JP2004285743A - 棚板構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】押し入れ、下駄箱内部等周囲の空気の湿度を調整でき、収納物の乾燥を維持するとともに結露、カビの発生を防止でき、また上板と下板間の間隙内の配置された調湿体は、突出等することなく押し入れ内部等のスペースを有効に最大限活用でき、しかも調湿体は間隙内に隠れるため見栄えを損なうことのない棚板構造を提供する。
【解決手段】上板と、該上板との間に間隙を介して平行に配された下板とを含み、前記間隙に調湿体を配置し、かつ前記上板又は下板の少なくとも一方は、間隙と外部を連通させる透孔を有する棚板構造。
【選択図】 図1
【解決手段】上板と、該上板との間に間隙を介して平行に配された下板とを含み、前記間隙に調湿体を配置し、かつ前記上板又は下板の少なくとも一方は、間隙と外部を連通させる透孔を有する棚板構造。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、収納空間等の空気湿度を適度に調整でき、かつ見栄えを良好とし、しかもスペースを有効に活用しうる棚板構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、押し入れ、箪笥等収納空間は、閉空間として構成されるため、換気が得られない上に空気の循環も悪く、特に隅角部において結露が発生し易く、さらにはカビ等の繁殖により衛生上好ましくない環境となっている。
【0003】
そこで、押し入れの中段棚板を無塗装の天然木を用いたすのこで形成することにより、押し入れ内全体の空気の循環を図り、無塗装の天然木の吸水作用で押入内の湿度上昇を抑制し、その結果押し入れ内の収納物が湿ったり、かびたりすることが良好に防止することが提案されている。
(例えば特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−129904号公報(請求項1)
【0005】
しかし、天然木による吸水能力は比較的小さいため、梅雨時期等長期に亘り高湿度環境が続くと、保水した天然木から逆に放湿することが起こるなど、その調湿能力に限界があった。
【0006】
また、シリカゲル、塩化カルシウム等の箪笥押入用の除湿剤を使用する方法もあるが、寿命が短く頻繁な取替の手間と、コストが掛かり、収納の邪魔になるため収納スペースが制約され、更には押入の扉を開く等収納空間を開いた時に除湿剤が目立ち見栄えを悪くするという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、押し入れ、箪笥等収納空間その他の空気湿度を適度に調整でき、かつ見栄えを良好とし、しかもスペースを有効に活用しうる棚板構造に関する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のうち請求項1記載の発明は、上板と、該上板との間に間隙を介して平行に配された下板とを含み、前記間隙に調湿体を配置し、かつ前記上板又は下板の少なくとも一方は、間隙と外部を連通させる透孔を有することを特徴としている。
【0009】
また請求項2記載の発明は、前記調湿体を、前記間隙内に取り出し可能に配置したことを特徴とし、請求項3記載の発明は、前記上板を、複数の長尺平板を隙間を隔てて並置したすのこ状板で形成し、該隙間により前記透孔を設けたことを特徴としている。
【0010】
また、請求項4記載の発明は、前記調湿体は、少なくとも珪藻土を含む調湿材を透湿性の袋に収容して形成したことを特徴とし、請求項5記載の発明は、前記調湿体は、少なくとも珪藻土を含む調湿材を板状に成形したものであることを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。図1、図2に示す棚板構造1は、壁体49の凹部を収納部として形成した押し入れ27の中段の棚28m 、上段の棚28uとして設けられ、上板2と、下板4と、調湿体5を具え、さらに左右の側枠21R、21Lと、該両側枠21R、21Lの真中に位置しこれに平行な中枠22と、側枠21R、21L及び中枠22の後端を繋ぐ後枠23を有する。前記上板2、下板4、側枠21、中枠22、後枠23は、本例では、檜、杉、ラワン等の木材で形成するが、軽量鉄骨材、プラスチック等を用いることもできる。
【0012】
前記側枠21は前記押し入れ27の側壁29に、前記後枠23は前記押し入れ27の後壁30に、各々接着、釘、ビス等により固定される。
【0013】
前記上板2は、複数の長尺平板7からなり、前記中枠22と、側枠21の対向する側面上部に形成されかつ前記長尺平板7の厚さと略同高さの段部24で両端が支持されるとともに接着、釘、ビス等により、表面が側枠21、中枠22、後枠23の上面と略整一に取付けられ、かつ前記複数の長尺平板7は3〜15mm程度の隙間6aを隔てて並置されて、すのこ状板8を形成する。
【0014】
前記下板4は両側枠21R、21L間に亘る大きさの平板で形成され、前記側枠21、中枠22、後枠23の下面に接着、釘、ビス等により固定され、かつその前縁は両側枠21R、21Lの前端下部に架設された断面L字状の前下枠25に支持されることにより、前記上板2との間に間隙3を介して平行に配置される。
【0015】
前記間隙3は、前記上板2の隙間6aで形成された透孔6により外部と連通し、かつ前記両側枠21R、21L前端上部に架設された前上枠31と前記前下枠25間で前方に開口する。中枠22を挟んで形成される前記左右の間隙3には、側枠21、中枠22の間隔と略同寸法の幅を有する薄箱状の引き出し32を、前記前上枠31と前記前下枠25の間から前方に出入れ可能に設ける。
【0016】
前記引き出し32には、透湿性の袋10に調湿材9を収容した調湿体5が収納されており、前記上板2の透孔6を介して連通する押し入れ27内部の空気の湿度を調湿体5により調整でき、押し入れ27内部の布団、衣類等の収納物の乾燥を維持し、かつ結露、カビの発生を防止しうる。
【0017】
前記調湿材9は、調湿性能に優れる珪藻土、又は少なくとも珪藻土を含む混合調湿材を用いる。珪藻土以外の調湿材料としては、次のものが挙げられる。ゼオライト、セピオライトを包含する多孔質鉱物。木炭、活性炭、パルプスラッジ炭、フェライト入り炭を包含する炭。木材、オガクズなどの天然材料。塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化リチウム、ケイ酸ソーダを包含する潮解性化合物。イソブチレン無水マレイン酸系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、グラフト化デンプンを包含する不溶性高吸水性樹脂。グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルアルコール、ポバール、CMC、ポリエチレンオキサイド、澱粉を包含する水溶性高分子。アタバルジャイト、モンモリロナイト、ゾノトライト、活性白土を包含する粘土鉱物。これらの中から、1以上選択し珪藻土と混合して混合調湿材を得る。
【0018】
また前記調湿材9は、塊状体、平均粒径0.3〜5mm程度の粒状体、粉状体に形成したものを使用し、編織布、不織布、紙、透湿性合成樹脂シート等で形成した矩形状の袋10に収容し、調湿材の脱落防止のため、接着、熱融着、粘着テープ、封止金具などで開口部を封止する。
【0019】
さらに、袋10の中に、調湿材9に加えて、防臭剤、防カビ剤を加配することにより、押し入れ27内の環境を一層高めることができる。
【0020】
前記間隙3内に配置され、前記透孔6を介して押し入れ27内の湿気を吸湿した前記調湿体5は、引き出し32を前記間隙3から引き出すことにより簡単な操作で取り出すことができ、天火干し、加温処理等の処理で水分の放出による調湿性能の回復、調湿材9の交換等により、高い調湿性能を維持することができる。
【0021】
また、上板2と下板4間の間隙3内に配置されるため、突出等することなく押し入れ27の収納スペースを最大限活用でき、また間隙3内に隠れて外から見えないため見栄えを損なうこともない。
【0022】
また、間隙3内に配置した調湿体5が、下板4の下側の空間にも直接調湿作用を及ぼすため、前記引き出し32の底板および前記下板4に、引き出し32が納められた状態で位置が合う透孔6を設ける変形も可能である。
【0023】
図3に示す棚板構造1は、上板2と、下板4と、調湿体5を具え、さらに左右の側枠21R、21Lと、該両側枠21R、21Lの真中に位置しこれに平行な中枠22と、側枠21R、21L及び中枠22の後端を繋ぐ後枠23を有する。
【0024】
前記上板2は、複数の長尺平板7からなり、表面が側枠21、中枠22、後枠23の上面と略整一に取付けられ、かつ前記複数の長尺平板7は3〜15mm程度の隙間6aを隔てて並置されて、すのこ状板8を形成する。
【0025】
前記下板4は前後方向に長いスリット33を複数隔設した下板基部34と、該下板基部34の前側に連続しかつ前縁に切欠凹部35を有する前板36とからなり、前記側枠21、中枠22、後枠23の下面に接着、釘、ビス等により固定され、前記上板2との間に間隙3を介して平行に配置される。
【0026】
前記間隙3は、前記上板2の隙間6a、下板4のスリット33で形成された透孔6により上下で外部と連通し、かつ前記両側枠21R、21L前端上部に架設された前上枠31と前記前板36間で前方に開口する。中枠22を挟んで形成される前記左右の間隙3には、側枠21、中枠22の間隔の半分より少し小さな幅を有し、調湿材9を板状に成形した調湿体5を、前記前上枠31と前記前板36間の前記開口から前方に出入れ可能に、2枚並べて配置する。
【0027】
前記開口から挿入する調湿体5の間隙3内での位置を揃えるため、調湿体5の後端に当接する止片37が前記下板4に設けられ、本例では、該止片37に当接する調湿体5の前端は前記開口に位置する。
【0028】
前記調湿体5前部の上下面には、横長の凹部38aからなる受部38を設け、前記前板36の切欠凹部35から該受部38を指等で手前へ引張ることにより、間隙3内の調湿体5を容易に取り出すことができる。
【0029】
前記板状の調湿体5は、少なくとも珪藻土を含む前記と同じ調湿材9を石膏、セメント等のバインダーに加配して混練物を得、これをプレス成形、キャスティング成形等で板状に成形した後、養生硬化させる非焼成による製造方法と、粘土、鉱石等の焼成原料に調湿材9を加えた焼成による製造方法がある。
【0030】
前記焼成による調湿体5の用いる調湿材9としては、珪藻土に加え、粉粒炭、ゼオライト、セピオライト、シリカゲル、アロフェン、イモゴライト等を1以上混合して用いることができ、これらの調湿材9を含む粘土、火成岩等の焼成原料を湿式粉砕したあと、これを造粒する。前記造粒物が含水率13〜30%の状態で板状に加圧した成形物を、焼成炉において800〜1000℃で加熱焼成して板状の調湿体5を製造する。
【0031】
また前記調湿体5を中心層とその両側の表面層の3層に形成し、かつ表面層の調湿材9比率を多く配合することにより、該表面からの調湿機能をより高くすることができる。
【0032】
板状に成形された調湿体5は、前記間隙3への出し入れ操作、水分放出のための天火干し、加温処理等の処理操作等の取扱いを容易とし、かつより上下高さの小さな間隙3への配置が可能なためスペースの有効活用が図れる。
【0033】
また本例では、前記間隙3が、前記上板2の隙間6a及び下板4のスリット33で形成された透孔6を介して上下で外部と連通するため、間隙3に配置された調湿体5が上板2の上方の空間と下板の下方の空間の調湿を同時になしえる。
【0034】
図4に示す棚板構造1は、上板2と、下板4と、調湿体5を具え、さらに左右の側枠21R、21Lと、該両側枠21R、21Lの真中に位置しこれに平行な中枠22と、側枠21R、21L及び中枠22の前端、後端を繋ぐ前枠39、後枠23を有する。
【0035】
前記下板4は四周を囲む前記側枠21R、21L、前枠39、後枠23と中枠22の下面に接着、釘、ビス等により固定される。
【0036】
前記上板2は、側枠21と平行な複数の長尺平板7を一対の下繋ぎ39、39で3〜15mm程度の隙間6aを隔てて連結したすのこ状板8からなり、前記後枠23と、前枠39の対面する側面上部に形成され、かつ前記長尺平板7の厚さと略同高さの段部40で前後端が支持されることにより、表面が側枠21、中枠22、後枠23、前枠39の上面と略整一な状態で取外し可能に支持され、しかも前記下板4との間に間隙3を形成する。
【0037】
前記間隙3は、前記すのこ状板8の隙間6aで形成された透孔6により外部と連通し、かつ透湿性の袋10に調湿材9を収容した調湿体5が配置され、前記上板2の透孔6を介して連通する外部の空気の湿度が調湿体5により調整される。
【0038】
図4に示すように、すのこ状板8を持ち上げるだけで、間隙3の上面全体が開放され、前記間隙3内に配置された前記調湿体5を簡単に取り出すことができるため、前記調湿性能の回復、調湿材9の交換等を簡単に行うことができる。
【0039】
図5に示す棚板構造1は、下駄箱40内部で上下複数に並ぶ靴置棚として設けられ、上板2と、下板4と、調湿体5を具え、さらに左右の側枠21R、21Lと、該両側枠21R、21Lの真中に位置しこれに平行な中枠22と、側枠21R、21L及び中枠22の前端、後端を繋ぐ前枠39、後枠23を有する。
【0040】
前記下駄箱40は、左右の両側板41R、41L、天板42、底板43、背板44を具え、天板42前縁の鴨居45、底板43前縁の敷居46間に引き違い扉(図示せず)を設ける。
【0041】
前記側枠21、後枠23は、下駄箱40の側板41、背板44の内表面に固定されるが、縦に複数隔設したダボ孔に引抜き可能に嵌合したダボピンに載置することにより、高さ調整自在に取り付けることもできる。
【0042】
前記下板4は、四周を囲む側枠21R、21L、前枠39、後枠23と中枠22の下面に固定される。
【0043】
前記上板2は、側枠21の内側面上端部に形成された上板2の厚さと略同高さの段48に載置されることにより、側枠21R、21L、前枠39、後枠23の上面と整一に支持され、かつ前記下板4との間に間隙3を形成する。尚中枠22の上面は前記段48の上面と同高に形成され、上板2の中間を支持する。
【0044】
前記間隙3は、前記上板2、下板4に多数穿設された丸孔48からなる透孔6により外部と上下で連通し、かつ透湿性の袋10に調湿材9を収容した調湿体5が配置され、前記透孔6を介して連通する下駄箱40内部が調湿体5により調湿される。
【0045】
また前記上板2は、後端下部が後枠23の前側面前端部との間は丁番金具47で連結されて、前端が上方に起き上がり可能に形成されているため、間隙3に配置された調湿材9は前記上板2を上方に開いて取り出すことができる。
【0046】
【発明の効果】
上述したように、本発明は、上板と、該上板との間に間隙を介して平行に配された下板とを含み、前記間隙に調湿体を配置し、かつ前記上板又は下板の少なくとも一方は、間隙と外部を連通させる透孔を有することを特徴とするため、押し入れ、下駄箱内部等周囲の空気の湿度を調整でき、収納物の乾燥を維持するとともに結露、カビの発生を防止しうる。また上板と下板間の間隙内の配置された調湿体は、突出等することなく押し入れ内部等のスペースを有効に最大限活用でき、しかも調湿体は間隙内に隠れるため見栄えを損なうこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】押し入れに設けられた本発明の一実施の形態を例示する斜視図である。
【図2】その拡大斜視図である。
【図3】他の形態を例示する斜視図である。
【図4】さらに他の形態を例示する斜視図である。
【図5】下駄箱に設けられた他の形態を例示する斜視図である。
【符号の説明】
2 上板
3 間隙
4 下板
5 調湿体
6 透孔
6a 隙間
7 長尺平板
8 すのこ状板
9 調湿材
10 袋
【発明の属する技術分野】
本発明は、収納空間等の空気湿度を適度に調整でき、かつ見栄えを良好とし、しかもスペースを有効に活用しうる棚板構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、押し入れ、箪笥等収納空間は、閉空間として構成されるため、換気が得られない上に空気の循環も悪く、特に隅角部において結露が発生し易く、さらにはカビ等の繁殖により衛生上好ましくない環境となっている。
【0003】
そこで、押し入れの中段棚板を無塗装の天然木を用いたすのこで形成することにより、押し入れ内全体の空気の循環を図り、無塗装の天然木の吸水作用で押入内の湿度上昇を抑制し、その結果押し入れ内の収納物が湿ったり、かびたりすることが良好に防止することが提案されている。
(例えば特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−129904号公報(請求項1)
【0005】
しかし、天然木による吸水能力は比較的小さいため、梅雨時期等長期に亘り高湿度環境が続くと、保水した天然木から逆に放湿することが起こるなど、その調湿能力に限界があった。
【0006】
また、シリカゲル、塩化カルシウム等の箪笥押入用の除湿剤を使用する方法もあるが、寿命が短く頻繁な取替の手間と、コストが掛かり、収納の邪魔になるため収納スペースが制約され、更には押入の扉を開く等収納空間を開いた時に除湿剤が目立ち見栄えを悪くするという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、押し入れ、箪笥等収納空間その他の空気湿度を適度に調整でき、かつ見栄えを良好とし、しかもスペースを有効に活用しうる棚板構造に関する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のうち請求項1記載の発明は、上板と、該上板との間に間隙を介して平行に配された下板とを含み、前記間隙に調湿体を配置し、かつ前記上板又は下板の少なくとも一方は、間隙と外部を連通させる透孔を有することを特徴としている。
【0009】
また請求項2記載の発明は、前記調湿体を、前記間隙内に取り出し可能に配置したことを特徴とし、請求項3記載の発明は、前記上板を、複数の長尺平板を隙間を隔てて並置したすのこ状板で形成し、該隙間により前記透孔を設けたことを特徴としている。
【0010】
また、請求項4記載の発明は、前記調湿体は、少なくとも珪藻土を含む調湿材を透湿性の袋に収容して形成したことを特徴とし、請求項5記載の発明は、前記調湿体は、少なくとも珪藻土を含む調湿材を板状に成形したものであることを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。図1、図2に示す棚板構造1は、壁体49の凹部を収納部として形成した押し入れ27の中段の棚28m 、上段の棚28uとして設けられ、上板2と、下板4と、調湿体5を具え、さらに左右の側枠21R、21Lと、該両側枠21R、21Lの真中に位置しこれに平行な中枠22と、側枠21R、21L及び中枠22の後端を繋ぐ後枠23を有する。前記上板2、下板4、側枠21、中枠22、後枠23は、本例では、檜、杉、ラワン等の木材で形成するが、軽量鉄骨材、プラスチック等を用いることもできる。
【0012】
前記側枠21は前記押し入れ27の側壁29に、前記後枠23は前記押し入れ27の後壁30に、各々接着、釘、ビス等により固定される。
【0013】
前記上板2は、複数の長尺平板7からなり、前記中枠22と、側枠21の対向する側面上部に形成されかつ前記長尺平板7の厚さと略同高さの段部24で両端が支持されるとともに接着、釘、ビス等により、表面が側枠21、中枠22、後枠23の上面と略整一に取付けられ、かつ前記複数の長尺平板7は3〜15mm程度の隙間6aを隔てて並置されて、すのこ状板8を形成する。
【0014】
前記下板4は両側枠21R、21L間に亘る大きさの平板で形成され、前記側枠21、中枠22、後枠23の下面に接着、釘、ビス等により固定され、かつその前縁は両側枠21R、21Lの前端下部に架設された断面L字状の前下枠25に支持されることにより、前記上板2との間に間隙3を介して平行に配置される。
【0015】
前記間隙3は、前記上板2の隙間6aで形成された透孔6により外部と連通し、かつ前記両側枠21R、21L前端上部に架設された前上枠31と前記前下枠25間で前方に開口する。中枠22を挟んで形成される前記左右の間隙3には、側枠21、中枠22の間隔と略同寸法の幅を有する薄箱状の引き出し32を、前記前上枠31と前記前下枠25の間から前方に出入れ可能に設ける。
【0016】
前記引き出し32には、透湿性の袋10に調湿材9を収容した調湿体5が収納されており、前記上板2の透孔6を介して連通する押し入れ27内部の空気の湿度を調湿体5により調整でき、押し入れ27内部の布団、衣類等の収納物の乾燥を維持し、かつ結露、カビの発生を防止しうる。
【0017】
前記調湿材9は、調湿性能に優れる珪藻土、又は少なくとも珪藻土を含む混合調湿材を用いる。珪藻土以外の調湿材料としては、次のものが挙げられる。ゼオライト、セピオライトを包含する多孔質鉱物。木炭、活性炭、パルプスラッジ炭、フェライト入り炭を包含する炭。木材、オガクズなどの天然材料。塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化リチウム、ケイ酸ソーダを包含する潮解性化合物。イソブチレン無水マレイン酸系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、グラフト化デンプンを包含する不溶性高吸水性樹脂。グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルアルコール、ポバール、CMC、ポリエチレンオキサイド、澱粉を包含する水溶性高分子。アタバルジャイト、モンモリロナイト、ゾノトライト、活性白土を包含する粘土鉱物。これらの中から、1以上選択し珪藻土と混合して混合調湿材を得る。
【0018】
また前記調湿材9は、塊状体、平均粒径0.3〜5mm程度の粒状体、粉状体に形成したものを使用し、編織布、不織布、紙、透湿性合成樹脂シート等で形成した矩形状の袋10に収容し、調湿材の脱落防止のため、接着、熱融着、粘着テープ、封止金具などで開口部を封止する。
【0019】
さらに、袋10の中に、調湿材9に加えて、防臭剤、防カビ剤を加配することにより、押し入れ27内の環境を一層高めることができる。
【0020】
前記間隙3内に配置され、前記透孔6を介して押し入れ27内の湿気を吸湿した前記調湿体5は、引き出し32を前記間隙3から引き出すことにより簡単な操作で取り出すことができ、天火干し、加温処理等の処理で水分の放出による調湿性能の回復、調湿材9の交換等により、高い調湿性能を維持することができる。
【0021】
また、上板2と下板4間の間隙3内に配置されるため、突出等することなく押し入れ27の収納スペースを最大限活用でき、また間隙3内に隠れて外から見えないため見栄えを損なうこともない。
【0022】
また、間隙3内に配置した調湿体5が、下板4の下側の空間にも直接調湿作用を及ぼすため、前記引き出し32の底板および前記下板4に、引き出し32が納められた状態で位置が合う透孔6を設ける変形も可能である。
【0023】
図3に示す棚板構造1は、上板2と、下板4と、調湿体5を具え、さらに左右の側枠21R、21Lと、該両側枠21R、21Lの真中に位置しこれに平行な中枠22と、側枠21R、21L及び中枠22の後端を繋ぐ後枠23を有する。
【0024】
前記上板2は、複数の長尺平板7からなり、表面が側枠21、中枠22、後枠23の上面と略整一に取付けられ、かつ前記複数の長尺平板7は3〜15mm程度の隙間6aを隔てて並置されて、すのこ状板8を形成する。
【0025】
前記下板4は前後方向に長いスリット33を複数隔設した下板基部34と、該下板基部34の前側に連続しかつ前縁に切欠凹部35を有する前板36とからなり、前記側枠21、中枠22、後枠23の下面に接着、釘、ビス等により固定され、前記上板2との間に間隙3を介して平行に配置される。
【0026】
前記間隙3は、前記上板2の隙間6a、下板4のスリット33で形成された透孔6により上下で外部と連通し、かつ前記両側枠21R、21L前端上部に架設された前上枠31と前記前板36間で前方に開口する。中枠22を挟んで形成される前記左右の間隙3には、側枠21、中枠22の間隔の半分より少し小さな幅を有し、調湿材9を板状に成形した調湿体5を、前記前上枠31と前記前板36間の前記開口から前方に出入れ可能に、2枚並べて配置する。
【0027】
前記開口から挿入する調湿体5の間隙3内での位置を揃えるため、調湿体5の後端に当接する止片37が前記下板4に設けられ、本例では、該止片37に当接する調湿体5の前端は前記開口に位置する。
【0028】
前記調湿体5前部の上下面には、横長の凹部38aからなる受部38を設け、前記前板36の切欠凹部35から該受部38を指等で手前へ引張ることにより、間隙3内の調湿体5を容易に取り出すことができる。
【0029】
前記板状の調湿体5は、少なくとも珪藻土を含む前記と同じ調湿材9を石膏、セメント等のバインダーに加配して混練物を得、これをプレス成形、キャスティング成形等で板状に成形した後、養生硬化させる非焼成による製造方法と、粘土、鉱石等の焼成原料に調湿材9を加えた焼成による製造方法がある。
【0030】
前記焼成による調湿体5の用いる調湿材9としては、珪藻土に加え、粉粒炭、ゼオライト、セピオライト、シリカゲル、アロフェン、イモゴライト等を1以上混合して用いることができ、これらの調湿材9を含む粘土、火成岩等の焼成原料を湿式粉砕したあと、これを造粒する。前記造粒物が含水率13〜30%の状態で板状に加圧した成形物を、焼成炉において800〜1000℃で加熱焼成して板状の調湿体5を製造する。
【0031】
また前記調湿体5を中心層とその両側の表面層の3層に形成し、かつ表面層の調湿材9比率を多く配合することにより、該表面からの調湿機能をより高くすることができる。
【0032】
板状に成形された調湿体5は、前記間隙3への出し入れ操作、水分放出のための天火干し、加温処理等の処理操作等の取扱いを容易とし、かつより上下高さの小さな間隙3への配置が可能なためスペースの有効活用が図れる。
【0033】
また本例では、前記間隙3が、前記上板2の隙間6a及び下板4のスリット33で形成された透孔6を介して上下で外部と連通するため、間隙3に配置された調湿体5が上板2の上方の空間と下板の下方の空間の調湿を同時になしえる。
【0034】
図4に示す棚板構造1は、上板2と、下板4と、調湿体5を具え、さらに左右の側枠21R、21Lと、該両側枠21R、21Lの真中に位置しこれに平行な中枠22と、側枠21R、21L及び中枠22の前端、後端を繋ぐ前枠39、後枠23を有する。
【0035】
前記下板4は四周を囲む前記側枠21R、21L、前枠39、後枠23と中枠22の下面に接着、釘、ビス等により固定される。
【0036】
前記上板2は、側枠21と平行な複数の長尺平板7を一対の下繋ぎ39、39で3〜15mm程度の隙間6aを隔てて連結したすのこ状板8からなり、前記後枠23と、前枠39の対面する側面上部に形成され、かつ前記長尺平板7の厚さと略同高さの段部40で前後端が支持されることにより、表面が側枠21、中枠22、後枠23、前枠39の上面と略整一な状態で取外し可能に支持され、しかも前記下板4との間に間隙3を形成する。
【0037】
前記間隙3は、前記すのこ状板8の隙間6aで形成された透孔6により外部と連通し、かつ透湿性の袋10に調湿材9を収容した調湿体5が配置され、前記上板2の透孔6を介して連通する外部の空気の湿度が調湿体5により調整される。
【0038】
図4に示すように、すのこ状板8を持ち上げるだけで、間隙3の上面全体が開放され、前記間隙3内に配置された前記調湿体5を簡単に取り出すことができるため、前記調湿性能の回復、調湿材9の交換等を簡単に行うことができる。
【0039】
図5に示す棚板構造1は、下駄箱40内部で上下複数に並ぶ靴置棚として設けられ、上板2と、下板4と、調湿体5を具え、さらに左右の側枠21R、21Lと、該両側枠21R、21Lの真中に位置しこれに平行な中枠22と、側枠21R、21L及び中枠22の前端、後端を繋ぐ前枠39、後枠23を有する。
【0040】
前記下駄箱40は、左右の両側板41R、41L、天板42、底板43、背板44を具え、天板42前縁の鴨居45、底板43前縁の敷居46間に引き違い扉(図示せず)を設ける。
【0041】
前記側枠21、後枠23は、下駄箱40の側板41、背板44の内表面に固定されるが、縦に複数隔設したダボ孔に引抜き可能に嵌合したダボピンに載置することにより、高さ調整自在に取り付けることもできる。
【0042】
前記下板4は、四周を囲む側枠21R、21L、前枠39、後枠23と中枠22の下面に固定される。
【0043】
前記上板2は、側枠21の内側面上端部に形成された上板2の厚さと略同高さの段48に載置されることにより、側枠21R、21L、前枠39、後枠23の上面と整一に支持され、かつ前記下板4との間に間隙3を形成する。尚中枠22の上面は前記段48の上面と同高に形成され、上板2の中間を支持する。
【0044】
前記間隙3は、前記上板2、下板4に多数穿設された丸孔48からなる透孔6により外部と上下で連通し、かつ透湿性の袋10に調湿材9を収容した調湿体5が配置され、前記透孔6を介して連通する下駄箱40内部が調湿体5により調湿される。
【0045】
また前記上板2は、後端下部が後枠23の前側面前端部との間は丁番金具47で連結されて、前端が上方に起き上がり可能に形成されているため、間隙3に配置された調湿材9は前記上板2を上方に開いて取り出すことができる。
【0046】
【発明の効果】
上述したように、本発明は、上板と、該上板との間に間隙を介して平行に配された下板とを含み、前記間隙に調湿体を配置し、かつ前記上板又は下板の少なくとも一方は、間隙と外部を連通させる透孔を有することを特徴とするため、押し入れ、下駄箱内部等周囲の空気の湿度を調整でき、収納物の乾燥を維持するとともに結露、カビの発生を防止しうる。また上板と下板間の間隙内の配置された調湿体は、突出等することなく押し入れ内部等のスペースを有効に最大限活用でき、しかも調湿体は間隙内に隠れるため見栄えを損なうこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】押し入れに設けられた本発明の一実施の形態を例示する斜視図である。
【図2】その拡大斜視図である。
【図3】他の形態を例示する斜視図である。
【図4】さらに他の形態を例示する斜視図である。
【図5】下駄箱に設けられた他の形態を例示する斜視図である。
【符号の説明】
2 上板
3 間隙
4 下板
5 調湿体
6 透孔
6a 隙間
7 長尺平板
8 すのこ状板
9 調湿材
10 袋
Claims (5)
- 上板と、該上板との間に間隙を介して平行に配された下板とを含み、
前記間隙に調湿体を配置し、
かつ前記上板又は下板の少なくとも一方は、間隙と外部を連通させる透孔を有することを特徴とする棚板構造。 - 前記調湿体を、前記間隙内に取り出し可能に配置したことを特徴とする請求項1記載の棚板構造。
- 前記上板を、複数の長尺平板を隙間を隔てて並置したすのこ状板で形成し、該隙間により前記透孔を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の棚板構造。
- 前記調湿体は、少なくとも珪藻土を含む調湿材を透湿性の袋に収容して形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の棚板構造。
- 前記調湿体は、少なくとも珪藻土を含む調湿材を板状に成形したものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の棚板構造。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003080582A JP2004285743A (ja) | 2003-03-24 | 2003-03-24 | 棚板構造 |
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JP (1) | JP2004285743A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006217945A (ja) * | 2005-02-08 | 2006-08-24 | Inax Corp | 着香性収納庫 |
JP2006328723A (ja) * | 2005-05-24 | 2006-12-07 | Matsushita Electric Works Ltd | 収納部調湿ユニット |
-
2003
- 2003-03-24 JP JP2003080582A patent/JP2004285743A/ja active Pending
Cited By (3)
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JP4631542B2 (ja) * | 2005-05-24 | 2011-02-16 | パナソニック電工株式会社 | 収納部調湿ユニットの設置構造 |
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