JP2004283810A - 溶解タンクの構造及び該溶解タンクを備えた微細気泡発生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構造で、空気と水の接触時間を長くでき、且つ水と空気の接触面積を大きくでき、溶解効果を十分に高めることができると共に、圧力損失の低減化及びタンクサイズの小型化を図る。
【解決手段】空気を水に加圧溶解するためのタンク内流路が上下複数の水平流路2,3に仕切られ、上側の水平流路2の上流側に気液混合流5の入口11を設け、下側の水平流路3の下流側に水出口12を設ける。上側の水平流路2の下流端に縦仕切板9を設けると共に縦仕切板9の手前Aに向かって水平リブ10を突設し、該水平リブ10の手前Aに縦仕切板9からはね返った気液混合流5を下側の水平流路3内に落し込むための開口部6を設けた。
【選択図】 図1
【解決手段】空気を水に加圧溶解するためのタンク内流路が上下複数の水平流路2,3に仕切られ、上側の水平流路2の上流側に気液混合流5の入口11を設け、下側の水平流路3の下流側に水出口12を設ける。上側の水平流路2の下流端に縦仕切板9を設けると共に縦仕切板9の手前Aに向かって水平リブ10を突設し、該水平リブ10の手前Aに縦仕切板9からはね返った気液混合流5を下側の水平流路3内に落し込むための開口部6を設けた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶解タンクの構造及び該溶解タンクを備えた微細気泡発生装置に関し、詳しくは空気と水の接触時間を長くでき、且つ水と空気の接触面積を大きくして溶解効果を高めるための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、浴槽循環配管系のポンプ吐出側にエゼクタ効果により空気を水に混入させ、気泡混じりの噴流を浴槽内に噴出すベく構成された微細気泡発生バスが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また他の従来例として、図11に示すように、気液溶解用のタンク内流路を縦仕切板9にて上下複数の水平流路2,3,4に仕切り、上側の水平流路2の上流側に設けた入口11から気液混合流5を導入し、上側の水平流路2の下流端に設けた開口部6から気液混合流5を下側の水平流路3の上流端に落し込み、下側の水平流路3の下流端から開口部7を介して更に下側の水平流路4に落として気泡混じりの水を水出口12から流出させ、気泡は図11の矢印方向mに設けた空気出口13から放出させるようにした溶解タンク1が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−269483号公報
【特許文献2】
特開平9−173804号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の溶解タンク1においては、タンク内流路の長さLが十分に長くない場合において気液混合流5の量が多く(例えば水量10L/min以上)なると、入口11からの気液混合流5が上側の水平流路2の下流端の縦仕切板9にぶつかると、図11の矢印nで示す入口方向に戻されて、溶解しきれずに残った空気層5bが入口11付近に溜まりやすくなり、一方、開口部6が縦仕切板9の直前に設けられているため、開口部6付近で気液混合流5がぶつかりあって激しい乱流が発生し、図12に示すように、ぶつかった水流5aが直ちに開口部6に落ちるようになる。このため空気層5bと水流5aとが十分に接触しないうちに下側の水平流路3へ送られるようになり、結果、空気と水との接触時間が短く、且つ水と空気の接触面積が少なくなるため、溶解効果が低下するという問題があった。また、開口部6付近で激しい乱流が発生することで溶解タンク1の圧力損失が大きくなるという問題や、溶解効果を高めるためにタンク内流路を長くした場合、溶解タンク1が大型化するという問題が生じる。
【0006】
本発明は、上記の従来例の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、簡単な構造で、空気と水の接触時間を長くでき、且つ水と空気の接触面積を大きくでき、溶解効果を十分に高めることができると共に、圧力損失の低減化及びタンクサイズの小型化を図ることができる溶解タンクの構造を提供することにあり、他の目的とするところは、構造が簡単で且つ低コストの溶解タンクの構造を提供することにあり、更に他の目的とするところは、ポンプのキャビテーション防止及びエア噛みによる故障防止を図ることができ、高耐久性を図ることができると共に、低騒音化を図ることができる溶解タンクを備えた微細気泡発生装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明にあっては、空気を水に加圧溶解するためのタンク内流路が上下複数の水平流路2,3に仕切られ、上側の水平流路2の上流側に気液混合流5の入口11、下側の水平流路3の下流側に水出口12をそれぞれ設け、上側の水平流路2の下流端に縦仕切板9を設けると共に縦仕切板9の手前Aに向かって水平リブ10を突設し、該水平リブ10の手前Aに縦仕切板9からはね返った気液混合流5を下側の水平流路3内に落し込むための開口部6を設けてなることを特徴としており、このように構成することで、開口部6は縦仕切板9の直前ではなく、水平リブ10の分だけ縦仕切板9から手前Aに離れた位置に設けられているため、縦仕切板9ではね返された水流5aが直ちに開口部6に落ちることがなく、一方、水平リブ10の上に溶解しきれずに残った空気層5bが溜められ、気液混合流5が開口部6に落ちる際に水平リブ10上の溶解しきれずに残った空気層5bと水流5aとが再度接触することで最大限溶解され、空気と水の接触時間を長くでき、且つ水と空気の接触面積を大きくでき、溶解効果が高められるようになる。しかも、縦仕切板9からはね返された気液混合流5の荒れがおさまる位置に開口部6を位置させることで、溶解タンク1の圧力損失を小さくでき、そのうえ縦仕切板9から水平リブ10を突出させただけの簡単な構造で済む。
【0008】
また上記開口部6は、下端口径D2が上端口径D1よりも小さくなるように傾斜しているのが好ましく、この場合、傾斜によって水が渦を巻いてスムーズに流れ落ちるようになり、溶解タンク1内の圧力損失を最小限に抑えることができ、そのうえ水平リブ10を含む開口部6の周辺に空気溜まりが厚く形成されることで、渦を巻いて流れ落ちる水に空気が一層混入されやすくなり、溶解効果を更に高めることができる。
【0009】
また上記開口部6は、多数の小孔6aで構成されているのが好ましく、この場合、気液混合流5を多数の小孔6aに分散させて落とすことにより、空気と水の接触面積を増大させることができるようになる。
【0010】
また本発明にあっては、空気を水に加圧溶解するためのタンク内流路が横仕切板8によって上下複数の水平流路2,3,4に仕切られ、最上段の水平流路2の上流側に気液混合流の入口、最下段の水平流路4の下流側に水出口12をそれぞれ設けると共に、各横仕切板8には気液混合流を下段へ落し込むための開口部6,7を設け、最下段の水平流路4の下流端に該最下段の水平流路4の上層部分4aに空気溜まりを形成するための垂下リブ21を垂設してなることを特徴としており、このように構成することで、垂下リブ21によって最下段の水平流路4の上層部分4aに空気溜まりが形成されることで、各水平流路2,3,4で溶解しきれなかった空気層5bがこの空気溜まりに溜められることとなり、最下段の水平流路4において空気と水の接触長さ(接触時間)を長くして空気を水に一層溶解させることができ、気液の撹拌が増大され、微細気泡の発生量を増やすことができるようになる。
【0011】
また上記溶解タンク1の外殻が軸方向Hを横に向けて設置される筒体22により構成され、筒体22の内部に複数の横仕切板8を設置して上下複数の水平流路2,3,4が構成されているのが好ましく、この場合、例えば市販の樹脂製円筒パイプ等のような筒体22を用いて溶解タンク1の外殻を簡易に構成できるものであり、しかも筒体22を横置きにしてその内部に複数の横仕切板8を水平に設置するだけで、上下複数の水平流路2,3,4を簡易に構成でき、溶解タンク1の構造の簡易化、低コストを図ることができる。
【0012】
また上記最上段の水平流路2よりも下側の水平流路3,4に、この水平流路3,4を左右2つの往路24と復路25とに仕切るための縦中仕切板23を設け、縦中仕切板23に往路24と復路25とを連通させるための連通孔60を設けると共に、最上段の水平流路2から流下する気液混合流の流れの向きが往路24と復路25とで逆向きとなるように縦中仕切板23の連通孔60と横仕切板8の開口部6,7とを水平流路3,4の長手方向に互い違いに配置するのが好ましく、この場合、最上段の水平流路2から流下する気液混合流が、縦中仕切板23にて仕切られた往路24を流れ、往路24の下流端で流れの向きを変えて縦中仕切板23に設けた連通孔60を介して復路25に流れ込むようになる。これにより、縦中仕切板23を利用して各段の水平流路3,4の長さをそれぞれ2倍に増やすことができ、空気と水の接触長さ(時間)をより長くできると共に、往路24と復路25とで気液混合流の流れの向きを変えることにより、流れの向きを変える部位で乱流が生じて気液接触が激しくなり、気液撹拌がより促進されるようになる。
【0013】
また本発明にあっては、上記溶解タンク1をポンプ20の吐出経路に配置し、溶解タンク1の吸入側に水槽から吸い込んだ還流水と空気吸込口50から吸い込んだ空気とを加圧混合する手段を設け、溶解タンク1の吐出側に溶解タンク1の水出口12から吐出する微細気泡水を減圧して水槽に還流させるための圧力開放部を設けたことを特徴としており、このように構成することで、溶解タンク1をポンプ20の吐出経路に配置することで、ポンプ20のキャビテーション防止及びエア噛みによる故障防止を図ることができ、高耐久性を図ることができると共に、低騒音化を図ることができる。また圧力開放部によって微細気泡が発生し、微細気泡水を水槽に循環供給できるようになる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0015】
図1はタンク内流路での気液混合流5の流れを説明する断面図、図2(a)(b)は溶解タンク1の断面図を示している。本例では、図5に示すように、浴槽循環配管系のポンプ20の吐出側に空気吸引ノズル14と溶解タンク1とをこの順に配置し、空気吸引ノズル14でエゼクタ効果により空気を水に混入させ、さらに溶解タンク1内で空気を水に加圧溶解させて気泡をより微細化させ、この微細化した気泡混じりの噴流を吐出口16から浴槽15内に噴出すベく構成された微細気泡発生バスを例示している。
【0016】
ここで、上記溶解タンク1は、水に空気を効率よく加圧溶解させて水中への空気の溶解量を増大させるためのものであり、例えばブロー成形によって形成される。図1、図2に示すように、空気を水に加圧溶解するためのタンク内流路が上下複数の水平流路2,3,4に区画され、上側の水平流路2の上流側に気液混合流5の入口11が設けられ、下側の開口部7に通じる最も下側の水平流路4の下流側に排気空間40が形成され、排気空間40の下端部に水出口12、上端部に空気出口13がそれぞれ設けられている。ここまでは従来と同様である。本発明では、上側の水平流路2の下流端に縦仕切板9を設けると共に縦仕切板9の手前Aに向かって水平リブ10を突設し、該水平リブ10の手前Aに縦仕切板9からはね返った気液混合流5を下側の水平流路3内に落し込むための開口部6を設けたものである。
【0017】
さらに、最下段の横仕切板8の下流側の端部から下方に向かって垂下リブ21が垂設されている。この垂下リブ21は、最下段の水平流路4の上層部分4aに空気溜まり(空気層5b)を形成する働きをする。
【0018】
本例ではタンク内流路内には、上下2枚の縦仕切板9と、上側の水平流路2の下流端において気液混合流5を跳ね返すための1枚の縦仕切板9とが設けられている。なお、タンク形状は円筒形でも、直方体でもよい。
【0019】
また、縦仕切板9から突設される水平リブ10は、気液混合流5が縦仕切板9にぶつかってはね返される位置まで延びている。ちなみに従来では図6に示すように縦仕切板9の直前に開口部6が設けられているが、本発明では図1に示すように開口部6は水平リブ10の長さ分だけ縦仕切板9の手前Aに離れて形成されている。この水平リブ10はその上に空気層5bを溜めて水と空気の接触時間を長くし且つ接触面積を大きくする働きをする。なお例えばタンク内流路の全長Lを26cm、気液混合流5の流速を25cm/secとした場合、開口部6の長さL1を40mm以下に設定されている。
【0020】
上記構成によれば、タンク内流路の長さが十分に長くない場合で且つ気液混合流5の量が多く(例えば水量10L/min以上)なる場合であっても、開口部6は縦仕切板9の直前ではなく、水平リブ10の分だけ縦仕切板9から手前Aに離れた位置に設けられているため、縦仕切板9ではね返された水流5aが直ちに開口部6に落ちることがなく、気液混合流5の一部が水平リブ10にぶつかって上昇し、更に水平流路2の天井面に当たって下降することで上下方向回りBの渦流が生じ、水に空気を巻き込ませて気泡をより微細化できると共に、水平リブ10の上に溶解しきれずに残った空気層5b(図1)が溜められ、気液混合流5が開口部6に落ちる際に水平リブ10上の溶解しきれずに残った空気層5bと水流5aとが再度接触することで最大限溶解され、溶解効果が十分に高められるようになる。しかも、縦仕切板9からはね返された気液混合流5の荒れがおさまる位置に開口部6を位置させることで、従来のような激しい乱流が開口部6付近に発生することがなくなり、これにより溶解タンク1の圧力損失を小さくでき、結果、ポンプ20の吐出圧を低減でき、ポンプ20の小型化、ランニングコストの低減及びポンプ20のモータの低騒音化を図ることができ、ポンプ20の性能確保が図られ、そのうえ浴室内にポンプ20が設置可能となる。さらに縦仕切板9から水平リブ10を突出させただけの簡単な構造であるため、溶解タンク1の簡素化を図ることができると共に、タンク内流路を不必要に長くしなくてもよいので、タンクサイズを小型化できるという利点もある。
【0021】
さらに本例では、最下段の水平流路4の上層部分4aには、縦仕切板の下端部に設けた垂下リブ21によって空気溜まりが形成されているため、各水平流路2,3,4で溶解しきれなかった空気層5bがこの空気溜まりに溜められることとなる。従って、最下段の水平流路4において空気と水の接触長さ(接触時間)を長くして空気を水に一層溶解させることができる。つまり、最下段での空気滞留量が多くなり、水噴射時に巻き込まれる空気量が増え、結果として気液の撹拌が増大され、微細気泡の発生量を増やすことができるものであり、垂下リブ21を設けただけの簡単な構造でありながら、溶解性能を、より一層高めることができるものである。
【0022】
本発明の他の実施形態として、上記開口部6は、図3に示すように、下端口径D2が上端口径D1よりも小さくなるように徐々に傾斜した、所謂じょうご型に形成されているのが望ましい。本例では傾斜角度θは15°〜20°とされる。このように開口部6に傾斜をつけることによって、気液混合流5が渦を巻いてスムーズに流れ落ちるようになり、これにより、溶解タンク1の圧力損失を小さくでき、結果、ポンプ20の小型化、低ランニングコスト化、ポンプ20のモータの低騒音化を一層図ることができる。そのうえ水平リブ10を含む開口部6周辺に空気層5bが厚く形成されることで、渦を巻いて流れ落ちる水に空気が一層混入されやすくなり、溶解効果を更に高めることができる。
【0023】
上記開口部6の更に他例として、図4に示すように、開口部6を多数の小孔6aで形成するようにしてもよい。例えば開口部6を覆う位置まで横仕切板8(図1)を延ばし、その延ばした部分に多数の小孔6aを穿孔してもよい。そして流路長さLが26cmの場合、各小孔6aの開口径をφ3〜5mmとし、その開口率は穴開口面積計が流路断面積の0.4以上となるように設定するのが望ましい。このように多数の小孔6aから水を落すことによって空気と水の接触面積を増大させることができ、溶解効果をより一層高めることができるものである。
【0024】
次に溶解タンク1を備えた微細気泡バスシステムについて説明する。ちなみに、一般の微細気泡発生装置は、水に空気を加えて加圧溶解したのち減圧開放させる加圧溶解方式、水流部にエゼクタを利用して負圧部位を設け、空気を自給するエゼクタ方式、多孔質の発泡盤に加圧空気を送り込む散気方式などが挙げられるが、このうち、最も気泡が細かく発生するのが加圧溶解方式である。また従来の加圧溶解式の微細気泡発生装置では、大きな加圧力を要するために、べーンポンプやカスケードポンプを利用しており、空気の自吸はポンプの吸い込み経路に設けられる場合が多かった。例えば、従来のポンプ前経路の負圧配管部で空気を自吸する構造にあっては、ポンプ内で十分に撹拌溶解されるため、ポンプ後方の経路は気液溶解の空間とその上方に排気弁(空気抜き弁)を持つ単純な構造で充分であった。しかしながら、ポンプ前経路の負圧配管部で空気を自吸すると、ポンプ内でキャビテーションが発生して部材の耐久性が悪くなる欠点、騒音が高くなるという欠点があり、一方、自吸式以外のポンプ種では、空気が混入するとエアロックが生じ易く、揚程及び水量がでなくなるという欠点があった。
【0025】
そこで、前記欠点を解決するために、ポンプの吐出経路で空気を吸い込む方式が考えられるが、上記従来のポンプ前経路の負圧配管部で空気を自吸する構造と同仕様のものをポンプ後方経路に設けて、ポンプ後方で空気を混入しても微細気泡はほとんど発生しないという欠点があった。
【0026】
そこで、本発明の溶解タンク1を利用した微細気泡バスシステムの実施形態の一例を図6に示す。この微細気泡バスシステムは、上下複数の水平流路2,3,4を有する溶解タンク1をポンプ20の吐出経路に配置し、溶解タンク1の吸入側に浴槽15から吸い込んだ還流水と空気吸込口50から吸い込んだ空気とを加圧混合する手段を設け、溶解タンク1の吐出側に溶解タンク1の水出口12から吐出する微細気泡水を減圧して浴槽15に還流させるための圧力開放部を設けたものである。
【0027】
具体的には、浴槽15の内側面に吸込口27と吐出口28とが設置されており、浴槽15の上部に空気吸込口50が設置されている。吸込口27は接続管29を介してポンプ20の吸い込み側に接続され、ポンプ20の吐出側は接続管30を介して後述のエゼクタ部31の吸込側に接続されている。ポンプ20は、遠心ポンプを利用したものであり、例えばタンク内圧力が0.2MPa、水量が14リットル/分となるように設計されている。エゼクタ部31の負圧部位は、接続管32を介して逆止弁33の出側に接続され、逆止弁33の入側は接続管34を介して空気吸込口50に接続されている。一方、溶解タンク1の水出口12は、接続管35を介して圧力開放部となるベンチュリ36の一端に接続され、ベンチュリ36の他端は接続管37を介して浴槽15の側面に設置された吐出口28に接続されている。なお、溶解タンク1の後方に配置される圧力開放部は、図6に示す例ではベンチュリ36で構成されているが、これには限らず、例えば過大圧力が印加された場合に圧力調整するために用いられるディスク板等を用いた方式であってもよいものである。
【0028】
上記溶解タンク1の基本構造、並びに水平リブ10及び垂下リブ21を備えた点は図1の実施形態と同様である。図6に示す例では、溶解タンク1の吸入側において、浴槽15から吸い込んだ還流水と空気吸込口50から吸い込んだ空気とを加圧混合する手段は、断面積を絞った先細り状のノズル形状の噴射口38で構成されている。この噴射口38の周囲には、噴射口38の角度より大きな角度で中心に開口を有するエゼクタ部31が形成されている。エゼクタ部31は、エゼクタ効果を利用して噴射口38の後方の負圧部位に空気を吸入するためのものである。なお、空気吸入手段として、上記エゼクタ以外に、絞りを設けて負圧部位を作り空気を自吸するベンチュリを利用してもよく、またコンプレッサを用いて加圧空気を押し込む方式を利用してもよいものであり、空気吸入手段の種類は特に限定されないものである。
【0029】
ここで、上記溶解タンク1の外殻は、図7に示すように、軸方向Hを横に向けて設置される筒体22により構成されている。筒体22は例えば市販の円筒パイプのような安価な配管用の円筒樹脂パイプを用いることができる。この筒体22内の軸方向Hの前部側に気液撹拌及び気液溶解を行なう上下複数の水平流路2,3,4が形成され、軸方向Hの後部側に余剰空気を排出する排気空間40が形成されている。
【0030】
また、上下複数の水平流路2,3,4は筒体22の内部に複数の平板状の横仕切板8を水平に設置して構成されている。横仕切板8は、その両側面が筒体22の両内壁にそれぞれ接触する幅寸法を有し、横仕切板8の長さ寸法は筒体22の一端壁から縦仕切板9に至る長さ寸法よりも短く設定された四角形平板が用いられている。そして、上段の横仕切板8の一端を筒体22の一端壁に当接させることで、縦仕切板9との間に上側の開口部6を形成できるようになり、下段の横仕切板8の一端を縦仕切板9に当接させることで、筒体22の一端壁との間に下側の開口部6を形成できるようになっている。また本例では、図7(a)に示すように、最上段の水平流路2の断面積とそれより下段の水平流路3の断面積と最下段の水平流路4の断面積との間は、E>F>Gの関係に設定してある。これにより、最上段及び上段での空気滞留量が多くなり、水噴射時に巻き込まれる空気量が増え、結果として気液の撹拌が増大され、微細気泡の発生量を増やすことができるものである。なお図8(a)は最下段以外の水平流路2,3を縦に仕切る縦仕切板9の一例を示しており、縦仕切板9の外周縁は筒体22の内周面に沿った円弧形状をしており、縦仕切板9の下端縁はストレート形状をしており、この縦仕切板9の下端縁が最下段の水平流路4の上層部分4aに空気溜まりを形成するための垂下リブ21を構成している。
【0031】
最下段の水平流路4の下流側と水出口12との間は排気空間40となっている。排気空間40の上端部には排気弁41(空気抜き弁)が設置されている。この排気弁41は溶解タンク1の後方上部に設置される。
【0032】
上記排気空間40の下部には、最下段の水平流路4と水出口12とを間仕切る間仕切板42が立設されている。図8(b)は間仕切板42の一例を示しており、間仕切板42の外周縁は筒体22の内周面に沿った円弧形状をしており、間仕切板42の上端縁はストレート形状をしており、縦仕切板9の上端縁よりも上方で排気空間40が開放されており、間仕切板42の上端縁を乗り越えて微細気泡水が水出口12から導出されるようになっている。間仕切板42は、最下段の水平流路4から流出する溶解に寄与しない大きな気泡(余剰空気)を上昇させて、大きな気泡が水出口12から供給されることを防止する働きをする。なお、間仕切板42の形状は図8(b)には限られず、適宜変更自在である。
【0033】
次に、図6を参照して微細気泡バスシステムの運転動作を説明する。入浴者が操作スイッチ80を押すと、ポンプ20が動作する。ポンプ20の動作により浴槽15に貯められた湯水(還流水)が、吸込口27より吸引され、接続管29を通りポンプ20へ吸引される。ポンプ20より吐き出された湯水は接続管30を通り、エゼクタ部31へと通水される。噴射口38からの水の吐出によってエゼクタ部31内部の絞り部で負圧が生じるため、浴槽15に設けた空気吸込口50より空気が接続管34を通り、さらに逆止弁33、接続管32を通ってエゼクタ部31へ吸引される。吸引された空気と湯水とは、エゼクタ部31の絞り部で流速が速くなり、噴射口38から最上段の水平流路2内に向かって勢いよく噴射される。これにより最上段の水平流路2で空気と湯水とが充分に撹拌され、空気が湯水へ溶解する。最上段の水平流路2の下流端で跳ね返された気液混合流は、上側の開口部6から流れ落ち、流れの向きを変えながら下段へと流下していく。なお水平リブ10の働き及び垂下リブ21の働きは前述した通りである。その後、下側の開口部7から流れ落ちた気液混合流は最下段の水平流路4を通過して排気空間40へ導入される。そして、最下段の水平流路4から流出する大きな気泡(余剰空気)は排気空間40を上昇して排気弁41によって取り除かれ、微細気泡水だけが水出口12の下流に設けた接続管35を通って圧力開放部であるベンチュリ36へ通水される。ベンチュリ36内の絞り径は、大気圧以下の圧力になるように設定されており、この部位にて微細気泡が発生する。微細気泡を含む湯水は、吐出口28を通って浴槽15内へ循環供給される。
【0034】
しかして、最上段の水平流路3の下流端に水平リブ10を設け、さらに加えて最下段の水平流路4の下流端に垂下リブ21を設けたことで、気液撹拌能力が向上して溶解性能をより一層高めることができるものであり、しかも上下3段の水平流路2,3,4を気液混合流が流れの向きを変えながら流下していくため、水平流路2,3,4を長く形成できて空気と水の接触長さ(時間)を長くできると共に、流れの向きを変える部位で乱流が生じて気液接触が激しくなり、気液撹拌がより促進されることとなり、小型でコンパクトな溶解タンク1の構造でありながらより微細な気泡を発生させることができるものである。
【0035】
しかも、溶解タンク1は横置きの筒体22からなり、筒体22内に複数の横仕切板8と縦仕切板9とを設置して上下複数の水平流路2,3,4を形成し、これらを一体化しているので、溶解タンク1の構造が簡単であり、コストも安くなる。特に、市販の円筒パイプ等のような筒体22を用いて溶解タンク1の外殻を簡易に構成できるという利点があり、しかも筒体22を横置きにしてその内部に平板状の複数の横仕切板8を水平に設置するだけで、上下複数の水平流路2,3,4を簡易に構成できると共に、限られた容積の中で気液接触長さ(時間)を十分に確保できるという利点がある。
【0036】
また、最下段の水平流路4から排出される余剰空気は排気空間40を上昇して排気弁41によって外部へ排気されるが、このとき最下段から流出する気液混合流の流速も排気空間40において遅くなるため、余剰空気が排気空間40の上方へ浮上しやすくなる。そのうえ排気空間40の下部に間仕切板42を設けているので、最下段から流出する気液混合流の流速が速い場合でも、間仕切板42によって余剰空気を上方に導くことができ、結果、水出口12から大きな気泡(余剰空気)が排出されるのを防止できる。また、間仕切板42の上方は開放されているため、最下段から流出する微細気泡水を間仕切板42で妨げられることなく、水出口12に導くことができるものである。
【0037】
また、溶解タンク1をポンプ20の吐出経路に配置することで、ポンプ20のキャビテーション防止及びエア噛みによる故障防止を図ることができ、高耐久性を図ることができると共に、低騒音化を図ることができる。例えばエアロックに弱い遠心ポンプを微細気泡バスシステムに利用可能になると共に、安価に普及している遠心ポンプを利用できるので、システムを安価に供給することができ、浴槽設置の気泡バスヘの展開も可能となる。
【0038】
図9は上記図7の応用例であり、最上段の水平流路2よりも下側の各水平流路3,4に、図9(a)のように各水平流路3,4を左右2つの往路24と復路25とに仕切るための縦中仕切板23を設け、縦中仕切板23に往路24と復路25とを連通させるための連通孔60を設けると共に、最上段の水平流路2から流下する気液混合流の流れの向きが往路24と復路25とで逆向きとなるように縦中仕切板23の連通孔60と横仕切板8に設けた開口部6,7とを水平流路3,4の長手方向に互い違いに配置してある。本例では、図9(b)のように横仕切板8の開口部6,7の位置と、下段及び最下段の縦中仕切板23の連通孔60の位置とが互い違いに配置されており、気液混合流が図9(b)の矢印Wで示す方向に流下できるようにしている。なお、図10は図9で用いられる縦仕切板9を示しており、本例の縦仕切板9は最下段の水平流路4における往路24を塞ぐための塞ぎ部23aを備えている点で、前記図8(a)で用いられる縦仕切板9とは異なっている。しかして、最上段の横仕切板8の開口部6,7から流下する気液混合流は、縦中仕切板23にて仕切られた往路24を流れ、往路24の下流端から縦中仕切板23に設けた連通孔60を介して復路25に流れ込み、流れの向きが変わるようになっている。これにより、縦中仕切板23を利用して各水平流路3,4の長さをそれぞれ2倍に増やすことができ、空気と水の接触長さ(時間)をより長くでき、そのうえ縦中仕切板23を利用して気液混合流の流れの向きを変えることができ、結果、気液撹拌能力をより一層高めることができるという利点がある。
【0039】
本発明に係る溶解タンク1は、微細気泡発生バスの分野に限らず、例えば、養殖での酸素補給・池や沼の水浄化(汚泥浮上)などの分野に広く適用可能である。また、液体及び気体の種類を問わずこれらを効率良く溶解させることができる気液混合装置の分野に広く適用可能である。
【0040】
【発明の効果】
上述のように請求項1記載の発明にあっては、空気を水に加圧溶解するためのタンク内流路が上下複数の水平流路に仕切られ、上側の水平流路の上流側に気液混合流の入口、下側の水平流路の下流側に水出口をそれぞれ設け、上側の水平流路の下流端に縦仕切板を設けると共に縦仕切板の手前に向かって水平リブを突設し、該水平リブの手前に縦仕切板からはね返った気液混合流を下側の水平流路内に落し込むための開口部を設けてなるので、開口部は縦仕切板の直前ではなく、水平リブの分だけ縦仕切板から手前に離れた位置に設けられているため、縦仕切板ではね返された水流が直ちに開口部に落ちることがなく、一方、水平リブの上に溶解しきれずに残った空気層が溜められ、気液混合流が開口部に落ちる際に水平リブ上の溶解しきれずに残った空気層と水流とが再度接触することで最大限溶解され、空気と水の接触時間を長くでき、且つ水と空気の接触面積を大きくでき、溶解効果が十分に高められるようになる。しかも、縦仕切板からはね返された気液混合流の荒れがおさまる位置に開口部を位置させることで、溶解タンクの圧力損失を小さくでき、そのうえ縦仕切板から水平リブを突出させただけの簡単な構造で溶解効果を高めることができるので、タンク内流路を不必要に長くすることがなく、溶解タンクの簡素化及びタンクサイズの小型化を図ることができる。
【0041】
また請求項2記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、上記開口部は、下端口径が上端口径よりも小さくなるように傾斜しているので、開口部に傾斜をつけることによって、水が渦を巻いてスムーズに流れ落ちるようになる。従って、溶解タンクの圧力損失を小さくでき、結果、ポンプの小型化、低ランニングコスト化、ポンプのモータの低騒音化を一層図ることができるうえに水平リブを含む開口部周辺に空気層が厚く形成されることで、渦を巻いて流れ落ちる水に空気が一層混入されやすくなり、溶解効果を更に高めることができる。
【0042】
また請求項3記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、上記開口部は、多数の小孔で構成されているので、気液混合流を多数の小孔に分散させて落とすことにより、空気と水の接触面積を増大させることができるので、溶解効果をより一層高めることができる。
【0043】
また請求項4記載の発明は、空気を水に加圧溶解するためのタンク内流路が横仕切板によって上下複数の水平流路に仕切られ、最上段の水平流路の上流側に気液混合流の入口、最下段の水平流路の下流側に水出口をそれぞれ設けると共に、各横仕切板には気液混合流を下段へ落し込むための開口部を設け、最下段の水平流路の下流端に該最下段の水平流路の上層部分に空気溜まりを形成するための垂下リブを垂設してなるので、垂下リブによって最下段の水平流路の上層部分に空気溜まりが形成されることで、各水平流路で溶解しきれなかった空気層がこの空気溜まりに溜められることとなり、最下段の水平流路において空気と水の接触長さ(接触時間)を長くして空気を水に一層溶解させることができる。つまり、垂下リブによって最下段での空気滞留量が多くなり、水噴射時に巻き込まれる空気量が増え、結果として気液の撹拌が増大され、微細気泡の発生量を増やすことができるものである。
【0044】
また請求項5記載の発明は、請求項4記載の効果に加えて、溶解タンクの外殻が軸方向を横に向けて設置される筒体により構成され、筒体の内部に複数の横仕切板を設置して上下複数の水平流路が構成されているので、例えば市販の樹脂製円筒パイプ等のような筒体を用いて溶解タンクの外殻を簡易に構成できるものであり、しかも筒体を横置きにしてその内部に複数の横仕切板を水平に設置するだけで、上下複数の水平流路を簡易に構成できる。また横置きの筒体内に複数の横仕切板と縦仕切板とを設置して上下複数の水平流路を形成するだけで、溶解タンクの構造の簡易化、低コストを図ることができ、しかも限られた容積の中で気液接触長さ(時間)を十分に確保できるものである。
【0045】
また請求項6記載の発明は、請求項4又は請求項5記載の効果に加えて、最上段の水平流路よりも下側の水平流路に、この水平流路を左右2つの往路と復路とに仕切るための縦中仕切板を設け、縦中仕切板に往路と復路とを連通させるための連通孔を設けると共に、最上段の水平流路から流下する気液混合流の流れの向きが往路と復路とで逆向きとなるように縦中仕切板の連通孔と横仕切板の開口部とを水平流路の長手方向に互い違いに配置したので、最上段の水平流路から流下する気液混合流が、縦中仕切板にて仕切られた往路を流れ、さらに往路の下流端で流れの向きを変えて縦中仕切板に設けた連通孔を介して復路に流れ込むようになる。これにより、縦中仕切板を利用して各段の水平流路の長さをそれぞれ2倍に増やすことができ、空気と水の接触長さ(時間)をより長くできる。しかも往路と復路とで気液混合流の流れの向きを変えることにより、流れの向きを変える部位で乱流が生じて気液接触が激しくなり、気液撹拌がより促進されることとなり、小型でコンパクトな溶解タンクの構造でありながら、気液撹拌能力をより一層高めることができるものである。
【0046】
また請求項7記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の溶解タンクをポンプの吐出経路に配置し、溶解タンクの吸入側に水槽から吸い込んだ還流水と空気吸込口から吸い込んだ空気とを加圧混合する手段を設け、溶解タンクの吐出側に溶解タンクの水出口から吐出する微細気泡水を減圧して水槽に還流させるための圧力開放部を設けたので、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の効果に加えて、溶解タンクをポンプの吐出経路に配置することで、ポンプのキャビテーション防止及びエア噛みによる故障防止を図ることができ、高耐久性を図ることができると共に、低騒音化を図ることができる。例えばエアロックに弱い遠心ポンプを微細気泡バスシステムに利用可能になると共に、安価に普及している遠心ポンプを利用できるので、システムを安価に供給することができる。また圧力開放部によって微細気泡が発生し、微細気泡水を水槽に循環供給できるようになるので、より低圧で騒音の低い装置を実現でき、浴槽設置の気泡バスヘの展開も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一例の気液混合流の流れを説明する断面図である。
【図2】(a)は同上の溶解タンクの側面断面図、(b)は(a)のF−F線断面図である。
【図3】同上の開口部の他例の断面図である。
【図4】同上の開口部の更に他例の断面図である。
【図5】同上の溶解タンクを気泡発生バスに用いた場合の概略図である。
【図6】同上の溶解タンクを用いた微細気泡バスシステムの構成図である。
【図7】本発明の他の実施形態を示し、(a)は溶解タンクの側面断面図、(b)は(a)のB−B線断面図である。
【図8】(a)は同上の縦仕切板の正面図、(b)は間仕切板の正面図である。
【図9】本発明の更に他の実施形態を示し、(a)は縦中仕切板の配置状態を説明する正面断面図、(b)は横仕切板と縦中仕切板の分解斜視図である。
【図10】同上の縦仕切板の正面図である。
【図11】従来の溶解タンクの説明図である。
【図12】従来の気液混合流の流れを説明する断面図である。
【符号の説明】
1 溶解タンク
2 最上段の水平流路
3 下側の水平流路
4 最下段の水平流路
4a 上層部分
5 気液混合流
6,7 開口部
6a 小孔
8 横仕切板
9 縦仕切板
10 水平リブ
11 入口
12 水出口
20 ポンプ
21 垂下リブ
22 筒体
23 縦中仕切板
24 往路
25 復路
50 空気吸込口
60 連通孔
A 手前
D1 上端口径
D2 下端口径
H 軸方向
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶解タンクの構造及び該溶解タンクを備えた微細気泡発生装置に関し、詳しくは空気と水の接触時間を長くでき、且つ水と空気の接触面積を大きくして溶解効果を高めるための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、浴槽循環配管系のポンプ吐出側にエゼクタ効果により空気を水に混入させ、気泡混じりの噴流を浴槽内に噴出すベく構成された微細気泡発生バスが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また他の従来例として、図11に示すように、気液溶解用のタンク内流路を縦仕切板9にて上下複数の水平流路2,3,4に仕切り、上側の水平流路2の上流側に設けた入口11から気液混合流5を導入し、上側の水平流路2の下流端に設けた開口部6から気液混合流5を下側の水平流路3の上流端に落し込み、下側の水平流路3の下流端から開口部7を介して更に下側の水平流路4に落として気泡混じりの水を水出口12から流出させ、気泡は図11の矢印方向mに設けた空気出口13から放出させるようにした溶解タンク1が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−269483号公報
【特許文献2】
特開平9−173804号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の溶解タンク1においては、タンク内流路の長さLが十分に長くない場合において気液混合流5の量が多く(例えば水量10L/min以上)なると、入口11からの気液混合流5が上側の水平流路2の下流端の縦仕切板9にぶつかると、図11の矢印nで示す入口方向に戻されて、溶解しきれずに残った空気層5bが入口11付近に溜まりやすくなり、一方、開口部6が縦仕切板9の直前に設けられているため、開口部6付近で気液混合流5がぶつかりあって激しい乱流が発生し、図12に示すように、ぶつかった水流5aが直ちに開口部6に落ちるようになる。このため空気層5bと水流5aとが十分に接触しないうちに下側の水平流路3へ送られるようになり、結果、空気と水との接触時間が短く、且つ水と空気の接触面積が少なくなるため、溶解効果が低下するという問題があった。また、開口部6付近で激しい乱流が発生することで溶解タンク1の圧力損失が大きくなるという問題や、溶解効果を高めるためにタンク内流路を長くした場合、溶解タンク1が大型化するという問題が生じる。
【0006】
本発明は、上記の従来例の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、簡単な構造で、空気と水の接触時間を長くでき、且つ水と空気の接触面積を大きくでき、溶解効果を十分に高めることができると共に、圧力損失の低減化及びタンクサイズの小型化を図ることができる溶解タンクの構造を提供することにあり、他の目的とするところは、構造が簡単で且つ低コストの溶解タンクの構造を提供することにあり、更に他の目的とするところは、ポンプのキャビテーション防止及びエア噛みによる故障防止を図ることができ、高耐久性を図ることができると共に、低騒音化を図ることができる溶解タンクを備えた微細気泡発生装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明にあっては、空気を水に加圧溶解するためのタンク内流路が上下複数の水平流路2,3に仕切られ、上側の水平流路2の上流側に気液混合流5の入口11、下側の水平流路3の下流側に水出口12をそれぞれ設け、上側の水平流路2の下流端に縦仕切板9を設けると共に縦仕切板9の手前Aに向かって水平リブ10を突設し、該水平リブ10の手前Aに縦仕切板9からはね返った気液混合流5を下側の水平流路3内に落し込むための開口部6を設けてなることを特徴としており、このように構成することで、開口部6は縦仕切板9の直前ではなく、水平リブ10の分だけ縦仕切板9から手前Aに離れた位置に設けられているため、縦仕切板9ではね返された水流5aが直ちに開口部6に落ちることがなく、一方、水平リブ10の上に溶解しきれずに残った空気層5bが溜められ、気液混合流5が開口部6に落ちる際に水平リブ10上の溶解しきれずに残った空気層5bと水流5aとが再度接触することで最大限溶解され、空気と水の接触時間を長くでき、且つ水と空気の接触面積を大きくでき、溶解効果が高められるようになる。しかも、縦仕切板9からはね返された気液混合流5の荒れがおさまる位置に開口部6を位置させることで、溶解タンク1の圧力損失を小さくでき、そのうえ縦仕切板9から水平リブ10を突出させただけの簡単な構造で済む。
【0008】
また上記開口部6は、下端口径D2が上端口径D1よりも小さくなるように傾斜しているのが好ましく、この場合、傾斜によって水が渦を巻いてスムーズに流れ落ちるようになり、溶解タンク1内の圧力損失を最小限に抑えることができ、そのうえ水平リブ10を含む開口部6の周辺に空気溜まりが厚く形成されることで、渦を巻いて流れ落ちる水に空気が一層混入されやすくなり、溶解効果を更に高めることができる。
【0009】
また上記開口部6は、多数の小孔6aで構成されているのが好ましく、この場合、気液混合流5を多数の小孔6aに分散させて落とすことにより、空気と水の接触面積を増大させることができるようになる。
【0010】
また本発明にあっては、空気を水に加圧溶解するためのタンク内流路が横仕切板8によって上下複数の水平流路2,3,4に仕切られ、最上段の水平流路2の上流側に気液混合流の入口、最下段の水平流路4の下流側に水出口12をそれぞれ設けると共に、各横仕切板8には気液混合流を下段へ落し込むための開口部6,7を設け、最下段の水平流路4の下流端に該最下段の水平流路4の上層部分4aに空気溜まりを形成するための垂下リブ21を垂設してなることを特徴としており、このように構成することで、垂下リブ21によって最下段の水平流路4の上層部分4aに空気溜まりが形成されることで、各水平流路2,3,4で溶解しきれなかった空気層5bがこの空気溜まりに溜められることとなり、最下段の水平流路4において空気と水の接触長さ(接触時間)を長くして空気を水に一層溶解させることができ、気液の撹拌が増大され、微細気泡の発生量を増やすことができるようになる。
【0011】
また上記溶解タンク1の外殻が軸方向Hを横に向けて設置される筒体22により構成され、筒体22の内部に複数の横仕切板8を設置して上下複数の水平流路2,3,4が構成されているのが好ましく、この場合、例えば市販の樹脂製円筒パイプ等のような筒体22を用いて溶解タンク1の外殻を簡易に構成できるものであり、しかも筒体22を横置きにしてその内部に複数の横仕切板8を水平に設置するだけで、上下複数の水平流路2,3,4を簡易に構成でき、溶解タンク1の構造の簡易化、低コストを図ることができる。
【0012】
また上記最上段の水平流路2よりも下側の水平流路3,4に、この水平流路3,4を左右2つの往路24と復路25とに仕切るための縦中仕切板23を設け、縦中仕切板23に往路24と復路25とを連通させるための連通孔60を設けると共に、最上段の水平流路2から流下する気液混合流の流れの向きが往路24と復路25とで逆向きとなるように縦中仕切板23の連通孔60と横仕切板8の開口部6,7とを水平流路3,4の長手方向に互い違いに配置するのが好ましく、この場合、最上段の水平流路2から流下する気液混合流が、縦中仕切板23にて仕切られた往路24を流れ、往路24の下流端で流れの向きを変えて縦中仕切板23に設けた連通孔60を介して復路25に流れ込むようになる。これにより、縦中仕切板23を利用して各段の水平流路3,4の長さをそれぞれ2倍に増やすことができ、空気と水の接触長さ(時間)をより長くできると共に、往路24と復路25とで気液混合流の流れの向きを変えることにより、流れの向きを変える部位で乱流が生じて気液接触が激しくなり、気液撹拌がより促進されるようになる。
【0013】
また本発明にあっては、上記溶解タンク1をポンプ20の吐出経路に配置し、溶解タンク1の吸入側に水槽から吸い込んだ還流水と空気吸込口50から吸い込んだ空気とを加圧混合する手段を設け、溶解タンク1の吐出側に溶解タンク1の水出口12から吐出する微細気泡水を減圧して水槽に還流させるための圧力開放部を設けたことを特徴としており、このように構成することで、溶解タンク1をポンプ20の吐出経路に配置することで、ポンプ20のキャビテーション防止及びエア噛みによる故障防止を図ることができ、高耐久性を図ることができると共に、低騒音化を図ることができる。また圧力開放部によって微細気泡が発生し、微細気泡水を水槽に循環供給できるようになる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0015】
図1はタンク内流路での気液混合流5の流れを説明する断面図、図2(a)(b)は溶解タンク1の断面図を示している。本例では、図5に示すように、浴槽循環配管系のポンプ20の吐出側に空気吸引ノズル14と溶解タンク1とをこの順に配置し、空気吸引ノズル14でエゼクタ効果により空気を水に混入させ、さらに溶解タンク1内で空気を水に加圧溶解させて気泡をより微細化させ、この微細化した気泡混じりの噴流を吐出口16から浴槽15内に噴出すベく構成された微細気泡発生バスを例示している。
【0016】
ここで、上記溶解タンク1は、水に空気を効率よく加圧溶解させて水中への空気の溶解量を増大させるためのものであり、例えばブロー成形によって形成される。図1、図2に示すように、空気を水に加圧溶解するためのタンク内流路が上下複数の水平流路2,3,4に区画され、上側の水平流路2の上流側に気液混合流5の入口11が設けられ、下側の開口部7に通じる最も下側の水平流路4の下流側に排気空間40が形成され、排気空間40の下端部に水出口12、上端部に空気出口13がそれぞれ設けられている。ここまでは従来と同様である。本発明では、上側の水平流路2の下流端に縦仕切板9を設けると共に縦仕切板9の手前Aに向かって水平リブ10を突設し、該水平リブ10の手前Aに縦仕切板9からはね返った気液混合流5を下側の水平流路3内に落し込むための開口部6を設けたものである。
【0017】
さらに、最下段の横仕切板8の下流側の端部から下方に向かって垂下リブ21が垂設されている。この垂下リブ21は、最下段の水平流路4の上層部分4aに空気溜まり(空気層5b)を形成する働きをする。
【0018】
本例ではタンク内流路内には、上下2枚の縦仕切板9と、上側の水平流路2の下流端において気液混合流5を跳ね返すための1枚の縦仕切板9とが設けられている。なお、タンク形状は円筒形でも、直方体でもよい。
【0019】
また、縦仕切板9から突設される水平リブ10は、気液混合流5が縦仕切板9にぶつかってはね返される位置まで延びている。ちなみに従来では図6に示すように縦仕切板9の直前に開口部6が設けられているが、本発明では図1に示すように開口部6は水平リブ10の長さ分だけ縦仕切板9の手前Aに離れて形成されている。この水平リブ10はその上に空気層5bを溜めて水と空気の接触時間を長くし且つ接触面積を大きくする働きをする。なお例えばタンク内流路の全長Lを26cm、気液混合流5の流速を25cm/secとした場合、開口部6の長さL1を40mm以下に設定されている。
【0020】
上記構成によれば、タンク内流路の長さが十分に長くない場合で且つ気液混合流5の量が多く(例えば水量10L/min以上)なる場合であっても、開口部6は縦仕切板9の直前ではなく、水平リブ10の分だけ縦仕切板9から手前Aに離れた位置に設けられているため、縦仕切板9ではね返された水流5aが直ちに開口部6に落ちることがなく、気液混合流5の一部が水平リブ10にぶつかって上昇し、更に水平流路2の天井面に当たって下降することで上下方向回りBの渦流が生じ、水に空気を巻き込ませて気泡をより微細化できると共に、水平リブ10の上に溶解しきれずに残った空気層5b(図1)が溜められ、気液混合流5が開口部6に落ちる際に水平リブ10上の溶解しきれずに残った空気層5bと水流5aとが再度接触することで最大限溶解され、溶解効果が十分に高められるようになる。しかも、縦仕切板9からはね返された気液混合流5の荒れがおさまる位置に開口部6を位置させることで、従来のような激しい乱流が開口部6付近に発生することがなくなり、これにより溶解タンク1の圧力損失を小さくでき、結果、ポンプ20の吐出圧を低減でき、ポンプ20の小型化、ランニングコストの低減及びポンプ20のモータの低騒音化を図ることができ、ポンプ20の性能確保が図られ、そのうえ浴室内にポンプ20が設置可能となる。さらに縦仕切板9から水平リブ10を突出させただけの簡単な構造であるため、溶解タンク1の簡素化を図ることができると共に、タンク内流路を不必要に長くしなくてもよいので、タンクサイズを小型化できるという利点もある。
【0021】
さらに本例では、最下段の水平流路4の上層部分4aには、縦仕切板の下端部に設けた垂下リブ21によって空気溜まりが形成されているため、各水平流路2,3,4で溶解しきれなかった空気層5bがこの空気溜まりに溜められることとなる。従って、最下段の水平流路4において空気と水の接触長さ(接触時間)を長くして空気を水に一層溶解させることができる。つまり、最下段での空気滞留量が多くなり、水噴射時に巻き込まれる空気量が増え、結果として気液の撹拌が増大され、微細気泡の発生量を増やすことができるものであり、垂下リブ21を設けただけの簡単な構造でありながら、溶解性能を、より一層高めることができるものである。
【0022】
本発明の他の実施形態として、上記開口部6は、図3に示すように、下端口径D2が上端口径D1よりも小さくなるように徐々に傾斜した、所謂じょうご型に形成されているのが望ましい。本例では傾斜角度θは15°〜20°とされる。このように開口部6に傾斜をつけることによって、気液混合流5が渦を巻いてスムーズに流れ落ちるようになり、これにより、溶解タンク1の圧力損失を小さくでき、結果、ポンプ20の小型化、低ランニングコスト化、ポンプ20のモータの低騒音化を一層図ることができる。そのうえ水平リブ10を含む開口部6周辺に空気層5bが厚く形成されることで、渦を巻いて流れ落ちる水に空気が一層混入されやすくなり、溶解効果を更に高めることができる。
【0023】
上記開口部6の更に他例として、図4に示すように、開口部6を多数の小孔6aで形成するようにしてもよい。例えば開口部6を覆う位置まで横仕切板8(図1)を延ばし、その延ばした部分に多数の小孔6aを穿孔してもよい。そして流路長さLが26cmの場合、各小孔6aの開口径をφ3〜5mmとし、その開口率は穴開口面積計が流路断面積の0.4以上となるように設定するのが望ましい。このように多数の小孔6aから水を落すことによって空気と水の接触面積を増大させることができ、溶解効果をより一層高めることができるものである。
【0024】
次に溶解タンク1を備えた微細気泡バスシステムについて説明する。ちなみに、一般の微細気泡発生装置は、水に空気を加えて加圧溶解したのち減圧開放させる加圧溶解方式、水流部にエゼクタを利用して負圧部位を設け、空気を自給するエゼクタ方式、多孔質の発泡盤に加圧空気を送り込む散気方式などが挙げられるが、このうち、最も気泡が細かく発生するのが加圧溶解方式である。また従来の加圧溶解式の微細気泡発生装置では、大きな加圧力を要するために、べーンポンプやカスケードポンプを利用しており、空気の自吸はポンプの吸い込み経路に設けられる場合が多かった。例えば、従来のポンプ前経路の負圧配管部で空気を自吸する構造にあっては、ポンプ内で十分に撹拌溶解されるため、ポンプ後方の経路は気液溶解の空間とその上方に排気弁(空気抜き弁)を持つ単純な構造で充分であった。しかしながら、ポンプ前経路の負圧配管部で空気を自吸すると、ポンプ内でキャビテーションが発生して部材の耐久性が悪くなる欠点、騒音が高くなるという欠点があり、一方、自吸式以外のポンプ種では、空気が混入するとエアロックが生じ易く、揚程及び水量がでなくなるという欠点があった。
【0025】
そこで、前記欠点を解決するために、ポンプの吐出経路で空気を吸い込む方式が考えられるが、上記従来のポンプ前経路の負圧配管部で空気を自吸する構造と同仕様のものをポンプ後方経路に設けて、ポンプ後方で空気を混入しても微細気泡はほとんど発生しないという欠点があった。
【0026】
そこで、本発明の溶解タンク1を利用した微細気泡バスシステムの実施形態の一例を図6に示す。この微細気泡バスシステムは、上下複数の水平流路2,3,4を有する溶解タンク1をポンプ20の吐出経路に配置し、溶解タンク1の吸入側に浴槽15から吸い込んだ還流水と空気吸込口50から吸い込んだ空気とを加圧混合する手段を設け、溶解タンク1の吐出側に溶解タンク1の水出口12から吐出する微細気泡水を減圧して浴槽15に還流させるための圧力開放部を設けたものである。
【0027】
具体的には、浴槽15の内側面に吸込口27と吐出口28とが設置されており、浴槽15の上部に空気吸込口50が設置されている。吸込口27は接続管29を介してポンプ20の吸い込み側に接続され、ポンプ20の吐出側は接続管30を介して後述のエゼクタ部31の吸込側に接続されている。ポンプ20は、遠心ポンプを利用したものであり、例えばタンク内圧力が0.2MPa、水量が14リットル/分となるように設計されている。エゼクタ部31の負圧部位は、接続管32を介して逆止弁33の出側に接続され、逆止弁33の入側は接続管34を介して空気吸込口50に接続されている。一方、溶解タンク1の水出口12は、接続管35を介して圧力開放部となるベンチュリ36の一端に接続され、ベンチュリ36の他端は接続管37を介して浴槽15の側面に設置された吐出口28に接続されている。なお、溶解タンク1の後方に配置される圧力開放部は、図6に示す例ではベンチュリ36で構成されているが、これには限らず、例えば過大圧力が印加された場合に圧力調整するために用いられるディスク板等を用いた方式であってもよいものである。
【0028】
上記溶解タンク1の基本構造、並びに水平リブ10及び垂下リブ21を備えた点は図1の実施形態と同様である。図6に示す例では、溶解タンク1の吸入側において、浴槽15から吸い込んだ還流水と空気吸込口50から吸い込んだ空気とを加圧混合する手段は、断面積を絞った先細り状のノズル形状の噴射口38で構成されている。この噴射口38の周囲には、噴射口38の角度より大きな角度で中心に開口を有するエゼクタ部31が形成されている。エゼクタ部31は、エゼクタ効果を利用して噴射口38の後方の負圧部位に空気を吸入するためのものである。なお、空気吸入手段として、上記エゼクタ以外に、絞りを設けて負圧部位を作り空気を自吸するベンチュリを利用してもよく、またコンプレッサを用いて加圧空気を押し込む方式を利用してもよいものであり、空気吸入手段の種類は特に限定されないものである。
【0029】
ここで、上記溶解タンク1の外殻は、図7に示すように、軸方向Hを横に向けて設置される筒体22により構成されている。筒体22は例えば市販の円筒パイプのような安価な配管用の円筒樹脂パイプを用いることができる。この筒体22内の軸方向Hの前部側に気液撹拌及び気液溶解を行なう上下複数の水平流路2,3,4が形成され、軸方向Hの後部側に余剰空気を排出する排気空間40が形成されている。
【0030】
また、上下複数の水平流路2,3,4は筒体22の内部に複数の平板状の横仕切板8を水平に設置して構成されている。横仕切板8は、その両側面が筒体22の両内壁にそれぞれ接触する幅寸法を有し、横仕切板8の長さ寸法は筒体22の一端壁から縦仕切板9に至る長さ寸法よりも短く設定された四角形平板が用いられている。そして、上段の横仕切板8の一端を筒体22の一端壁に当接させることで、縦仕切板9との間に上側の開口部6を形成できるようになり、下段の横仕切板8の一端を縦仕切板9に当接させることで、筒体22の一端壁との間に下側の開口部6を形成できるようになっている。また本例では、図7(a)に示すように、最上段の水平流路2の断面積とそれより下段の水平流路3の断面積と最下段の水平流路4の断面積との間は、E>F>Gの関係に設定してある。これにより、最上段及び上段での空気滞留量が多くなり、水噴射時に巻き込まれる空気量が増え、結果として気液の撹拌が増大され、微細気泡の発生量を増やすことができるものである。なお図8(a)は最下段以外の水平流路2,3を縦に仕切る縦仕切板9の一例を示しており、縦仕切板9の外周縁は筒体22の内周面に沿った円弧形状をしており、縦仕切板9の下端縁はストレート形状をしており、この縦仕切板9の下端縁が最下段の水平流路4の上層部分4aに空気溜まりを形成するための垂下リブ21を構成している。
【0031】
最下段の水平流路4の下流側と水出口12との間は排気空間40となっている。排気空間40の上端部には排気弁41(空気抜き弁)が設置されている。この排気弁41は溶解タンク1の後方上部に設置される。
【0032】
上記排気空間40の下部には、最下段の水平流路4と水出口12とを間仕切る間仕切板42が立設されている。図8(b)は間仕切板42の一例を示しており、間仕切板42の外周縁は筒体22の内周面に沿った円弧形状をしており、間仕切板42の上端縁はストレート形状をしており、縦仕切板9の上端縁よりも上方で排気空間40が開放されており、間仕切板42の上端縁を乗り越えて微細気泡水が水出口12から導出されるようになっている。間仕切板42は、最下段の水平流路4から流出する溶解に寄与しない大きな気泡(余剰空気)を上昇させて、大きな気泡が水出口12から供給されることを防止する働きをする。なお、間仕切板42の形状は図8(b)には限られず、適宜変更自在である。
【0033】
次に、図6を参照して微細気泡バスシステムの運転動作を説明する。入浴者が操作スイッチ80を押すと、ポンプ20が動作する。ポンプ20の動作により浴槽15に貯められた湯水(還流水)が、吸込口27より吸引され、接続管29を通りポンプ20へ吸引される。ポンプ20より吐き出された湯水は接続管30を通り、エゼクタ部31へと通水される。噴射口38からの水の吐出によってエゼクタ部31内部の絞り部で負圧が生じるため、浴槽15に設けた空気吸込口50より空気が接続管34を通り、さらに逆止弁33、接続管32を通ってエゼクタ部31へ吸引される。吸引された空気と湯水とは、エゼクタ部31の絞り部で流速が速くなり、噴射口38から最上段の水平流路2内に向かって勢いよく噴射される。これにより最上段の水平流路2で空気と湯水とが充分に撹拌され、空気が湯水へ溶解する。最上段の水平流路2の下流端で跳ね返された気液混合流は、上側の開口部6から流れ落ち、流れの向きを変えながら下段へと流下していく。なお水平リブ10の働き及び垂下リブ21の働きは前述した通りである。その後、下側の開口部7から流れ落ちた気液混合流は最下段の水平流路4を通過して排気空間40へ導入される。そして、最下段の水平流路4から流出する大きな気泡(余剰空気)は排気空間40を上昇して排気弁41によって取り除かれ、微細気泡水だけが水出口12の下流に設けた接続管35を通って圧力開放部であるベンチュリ36へ通水される。ベンチュリ36内の絞り径は、大気圧以下の圧力になるように設定されており、この部位にて微細気泡が発生する。微細気泡を含む湯水は、吐出口28を通って浴槽15内へ循環供給される。
【0034】
しかして、最上段の水平流路3の下流端に水平リブ10を設け、さらに加えて最下段の水平流路4の下流端に垂下リブ21を設けたことで、気液撹拌能力が向上して溶解性能をより一層高めることができるものであり、しかも上下3段の水平流路2,3,4を気液混合流が流れの向きを変えながら流下していくため、水平流路2,3,4を長く形成できて空気と水の接触長さ(時間)を長くできると共に、流れの向きを変える部位で乱流が生じて気液接触が激しくなり、気液撹拌がより促進されることとなり、小型でコンパクトな溶解タンク1の構造でありながらより微細な気泡を発生させることができるものである。
【0035】
しかも、溶解タンク1は横置きの筒体22からなり、筒体22内に複数の横仕切板8と縦仕切板9とを設置して上下複数の水平流路2,3,4を形成し、これらを一体化しているので、溶解タンク1の構造が簡単であり、コストも安くなる。特に、市販の円筒パイプ等のような筒体22を用いて溶解タンク1の外殻を簡易に構成できるという利点があり、しかも筒体22を横置きにしてその内部に平板状の複数の横仕切板8を水平に設置するだけで、上下複数の水平流路2,3,4を簡易に構成できると共に、限られた容積の中で気液接触長さ(時間)を十分に確保できるという利点がある。
【0036】
また、最下段の水平流路4から排出される余剰空気は排気空間40を上昇して排気弁41によって外部へ排気されるが、このとき最下段から流出する気液混合流の流速も排気空間40において遅くなるため、余剰空気が排気空間40の上方へ浮上しやすくなる。そのうえ排気空間40の下部に間仕切板42を設けているので、最下段から流出する気液混合流の流速が速い場合でも、間仕切板42によって余剰空気を上方に導くことができ、結果、水出口12から大きな気泡(余剰空気)が排出されるのを防止できる。また、間仕切板42の上方は開放されているため、最下段から流出する微細気泡水を間仕切板42で妨げられることなく、水出口12に導くことができるものである。
【0037】
また、溶解タンク1をポンプ20の吐出経路に配置することで、ポンプ20のキャビテーション防止及びエア噛みによる故障防止を図ることができ、高耐久性を図ることができると共に、低騒音化を図ることができる。例えばエアロックに弱い遠心ポンプを微細気泡バスシステムに利用可能になると共に、安価に普及している遠心ポンプを利用できるので、システムを安価に供給することができ、浴槽設置の気泡バスヘの展開も可能となる。
【0038】
図9は上記図7の応用例であり、最上段の水平流路2よりも下側の各水平流路3,4に、図9(a)のように各水平流路3,4を左右2つの往路24と復路25とに仕切るための縦中仕切板23を設け、縦中仕切板23に往路24と復路25とを連通させるための連通孔60を設けると共に、最上段の水平流路2から流下する気液混合流の流れの向きが往路24と復路25とで逆向きとなるように縦中仕切板23の連通孔60と横仕切板8に設けた開口部6,7とを水平流路3,4の長手方向に互い違いに配置してある。本例では、図9(b)のように横仕切板8の開口部6,7の位置と、下段及び最下段の縦中仕切板23の連通孔60の位置とが互い違いに配置されており、気液混合流が図9(b)の矢印Wで示す方向に流下できるようにしている。なお、図10は図9で用いられる縦仕切板9を示しており、本例の縦仕切板9は最下段の水平流路4における往路24を塞ぐための塞ぎ部23aを備えている点で、前記図8(a)で用いられる縦仕切板9とは異なっている。しかして、最上段の横仕切板8の開口部6,7から流下する気液混合流は、縦中仕切板23にて仕切られた往路24を流れ、往路24の下流端から縦中仕切板23に設けた連通孔60を介して復路25に流れ込み、流れの向きが変わるようになっている。これにより、縦中仕切板23を利用して各水平流路3,4の長さをそれぞれ2倍に増やすことができ、空気と水の接触長さ(時間)をより長くでき、そのうえ縦中仕切板23を利用して気液混合流の流れの向きを変えることができ、結果、気液撹拌能力をより一層高めることができるという利点がある。
【0039】
本発明に係る溶解タンク1は、微細気泡発生バスの分野に限らず、例えば、養殖での酸素補給・池や沼の水浄化(汚泥浮上)などの分野に広く適用可能である。また、液体及び気体の種類を問わずこれらを効率良く溶解させることができる気液混合装置の分野に広く適用可能である。
【0040】
【発明の効果】
上述のように請求項1記載の発明にあっては、空気を水に加圧溶解するためのタンク内流路が上下複数の水平流路に仕切られ、上側の水平流路の上流側に気液混合流の入口、下側の水平流路の下流側に水出口をそれぞれ設け、上側の水平流路の下流端に縦仕切板を設けると共に縦仕切板の手前に向かって水平リブを突設し、該水平リブの手前に縦仕切板からはね返った気液混合流を下側の水平流路内に落し込むための開口部を設けてなるので、開口部は縦仕切板の直前ではなく、水平リブの分だけ縦仕切板から手前に離れた位置に設けられているため、縦仕切板ではね返された水流が直ちに開口部に落ちることがなく、一方、水平リブの上に溶解しきれずに残った空気層が溜められ、気液混合流が開口部に落ちる際に水平リブ上の溶解しきれずに残った空気層と水流とが再度接触することで最大限溶解され、空気と水の接触時間を長くでき、且つ水と空気の接触面積を大きくでき、溶解効果が十分に高められるようになる。しかも、縦仕切板からはね返された気液混合流の荒れがおさまる位置に開口部を位置させることで、溶解タンクの圧力損失を小さくでき、そのうえ縦仕切板から水平リブを突出させただけの簡単な構造で溶解効果を高めることができるので、タンク内流路を不必要に長くすることがなく、溶解タンクの簡素化及びタンクサイズの小型化を図ることができる。
【0041】
また請求項2記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、上記開口部は、下端口径が上端口径よりも小さくなるように傾斜しているので、開口部に傾斜をつけることによって、水が渦を巻いてスムーズに流れ落ちるようになる。従って、溶解タンクの圧力損失を小さくでき、結果、ポンプの小型化、低ランニングコスト化、ポンプのモータの低騒音化を一層図ることができるうえに水平リブを含む開口部周辺に空気層が厚く形成されることで、渦を巻いて流れ落ちる水に空気が一層混入されやすくなり、溶解効果を更に高めることができる。
【0042】
また請求項3記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、上記開口部は、多数の小孔で構成されているので、気液混合流を多数の小孔に分散させて落とすことにより、空気と水の接触面積を増大させることができるので、溶解効果をより一層高めることができる。
【0043】
また請求項4記載の発明は、空気を水に加圧溶解するためのタンク内流路が横仕切板によって上下複数の水平流路に仕切られ、最上段の水平流路の上流側に気液混合流の入口、最下段の水平流路の下流側に水出口をそれぞれ設けると共に、各横仕切板には気液混合流を下段へ落し込むための開口部を設け、最下段の水平流路の下流端に該最下段の水平流路の上層部分に空気溜まりを形成するための垂下リブを垂設してなるので、垂下リブによって最下段の水平流路の上層部分に空気溜まりが形成されることで、各水平流路で溶解しきれなかった空気層がこの空気溜まりに溜められることとなり、最下段の水平流路において空気と水の接触長さ(接触時間)を長くして空気を水に一層溶解させることができる。つまり、垂下リブによって最下段での空気滞留量が多くなり、水噴射時に巻き込まれる空気量が増え、結果として気液の撹拌が増大され、微細気泡の発生量を増やすことができるものである。
【0044】
また請求項5記載の発明は、請求項4記載の効果に加えて、溶解タンクの外殻が軸方向を横に向けて設置される筒体により構成され、筒体の内部に複数の横仕切板を設置して上下複数の水平流路が構成されているので、例えば市販の樹脂製円筒パイプ等のような筒体を用いて溶解タンクの外殻を簡易に構成できるものであり、しかも筒体を横置きにしてその内部に複数の横仕切板を水平に設置するだけで、上下複数の水平流路を簡易に構成できる。また横置きの筒体内に複数の横仕切板と縦仕切板とを設置して上下複数の水平流路を形成するだけで、溶解タンクの構造の簡易化、低コストを図ることができ、しかも限られた容積の中で気液接触長さ(時間)を十分に確保できるものである。
【0045】
また請求項6記載の発明は、請求項4又は請求項5記載の効果に加えて、最上段の水平流路よりも下側の水平流路に、この水平流路を左右2つの往路と復路とに仕切るための縦中仕切板を設け、縦中仕切板に往路と復路とを連通させるための連通孔を設けると共に、最上段の水平流路から流下する気液混合流の流れの向きが往路と復路とで逆向きとなるように縦中仕切板の連通孔と横仕切板の開口部とを水平流路の長手方向に互い違いに配置したので、最上段の水平流路から流下する気液混合流が、縦中仕切板にて仕切られた往路を流れ、さらに往路の下流端で流れの向きを変えて縦中仕切板に設けた連通孔を介して復路に流れ込むようになる。これにより、縦中仕切板を利用して各段の水平流路の長さをそれぞれ2倍に増やすことができ、空気と水の接触長さ(時間)をより長くできる。しかも往路と復路とで気液混合流の流れの向きを変えることにより、流れの向きを変える部位で乱流が生じて気液接触が激しくなり、気液撹拌がより促進されることとなり、小型でコンパクトな溶解タンクの構造でありながら、気液撹拌能力をより一層高めることができるものである。
【0046】
また請求項7記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の溶解タンクをポンプの吐出経路に配置し、溶解タンクの吸入側に水槽から吸い込んだ還流水と空気吸込口から吸い込んだ空気とを加圧混合する手段を設け、溶解タンクの吐出側に溶解タンクの水出口から吐出する微細気泡水を減圧して水槽に還流させるための圧力開放部を設けたので、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の効果に加えて、溶解タンクをポンプの吐出経路に配置することで、ポンプのキャビテーション防止及びエア噛みによる故障防止を図ることができ、高耐久性を図ることができると共に、低騒音化を図ることができる。例えばエアロックに弱い遠心ポンプを微細気泡バスシステムに利用可能になると共に、安価に普及している遠心ポンプを利用できるので、システムを安価に供給することができる。また圧力開放部によって微細気泡が発生し、微細気泡水を水槽に循環供給できるようになるので、より低圧で騒音の低い装置を実現でき、浴槽設置の気泡バスヘの展開も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一例の気液混合流の流れを説明する断面図である。
【図2】(a)は同上の溶解タンクの側面断面図、(b)は(a)のF−F線断面図である。
【図3】同上の開口部の他例の断面図である。
【図4】同上の開口部の更に他例の断面図である。
【図5】同上の溶解タンクを気泡発生バスに用いた場合の概略図である。
【図6】同上の溶解タンクを用いた微細気泡バスシステムの構成図である。
【図7】本発明の他の実施形態を示し、(a)は溶解タンクの側面断面図、(b)は(a)のB−B線断面図である。
【図8】(a)は同上の縦仕切板の正面図、(b)は間仕切板の正面図である。
【図9】本発明の更に他の実施形態を示し、(a)は縦中仕切板の配置状態を説明する正面断面図、(b)は横仕切板と縦中仕切板の分解斜視図である。
【図10】同上の縦仕切板の正面図である。
【図11】従来の溶解タンクの説明図である。
【図12】従来の気液混合流の流れを説明する断面図である。
【符号の説明】
1 溶解タンク
2 最上段の水平流路
3 下側の水平流路
4 最下段の水平流路
4a 上層部分
5 気液混合流
6,7 開口部
6a 小孔
8 横仕切板
9 縦仕切板
10 水平リブ
11 入口
12 水出口
20 ポンプ
21 垂下リブ
22 筒体
23 縦中仕切板
24 往路
25 復路
50 空気吸込口
60 連通孔
A 手前
D1 上端口径
D2 下端口径
H 軸方向
Claims (7)
- 空気を水に加圧溶解するためのタンク内流路が上下複数の水平流路に仕切られ、上側の水平流路の上流側に気液混合流の入口、下側の水平流路の下流側に水出口をそれぞれ設け、上側の水平流路の下流端に縦仕切板を設けると共に縦仕切板の手前に向かって水平リブを突設し、該水平リブの手前に縦仕切板からはね返った気液混合流を下側の水平流路内に落し込むための開口部を設けてなることを特徴とする溶解タンクの構造。
- 上記開口部は、下端口径が上端口径よりも小さくなるように傾斜していることを特徴とする請求項1記載の溶解タンクの構造。
- 上記開口部は、多数の小孔で構成されていることを特徴とする請求項1記載の溶解タンクの構造。
- 空気を水に加圧溶解するためのタンク内流路が横仕切板によって上下複数の水平流路に仕切られ、最上段の水平流路の上流側に気液混合流の入口、最下段の水平流路の下流側に水出口をそれぞれ設けると共に、各横仕切板には気液混合流を下段へ落し込むための開口部を設け、最下段の水平流路の下流端に該最下段の水平流路の上層部分に空気溜まりを形成するための垂下リブを垂設してなることを特徴とする溶解タンクの構造。
- 溶解タンクの外殻が軸方向を横に向けて設置される筒体により構成され、筒体の内部に複数の横仕切板を設置して上下複数の水平流路が構成されていることを特徴とする請求項4記載の溶解タンクの構造。
- 最上段の水平流路よりも下側の水平流路に、この水平流路を左右2つの往路と復路とに仕切るための縦中仕切板を設け、縦中仕切板に往路と復路とを連通させるための連通孔を設けると共に、最上段の水平流路から流下する気液混合流の流れの向きが往路と復路とで逆向きとなるように縦中仕切板の連通孔と横仕切板の開口部とを水平流路の長手方向に互い違いに配置したことを特徴とする請求項4又は請求項5記載の溶解タンクの構造。
- 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の溶解タンクをポンプの吐出経路に配置し、溶解タンクの吸入側に水槽から吸い込んだ還流水と空気吸込口から吸い込んだ空気とを加圧混合する手段を設け、溶解タンクの吐出側に溶解タンクの水出口から吐出する微細気泡水を減圧して水槽に還流させるための圧力開放部を設けたことを特徴とする溶解タンクを備えた微細気泡発生装置。
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