JP2004284911A - ガラス板の穿孔方法及びdpg構法用ガラス板 - Google Patents

ガラス板の穿孔方法及びdpg構法用ガラス板 Download PDF

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Abstract

【課題】シーマ部が正常な状態である場合は勿論のこと、その先端に刃こぼれや磨耗が生じた場合においても、ストレート孔の内壁面とテーパー面との境界における削り残しを防止すると共に、ハマカケ、ヒビ割れあるいは段差の無い皿孔の穿孔を可能とするガラス板の穿孔方法を提供する。
【解決手段】第1ドリル4を円筒状コアドリル部4aとシーマ部4bとで構成し、第2ドリル5を円筒状コアドリル部5aで構成する。このとき、第2ドリル5の円筒状コアドリル部5aの外径は、第1ドリル4の円筒状コアドリル部4aの外径よりも大きく、その内径は第1ドリル4の円筒状コアドリル部4aの外径よりも小さくなるように設定されている。この設定のもとで、まず、第1ドリル4によってストレート孔をガラス板1の板厚の途中まで穿孔すると同時にテーパー面を形成し、続いて、第2ドリル5によって前記テーパー面が形成された部分まで貫通穿孔する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス板の両面から相対向した一対のドリルで穿孔するガラス板の穿孔方法に関する。また、当該穿孔方法によって孔が形成されてなるDPG構法用ガラス板に関する。
【0002】
【従来の技術】
DPG構法(ドットポイントグレージング構法)に使用されるガラス板には、取付金具を嵌着するために、両端部又は一端部にテーパー面を有する孔(以下、皿孔ということがある。)が穿孔される。この皿孔は、円筒状コアドリル部とテーパー状拡径部であるシーマ部とを有するドリルをガラス板に押し当てて回転を与えることにより穿孔されるのが一般的である。しかし、一方向だけから穿孔を行い一気にガラス板を貫通させる方法は、図9に示すように、貫通端周辺にハマカケ10等の破損を生じやすく敬遠され、通常は二度に分けてガラス板の両面から穿孔する方法が採られている。
【0003】
すなわち、ガラス板を挟んだ両側に相対向する一対のドリルをそれぞれ配置し、まず一方のドリルをガラス板の片面に押し当てて途中まで穿孔を行い、ついで他方のドリルで反対面から穿孔を行うことにより、ガラス板の内部で孔を連通させる穿孔方法が一般的である。しかしこの穿孔方法には、孔が連通する瞬間にその連通部で、図10に示すようなヒビ割れ11が生じやすいという欠点があった。また、各ドリルの軸ずれにより、形成された皿孔のストレート孔内壁に図11に示すような段差12が生じやすいという欠点もあった。
【0004】
この課題を解決するものとして、特開2000−158395号公報(特許文献1)には、第1ドリルを回転させながら板状体の片面に押し当てて所定の深さの第1穴を加工した後、先端から所定長さの位置にテーパー状の拡径部が形成された第2ドリルを回転させながら板状体の反対面に押し当てて第2穴を加工し、この第2穴を前記第1穴と連通させるとともに前記拡径部で皿座ぐりする板状体の穿孔方法において、前記第2穴は、前記第2ドリルの拡径部が皿座ぐりしているときに前記第1穴と連通されることを特徴とする板状体の穿孔方法が記載されている。これにより、第2ドリルに付与された押圧力はドリルの先端面と拡径部のテーパー面とで受けられることになり、無理な力をかけずに第1穴と第2穴とを連通させることができるため、その連通部にヒビや割れを生じさせることなく穿孔することができる旨記載されている。
【0005】
また、特公昭57−7088号公報(特許文献2)には、ガラス板の上下両面に相対向する上下一対のコアドリルを設け、下側コアドリルの外径を上側コアドリルの外径よりも小さく、その内径よりも大きい範囲のものとし、ガラス板の下面に下側コアドリルで穿孔溝を形成した後、ガラス板上面から上側コアドリルでガラス板の貫通穿孔を行うガラス板の穿孔方法が記載されている。これにより、孔径の精度を高めることができると同時に、各ドリルの軸ずれにより生じる段差や、貫通端周辺に生じるハマカケを防ぐことができる旨記載されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−158395号公報
(特許請求の範囲、第2頁、第4〜5頁)
【特許文献2】
特公昭57−7088号公報
(特許請求の範囲、第1〜2頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に記載された穿孔方法においては、各ドリルが軸ずれした場合に生じる段差を防止しきれない。また、各穴の連通部に生じ得るヒビ割れは、各穴が連通する直前にガラス板と孔内に残存するガラス塊とを連結している薄膜状ガラスが割れ落ちることが主な原因で生じるため、このヒビ割れが生じる可能性を完全には否定できなかった。さらに、テーパー状の拡径部であるシーマ部の先端に刃こぼれや磨耗が生じた場合には、ストレート孔の内壁面とテーパー面との境界に図12に示すような削り残し13を生じることもあった。
【0008】
DPG構法において、ガラス板の構造躯体への取付けは、ガラス板に穿孔された皿孔にボルト等の取付金具を嵌着することにより行われる。このとき、皿孔にハマカケ、ヒビ割れ、段差あるいは削り残し等の欠陥が存在すると、取付金具により加えられる押圧力が引金となり、その場所に応力集中を生じて割れの始発点ともなり得る。特に、ストレート孔の内壁面とテーパー面との境界は角を形成しているため、もともと応力集中を生じやすい。このため、取付金具のフランジ部が嵌着される側のストレート孔の内壁面とテーパー面との境界は、できるだけ滑らかに加工しておく必要がある。しかし、特許文献1に記載された穿孔方法では、その境界に削り残しが生じるおそれがあるため、この方法により加工されたガラス板をDPG構法用ガラス板として使用する場合で、特にそのガラス板が大きく重いものである場合は、その強度や安全性に不安があった。
【0009】
また、特許文献2においては、貫通端周辺のハマカケや各ドリルの軸ずれによる段差を防止するストレート孔の穿孔方法については記載されているものの、テーパー面の形成については何ら記載されておらず、前記削り残しを防止する皿孔の穿孔方法についても記載されていない。また、DPG構法用ガラス板についても記載されていない。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、シーマ部が正常な状態である場合は勿論のこと、その先端に刃こぼれや磨耗が生じた場合においても、ストレート孔の内壁面とテーパー面との境界における削り残しを防止すると共に、ハマカケ、ヒビ割れあるいは段差の無い皿孔の穿孔を可能とするものである。このため、皿孔に取付金具が嵌着されても応力集中が生じにくいDPG構法に好適なガラス板を提供することができる。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、ガラス板の両面から相対向した一対のドリルで穿孔するガラス板の穿孔方法において、第1ドリルは先端に刃を有する円筒状コアドリル部と、該コアドリル部側面の所定の位置に配置されたシーマ部とから構成されてなり、第2ドリルは先端に刃を有する円筒状コアドリル部からなり、第2ドリルの円筒状コアドリル部の外径は第1ドリルの円筒状コアドリル部の外径よりも大きく、第2ドリルの円筒状コアドリル部の内径は第1ドリルの円筒状コアドリル部の外径よりも小さく設定され、まず前記第1ドリルによってストレート孔を前記ガラス板の板厚の途中まで穿孔すると同時にテーパー面を形成し、続いて前記第2ドリルによって前記テーパー面が形成された部分まで貫通穿孔することを特徴とするガラス板の穿孔方法を提供することによって解決される。
【0012】
これにより、穿孔中にヒビ割れあるいは削り残し等の欠陥が一時的に生じたとしても、これらの欠陥は前記第1ドリルで切削したストレート孔の内壁面近傍に生じるために削り取ることができる。前記第2ドリルが、該ストレート孔の内壁面の薄皮を剥くように貫通穿孔するからである。第1ドリルにより切削されたテーパー面は、ストレート孔の内壁面と滑らかに繋がっており、得られた皿孔に取付金具を嵌着する際には、そのフランジ部からの押圧力を受けるものとして好適である。
【0013】
このとき、前記第2ドリルが、先端に刃を有する円筒状コアドリル部と、該コアドリル部側面の所定の位置に配置されたシーマ部とから構成されてなり、前記第2ドリルによる穿孔においてもテーパー面が形成されることが好ましい。これにより、孔の両端に面取り加工を施すことが可能となり、より安全で見た目も美しいガラス板を提供することができる。
【0014】
また、前記第1ドリルのシーマ部で切削されて形成されるテーパー面の面積が、前記第2ドリルのシーマ部で切削されて形成されるテーパー面の面積よりも広いことが好ましい。広い方のテーパー面は、取付金具のフランジ部からの荷重を受けるものとして好適だからである。これにより、ストレート孔の内壁面とテーパー面との境界で滑らかさが要求される側のテーパー面を広くして、DPG構法により好適な皿孔を穿孔することができる。
【0015】
前記第2ドリルの円筒状コアドリル部の外径が第1ドリルの円筒状コアドリル部の外径よりも0.1〜0.5mmの範囲で大きいことが好ましい。これにより、貫通端周辺にハマカケ等の破損を生じにくくできると共に、ヒビ割れあるいは削り残し等の欠陥をより確実に削り取ることが可能となる。前記範囲の下限が0.1mm未満では、第1ドリルと第2ドリルとの軸ずれによりストレート孔の内壁面に段差が生じたり、第2ドリルで前記欠陥を完全に削り取ることが不可能となるおそれがあり、前記範囲の上限が0.5mmを超える場合には、第2ドリルによる貫通穿孔が薄皮を剥くようなものとはならず、貫通端となるストレート孔の内壁面とテーパー面との境界にハマカケ等の破損が生じてしまい、その境界の精度の低下を招くおそれがある。
【0016】
前記第1ドリルが、水平に固定されたガラス板に対し、鉛直方向下側から上側に向かって穿孔することが好ましい。鉛直方向における穿孔の場合、上穴の加工後に下穴を加工すると、下側ドリル上にガラス片やガラス塊が落下し、下側ドリルに刃こぼれを生じさせてしまうおそれがあるからである。
【0017】
上記穿孔方法により加工されたガラス板は、DPG構法用ガラス板として好適である。このガラス板には、皿孔に取付金具を嵌着する際、割れの始発点ともなり得る欠陥が存在しないからである。このため、本発明のDPG構法用ガラス板は、従来のものより安全性の高いものとすることができる。
【0018】
【発明の実施形態】
以下、図面を使用して、本発明をより具体的に説明する。図1〜6は、本発明の穿孔方法における第1ドリルと第2ドリルの動作を説明した図である。このうち、図1は穿孔前における各ドリルとガラス板との位置関係を示した図であり、図2は第1ドリルが下穴を所定深さまで加工し終えた状態を示した図である。図3は第1ドリルが下穴の加工を終え原位置に戻った状態を示した図であり、図4は第2ドリルによる上穴の加工中の下穴と連通する直前を示した図である。図5は第2ドリルが上穴を加工し終えた状態を示した図であり、図6は第2ドリルが上穴の加工を終え原位置に戻った状態を示した図である。図7は本発明の穿孔方法によって穿孔された皿孔に取付金具を嵌着した状態を示した図である。図8は各コアドリル部の長さ設定について説明した図である。ここで、図1〜8は、ドリル又は取付金具の中心軸を含む鉛直面による断面図である。
【0019】
図1は、穿孔前における各ドリルとガラス板との位置関係を示した図である。ガラス板1は載置台2の上で水平に固定されており、載置台2には穿孔のための開口部3が設けられている。また、ガラス板1の上下両面からそれぞれ一定の距離をおいて、第1ドリル4と第2ドリル5とが、同一軸心となるよう相対向して配置されている。本実施態様においては、固定されたガラス板1に対し、これらの各ドリルが上昇又は下降して皿孔の穿孔を行うが、固定された各ドリルに対しガラス板が上昇又は下降をするものであってもよい。
【0020】
第1ドリル4は、先端に刃を有する円筒状コアドリル部4aと、該コアドリル部4aの側面を把持するように所定の位置に取り付けられたシーマ部4bとから構成される。また、第2ドリル5は先端に刃を有する円筒状コアドリル部5aと、該コアドリル部5aの側面を把持するように所定の位置に取り付けられたシーマ部5bとで構成されている。このとき、各ドリルの回転速度は通常500〜5000rpmの範囲で設定し、各ドリルの上昇及び下降の速度は通常0.1〜5.0mm/sの範囲で設定される。コアドリル部4a、5aとシーマ部4b、5bの刃は、ダイヤモンド粒子の焼結体を使用している。
【0021】
コアドリル部5aの外径は、形成される皿孔におけるストレート孔の直径と等しくなるように設定される。このとき、コアドリル部5aの外径は、コアドリル部4aの外径よりも僅かに大きく設定されるのが好ましい。具体的には0.1〜0.5mmの範囲で大きくなるように設定される。前記範囲の下限が0.2mmであることがより好適であり、前記範囲の上限が0.4mmであることがより好適である。これにより、第2ドリルは第1ドリルで既に切削された内壁の薄皮を剥くように貫通穿孔できるため、欠陥が生じていたとしても、それらを削り取ることが可能であると共に、その貫通端にハマカケを生じさせない。
【0022】
次に、本発明の穿孔方法における各ドリルの動作について説明する。まず、第1ドリル4を駆動し上昇させ、ガラス板1の下面に押し当てることにより下穴の加工を開始する。所定の深さまで加工を終える(図2)と、第1ドリル4は下降し、原位置に戻る(図3)。続いて、第1ドリル4を上方から落下してくるガラス片やガラス塊を避けることができる安全な場所まで移動させて下穴6aの加工は終了する。このとき境界7aには、シーマ部先端4cにおける刃こぼれや磨耗の影響により、削り残しが生じていることがある。
【0023】
引き続き、第2ドリル5を駆動し下降させ、ガラス板1の上面に押し当てることにより上穴6bの加工を開始する。上穴6bが下穴6aと連通する直前(図4)に、孔内に残存するガラス塊8が割れ落ちる。このため、下穴6aと上穴6bとの連通部7cにヒビ割れが生じる場合がある。しかし、その後も第2ドリル5は下穴6aの内壁面の薄皮を剥くように切削しながら下降するため、そのヒビ割れは削り取られる。
【0024】
コアドリル部5aの先端が下側のテーパー面に貫通する直前には、割れ落ちるようなガラス塊は孔内に残っておらず、境界7a周辺にバリが僅かに残っているだけである。このため、その後の貫通穿孔はそのバリを削り取るだけのものとなり、ハマカケ等の破損は生じにくい。また、削り残しが境界7aに生じていた場合には、この削り残しはそのバリが削り取られる際に同時に削り取られる。第2ドリル5は、所定の深さまで上穴6bの加工を終える(図5)と上昇して原位置に戻る(図6)。以上で皿孔6の穿孔は完了する。
【0025】
この皿孔6においては、下側のテーパー面の方が上側のテーパー面よりも広く形成されており、下側のテーパー面の形成時に第1ドリル4がガラス板1から受ける摩擦力は、上側のテーパー面の形成時に第2ドリル5が受けるその摩擦力よりも大きい。このため、第1ドリル4のコアドリル部4aの長さL1に下側のテーパー面の深さL3を加えた長さが、ガラス板1の厚さL2の半分の長さよりも短くなるように調整されていることが好ましい(図8)。これにより、第1ドリル4がガラス板1から受ける摩擦力を軽減することが可能となる。通常、L1+L3は、L2の3分の1よりも短くなるように調整される。このとき、L1を短くしすぎると、第2ドリル5が薄皮を剥くように切削できる距離が短くなりすぎて、貫通端となるストレート孔の内壁面とテーパー面との境界にハマカケ等の破損が生じるおそれがある。このため、L1は1mm以上、より好適には2mm以上に設定されることが好ましい。一方、第2ドリル5のコアドリル部5aの長さL4に上側のテーパー面の深さL5を加えた長さが、L2よりも1mm程度長くなるように調整されていることが好ましい。これにより、コアドリル部5aがガラス板1を確実に貫通することを担保することが可能となる。
【0026】
また、皿孔6は、応力集中の原因となり得る欠陥を有していない。特に、ガラス板の下側に形成されたテーパー面は、面積が広く、ストレート孔の内壁面と滑らかに繋がっているだけでなく、その寸法精度も高いものとなっている。下側からの加工は、ガラス板1の板厚による誤差が生じにくいためである。
【0027】
その一方で、上側のテーパー面には、シーマ部先端5cにおける刃こぼれや磨耗の影響による削り残しが、ストレート孔との境界7bに生じていることがある。しかし、例えこの場合であっても、図7に示すように、広く滑らかで寸法精度も高い前記下側のテーパー面でフランジ部9aを受ける向きに取付金具9を嵌着することで、ガラス板1は、境界7bに削り残しが生じていない場合と同様の性能を発揮することができる。
【0028】
このようにして皿孔が穿孔されたガラス板に対して、強化処理を施すことが好適である。この処理は、ガラス板をその軟化点付近の高温まで加熱した後に急冷させる方法により施されるのが一般的である。この方法は、ガラス板に圧縮応力を生じさせるものであるため、例え小さな欠陥であってもそれが存在すれば、そこを始発点としてガラス板が割れてしまう場合がある。しかし、本発明の穿孔方法により加工されたガラス板は、この割れの原因となる欠陥を生じにくく、この強化処理を施すのに適したものである。
【0029】
本発明の穿孔方法により加工されたガラス板は、各種の用途に使用可能である。なかでも、壁材、窓ガラス、扉等の建材として好適に使用され、特にDPG構法用ガラス板として最適である。また、鏡、ガラステーブル、食器棚等の家具類やショーケース等に使用されるガラス部材として、さらには自動車や電車等の窓ガラスとして等、様々な用途に好適に使用できる。
【0030】
【発明の効果】
本発明の穿孔方法によれば、シーマ部が正常な状態である場合は勿論、その先端に刃こぼれや磨耗が生じてしまった場合においても、ストレート孔の内壁面とテーパー面との境界における削り残しを防止すると同時に、ハマカケ、ヒビ割れあるいは段差の無い皿孔の穿孔を可能とするものである。このため、皿孔に取付金具が嵌着されても応力集中が生じにくい、DPG構法用ガラス板として好適なガラス板を提供することができる。
【0031】
【図面の簡単な説明】
【図1】穿孔前における各ドリルとガラス板との位置関係を示した、ドリルの中心軸を含む鉛直面による断面図である。
【図2】第1ドリルが下穴を所定深さまで加工し終えた状態を示した、ドリルの中心軸を含む鉛直面による断面図である。
【図3】第1ドリルが下穴の加工を終え原位置に戻った状態を示した、ドリルの中心軸を含む鉛直面による断面図である。
【図4】第2ドリルによる上穴の加工中の下穴と連通する直前を示した、ドリルの中心軸を含む鉛直面による断面図である。
【図5】第2ドリルが上穴を加工し終えた状態を示した、ドリルの中心軸を含む鉛直面による断面図である。
【図6】第2ドリルが上穴の加工を終え原位置に戻った状態を示した、ドリルの中心軸を含む鉛直面による断面図である。
【図7】本発明の穿孔方法によって穿孔された皿孔に取付金具を嵌着した状態を示した、取付金具の中心軸を含む鉛直面による断面図である。
【図8】各コアドリル部の長さ設定について説明した、ドリルの中心軸を含む鉛直面による断面図である。
【図9】貫通部に生じたハマカケを示した、ドリルの中心軸を含む鉛直面による断面図である。
【図10】連通部に生じたヒビ割れを示した、ドリルの中心軸を含む鉛直面による断面図である。
【図11】各ドリルの軸ずれにより生じた段差を示した、ドリルの中心軸を含む鉛直面による断面図である。
【図12】ストレート孔の内壁面とテーパー面との境界に生じた削り残しを示した図であり、図2のA部に相当する箇所を拡大した、ドリルの中心軸を含む鉛直面による断面図である。
【符号の説明】
1 ガラス板
2 載置台
3 開口部
4 第1ドリル
4a 第1ドリルのコアドリル部
4b 第1ドリルのシーマ部
4c 第1ドリルのシーマ部先端
5 第2ドリル
5a 第2ドリルのコアドリル部
5b 第2ドリルのシーマ部
5c 第2ドリルのシーマ部先端
6 皿孔
6a 下穴
6b 上穴
7a 下穴のストレート孔とテーパー面との境界
7b 上穴のストレート孔とテーパー面との境界
7c 下穴と上穴との連通部
8 ガラス塊
9 取付金具
9a 取付金具のフランジ部
9b 取付金具のスタッド部
10 ハマカケ
11 ヒビ割れ
12 段差
13 削り残し
L1 第1ドリルのコアドリル部の長さ
L2 ガラス板の厚さ
L3 下側のテーパー面の深さ
L4 第2ドリルのコアドリル部の長さ
L5 上側のテーパー面の深さ

Claims (6)

  1. ガラス板の両面から相対向した一対のドリルで穿孔するガラス板の穿孔方法において、第1ドリルは先端に刃を有する円筒状コアドリル部と、該コアドリル部側面の所定の位置に配置されたシーマ部とから構成されてなり、第2ドリルは先端に刃を有する円筒状コアドリル部からなり、第2ドリルの円筒状コアドリル部の外径は第1ドリルの円筒状コアドリル部の外径よりも大きく、第2ドリルの円筒状コアドリル部の内径は第1ドリルの円筒状コアドリル部の外径よりも小さく設定され、まず前記第1ドリルによってストレート孔を前記ガラス板の板厚の途中まで穿孔すると同時にテーパー面を形成し、続いて前記第2ドリルによって前記テーパー面が形成された部分まで貫通穿孔することを特徴とするガラス板の穿孔方法。
  2. 前記第2ドリルが、先端に刃を有する円筒状コアドリル部と、該コアドリル部側面の所定の位置に配置されたシーマ部とから構成されてなり、前記第2ドリルによる穿孔においてもテーパー面が形成される請求項1記載のガラス板の穿孔方法。
  3. 前記第1ドリルのシーマ部で切削されて形成されるテーパー面の面積が、前記第2ドリルのシーマ部で切削されて形成されるテーパー面の面積よりも広い請求項2記載のガラス板の穿孔方法。
  4. 前記第2ドリルの円筒状コアドリル部の外径が前記第1ドリルの円筒状コアドリル部の外径よりも0.1〜0.5mmの範囲で大きい請求項1〜3のいずれか記載のガラス板の穿孔方法。
  5. 前記第1ドリルが、水平に設置されたガラス板に対し、鉛直方向下側から上側に向かって穿孔する請求項1〜4のいずれか記載のガラス板の穿孔方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか記載の穿孔方法によって、両端部又は一端部にテーパー面を有する孔が形成されてなるDPG構法用ガラス板。
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