JP2004285081A - 木炭窯 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、ダムに堆積した流木や、或いは川縁や海岸に打ち上げられた木材廃材を迅速且つ大量に木炭化できる木炭窯を提供することにある。
【解決手段】窯本体1は、燃焼部2を低所側に、そして、煙突3を高所側にそれぞれ位置するように、当該窯本体1内の内部空間Sと材料置き場5とを傾斜状に備えていることを特徴とする木炭窯。
【選択図】図1
【解決手段】窯本体1は、燃焼部2を低所側に、そして、煙突3を高所側にそれぞれ位置するように、当該窯本体1内の内部空間Sと材料置き場5とを傾斜状に備えていることを特徴とする木炭窯。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はおもに、ダムの貯水域に堆積する流木や、或いは、川縁や海岸に打ち上げられる木材廃材などから木炭を製造するための木炭窯に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、山林からダムの貯水域に流れ着いて堆積した流木や、或いは河川工事によって発生する木材の切れ端等の残材、または、川縁や海岸に打ち上げられる流木等の処理については、現在のところ、各者が手をこまねいている状態にあり、通常は、大型の焼却炉によって焼却処分がなされるか、あるいは、個人又は法人が管理する所定の場所に廃棄されるものであった。しかしながら、近年の省エネルギー化志向の現状を鑑みて、これらの木材廃材を再利用する方法が模索されており、例えば、木炭窯に木材廃材を入れて、木炭を形成し、この木炭を建築材料や、或いは、浄水フィルタ等に利用すること等が検討されている。
【0003】
【発明が解決しようする課題】
しかしながら一般的に使用されている木炭窯にあっては、その処理能力の面で難があり、ダムの貯水域に堆積した大量の流木等から効率よく木炭を製造することが難しく、このことから、流木等の木材廃材を効率良く処理し、尚且つ大量の木炭を製造できる木炭窯の登場が待たれていた。
【0004】
本発明は、ダムに堆積した流木や、或いは川縁や海岸に打ち上げられた木材廃材を迅速且つ大量に木炭化できる木炭窯を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のうち請求項1記載の発明では、窯本体は、燃焼部を低所側に、そして、煙突を高所側にそれぞれ位置するように、当該窯本体内の内部空間と材料置き場とを傾斜状に備えていることを特徴とするものである。また本発明は、請求項2のように、窯本体の一方向に沿って間隔を開けて複数の燃焼部を備え、さらに、前記窯本体の内部には、各燃焼部からの直火を避けるように2枚の内壁をそれぞれ起立して、当該各内壁間に材料置き場を設けた木炭窯についても適用できる。
【0006】
ここで窯本体の傾斜角度は、特に限定するものではないが、望ましくは45°に設定されればよい。また燃焼部とは、窯本体の内部に投入された材料を炭化可能な温度で燃焼できる手段の全てを意味するものであり、具体的には、薪や重油を主燃料とした燃焼装置が使用される。また傾斜状とは、窯本体内の空間が少なくとも垂直及び水平方向以外の方向に延在するように構成したものを意味し、例えば、窯本体を山の斜面等に設置したり、あるいは、窯本体を傾斜面を備える人工的な土台の上に載せたものでもよい。さらに、請求項2のように燃焼部を窯本体の外壁の複数箇所に設置する場合は、その配置パターンを特に限定するものではなく、例えば、窯本体外壁の片側にのみ備えてもよいし、或いは本実施形態に示すもののように、窯本体の低所側、及び当該窯本体の両側の外壁に備えてもよい。
【0007】
このように形成すると、窯本体の内部空間と材料置き場とを斜めに傾けた状態に形成してあることで、窯本体の低所側の燃焼部で起こされた炎による熱風が、確実に該窯本体内の高所側に投入された材料にまで行き届くので、窯本体内の熱効率が飛躍的に高まり、結果、該窯本体内に投入された大量の材料を速やかに木炭と化すことができる。
【0008】
本発明のうち請求項3記載の発明は、前記各内壁には、スリットが設けてあるので、前記スリットでは燃焼部から熱風のみが通過し、内壁に囲まれた材料置き場において、前記熱風の流入によって低所側から高所側に向けて空気が流れることとなり、結果、材料の燃焼が一層効率良く行なえる。
ここで、スリットについては、燃焼部からの炎が材料置き場に入り込まない程度のものであれば、特にその大きさや数については限定しない。
【0009】
本発明のうち請求項4記載の発明は、前記材料置き場は、各燃焼部による燃焼可能範囲毎にその領域を隔離できる遮断壁が、各内壁間にそれぞれ開閉可能な状態で設けてあるので、例えば、材料置き場のうち、仮に低所側に置かれた材料が炭化済みとなった場合に、未だ炭化されていない高所側の領域にある材料のみを炭化でき、これにより燃焼効率を一層高めることができる。
【0010】
ここで、遮断壁の開閉方法については、例えば、後述する本実施形態のものであれば、遮断壁をワイヤロープで吊し、窯本体の外から遠隔操作可能な巻上げドラムを使用して上げ下げするものが使用されており、その手段を特に限定するものではない。
【0011】
本発明のうち請求項5記載の発明では、前記各内壁は、その上端部がそれぞれ内向きに屈曲しているので、材料置き場において暖められた空気が上方に逃げにくくなり、材料燃焼時の保温効果が長時間持続される。
【0012】
本発明のうち請求項6記載の発明は、前記窯本体の外壁のうち、煙突の近傍箇所には、当該窯本体の内部空間への送風部を設けているので、木材廃材の炭化後、前記内部空間の低所側から高所側に向かう一定の空気の流れを形成し、窯本体内に滞留した煙を円滑に煙突から排出できる。
ここで送風部としては、単に外壁を貫通して外と内部空間とが通じる孔のようなものであってもよいが、望ましくは、煙突側に向かうように貫通しているものがよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の木炭窯の実施形態を以下に説明する。
本木炭窯の具体的な構造は図1に示すように、傾斜角度が約45°をなす山の斜面Gに設置され且つ当該斜面Gにおける低所側から高所側に向けて延在する長手状に形成した内部空間Sを有する窯本体1と、該窯本体1の低所側及び外壁6の両側位置に長手方向に沿って間隔をあけて設置してある計5カ所(一部図示省略。)の各燃焼部2と、窯本体1の高所側において立ち上がる煙突3と、からなっている。
【0014】
また、前記窯本体1内の構造は図2のように、断面半円形状をなす外壁6により囲まれた内部空間Sの底位置側に、左右に間隔をあけて起立する2枚の内壁4,4が、窯本体1の長手方向に沿ってそれぞれ連続して設けてあり、また、この各内壁4,4は、図示はしないがコンクリート壁の表面全体に耐火レンガを固着している。さらに、前記各内壁4,4については、内壁4,4の厚み方向を貫通する細幅のスリット10が多数設けてあり、このスリット10は燃焼部2からの材料置き場5への直接的な炎の入り込みを遮り、前記炎による熱風のみを該材料置き場5側に受け入れるので、材料置き場5上の各内壁4,4に隔てられた空間において、低所側から高所側への空気の流れが発生し、この結果、材料11炭化時の燃焼効率が向上する。また、窯本体1外壁6の天部には、各燃焼部2の設置個所と対応して蓋付きの材料投入口8,8,8がそれぞれに設けてあり、当該各材料投入口8,8,8から材料置き場5に材料11を供給できる。
尚、前記材料置き場5は、窯本体1底面の傾斜面に対して、フラットとなるように段差状をなし、これにより、窯本体1内に投入した材料11の滑り落ちを防止している。
【0015】
また、前記各内壁4,4の上端部13,13は、それぞれが内向きに対向して屈曲し、これによって、燃焼部2からの熱風によって暖められた材料置き場5の空気による高所側への熱の逃げが格段に減少し、該材料置き場5における燃焼効率がより一層高まることになる。さらに、各内壁4,4間には、当該各内壁4,4の長手方向に沿って、材料置き場5を等間隔に隔てる遮断壁7が計2カ所に設けてあり、この遮断壁7は、窯本体1の外側から遠隔操作によって、巻き上げドラム9により巻き取り可能なワイヤロープ12を用いて、窯本体1内の対応位置に設けてある各ガイド壁14,14に沿って、作業者による自在な上げ下げを可能としており、これにより、各燃焼部2による燃焼範囲において、各内壁4,4間に隔てられた材料置き場5上の空間を区切ることができ、この結果、遮断された材料置き場5の各領域において、個別に材料11の炭化が行なえるので、窯本体1内の燃焼効率が一層高まることとなる。
【0016】
次に図3(a)(b)に示すものは、本実施形態の木炭窯の一使用例を説明するものであり、まず、斜面Gの低所側から高所側に向けて延長した材料置き場5の最も低所側の領域において、そこに投入された材料11の炭化が済んだ場合に、前記領域に対応した最も低所側に位置する遮断壁7を下ろし、さらに、その領域にある材料11の炭化を行なっている燃焼部2の作動を停止する。次いで、作動中の他の各燃焼部2においても、それぞれの領域に投入された材料11の炭化が終われば、前記各領域に対応する各遮断壁7,7を下方側から順に下ろしていく。これにより、材料置き場5における各燃焼部2の炎が及ぶ各領域をそれぞれ隔離して、小さなスペース内で材料11の炭化が行えることで、投入された材料11の燃焼コストの削減と効率的な材料11の炭化とが確実に図れる構成となっている。
【0017】
さらに、窯本体1の煙突3側の外壁6の一部には、送風部15が設けてあり、この送風部15は、外壁6の低所側から高所側に向けて斜め方向に貫通する孔であり、さらに、この孔は送風機(図示は省略。)と通じるものである。これによって、窯本体1外の空気を内部空間Sに取り入れて、当該窯本体1内の空気が低所側から煙突3側に向けて流れるように促す手段となっている。しかも、窯本体1と煙突3との連結箇所の底面はテーパ面16をなしており、このように形成するのは、窯本体1の内部空間Sにおいて木材廃材の炭化に伴う、燃焼煙の排出を円滑に行うためであり、これにより、窯本体1の一層の燃焼効率の向上が可能となる。
【0018】
【発明の効果】
本発明のうち請求項1及び2記載の発明によれば、窯本体内の内部空間、及び材料置き場が傾いた状態にあることで、燃焼部で起こされた熱が窯本体の内部空間の低所側から高所側に向けて確実に行き渡り、この結果、投入された材料の炭化が効率良く行われ、該材料を迅速に木炭と化すことができ、木材廃材の速やかな処理と該廃材の再利用をはかることができる。
【0019】
本発明のうち請求項3記載の発明によれば、材料に直接炎が当たるのを防ぎ、さらに、その熱風のみを材料置き場側へ受け入れることができるので、材料の炭化が一層効率良く行われ、木炭の大量生産を可能とする。
【0020】
本発明のうち請求項4記載の発明によれば、例えば、請求項2に記載した形態の木炭窯で材料を炭化した場合、各燃焼部において効率よく材料の炭化が行われ、結果、木炭をより効率良く作ることができる。
【0021】
本発明のうち請求項5記載の発明によれば、材料置き場内の熱が保たれ、結果、流木や切れ端が迅速に木炭と化し、一層木炭の生産サイクルを早めることができる。
【0022】
本発明のうち請求項6記載の発明によれば、窯本体の内部空間において煙突側に向かう空気の流れを形成するので、木材廃材炭化後のガスを円滑に排出でき、この結果、燃焼効率が飛躍的に向上することとなる。
【0023】
また、本木炭窯によって出来上がった木炭は、良質の木炭としてそのまま使用できるのは勿論、例えば、水源地や河川の水質の浄化剤や、土壌改質剤、酸化防止剤、或いは消臭剤として幅広く利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の木炭窯の全体構成を示す側面図である。
【図2】図1のA−A線を縦断面し、さらに拡大して示す説明図である。
【図3】(a)(b)本発明の木炭窯の使用例を示す説明図である。
【図4】図3(a)中Bを拡大して示す説明図である。
【符号の説明】
1 窯本体
2 燃焼部
3 煙突
4 内壁
5 材料置き場
6 外壁
7 遮断壁
10 スリット
13 上端部
15 送風部
G 斜面
S 内部空間
【発明の属する技術分野】
本発明はおもに、ダムの貯水域に堆積する流木や、或いは、川縁や海岸に打ち上げられる木材廃材などから木炭を製造するための木炭窯に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、山林からダムの貯水域に流れ着いて堆積した流木や、或いは河川工事によって発生する木材の切れ端等の残材、または、川縁や海岸に打ち上げられる流木等の処理については、現在のところ、各者が手をこまねいている状態にあり、通常は、大型の焼却炉によって焼却処分がなされるか、あるいは、個人又は法人が管理する所定の場所に廃棄されるものであった。しかしながら、近年の省エネルギー化志向の現状を鑑みて、これらの木材廃材を再利用する方法が模索されており、例えば、木炭窯に木材廃材を入れて、木炭を形成し、この木炭を建築材料や、或いは、浄水フィルタ等に利用すること等が検討されている。
【0003】
【発明が解決しようする課題】
しかしながら一般的に使用されている木炭窯にあっては、その処理能力の面で難があり、ダムの貯水域に堆積した大量の流木等から効率よく木炭を製造することが難しく、このことから、流木等の木材廃材を効率良く処理し、尚且つ大量の木炭を製造できる木炭窯の登場が待たれていた。
【0004】
本発明は、ダムに堆積した流木や、或いは川縁や海岸に打ち上げられた木材廃材を迅速且つ大量に木炭化できる木炭窯を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のうち請求項1記載の発明では、窯本体は、燃焼部を低所側に、そして、煙突を高所側にそれぞれ位置するように、当該窯本体内の内部空間と材料置き場とを傾斜状に備えていることを特徴とするものである。また本発明は、請求項2のように、窯本体の一方向に沿って間隔を開けて複数の燃焼部を備え、さらに、前記窯本体の内部には、各燃焼部からの直火を避けるように2枚の内壁をそれぞれ起立して、当該各内壁間に材料置き場を設けた木炭窯についても適用できる。
【0006】
ここで窯本体の傾斜角度は、特に限定するものではないが、望ましくは45°に設定されればよい。また燃焼部とは、窯本体の内部に投入された材料を炭化可能な温度で燃焼できる手段の全てを意味するものであり、具体的には、薪や重油を主燃料とした燃焼装置が使用される。また傾斜状とは、窯本体内の空間が少なくとも垂直及び水平方向以外の方向に延在するように構成したものを意味し、例えば、窯本体を山の斜面等に設置したり、あるいは、窯本体を傾斜面を備える人工的な土台の上に載せたものでもよい。さらに、請求項2のように燃焼部を窯本体の外壁の複数箇所に設置する場合は、その配置パターンを特に限定するものではなく、例えば、窯本体外壁の片側にのみ備えてもよいし、或いは本実施形態に示すもののように、窯本体の低所側、及び当該窯本体の両側の外壁に備えてもよい。
【0007】
このように形成すると、窯本体の内部空間と材料置き場とを斜めに傾けた状態に形成してあることで、窯本体の低所側の燃焼部で起こされた炎による熱風が、確実に該窯本体内の高所側に投入された材料にまで行き届くので、窯本体内の熱効率が飛躍的に高まり、結果、該窯本体内に投入された大量の材料を速やかに木炭と化すことができる。
【0008】
本発明のうち請求項3記載の発明は、前記各内壁には、スリットが設けてあるので、前記スリットでは燃焼部から熱風のみが通過し、内壁に囲まれた材料置き場において、前記熱風の流入によって低所側から高所側に向けて空気が流れることとなり、結果、材料の燃焼が一層効率良く行なえる。
ここで、スリットについては、燃焼部からの炎が材料置き場に入り込まない程度のものであれば、特にその大きさや数については限定しない。
【0009】
本発明のうち請求項4記載の発明は、前記材料置き場は、各燃焼部による燃焼可能範囲毎にその領域を隔離できる遮断壁が、各内壁間にそれぞれ開閉可能な状態で設けてあるので、例えば、材料置き場のうち、仮に低所側に置かれた材料が炭化済みとなった場合に、未だ炭化されていない高所側の領域にある材料のみを炭化でき、これにより燃焼効率を一層高めることができる。
【0010】
ここで、遮断壁の開閉方法については、例えば、後述する本実施形態のものであれば、遮断壁をワイヤロープで吊し、窯本体の外から遠隔操作可能な巻上げドラムを使用して上げ下げするものが使用されており、その手段を特に限定するものではない。
【0011】
本発明のうち請求項5記載の発明では、前記各内壁は、その上端部がそれぞれ内向きに屈曲しているので、材料置き場において暖められた空気が上方に逃げにくくなり、材料燃焼時の保温効果が長時間持続される。
【0012】
本発明のうち請求項6記載の発明は、前記窯本体の外壁のうち、煙突の近傍箇所には、当該窯本体の内部空間への送風部を設けているので、木材廃材の炭化後、前記内部空間の低所側から高所側に向かう一定の空気の流れを形成し、窯本体内に滞留した煙を円滑に煙突から排出できる。
ここで送風部としては、単に外壁を貫通して外と内部空間とが通じる孔のようなものであってもよいが、望ましくは、煙突側に向かうように貫通しているものがよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の木炭窯の実施形態を以下に説明する。
本木炭窯の具体的な構造は図1に示すように、傾斜角度が約45°をなす山の斜面Gに設置され且つ当該斜面Gにおける低所側から高所側に向けて延在する長手状に形成した内部空間Sを有する窯本体1と、該窯本体1の低所側及び外壁6の両側位置に長手方向に沿って間隔をあけて設置してある計5カ所(一部図示省略。)の各燃焼部2と、窯本体1の高所側において立ち上がる煙突3と、からなっている。
【0014】
また、前記窯本体1内の構造は図2のように、断面半円形状をなす外壁6により囲まれた内部空間Sの底位置側に、左右に間隔をあけて起立する2枚の内壁4,4が、窯本体1の長手方向に沿ってそれぞれ連続して設けてあり、また、この各内壁4,4は、図示はしないがコンクリート壁の表面全体に耐火レンガを固着している。さらに、前記各内壁4,4については、内壁4,4の厚み方向を貫通する細幅のスリット10が多数設けてあり、このスリット10は燃焼部2からの材料置き場5への直接的な炎の入り込みを遮り、前記炎による熱風のみを該材料置き場5側に受け入れるので、材料置き場5上の各内壁4,4に隔てられた空間において、低所側から高所側への空気の流れが発生し、この結果、材料11炭化時の燃焼効率が向上する。また、窯本体1外壁6の天部には、各燃焼部2の設置個所と対応して蓋付きの材料投入口8,8,8がそれぞれに設けてあり、当該各材料投入口8,8,8から材料置き場5に材料11を供給できる。
尚、前記材料置き場5は、窯本体1底面の傾斜面に対して、フラットとなるように段差状をなし、これにより、窯本体1内に投入した材料11の滑り落ちを防止している。
【0015】
また、前記各内壁4,4の上端部13,13は、それぞれが内向きに対向して屈曲し、これによって、燃焼部2からの熱風によって暖められた材料置き場5の空気による高所側への熱の逃げが格段に減少し、該材料置き場5における燃焼効率がより一層高まることになる。さらに、各内壁4,4間には、当該各内壁4,4の長手方向に沿って、材料置き場5を等間隔に隔てる遮断壁7が計2カ所に設けてあり、この遮断壁7は、窯本体1の外側から遠隔操作によって、巻き上げドラム9により巻き取り可能なワイヤロープ12を用いて、窯本体1内の対応位置に設けてある各ガイド壁14,14に沿って、作業者による自在な上げ下げを可能としており、これにより、各燃焼部2による燃焼範囲において、各内壁4,4間に隔てられた材料置き場5上の空間を区切ることができ、この結果、遮断された材料置き場5の各領域において、個別に材料11の炭化が行なえるので、窯本体1内の燃焼効率が一層高まることとなる。
【0016】
次に図3(a)(b)に示すものは、本実施形態の木炭窯の一使用例を説明するものであり、まず、斜面Gの低所側から高所側に向けて延長した材料置き場5の最も低所側の領域において、そこに投入された材料11の炭化が済んだ場合に、前記領域に対応した最も低所側に位置する遮断壁7を下ろし、さらに、その領域にある材料11の炭化を行なっている燃焼部2の作動を停止する。次いで、作動中の他の各燃焼部2においても、それぞれの領域に投入された材料11の炭化が終われば、前記各領域に対応する各遮断壁7,7を下方側から順に下ろしていく。これにより、材料置き場5における各燃焼部2の炎が及ぶ各領域をそれぞれ隔離して、小さなスペース内で材料11の炭化が行えることで、投入された材料11の燃焼コストの削減と効率的な材料11の炭化とが確実に図れる構成となっている。
【0017】
さらに、窯本体1の煙突3側の外壁6の一部には、送風部15が設けてあり、この送風部15は、外壁6の低所側から高所側に向けて斜め方向に貫通する孔であり、さらに、この孔は送風機(図示は省略。)と通じるものである。これによって、窯本体1外の空気を内部空間Sに取り入れて、当該窯本体1内の空気が低所側から煙突3側に向けて流れるように促す手段となっている。しかも、窯本体1と煙突3との連結箇所の底面はテーパ面16をなしており、このように形成するのは、窯本体1の内部空間Sにおいて木材廃材の炭化に伴う、燃焼煙の排出を円滑に行うためであり、これにより、窯本体1の一層の燃焼効率の向上が可能となる。
【0018】
【発明の効果】
本発明のうち請求項1及び2記載の発明によれば、窯本体内の内部空間、及び材料置き場が傾いた状態にあることで、燃焼部で起こされた熱が窯本体の内部空間の低所側から高所側に向けて確実に行き渡り、この結果、投入された材料の炭化が効率良く行われ、該材料を迅速に木炭と化すことができ、木材廃材の速やかな処理と該廃材の再利用をはかることができる。
【0019】
本発明のうち請求項3記載の発明によれば、材料に直接炎が当たるのを防ぎ、さらに、その熱風のみを材料置き場側へ受け入れることができるので、材料の炭化が一層効率良く行われ、木炭の大量生産を可能とする。
【0020】
本発明のうち請求項4記載の発明によれば、例えば、請求項2に記載した形態の木炭窯で材料を炭化した場合、各燃焼部において効率よく材料の炭化が行われ、結果、木炭をより効率良く作ることができる。
【0021】
本発明のうち請求項5記載の発明によれば、材料置き場内の熱が保たれ、結果、流木や切れ端が迅速に木炭と化し、一層木炭の生産サイクルを早めることができる。
【0022】
本発明のうち請求項6記載の発明によれば、窯本体の内部空間において煙突側に向かう空気の流れを形成するので、木材廃材炭化後のガスを円滑に排出でき、この結果、燃焼効率が飛躍的に向上することとなる。
【0023】
また、本木炭窯によって出来上がった木炭は、良質の木炭としてそのまま使用できるのは勿論、例えば、水源地や河川の水質の浄化剤や、土壌改質剤、酸化防止剤、或いは消臭剤として幅広く利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の木炭窯の全体構成を示す側面図である。
【図2】図1のA−A線を縦断面し、さらに拡大して示す説明図である。
【図3】(a)(b)本発明の木炭窯の使用例を示す説明図である。
【図4】図3(a)中Bを拡大して示す説明図である。
【符号の説明】
1 窯本体
2 燃焼部
3 煙突
4 内壁
5 材料置き場
6 外壁
7 遮断壁
10 スリット
13 上端部
15 送風部
G 斜面
S 内部空間
Claims (6)
- 窯本体(1)は、燃焼部(2)を低所側に、そして、煙突(3)を高所側にそれぞれ位置するように、当該窯本体(1)内の内部空間(S)と材料置き場(5)とを傾斜状に備えていることを特徴とする木炭窯。
- 窯本体(1)の外壁(6)の一方向に沿って、間隔をあけた複数の箇所にそれぞれ燃焼部(2)を備え、さらに、前記窯本体(1)の内部には、各燃焼部(2)からの直火を避けるように2枚の内壁(4,4)をそれぞれ起立して、当該各内壁(4,4)間に材料置き場(5)を設け、
前記窯本体(1)は、各燃焼部(2)を低所側に、そして、煙突(3)を高所側にそれぞれ位置するように、窯本体(1)内の内部空間(S)と材料置き場(5)とを傾斜状に備えていることを特徴とする木炭窯。 - 前記各内壁(4,4)には、スリット(10)が設けてあることを特徴とする請求項2記載の木炭窯。
- 前記材料置き場(5)は、各燃焼部(2)による燃焼可能範囲毎にその領域を隔離できる遮断壁(7)が、各内壁(4,4)間においてそれぞれが開閉可能に設けてあることを特徴とする請求項2又は3記載の木炭窯。
- 前記各内壁(4,4)は、その上端部(13,13)がそれぞれ内向きに屈曲していることを特徴とする請求項2、3又は4記載の木炭窯。
- 前記窯本体(1)の外壁(6)のうち、煙突(3)の近傍箇所には、当該窯本体(1)の内部空間(S)への送風部(15)を設けていることを特徴とする請求項2、3、4又は5記載の木炭窯。
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Family Applications (1)
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JP2003024127A Pending JP2004285081A (ja) | 2003-01-27 | 2003-01-31 | 木炭窯 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004285081A (ja) |
-
2003
- 2003-01-31 JP JP2003024127A patent/JP2004285081A/ja active Pending
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