JP2004283757A - 六価クロムで汚染された土壌の浄化方法及びその浄化した土壌の使用方法 - Google Patents

六価クロムで汚染された土壌の浄化方法及びその浄化した土壌の使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】六価クロムで汚染された土壌を、簡便に、六価クロムの再溶出が起こらないように浄化処理(不溶化処理)を行うことができる六価クロムで汚染された土壌の浄化方法を提供すること。
【解決手段】六価クロムで汚染された土壌に、硫酸イオン含有化合物を付与した後、生石灰及び/又はセメントと付与する土壌の浄化方法において、硫酸イオン含有化合物及び生石灰及び/又はセメントの付与を、硫酸イオン含有化合物の硫酸イオン換算モルと生石灰及び/又はセメントのCa換算モルとの比が、0.6:1〜20:1の割合にて行い、六価クロムを三価クロムに転化すると共に、三価クロムを六価クロムに再転化されるのを防止することを特徴とする土壌の浄化方法。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、六価クロムにより汚染された土壌を無害する汚染土壌の浄化方法、及びその浄化土壌の使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、クロム鉱を、ソーダ灰、石灰石と共にばい焼し、染料や酸化剤となる重クロム酸ソーダを製造した場合、有害な六価クロムを含むクローム鉱滓が副生する。このような有害な鉱滓は、以前は処理することなく埋め立て地に投棄されていた。このような投棄された鉱滓は、土壌を汚染するだけでなく、最終的には河川や地下水を汚染し、これが飲料水の原水となることがあり、問題となる。
【0003】
またこのような重クロム酸ソーダを製造する工場が移転した後の、その跡地利用の際土壌汚染が表面化することも屡々ある。
【0004】
前記埋め立て地に投棄された六価クロムを処理する方法として、特開昭52−49977号公報には、六価クロムを含むクローム鉱滓が投棄されたその埋め立て地に、後でセメントで硬化させるために、アルカリ性でも還元作用を示す硫酸第一鉄等の還元剤と、中和剤を混合したセメント系の固結剤とを、別々に高圧で噴射し、これらを良好に混合すると共に、六価クロムを無害な三価クロムに還元し、且つ固結させて、以後クロムの溶出を完全に防止する方法が記載されている。
【0005】
ここでは、セメントの硬化のためアルカリ性を保持する必要から、多量の水酸化カルシウム等の中和剤が使用されている。
【0006】
一方、このような六価クロムで汚染された土壌を、セメント等を用いて固化することなく大量、広範囲に処理する方法に使用することができる技術が、例えば、「第30回土質工学研究発表会講演集(金沢)平成7年7月」のb−12(205〜206頁)に「六価クロム汚染土の不溶化処理とその安全性」に記載されている。ここでは、六価クロム汚染土を硫酸第一鉄で不溶化処理した場合、硫酸第一鉄の添加量の増大と共に六価クロムの溶出量が減少することが報告されている。また、このように処理された土は乾湿の繰り返しには安定であるが、pHが高くなると再溶出し易い旨記載されている。更に、前記のようにセメントで不溶化した場合は、乾燥した際に再溶出しやすい旨記載されている。
【0007】
【特許文献1】
特開昭52−49977号公報
【非特許文献1】
「第30回土質工学研究発表会講演集(金沢)平成7年7月」のb−12(205〜206頁)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
特開昭52−49977号公報では、セメントで固結させるため、大量のセメント、中和剤が使用されている。即ち、セメントで固結させるにはアルカリ性の条件でなければ固化が進まないためである。
【0009】
またセメント使用しない或いは余り使用しない方法では、汚染土壌中の六価クロムと硫酸第一鉄との反応を促進させるために水を加えることが一般に行われており、この反応促進後、水を多量に含んだ土壌に生石灰を加えて土壌から水分を除去する処理が行われる。この生石灰の量は、上記セメント、中和剤と同様に大量に使用されている。
【0010】
本発明者の検討によれば、上記方法では、使用した硫酸第一鉄に対して大量の生石灰が使用されるため、六価クロムが再溶出することを見出した。
【0011】
即ち、上記反応は下記のごとく進むと考えられる:
(1)硫酸第一鉄による六価クロムの反応
(クロム酸のイオンの反応)
CrO 2− + FeSO + 8H ⇒ Cr3+ + Fe3+ + SO 2− + 4H
(重クロム酸のイオンの反応)
Cr 2− + 6FeSO + 14H ⇒ 2Cr3+ + 6Fe3+ + 6SO 2− + 7H
(2)過剰の水と生石灰(CaO)との反応
CaO + HO ⇒ Ca(OH)
(3)上記水酸化カルシウムと(1)で得られた硫酸クロムとの反応
2Cr(SO + Ca(OH) ⇒ 2Cr(OH) + 3CaSO
(4)(2)の生石灰が過剰に添加されるので、クロム酸カルシウム(六価クロム)が生じる
2Cr(OH) + 4Ca(OH) + 3O ⇒ 4CaCrO + 10H
このようにして、六価クロムが再溶出する。
【0012】
本発明の目的は、六価クロムで汚染された土壌を、簡便に、六価クロムの再溶出が起こらないように浄化処理(不溶化処理)を行うことができる六価クロムで汚染された土壌の浄化方法を提供することにある。
【0013】
また本発明の目的は、上記方法で浄化された土壌の使用方法を提供することにもある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記再溶出する六価クロムを、簡便に除去する方法を見出すべき鋭意検討を重ねたところ、本発明に到達したものである。
【0015】
即ち、本発明は六価クロムで汚染された土壌に、硫酸イオン含有化合物と生石灰及び/又はセメントとを、硫酸イオン含有化合物の硫酸イオン換算モルと生石灰及び/又はセメントのCa換算モルとの比が、0.6:1〜20:1の割合で付与し、六価クロムを三価クロムに転化し、且つ三価クロムを六価クロムに再転化されるのを防止することを特徴とする土壌の浄化方法にある。
【0016】
従って、上記再溶出する六価クロムは、通常使用されるより多量の硫酸第一鉄を使用して、下記の反応により六価クロムの再溶出が防止される。
【0017】
FeSO + Ca(OH) ⇒ CaSO + Fe(OH)
即ち、硫酸第一鉄を過剰に使用することにより、六価クロムの再溶出の反応を起こさせる水酸化カルシウムを除去することができる。
【0018】
上記の本発明の浄化方法において、硫酸イオン含有化合物の硫酸イオン換算モルと生石灰及び/又はセメントのCa換算モルとの比が、0.8:1〜10:1の割合であることが好ましい。
【0019】
本発明者の検討によると、例えば、1モルCaOに対して硫酸第一鉄を0.8モル加えると、ほぼ中性になるので、ほぼこの程度の量を以上硫酸第一鉄を使用すると前記水酸化カルシウムの発生を抑えることができると考えられる。この点から上記モル比が好ましいと言える。しかしながら、硫酸第一鉄は、六価クロム及び他の反応性物質と反応するためこれ以上の量が通常必要となる。この量は汚染土壌の汚染の程度により異なる。
【0020】
上記硫酸イオン含有化合物は、硫酸第一鉄、硫酸、硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム及び二酸化イオウから選択される少なくとも1種であることが好ましく、特に硫酸第一鉄(中でも硫酸第一鉄の7水塩)が好ましい。六価クロムとの反応が円滑に行うことができる。
【0021】
六価クロムで汚染された土壌に、硫酸イオン含有化合物及び生石灰を付与することが好ましい。即ち、セメントの使用はセメント自体汚染されている場合があるので生石灰を用いることが好ましい。
【0022】
汚染された土壌に含まれる六価クロムのモル量の10倍以上のモル量の硫酸イオン含有化合物を使用することが好ましい。これにより六価クロムとの反応が円滑に行うことができる。なぜなら、汚染土壌中には六価クロム以外に硫酸イオンと反応する物質が存在し、また反応性を向上させるためにも必要である。
【0023】
本発明の浄化方法は、基本的にセメント等により固結して埋め立て放棄するものではなく、土壌として再利用することができるものである。
【0024】
従って、本発明は、上記記載の方法により浄化された土壌を、再び土壌として使用する方法にもある。
【0025】
上記発明においても、前記(課題を解決するための手段の冒頭の)発明の好ましい態様を適用することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の浄化方法は、六価クロムで汚染された土壌に、硫酸イオン含有化合物を付与した後、生石灰及び/又はセメントを付与する土壌の浄化方法を、六価クロムを三価クロムに転化すると共に、三価クロムを六価クロムに再転化されるのを防止することできるように改良したものである。
【0027】
本発明においては、六価クロムと反応する硫酸第一鉄等の硫酸イオン含有化合物を従来の使用量より多く用いて、その残った硫酸イオン含有化合物を、生石灰及び/又はセメントの付与により生じた水酸化カルシウムと反応させ、これにより六価クロムの再溶出を防ぐものである。即ち、水酸化カルシウムと無毒化された硫酸クロムとの反応して水酸化クロムが形成されるが、生石灰が過剰に添加されるためさらにクロム酸カルシウム(六価クロム)が形成されることから、本発明ではこの水酸化カルシウムを除去して、六価クロムの発生を防止している(前記反応式(1)〜(4)参照)。
【0028】
本発明の方法は、六価クロムで汚染された土壌に直接処理することもでき、またその土壌を掘削して、その場で又は別の処理場(ヤード)にて処理することもできる。
【0029】
本発明の方法において、掘削して浄化処理する方法の一例を、図1のフローシートを参照しながら説明する。
【0030】
まず、六価クロム汚染土壌を掘削して、処理ヤードに搬送する。掘削は、例えばバックホウ或いは土質改良機(例えば、(株)コマツ製のリテラ)を用いて行い、処理ヤードに搬送された汚染土壌に、硫酸第一鉄等の硫酸イオン含有化合物を付与し、次いで反応を促進するために水を添加する。水の添加を省略するために、硫酸イオン含有化合物の薄い水溶液として添加しても良い。硫酸イオン含有化合物の使用量は、一般に汚染された土壌に含まれる六価クロムのモル量の10倍以上のモル量である。水の量は、土壌の量、地質に合わせて混合しやすいように適宜設定する。また硫酸イオン含有化合物の付与は、後で添加する水を考慮してその水溶液の形で行っても良い。土壌への浸透を向上させ、反応を促進させるので好ましい。しかしながら、硫酸イオン含有化合物を大量に添加するので水溶液とすると、水が多すぎる場合があるので、現実的には硫酸イオン含有化合物と水をそれぞれ添加することとなる場合が多い。従って、硫酸イオン含有化合物を付与した後、更に水を付与することが一般的である。水の添加は、反応を促進させるためである。
【0031】
硫酸イオン含有化合物及び水が添加された土壌を、上記掘削機等を用いて撹拌混合する。次いで、過剰の水を除去するために、地盤改良材として生石灰及び/又はセメントを加え、同様に撹拌する。生石灰及び/又はセメントの量は、硫酸イオン含有化合物と生石灰及び/又はセメントとを、硫酸イオン含有化合物の硫酸イオン換算モルと生石灰及び/又はセメントのCa換算モルとの比が、0.6:1〜20:1の割合となるように設定される。実際は、汚染土壌中の六価クロム濃度、土壌の量、性質から、予め、硫酸イオン含有化合物、水、生石灰及び/又はセメントの量は設定されている。水の除去のため、予定より生石灰及び/又はセメントの量が多くなった場合は、六価クロムの再溶出を防止するために、硫酸イオン含有化合物を再度添加する必要がある。
【0032】
処理が終わった土壌は、掘削した場所に搬送され、埋め戻される。
【0033】
上記方法では、掘削した土壌を処理ヤードに搬送したが、掘削したその場所で上記一連の処理を行っても勿論良い。
【0034】
六価クロムで汚染された土壌を直接処理する方法の例を、図2及び図3を用いて説明する。図2に汚染領域の深さが比較的浅い場合の処理方法が示されている。例えば、パワーブレンダーを用いて、図2に示すように直接土壌を撹拌する。その後、土壌に直接(通常土壌表面から)硫酸イオン含有化合物及び水を添加し、パワーブレンダーを用いて撹拌する。次いで、過剰の水を除去するために、地盤・土壌改良材として生石灰及び/又はセメントを加え、同様に撹拌する。この方法では深さ8m位(好ましくは5m位)までの処理が可能である。処理を円滑に行うために、硫酸イオン含有化合物、及び生石灰及び/又はセメント等の薬剤を希釈、圧送するためのプラントが設けられている。
【0035】
図3に汚染領域の深さが比較的深い場合の処理方法が示されている。例えば、CDM機を用いて、図3に示すように直接土壌を撹拌する。その後、土壌に直接硫酸イオン含有化合物及び水を添加し、CDM機を用いて撹拌する。次いで、過剰の水を除去するために、地盤改良材として生石灰及び/又はセメントを加え、同様に撹拌する。この方法では深さ40m位(好ましくは10m位)までの処理が可能である。
【0036】
上記本発明においては、再溶出する六価クロムは、通常使用されるより多量の硫酸第一鉄を使用して、六価クロムの再溶出を防止している。即ち、前述のように、硫酸第一鉄を過剰に使用することにより、六価クロムの再溶出の反応を起こさせる水酸化カルシウムを除去することができる。
【0037】
上記の本発明の浄化方法において、硫酸イオン含有化合物の硫酸イオン換算モルと生石灰及び/又はセメントのCa換算モルとの比が、0.8:1〜10:1の割合であることが好ましく、特に0.8:1〜2:1が好ましい。
【0038】
本発明者の検討によると、例えば、1モルCaOに対して硫酸第一鉄を0.8モル加えると、ほぼ中性になるので、ほぼこの程度の量を以上硫酸第一鉄を使用すると前記水酸化カルシウムの発生を抑えることができると考えられる。この点から上記モル比が好ましいと言える。しかしながら、硫酸第一鉄は、六価クロム及び他の反応性物質と反応するためこれ以上の量が通常必要となる。この量は汚染土壌の汚染の程度、土壌の量により異なる。
【0039】
本発明で使用される硫酸イオン含有化合物(或いは硫酸イオン形成化合物)としては、硫酸第一鉄、硫酸、硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム及び二酸化イオウを挙げることができる。これらは単独で使用しても、組み合わせて使用しても良い。これらの中では、硫酸第一鉄(例、硫酸第一鉄の1水塩、4水塩、5水塩、7水塩)が好ましく、特に硫酸第一鉄の7水塩が好ましい。六価クロムとの反応を円滑に行うことができる。
【0040】
また硫酸イオン含有化合物はその水溶液の形態で使用することが好ましい。土壌への浸透を向上させ、反応を促進させる。水溶液とした場合の硫酸イオン含有化合物の硫酸濃度は、1〜10質量%が好ましく、特に4〜8質量%が好ましい。また、硫酸イオン含有化合物又はその水溶液を付与した後、更に水を付与することが好ましい。反応を促進させるために有効である。
【0041】
水分を除去するための地盤改良材として、生石灰及び/又はセメントが用いられる。土壌を固結する必要はないので、生石灰又は生石灰を主体に使用することが好ましい。セメントとしては、生石灰を60質量%以上含むものが好ましく、特に60〜70質量%含むものが好ましい。例えば、ポルトランドセメント、水硬性石灰、天然セメント、高炉セメントを挙げることができる。
【0042】
本発明の浄化方法は、基本的にセメント等により固結して埋め立て放棄するものではなく、土壌として再利用することができるものである。従って、セメントは土壌を固結させない程度の量で添加される。
【0043】
本発明の硫酸第一鉄を含む溶液は、所望により金属ハロゲン化物又は金属ハロゲン化物及び親水性樹脂を添加して、懸濁、あるいは分散させて得られるものでもよい。その際分散に用いる水としては、還元性電解水(pH=7〜13が好ましい)を用いることが好ましい。また前述の酸化防止剤を前記範囲内にてさらに使用しても良い。
【0044】
土壌に注入する硫酸第一鉄は、一般に土壌1m当たり20〜400kgであり、50〜200kgが好ましい。他の材料の場合は、これと等モルに相当する質量が好ましい。
【0045】
前記金属ハロゲン化物は、NaCl、KCl、MgCl、CaCl等を挙げることができ、特にNaClが好ましい。
【0046】
前記親水性樹脂の例としては、スクロース等の二糖類、スクロース誘導体(例、スクロース高級脂肪酸エステル)、グルコース等の単糖類、アルギン酸;プルラン、PVA(ポリビニルアルコール)、CMC(カルボキシルメチルセルロース)、ポリアクリルアミド、グアガム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性樹脂を挙げることができる。プルラン(水溶液にした際の粘度が低く特に好ましい)、ヒドロキシエチルセルロース、スクロース、グルコース、PVAが好ましい。親水性樹脂として生分解性ポリマーを用いると二次的な環境汚染に対して特に有効である。
【0047】
さらに前記無機炭酸塩又は炭酸塩系鉱物の例としては、炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珊瑚化石石灰岩、石灰岩、ドロマイトを挙げることができ、特に沈降性炭酸カルシウムが好ましい。
【0048】
また酸化防止剤として、好ましくはアスコルビン酸を、例えば0.1〜0.5質量%(全体に対して)使用しても良い。
【0049】
【実施例】
[実施例1]
(a)pHが中性領域となる硫酸第一鉄と生石灰との混合比
生石灰の水溶液(濃度0.1質量%)を、硫酸第一鉄7水塩の水溶液(濃度10質量%)で滴定し、中性領域になるなる硫酸第一鉄と生石灰との混合比を求めた。滴定結果を図4に示す。これにより、硫酸第一鉄/生石灰の質量比が約4(モル比で約0.8)でほぼ中性となることが分かった。これを参考に以下の材料の使用量を決定した。
【0050】
(b)浄化実験
0.5L(リットル)容器に六価クロムで汚染された土壌(溶出値:約2mg/L;環境基準値0.05mg/Lの40倍に相当)100mL(約130g)を採り、これに、硫酸第一鉄7水塩2.5g及び水15mlを添加した。これを攪拌機で5分間撹拌し、これにより六価クロムを還元不溶化した。
【0051】
不溶化処理後、生石灰5g(50kg/m相当)添加し、更に5分間撹拌した。
【0052】
1日放置後、六価クロムを溶出量を測定した。
【0053】
上記実験を、硫酸第一鉄7水塩溶液の濃度を25〜300kg/m相当となるように変化させて同様に行い、六価クロムを溶出量を測定した。また生石灰を用いない上記実験(従来技術に相当)も比較のため行った。その結果を図5に示す。
【0054】
図5から、生石灰を添加しない場合は、25kg/m相当の添加量で六価クロム溶出量を基準値以下にすることができるが、生石灰を添加すると、六価クロムの再溶出が起こり、溶出値が基準を上回る。しかしながら、硫酸第一鉄の添加量(濃度)を増加させると、六価クロムの溶出量が低下し、硫酸第一鉄7水塩/生石灰の重量比が約4(モル比で約0.8)で完全に基準値を下回っている。
【0055】
さらに、上記実施例における、処理後の土壌のpHについても測定した。そのpHの変化を図6に示す。図6においても、図5と同様、硫酸第一鉄7水塩/生石灰の重量比が約4(モル比で約0.8)でpHが酸性側に移っている。
【0056】
上記の結果から、本発明の生石灰に対する硫酸第一鉄の量を従来の量より増加させることにより、六価クロムの再溶出を防止できることが確認された。
【0057】
【発明の効果】
本発明の方法は、六価クロムと反応する硫酸第一鉄等の硫酸イオン含有化合物を従来の使用量より多く用いて、その残った硫酸イオン含有化合物を、生石灰及び/又はセメントの付与により生じた水酸化カルシウムと反応させ、これにより六価クロムの再溶出を防ぐものである。
【0058】
従って、本発明の方法により、六価クロムで汚染された土壌を、簡便に、六価クロムの再溶出が起こらないように浄化処理(不溶化処理)を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の方法の浄化方法の手順の一例を示すフローシートである。
【図2】図2は、六価クロムで汚染された土壌に直接処理する方法の一例を示す図である。
【図3】図3は、六価クロムで汚染された土壌に直接処理する方法の別の一例を示す図である。
【図4】図4は、硫酸第一鉄と生石灰との混合比とpHの関係を示すグラフである。
【図5】図5は、実施例1で得られた硫酸第一鉄7水塩溶液の添加量と六価クロムの溶出量の関係を示すグラフである。
【図6】図6は、実施例1で得られた硫酸第一鉄7水塩溶液の添加量と土壌のpHの関係を示すグラフである。

Claims (8)

  1. 六価クロムで汚染された土壌に、硫酸イオン含有化合物を付与した後、生石灰及び/又はセメントを付与する土壌の浄化方法において、硫酸イオン含有化合物及び生石灰及び/又はセメントの付与を、硫酸イオン含有化合物の硫酸イオン換算モルと生石灰及び/又はセメントのCa換算モルとの比が、0.6:1〜20:1の割合にて行い、六価クロムを三価クロムに転化すると共に、三価クロムを六価クロムに再転化されるのを防止することを特徴とする土壌の浄化方法。
  2. 硫酸イオン含有化合物の硫酸イオン換算モルと生石灰及び/又はセメントのCa換算モルとの比が、0.8:1〜10:1の割合である土壌の浄化方法。
  3. 硫酸イオン含有化合物が、硫酸第一鉄、硫酸、硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム及び二酸化イオウから選択される少なくとも1種である請求項1に記載の土壌の浄化方法。
  4. 硫酸イオン含有化合物が、硫酸第一鉄である請求項3に記載の土壌の浄化方法。
  5. 六価クロムで汚染された土壌に、硫酸イオン含有化合物及び生石灰を付与する請求項1〜4のいずれかに記載の土壌の浄化方法。
  6. 汚染された土壌に含まれる六価クロムのモル量の10倍以上のモル量の硫酸イオン含有化合物を使用する請求項1〜5のいずれかに記載の土壌の浄化方法。
  7. 硫酸イオン含有化合物を付与した後、更に水を付与する請求項1〜6のいずれかに記載の土壌の浄化方法。
  8. 請求項1〜7に記載の方法により浄化された土壌を、再び土壌として使用する方法。
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