JP2004285814A - 排水管の洗浄装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】マンション等の集合住宅における排水経路の洗浄を、専門の洗浄業者によることなく各住戸の住人が簡単に行えるようにすることを目的とする。
【解決手段】本発明に係る排水管の洗浄装置は、洗浄水を貯留する洗浄水貯留手段20と、先端にノズル31を備える洗浄ホース30と、洗浄水貯留手段20の洗浄水を洗浄ホース30に供給する給水ポンプ40の駆動に使用される給水モータM1と、洗浄ホース30を巻き取り、あるいは繰り出してノズル31を排水管内で進退させる巻き取りドラム50と、巻き取りドラム50を回転させるドラム回転モータM2と、巻き取りドラム50と洗浄ホース30を気密かつ水密に収容して排水管に接続されたケース60と、給水モータM1と前記ドラム回転モータM2の回転動作を制御する制御装置Cとを備えている。
【選択図】 図2
【解決手段】本発明に係る排水管の洗浄装置は、洗浄水を貯留する洗浄水貯留手段20と、先端にノズル31を備える洗浄ホース30と、洗浄水貯留手段20の洗浄水を洗浄ホース30に供給する給水ポンプ40の駆動に使用される給水モータM1と、洗浄ホース30を巻き取り、あるいは繰り出してノズル31を排水管内で進退させる巻き取りドラム50と、巻き取りドラム50を回転させるドラム回転モータM2と、巻き取りドラム50と洗浄ホース30を気密かつ水密に収容して排水管に接続されたケース60と、給水モータM1と前記ドラム回転モータM2の回転動作を制御する制御装置Cとを備えている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば高層マンション等の集合住宅あるいはオフィスビル等の高層ビルにおける排水経路(排水管)の洗浄に好適な洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記集合住宅等における各階の生活排水は、台所流し台や便器等の排水器具から横枝管を経て共通の排水立て管に流し込まれる。このため、特に台所流し系統の排水横枝管及び排水立て管内は、流し込まれる排水の油脂分等が付着して経年とともに角質化して管径が徐々に狭小化し、その結果排水効率が著しく低下してくる。これを防止するために、定期的に排水管の洗浄が行われている。
通常この洗浄作業は、専用の設備を備えた洗浄業者によりなされる。洗浄業者は、各階の住戸に入って排水器具の排水口から噴射ノズル付きの洗浄ホースを排水経路内に進入させる。進入させた洗浄ホースには洗浄水を給水し、これを噴射ノズルから高圧で噴射させる。噴射ノズルから洗浄水を噴射させながら、洗浄ホースを横枝管を経て排水立て管内に至る範囲で進退させることにより管内壁面の付着物を吹き飛ばし、これを洗浄水と一緒に流して洗浄している。この洗浄作業を、各階の各住戸ごとに行うことにより、当該集合住宅全体の排水経路の洗浄を行っている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−342661号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来は洗浄業者が必要な機材を各住戸内に持ち込んで洗浄作業を行う形態をとっていたので、洗浄作業を行うためには各住戸の住人により洗浄業者を住戸内に迎え入れる必要があった。このため、集合住宅において一部の住戸が留守のために入ることができない場合には、洗浄業者にとっては集合住宅全体として洗浄作業を効率よく行うことができず、各住戸の住人にとっては洗浄業者を住戸内に迎え入れるために仕事を休む等して住戸をあけておく必要があった。この点で、この種の集合住宅における洗浄作業は、各住人の都合により効率よく行うことが困難で、その結果適切なタイミングで定期的に洗浄作業を行うことが困難であった。
また、洗浄業者による洗浄作業は比較的大がかりなものとなるため費用の点でも頻繁に行うことはできず、その結果排水管の狭小化が進行しやすくなる問題があった。
これらの問題は、洗浄業者による洗浄では、集合住宅の全住戸について一定期間のうちに各住戸内に入り込んで効率よく洗浄作業を行う必要があることに起因している。これに対して各住戸の住人自らが、日常の生活において簡単に各住戸における排水経路の洗浄作業を行うことができれば、上記従来の問題を解消することができる。
そこで、この発明では、洗浄業者によることなく各住戸の住人自らが簡単に排水経路の洗浄作業を行うことができる洗浄装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このため、この発明では、前記請求項に記載した構成の洗浄装置とした。
請求項1記載の洗浄装置によれば、給水モータの起動により給水ポンプが動作することで洗浄水が洗浄水貯留手段から洗浄ホースに供給される。これにより洗浄ホースの先端に設けられたノズルから洗浄水が排水管内に噴射される。また、洗浄ホースは、巻き取りドラムを正転、逆転させることにより繰り出し、巻き取ることができる。従って、ドラム回転モータで巻き取りドラムを回転させることにより、洗浄ホースの先端に設けられたノズルを排水管内で進退させることができる。
以上のことから、制御装置により給水モータとドラム回転モータを適切に制御することにより、洗浄ホースのノズルから洗浄水を噴射させつつ、このノズルを排水管内で進退させて排水管の洗浄を行うことができる。従って、制御装置に予め適切なプログラムを記憶しておき、このプログラムに基づいて給水モータおよびドラム回転モータを制御することにより、洗浄業者によることなく一般の住人等であっても排水経路の洗浄を行うことができる。
【0006】
このように、請求項1記載の洗浄装置によれば、従来のように各住人が洗浄業者を住戸内に迎え入れるために仕事を休んで待機する必要はないので、住人の都合によることなく適切なタイミングで比較的頻繁に各住人が排水経路の洗浄作業を行うことができ、これにより排水経路の良好な状態を常時維持することができる。
また、巻き取りドラムと洗浄ホースがケースに収容されているので、住戸内等に不快な臭いを発散させることがない。
請求項1記載の洗浄装置は、住戸の専用部内あるいは共用部に設置しておくことができる。また、これら一定の場所に据え付けて設置する場合の他、洗浄作業を行わない場合には適当な保管場所に保管しておき、必要に応じて所定の位置に設置する形態とすることができる。
さらに、請求項1記載の洗浄装置は、ボタン操作一つで洗浄作業の全行程が自動的になされる全自動式とする他、洗浄作業の各工程を任意に選択して行う半自動式とすることができる。
【0007】
請求項2記載の洗浄装置によれば、上記作用効果に加えて、当該洗浄装置を起動させれば、その後は予め制御装置に記憶されたプログラムに従って洗浄作業が自動的になされるので、洗浄業者でなくとも各住人が簡単に排水管の洗浄作業を行うことができる。このため、従来よりも頻繁に排水経路の洗浄を行うことができるので、排水経路の良好な状態を常に維持することができる。
また、例えば、横枝管内の洗浄と立て管内の洗浄とで噴射する洗浄水の量が自動的に切り換えられるよう制御装置に記憶しておくことにより洗浄水を効率よく噴射することができる。
請求項3記載の洗浄装置によれば、上記作用効果に加えて、別途流量調整弁等を用いることなく洗浄ホースに供給する洗浄水の流量を調整することができる。
請求項4記載の洗浄装置によれば、上記作用効果に加えて、ボタン操作一つで一連の洗浄作業が自動的になされるので、より一層楽に洗浄作業を実施することができる。
請求項5記載の洗浄装置によれば、上記した作用効果に加えて、様々な排水経路に対して当該洗浄装置を適用することができるので、その汎用性を高めることができる。
請求項6記載の洗浄装置によれば、上記作用効果に加えて、住戸内に居ながらにして洗浄作業を行うことができる。
請求項7記載の洗浄装置によれば、上記作用効果に加えて、留守中であっても一連の洗浄作業を実施することが可能になる。
請求項8記載の洗浄装置によれば、排水管の径に対応した適切な洗浄が可能になる。
請求項9記載の洗浄装置によれば、排水管の配管形状に対応した適切な洗浄が可能になる。
請求項10記載の排水管の洗浄装置によれば、ノズルが大径の排水管内を通過するときは、そのノズルが小径の排水管内を通過するときよりも給水モータの回転速度が大きくなるため、洗浄水の噴射圧力が高くなる。このため、大径の排水管内を効率よく洗浄できるようになる。
請求項11記載の排水管の洗浄装置によれば、ノズルが排水トラップに接近すると給水モータの回転速度が減少して洗浄水の噴射圧力が低くなるため、洗浄による負圧が低下し、排水トラップ内の封水が流出し難くなる。
【0008】
【発明の実施形態】
次に、本発明の実施の形態を図1〜図7に基づいて説明する。図1は、本実施形態の洗浄装置10を設置した台所流し台周辺の排水経路1を示している。
この排水経路1は、建物の上下に配管された排水立て管2とこの排水立て管2と住戸専有部S内の各排水器具を接続する横枝管3を主体として構成されている。図では、排水器具として台所流し台4が例示されている。この台所流し台4の排水口にはディスポーザ5が取り付けられている。このディスポーザ5の排水口には排水トラップ6が接続され、この排水トラップ6の排水口には立ち下げ管7を介して横枝管3が接続されている。この横枝管3の下流側は管継手9を介して排水立て管2に接続されている。
本実施形態の洗浄装置10は上記立ち下げ管7の中途に案内管8を介して接続されている。本実施形態の洗浄装置10は、住戸専有部S内であって台所流し台4の下方に設置されている。住戸専有部Sは、仕切壁K1によりパイプシャフトPS(主として立て管を配管するためのスペース)と区画されている。また、本実施形態では、住戸専有部S外であって建物の共用部Cは仕切壁K2によりパイプシャフトPSと区画されている。排水立て管2はこのパイプシャフトPS内に配管されている。なお、パイプシャフトPSは住戸専有部Sのスペース内の例えば台所流し台4の近傍に設けられることも多くある。
【0009】
さて、本実施形態の洗浄装置10の詳細が図2に示されている。この洗浄装置10は、洗浄水を貯留する洗浄水タンク20と、この洗浄水タンク20から洗浄水を汲み上げて洗浄ホース30に供給する給水ポンプ40と、洗浄ホース30を巻き取り、繰り出して排水経路1内を進退させる巻き取りドラム50と、この巻き取りドラム50と前記洗浄ホース30を気密かつ水密に収容するケース60と、当該洗浄装置10の動作を制御するための制御装置Cを備えている。
洗浄水タンク20には、例えば上水道21から供給された水が洗浄水として一定量貯留されている。洗浄水タンク20には、貯留された洗浄水の量が一定量に達しているか否かを検知するための貯水量センサ23が取り付けられている。貯水量が一定量に達すると貯水量センサ23がオンし、これが制御装置Cに入力される。この洗浄水タンク20が特許請求の範囲に記載した洗浄水貯留手段に相当する。
この洗浄水タンク20へは、上水道21からの水(飲料水)を貯留する構成とする他、例えば風呂の残り湯あるいは雨水を溜めておく構成としてもよい。
【0010】
洗浄水タンク20の洗浄水は、給水ポンプ40により汲み上げられる。給水ポンプ40と洗浄水タンク20は給水ホース22によって接続されている。
この給水ポンプ40により洗浄水が洗浄ホース30に供給される。洗浄ホース30は、通常、数メートルあるいは十数メートルの長さを有しており、当該洗浄装置10の設置場所から横枝管3を経て排水立て管2内に至る長さを有している。また、洗浄ホース30の先端には洗浄水を噴射するためのノズル31が取り付けられている。
この洗浄ホース30は、巻き取りドラム50に巻き取られ、またこの巻き取りドラム50から繰り出される。給水ポンプ40の排出口に接続された給水ホース41は、この巻き取りドラム50の側部に設けた取水口51に接続されている。この取水口51は洗浄ホース30の巻き取り基端側(図示されていない)に接続されている。この巻き取りドラム50はドラム回転モータM2を駆動源として備えている。
そして、ドラム回転モータM2が巻き取り側に起動すると巻き取りドラム50が図2において左回り方向に回転し、これにより洗浄ホース30が巻き取られる。ドラム回転モータM2が繰り出し側に回転すると、巻き取りドラム50が図2において右回り方向に回転し、これにより洗浄ホース30が繰り出される。
【0011】
ドラム回転モータM2は、制御装置Cからの出力信号に基づいて起動、停止、及び回転方向の切り替えが行われる。また、ドラム回転モータM2は、その制御装置Cによりインバータ制御されることで回転速度が調整可能となっている。
さらに、このドラム回転モータM2には、その回転数を検知するためのエンコーダEが装着されている。このエンコーダEによるドラム回転モータM2の回転数も制御装置Cに入力され、これに基づいて洗浄ホース30の繰り出し量および巻き取り量が確認できるようになっている。
即ち、洗浄ホース30の巻き取り完了時におけるノズル31の位置を原位置とし、このときのドラム回転モータM2の回転積算値(エンコーダEのパルス積算値)を零にすれば、ドラム回転モータM2が繰り出し方向に回転するときの回転積算値が間接的にノズル31の位置を表すようになる。また、ドラム回転モータM2の単位時間あたりの回転数(回転速度)が間接的にノズル31の移動速度を表すようになる。
【0012】
このノズル31からは洗浄水が前方へ向けて(下流側へ向けて)噴射される(いわゆる前方噴射)。ここで、給水ポンプ40の駆動源に使用される給水モータM1は、制御装置Cからの出力信号に基づいて起動、停止が行われる。また、給水モータM1は、その制御装置Cによりインバータ制御されることで回転速度が調整可能となっている。そして、給水モータM1の回転数に基づいて給水ポンプ40の出力が調整され、ノズル31から噴射される洗浄水の噴射圧力が変化するようになる。例えば、ノズル31が排水立て管2内を移動している間は、給水モータM1の回転速度を大きくし、高圧で洗浄水を噴射させることにより大径(例えば管径120mm)の内壁面を効率よく洗浄することができる。逆に、ノズル31が横枝管30内を移動している間は、給水モータM1の回転速度を小さくし、より低圧で洗浄水を噴射させることにより小径(例えば管径50mm)の内壁面を少ない洗浄水で効率よく洗浄することができる。また、管内壁面の汚れ具合に合わせて洗浄水の噴射圧力を調整することもできる。
【0013】
洗浄ホース30は、巻き取りドラム50から繰り出されると、前記案内管8、立ち下がり管7および横枝管3を経て排水立て管2内に進入する。巻き取りドラム50からの洗浄ホース30の巻き取り、繰り出しは、ノズル31から洗浄水を噴射させながら行うことができ、これにより排水経路1内(横枝管3内、排水立て管2内等)が連続的に洗浄されていく。
洗浄ホース30の先端側であって、ノズル31の後方にはストッパプレート32が取り付けられている。一方、以下説明するケース60に接続された案内管8には、規制プレート62が内周側へ張り出すように設けられている。洗浄ホース30の巻き取りが終了すると、ストッパプレート32が規制プレート62に当接し、これによりノズル31がケース60内に入り込まないようになっている。すなわち、ノズル31は、排水経路内若しくは案内管8内に留まるようになっている。これにより、巻き取りドラム50が繰り出し側に起動した時には、洗浄ホース30およびノズル31が確実に排水経路内に進入されるようになっている。
【0014】
給水ポンプ40と巻き取りドラム50と制御装置Cは、ケース60内に水密かつ気密に収容されている。このケース60の前部(図2において右側部)に前記案内管8が接続されている。この案内管8を経て洗浄ホース30のノズル31が排水経路1内に繰り出される。案内管8は、図示省略したパッキンを介してケース60に水密かつ気密に接続されているため、洗浄ホース30は全く外気に触れることなく排水経路1内へ繰り出される。このため、排水経路1内の異臭がケース60から住戸専有部Sに洩れ出ないとともに、洗浄ホース30に付着した油脂分等の汚れがケース60から漏れないようになっている。
ケース60の後部(図2において左側部)からは、前記給水ホース22が水密かつ気密に取り込まれている。
【0015】
このケース60の上部には、当該洗浄装置10を操作するための操作パネル70が配置されている。図3に示すようにこの操作パネル70には、洗浄作業を全自動でスタートさせるための「スタート」ボタン71と、全自動洗浄を途中で停止させるための「ストップ」ボタン72と、給水ポンプ40のみを単独で起動させるための「スタート」ボタン73と、給水ポンプ40のみを単独で停止させるための「ストップ」ボタン74と、巻き取りドラム50のみを単独で巻き取り側に起動するための「巻き取り」ボタン75と、巻き取りドラム50のみを単独で繰り出し側に起動するための「繰り出し」ボタン76を備えている。
【0016】
「スタート」ボタン71を指先で押し操作すると、当該洗浄装置10の全自動洗浄工程が開始される。洗浄作業の内容については、後述する。全自動洗浄工程の途中で、「ストップ」ボタン72を押し操作すると、全自動洗浄工程がその場で停止される。なお、「ストップ」ボタン72を省略することも可能である。
全自動洗浄工程を実行していない状態で、「スタート」ボタン73を押し操作することにより、給水ポンプ40を単独で起動させることができる。「ストップ」ボタン74を押し操作すると、給水ポンプ40のみを停止させることができる。
同じく全自動工程を実行していない状態で、「巻き取り」ボタン75を押し操作することにより、巻き取りドラム50を巻き取り側に起動させることができ、これにより洗浄ホース30を巻き取ることができる。逆に、「繰り出し」ボタン76を押し操作することにより巻き取りドラム50を繰り出し側に起動させることができ、これにより洗浄ホース30を繰り出すことができる。
ここで、各操作ボタン71〜76には、目の不自由な人が操作可能なように、点字を添付しておくことが好ましい。
【0017】
また、この操作パネル70には、当該洗浄装置10を指定した日時に自動的に全自動洗浄工程を実行させるための予約タイマー機能を備えている。図3中、符号77は月日を設定するための「月日」ボタンを示し、符号78は、時刻を設定するための「時刻」ボタンを示し、符号81は設定した日時を決定するための「決定」ボタンを示している。また、符号79は、洗浄時間を表示するための表示器である。
操作パネル70を通じて設定されたこれらの情報は、制御装置Cに記憶され、これに基づいて給水ポンプ40の給水モータM1と、巻き取りドラム50のドラム回転モータM2の起動停止、回転速度、回転方向が制御され、これにより各形態の洗浄モードが実行される。このように予約タイマー機能を使用することにより、指定した日時に自動的に当該洗浄装置10が作動して洗浄作業が実行される。
また、操作パネル70の下部には、当該洗浄装置10の作動状態および警告等を表示するための液晶表示板80が設けられている。
【0018】
以上のように構成した洗浄装置10の全自動洗浄時の動作説明を、図4〜図6のフローチャートに基づいて説明する。ここで、図4〜図5のフローチャートに示す処理は洗浄装置10の制御装置Cにおいて実行される。
操作パネル70のスタートボタン71を押し操作すると全自動洗浄処理が開始される。
全自動洗浄処理では、先ず、洗浄水タンク20の貯水量が確認される(図4のステップS101)。以下、ステップの文言に代えて符号Sを用いる。洗浄水タンク20の貯水量が不足している場合には(S101 YES)、操作パネル70の液晶表示板80に「貯水量が不足しています」との警告が表示され(S102)、この段階で全自動洗浄工程が中止される。
【0019】
貯水量センサ23に一定量の貯水量が洗浄水タンク20に貯水されていることが確認されると(S101 NO)、洗浄ホース30の巻き取りが完了しているか否かの確認がなされる(S103)。洗浄ホース30の巻き取り状態(繰り出し状態)は、ドラム回転モータM2の回転積算値により判断される。即ち、回転積算値が零の場合(ノズル31が原位置にある場合)に洗浄ホース30の巻き取り状態と判定される。ドラム回転モータM2により洗浄ホース30が完全に巻き取られていない場合には(S103 NO)、ドラム回転モータM2が巻き取り側に低速R0で起動させられ(S104)、これにより洗浄ホース30が一旦完全に巻き取られる。
【0020】
洗浄ホース30の巻き取り完了が確認されると(S103 YES)、洗浄ホース30の繰り出し処理が実行される(S105)。洗浄ホース30の繰り出し処理は、図5に示す手順にしたがって行われる。
先ず、ドラム回転モータM2が繰り出し側に低速R0で起動させられ(S121)、洗浄ホース30が巻き取りドラム50から繰り出される。巻き取りドラム50から洗浄ホース30が繰り出されると、その洗浄ホース30の先端に設けられたノズル31が案内管8から立ち下げ管7の方向に低速で移動する。案内管8から立ち下げ管7、横枝管3の間は曲がり部分が多いため、洗浄ホース30をゆっくり繰り出すことで、ノズル31と管内壁との摩擦等を小さくできる。ノズル31が横枝管3に到達すると(S122 YES)、ドラム回転モータM2の回転速度がR1に設定される。ここで、回転速度R1は、回転速度R0よりも大きい値に設定されている。このため、ノズル31は比較的早い速度で横枝管3内を移動するようになる。なお、ノズル31が横枝管3に到達したか否かは、ドラム回転モータM2の回転積算値により判定される。
【0021】
横枝管3内を移動しているノズル31が排水立て管2に到達すると(S124YES)、ドラム回転モータM2の回転速度がR2に設定される。ここで、回転速度R2は、回転速度R1よりも小さく、回転速度R0よりも大きい値に設定されている。このため、ノズル31は横枝管3内を移動する速度よりも遅い速度で排水立て管2内を移動(下降)するようになる。排水立て管2は、横枝管3よりも管径が大きいため、ノズル31の移動速度を減少させることで洗浄時間を長く取れるように考慮したものである。なお、ノズル31が排水立て管2に到達したか否かは、同様にドラム回転モータM2の回転積算値により判定される。
そして、洗浄ホース30が所定長さ繰り出されると(S126 YES)、ドラム回転モータM2が停止して、1回目の洗浄ホース30の繰り出し処理が終了する(S127)。この段階で、洗浄ホース30は、図2中二点鎖線で示すようにその先端のノズル31を排水立て管2内であって建物の1階層分余りに相当する距離だけ下流側に進入させた位置まで繰り出されている。
このように、ノズル31から洗浄水を噴射させない状態で、そのノズル31を横枝管3、排水立て管2に挿入するため、洗浄水の噴射が抵抗にならず、管内が汚れている場合でも洗浄ホース30をスムーズに繰り出せるようになる。
【0022】
次に、図4のステップS106に戻り、給水モータM1が起動されて給水ポンプ40が作動する。これにより、ノズル31から洗浄水が高圧で噴射される。洗浄水は、ノズル31から下流側(前方)へ向けて噴射され、これにより排水立て管2の内壁面に付着している汚れが洗い流される。ノズル31から洗浄水を噴射させた状態で、洗浄ホース30の巻き取り処理(S107)が実行される。洗浄ホース30の巻き取り処理は、図6に示す手順にしたがって行われる。
【0023】
先ず、ドラム回転モータM2が巻き取り側に速度R2で起動され(S131)、洗浄ホース30が巻き取りドラム50に巻き取られる。洗浄ホース30が巻き取られることによりノズル31が洗浄水を噴射しながら排水立て管2内を上流側へ移動する。これにより排水立て管2の内壁面が下流側へ向けて連続的に洗浄される。また、排水立て管2内を洗浄中は、給水モータM1の回転速度が高速に設定される。これによって、ノズル31から高圧で洗浄水が噴射されるようになり、大径の排水立て管2内を効率よく洗浄できるようになる。
洗浄ホース30の巻き取りが進行して、ノズル31が排水立て管2内から横枝管3内へ戻されると(S132 YES)、ドラム回転モータM2の回転速度がR1に設定され、ノズル31は比較的早い速度で横枝管3内を立ち下げ管7の方向に移動する。また、給水モータM1の回転速度がやや低速に設定され、管径が減少した分だけ洗浄水の使用量が減らされる。
【0024】
このようにして、横枝管2の内壁面が連続して洗浄され、ノズル31が立ち下げ管7の位置まで到達すると(S134 YES)、ドラム回転モータM2の回転速度がR0(低速)に設定される。これによって、ノズル31は立ち下げ管7の曲がり部分をゆっくり通過しながらその立ち下げ管7の内壁面を洗浄しつつ、案内管8まで戻される。ここで、ノズル31が立ち下げ管7の曲がり部分を通過して排水トラップ6に近づいた段階で、給水モータM1の回転速度をさらに低速にすることも可能である。これによって、洗浄による負圧が低下し、排水トラップ6内の封水が流出し難くなる。
そして、ノズル31が所定の戻り位置(原位置)まで戻されると(S136 YES)、ドラム回転モータM2が停止して1回目の巻き取り処理(S107)が終了する。
【0025】
次に、図4のステップS108に戻り、2回目の洗浄ホース30の繰り出し処理が実行される。なお、2回目の洗浄ホース30の繰り出し処理も1回目と同様に図5に示す手順にしたがって行われる。即ち、ドラム回転モータM2が逆転して巻き取られた洗浄ホース30が再度繰り出される。この段階における洗浄ホース30の繰り出しは、ノズル31から洗浄水を噴射した状態のまま行われる。すなわち、1回目の巻き取り処理時における洗浄(S107、S131〜S138)とは逆に、ノズル31を下流側へ向けて移動させながら洗浄水を噴射することにより、横枝管3および排水立て管2が下流側へ向けて連続的に洗浄される(2回目の洗浄)。
なお、2回目の洗浄では、ノズル31から洗浄水を前方に噴射しながら洗浄ホース30の繰り出しが行われるが、1回目の洗浄で管内の汚れがある程度除去されているため、洗浄水の噴射が抵抗になったとしても、洗浄ホース30を比較的スムーズに繰り出せるようになる。
【0026】
この2回目の洗浄においても、ドラム回転モータM2の回転積算値に基づいて洗浄ホース30の繰り出し量が確認される。そして、ノズル31が図2中二点鎖線で示す排水立て管2内の所定位置まで進入すると2回目の洗浄が完了する。こうして2回目の洗浄が完了すると、図4のステップS109に戻り、2回目の洗浄ホース30の巻き取り処理が実行される。なお、2回目の洗浄ホース30の巻き取り処理も1回目と同様に図6に示す手順にしたがって行われる。即ち、ノズル31から洗浄水を噴射した状態のままドラム回転モータM2が再度逆転して洗浄ホース30が再び巻き取られ、3回目の洗浄が行われる。
【0027】
この3回目の洗浄は前記1回目の洗浄と同様、ノズル31が排水立て管2内および横枝管3内を上流側へ向けて移動し、これにより排水立て管2および横枝管3の内面が下流側へ向けて連続的に洗浄される。またこの間、洗浄ホース30の巻き取り状態(繰り出し量)がドラム回転モータM2の回転積算値に基づいて確認される。
このようにして、ノズル31が案内管8の所定の戻り位置(原位置)まで戻されると(図6 S136 YES)、2回目の巻き取り処理(S109)が終了する。次に、図4のステップS112に戻り、給水モータM1が停止することで給水ポンプが停止する。
【0028】
以上で、本実施形態の洗浄装置10の全自動洗浄工程が終了する。この全自動洗浄工程では、洗浄ホース30の繰り出し、巻き取り動作が2回繰り返されることによりノズル31が排水経路(横枝管3内および排水立て管2内)を2回進退され、横枝管3および排水立て管2が3回洗浄される。洗浄回数は、予め制御装置Cに記憶されている。この洗浄回数は、制御装置Cの設定を変更することにより、1回、2回、あるいは4回以上に変更することができる。
また、操作パネル70のスタートボタン73、ストップボタン74、巻き取りボタン75および繰り出しボタン76を押し操作することにより、当該洗浄装置10の各動作を個別に行うことができ、これにより上記全自動洗浄工程ではなく手動による洗浄を行うことができる。
【0029】
以上のように構成した本実施形態の洗浄装置10によれば、操作パネル70をボタン操作するのみで洗浄水の給水、排水経路における洗浄ホースの移動等が自動的になされて洗浄作業が実行される。このため、従来のように専門の洗浄業者によらずとも、家庭の主婦等であっても排水経路の洗浄作業を簡単に行うことができる。このため、従来より頻繁に洗浄作業を行うことができるので、排水経路を常に良好な状態(汚れの少ない状態、管径の狭小化が進行していない状態)に維持することができる。
また、タイマー機能を利用することにより、住人が留守の間に全自動洗浄工程を実施することができる。
【0030】
以上説明した実施形態には種々変更を加えることができる。例えば、本実施形態では、洗浄装置10の案内管8を立ち下げ管7の中央部分に接続する例を示したが、図7に示すように案内管8を立ち下げ管7の上端部に接続することも可能である。こうすることで、洗浄装置10によって立ち下げ管7内を全て洗浄できるようなる。
また、本実施形態では、ノズル31から洗浄水を噴射させずに洗浄ホース30の繰り出しを行い、その洗浄ホース30を巻き取る際に1回目の洗浄を行う例を示したが、洗浄される配管径が比較的太い場合や管内の汚れが比較的少ない場合には、洗浄ホース30を繰り出しながら洗浄水を噴射して1回目の洗浄を行うことも可能である。
また、洗浄装置10を台所流し台20の下方に設置する構成を例示したが、住戸専有部S内のその他の部位(例えば、浴室、トイレ、洗面所等)に設置することもできる。また、住戸専有部S内ではなく、図1において二点鎖線で示すように建物の共用部Cに例示した洗浄装置10を設置することとしてもよい。
また、排水立て管洗浄時と横枝管洗浄時とで、洗浄水の吐出量を変化させて洗浄水を効率よく使用する構成とすることができる。この場合、ノズル31の位置は、ドラム回転モータM2の回転数をエンコーダEにより検知することで確認することができ、これに基づいて給水モータM1をインバータ制御することにより実現することができる。
【0031】
さらに、洗浄水を貯留する洗浄水貯留手段として洗浄水タンク20を例示したが、このような特別の貯留手段を用いる他、浴槽を洗浄水貯留手段として流用することもできる。この場合、浴槽に溜められた風呂の残り湯を洗浄水として再利用することもできる。このことから、一般に家庭用洗濯機に付設される簡易ポンプを給水ポンプとして利用することができる。すなわち、前記例示した給水ポンプに代えて上記簡易ポンプの吐出口を巻き取りドラム50の取水口51に接続し、その吸水側を浴槽に沈めて、風呂の残り湯を洗浄水として再利用することができる。上水道21から飲料水(いわゆる市水)を給水タンク20に貯留しておくのではなく、風呂の残り湯等(いわゆる中水)を用いることにより節水することができる。
【0032】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す図であり、洗浄装置および台所流し台周辺の排水経路を示す側面図である。
【図2】洗浄装置の概略の構成を示す側面図である。
【図3】操作パネルの正面図である。
【図4】全自動洗浄工程のフローチャートを示す図である。
【図5】全自動洗浄工程のフローチャートを示す図である。
【図6】全自動洗浄工程のフローチャートを示す図である。
【図7】別の洗浄装置および台所流し台周辺の排水経路を示す側面図である。
【符号の説明】
S…住戸専有部
C…共用部
1…排水経路
2…排水立て管
3…横枝管
4…台所流し台
8…案内管
10…洗浄装置
20…洗浄水タンク
22…給水ホース
30…洗浄ホース
31…ノズル
40…給水ポンプ
50…巻き取りドラム
60…ケース
70…操作パネル
C…制御装置
M1…給水モータ
M2…ドラム回転モータ
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば高層マンション等の集合住宅あるいはオフィスビル等の高層ビルにおける排水経路(排水管)の洗浄に好適な洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記集合住宅等における各階の生活排水は、台所流し台や便器等の排水器具から横枝管を経て共通の排水立て管に流し込まれる。このため、特に台所流し系統の排水横枝管及び排水立て管内は、流し込まれる排水の油脂分等が付着して経年とともに角質化して管径が徐々に狭小化し、その結果排水効率が著しく低下してくる。これを防止するために、定期的に排水管の洗浄が行われている。
通常この洗浄作業は、専用の設備を備えた洗浄業者によりなされる。洗浄業者は、各階の住戸に入って排水器具の排水口から噴射ノズル付きの洗浄ホースを排水経路内に進入させる。進入させた洗浄ホースには洗浄水を給水し、これを噴射ノズルから高圧で噴射させる。噴射ノズルから洗浄水を噴射させながら、洗浄ホースを横枝管を経て排水立て管内に至る範囲で進退させることにより管内壁面の付着物を吹き飛ばし、これを洗浄水と一緒に流して洗浄している。この洗浄作業を、各階の各住戸ごとに行うことにより、当該集合住宅全体の排水経路の洗浄を行っている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−342661号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来は洗浄業者が必要な機材を各住戸内に持ち込んで洗浄作業を行う形態をとっていたので、洗浄作業を行うためには各住戸の住人により洗浄業者を住戸内に迎え入れる必要があった。このため、集合住宅において一部の住戸が留守のために入ることができない場合には、洗浄業者にとっては集合住宅全体として洗浄作業を効率よく行うことができず、各住戸の住人にとっては洗浄業者を住戸内に迎え入れるために仕事を休む等して住戸をあけておく必要があった。この点で、この種の集合住宅における洗浄作業は、各住人の都合により効率よく行うことが困難で、その結果適切なタイミングで定期的に洗浄作業を行うことが困難であった。
また、洗浄業者による洗浄作業は比較的大がかりなものとなるため費用の点でも頻繁に行うことはできず、その結果排水管の狭小化が進行しやすくなる問題があった。
これらの問題は、洗浄業者による洗浄では、集合住宅の全住戸について一定期間のうちに各住戸内に入り込んで効率よく洗浄作業を行う必要があることに起因している。これに対して各住戸の住人自らが、日常の生活において簡単に各住戸における排水経路の洗浄作業を行うことができれば、上記従来の問題を解消することができる。
そこで、この発明では、洗浄業者によることなく各住戸の住人自らが簡単に排水経路の洗浄作業を行うことができる洗浄装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このため、この発明では、前記請求項に記載した構成の洗浄装置とした。
請求項1記載の洗浄装置によれば、給水モータの起動により給水ポンプが動作することで洗浄水が洗浄水貯留手段から洗浄ホースに供給される。これにより洗浄ホースの先端に設けられたノズルから洗浄水が排水管内に噴射される。また、洗浄ホースは、巻き取りドラムを正転、逆転させることにより繰り出し、巻き取ることができる。従って、ドラム回転モータで巻き取りドラムを回転させることにより、洗浄ホースの先端に設けられたノズルを排水管内で進退させることができる。
以上のことから、制御装置により給水モータとドラム回転モータを適切に制御することにより、洗浄ホースのノズルから洗浄水を噴射させつつ、このノズルを排水管内で進退させて排水管の洗浄を行うことができる。従って、制御装置に予め適切なプログラムを記憶しておき、このプログラムに基づいて給水モータおよびドラム回転モータを制御することにより、洗浄業者によることなく一般の住人等であっても排水経路の洗浄を行うことができる。
【0006】
このように、請求項1記載の洗浄装置によれば、従来のように各住人が洗浄業者を住戸内に迎え入れるために仕事を休んで待機する必要はないので、住人の都合によることなく適切なタイミングで比較的頻繁に各住人が排水経路の洗浄作業を行うことができ、これにより排水経路の良好な状態を常時維持することができる。
また、巻き取りドラムと洗浄ホースがケースに収容されているので、住戸内等に不快な臭いを発散させることがない。
請求項1記載の洗浄装置は、住戸の専用部内あるいは共用部に設置しておくことができる。また、これら一定の場所に据え付けて設置する場合の他、洗浄作業を行わない場合には適当な保管場所に保管しておき、必要に応じて所定の位置に設置する形態とすることができる。
さらに、請求項1記載の洗浄装置は、ボタン操作一つで洗浄作業の全行程が自動的になされる全自動式とする他、洗浄作業の各工程を任意に選択して行う半自動式とすることができる。
【0007】
請求項2記載の洗浄装置によれば、上記作用効果に加えて、当該洗浄装置を起動させれば、その後は予め制御装置に記憶されたプログラムに従って洗浄作業が自動的になされるので、洗浄業者でなくとも各住人が簡単に排水管の洗浄作業を行うことができる。このため、従来よりも頻繁に排水経路の洗浄を行うことができるので、排水経路の良好な状態を常に維持することができる。
また、例えば、横枝管内の洗浄と立て管内の洗浄とで噴射する洗浄水の量が自動的に切り換えられるよう制御装置に記憶しておくことにより洗浄水を効率よく噴射することができる。
請求項3記載の洗浄装置によれば、上記作用効果に加えて、別途流量調整弁等を用いることなく洗浄ホースに供給する洗浄水の流量を調整することができる。
請求項4記載の洗浄装置によれば、上記作用効果に加えて、ボタン操作一つで一連の洗浄作業が自動的になされるので、より一層楽に洗浄作業を実施することができる。
請求項5記載の洗浄装置によれば、上記した作用効果に加えて、様々な排水経路に対して当該洗浄装置を適用することができるので、その汎用性を高めることができる。
請求項6記載の洗浄装置によれば、上記作用効果に加えて、住戸内に居ながらにして洗浄作業を行うことができる。
請求項7記載の洗浄装置によれば、上記作用効果に加えて、留守中であっても一連の洗浄作業を実施することが可能になる。
請求項8記載の洗浄装置によれば、排水管の径に対応した適切な洗浄が可能になる。
請求項9記載の洗浄装置によれば、排水管の配管形状に対応した適切な洗浄が可能になる。
請求項10記載の排水管の洗浄装置によれば、ノズルが大径の排水管内を通過するときは、そのノズルが小径の排水管内を通過するときよりも給水モータの回転速度が大きくなるため、洗浄水の噴射圧力が高くなる。このため、大径の排水管内を効率よく洗浄できるようになる。
請求項11記載の排水管の洗浄装置によれば、ノズルが排水トラップに接近すると給水モータの回転速度が減少して洗浄水の噴射圧力が低くなるため、洗浄による負圧が低下し、排水トラップ内の封水が流出し難くなる。
【0008】
【発明の実施形態】
次に、本発明の実施の形態を図1〜図7に基づいて説明する。図1は、本実施形態の洗浄装置10を設置した台所流し台周辺の排水経路1を示している。
この排水経路1は、建物の上下に配管された排水立て管2とこの排水立て管2と住戸専有部S内の各排水器具を接続する横枝管3を主体として構成されている。図では、排水器具として台所流し台4が例示されている。この台所流し台4の排水口にはディスポーザ5が取り付けられている。このディスポーザ5の排水口には排水トラップ6が接続され、この排水トラップ6の排水口には立ち下げ管7を介して横枝管3が接続されている。この横枝管3の下流側は管継手9を介して排水立て管2に接続されている。
本実施形態の洗浄装置10は上記立ち下げ管7の中途に案内管8を介して接続されている。本実施形態の洗浄装置10は、住戸専有部S内であって台所流し台4の下方に設置されている。住戸専有部Sは、仕切壁K1によりパイプシャフトPS(主として立て管を配管するためのスペース)と区画されている。また、本実施形態では、住戸専有部S外であって建物の共用部Cは仕切壁K2によりパイプシャフトPSと区画されている。排水立て管2はこのパイプシャフトPS内に配管されている。なお、パイプシャフトPSは住戸専有部Sのスペース内の例えば台所流し台4の近傍に設けられることも多くある。
【0009】
さて、本実施形態の洗浄装置10の詳細が図2に示されている。この洗浄装置10は、洗浄水を貯留する洗浄水タンク20と、この洗浄水タンク20から洗浄水を汲み上げて洗浄ホース30に供給する給水ポンプ40と、洗浄ホース30を巻き取り、繰り出して排水経路1内を進退させる巻き取りドラム50と、この巻き取りドラム50と前記洗浄ホース30を気密かつ水密に収容するケース60と、当該洗浄装置10の動作を制御するための制御装置Cを備えている。
洗浄水タンク20には、例えば上水道21から供給された水が洗浄水として一定量貯留されている。洗浄水タンク20には、貯留された洗浄水の量が一定量に達しているか否かを検知するための貯水量センサ23が取り付けられている。貯水量が一定量に達すると貯水量センサ23がオンし、これが制御装置Cに入力される。この洗浄水タンク20が特許請求の範囲に記載した洗浄水貯留手段に相当する。
この洗浄水タンク20へは、上水道21からの水(飲料水)を貯留する構成とする他、例えば風呂の残り湯あるいは雨水を溜めておく構成としてもよい。
【0010】
洗浄水タンク20の洗浄水は、給水ポンプ40により汲み上げられる。給水ポンプ40と洗浄水タンク20は給水ホース22によって接続されている。
この給水ポンプ40により洗浄水が洗浄ホース30に供給される。洗浄ホース30は、通常、数メートルあるいは十数メートルの長さを有しており、当該洗浄装置10の設置場所から横枝管3を経て排水立て管2内に至る長さを有している。また、洗浄ホース30の先端には洗浄水を噴射するためのノズル31が取り付けられている。
この洗浄ホース30は、巻き取りドラム50に巻き取られ、またこの巻き取りドラム50から繰り出される。給水ポンプ40の排出口に接続された給水ホース41は、この巻き取りドラム50の側部に設けた取水口51に接続されている。この取水口51は洗浄ホース30の巻き取り基端側(図示されていない)に接続されている。この巻き取りドラム50はドラム回転モータM2を駆動源として備えている。
そして、ドラム回転モータM2が巻き取り側に起動すると巻き取りドラム50が図2において左回り方向に回転し、これにより洗浄ホース30が巻き取られる。ドラム回転モータM2が繰り出し側に回転すると、巻き取りドラム50が図2において右回り方向に回転し、これにより洗浄ホース30が繰り出される。
【0011】
ドラム回転モータM2は、制御装置Cからの出力信号に基づいて起動、停止、及び回転方向の切り替えが行われる。また、ドラム回転モータM2は、その制御装置Cによりインバータ制御されることで回転速度が調整可能となっている。
さらに、このドラム回転モータM2には、その回転数を検知するためのエンコーダEが装着されている。このエンコーダEによるドラム回転モータM2の回転数も制御装置Cに入力され、これに基づいて洗浄ホース30の繰り出し量および巻き取り量が確認できるようになっている。
即ち、洗浄ホース30の巻き取り完了時におけるノズル31の位置を原位置とし、このときのドラム回転モータM2の回転積算値(エンコーダEのパルス積算値)を零にすれば、ドラム回転モータM2が繰り出し方向に回転するときの回転積算値が間接的にノズル31の位置を表すようになる。また、ドラム回転モータM2の単位時間あたりの回転数(回転速度)が間接的にノズル31の移動速度を表すようになる。
【0012】
このノズル31からは洗浄水が前方へ向けて(下流側へ向けて)噴射される(いわゆる前方噴射)。ここで、給水ポンプ40の駆動源に使用される給水モータM1は、制御装置Cからの出力信号に基づいて起動、停止が行われる。また、給水モータM1は、その制御装置Cによりインバータ制御されることで回転速度が調整可能となっている。そして、給水モータM1の回転数に基づいて給水ポンプ40の出力が調整され、ノズル31から噴射される洗浄水の噴射圧力が変化するようになる。例えば、ノズル31が排水立て管2内を移動している間は、給水モータM1の回転速度を大きくし、高圧で洗浄水を噴射させることにより大径(例えば管径120mm)の内壁面を効率よく洗浄することができる。逆に、ノズル31が横枝管30内を移動している間は、給水モータM1の回転速度を小さくし、より低圧で洗浄水を噴射させることにより小径(例えば管径50mm)の内壁面を少ない洗浄水で効率よく洗浄することができる。また、管内壁面の汚れ具合に合わせて洗浄水の噴射圧力を調整することもできる。
【0013】
洗浄ホース30は、巻き取りドラム50から繰り出されると、前記案内管8、立ち下がり管7および横枝管3を経て排水立て管2内に進入する。巻き取りドラム50からの洗浄ホース30の巻き取り、繰り出しは、ノズル31から洗浄水を噴射させながら行うことができ、これにより排水経路1内(横枝管3内、排水立て管2内等)が連続的に洗浄されていく。
洗浄ホース30の先端側であって、ノズル31の後方にはストッパプレート32が取り付けられている。一方、以下説明するケース60に接続された案内管8には、規制プレート62が内周側へ張り出すように設けられている。洗浄ホース30の巻き取りが終了すると、ストッパプレート32が規制プレート62に当接し、これによりノズル31がケース60内に入り込まないようになっている。すなわち、ノズル31は、排水経路内若しくは案内管8内に留まるようになっている。これにより、巻き取りドラム50が繰り出し側に起動した時には、洗浄ホース30およびノズル31が確実に排水経路内に進入されるようになっている。
【0014】
給水ポンプ40と巻き取りドラム50と制御装置Cは、ケース60内に水密かつ気密に収容されている。このケース60の前部(図2において右側部)に前記案内管8が接続されている。この案内管8を経て洗浄ホース30のノズル31が排水経路1内に繰り出される。案内管8は、図示省略したパッキンを介してケース60に水密かつ気密に接続されているため、洗浄ホース30は全く外気に触れることなく排水経路1内へ繰り出される。このため、排水経路1内の異臭がケース60から住戸専有部Sに洩れ出ないとともに、洗浄ホース30に付着した油脂分等の汚れがケース60から漏れないようになっている。
ケース60の後部(図2において左側部)からは、前記給水ホース22が水密かつ気密に取り込まれている。
【0015】
このケース60の上部には、当該洗浄装置10を操作するための操作パネル70が配置されている。図3に示すようにこの操作パネル70には、洗浄作業を全自動でスタートさせるための「スタート」ボタン71と、全自動洗浄を途中で停止させるための「ストップ」ボタン72と、給水ポンプ40のみを単独で起動させるための「スタート」ボタン73と、給水ポンプ40のみを単独で停止させるための「ストップ」ボタン74と、巻き取りドラム50のみを単独で巻き取り側に起動するための「巻き取り」ボタン75と、巻き取りドラム50のみを単独で繰り出し側に起動するための「繰り出し」ボタン76を備えている。
【0016】
「スタート」ボタン71を指先で押し操作すると、当該洗浄装置10の全自動洗浄工程が開始される。洗浄作業の内容については、後述する。全自動洗浄工程の途中で、「ストップ」ボタン72を押し操作すると、全自動洗浄工程がその場で停止される。なお、「ストップ」ボタン72を省略することも可能である。
全自動洗浄工程を実行していない状態で、「スタート」ボタン73を押し操作することにより、給水ポンプ40を単独で起動させることができる。「ストップ」ボタン74を押し操作すると、給水ポンプ40のみを停止させることができる。
同じく全自動工程を実行していない状態で、「巻き取り」ボタン75を押し操作することにより、巻き取りドラム50を巻き取り側に起動させることができ、これにより洗浄ホース30を巻き取ることができる。逆に、「繰り出し」ボタン76を押し操作することにより巻き取りドラム50を繰り出し側に起動させることができ、これにより洗浄ホース30を繰り出すことができる。
ここで、各操作ボタン71〜76には、目の不自由な人が操作可能なように、点字を添付しておくことが好ましい。
【0017】
また、この操作パネル70には、当該洗浄装置10を指定した日時に自動的に全自動洗浄工程を実行させるための予約タイマー機能を備えている。図3中、符号77は月日を設定するための「月日」ボタンを示し、符号78は、時刻を設定するための「時刻」ボタンを示し、符号81は設定した日時を決定するための「決定」ボタンを示している。また、符号79は、洗浄時間を表示するための表示器である。
操作パネル70を通じて設定されたこれらの情報は、制御装置Cに記憶され、これに基づいて給水ポンプ40の給水モータM1と、巻き取りドラム50のドラム回転モータM2の起動停止、回転速度、回転方向が制御され、これにより各形態の洗浄モードが実行される。このように予約タイマー機能を使用することにより、指定した日時に自動的に当該洗浄装置10が作動して洗浄作業が実行される。
また、操作パネル70の下部には、当該洗浄装置10の作動状態および警告等を表示するための液晶表示板80が設けられている。
【0018】
以上のように構成した洗浄装置10の全自動洗浄時の動作説明を、図4〜図6のフローチャートに基づいて説明する。ここで、図4〜図5のフローチャートに示す処理は洗浄装置10の制御装置Cにおいて実行される。
操作パネル70のスタートボタン71を押し操作すると全自動洗浄処理が開始される。
全自動洗浄処理では、先ず、洗浄水タンク20の貯水量が確認される(図4のステップS101)。以下、ステップの文言に代えて符号Sを用いる。洗浄水タンク20の貯水量が不足している場合には(S101 YES)、操作パネル70の液晶表示板80に「貯水量が不足しています」との警告が表示され(S102)、この段階で全自動洗浄工程が中止される。
【0019】
貯水量センサ23に一定量の貯水量が洗浄水タンク20に貯水されていることが確認されると(S101 NO)、洗浄ホース30の巻き取りが完了しているか否かの確認がなされる(S103)。洗浄ホース30の巻き取り状態(繰り出し状態)は、ドラム回転モータM2の回転積算値により判断される。即ち、回転積算値が零の場合(ノズル31が原位置にある場合)に洗浄ホース30の巻き取り状態と判定される。ドラム回転モータM2により洗浄ホース30が完全に巻き取られていない場合には(S103 NO)、ドラム回転モータM2が巻き取り側に低速R0で起動させられ(S104)、これにより洗浄ホース30が一旦完全に巻き取られる。
【0020】
洗浄ホース30の巻き取り完了が確認されると(S103 YES)、洗浄ホース30の繰り出し処理が実行される(S105)。洗浄ホース30の繰り出し処理は、図5に示す手順にしたがって行われる。
先ず、ドラム回転モータM2が繰り出し側に低速R0で起動させられ(S121)、洗浄ホース30が巻き取りドラム50から繰り出される。巻き取りドラム50から洗浄ホース30が繰り出されると、その洗浄ホース30の先端に設けられたノズル31が案内管8から立ち下げ管7の方向に低速で移動する。案内管8から立ち下げ管7、横枝管3の間は曲がり部分が多いため、洗浄ホース30をゆっくり繰り出すことで、ノズル31と管内壁との摩擦等を小さくできる。ノズル31が横枝管3に到達すると(S122 YES)、ドラム回転モータM2の回転速度がR1に設定される。ここで、回転速度R1は、回転速度R0よりも大きい値に設定されている。このため、ノズル31は比較的早い速度で横枝管3内を移動するようになる。なお、ノズル31が横枝管3に到達したか否かは、ドラム回転モータM2の回転積算値により判定される。
【0021】
横枝管3内を移動しているノズル31が排水立て管2に到達すると(S124YES)、ドラム回転モータM2の回転速度がR2に設定される。ここで、回転速度R2は、回転速度R1よりも小さく、回転速度R0よりも大きい値に設定されている。このため、ノズル31は横枝管3内を移動する速度よりも遅い速度で排水立て管2内を移動(下降)するようになる。排水立て管2は、横枝管3よりも管径が大きいため、ノズル31の移動速度を減少させることで洗浄時間を長く取れるように考慮したものである。なお、ノズル31が排水立て管2に到達したか否かは、同様にドラム回転モータM2の回転積算値により判定される。
そして、洗浄ホース30が所定長さ繰り出されると(S126 YES)、ドラム回転モータM2が停止して、1回目の洗浄ホース30の繰り出し処理が終了する(S127)。この段階で、洗浄ホース30は、図2中二点鎖線で示すようにその先端のノズル31を排水立て管2内であって建物の1階層分余りに相当する距離だけ下流側に進入させた位置まで繰り出されている。
このように、ノズル31から洗浄水を噴射させない状態で、そのノズル31を横枝管3、排水立て管2に挿入するため、洗浄水の噴射が抵抗にならず、管内が汚れている場合でも洗浄ホース30をスムーズに繰り出せるようになる。
【0022】
次に、図4のステップS106に戻り、給水モータM1が起動されて給水ポンプ40が作動する。これにより、ノズル31から洗浄水が高圧で噴射される。洗浄水は、ノズル31から下流側(前方)へ向けて噴射され、これにより排水立て管2の内壁面に付着している汚れが洗い流される。ノズル31から洗浄水を噴射させた状態で、洗浄ホース30の巻き取り処理(S107)が実行される。洗浄ホース30の巻き取り処理は、図6に示す手順にしたがって行われる。
【0023】
先ず、ドラム回転モータM2が巻き取り側に速度R2で起動され(S131)、洗浄ホース30が巻き取りドラム50に巻き取られる。洗浄ホース30が巻き取られることによりノズル31が洗浄水を噴射しながら排水立て管2内を上流側へ移動する。これにより排水立て管2の内壁面が下流側へ向けて連続的に洗浄される。また、排水立て管2内を洗浄中は、給水モータM1の回転速度が高速に設定される。これによって、ノズル31から高圧で洗浄水が噴射されるようになり、大径の排水立て管2内を効率よく洗浄できるようになる。
洗浄ホース30の巻き取りが進行して、ノズル31が排水立て管2内から横枝管3内へ戻されると(S132 YES)、ドラム回転モータM2の回転速度がR1に設定され、ノズル31は比較的早い速度で横枝管3内を立ち下げ管7の方向に移動する。また、給水モータM1の回転速度がやや低速に設定され、管径が減少した分だけ洗浄水の使用量が減らされる。
【0024】
このようにして、横枝管2の内壁面が連続して洗浄され、ノズル31が立ち下げ管7の位置まで到達すると(S134 YES)、ドラム回転モータM2の回転速度がR0(低速)に設定される。これによって、ノズル31は立ち下げ管7の曲がり部分をゆっくり通過しながらその立ち下げ管7の内壁面を洗浄しつつ、案内管8まで戻される。ここで、ノズル31が立ち下げ管7の曲がり部分を通過して排水トラップ6に近づいた段階で、給水モータM1の回転速度をさらに低速にすることも可能である。これによって、洗浄による負圧が低下し、排水トラップ6内の封水が流出し難くなる。
そして、ノズル31が所定の戻り位置(原位置)まで戻されると(S136 YES)、ドラム回転モータM2が停止して1回目の巻き取り処理(S107)が終了する。
【0025】
次に、図4のステップS108に戻り、2回目の洗浄ホース30の繰り出し処理が実行される。なお、2回目の洗浄ホース30の繰り出し処理も1回目と同様に図5に示す手順にしたがって行われる。即ち、ドラム回転モータM2が逆転して巻き取られた洗浄ホース30が再度繰り出される。この段階における洗浄ホース30の繰り出しは、ノズル31から洗浄水を噴射した状態のまま行われる。すなわち、1回目の巻き取り処理時における洗浄(S107、S131〜S138)とは逆に、ノズル31を下流側へ向けて移動させながら洗浄水を噴射することにより、横枝管3および排水立て管2が下流側へ向けて連続的に洗浄される(2回目の洗浄)。
なお、2回目の洗浄では、ノズル31から洗浄水を前方に噴射しながら洗浄ホース30の繰り出しが行われるが、1回目の洗浄で管内の汚れがある程度除去されているため、洗浄水の噴射が抵抗になったとしても、洗浄ホース30を比較的スムーズに繰り出せるようになる。
【0026】
この2回目の洗浄においても、ドラム回転モータM2の回転積算値に基づいて洗浄ホース30の繰り出し量が確認される。そして、ノズル31が図2中二点鎖線で示す排水立て管2内の所定位置まで進入すると2回目の洗浄が完了する。こうして2回目の洗浄が完了すると、図4のステップS109に戻り、2回目の洗浄ホース30の巻き取り処理が実行される。なお、2回目の洗浄ホース30の巻き取り処理も1回目と同様に図6に示す手順にしたがって行われる。即ち、ノズル31から洗浄水を噴射した状態のままドラム回転モータM2が再度逆転して洗浄ホース30が再び巻き取られ、3回目の洗浄が行われる。
【0027】
この3回目の洗浄は前記1回目の洗浄と同様、ノズル31が排水立て管2内および横枝管3内を上流側へ向けて移動し、これにより排水立て管2および横枝管3の内面が下流側へ向けて連続的に洗浄される。またこの間、洗浄ホース30の巻き取り状態(繰り出し量)がドラム回転モータM2の回転積算値に基づいて確認される。
このようにして、ノズル31が案内管8の所定の戻り位置(原位置)まで戻されると(図6 S136 YES)、2回目の巻き取り処理(S109)が終了する。次に、図4のステップS112に戻り、給水モータM1が停止することで給水ポンプが停止する。
【0028】
以上で、本実施形態の洗浄装置10の全自動洗浄工程が終了する。この全自動洗浄工程では、洗浄ホース30の繰り出し、巻き取り動作が2回繰り返されることによりノズル31が排水経路(横枝管3内および排水立て管2内)を2回進退され、横枝管3および排水立て管2が3回洗浄される。洗浄回数は、予め制御装置Cに記憶されている。この洗浄回数は、制御装置Cの設定を変更することにより、1回、2回、あるいは4回以上に変更することができる。
また、操作パネル70のスタートボタン73、ストップボタン74、巻き取りボタン75および繰り出しボタン76を押し操作することにより、当該洗浄装置10の各動作を個別に行うことができ、これにより上記全自動洗浄工程ではなく手動による洗浄を行うことができる。
【0029】
以上のように構成した本実施形態の洗浄装置10によれば、操作パネル70をボタン操作するのみで洗浄水の給水、排水経路における洗浄ホースの移動等が自動的になされて洗浄作業が実行される。このため、従来のように専門の洗浄業者によらずとも、家庭の主婦等であっても排水経路の洗浄作業を簡単に行うことができる。このため、従来より頻繁に洗浄作業を行うことができるので、排水経路を常に良好な状態(汚れの少ない状態、管径の狭小化が進行していない状態)に維持することができる。
また、タイマー機能を利用することにより、住人が留守の間に全自動洗浄工程を実施することができる。
【0030】
以上説明した実施形態には種々変更を加えることができる。例えば、本実施形態では、洗浄装置10の案内管8を立ち下げ管7の中央部分に接続する例を示したが、図7に示すように案内管8を立ち下げ管7の上端部に接続することも可能である。こうすることで、洗浄装置10によって立ち下げ管7内を全て洗浄できるようなる。
また、本実施形態では、ノズル31から洗浄水を噴射させずに洗浄ホース30の繰り出しを行い、その洗浄ホース30を巻き取る際に1回目の洗浄を行う例を示したが、洗浄される配管径が比較的太い場合や管内の汚れが比較的少ない場合には、洗浄ホース30を繰り出しながら洗浄水を噴射して1回目の洗浄を行うことも可能である。
また、洗浄装置10を台所流し台20の下方に設置する構成を例示したが、住戸専有部S内のその他の部位(例えば、浴室、トイレ、洗面所等)に設置することもできる。また、住戸専有部S内ではなく、図1において二点鎖線で示すように建物の共用部Cに例示した洗浄装置10を設置することとしてもよい。
また、排水立て管洗浄時と横枝管洗浄時とで、洗浄水の吐出量を変化させて洗浄水を効率よく使用する構成とすることができる。この場合、ノズル31の位置は、ドラム回転モータM2の回転数をエンコーダEにより検知することで確認することができ、これに基づいて給水モータM1をインバータ制御することにより実現することができる。
【0031】
さらに、洗浄水を貯留する洗浄水貯留手段として洗浄水タンク20を例示したが、このような特別の貯留手段を用いる他、浴槽を洗浄水貯留手段として流用することもできる。この場合、浴槽に溜められた風呂の残り湯を洗浄水として再利用することもできる。このことから、一般に家庭用洗濯機に付設される簡易ポンプを給水ポンプとして利用することができる。すなわち、前記例示した給水ポンプに代えて上記簡易ポンプの吐出口を巻き取りドラム50の取水口51に接続し、その吸水側を浴槽に沈めて、風呂の残り湯を洗浄水として再利用することができる。上水道21から飲料水(いわゆる市水)を給水タンク20に貯留しておくのではなく、風呂の残り湯等(いわゆる中水)を用いることにより節水することができる。
【0032】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す図であり、洗浄装置および台所流し台周辺の排水経路を示す側面図である。
【図2】洗浄装置の概略の構成を示す側面図である。
【図3】操作パネルの正面図である。
【図4】全自動洗浄工程のフローチャートを示す図である。
【図5】全自動洗浄工程のフローチャートを示す図である。
【図6】全自動洗浄工程のフローチャートを示す図である。
【図7】別の洗浄装置および台所流し台周辺の排水経路を示す側面図である。
【符号の説明】
S…住戸専有部
C…共用部
1…排水経路
2…排水立て管
3…横枝管
4…台所流し台
8…案内管
10…洗浄装置
20…洗浄水タンク
22…給水ホース
30…洗浄ホース
31…ノズル
40…給水ポンプ
50…巻き取りドラム
60…ケース
70…操作パネル
C…制御装置
M1…給水モータ
M2…ドラム回転モータ
Claims (11)
- 洗浄水を貯留する洗浄水貯留手段と、
先端にノズルを備える洗浄ホースと、
前記洗浄水貯留手段の洗浄水を前記洗浄ホースに供給する給水ポンプの駆動に使用される給水モータと、
前記洗浄ホースを巻き取り、あるいは繰り出して前記ノズルを排水管内で進退させる巻き取りドラムと、
該巻き取りドラムを回転させるドラム回転モータと、
前記巻き取りドラムと前記洗浄ホースを気密かつ水密に収容して前記排水管に接続されたケースと、
前記給水モータと前記ドラム回転モータの回転動作を制御する制御装置と、
を備えることを特徴とする排水管の洗浄装置。 - 請求項1記載の排水管の洗浄装置であって、
給水モータとドラム回転モータとの回転動作の制御は、制御装置に予め記憶されたプログラムに従って自動的に行われることを特徴とする排水管の洗浄装置。 - 請求項1記載の排水管の洗浄装置であって、
給水ポンプによる給水量の調整が給水モータの制御により行われることを特徴とする排水管の洗浄装置。 - 請求項2記載の排水管の洗浄装置であって、
ケースに操作パネルを備え、該操作パネルのボタン操作により、制御装置に予め記憶された手順に従って洗浄作業が実行されることを特徴とする排水管の洗浄装置。 - 請求項4記載の排水管の洗浄装置であって、
排水経路の形態について複数種類の洗浄モードが設定され、該洗浄モードを操作パネルに設けた選択ボタンにより任意に選択可能な構成としたことを特徴とする排水管の洗浄装置。 - 請求項1〜請求項5のいずれかに記載された排水管の洗浄装置であって、
住戸の専用部内に設置されたことを特徴とする排水管の洗浄装置。 - 請求項2記載の排水管の洗浄装置であって、
予め制御装置に記憶された日時に、一連の洗浄作業が自動的に実行される予約タイマー機能を備えたことを特徴とする排水管の洗浄装置。 - 請求項1〜請求項7のいずれかに記載された排水管の洗浄装置であって、
ノズルが大径の排水管内を通過するときは、そのノズルが小径の排水管内を通過するときよりもドラム回転モータの回転速度が小さくなるように、そのドラム回転モータが制御されることを特徴とする排水管の洗浄装置。 - 請求項1〜請求項8のいずれかに記載された排水管の洗浄装置であって、
ノズルが排水管の曲がり部分を通過するときは、そのノズルが排水管の直管部分を通過するときよりもドラム回転モータの回転速度が小さくなるように、そのドラム回転モータが制御されることを特徴とする排水管の洗浄装置。 - 請求項3記載の排水管の洗浄装置であって、
ノズルが大径の排水管内を通過するときは、そのノズルが小径の排水管内を通過するときよりも給水モータの回転速度が大きくなるように、その給水モータが制御されることを特徴とする排水管の洗浄装置。 - 請求項3又は請求項10のいずれかに記載の排水管の洗浄装置であって、
ノズルが排水トラップに接近したら給水モータの回転速度が減少するように、その給水モータが制御されることを特徴とする排水管の洗浄装置。
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