JP2004283962A - 板状ワークの平面研磨方法および平面研磨盤 - Google Patents
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Abstract
【課題】板状ワークの研磨精度、特にその反りが十分に抑制される得られる板状ワークの平面研磨盤を提供する。
【解決手段】ワーク装着装置84により、装着台72上においてワークWの周縁部が面方向の移動不能に拘束された状態でそのワークWが装着されることから、研磨加工のための研削砥石(回転研磨工具)Gからの押圧力に拘わらず上記ワークWの一部たとえば中央部の沈み込みが抑制されるので、研磨加工の終了と共に研削砥石GがワークWから離隔させられるたときでも、そのワークWが自由状態となるための変形がなく、ワークWの反りが十分に抑制されて研磨精度が十分に得られるようになると同時に、板状のワークWの裏面が装着台72上に全面的に接着される必要がなくなって研磨加工が能率的となる。
【選択図】 図8
【解決手段】ワーク装着装置84により、装着台72上においてワークWの周縁部が面方向の移動不能に拘束された状態でそのワークWが装着されることから、研磨加工のための研削砥石(回転研磨工具)Gからの押圧力に拘わらず上記ワークWの一部たとえば中央部の沈み込みが抑制されるので、研磨加工の終了と共に研削砥石GがワークWから離隔させられるたときでも、そのワークWが自由状態となるための変形がなく、ワークWの反りが十分に抑制されて研磨精度が十分に得られるようになると同時に、板状のワークWの裏面が装着台72上に全面的に接着される必要がなくなって研磨加工が能率的となる。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【発明の属する技術手段】
本発明は、板状ワークの表面を高精度で平面研削するための板状ワークの平面研磨方法および平面研磨盤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、装着台上に装着された板状ワークを垂直方向の回転軸心まわりに回転駆動するワーク回転駆動装置と、その板状ワークの上面を研磨するためにその垂直方向の回転軸心まわりに回転研磨工具を回転駆動する研磨工具回転駆動装置と、その研磨工具回転駆動装置をその回転軸心と平行な方向に送り込む研磨工具送り駆動装置とを備え、上記ワークの表面をサブミクロン或いはナノオーダの送り制御が可能な平面研磨盤が知られている。たとえば、特許文献1に記載された工具送り装置を備えた平面研磨盤がそれである。このような平面研磨盤は、ガラス板、半導体ウエハなどの板状ワークをμオーダ或いはサブミクロンオーダの平面度や反りとなるように加工するために用いられる。
【0003】
【特許文献1】特開平8−276349号公報
【特許文献2】特開平6−224164号公報
【0004】
上記のような平面研磨盤では、前工程においてラッピング装置などにより予備研磨された板状ワークが用いられるが、その板状ワークは微視的には、厚みが不均一であったり、板状ワークの一部たとえば中央部の上面が凸面且つ下面が凹面となるような断面湾曲形状となっていたりするので、研磨加工によってそれを除去することにより、規定の寸法精度、たとえば、0.1乃至20μm程度の平坦度、0.03乃至1μm程度の反り、1乃至10Å程度の表面粗さとされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の研磨加工では、装着台上の板状ワークの一面に回転研磨工具を押し当てることにより、その板状ワークの一(上)面が高精度で研磨される。しかしながら、板状ワークの上面が凸面且つ下面が凹面となるような断面湾曲形状である場合に上記回転研磨工具が押し当てられると、装着台の上面と板状ワーク下面との間の隙間分だけ板状ワークが弾性変形させられ、その弾性変形させられた状態で研磨加工が行われることから、たとえ研磨加工が精度よく行われたとしても、研磨加工の終了と共に回転研磨工具が板状ワークから離隔させられるたとき、その板状ワークが弾性復帰して自由状態となると再び断面湾曲形状となるので、研磨精度が十分に得られない場合があった。このような問題は、板状ワークの寸法が大きくなるほど、或いは薄くなるほど顕著となる。
【0006】
これに対し、特許文献2に記載されているように、装着台の上面と板状ワークの下面との間の隙間にワックスのような接着剤を予め充填した後に、装着台上の板状ワークに回転研磨工具を押し当てるようにすることにより、研磨中の押圧力による板状ワークの変形を抑制し、反りの少ない研磨加工が得られるようにする装置が提案されている。しかしながら、このような特許文献2に記載されているような研磨装置では、板状ワークの裏面の全面が装着台上に接着されるので、板状ワークの着脱作業が煩雑となり、作業能率が十分に得られないという不都合があった。
【0007】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、板状ワークの研磨精度特にその反りが十分に抑制される能率のよい研磨加工が可能となる板状ワークの平面研磨方法および平面研磨盤を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための第1の手段】
かかる目的を達成するための方法発明の要旨とするところは、板状ワークの一面に回転研磨工具を押し当てることによりその板状ワークの一面を高精度で研磨するための板状ワークの平面研磨方法であって、(a) 前記回転研磨工具からの押圧力に拘わらず前記板状ワークの一部の沈み込みを抑制するために、該板状ワークの周縁部を面方向の移動不能に拘束した状態で該板状ワークを装着台上に装着する装着工程と、(b) 前記研磨台上に装着された板状ワークに対して前記回転研磨工具を押し当てつつ、該回転研磨工具の回転軸心をその板状ワークに対して相対移動させる研磨工程とを、含むことにある。
【0009】
【第1発明の効果】
このようにすれば、装着工程において、前記回転研磨工具からの押圧力に拘わらず前記板状ワークの一部たとえば中央部の沈み込みを抑制するために、その板状ワークの周縁部を面方向の移動不能に拘束した状態で該板状ワークが装着台上に装着されることから、この状態で、板状ワークに対して前記回転研磨工具を押し当てつつ、その回転研磨工具の回転軸心をその板状ワークに対して相対移動させることによって研磨が行われるので、研磨加工の終了と共に回転研磨工具が板状ワークから離隔させられるたときでも、その板状ワークが自由状態となるための変形がなく、板状ワークの反りが十分に抑制されて研磨精度が十分に得られるようになる。同時に、板状ワークの裏面が装着台上に全面的に接着される必要がなくなって研磨加工が能率的となる。
【0010】
【課題を解決するための第2の手段】
また、上記方法発明が好適に適用される装置発明の要旨とするところは、装着台上に装着された板状ワークを垂直方向の回転軸心まわりに回転駆動するワーク回転駆動装置と、その板状ワークの上面を研磨するためにその垂直方向の回転軸心まわりに回転研磨工具を回転駆動する研磨工具回転駆動装置と、その研磨工具回転駆動装置をその回転軸心と平行な方向に送り込む研磨工具送り駆動装置とを備えた平面研磨盤であって、上記装着台は、前記回転研磨工具からの押圧力に拘わらず前記板状ワークの一部たとえば中央部の沈み込みを抑制するために、その板状ワークの周縁部を面方向の移動不能に拘束した状態でその板状ワークを装着台上に装着するワーク装着装置を、備えることにある。
【0011】
【第2発明の効果】
このようにすれば、ワーク装着装置により、装着台上において板状ワークの周縁部が面方向の移動不能に拘束された状態でその板状ワークが装着されることから、研磨加工のための回転研磨工具からの押圧力に拘わらず上記板状ワークの一部たとえば中央部の沈み込みが抑制されるので、研磨加工の終了と共に回転研磨工具が板状ワークから離隔させられるたときでも、その板状ワークが自由状態となるための変形がなく、板状ワークの反りが十分に抑制されて研磨精度が十分に得られるようになる。同時に、板状ワークの裏面が装着台上に全面的に接着される必要がなくなって研磨加工が能率的となる。
【0012】
【第2発明の他の態様】
ここで、好適には、前記装着台に備えられたワーク装着装置は、前記板状ワークが嵌め入れられる枠状部材と、その枠状部材の内周縁においてその枠状部材内に嵌め入れられた板状ワークを固着する接着剤とを有するものである。このようにすれば、枠状部材内に嵌め入れられた板状ワークの周縁部が接着剤によってその枠状部材の内周縁に固着されることから、研磨加工のための回転研磨工具からの押圧力に拘わらず上記板状ワークの一部たとえば中央部の沈み込みが抑制されるので、研磨加工の終了と共に回転研磨工具が板状ワークから離隔させられるたときでも、その板状ワークが自由状態となるための変形がなく、板状ワークの反りが十分に抑制されて研磨精度が十分に得られるようになる。
【0013】
また、好適には、前記装着台に備えられたワーク装着装置は、その装着台上に載置された前記板状ワークの端縁に当接可能に設けられた当接部材と、その当接部材の少なくとも一部を板状ワークの端縁に当接するまで駆動し且つその当接位置で固定する駆動固定装置とを含むものである。このようにすれば、装着台上に載置された前記板状ワークの端縁に当接可能に設けられた当接部材の少なくとも1部が、駆動固定装置によって板状ワークの端縁に当接するまで駆動され且つその当接位置で固定されることから、研磨加工のための回転研磨工具からの押圧力に拘わらず上記板状ワークの一部たとえば中央部の沈み込みが抑制されるので、研磨加工の終了と共に回転研磨工具が板状ワークから離隔させられるたときでも、その板状ワークが自由状態となるための変形がなく、板状ワークの反りが十分に抑制されて研磨精度が十分に得られるようになる。
【0014】
また、好適には、前記板状ワークは2対の互いに平行な2辺を有する矩形板状であり、前記装着台に備えられたワーク装着装置は、該装着台上に載置された前記板状ワークの互いに直交する2辺に当接可能に設けられた一対の固定当接部材と、前記板状ワークの前記互いに直交する2辺と対を成す2辺に当接するように移動可能に設けられた一対の可動当接部材と、その一対の可動当接部を該板状ワークの2 辺に当接するまで駆動し且つその当接位置で固定する駆動固定装置とを含むものである。このようにすれば、装着台上に載置された前記板状ワークの端縁に当接するように移動可能に設けられた可動当接部材が、駆動固定装置によって板状ワークの端縁に当接するまで駆動され且つその当接位置で固定されることから、研磨加工のための回転研磨工具からの押圧力に拘わらず上記板状ワークの一部たとえば中央部の沈み込みが抑制されるので、研磨加工の終了と共に回転研磨工具が板状ワークから離隔させられるたときでも、その板状ワークが自由状態となるための変形がなく、板状ワークの反りが十分に抑制されて研磨精度が十分に得られるようになる。
【0015】
また、好適には、前記駆動固定装置は、板状ワークの端縁に対して接近離隔する方向に前記可動当接部材を駆動する駆動装置と、その可動当接部材の移動を機械的に阻止するロック装置とを含むものである。このようにすれば、可動当接部材を駆動するための駆動装置と可動当接部材の移動を機械的に阻止するロック装置とがそれぞれの機能を分担するように設けられているので、耐久性や信頼性が高められる。
【0016】
【発明の好適な実施の形態】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明に用いる図面に関して、各部の寸法比等は必ずしも正確には描かれていない。
【0017】
図1は、本発明の一実施例の平面研磨盤である縦型ロータリ研削盤10の正面図であり、図2はその側面図である。図1および2において、縦型ロータリ研削盤10は、下部フレーム12と、その下部フレーム12の上面のうち定盤14が載置された残りの部分において、水平軸心方向のピン16まわりの回動が微調節可能に固定装置17により固設された上部フレーム18とを備えている。その上部フレーム18には、垂直方向に長手状を成す角柱状の一対の支柱20と、垂直方向案内部材として機能するその支柱20にそれぞれ嵌装されて垂直方向に案内される一対の垂直方向静圧気体軸受装置22とが設けられている。それら一対の垂直方向静圧気体軸受装置22は、連結板23などを介して互いに連結されている。図3は、上記支柱20の断面を示している。
【0018】
垂直方向静圧気体軸受装置22は、たとえば図4にその要部を示すように、支柱20の4つの案内面を取り囲むハウジング24と、そのハウジング24内において上記案内面と対向し且つわずかな隙間を隔てて位置するように設けられた多孔質部材26と、その多孔質部材26の上記案内面側とは反対側に圧縮気体たとえば圧縮空気を供給するための気体供給通路28とを備え、上記支柱20の案内面との間の隙間に多孔質部材26から噴出させた高圧流体圧(静圧)を介在させることにより被接触でハウジング24が支柱20に支持或いは拘束されるようにする。
【0019】
上記垂直方向静圧気体軸受装置22には、ガラス板、半導体ウエハなどの被研磨体である板状のワークWの一面(上面)を研削するために垂直方向の回転軸心Aまわりに研削砥石Gを回転駆動する砥石駆動装置30が連結され固定されている。この砥石駆動装置30は、たとえばカップ砥石のような回転研磨工具である研削砥石Gを回転駆動するための研磨工具回転駆動装置として機能している。従って、支柱20およびそれにより案内される垂直方向静圧気体軸受け装置22は、砥石駆動装置30を垂直方向に移動可能に支持するための砥石駆動装置支持装置として機能している。上記砥石駆動装置30は、垂直方向静圧気体軸受装置22により垂直方向への移動可能に支持されている。砥石駆動装置30は、軸(下)端に研削砥石Gが固定された回転軸32と、その回転軸32を回転駆動するモータ34が固定された固定板36と、そのモータ34に固定され、上記回転軸32を静圧気体を介して回転可能に支持する静圧気体回転軸受装置38とを備えている。この静圧気体回転軸受装置38は、回転軸32の外周面に対向する多孔質部材から吹き出させた高圧流体圧(静圧)介在させた状態でその回転軸32を無接触で支持するものである。
【0020】
ワークWの研磨に際して砥石GをワークWに向かって所定の切込み量で送り込むために、その砥石GをワークWに向かってその回転軸心Aに平行な方向すなわち垂直方向へ送り込む砥石送り駆動装置40が上部フレーム18に設けられている。砥石送り駆動装置40は、位置固定の上部フレーム18に設けられた送りねじ装置42と、その送りねじ装置42により送られる可動部材44と前記垂直方向静圧気体軸受装置22に連結された連結板23との間に設けられ、その垂直方向静圧気体軸受装置22をその可動部材44の移動方向と平行な方向に移動させる圧電アクチュエータ46とを備えたものである。送りねじ装置42は、垂直方向の回転軸心まわりに回転可能に上部フレーム18に設けられた送りねじ48と、その送りねじ48に連結されて上部フレーム18に設けられたモータ50とを備え、モータ50により回転駆動される送りねじ48の回転に伴ってそれに螺合した可動部材44が垂直方向に位置決めする。また、上記圧電アクチュエータ46は、たとえば板状の圧電セラミックスが積層されたものであり、印加された駆動電圧に応じてその全長がたとえば200μmストローク内で高精度で変化させられ、たとえば6kNの出力が得られるものである。
【0021】
また、上記上部フレーム18には、垂直方向静圧気体軸受装置22により片持ち状に支持された砥石駆動装置30の荷重に起因して前記支柱20の案内面における面圧分布の偏在を緩和するための荷重平衡装置54が設けられている。荷重平衡装置54は、上記砥石駆動装置30と略同等の荷重を備えて上部フレーム18内に上下方向の移動が可能に配置された平衡錘56と、その平衡錘56と砥石駆動装置30との間を連結し、且つローラ58により逆U字状に案内されたケーブル60とを備え、上記砥石駆動装置30にそれを引上げる方向の推力を付与することによりその荷重をその上下位置に拘わらず軽減する。
【0022】
前記下部フレーム12上には、ワークWの上面を研磨するためにそのワークWを垂直方向の回転軸心Bまわりに回転駆動するワーク回転駆動装置64が、定盤14、3分力動力計62、およびワーク回転駆動装置支持装置66を介して設けられている。ワーク回転駆動装置支持装置66は、上記ワーク回転駆動装置64を水平方向に移動可能に支持するためのものであって、その水平方向に延びる水平方向案内部材68と、上記ワーク回転駆動装置64が連結され、その水平方向案内部材68の案内面との間に静圧気体を介在させた状態でその水平方向案内部材68により1水平方向に案内される水平方向静圧気体軸受装置70とを備えている。上記ワーク回転駆動装置64に固定されたワークWは、前記研削砥石Gと垂直方向において、ワークWの半径以上重複するように設定されている。
【0023】
上記ワーク回転駆動装置64は、前記ワークWが着脱可能に装着される装着台72が固定された図示しない回転軸と、その回転軸を回転駆動するモータ73と、そのモータ73に固定され、その回転軸を静圧気体を介して支持する静圧気体回転軸受装置74とを備えたものである。この静圧気体回転軸受装置74は、上記図示しない回転軸の外周面に対向する多孔質部材から吹き出させた高圧流体圧(静圧)介在させた状態でその回転軸32を無接触で支持するものである。また、上記水平方向静圧気体軸受装置70は、前記垂直方向静圧気体軸受装置22と同様に、水平方向案内部材68の案内面を取り囲むハウジング76と、そのハウジング76内において上記案内面と対向し且つわずかな隙間を隔てて位置するように設けられた図示しない多孔質部材と、その多孔質部材の上記案内面側とは反対側に圧縮気体たとえば圧縮空気を供給するための気体通路とを備え、上記水平方向案内部材68の案内面との間の隙間に多孔質部材から噴出させた高圧流体圧(静圧)を介在させることにより被接触でハウジング76が水平方向案内部材68の案内方向以外の移動が拘束されるようにする。
【0024】
ワークWはたとえば図5に示すように2対の互いに平行な2辺を有する矩形板状であって、そのワークWが嵌め入れられる矩形の枠状部材80が装着台72に着脱可能に固定されるようになっている。図6はその枠状部材80の構成例を示している。そして、図7の要部拡大図に示すように、この枠状部材80の内周縁とそれに嵌め入れられたワークWの外周縁との間が、樹脂、ワックス、金属製ロー材などの接着剤82によって固着され、研磨中におけるワークWの外周縁が少なくとも面方向において拘束されるように固定される。本実施例では、上記枠状部材80および接着剤82がワーク装着装置84に対応している。
【0025】
以上のように構成された縦型ロータリ研削盤10では、たとえば図7に詳しく示すように、ワークWが上記枠状部材80内においてその内周縁に固着された状態で装着台72に装着される(装着工程)と、研削砥石GおよびワークWが所定の方向に回転駆動されるとともに図示しない研削液が供給されつつ、その研削砥石GがワークWに接触する直前まで送りねじ装置42により下降させられる。次いで、圧電アクチュエータ46により研削砥石GがワークWに切り込まれつつ、図示しない水平方向駆動装置或いは手動操作によってワークWが水平方向支持装置66によって水平方向に1ストローク移動させられる。この研磨加工程が必要に応じて繰り返えされることによって、ワークWの上面の全面に研磨加工が行われる(研磨工程)。たとえばワークWの上面が凸形状、下面が凹形状であるためにその断面形状が湾曲している場合において、ワークWの外周縁が枠状部材80および接着剤82によって外側への移動不能に拘束されていることから、研磨のために研削砥石Gが所定の切れ込み量で送り込まれて研削荷重が付与されてもワークWの弾性変形がないので、研削終了にともなって研削砥石Gが非研削位置へ移動させられてもワークWの弾性復帰がない。このため、図8に示すようにワークWの上面が平坦に研磨され、ワークWが枠状部材80から取り外された状態も同様の形状となる。同様にワークW裏面も研磨されることにより、桁違いに小さな平面度や反り、たとえば0.1乃至10μm程度の平面度(平坦度)、0.1乃至1μm程度の反りを備えたワークWが得られる。ここで、平面度とはワークWの最大厚みと最小厚みとの差であり、反りとはワークWの厚み中心線の両端を結ぶ直線とその厚み中心線との間の最大距離である。
【0026】
図9および図10は、上記枠状部材80に替えて、ワークWの外周縁を拘束した状態で着脱可能に装着台72に装着するためにその装着台72に設けられたワーク装着装置84を示している。このワーク装着装置84は、装着台72の上面(平面)に載置されたワークWの端縁に当接可能に設けられた複数の当接部材86と、それらの当接部材86の少なくとも一部をワークWの端縁に当接するまで駆動し且つその当接位置で固定する駆動固定装置88とを有するものである。
【0027】
上記当接部材86は、装着台72上に載置されたワークWの互いに隣接し且つ直交する2辺H1 およびH2 にそれぞれ当接可能に設けられた一対の固定当接部材86sと、ワークWの上記互いに直交する2辺H1 およびH2 と対を成す他の2辺H3 およびH4 にそれぞれ当接するように移動可能に設けられた一対の可動当接部材86mとから構成されている。上記駆動固定装置88は、ワークWの端縁(他の2辺H3 およびH4 )に対して接近離隔する方向に上記一対の可動当接部材86mをそれぞれ駆動するための駆動装置として機能する一対の駆動モータ90と、その一対の可動当接部材86mの移動をそれぞれ機械的に阻止するロック装置92とを備えている。図9は、それぞれ一対の駆動モータ90およびロック装置92のうちの一方を示している。
【0028】
上記一対の可動当接部材86mは、装着台72内に設けられた案内装置94と摺接する被案内部96を備えており、その被案内部96がその案内装置94によって一方向に案内されることにより、ワークWの他の2辺H3 およびH4 に対して直交する方向に移動可能に設けられている。上記駆動モータ90の出力軸98に連結されたねじ軸100は、上記可動当接部材86mの下端部と螺合させられており、その可動当接部材86mは駆動モータ90によって駆動されることにより、ワークWの端縁に当接するまで移動させられる。上記駆動モータ90は、その回転作動中は出力軸98の回転を許容するが、非回転作動中は出力軸98の回転を阻止するブレーキ機構である前記ロック装置92を備えている。
【0029】
たとえば、モータ駆動制御装置102から駆動モータ90へ供給される駆動電流は駆動電流検出回路104によって検出されるようになっており、当接判定回路106はその検出された駆動電流の急激な増加によって可動当接部材86mのワークWの端縁に対する当接が判定される。このようにして可動当接部材86mのワークWの端縁に対する当接が判定されると、モータ駆動制御装置102は駆動モータ90に対して供給されていた駆動電流を停止させるとともに、ロック装置92を作動させ、ワークWの端縁に当接した可動当接部材86mの移動をロック装置92によって阻止させる。すなわち、可動当接部材86mのワークWの端縁に対する当接がその駆動モータ90へ供給される駆動電流の急増によって判定されるまで、可動当接部材86mが移動させられる。
【0030】
上述のように本実施例によれば、装着工程において、研削砥石(回転研磨工具)Gからの押圧力に拘わらずワークWの一部たとえば中央部の沈み込みを抑制するために、そのワークWの周縁部を面方向の移動不能に拘束した状態でそのワークWが装着台72上に装着されることから、この状態で、ワークWに対して研削砥石Gを押し当てつつ、その研削砥石Gの回転軸心AをそのワークWに対して相対移動させることによって研磨が行われるので、研磨加工の終了と共に研削砥石GがワークWから離隔させられるたときでも、そのワークWが自由状態となるための変形がなく、ワークWの反りが十分に抑制されて研磨精度が十分に得られるようになると同時に、板状のワークWの裏面が装着台72上に全面的に接着される必要がなくなって研磨加工が能率的となる。
【0031】
また、本実施例によれば、ワーク装着装置84により、装着台72上においてワークWの周縁部が面方向の移動不能に拘束された状態でそのワークWが装着されることから、研磨加工のための研削砥石(回転研磨工具)Gからの押圧力に拘わらず上記ワークWの一部たとえば中央部の沈み込みが抑制されるので、研磨加工の終了と共に研削砥石GがワークWから離隔させられるたときでも、そのワークWが自由状態となるための変形がなく、ワークWの反りが十分に抑制されて研磨精度が十分に得られるようになると同時に、板状のワークWの裏面が装着台72上に全面的に接着される必要がなくなって研磨加工が能率的となる。
【0032】
また、本実施例によれば、装着台72に備えられたワーク装着装置84は、ワークWが嵌め入れられる枠状部材80と、その枠状部材80の内周縁においてその枠状部材80内に嵌め入れられたワークWを固着する接着剤82とを有するものであり、枠状部材80内に嵌め入れられたワークWの周縁部が接着剤82によってその枠状部材80の内周縁に固着されることから、研磨加工のための研削砥石(回転研磨工具)Gからの押圧力に拘わらず上記ワークWの一部たとえば中央部の沈み込みが抑制されるので、研磨加工の終了と共に研削砥石Gが板状ワークから離隔させられるたときでも、そのワークWが自由状態となるための変形がなく、ワークWの反りが十分に抑制されて研磨精度が十分に得られるようになる。
【0033】
また、本実施例によれば、装着台72に備えられたワーク装着装置84は、その装着台72上に載置されたワークWの端縁に当接可能に設けられた複数の当接部材86と、それらの当接部材86の少なくとも一部を板状ワークWの端縁に当接するまで駆動し且つその当接位置で固定する駆動固定装置88とを含み、ワークWの端縁に当接可能に設けられた当接部材86の少なくとも1部が、駆動固定装置88によってワークWの端縁に当接するまで駆動され且つその当接位置で固定されることから、研磨加工のための回転研磨工具からの押圧力に拘わらず上記板状ワークの一部たとえば中央部の沈み込みが抑制されるので、研磨加工の終了と共に研削砥石GがワークWから離隔させられるたときでも、そのワークWが自由状態となるための変形がなく、ワークWの反りが十分に抑制されて研磨精度が十分に得られるようになる。
【0034】
また、本実施例によれば、ワークWは2対の互いに平行な2辺を有する矩形板状であり、装着台72に備えられたワーク装着装置84は、その装着台72上に載置されたワークWの互いに直交する2辺H1 およびH2 に当接可能に設けられた一対の固定当接部材86sと、ワークWの互いに直交する2辺H1 およびH2 と対を成す他の2辺H3 およびH4 に当接するように移動可能に設けられた一対の可動当接部材86mと、その一対の可動当接部86mをワークWの他の2辺H3 およびH4 に当接するまで駆動し且つその当接位置で固定する駆動固定装置88とを含むものであり、ワークWの端縁に当接するように移動可能に設けられた可動当接部材86mが、駆動固定装置88によってワークWの端縁に当接するまで駆動され且つその当接位置で固定されることから、研磨加工のための研削砥石(回転研磨工具)Gからの押圧力に拘わらず上記ワークWの一部たとえば中央部の沈み込みが抑制されるので、研磨加工の終了と共に研削砥石GがワークWから離隔させられるたときでも、そのワークWが自由状態となるための変形がなく、板状ワークの反りが十分に抑制されて研磨精度が十分に得られるようになる。
【0035】
また、本実施例によれば、駆動固定装置88は、ワークWの端縁に対して接近離隔する方向に可動当接部材86mを駆動する駆動モータ(駆動装置)90と、その可動当接部材86mの移動を機械的に阻止するロック装置92とを含むものであることから、可動当接部材86mを駆動するための駆動モータ90と可動当接部材86mの移動を機械的に阻止するロック装置92とがそれぞれの機能を分担するように設けられているので、耐久性や信頼性が高められる。
【0036】
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
【0037】
例えば、前述の実施例において、可動当接部材86mは駆動モータ90によって回転駆動されるねじ軸100の回転により移動させられるものであったが、リンク機構などの他の機構によって移動させられるものであってもよい。
【0038】
また、前述の実施例のロック装置92は、駆動モータ90の出力軸98を介して可動当接部材86mの移動を間接的に阻止するものであったが、直接的に可動当接部材86mの移動を阻止するものであってもよい。このように可動当接部材86mの移動を機械的に阻止するだけでなく、電気的或いは時期的に阻止するものであってもよい。
【0039】
また、前述の砥石駆動装置30は、一対の支柱20の間に位置するように配置されても差し支えない。このようにすれば、荷重平衡装置54は不要となる。また、前記垂直方向静圧気体軸受装置22の耐荷重容量が大きい場合には、その荷重平衡装置54は図1および図2の実施例においても必ずしも必要とされない。
【0040】
また、前述の実施例において、砥石送り装置40は圧電アクチュエータ46を用いて研削砥石Gの切れ込み量を制御していたが、その圧電アクチュエータ46に替えて磁歪素子などが用いられてもよい。
【0041】
また、前述の実施例の縦型ロータリ研削盤10において、研削砥石GおよびワークWは垂直な軸心AおよびGまわりに回転可能に設けられていたが、傾斜したものなど回転軸心は必ずしも垂直でなくてもよい。
【0042】
その他一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された装置の一例である縦型ロータリ研削盤を示す正面図である。
【図2】図1の実施例の縦型ロータリ研削盤を示す側面図である。
【図3】図1の実施例の縦型ロータリ研削盤において支柱の断面を示すための、図1のIII−III 視断面図である。
【図4】図1乃至3 の垂直方向静圧気体軸受け装置の構成の要部を説明する断面図である。
【図5】図1の縦型ロータリ研削盤において研磨されるワークの形状を説明する斜視図である。
【図6】図5のワークが嵌め入れられる枠状部材の形状を説明する斜視図である。
【図7】図5のワークが研磨されるために縦型ロータリ研削盤に装着された状態を説明する図である。
【図8】図5のワークの断面形状が湾曲している場合における研磨加工状態を示す図である。
【図9】本発明の他の実施例におけるワーク装着装置が設けられた装着台の平面図である。
【図10】図9のワーク装着装置が設けられた装着台の要部断面図である。
【符号の説明】
10:縦型ロータリ研削盤(平面研磨盤)
30:砥石駆動装置(研磨工具回転駆動装置)
40:砥石送り駆動装置(研磨工具送り駆動装置)
64:ワーク回転駆動装置
72:装着台
84:ワーク装着装置
80:枠状部材
82:接着剤
86:当接部材
86s:固定当接部材
86m:可動当接部材
88:駆動固定装置
90:駆動モータ
92:ロック装置
W:板状のワーク
G:研削砥石(回転研磨工具)
【発明の属する技術手段】
本発明は、板状ワークの表面を高精度で平面研削するための板状ワークの平面研磨方法および平面研磨盤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、装着台上に装着された板状ワークを垂直方向の回転軸心まわりに回転駆動するワーク回転駆動装置と、その板状ワークの上面を研磨するためにその垂直方向の回転軸心まわりに回転研磨工具を回転駆動する研磨工具回転駆動装置と、その研磨工具回転駆動装置をその回転軸心と平行な方向に送り込む研磨工具送り駆動装置とを備え、上記ワークの表面をサブミクロン或いはナノオーダの送り制御が可能な平面研磨盤が知られている。たとえば、特許文献1に記載された工具送り装置を備えた平面研磨盤がそれである。このような平面研磨盤は、ガラス板、半導体ウエハなどの板状ワークをμオーダ或いはサブミクロンオーダの平面度や反りとなるように加工するために用いられる。
【0003】
【特許文献1】特開平8−276349号公報
【特許文献2】特開平6−224164号公報
【0004】
上記のような平面研磨盤では、前工程においてラッピング装置などにより予備研磨された板状ワークが用いられるが、その板状ワークは微視的には、厚みが不均一であったり、板状ワークの一部たとえば中央部の上面が凸面且つ下面が凹面となるような断面湾曲形状となっていたりするので、研磨加工によってそれを除去することにより、規定の寸法精度、たとえば、0.1乃至20μm程度の平坦度、0.03乃至1μm程度の反り、1乃至10Å程度の表面粗さとされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の研磨加工では、装着台上の板状ワークの一面に回転研磨工具を押し当てることにより、その板状ワークの一(上)面が高精度で研磨される。しかしながら、板状ワークの上面が凸面且つ下面が凹面となるような断面湾曲形状である場合に上記回転研磨工具が押し当てられると、装着台の上面と板状ワーク下面との間の隙間分だけ板状ワークが弾性変形させられ、その弾性変形させられた状態で研磨加工が行われることから、たとえ研磨加工が精度よく行われたとしても、研磨加工の終了と共に回転研磨工具が板状ワークから離隔させられるたとき、その板状ワークが弾性復帰して自由状態となると再び断面湾曲形状となるので、研磨精度が十分に得られない場合があった。このような問題は、板状ワークの寸法が大きくなるほど、或いは薄くなるほど顕著となる。
【0006】
これに対し、特許文献2に記載されているように、装着台の上面と板状ワークの下面との間の隙間にワックスのような接着剤を予め充填した後に、装着台上の板状ワークに回転研磨工具を押し当てるようにすることにより、研磨中の押圧力による板状ワークの変形を抑制し、反りの少ない研磨加工が得られるようにする装置が提案されている。しかしながら、このような特許文献2に記載されているような研磨装置では、板状ワークの裏面の全面が装着台上に接着されるので、板状ワークの着脱作業が煩雑となり、作業能率が十分に得られないという不都合があった。
【0007】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、板状ワークの研磨精度特にその反りが十分に抑制される能率のよい研磨加工が可能となる板状ワークの平面研磨方法および平面研磨盤を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための第1の手段】
かかる目的を達成するための方法発明の要旨とするところは、板状ワークの一面に回転研磨工具を押し当てることによりその板状ワークの一面を高精度で研磨するための板状ワークの平面研磨方法であって、(a) 前記回転研磨工具からの押圧力に拘わらず前記板状ワークの一部の沈み込みを抑制するために、該板状ワークの周縁部を面方向の移動不能に拘束した状態で該板状ワークを装着台上に装着する装着工程と、(b) 前記研磨台上に装着された板状ワークに対して前記回転研磨工具を押し当てつつ、該回転研磨工具の回転軸心をその板状ワークに対して相対移動させる研磨工程とを、含むことにある。
【0009】
【第1発明の効果】
このようにすれば、装着工程において、前記回転研磨工具からの押圧力に拘わらず前記板状ワークの一部たとえば中央部の沈み込みを抑制するために、その板状ワークの周縁部を面方向の移動不能に拘束した状態で該板状ワークが装着台上に装着されることから、この状態で、板状ワークに対して前記回転研磨工具を押し当てつつ、その回転研磨工具の回転軸心をその板状ワークに対して相対移動させることによって研磨が行われるので、研磨加工の終了と共に回転研磨工具が板状ワークから離隔させられるたときでも、その板状ワークが自由状態となるための変形がなく、板状ワークの反りが十分に抑制されて研磨精度が十分に得られるようになる。同時に、板状ワークの裏面が装着台上に全面的に接着される必要がなくなって研磨加工が能率的となる。
【0010】
【課題を解決するための第2の手段】
また、上記方法発明が好適に適用される装置発明の要旨とするところは、装着台上に装着された板状ワークを垂直方向の回転軸心まわりに回転駆動するワーク回転駆動装置と、その板状ワークの上面を研磨するためにその垂直方向の回転軸心まわりに回転研磨工具を回転駆動する研磨工具回転駆動装置と、その研磨工具回転駆動装置をその回転軸心と平行な方向に送り込む研磨工具送り駆動装置とを備えた平面研磨盤であって、上記装着台は、前記回転研磨工具からの押圧力に拘わらず前記板状ワークの一部たとえば中央部の沈み込みを抑制するために、その板状ワークの周縁部を面方向の移動不能に拘束した状態でその板状ワークを装着台上に装着するワーク装着装置を、備えることにある。
【0011】
【第2発明の効果】
このようにすれば、ワーク装着装置により、装着台上において板状ワークの周縁部が面方向の移動不能に拘束された状態でその板状ワークが装着されることから、研磨加工のための回転研磨工具からの押圧力に拘わらず上記板状ワークの一部たとえば中央部の沈み込みが抑制されるので、研磨加工の終了と共に回転研磨工具が板状ワークから離隔させられるたときでも、その板状ワークが自由状態となるための変形がなく、板状ワークの反りが十分に抑制されて研磨精度が十分に得られるようになる。同時に、板状ワークの裏面が装着台上に全面的に接着される必要がなくなって研磨加工が能率的となる。
【0012】
【第2発明の他の態様】
ここで、好適には、前記装着台に備えられたワーク装着装置は、前記板状ワークが嵌め入れられる枠状部材と、その枠状部材の内周縁においてその枠状部材内に嵌め入れられた板状ワークを固着する接着剤とを有するものである。このようにすれば、枠状部材内に嵌め入れられた板状ワークの周縁部が接着剤によってその枠状部材の内周縁に固着されることから、研磨加工のための回転研磨工具からの押圧力に拘わらず上記板状ワークの一部たとえば中央部の沈み込みが抑制されるので、研磨加工の終了と共に回転研磨工具が板状ワークから離隔させられるたときでも、その板状ワークが自由状態となるための変形がなく、板状ワークの反りが十分に抑制されて研磨精度が十分に得られるようになる。
【0013】
また、好適には、前記装着台に備えられたワーク装着装置は、その装着台上に載置された前記板状ワークの端縁に当接可能に設けられた当接部材と、その当接部材の少なくとも一部を板状ワークの端縁に当接するまで駆動し且つその当接位置で固定する駆動固定装置とを含むものである。このようにすれば、装着台上に載置された前記板状ワークの端縁に当接可能に設けられた当接部材の少なくとも1部が、駆動固定装置によって板状ワークの端縁に当接するまで駆動され且つその当接位置で固定されることから、研磨加工のための回転研磨工具からの押圧力に拘わらず上記板状ワークの一部たとえば中央部の沈み込みが抑制されるので、研磨加工の終了と共に回転研磨工具が板状ワークから離隔させられるたときでも、その板状ワークが自由状態となるための変形がなく、板状ワークの反りが十分に抑制されて研磨精度が十分に得られるようになる。
【0014】
また、好適には、前記板状ワークは2対の互いに平行な2辺を有する矩形板状であり、前記装着台に備えられたワーク装着装置は、該装着台上に載置された前記板状ワークの互いに直交する2辺に当接可能に設けられた一対の固定当接部材と、前記板状ワークの前記互いに直交する2辺と対を成す2辺に当接するように移動可能に設けられた一対の可動当接部材と、その一対の可動当接部を該板状ワークの2 辺に当接するまで駆動し且つその当接位置で固定する駆動固定装置とを含むものである。このようにすれば、装着台上に載置された前記板状ワークの端縁に当接するように移動可能に設けられた可動当接部材が、駆動固定装置によって板状ワークの端縁に当接するまで駆動され且つその当接位置で固定されることから、研磨加工のための回転研磨工具からの押圧力に拘わらず上記板状ワークの一部たとえば中央部の沈み込みが抑制されるので、研磨加工の終了と共に回転研磨工具が板状ワークから離隔させられるたときでも、その板状ワークが自由状態となるための変形がなく、板状ワークの反りが十分に抑制されて研磨精度が十分に得られるようになる。
【0015】
また、好適には、前記駆動固定装置は、板状ワークの端縁に対して接近離隔する方向に前記可動当接部材を駆動する駆動装置と、その可動当接部材の移動を機械的に阻止するロック装置とを含むものである。このようにすれば、可動当接部材を駆動するための駆動装置と可動当接部材の移動を機械的に阻止するロック装置とがそれぞれの機能を分担するように設けられているので、耐久性や信頼性が高められる。
【0016】
【発明の好適な実施の形態】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明に用いる図面に関して、各部の寸法比等は必ずしも正確には描かれていない。
【0017】
図1は、本発明の一実施例の平面研磨盤である縦型ロータリ研削盤10の正面図であり、図2はその側面図である。図1および2において、縦型ロータリ研削盤10は、下部フレーム12と、その下部フレーム12の上面のうち定盤14が載置された残りの部分において、水平軸心方向のピン16まわりの回動が微調節可能に固定装置17により固設された上部フレーム18とを備えている。その上部フレーム18には、垂直方向に長手状を成す角柱状の一対の支柱20と、垂直方向案内部材として機能するその支柱20にそれぞれ嵌装されて垂直方向に案内される一対の垂直方向静圧気体軸受装置22とが設けられている。それら一対の垂直方向静圧気体軸受装置22は、連結板23などを介して互いに連結されている。図3は、上記支柱20の断面を示している。
【0018】
垂直方向静圧気体軸受装置22は、たとえば図4にその要部を示すように、支柱20の4つの案内面を取り囲むハウジング24と、そのハウジング24内において上記案内面と対向し且つわずかな隙間を隔てて位置するように設けられた多孔質部材26と、その多孔質部材26の上記案内面側とは反対側に圧縮気体たとえば圧縮空気を供給するための気体供給通路28とを備え、上記支柱20の案内面との間の隙間に多孔質部材26から噴出させた高圧流体圧(静圧)を介在させることにより被接触でハウジング24が支柱20に支持或いは拘束されるようにする。
【0019】
上記垂直方向静圧気体軸受装置22には、ガラス板、半導体ウエハなどの被研磨体である板状のワークWの一面(上面)を研削するために垂直方向の回転軸心Aまわりに研削砥石Gを回転駆動する砥石駆動装置30が連結され固定されている。この砥石駆動装置30は、たとえばカップ砥石のような回転研磨工具である研削砥石Gを回転駆動するための研磨工具回転駆動装置として機能している。従って、支柱20およびそれにより案内される垂直方向静圧気体軸受け装置22は、砥石駆動装置30を垂直方向に移動可能に支持するための砥石駆動装置支持装置として機能している。上記砥石駆動装置30は、垂直方向静圧気体軸受装置22により垂直方向への移動可能に支持されている。砥石駆動装置30は、軸(下)端に研削砥石Gが固定された回転軸32と、その回転軸32を回転駆動するモータ34が固定された固定板36と、そのモータ34に固定され、上記回転軸32を静圧気体を介して回転可能に支持する静圧気体回転軸受装置38とを備えている。この静圧気体回転軸受装置38は、回転軸32の外周面に対向する多孔質部材から吹き出させた高圧流体圧(静圧)介在させた状態でその回転軸32を無接触で支持するものである。
【0020】
ワークWの研磨に際して砥石GをワークWに向かって所定の切込み量で送り込むために、その砥石GをワークWに向かってその回転軸心Aに平行な方向すなわち垂直方向へ送り込む砥石送り駆動装置40が上部フレーム18に設けられている。砥石送り駆動装置40は、位置固定の上部フレーム18に設けられた送りねじ装置42と、その送りねじ装置42により送られる可動部材44と前記垂直方向静圧気体軸受装置22に連結された連結板23との間に設けられ、その垂直方向静圧気体軸受装置22をその可動部材44の移動方向と平行な方向に移動させる圧電アクチュエータ46とを備えたものである。送りねじ装置42は、垂直方向の回転軸心まわりに回転可能に上部フレーム18に設けられた送りねじ48と、その送りねじ48に連結されて上部フレーム18に設けられたモータ50とを備え、モータ50により回転駆動される送りねじ48の回転に伴ってそれに螺合した可動部材44が垂直方向に位置決めする。また、上記圧電アクチュエータ46は、たとえば板状の圧電セラミックスが積層されたものであり、印加された駆動電圧に応じてその全長がたとえば200μmストローク内で高精度で変化させられ、たとえば6kNの出力が得られるものである。
【0021】
また、上記上部フレーム18には、垂直方向静圧気体軸受装置22により片持ち状に支持された砥石駆動装置30の荷重に起因して前記支柱20の案内面における面圧分布の偏在を緩和するための荷重平衡装置54が設けられている。荷重平衡装置54は、上記砥石駆動装置30と略同等の荷重を備えて上部フレーム18内に上下方向の移動が可能に配置された平衡錘56と、その平衡錘56と砥石駆動装置30との間を連結し、且つローラ58により逆U字状に案内されたケーブル60とを備え、上記砥石駆動装置30にそれを引上げる方向の推力を付与することによりその荷重をその上下位置に拘わらず軽減する。
【0022】
前記下部フレーム12上には、ワークWの上面を研磨するためにそのワークWを垂直方向の回転軸心Bまわりに回転駆動するワーク回転駆動装置64が、定盤14、3分力動力計62、およびワーク回転駆動装置支持装置66を介して設けられている。ワーク回転駆動装置支持装置66は、上記ワーク回転駆動装置64を水平方向に移動可能に支持するためのものであって、その水平方向に延びる水平方向案内部材68と、上記ワーク回転駆動装置64が連結され、その水平方向案内部材68の案内面との間に静圧気体を介在させた状態でその水平方向案内部材68により1水平方向に案内される水平方向静圧気体軸受装置70とを備えている。上記ワーク回転駆動装置64に固定されたワークWは、前記研削砥石Gと垂直方向において、ワークWの半径以上重複するように設定されている。
【0023】
上記ワーク回転駆動装置64は、前記ワークWが着脱可能に装着される装着台72が固定された図示しない回転軸と、その回転軸を回転駆動するモータ73と、そのモータ73に固定され、その回転軸を静圧気体を介して支持する静圧気体回転軸受装置74とを備えたものである。この静圧気体回転軸受装置74は、上記図示しない回転軸の外周面に対向する多孔質部材から吹き出させた高圧流体圧(静圧)介在させた状態でその回転軸32を無接触で支持するものである。また、上記水平方向静圧気体軸受装置70は、前記垂直方向静圧気体軸受装置22と同様に、水平方向案内部材68の案内面を取り囲むハウジング76と、そのハウジング76内において上記案内面と対向し且つわずかな隙間を隔てて位置するように設けられた図示しない多孔質部材と、その多孔質部材の上記案内面側とは反対側に圧縮気体たとえば圧縮空気を供給するための気体通路とを備え、上記水平方向案内部材68の案内面との間の隙間に多孔質部材から噴出させた高圧流体圧(静圧)を介在させることにより被接触でハウジング76が水平方向案内部材68の案内方向以外の移動が拘束されるようにする。
【0024】
ワークWはたとえば図5に示すように2対の互いに平行な2辺を有する矩形板状であって、そのワークWが嵌め入れられる矩形の枠状部材80が装着台72に着脱可能に固定されるようになっている。図6はその枠状部材80の構成例を示している。そして、図7の要部拡大図に示すように、この枠状部材80の内周縁とそれに嵌め入れられたワークWの外周縁との間が、樹脂、ワックス、金属製ロー材などの接着剤82によって固着され、研磨中におけるワークWの外周縁が少なくとも面方向において拘束されるように固定される。本実施例では、上記枠状部材80および接着剤82がワーク装着装置84に対応している。
【0025】
以上のように構成された縦型ロータリ研削盤10では、たとえば図7に詳しく示すように、ワークWが上記枠状部材80内においてその内周縁に固着された状態で装着台72に装着される(装着工程)と、研削砥石GおよびワークWが所定の方向に回転駆動されるとともに図示しない研削液が供給されつつ、その研削砥石GがワークWに接触する直前まで送りねじ装置42により下降させられる。次いで、圧電アクチュエータ46により研削砥石GがワークWに切り込まれつつ、図示しない水平方向駆動装置或いは手動操作によってワークWが水平方向支持装置66によって水平方向に1ストローク移動させられる。この研磨加工程が必要に応じて繰り返えされることによって、ワークWの上面の全面に研磨加工が行われる(研磨工程)。たとえばワークWの上面が凸形状、下面が凹形状であるためにその断面形状が湾曲している場合において、ワークWの外周縁が枠状部材80および接着剤82によって外側への移動不能に拘束されていることから、研磨のために研削砥石Gが所定の切れ込み量で送り込まれて研削荷重が付与されてもワークWの弾性変形がないので、研削終了にともなって研削砥石Gが非研削位置へ移動させられてもワークWの弾性復帰がない。このため、図8に示すようにワークWの上面が平坦に研磨され、ワークWが枠状部材80から取り外された状態も同様の形状となる。同様にワークW裏面も研磨されることにより、桁違いに小さな平面度や反り、たとえば0.1乃至10μm程度の平面度(平坦度)、0.1乃至1μm程度の反りを備えたワークWが得られる。ここで、平面度とはワークWの最大厚みと最小厚みとの差であり、反りとはワークWの厚み中心線の両端を結ぶ直線とその厚み中心線との間の最大距離である。
【0026】
図9および図10は、上記枠状部材80に替えて、ワークWの外周縁を拘束した状態で着脱可能に装着台72に装着するためにその装着台72に設けられたワーク装着装置84を示している。このワーク装着装置84は、装着台72の上面(平面)に載置されたワークWの端縁に当接可能に設けられた複数の当接部材86と、それらの当接部材86の少なくとも一部をワークWの端縁に当接するまで駆動し且つその当接位置で固定する駆動固定装置88とを有するものである。
【0027】
上記当接部材86は、装着台72上に載置されたワークWの互いに隣接し且つ直交する2辺H1 およびH2 にそれぞれ当接可能に設けられた一対の固定当接部材86sと、ワークWの上記互いに直交する2辺H1 およびH2 と対を成す他の2辺H3 およびH4 にそれぞれ当接するように移動可能に設けられた一対の可動当接部材86mとから構成されている。上記駆動固定装置88は、ワークWの端縁(他の2辺H3 およびH4 )に対して接近離隔する方向に上記一対の可動当接部材86mをそれぞれ駆動するための駆動装置として機能する一対の駆動モータ90と、その一対の可動当接部材86mの移動をそれぞれ機械的に阻止するロック装置92とを備えている。図9は、それぞれ一対の駆動モータ90およびロック装置92のうちの一方を示している。
【0028】
上記一対の可動当接部材86mは、装着台72内に設けられた案内装置94と摺接する被案内部96を備えており、その被案内部96がその案内装置94によって一方向に案内されることにより、ワークWの他の2辺H3 およびH4 に対して直交する方向に移動可能に設けられている。上記駆動モータ90の出力軸98に連結されたねじ軸100は、上記可動当接部材86mの下端部と螺合させられており、その可動当接部材86mは駆動モータ90によって駆動されることにより、ワークWの端縁に当接するまで移動させられる。上記駆動モータ90は、その回転作動中は出力軸98の回転を許容するが、非回転作動中は出力軸98の回転を阻止するブレーキ機構である前記ロック装置92を備えている。
【0029】
たとえば、モータ駆動制御装置102から駆動モータ90へ供給される駆動電流は駆動電流検出回路104によって検出されるようになっており、当接判定回路106はその検出された駆動電流の急激な増加によって可動当接部材86mのワークWの端縁に対する当接が判定される。このようにして可動当接部材86mのワークWの端縁に対する当接が判定されると、モータ駆動制御装置102は駆動モータ90に対して供給されていた駆動電流を停止させるとともに、ロック装置92を作動させ、ワークWの端縁に当接した可動当接部材86mの移動をロック装置92によって阻止させる。すなわち、可動当接部材86mのワークWの端縁に対する当接がその駆動モータ90へ供給される駆動電流の急増によって判定されるまで、可動当接部材86mが移動させられる。
【0030】
上述のように本実施例によれば、装着工程において、研削砥石(回転研磨工具)Gからの押圧力に拘わらずワークWの一部たとえば中央部の沈み込みを抑制するために、そのワークWの周縁部を面方向の移動不能に拘束した状態でそのワークWが装着台72上に装着されることから、この状態で、ワークWに対して研削砥石Gを押し当てつつ、その研削砥石Gの回転軸心AをそのワークWに対して相対移動させることによって研磨が行われるので、研磨加工の終了と共に研削砥石GがワークWから離隔させられるたときでも、そのワークWが自由状態となるための変形がなく、ワークWの反りが十分に抑制されて研磨精度が十分に得られるようになると同時に、板状のワークWの裏面が装着台72上に全面的に接着される必要がなくなって研磨加工が能率的となる。
【0031】
また、本実施例によれば、ワーク装着装置84により、装着台72上においてワークWの周縁部が面方向の移動不能に拘束された状態でそのワークWが装着されることから、研磨加工のための研削砥石(回転研磨工具)Gからの押圧力に拘わらず上記ワークWの一部たとえば中央部の沈み込みが抑制されるので、研磨加工の終了と共に研削砥石GがワークWから離隔させられるたときでも、そのワークWが自由状態となるための変形がなく、ワークWの反りが十分に抑制されて研磨精度が十分に得られるようになると同時に、板状のワークWの裏面が装着台72上に全面的に接着される必要がなくなって研磨加工が能率的となる。
【0032】
また、本実施例によれば、装着台72に備えられたワーク装着装置84は、ワークWが嵌め入れられる枠状部材80と、その枠状部材80の内周縁においてその枠状部材80内に嵌め入れられたワークWを固着する接着剤82とを有するものであり、枠状部材80内に嵌め入れられたワークWの周縁部が接着剤82によってその枠状部材80の内周縁に固着されることから、研磨加工のための研削砥石(回転研磨工具)Gからの押圧力に拘わらず上記ワークWの一部たとえば中央部の沈み込みが抑制されるので、研磨加工の終了と共に研削砥石Gが板状ワークから離隔させられるたときでも、そのワークWが自由状態となるための変形がなく、ワークWの反りが十分に抑制されて研磨精度が十分に得られるようになる。
【0033】
また、本実施例によれば、装着台72に備えられたワーク装着装置84は、その装着台72上に載置されたワークWの端縁に当接可能に設けられた複数の当接部材86と、それらの当接部材86の少なくとも一部を板状ワークWの端縁に当接するまで駆動し且つその当接位置で固定する駆動固定装置88とを含み、ワークWの端縁に当接可能に設けられた当接部材86の少なくとも1部が、駆動固定装置88によってワークWの端縁に当接するまで駆動され且つその当接位置で固定されることから、研磨加工のための回転研磨工具からの押圧力に拘わらず上記板状ワークの一部たとえば中央部の沈み込みが抑制されるので、研磨加工の終了と共に研削砥石GがワークWから離隔させられるたときでも、そのワークWが自由状態となるための変形がなく、ワークWの反りが十分に抑制されて研磨精度が十分に得られるようになる。
【0034】
また、本実施例によれば、ワークWは2対の互いに平行な2辺を有する矩形板状であり、装着台72に備えられたワーク装着装置84は、その装着台72上に載置されたワークWの互いに直交する2辺H1 およびH2 に当接可能に設けられた一対の固定当接部材86sと、ワークWの互いに直交する2辺H1 およびH2 と対を成す他の2辺H3 およびH4 に当接するように移動可能に設けられた一対の可動当接部材86mと、その一対の可動当接部86mをワークWの他の2辺H3 およびH4 に当接するまで駆動し且つその当接位置で固定する駆動固定装置88とを含むものであり、ワークWの端縁に当接するように移動可能に設けられた可動当接部材86mが、駆動固定装置88によってワークWの端縁に当接するまで駆動され且つその当接位置で固定されることから、研磨加工のための研削砥石(回転研磨工具)Gからの押圧力に拘わらず上記ワークWの一部たとえば中央部の沈み込みが抑制されるので、研磨加工の終了と共に研削砥石GがワークWから離隔させられるたときでも、そのワークWが自由状態となるための変形がなく、板状ワークの反りが十分に抑制されて研磨精度が十分に得られるようになる。
【0035】
また、本実施例によれば、駆動固定装置88は、ワークWの端縁に対して接近離隔する方向に可動当接部材86mを駆動する駆動モータ(駆動装置)90と、その可動当接部材86mの移動を機械的に阻止するロック装置92とを含むものであることから、可動当接部材86mを駆動するための駆動モータ90と可動当接部材86mの移動を機械的に阻止するロック装置92とがそれぞれの機能を分担するように設けられているので、耐久性や信頼性が高められる。
【0036】
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
【0037】
例えば、前述の実施例において、可動当接部材86mは駆動モータ90によって回転駆動されるねじ軸100の回転により移動させられるものであったが、リンク機構などの他の機構によって移動させられるものであってもよい。
【0038】
また、前述の実施例のロック装置92は、駆動モータ90の出力軸98を介して可動当接部材86mの移動を間接的に阻止するものであったが、直接的に可動当接部材86mの移動を阻止するものであってもよい。このように可動当接部材86mの移動を機械的に阻止するだけでなく、電気的或いは時期的に阻止するものであってもよい。
【0039】
また、前述の砥石駆動装置30は、一対の支柱20の間に位置するように配置されても差し支えない。このようにすれば、荷重平衡装置54は不要となる。また、前記垂直方向静圧気体軸受装置22の耐荷重容量が大きい場合には、その荷重平衡装置54は図1および図2の実施例においても必ずしも必要とされない。
【0040】
また、前述の実施例において、砥石送り装置40は圧電アクチュエータ46を用いて研削砥石Gの切れ込み量を制御していたが、その圧電アクチュエータ46に替えて磁歪素子などが用いられてもよい。
【0041】
また、前述の実施例の縦型ロータリ研削盤10において、研削砥石GおよびワークWは垂直な軸心AおよびGまわりに回転可能に設けられていたが、傾斜したものなど回転軸心は必ずしも垂直でなくてもよい。
【0042】
その他一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された装置の一例である縦型ロータリ研削盤を示す正面図である。
【図2】図1の実施例の縦型ロータリ研削盤を示す側面図である。
【図3】図1の実施例の縦型ロータリ研削盤において支柱の断面を示すための、図1のIII−III 視断面図である。
【図4】図1乃至3 の垂直方向静圧気体軸受け装置の構成の要部を説明する断面図である。
【図5】図1の縦型ロータリ研削盤において研磨されるワークの形状を説明する斜視図である。
【図6】図5のワークが嵌め入れられる枠状部材の形状を説明する斜視図である。
【図7】図5のワークが研磨されるために縦型ロータリ研削盤に装着された状態を説明する図である。
【図8】図5のワークの断面形状が湾曲している場合における研磨加工状態を示す図である。
【図9】本発明の他の実施例におけるワーク装着装置が設けられた装着台の平面図である。
【図10】図9のワーク装着装置が設けられた装着台の要部断面図である。
【符号の説明】
10:縦型ロータリ研削盤(平面研磨盤)
30:砥石駆動装置(研磨工具回転駆動装置)
40:砥石送り駆動装置(研磨工具送り駆動装置)
64:ワーク回転駆動装置
72:装着台
84:ワーク装着装置
80:枠状部材
82:接着剤
86:当接部材
86s:固定当接部材
86m:可動当接部材
88:駆動固定装置
90:駆動モータ
92:ロック装置
W:板状のワーク
G:研削砥石(回転研磨工具)
Claims (6)
- 板状ワークの一面に回転研磨工具を押し当てることにより該板状ワークの一面を高精度で研磨するための板状ワークの平面研磨方法であって、
前記回転研磨工具からの押圧力に拘わらず前記板状ワークの一部の沈み込みを抑制するために、該板状ワークの周縁部を面方向の移動不能に拘束した状態で該板状ワークを装着台上に装着する装着工程と、
前記研磨台上に装着された板状ワークに対して前記回転研磨工具を押し当てつつ、該回転研磨工具の回転軸心を該板状ワークに対して相対移動させる研磨工程と
を、含むことを特徴とする板状ワークの平面研磨方法。 - 装着台上に装着された板状ワークを垂直方向の回転軸心まわりに回転駆動するワーク回転駆動装置と、該板状ワークの上面を研磨するために該垂直方向の回転軸心まわりに回転研磨工具を回転駆動する研磨工具回転駆動装置と、該研磨工具回転駆動装置を該回転軸心と平行な方向に送り込む研磨工具送り駆動装置とを備えた平面研磨盤であって、
前記装着台は、前記回転研磨工具からの押圧力に拘わらず前記板状ワークの一部の沈み込みを抑制するために、該板状ワークの周縁部を面方向の移動不能に拘束した状態で該板状ワークを装着台上に装着するワーク装着装置を、備えることを特徴とする平面研磨盤。 - 前記装着台に備えられたワーク装着装置は、前記板状ワークが嵌め入れられる枠状部材と、該枠状部材の内周縁において該枠状部材内に嵌め入れられた板状ワークを固着する接着剤とを有するものである請求項2の平面研磨盤。
- 前記装着台に備えられたワーク装着装置は、該装着台上に載置された前記板状ワークの端縁に当接可能に設けられた当接部材と、該当接部材の少なくとも一部を該板状ワークの端縁に当接するまで駆動し且つその当接位置で固定する駆動固定装置とを含むものである請求項2の平面研磨盤。
- 前記板状ワークは、2対の互いに平行な2辺を有する矩形板状であり、
前記装着台に備えられたワーク装着装置は、該装着台上に載置された前記板状ワークの互いに直交する2辺に当接可能に設けられた一対の固定当接部材と、前記板状ワークの前記互いに直交する2辺と対を成す2辺に当接するように移動可能に設けられた一対の可動当接部材と、該一対の可動当接部を該板状ワークの2 辺に当接するまで駆動し且つその当接位置で固定する駆動固定装置とを含むものである請求項4の平面研磨盤。 - 前記駆動固定装置は、板状ワークの端縁に対して接近離隔する方向に前記可動当接部材を駆動する駆動装置と、該可動当接部材の移動を機械的に阻止するロック装置とを含むものである請求項5の平面研磨盤。
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JP2003079199A JP2004283962A (ja) | 2003-03-20 | 2003-03-20 | 板状ワークの平面研磨方法および平面研磨盤 |
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-
2003
- 2003-03-20 JP JP2003079199A patent/JP2004283962A/ja active Pending
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