JP2005013481A - トイレ床清掃装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】小便器の周囲床面を自動的に清掃する清掃装置について、既設設備に容易かつ低コストで設置できるようにするとともに、運転経費を低廉としながら利用者にとって清潔で快適な小便所を提供できるようにする。
【解決手段】洗浄水を床80aに散布する洗浄水散布手段4および床80aを摺擦する摺擦手段5を具えた清掃機2Cと、清掃機2Cを所定範囲で移動させる移動手段3とを設け、制御手段6により制御されて清掃機2Cを待機位置から小便器の周囲床面の汚れ位置まで前進移動させ、洗浄水散布手段4の散水管41で洗浄水を散布してこれを洗浄し、摺擦手段5のワイパ53を床80aに当接させながら清掃機2Cを待機位置まで後退移動させるようにして、床80aに設けられた排水溝82aまで汚れを洗浄水とともに導き排出させるものとする。
【選択図】 図2
【解決手段】洗浄水を床80aに散布する洗浄水散布手段4および床80aを摺擦する摺擦手段5を具えた清掃機2Cと、清掃機2Cを所定範囲で移動させる移動手段3とを設け、制御手段6により制御されて清掃機2Cを待機位置から小便器の周囲床面の汚れ位置まで前進移動させ、洗浄水散布手段4の散水管41で洗浄水を散布してこれを洗浄し、摺擦手段5のワイパ53を床80aに当接させながら清掃機2Cを待機位置まで後退移動させるようにして、床80aに設けられた排水溝82aまで汚れを洗浄水とともに導き排出させるものとする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トイレに設置された小便器の周囲床面を自動的に清掃するトイレ床清掃装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
不特定多数の人が利用するトイレを清潔に保つことは重要であり、殊に客商売において、客の利用頻度が高いトイレの小便器およびその周辺が汚いと、客の印象を悪くして売り上げに影響を及ぼす原因になるとも言われている。また、企業などの施設においてもトイレの清潔さは当該企業の印象に影響を与えると言われている。このような不特定多数の人が利用するトイレにおいて小便器周囲の床面は、一度利用者の小便が垂れて汚れると、次の利用者はこれを踏みたくないことから小便器から離れて立つため、さらに小便が垂れやすくなって益々床面が汚れる、という悪循環が生じやすい。一方、小便所周辺をこまめに掃除しておくと、利用者の心理として汚すことに抵抗を感じるため小便器周辺は清潔に保たれやすくなる、という好循環が生じやすい。
【0003】
しかし、小便器周辺をこまめに掃除するには人手と経費がかかることから実際には困難である。また、駅やデパートなど営業時間中に利用者が絶えない施設では、トイレを清掃する場合にその利用を一時的に中止する必要があり、利用者に不便をかけることになってしまう。また、劇場や映画館などのトイレは、短時間に利用者が殺到するため小便器周囲の床面の汚れが甚だしいものとなるが、開演時間の合間毎に毎回清掃を実施するのも容易ではない。
【0004】
その対策として、特開平6−136799号公報、特開平6−136800号公報に、小便器及び小便器周辺の清掃を自動化して、清掃作業の能率化・省力化をはかるとともに、トイレを閉鎖することなく清掃を行えるようにした装置が提示されている。特開平6−136799号公報に記載の装置は、壁面に凹入して配設された小便器の開放面を開閉自在の蓋体で覆って水が周囲に飛散しないようにして、洗浄水供給機構で洗浄を行う小便器清掃装置であり、特開平6−136800号公報に記載の装置は、壁面タイプの大型小便器において、その壁面および近接した床部分を掃払するものであって、洗浄水吐出口を備え左右にスライド移動して清掃を行う小便器清掃装置である。
【0005】
これらは、人手がかからない全自動式であり、清掃時において小便所の利用を全面的に閉鎖することなく清掃している小便器部分のみ利用停止にすればよいため、利用者にかける不便を最小限としながら小便器周辺を常に清潔に保つことができる。
【0006】
しかしながら、前者の装置は実施するのに大掛かりな設置工事が必要となるものであり、後者の装置はトイレを新たに設ける場合を想定しているものであって、両者ともに既設のトイレに設置することが極めて困難なものである。また、従って、これらを既設のトイレに設置して実施することは手間とコストがかかることに加え、施工期間中はトイレを閉鎖することとなって、利用者に不便をかけてしまう。さらに、これらは洗浄水を大量に使用するため、水道代が嵩むとともに、多量の汚水を排出するものである。そして、洗浄後は小便器周囲の床面が濡れたままであり、利用者に不快感を与えたり、足を滑らせたりする原因にもなってしまう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題点を解決しようとするものであり、小便器周囲の床面を自動的に清掃する清掃装置について、既存トイレに対しても容易かつ低コストで実施できるようにするとともに、運転経費を低廉としながら、利用者にとって清潔で快適な小便所を提供できるようにすることを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は、小便器に近接した床面上に配置され小便器の周囲床面を清掃するトイレ床清掃装置として、小便器の背後のトイレ壁に近接してトイレ床に排水溝を設け、床面に洗浄水を散布する洗浄水散布手段および床面を摺擦する払拭手段を装備した清掃機と、清掃機をトイレ壁に近接した待機位置と小便器周囲床面の所定位置との間で往復移動させる移動手段と、清掃機および移動手段に清掃作業を行う指令を与える制御手段とを具えさせ、制御手段の指令に基いて移動手段が清掃機を待機位置と所定位置との間を往復移動させ、洗浄水散布手段が往路または/および復路に洗浄水を床面に散布し、払拭手段が復路に床面上の汚れを洗浄水とともに排水溝に導き排出させるものとした。
【0009】
これにより、全体として簡易且つ低廉な構成で小便器周辺の床面の汚れを容易に清掃できるようになるとともに、既存のトイレ設備においても洗浄水用の給水管や電気配線等を設置し床に排水溝を設ける程度の比較的簡単な設置工事を行うだけで実施可能となることから、施工容易でこれに伴うトイレの利用停止期間も短いものとなる。そして、払拭手段で摺擦することで床面の汚れは容易に落ちることから、洗浄水は床面が濡れる程度でよいため水道代が低廉で汚水の発生も少なくなり、さらに摺擦すると床面は短時間で乾くので利用者に不快感を与えないものとなる。
【0010】
そして、払拭手段に加えて床面に当接して摺擦するブラシを清掃機に設け、その摩擦で床面の汚れを落とすようにすれば、落ちにくい汚れも確実に落とすことができ、そのブラシが電動モータで駆動されて制御手段の指令で回転制御されるようにすれば、床面の汚れをさらに良好に除去することができる。
【0011】
また、清掃機に床面に向けて温風を噴射する乾燥手段を設け、制御手段の指令で復路において払拭手段の後方で温風を噴射して床面を乾燥させるようにすれば、摺擦による水分除去に加え、温風により床面が直ちに乾燥するため利用者がさらに快適に使用できるようになる。
【0012】
さらに、払拭手段が小便器の幅方向へ延びる横長のワイパを有するようにして、このワイパを上下駆動機構により上下可動として制御手段の指令により往路で上昇位置に保持し復路で下降位置に保持して床面を摺擦させるようにする。これにより、清掃機が元の配置位置に戻る動作により汚水をかき寄せてこれを排水口に導いて排出させることができ、不使用時にはこれらが邪魔にならないとともに使用時に効果的に働かせることができるため、往路で摺擦してこれらを無駄に摩耗させたり清掃機移動の抵抗を増大させない。また、前述した払拭手段に付随してブラシを上下駆動機構により上下可動として制御手段の指令で同様に上下動させるようにすれば、さらに効率的に清掃作業を行うことができる。
【0013】
さらにまた、前述したトイレ床清掃装置において小便器が壁掛け式小便器の場合、清掃機の待機位置を小便器下側の壁際床面として、清掃機が待機位置から直線的に前後往復移動を行って清掃作業を行うものとすれば、清掃装置全体が小便器の下側に収まって邪魔にならないとともに美観を損なわず、最小限の動作で汚れ部分を効率的に清掃することができる。一方、小便器が床置き式の小便器の場合、小便器の下側にはスペースがないことから、清掃機の待機位置を小便器の左右いずれかの壁際床面にすると利用者の邪魔にならないが、このとき清掃機が待機位置から小便器周縁に沿う湾曲軌道上で往復移動を行って清掃作業を行うものとすれば、確実に小便器周囲の汚れを清掃することができる。そして、この場合、その小便器側の外側面にセンサを設け、小便器との間隔を一定に保ちながらその周囲を曲線的に往復移動するようにすれば、確実な軌道を確保しながら清掃を行うことができる。
【0014】
加えて、前述したトイレ床清掃装置において、洗浄水散布手段として、トイレ壁に設けられた給水源に接続されて前記清掃機の移動に追従可能な可撓管と、前記払拭手段に沿って延在させた散水管と、開閉弁とを設け、この開閉弁を制御手段の指令で開閉して往路または往路および復路に散水管により床面に洗浄水を散布するものとすれば、少量の洗浄水で効果的な清掃ができる。
【0015】
さらに加えて、先述したトイレ床清掃装置において、清掃機を待機位置で固定的に配置される基端ケーシングに収装させるようにし、これからテレスコープ状に延出するようにすれば、給水用の配管や動力用・制御用の配線が外部から見えなくなるとともに、清掃機の安定した往復運動を確保しやすくなる。一方、清掃機を独立の単体として待機位置と所定位置との間を自走させて往復移動するようにすれば、構成を簡易にして製造コストを低廉に抑えることができる。
【0016】
そして、前述したトイレ床清掃装置において、清掃機に壁面側の主配線に接続される配線コードおよび給水管に接続される可撓管の巻込み・繰出しを行うリールを設け、その往復移動に追従して巻込み・繰出し動作を行うようにすれば、配線コードや可撓管が弛んで床面に垂れ下がり或いはもつれて往復移動を妨げる、という不都合を回避することができる。
【0017】
また、上述したトイレ床清掃装置において、移動手段が、電動モータおよびこれにより駆動させられる駆動輪を有するものとしてこれを清掃機に設け、駆動輪の回動により清掃機を往復移動させるものとすれば、簡単な構成で容易に清掃機の移動を制御できるようになる。或いは、移動手段が電動モータ、および清掃機の移動方向に沿って配置されこの電動モータで回動させられるねじ棒、および清掃機側に設けられこのねじ棒に螺合するナットを有するようにして、そのねじ棒の回動によりナットがスライド移動させられて清掃体が往復移動させられるようにすれば、清掃機の移動を正確に一直線上に制御できるようになる。
【0018】
さらに、前述したトイレ床清掃装置の運転方法について、制御手段が利用者を感知するセンサおよび電子式制御装置を有するものとして、予め設定された所定時間毎または/およびセンサが感知した利用者の所定人数毎に清掃を行う指令を出すものとすれば、利用者の使用状況に応じて運転スケジュールを適正に設定することができるようになり、必要かつ最小限の清掃で清潔なトイレを維持することができる。また、これにより水道代を初めとするランニングコストの低廉化にも資するものとなる。
【0019】
さらにまた、前述の利用者の使用状況に応じて運転スケジュールを設定できるトイレ床清掃装置において、センサが利用者の使用を感知したとき、その使用中は清掃作業を行わせないものとすれば、清掃動作によって生じる利用者の危険を回避するとともに、清掃終了まで長時間待たせる不便を最小限にすることができる。
【0020】
加えて、前述したトイレ床清掃装置において、動力源を電動モータに替えて清掃機外に設置した圧縮器に接続された空気圧モータを使用すれば、清掃機を軽量化することができるとともに水濡れに強い装置となるが、この空気圧モータから発生する高圧の排気を排水溝方向に向かうように床面に導く排気誘導手段が設け、この排気の噴出力を用いて床面の水分を排水溝に向けて押し流すようにすれば、床面の乾燥がさらに迅速化される。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について、以下に図面を用いながら詳細に説明する。尚、本発明において清掃機が移動する小便器床面の所定位置とは、床の想定される汚れ領域をカバーする範囲までの位置を指す。また、以下の説明においては異なる実施の形態であっても、同じ構成要素には同一の符号を付して説明する。
【0022】
図1乃至図7は、本発明の第一の実施の形態であるトイレ床清掃装置1Aを示している。図1はトイレ床清掃装置1Aの右側面を切り欠いた縦断面図であって、この、トイレ床清掃装置1Aは、図6(A)の平面図に示すように、トイレにおいて壁掛け用の小便器9Aが配設されている壁81aに近接して、小便器9Aの下側の床80aに配置されている。また、床80aには、壁81aに近接かつ平行に排水溝82aが設けられている。
【0023】
トイレ床清掃装置1Aは、図1ないし図5,図6(B)および(C)に示すように、全体として横長の筺体であるが、基端ケーシング2A内にこれより小さくてほぼ相似形の筺体である中間ケーシング2Bが収納され、さらにその中間ケーシング2Bには清掃機2Cが収納されており、清掃機2Cが中間ケーシング2Bを介してテレスコープ状に前方に延出されるようになっている。
【0024】
図1の拡大図である図5を参照して、基端ケーシング2Aは、前面と底面を開放した筺体であり、壁81a際の床80aに配置され、その上面右奥側には、洗浄水の給水源である給水管7aと動力および制御用の主配線7bとを固定する固定金具7が突出している。そして、基端ケーシング2Aは前面、背面、底面を開放した筺体である中間ケーシング2Bを収納し、中間ケーシング2Bは背面および底面を開放した筺体であって清掃機能を内装した清掃機2Cを収納している。
【0025】
清掃機2Cは、内部に移動手段3および洗浄水散布手段4および払拭手段5を具え、さらに、電子式制御装置6aを有して清掃動作を制御する制御手段6を具えている。また、前面右上部には利用者の接近を感知するセンサ6bが設けられ、感知した情報を電子式制御装置6aに伝達するようになっている。
【0026】
移動手段3は、清掃機2Cの前方側に配置され、電動モータ31と、その駆動力を伝導する無端ベルト33と、これにより回転駆動する1対の車輪32,32とを有し、電子式制御装置6aの指令により前進・後退動作が行われるようになっている。尚、車輪32,32は待機位置において溝82に嵌まり込まないようになっている。
【0027】
洗浄水散布手段4は、横長の中空部材で下面に複数の散水ノズル41aが設けられた散水管41有し(図6の(C)参照)、散水管41は基端ケーシング2Aの固定金具7を介して可撓管42により給水管7aに接続されている。可撓管42の先端部には、電子式制御装置6aで開閉制御される可動の開閉弁43が設けられている。
【0028】
また、散水により濡れた床面を摺擦する払拭手段5は、電動モータ51と、これにより駆動させられるねじ棒およびこれに螺合したナットからなる上下駆動機構52と、ナットにロッド54で接続されて上下動させられるワイパ53を有している。ワイパ53は、例えばゴム等の可撓性素材からなり、下降位置で床80aに当接されて、清掃機2Cの後退動作により排水溝82aに汚水を導き排出させるようになっている。ワイパ53は、図6(C)に示すように、自動車のワイパと同様の横長形状で左右両端部が内側に屈曲しているものであり、壁81aに対して平行に支持されるとともに、下端側を床面に平行に向けている。また、ワイパ53の上端側はやや厚く堅固であり、下端側が薄く柔軟性を有して床面に密着しやすい形状になっている。そして、このワイパ53の上下動は電子式制御装置6aにより制御される。
【0029】
次に、本実施の形態であるトイレ床清掃装置1Aの使用法及び動作について、以下に説明する。図7を参照して、トイレ床清掃装置1Aは、壁掛け式小便器9A,9A,9Aの下側の壁81a際の床80aにそれぞれ配置されており、それぞれが固定金具7により給水管7a,主配線7bを接続させている。これにより、各トイレ床清掃装置1Aは各配置位置に固定され、容易にこれらを取り外して持ち出せないようになっている。そして、各トイレ床清掃装置1Aは、各小便器9Aの下側において排水溝82aを覆って目立たないように配置されるため、トイレ全体の美観を損なわない。
【0030】
先ず、実施にあたり、図7のトイレ右側の壁に配置されたコントロールパネル10の操作で、清掃作業のスケジュールについて設定する。例えば、トイレの利用者が比較的バラつきのない状態且つ利用頻度の少ない場合であれば時間毎、例えば1時間毎に清掃を実施するように設定し、その利用にバラつきがあったり、利用頻度が多かったりする場合は、各センサ6bで感知した所定人数毎、例えば5人毎に清掃を実施するように設定する。
【0031】
また、上述のような設定だけでなく、時間毎の設定と人数毎の設定とを併用するようにしてもよいし、コントロールパネル10を用いて、マニュアル操作で必要の都度清掃を行うようにしてもよい。これにより、無駄な清掃をなくして最小限のランニングコスト(電気代・上下水道代)を実現することが容易となる。尚、本実施の形態では利用者5人毎に清掃を行うように設定した場合を説明する。
【0032】
図1および図6(A)は、トイレ床清掃装置1Aの待機状態を示しているが、床80aはこぼれた尿滴84で汚れが目立っている。利用者が小便器の前に立つと、センサ6bがこれを感知して電子式制御装置6aに伝達し、利用者人数をカウントさせる。カウントが5人になると清掃作業を実施するように設定されているが、センサ6bが利用者の存在を感知している間は、作動しないようになっており利用者の安全が図られている。
【0033】
図5を参照して、5人目の利用者が立ち去ると、電子式制御装置6aの指令により、電動モータ31が回転し、車輪32,32が前進駆動させられて清掃機2Cは、基端ケーシング2Aからテレスコープ状に延出・前進する(図2参照)。また、前進の際、電子式制御装置6aの指令により、開閉弁43が開放され、可撓管42を経由して散水管41の各散水ノズル41aから床80aに散水する。これにより、床80aの尿滴84は洗浄水で湿潤・希釈される。
【0034】
また、基端ケーシング2Aの先端部、中間ケーシング2Bの基端部と先端部、清掃機2Cの基端部にはそれぞれ鈎状部が設けられ、最大延長時に各筺体が互いに繋止されるようになっている。また、電動モータ31の回転は設定された所定の作動時間で止まるようになっており、ほぼ清掃機2Cの最大延出時に停止するようになっている。また、散水管41による散水時間も予め設定されており、ほぼ最大延出時に散水が停止するようになっている。
【0035】
図3、図4を参照して、後退動作に入る前において電子式制御装置6aの指令により払拭手段5が作動し、電動モータ51の回転により上下駆動機構52がロッド54を下降させ、ワイパ53が床80aに当接する。上下駆動機構52の上下動作においては、リミッタ56a,56bにより上限位置と下限位置とが感知されて、それぞれの位置でワイパ53が停止する。
【0036】
ワイパ53が床80aに当接すると、トイレ床清掃装置1Aは電子式制御装置6aの指令により後退動作を開始する(図3参照)。汚水はワイパ53により排水溝82aに向かって押し流されるが、洗浄水に溶解または希釈されず床面に残った汚れもワイパ53が摺擦することにより剥離して、後退動作に伴って移送させられ、溝82aに落入させられる(図4参照)。尚、溝82aの底面は長手方向に僅かに傾斜がつけられ、汚水が図示しない排水口に流れ落ちるようになっている。
【0037】
以上述べたように、本実施の形態のトイレ床清掃装置1Aは簡易な構造であってコストが安いものであるが、小便器周囲の床面を効率的に清掃することができ、しかも既存のトイレ設備に容易に設置することができるものである。また、その動作は全自動であり、少ないランニングコストで清掃員がトイレを清掃する手間を大幅に軽減または不要とすることができる。尚、本実施の形態では、清掃機2Cに電子式制御装置6aおよびセンサ6bを付設したが、電子式制御装置6aをコントロールパネル10で兼ねてもよいし、センサ6bを小便器9Aに付帯のセンサ91で兼ねてもよい(図7参照)。また、清掃中においても利用者が接近した場合に、清掃を中止して清掃機2Cを後退させて一時的に待機状態とし利用者が退去したとき直ちに清掃を再開するように設定することができる。さらに、必要に応じて溝82aの露出部分に蓋を被せるようにしてもよい。
【0038】
図8は、本発明の第二の実施の形態を示すものであり、清掃機をワイパ53の内側にこれと平行して回転ブラシ57を設けた清掃機2Dとした実施の形態である、トイレ床清掃装置1Bを示している。回転ブラシ57は、電子式制御装置6aにより制御される電動モータ58の回転が無端ベルト59で伝達されて回転するが、ワイパ53に付帯して設けられているため、上下駆動機構52のロッド54に取り付けてワイパ53の上下動に連動するようになっている。従って回転ブラシ57は、清掃機2Dの後退動作時に床80aに当接して濡れた床面を回転しながら清掃する。これにより、尿滴が乾いて落ちにくくなった場合でも、これを剥離して確実に除去することができる。尚、本実施の形態では回転ブラシ57をワイパ53に付帯させたが、独立させて設け単独で上下動するような構成としてもよく、また、前進動作においてもこれを床面に当接・回転させる設定にしてもよい。
【0039】
図9は、本発明の第三の実施の形態を示すものであり、清掃機を内部に床80aの表面を乾燥させる乾燥手段45を設けた清掃機2Eとした実施の形態である、トイレ床清掃装置1Cを示している。乾燥手段45は、後退動作時にワイパ53の後方となる位置に設置され、送風機と電熱ヒータと床80aに向けた噴射孔とを具えている。そして、後退動作時に電熱ヒータで加熱した空気を噴射孔から噴射して、ワイパ53が摺擦した直後の床80a表面に残る水分を乾燥させる。送風機と電熱ヒータは電子式制御装置6aで制御され、これにより、清掃直後でも床80aは乾燥した状態となり、利用者に濡れた床に立つ不快感を与えることがなくなる。
【0040】
図10は、本発明の第四の実施の形態を示すものであり、移動手段を基端ケーシング2Aに設けた電動モータ35により回転するねじ棒35aと、中間ケーシング2Bに固定されねじ棒35aに噛み合うナット35bとの組み合わせ、および中間ケーシング2Bに設けた電動モータ36により回転するねじ棒36aと清掃機2Fに固定されねじ棒36aに噛み合うナット36bとの組み合わせによる直線往復動機構3Bとした実施の形態である、トイレ床清掃装置1Dを示している。電動モータ35,36はともに電子式制御装置6aにより回転制御され、清掃機2Fが最大延出位置となるまで移動させられるようになっている。このような構成とすることで、例えば床80a全体が濡れていて、車輪32,32が滑って清掃機2Cが滑らかに移動できないような場合でも、前進後退動作を円滑に行わせることができる。
【0041】
尚、前記各実施の形態において、可撓管42,配線コード46は中間ケーシング2Bおよび清掃機2C,2D,2E,2Fの頂壁にカーテン吊りされ、前進・後退の際に床に垂れたり互いにもつれたりすることがない。
【0042】
図11は、本発明の第五の実施の形態を示すものであり、基端ケーシング2Aおよび中間ケーシング2Bを有しない構成として、清掃機を独立して壁81aから離れて前進・後退動作をしながら清掃を行う清掃機2Gとした実施の形態である、トイレ床清掃装置1Eを示している。本実施の形態においては、清掃機2Gの左右側面の下端部前後に補助輪38,39が設けられ、安定した姿勢が維持されるようになっている。また、可撓管42および配線コード46が垂れ下がって走行を妨げることを防ぐため、カーテン吊りとなる替わりにこれらを巻装したリール7eが設けられ、このリール7eが走行用の電動モータ31の回転を伝達する無端ベルト7dにより走行に同期して回転することにより可撓管42,配線コード46の巻込み・送出しを行うようになっている。尚、給水管7aと主配線7bとを固定する固定金具7cは壁81a側に固定される。本実施の形態により、全体としてシンプルとなって部品点数を減少させることができるため、製造コストがさらに安いものとなる。
【0043】
図12の(A),(B),(C)は、本発明の第六の実施の形態を示すものであって、床置き式小便器9B用のトイレ床清掃装置1Fを示す平面図である。小便器9Bは床置き式であって、その下側に清掃装置を配置することができないため、清掃機は、小便器9Bの左右いずれかの壁81b際の床80bに配置した。この清掃機は、前述したトイレ床清掃装置1Eの清掃機2C〜2Gの横幅をやや短尺にした清掃機2Hとして、小便器9B側の側面にセンサ6cを具えている。このセンサ6cは、清掃機2Hと小便器9Bとの距離を感知するものである。
【0044】
また、左右の車輪32a,32bはそれぞれ別個の電動モータ31a,31bで駆動させられるようになっており、電子式制御装置6aがセンサ6cからの信号に基いて小便器9Bとの間隔をほぼ一定とするように、それぞれの回転速度を別個に制御して、トイレ床清掃装置1Fが小便器9Bの周囲の床80bを湾曲軌道Hを描いて往復走行するようになっている(図12の(C)参照)。さらに、本実施の形態においても、清掃装置2Hは清掃領域のやや先方位置で停止して、後退しながら汚れおよび洗浄水からなる汚水を摺擦して、溝82bまで導き排出させるようになっている。また、ワイパ53aの両端部が内側に向けて屈曲しているため(図12の(A)参照)、湾曲軌道Hで走行しても、汚水がワイパ53a両端からこぼれないようになっている。
【0045】
尚、上述した各実施の形態の特徴部分を、目的に応じて適宜組み合わせれば、それぞれの効果を発揮することができ、さらに有用なものとすることができることは言うまでもない。加えて、上述した各実施の形態において、清掃機と別個に圧縮機およびこれにより生成された高圧空気を溜めるアキュムレータを適宜場所に配設し、各清掃機に用いる総ての電動モータを空気圧モータに替えて、これらをアキュムレータにエアパイプでそれぞれ接続しても同様に実施することができる。これにより、各清掃機が軽量化されるとともに、電動モータが水に濡れて漏電などの不具合が発生するトラブルを避けることができる。そして、空気圧モータから発生する高圧の排気をエアパイプとノズルで排水溝方向に向かって床面に導くようにすれば、清掃機の後退動作時において高圧の排気を用いて床面の水分を排水溝に向けてまで吹き飛ばすように押し流し、床面をさらに迅速に乾燥させることも可能となる。
【0046】
尚また、上述した電動モータにより駆動される車輪を具えた実施の形態において、移動手段3を清掃機前部に配置する替わりに後部に配置してもよい。
さらに、図8に示したブラシ57を具えた実施の形態において、ワイパ53とブラシ57の間の適宜個所に真空ポンプに接続され床面の汚水を吸引するノズルを配置して真空ポンプの吐出末端を排水溝に開口させるようにすれば、床面の水分をより確実に除去することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明であるトイレ床清掃装置は、既存トイレにおいても容易かつ低コストで実施できるとともに、運転コストを低廉としながら、利用者にとって清潔で快適な小便所を提供できるようなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態の待機位置での縦断面図。
【図2】図1の実施の形態の最も前進した位置での縦断面図。
【図3】図1の実施の形態の後退を開始した状態での縦断面図。
【図4】図1の実施の形態の清掃を完了した状態での縦断面図。
【図5】図1の拡大図。
【図6】(A)は図1のトイレ床清掃装置1Aの配置位置を示す平面図、(B)はその待機状態を示す平面図、(C)はその最も前進した状態を示す平面図。
【図7】図1のトイレ床清掃装置1Aを配置したトイレルームの斜視図。
【図8】本発明の第二の実施の形態の縦断面図。
【図9】本発明の第三の実施の形態の縦断面図。
【図10】本発明の第四の実施の形態の縦断面図。
【図11】本発明の第五の実施の形態の縦断面図。
【図12】(A)は本発明の第六の実施の形態であるトイレ床清掃装置1Fの平面図、(B)はその配置位置を示す平面図、(C)はその作動状態を示す平面図。
【符号の説明】
1A,1B,1C,1D,1E,1F トイレ床清掃装置、2A 基端ケーシング、2B 中間ケーシング、2C,2D,2E,2F,2G,2H 清掃機、3 移動手段、3B 直線往復動機構、4 洗浄水散布手段、5 払拭手段、6制御手段、6a 電子式制御装置、6b,6c,91 センサ、7,7c 固定金具、7a 給水管、7b 主配線、7e リール、9A,9B 小便器、10 コントロールパネル、31,31a,31b,33b,33c,35,36,51,58 電動モータ、33,59 7d 無端ベルト、32,32a,32b 車輪、35a,36a ねじ棒、35b,36b ナット、38,39 補助輪、41 散水管、41a 散水ノズル、42 可撓管、43 開閉弁、45 乾燥手段、46 配線コード、52 上下駆動機構、53,53a ワイパ、54 ロッド、56a,56b リミッタ、57 回転ブラシ、80a,80b 床、81a,81b 壁、82a,82b 排水溝、84 尿滴
【発明の属する技術分野】
本発明は、トイレに設置された小便器の周囲床面を自動的に清掃するトイレ床清掃装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
不特定多数の人が利用するトイレを清潔に保つことは重要であり、殊に客商売において、客の利用頻度が高いトイレの小便器およびその周辺が汚いと、客の印象を悪くして売り上げに影響を及ぼす原因になるとも言われている。また、企業などの施設においてもトイレの清潔さは当該企業の印象に影響を与えると言われている。このような不特定多数の人が利用するトイレにおいて小便器周囲の床面は、一度利用者の小便が垂れて汚れると、次の利用者はこれを踏みたくないことから小便器から離れて立つため、さらに小便が垂れやすくなって益々床面が汚れる、という悪循環が生じやすい。一方、小便所周辺をこまめに掃除しておくと、利用者の心理として汚すことに抵抗を感じるため小便器周辺は清潔に保たれやすくなる、という好循環が生じやすい。
【0003】
しかし、小便器周辺をこまめに掃除するには人手と経費がかかることから実際には困難である。また、駅やデパートなど営業時間中に利用者が絶えない施設では、トイレを清掃する場合にその利用を一時的に中止する必要があり、利用者に不便をかけることになってしまう。また、劇場や映画館などのトイレは、短時間に利用者が殺到するため小便器周囲の床面の汚れが甚だしいものとなるが、開演時間の合間毎に毎回清掃を実施するのも容易ではない。
【0004】
その対策として、特開平6−136799号公報、特開平6−136800号公報に、小便器及び小便器周辺の清掃を自動化して、清掃作業の能率化・省力化をはかるとともに、トイレを閉鎖することなく清掃を行えるようにした装置が提示されている。特開平6−136799号公報に記載の装置は、壁面に凹入して配設された小便器の開放面を開閉自在の蓋体で覆って水が周囲に飛散しないようにして、洗浄水供給機構で洗浄を行う小便器清掃装置であり、特開平6−136800号公報に記載の装置は、壁面タイプの大型小便器において、その壁面および近接した床部分を掃払するものであって、洗浄水吐出口を備え左右にスライド移動して清掃を行う小便器清掃装置である。
【0005】
これらは、人手がかからない全自動式であり、清掃時において小便所の利用を全面的に閉鎖することなく清掃している小便器部分のみ利用停止にすればよいため、利用者にかける不便を最小限としながら小便器周辺を常に清潔に保つことができる。
【0006】
しかしながら、前者の装置は実施するのに大掛かりな設置工事が必要となるものであり、後者の装置はトイレを新たに設ける場合を想定しているものであって、両者ともに既設のトイレに設置することが極めて困難なものである。また、従って、これらを既設のトイレに設置して実施することは手間とコストがかかることに加え、施工期間中はトイレを閉鎖することとなって、利用者に不便をかけてしまう。さらに、これらは洗浄水を大量に使用するため、水道代が嵩むとともに、多量の汚水を排出するものである。そして、洗浄後は小便器周囲の床面が濡れたままであり、利用者に不快感を与えたり、足を滑らせたりする原因にもなってしまう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題点を解決しようとするものであり、小便器周囲の床面を自動的に清掃する清掃装置について、既存トイレに対しても容易かつ低コストで実施できるようにするとともに、運転経費を低廉としながら、利用者にとって清潔で快適な小便所を提供できるようにすることを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は、小便器に近接した床面上に配置され小便器の周囲床面を清掃するトイレ床清掃装置として、小便器の背後のトイレ壁に近接してトイレ床に排水溝を設け、床面に洗浄水を散布する洗浄水散布手段および床面を摺擦する払拭手段を装備した清掃機と、清掃機をトイレ壁に近接した待機位置と小便器周囲床面の所定位置との間で往復移動させる移動手段と、清掃機および移動手段に清掃作業を行う指令を与える制御手段とを具えさせ、制御手段の指令に基いて移動手段が清掃機を待機位置と所定位置との間を往復移動させ、洗浄水散布手段が往路または/および復路に洗浄水を床面に散布し、払拭手段が復路に床面上の汚れを洗浄水とともに排水溝に導き排出させるものとした。
【0009】
これにより、全体として簡易且つ低廉な構成で小便器周辺の床面の汚れを容易に清掃できるようになるとともに、既存のトイレ設備においても洗浄水用の給水管や電気配線等を設置し床に排水溝を設ける程度の比較的簡単な設置工事を行うだけで実施可能となることから、施工容易でこれに伴うトイレの利用停止期間も短いものとなる。そして、払拭手段で摺擦することで床面の汚れは容易に落ちることから、洗浄水は床面が濡れる程度でよいため水道代が低廉で汚水の発生も少なくなり、さらに摺擦すると床面は短時間で乾くので利用者に不快感を与えないものとなる。
【0010】
そして、払拭手段に加えて床面に当接して摺擦するブラシを清掃機に設け、その摩擦で床面の汚れを落とすようにすれば、落ちにくい汚れも確実に落とすことができ、そのブラシが電動モータで駆動されて制御手段の指令で回転制御されるようにすれば、床面の汚れをさらに良好に除去することができる。
【0011】
また、清掃機に床面に向けて温風を噴射する乾燥手段を設け、制御手段の指令で復路において払拭手段の後方で温風を噴射して床面を乾燥させるようにすれば、摺擦による水分除去に加え、温風により床面が直ちに乾燥するため利用者がさらに快適に使用できるようになる。
【0012】
さらに、払拭手段が小便器の幅方向へ延びる横長のワイパを有するようにして、このワイパを上下駆動機構により上下可動として制御手段の指令により往路で上昇位置に保持し復路で下降位置に保持して床面を摺擦させるようにする。これにより、清掃機が元の配置位置に戻る動作により汚水をかき寄せてこれを排水口に導いて排出させることができ、不使用時にはこれらが邪魔にならないとともに使用時に効果的に働かせることができるため、往路で摺擦してこれらを無駄に摩耗させたり清掃機移動の抵抗を増大させない。また、前述した払拭手段に付随してブラシを上下駆動機構により上下可動として制御手段の指令で同様に上下動させるようにすれば、さらに効率的に清掃作業を行うことができる。
【0013】
さらにまた、前述したトイレ床清掃装置において小便器が壁掛け式小便器の場合、清掃機の待機位置を小便器下側の壁際床面として、清掃機が待機位置から直線的に前後往復移動を行って清掃作業を行うものとすれば、清掃装置全体が小便器の下側に収まって邪魔にならないとともに美観を損なわず、最小限の動作で汚れ部分を効率的に清掃することができる。一方、小便器が床置き式の小便器の場合、小便器の下側にはスペースがないことから、清掃機の待機位置を小便器の左右いずれかの壁際床面にすると利用者の邪魔にならないが、このとき清掃機が待機位置から小便器周縁に沿う湾曲軌道上で往復移動を行って清掃作業を行うものとすれば、確実に小便器周囲の汚れを清掃することができる。そして、この場合、その小便器側の外側面にセンサを設け、小便器との間隔を一定に保ちながらその周囲を曲線的に往復移動するようにすれば、確実な軌道を確保しながら清掃を行うことができる。
【0014】
加えて、前述したトイレ床清掃装置において、洗浄水散布手段として、トイレ壁に設けられた給水源に接続されて前記清掃機の移動に追従可能な可撓管と、前記払拭手段に沿って延在させた散水管と、開閉弁とを設け、この開閉弁を制御手段の指令で開閉して往路または往路および復路に散水管により床面に洗浄水を散布するものとすれば、少量の洗浄水で効果的な清掃ができる。
【0015】
さらに加えて、先述したトイレ床清掃装置において、清掃機を待機位置で固定的に配置される基端ケーシングに収装させるようにし、これからテレスコープ状に延出するようにすれば、給水用の配管や動力用・制御用の配線が外部から見えなくなるとともに、清掃機の安定した往復運動を確保しやすくなる。一方、清掃機を独立の単体として待機位置と所定位置との間を自走させて往復移動するようにすれば、構成を簡易にして製造コストを低廉に抑えることができる。
【0016】
そして、前述したトイレ床清掃装置において、清掃機に壁面側の主配線に接続される配線コードおよび給水管に接続される可撓管の巻込み・繰出しを行うリールを設け、その往復移動に追従して巻込み・繰出し動作を行うようにすれば、配線コードや可撓管が弛んで床面に垂れ下がり或いはもつれて往復移動を妨げる、という不都合を回避することができる。
【0017】
また、上述したトイレ床清掃装置において、移動手段が、電動モータおよびこれにより駆動させられる駆動輪を有するものとしてこれを清掃機に設け、駆動輪の回動により清掃機を往復移動させるものとすれば、簡単な構成で容易に清掃機の移動を制御できるようになる。或いは、移動手段が電動モータ、および清掃機の移動方向に沿って配置されこの電動モータで回動させられるねじ棒、および清掃機側に設けられこのねじ棒に螺合するナットを有するようにして、そのねじ棒の回動によりナットがスライド移動させられて清掃体が往復移動させられるようにすれば、清掃機の移動を正確に一直線上に制御できるようになる。
【0018】
さらに、前述したトイレ床清掃装置の運転方法について、制御手段が利用者を感知するセンサおよび電子式制御装置を有するものとして、予め設定された所定時間毎または/およびセンサが感知した利用者の所定人数毎に清掃を行う指令を出すものとすれば、利用者の使用状況に応じて運転スケジュールを適正に設定することができるようになり、必要かつ最小限の清掃で清潔なトイレを維持することができる。また、これにより水道代を初めとするランニングコストの低廉化にも資するものとなる。
【0019】
さらにまた、前述の利用者の使用状況に応じて運転スケジュールを設定できるトイレ床清掃装置において、センサが利用者の使用を感知したとき、その使用中は清掃作業を行わせないものとすれば、清掃動作によって生じる利用者の危険を回避するとともに、清掃終了まで長時間待たせる不便を最小限にすることができる。
【0020】
加えて、前述したトイレ床清掃装置において、動力源を電動モータに替えて清掃機外に設置した圧縮器に接続された空気圧モータを使用すれば、清掃機を軽量化することができるとともに水濡れに強い装置となるが、この空気圧モータから発生する高圧の排気を排水溝方向に向かうように床面に導く排気誘導手段が設け、この排気の噴出力を用いて床面の水分を排水溝に向けて押し流すようにすれば、床面の乾燥がさらに迅速化される。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について、以下に図面を用いながら詳細に説明する。尚、本発明において清掃機が移動する小便器床面の所定位置とは、床の想定される汚れ領域をカバーする範囲までの位置を指す。また、以下の説明においては異なる実施の形態であっても、同じ構成要素には同一の符号を付して説明する。
【0022】
図1乃至図7は、本発明の第一の実施の形態であるトイレ床清掃装置1Aを示している。図1はトイレ床清掃装置1Aの右側面を切り欠いた縦断面図であって、この、トイレ床清掃装置1Aは、図6(A)の平面図に示すように、トイレにおいて壁掛け用の小便器9Aが配設されている壁81aに近接して、小便器9Aの下側の床80aに配置されている。また、床80aには、壁81aに近接かつ平行に排水溝82aが設けられている。
【0023】
トイレ床清掃装置1Aは、図1ないし図5,図6(B)および(C)に示すように、全体として横長の筺体であるが、基端ケーシング2A内にこれより小さくてほぼ相似形の筺体である中間ケーシング2Bが収納され、さらにその中間ケーシング2Bには清掃機2Cが収納されており、清掃機2Cが中間ケーシング2Bを介してテレスコープ状に前方に延出されるようになっている。
【0024】
図1の拡大図である図5を参照して、基端ケーシング2Aは、前面と底面を開放した筺体であり、壁81a際の床80aに配置され、その上面右奥側には、洗浄水の給水源である給水管7aと動力および制御用の主配線7bとを固定する固定金具7が突出している。そして、基端ケーシング2Aは前面、背面、底面を開放した筺体である中間ケーシング2Bを収納し、中間ケーシング2Bは背面および底面を開放した筺体であって清掃機能を内装した清掃機2Cを収納している。
【0025】
清掃機2Cは、内部に移動手段3および洗浄水散布手段4および払拭手段5を具え、さらに、電子式制御装置6aを有して清掃動作を制御する制御手段6を具えている。また、前面右上部には利用者の接近を感知するセンサ6bが設けられ、感知した情報を電子式制御装置6aに伝達するようになっている。
【0026】
移動手段3は、清掃機2Cの前方側に配置され、電動モータ31と、その駆動力を伝導する無端ベルト33と、これにより回転駆動する1対の車輪32,32とを有し、電子式制御装置6aの指令により前進・後退動作が行われるようになっている。尚、車輪32,32は待機位置において溝82に嵌まり込まないようになっている。
【0027】
洗浄水散布手段4は、横長の中空部材で下面に複数の散水ノズル41aが設けられた散水管41有し(図6の(C)参照)、散水管41は基端ケーシング2Aの固定金具7を介して可撓管42により給水管7aに接続されている。可撓管42の先端部には、電子式制御装置6aで開閉制御される可動の開閉弁43が設けられている。
【0028】
また、散水により濡れた床面を摺擦する払拭手段5は、電動モータ51と、これにより駆動させられるねじ棒およびこれに螺合したナットからなる上下駆動機構52と、ナットにロッド54で接続されて上下動させられるワイパ53を有している。ワイパ53は、例えばゴム等の可撓性素材からなり、下降位置で床80aに当接されて、清掃機2Cの後退動作により排水溝82aに汚水を導き排出させるようになっている。ワイパ53は、図6(C)に示すように、自動車のワイパと同様の横長形状で左右両端部が内側に屈曲しているものであり、壁81aに対して平行に支持されるとともに、下端側を床面に平行に向けている。また、ワイパ53の上端側はやや厚く堅固であり、下端側が薄く柔軟性を有して床面に密着しやすい形状になっている。そして、このワイパ53の上下動は電子式制御装置6aにより制御される。
【0029】
次に、本実施の形態であるトイレ床清掃装置1Aの使用法及び動作について、以下に説明する。図7を参照して、トイレ床清掃装置1Aは、壁掛け式小便器9A,9A,9Aの下側の壁81a際の床80aにそれぞれ配置されており、それぞれが固定金具7により給水管7a,主配線7bを接続させている。これにより、各トイレ床清掃装置1Aは各配置位置に固定され、容易にこれらを取り外して持ち出せないようになっている。そして、各トイレ床清掃装置1Aは、各小便器9Aの下側において排水溝82aを覆って目立たないように配置されるため、トイレ全体の美観を損なわない。
【0030】
先ず、実施にあたり、図7のトイレ右側の壁に配置されたコントロールパネル10の操作で、清掃作業のスケジュールについて設定する。例えば、トイレの利用者が比較的バラつきのない状態且つ利用頻度の少ない場合であれば時間毎、例えば1時間毎に清掃を実施するように設定し、その利用にバラつきがあったり、利用頻度が多かったりする場合は、各センサ6bで感知した所定人数毎、例えば5人毎に清掃を実施するように設定する。
【0031】
また、上述のような設定だけでなく、時間毎の設定と人数毎の設定とを併用するようにしてもよいし、コントロールパネル10を用いて、マニュアル操作で必要の都度清掃を行うようにしてもよい。これにより、無駄な清掃をなくして最小限のランニングコスト(電気代・上下水道代)を実現することが容易となる。尚、本実施の形態では利用者5人毎に清掃を行うように設定した場合を説明する。
【0032】
図1および図6(A)は、トイレ床清掃装置1Aの待機状態を示しているが、床80aはこぼれた尿滴84で汚れが目立っている。利用者が小便器の前に立つと、センサ6bがこれを感知して電子式制御装置6aに伝達し、利用者人数をカウントさせる。カウントが5人になると清掃作業を実施するように設定されているが、センサ6bが利用者の存在を感知している間は、作動しないようになっており利用者の安全が図られている。
【0033】
図5を参照して、5人目の利用者が立ち去ると、電子式制御装置6aの指令により、電動モータ31が回転し、車輪32,32が前進駆動させられて清掃機2Cは、基端ケーシング2Aからテレスコープ状に延出・前進する(図2参照)。また、前進の際、電子式制御装置6aの指令により、開閉弁43が開放され、可撓管42を経由して散水管41の各散水ノズル41aから床80aに散水する。これにより、床80aの尿滴84は洗浄水で湿潤・希釈される。
【0034】
また、基端ケーシング2Aの先端部、中間ケーシング2Bの基端部と先端部、清掃機2Cの基端部にはそれぞれ鈎状部が設けられ、最大延長時に各筺体が互いに繋止されるようになっている。また、電動モータ31の回転は設定された所定の作動時間で止まるようになっており、ほぼ清掃機2Cの最大延出時に停止するようになっている。また、散水管41による散水時間も予め設定されており、ほぼ最大延出時に散水が停止するようになっている。
【0035】
図3、図4を参照して、後退動作に入る前において電子式制御装置6aの指令により払拭手段5が作動し、電動モータ51の回転により上下駆動機構52がロッド54を下降させ、ワイパ53が床80aに当接する。上下駆動機構52の上下動作においては、リミッタ56a,56bにより上限位置と下限位置とが感知されて、それぞれの位置でワイパ53が停止する。
【0036】
ワイパ53が床80aに当接すると、トイレ床清掃装置1Aは電子式制御装置6aの指令により後退動作を開始する(図3参照)。汚水はワイパ53により排水溝82aに向かって押し流されるが、洗浄水に溶解または希釈されず床面に残った汚れもワイパ53が摺擦することにより剥離して、後退動作に伴って移送させられ、溝82aに落入させられる(図4参照)。尚、溝82aの底面は長手方向に僅かに傾斜がつけられ、汚水が図示しない排水口に流れ落ちるようになっている。
【0037】
以上述べたように、本実施の形態のトイレ床清掃装置1Aは簡易な構造であってコストが安いものであるが、小便器周囲の床面を効率的に清掃することができ、しかも既存のトイレ設備に容易に設置することができるものである。また、その動作は全自動であり、少ないランニングコストで清掃員がトイレを清掃する手間を大幅に軽減または不要とすることができる。尚、本実施の形態では、清掃機2Cに電子式制御装置6aおよびセンサ6bを付設したが、電子式制御装置6aをコントロールパネル10で兼ねてもよいし、センサ6bを小便器9Aに付帯のセンサ91で兼ねてもよい(図7参照)。また、清掃中においても利用者が接近した場合に、清掃を中止して清掃機2Cを後退させて一時的に待機状態とし利用者が退去したとき直ちに清掃を再開するように設定することができる。さらに、必要に応じて溝82aの露出部分に蓋を被せるようにしてもよい。
【0038】
図8は、本発明の第二の実施の形態を示すものであり、清掃機をワイパ53の内側にこれと平行して回転ブラシ57を設けた清掃機2Dとした実施の形態である、トイレ床清掃装置1Bを示している。回転ブラシ57は、電子式制御装置6aにより制御される電動モータ58の回転が無端ベルト59で伝達されて回転するが、ワイパ53に付帯して設けられているため、上下駆動機構52のロッド54に取り付けてワイパ53の上下動に連動するようになっている。従って回転ブラシ57は、清掃機2Dの後退動作時に床80aに当接して濡れた床面を回転しながら清掃する。これにより、尿滴が乾いて落ちにくくなった場合でも、これを剥離して確実に除去することができる。尚、本実施の形態では回転ブラシ57をワイパ53に付帯させたが、独立させて設け単独で上下動するような構成としてもよく、また、前進動作においてもこれを床面に当接・回転させる設定にしてもよい。
【0039】
図9は、本発明の第三の実施の形態を示すものであり、清掃機を内部に床80aの表面を乾燥させる乾燥手段45を設けた清掃機2Eとした実施の形態である、トイレ床清掃装置1Cを示している。乾燥手段45は、後退動作時にワイパ53の後方となる位置に設置され、送風機と電熱ヒータと床80aに向けた噴射孔とを具えている。そして、後退動作時に電熱ヒータで加熱した空気を噴射孔から噴射して、ワイパ53が摺擦した直後の床80a表面に残る水分を乾燥させる。送風機と電熱ヒータは電子式制御装置6aで制御され、これにより、清掃直後でも床80aは乾燥した状態となり、利用者に濡れた床に立つ不快感を与えることがなくなる。
【0040】
図10は、本発明の第四の実施の形態を示すものであり、移動手段を基端ケーシング2Aに設けた電動モータ35により回転するねじ棒35aと、中間ケーシング2Bに固定されねじ棒35aに噛み合うナット35bとの組み合わせ、および中間ケーシング2Bに設けた電動モータ36により回転するねじ棒36aと清掃機2Fに固定されねじ棒36aに噛み合うナット36bとの組み合わせによる直線往復動機構3Bとした実施の形態である、トイレ床清掃装置1Dを示している。電動モータ35,36はともに電子式制御装置6aにより回転制御され、清掃機2Fが最大延出位置となるまで移動させられるようになっている。このような構成とすることで、例えば床80a全体が濡れていて、車輪32,32が滑って清掃機2Cが滑らかに移動できないような場合でも、前進後退動作を円滑に行わせることができる。
【0041】
尚、前記各実施の形態において、可撓管42,配線コード46は中間ケーシング2Bおよび清掃機2C,2D,2E,2Fの頂壁にカーテン吊りされ、前進・後退の際に床に垂れたり互いにもつれたりすることがない。
【0042】
図11は、本発明の第五の実施の形態を示すものであり、基端ケーシング2Aおよび中間ケーシング2Bを有しない構成として、清掃機を独立して壁81aから離れて前進・後退動作をしながら清掃を行う清掃機2Gとした実施の形態である、トイレ床清掃装置1Eを示している。本実施の形態においては、清掃機2Gの左右側面の下端部前後に補助輪38,39が設けられ、安定した姿勢が維持されるようになっている。また、可撓管42および配線コード46が垂れ下がって走行を妨げることを防ぐため、カーテン吊りとなる替わりにこれらを巻装したリール7eが設けられ、このリール7eが走行用の電動モータ31の回転を伝達する無端ベルト7dにより走行に同期して回転することにより可撓管42,配線コード46の巻込み・送出しを行うようになっている。尚、給水管7aと主配線7bとを固定する固定金具7cは壁81a側に固定される。本実施の形態により、全体としてシンプルとなって部品点数を減少させることができるため、製造コストがさらに安いものとなる。
【0043】
図12の(A),(B),(C)は、本発明の第六の実施の形態を示すものであって、床置き式小便器9B用のトイレ床清掃装置1Fを示す平面図である。小便器9Bは床置き式であって、その下側に清掃装置を配置することができないため、清掃機は、小便器9Bの左右いずれかの壁81b際の床80bに配置した。この清掃機は、前述したトイレ床清掃装置1Eの清掃機2C〜2Gの横幅をやや短尺にした清掃機2Hとして、小便器9B側の側面にセンサ6cを具えている。このセンサ6cは、清掃機2Hと小便器9Bとの距離を感知するものである。
【0044】
また、左右の車輪32a,32bはそれぞれ別個の電動モータ31a,31bで駆動させられるようになっており、電子式制御装置6aがセンサ6cからの信号に基いて小便器9Bとの間隔をほぼ一定とするように、それぞれの回転速度を別個に制御して、トイレ床清掃装置1Fが小便器9Bの周囲の床80bを湾曲軌道Hを描いて往復走行するようになっている(図12の(C)参照)。さらに、本実施の形態においても、清掃装置2Hは清掃領域のやや先方位置で停止して、後退しながら汚れおよび洗浄水からなる汚水を摺擦して、溝82bまで導き排出させるようになっている。また、ワイパ53aの両端部が内側に向けて屈曲しているため(図12の(A)参照)、湾曲軌道Hで走行しても、汚水がワイパ53a両端からこぼれないようになっている。
【0045】
尚、上述した各実施の形態の特徴部分を、目的に応じて適宜組み合わせれば、それぞれの効果を発揮することができ、さらに有用なものとすることができることは言うまでもない。加えて、上述した各実施の形態において、清掃機と別個に圧縮機およびこれにより生成された高圧空気を溜めるアキュムレータを適宜場所に配設し、各清掃機に用いる総ての電動モータを空気圧モータに替えて、これらをアキュムレータにエアパイプでそれぞれ接続しても同様に実施することができる。これにより、各清掃機が軽量化されるとともに、電動モータが水に濡れて漏電などの不具合が発生するトラブルを避けることができる。そして、空気圧モータから発生する高圧の排気をエアパイプとノズルで排水溝方向に向かって床面に導くようにすれば、清掃機の後退動作時において高圧の排気を用いて床面の水分を排水溝に向けてまで吹き飛ばすように押し流し、床面をさらに迅速に乾燥させることも可能となる。
【0046】
尚また、上述した電動モータにより駆動される車輪を具えた実施の形態において、移動手段3を清掃機前部に配置する替わりに後部に配置してもよい。
さらに、図8に示したブラシ57を具えた実施の形態において、ワイパ53とブラシ57の間の適宜個所に真空ポンプに接続され床面の汚水を吸引するノズルを配置して真空ポンプの吐出末端を排水溝に開口させるようにすれば、床面の水分をより確実に除去することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明であるトイレ床清掃装置は、既存トイレにおいても容易かつ低コストで実施できるとともに、運転コストを低廉としながら、利用者にとって清潔で快適な小便所を提供できるようなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態の待機位置での縦断面図。
【図2】図1の実施の形態の最も前進した位置での縦断面図。
【図3】図1の実施の形態の後退を開始した状態での縦断面図。
【図4】図1の実施の形態の清掃を完了した状態での縦断面図。
【図5】図1の拡大図。
【図6】(A)は図1のトイレ床清掃装置1Aの配置位置を示す平面図、(B)はその待機状態を示す平面図、(C)はその最も前進した状態を示す平面図。
【図7】図1のトイレ床清掃装置1Aを配置したトイレルームの斜視図。
【図8】本発明の第二の実施の形態の縦断面図。
【図9】本発明の第三の実施の形態の縦断面図。
【図10】本発明の第四の実施の形態の縦断面図。
【図11】本発明の第五の実施の形態の縦断面図。
【図12】(A)は本発明の第六の実施の形態であるトイレ床清掃装置1Fの平面図、(B)はその配置位置を示す平面図、(C)はその作動状態を示す平面図。
【符号の説明】
1A,1B,1C,1D,1E,1F トイレ床清掃装置、2A 基端ケーシング、2B 中間ケーシング、2C,2D,2E,2F,2G,2H 清掃機、3 移動手段、3B 直線往復動機構、4 洗浄水散布手段、5 払拭手段、6制御手段、6a 電子式制御装置、6b,6c,91 センサ、7,7c 固定金具、7a 給水管、7b 主配線、7e リール、9A,9B 小便器、10 コントロールパネル、31,31a,31b,33b,33c,35,36,51,58 電動モータ、33,59 7d 無端ベルト、32,32a,32b 車輪、35a,36a ねじ棒、35b,36b ナット、38,39 補助輪、41 散水管、41a 散水ノズル、42 可撓管、43 開閉弁、45 乾燥手段、46 配線コード、52 上下駆動機構、53,53a ワイパ、54 ロッド、56a,56b リミッタ、57 回転ブラシ、80a,80b 床、81a,81b 壁、82a,82b 排水溝、84 尿滴
Claims (19)
- 小便器に近接した床面上に配置され、前記小便器の周囲床面を清掃するトイレ床清掃装置であって、
前記小便器の背後のトイレ壁に近接してトイレ床に設けられた排水溝と、
前記床面に洗浄水を散布する洗浄水散布手段および前記床面を摺擦する払拭手段を装備した清掃機と、
前記清掃機を前記トイレ壁に近接した待機位置と前記小便器の周囲床面の所定位置との間で往復移動させる移動手段と、
前記清掃機および前記移動手段に清掃作業を行う指令を与える制御手段と、
を具えており、前記制御手段の指令に基いて、前記移動手段が前記清掃機を前記待機位置と所定位置との間を往復移動させ、前記洗浄水散布手段が往路または/および復路に洗浄水を前記床面に散布し、前記払拭手段が復路に前記床面上の汚れを前記洗浄水とともに前記排水溝に導き排出させるものとされている、
ことを特徴とするトイレ床清掃装置。 - 請求項1のトイレ床清掃装置において、
前記清掃機は前記床面を摺擦するブラシを具え、前記ブラシは前記制御手段の指令に基いて前記復路で前記払拭手段に先行して汚れを剥離するように前記床面を摺擦するものとされている、
ことを特徴とするトイレ床清掃装置。 - 前記ブラシは電動モータにより駆動され、前記制御手段の指令に基いて回転する回転ブラシである、請求項1または2に記載のトイレ床清掃装置。
- 請求項1,2または3のトイレ床清掃装置において、
前記清掃機は前記床面に向けて温風を噴射する乾燥手段を具え、前記乾燥手段は前記制御手段の指令に基いて前記復路で前記払拭手段の後方で温風を噴射し前記床面を乾燥させるものとされている、
ことを特徴とするトイレ床清掃装置。 - 前記払拭手段は前記小便器の幅方向へ延びる横長のワイパを有し、前記ワイパは上下駆動機構により上下可動とされており、前記制御手段の指令に基いて往路で上昇位置に保持され復路に下降位置に保持されるように上下動させられるものとされている、請求項1,2,3または4に記載のトイレ床清掃装置。
- 前記払拭手段および前記ブラシは前記上下駆動機構により上下可動とされ、前記制御手段の指令に基いて往路で上昇位置に保持され復路に下降位置に保持されるように上下動させられるものとされている、請求項2,3または4に記載のトイレ床清掃装置。
- 前記小便器が壁掛け式であって、前記待機位置が前記小便器下側の壁際床面であり、前記清掃機が前記待機位置から直線的に前後往復移動を行って清掃作業を行うものとされている、請求項1,2,3,4,5または6に記載のトイレ床清掃装置。
- 前記小便器が床置き式であって、前記待機位置が前記小便器の左右いずれかの壁際床面であり、前記清掃機が前記待機位置から前記小便器周縁に沿う湾曲軌道上で往復移動を行って清掃作業を行うものとされている、請求項1,2,3,4,5または6に記載のトイレ床清掃装置。
- 前記清掃機の前記小便器側の外側面に間隔検知用のセンサが設けられ、前記小便器との間隔一定に保ちながらその周囲を往復移動を行う、
請求項8記載のトイレ床清掃装置。 - 前記洗浄水散布手段は前記トイレ壁に設けられた給水源に接続されて前記清掃機の移動に追従可能な可撓管と、前記払拭手段に沿って延在させた散水管と、開閉弁とを具えており、前記開閉弁は前記制御手段の指令により開閉して前記往路または往路および復路に前記散水管により前記床面に洗浄水を散布させるものとされている、請求項1,2,3,4,5,6,7,8または9に記載のトイレ床清掃装置。
- 前記清掃機は前記待機位置において固定設置された基端ケーシングに収装され、前記固定ケーシングからテレスコープ状に延出して直線往復移動を行うものとされている、請求項1,2,3,4,5,6,7または10に記載のトイレ床清掃装置。
- 前記清掃機は前記壁面側の主配線に接続される配線コードおよび前記給水管に接続される可撓管の巻込み・繰出しを行うリールを有し、前記リールは前記清掃機の往復移動に追従して前記配線コード、可撓管の巻込み・繰出しを行うものとされている、請求項10または11に記載のトイレ床清掃装置
- 前記清掃機は前記待機位置と所定位置との間を自走して往復移動するものとされている、請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11または12に記載のトイレ床清掃装置。
- 前記移動手段は電動モータおよび前記電動モータにより駆動させられる駆動輪を有して前記清掃機に設けられ、前記駆動輪の回動により前記清掃機を往復移動させるものとされている、請求項13に記載のトイレ床清掃装置。
- 前記移動手段は電動モータ、および前記清掃機の移動方向に沿って配置され前記電動モータにより回動させられるねじ棒、および前記清掃機側に設けられ前記ねじ棒に螺合するナットを有し、前記ねじ棒の回動により前記ナットがスライド移動させられて前記清掃機を往復移動させるものとされている、請求項1,2,3,4,5,6,10,11または12に記載のトイレ床清掃装置。
- 前記制御手段は利用者を感知するセンサおよび電子式制御装置を有し、予め設定された所定時間毎または/および感知した利用者の所定人数毎に清掃を行う指令を出すものとされている、請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14または15に記載のトイレ床清掃装置。
- 前記制御手段は前記センサが利用者の前記小便器の使用を感知したとき、その使用中は清掃作業を行わせないものとされている、請求項16に記載のトイレ床清掃装置。
- 動力源が前記電動モータに替えて前記清掃機外に設置した圧縮機に接続された空気圧モータである請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16または17に記載のトイレ床清掃装置。
- 前記空気圧モータから排出される排気を前記排水溝方向に向かうように床面に導く排気誘導手段が設けられ、前記排気の噴出力を用いて床面の水分を前記排水溝に向けて押し流すものとされている、請求項18に記載のトイレ床清掃装置。
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- 2003-06-26 JP JP2003182559A patent/JP2005013481A/ja not_active Withdrawn
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