報の送信を前記第1の無線装置に中継することを特徴とする請求項6に記載の無線式時刻情報伝達システム。
  8. 前記第1の無線装置は、前記各第2の無線装置からの前記受信情報を受信する受信手段と、前記各第2の無線装置の受信情報を表示する表示手段を有することを特徴とする請求項7に記載の無線式時刻情報伝達システム。
  9. 前記第1の無線装置と前記第2の無線装置の間に、又は前記第2の無線装置間に、双方向の無線通信を中継する中継器をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の無線式時刻情報伝達システム。
  10. 前記中継器は、時刻表示部を有さない前記第2の無線装置であることを特徴とする請求項9に記載の無線式時刻情報伝達システム。
  11. 前記中継器は、前記受信器の時刻情報の受信の可否、受信した前記時刻情報に付随するランク情報及び受信した前記時刻情報に付随する送信元の前記個体識別情報を表示する表示手段を有する請求項10に記載の無線式時刻情報伝達システム。
  12. 前記第2の無線装置は、前記送信動作、前記受信動作をそれぞれ所定の操作スイッチのマニュアル操作に応答して動作可能としたことを特徴とする請求項5に記載の無線式時刻情報伝達システム。
  13. 前記第1の無線装置は、前記送信動作、前記受信動作をそれぞれ所定の操作スイッチのマニュアル操作に応答して動作可能としたことを特徴とする請求項8に記載の無線式時刻情報伝達システム。
  14. 前記中継器は、前記中継動作を所定の操作スイッチのマニュアル操作に応答して動作可能としたことを特徴とする請求項11に記載の無線式時刻情報伝達システム。
  15. 第1の無線装置から無線で時刻情報を受信して時刻修正を行なう時刻情報伝達システム用の第2の無線装置において、
    前記第2の無線装置は、時刻情報を受信する受信手段と、前記受信された時刻情報に基づいて自己の時刻を修正する修正手段と、修正された自己の時刻に基づいて他の第2の無線装置の時刻を修正するための時刻情報を無線で送信する送信手段とを有することを特徴とする第2の無線装置。
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