JPH06136801A - トイレ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 周囲から画成されたトイレブース１内に和式
大便器８を備えるトイレで、床を前後方向に移動可能な
移動床１９として構成し、床１９には、床下に設けた便
器本体９と対応する開口部２０を設け、床移動方向の端
部には、床洗浄装置２４を設け、移動床１９を移動さ
せ、開口部２０を含む移動床１９を洗浄するようにした
トイレ装置。 【効果】 汚れ易い便器開口部及び床面を、トイレブー
スの前部等に設けた洗浄室内に床を移動床として無端状
に移動させ、洗浄室内で洗浄するようにしたので、使用
後に自動化して便器開口部、及び床洗浄が行える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、和式の便器を用いたト
イレであって、便器部分の洗浄、床面の洗浄を自動化す
ることを可能としたトイレ装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】トイレとして和式便器のものが実用に供
され、便器は周囲から画成されたトイレブース内に設け
られ、この式の便器は、金隠し及びリム部からなるカバ
ー部分が床面から上方へ突出し、本体部分は床面下方に
凹状に潜って形成されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】和式便器は、洋風便器
に比しその構造から便器周囲の部分が汚れ易く、特に便
器周囲の床面が汚れ易く、駅、多人数が集う公衆利用式
の建築物等に設置されるトイレでは、便器カバー部、床
面の汚れが多く、使いずらいのが現状で、かかる不都合
は日常往々にして経験することろである。従って、トイ
レは頻繁に清掃を行い、清潔に保つ必要がある。

【０００４】ところで、トイレの便器や床面を清掃する
のに、従来は作業者が手作業で便器や床面を清掃してお
り、従って人手を必要とし、人手が不足する現状では清
掃を頻繁に行うことが甚だしく困難で、多少汚れたまま
で放置せざるを得ないのが現状である。汚れが無いよう
に頻繁にトイレを清掃するのには、作業者の確保が問題
であり、一方、トイレの清掃作業は腰を屈めて行う等作
業がしにくく、作業、作業環境は決して良好とはいえ
ず、作業者の高齢化等と相俟って作業員の確保が難し
く、又作業者を確保したとしても経費が嵩むこととな
り、トイレの頻繁な清掃は公衆利用式のトイレでは難し
い。

【０００５】本発明はかかる課題を解決すべくなされた
もので、その目的とする処は、和式便器の汚れ易い便器
周囲、床面を、作業者の手作業によることなく、自動式
に洗浄、清掃可能とし、和式便器、床面を常時清潔に保
ち、使い易い、使い心地性良好で、衛生的な和式トイレ
を作業者の手を煩わせることなく得ることを可能とした
トイレ装置を提供するにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めの手段は、周囲から画成されたトイレブース内に和式
大便器を備えるトイレであって、床を前後方向に移動可
能な移動床として構成し、床には、床下に設けた便器本
体と対応する開口部を設け、トイレブース内の床移動方
向の端部には、カバー等でトイレブース内と画成された
床洗浄装置を設け、移動床を移動させ、上記開口部を含
む移動床を上記床洗浄装置で洗浄するように構成したト
イレ装置である。又、上記移動床は、床下の前後に設け
られたロール間に無端状に巻回され、ロールの回動で巻
回動し、移動して床洗浄装置で洗浄するようにし、更
に、上記無端状の移動床には、上下の対称位置に便器本
体上に対応する開口部を設け、更に又、上記移動床の開
口部前方の床洗浄装置のカバーの前面には、逆凹状の開
口部を設けた、又、上記床洗浄装置は、床移動方向に対
して直交する方向に設けられた洗浄ブラシ、及び洗浄水
供給機構で構成し、更に、上記洗浄ブラシは、床移動方
向と直交する方向に進退自在に構成し、更に又、上記移
動床の下方には、乾燥装置を配設したことである。

【０００７】

【作用】上記手段によれば、便器の開口部を備える床は
移動床として構成され、利用後移動床を移動させてトイ
レブース内の前部等の設けた床洗浄装置で床を洗浄し、
床洗浄は、ブラシ、給水機構で行われるので確実な洗浄
がなされ、一方、床は無端状に設けられているので、床
移動は一方向の巻回動で済み、床には対称位置に開口部
を備えるので、移動床の洗浄に際しての移動ストローク
が少なくて済み、又床下には乾燥装置を備える、且つ開
口部が対称位置にあることから、頻繁な利用に際し、移
動床、開口部を乾燥した衛生的な状態下におくことがで
き、以上は容易に自動化することができ、人手を排除し
て自動的の便器、床洗浄が行える。

【０００８】

【実施例】以下に本発明の一実施例を添付した図面に従
って詳述する。図１は本発明にかかるトイレ装置の説明
的斜視図、図２は同縦断側面図、図３は図２の３―３線
断面図、図４は図３の要部の拡大図で、洗浄ブラシの進
退機構を示す図である。

【０００９】図１、図２、図３において１はトイレブー
ス１を示し、トイレブース１は図示しない天井、周囲の
壁２，３，４、床部５等で周囲から画成され、図１では
図中左手前に開閉自在な扉で塞いだ出入口を備える壁が
設けられ、この壁３Ａは図３、図４で示されている。床
部５の前後部は前後の壁２，４よりも前後方向に突出
し、前後壁部５ａ，５ｂの上部５ｃ，５ｄは前部は後方
に、後部は前方に少しく延設され、これの前後の端部か
ら前後の壁２，４が起設されている。従って、床部５の
前後には前後に膨出した延長空間部Ｓ１，Ｓ２が形成さ
れ、又床部５の底板５ｅ上には空間Ｓ１，Ｓ２と連通す
る空間Ｓが形成されている。

【００１０】壁２，３，４等で囲まれた空間Ｓの下部
で、空間Ｓの上端部よりも低い位置には中間床板６を設
け、中間床板６は壁２，３，４等の下端部よりも後述す
る移動床の厚さ相当分下方に臨み、壁下端部間に隙間を
設けて配置され、中間床６は左右に架設したアングル材
等の支持部材７，７で支持されている。中間床６には便
器８の下部本体９と対応する開口部１０が設けられ、開
口部１０に便器本体９の上端リム部周が嵌合し、便器本
体９は空間Ｓ内にあって高さ方向の中間部まで下方に垂
下設置され、横架した支持部材１１で支持され、排出部
９ａは排水管１２に接続されて底部５の一側に導出さ
れ、図示しない排水管に接続されている。

【００１１】床部５内の空間Ｓの前後部分内には、ドラ
ム状の巻回ロール１３，１４が軸１３ａ，１４ａで横
架、支持され、実施例では前部ロール１３の軸端に図１
に示すようにプーリ１５を設け、これをモータ１６のプ
ーリ１７とベルト１８で連結し、ロール１３を駆動する
ように構成した。かかる前後のロール１３，１４間に無
端ベルト状の移動床１９を巻回、設置する。移動床１９
はゴム等の可撓性の部材や金属履帯状のもの等を用い、
移動床１９の上部１９ａは、上記した中間床６上に臨
み、壁下端部と中間床６の隙間間に摺動自在に臨んでい
る。

【００１２】移動床１９には、これの正規位置で便器本
体９と対応し、その位置が合致する開口２０が形成さ
れ、移動床１９の空間Ｓ内に臨み、下方に臨む下部１９
ｂには同様の開口部２１が対称的に形成されている。床
部５の空間Ｓ内の下部で、移動床１９の下部１９ａ下方
には、例えば温風を吹出して乾燥させる乾燥機２２，２
２が設けられ、乾燥機２２，２２は実施例では前後に長
いダクト状をなし、空間Ｓの下部左右から真上の移動床
下部１９ｂを温風乾燥するように構成されている。乾燥
機は電熱式等のものを採用しても良い。

【００１３】トイレブース１内の前部には上端後端部２
３ａを壁２の内面に支持し、下端部２３ｂを移動床１９
上にクリアランスをもって臨むようにした断面弧状のカ
バー２５で画成された洗浄装置２４を設ける。洗浄装置
２４の左右方向の中間部で、上記した便器本体９、開口
２０の前方には逆凹状の開口部２６を設け、開口部２６
は形状的には所謂金隠しと同様、或いは類似の形状と
し、便器本体９、開口２０の前部は開口部２６の前方に
臨むように構成した。

【００１４】洗浄装置２４のカバー２５内には左右に洗
浄ブラシ２７，２７を離間して設け、洗浄ブラシ２７，
２７は、洗浄装置の不使用時には左右に離間して開口部
２６の左右に位置するように構成されている。洗浄ブラ
シ２７，２７は左右対称的に配設され、その構造は同じ
であり、その詳細は図４に示す如くで、ブラシ２７の軸
部２７ａは壁３Ａの外側にはブラケット２８を設け、ブ
ラケット２８上にはシリンダ２９を設け、一方シリンダ
２９の前にはレール３０で支持されたベース３１を介し
てモータ３２を設け、ベース３１をシリンダ２９のロッ
ド２９ａに連結し、モータ３２の出力軸３２ａを壁３Ａ
を貫通させてブラシ２７の軸部２７ａに連結する。他側
のブラシ２７も同構造とする。又、ブラシ２７を内装し
たカバー２５内には、洗浄水吐出ノズル３３…、及びこ
れに洗浄水を供給する給水管３４…が設けられ、ブラシ
駆動時に洗浄水を供給するように構成する。

【００１５】以上において、図は何れも利用可能な状態
を示し、利用後利用者がトイレブースから退出するとこ
れをセンサ等で検知し、洗浄を開始する。先ず、モータ
１６を駆動し、ロール１３を駆動して移動床１９を洗浄
装置２４方向に巻回動させる。汚れた移動床１９の上部
１９ａはケース２５から内部へ侵入し、ブラシ２７のモ
ータ３２による回転と、ノズル３３からの洗浄水の吐出
で床洗浄を行う。ブラシ２７，２７は、左右方向の長さ
が上記したように短く、図４に示したシリンダ２９を介
してモータ３２、これに繋がるブラシ２７を進退させ、
開口部２６にかかる部分まで移動床１９の洗浄を行い、
従って、移動床の幅方向前面に亘って洗浄を行うことが
できる。

【００１６】移動床１９は洗浄されつつ空間Ｓ内に送ら
れ、一方、これにより移動床１９の下部１９ｂは上面に
送りだされ、下部１９ａにあった開口２１が便器本体９
の上に臨み、この位置で停止し、次の利用のために待機
する。一方、洗浄が完了した移動床の洗浄部は図２の下
部の位置で待機し、洗浄が完了した部分は空間Ｓの下位
に臨み、この部分で待機しつつ所定時間乾燥機２２が駆
動を開始し、洗浄して濡れた部分を乾燥する。尚、洗浄
によって発生した汚水や水滴は、床部５の底部５ｅに設
けた排水孔５ｆから排出される。このように、移動床１
９を洗浄しつつ、次の床利用部分を露出し、又洗浄部を
乾燥させる。従って、移動床を使用後に無端移動させる
こと、洗浄装置に送り込まれた移動床の使用部分をブラ
シ、吐水で洗浄すること、乾燥機を駆動して乾燥させる
こと、のステップで移動床の便器開口部、移動床を洗浄
するので、退室センサ、タイマー等を組合わせて洗浄を
全自動化して行うことができる。

【００１７】

【発明の効果】以上で明らかなように本発明によれば、
便器の開口部や、床面が汚れ易い和式便器の利用に際
し、汚れ易い便器開口部及び床面を、トイレブースの前
部等に設けた洗浄室内に床を移動床として無端状に移動
させ、洗浄室内で洗浄するようにしたので、使用後に自
動化して便器開口部、及び床洗浄が行え、作業者に依存
すること無く、汚れ易い和式便器、及びトイレブース床
面の洗浄が能率良く、合理的に行える。

【００１８】特に本発明は、床を無端ベルト状としたの
で、床移動機構も簡素に構成することができ、吐出洗浄
水とブラシで洗浄するので洗浄が確実になされ、一方、
移動床には上下で対称的に便器本体と連通する開口部を
設けたので、移動床の１／２のストロークで洗浄、利用
が可能となり、一方の開口部を利用している時に洗浄後
の乾燥を行って待機することができ、洗浄、乾燥のサイ
クルタイム上極めて有利であり、又乾燥を行うことで、
利用サイクルが短くても次の利用者は衛生的に乾いた床
で利用することができ、利用上、衛生上優れた和式トイ
レの利用が行える。

【００１９】又本発明は、洗浄装置のカバー前面に逆凹
状の開口部を設けたので、和式便器の利用を抵抗無く行
い得、ブラシは該開口部に干渉しないように配設され、
従って利用上ブラシが目につくことがなく、一方、ブラ
シは左右方向に進退自在に設けたので、ブラシの長さを
短くしつつ、移動床全面を確実に洗浄することができる
等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかるトイレ装置の説明的斜視図

【図２】上記トイレ装置の縦断側面図

【図３】上記図２の３―３線断面図

【図４】上記図３の要部の拡大図で、洗浄ブラシの進退
機構を示す図

【符号の説明】

１…トイレブース、 ９…便器本体、 １３，１４…ロ
ール、 １９…移動床、 ２２…乾燥機、 ２４…床洗
浄装置、 ２５…カバー、 ２７…洗浄ブラシ、 ３
２，３３…洗浄水供給機構。

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 周囲から画成されたトイレブース内に和
   式大便器を備えるトイレにおいて、 床を前後方向に移動可能な移動床として構成し、 上記床には、床下に設けた便器本体と対応する開口部を
   設け、 上記トイレブース内の床移動方向の端部には、カバー等
   でトイレブース内と画成された床洗浄装置を設け、 上記移動床を移動させ、上記開口部を含む移動床を上記
   床洗浄装置で洗浄するように構成した、 ことを特徴とするトイレ装置。
2. 【請求項２】 上記移動床は、床下の前後に設けられた
   ロール間に無端状に巻回され、ロールの回動で巻回動
   し、移動して床洗浄装置で洗浄するようにした請求項１
   のトイレ装置。
3. 【請求項３】 上記無端状の移動床には、上下の対称位
   置に便器本体上に対応する開口部を設けた請求項２のト
   イレ装置。
4. 【請求項４】 上記移動床の開口部前方の床洗浄装置の
   カバーの前面には、逆凹状の開口部を設けた請求項１の
   トイレ装置。
5. 【請求項５】 上記床洗浄装置は、床移動方向に対して
   直交する方向に設けられた洗浄ブラシ、及び洗浄水供給
   機構で構成した請求項１のトイレ装置。
6. 【請求項６】 上記洗浄ブラシは、床移動方向と直交す
   る方向に進退自在に構成した請求項５のトイレ装置。
7. 【請求項７】 上記移動床の下方には、乾燥装置を配設
   した請求項１、又は３のトイレ装置。