JP2004282160A - 画像読取装置 - Google Patents
画像読取装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004282160A JP2004282160A JP2003067106A JP2003067106A JP2004282160A JP 2004282160 A JP2004282160 A JP 2004282160A JP 2003067106 A JP2003067106 A JP 2003067106A JP 2003067106 A JP2003067106 A JP 2003067106A JP 2004282160 A JP2004282160 A JP 2004282160A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- shading data
- shading
- reading
- data
- correction
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Facsimile Image Signal Circuits (AREA)
Abstract
【課題】本発明は走査光学系の読取線上のゴミ、紙粉等の付着による汚れの影響を除去して適切なシェーディング補正を行う画像読取装置を提供する。
【解決手段】画像読取装置1は、読取部2のイメージセンサの感度不均一性及び走査光学系のシェーディング特性のみのデータを一様光源シェーディングデータとして一様光源シェーディングデータ格納部4に予め格納し、読取部2で、原稿読取前に白基準板を読み取ったデータを読取時シェーディングデータとして読取時シェーディングデータ格納部3に格納して、シェーディングデータ演算部5で、一様光源シェーディングデータを用いて読取時シェーディングデータから白基準板の汚れ等による読取時シェーディングデータへの影響のみを除去する補正処理を施して補正シェーディングデータを取得し、補正シェーディングデータに基づいて、シェーディング補正演算部6でシェーディング補正を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】画像読取装置1は、読取部2のイメージセンサの感度不均一性及び走査光学系のシェーディング特性のみのデータを一様光源シェーディングデータとして一様光源シェーディングデータ格納部4に予め格納し、読取部2で、原稿読取前に白基準板を読み取ったデータを読取時シェーディングデータとして読取時シェーディングデータ格納部3に格納して、シェーディングデータ演算部5で、一様光源シェーディングデータを用いて読取時シェーディングデータから白基準板の汚れ等による読取時シェーディングデータへの影響のみを除去する補正処理を施して補正シェーディングデータを取得し、補正シェーディングデータに基づいて、シェーディング補正演算部6でシェーディング補正を行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像読取装置に関し、詳細には、走査光学系の読取線上のゴミ、紙粉等の付着による汚れの影響を除去して適切なシェーディング補正を行う画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平9−130604号公報
【特許文献2】
特開2001−251506号公報
【特許文献3】
特開平5−14712号公報
【特許文献4】
特開平11−289432号公報
【特許文献5】
特開平11−261816号公報
スキャナ装置、複写装置及びファクシミリ装置等で用いられている画像読取装置においては、CCD(Charge Coupled Device )等のイメージセンサを利用して原稿に照射した光源からの光の反射光を光電変換して、原稿の画像を読み取っている。
【0003】
そして、原稿を照射する光源の照射ムラやCCDの感度ばらつきがあるため、従来から白基準板を読み取ったときの白基準データ(シェーディングデータ)に基づいてシェーディング補正を行っている。
【0004】
ところが、白基準板に紙粉やゴミ等の汚れがあると、適切な白基準データを得ることができず、適切にシェーディング補正を行うことができず、画質が悪化する。
【0005】
そこで、従来、基準板の基準情報を読み込む際に、基準板の基準情報を位置を異ならせて複数回読み込むシェーディング補正方法が提案されている(特許文献1)。
【0006】
また、白基準板を2ラインにわたって読み取って、当該2ラインのラインデータの差分を算出し、当該差分が所定値以下の画素では当該2ラインデータの両方を用いてシェーディング補正データを生成し、当該差分が所定値より大きい画素については、2ラインデータのうち所定画素数離れた画素のシェーディング補正データに近い方のラインデータを用いてシェーディング補正データを生成する画像読取装置が提案されている(特許文献2参照)。
【0007】
すなわち、上記従来技術は、いずれも白基準板を複数ライン読み取ったときの結果に基づいて、白基準板の汚れの影響を回避して、適切なシェーディング補正を行うものである。
【0008】
また、本出願人は、先に、複数ラインにわたって白基準板を読み取ったときの濃淡情報を平均化した平均化情報と白基準板を読み取ったときの白基準情報を比較して平均化情報に対する白基準情報の低下率が規定値以内であると、白基準情報をシェーディング補正データとして採用し、低下率が規定値を超えていると、平均化情報をシェーディング補正データとして採用する画像読取装置を提案している(特許文献3参照)。
【0009】
また、従来、白基準板を複数ラインについて走査して、当該複数ラインでの走査ラインに対して統計処理を施したデータをシェーディング補正データとして採用するデジタル画像読取装置が提案されている(特許文献4参照)。
【0010】
すなわち、この従来技術は、白基準板を読み取った画素の平均値や統計値をシェーディング補正データとして採用して、汚れ等の影響をなくそうとしている。
【0011】
さらに、本出願人は、先に、複数の白基準白板をそれぞれ読み取って取得した複数の白データの対象画素とその周辺画素とを比較し、対象画素と周辺画素の値が大きく異なる特異点を抽出して、複数の白データの基準値において、特異点の位置が共に一致する場合にその位置を記憶し、読み取った原稿画像データに対して、上記特異点の位置では周辺画素を参照し、周辺画素の値に置き換えるシェーディング補正処理装置を提案している(特許文献5参照)。
【0012】
すなわち、この従来技術は、シェーディング補正データの特異点を検出して、汚れ等の影響をなくそうとしている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来技術にあっては、より高精度なシェーディングデータを取得して、高精度なシェーディング補正を行う上で、改良の必要があった。
【0014】
すなわち、従来の副走査方向に異なる点のデータを取得してシェーディングデータを設定する方法にあっては、副走査方向にわたって白基準板に汚れがある場合には、高精度なシェーディングデータを取得することができず、高精度なシェーディング補正を行うことができないという問題があった。
【0015】
また、白基準板を読み取ったデータの平均値や統計値をシェーディングデータとする方法やシェーディングデータの特異点を検出してシェーディングデータを設定する方法にあっては、CCD等のイメージセンサの画素毎の感度不均一性を除去することができず、高精度なシェーディング補正を行うことができないという問題があった。
【0016】
そこで、請求項1記載の発明は、原稿に光源から光を照射してその反射光を走査光学系を通して光電変換手段に入射して、光電変換手段で光電変換して当該原稿の画像を読み取る読取手段で、当該原稿読取前の所定時期に所定の白基準板を読み取って、当該白基準板を読み取ったときの画像データを読取時シェーディングデータとして読取時シェーディングデータ格納手段に格納し、当該読取時シェーディングデータ格納手段の読取時シェーディングデータに基づいて原稿を読み取ったときの画像データをシェーディング補正するに際して、光電変換手段の感度不均一性及び走査光学系のシェーディング特性のみのデータを基準シェーディングデータとして基準シェーディングデータ格納手段に予め格納し、シェーディングデータ補正手段で、当該基準シェーディングデータ格納手段の基準シェーディングデータを用いて読取時シェーディングデータから白基準板の汚れ等による当該読取時シェーディングデータへの影響のみを除去する補正処理を施して補正シェーディングデータを取得し、当該補正シェーディングデータに基づいてシェーディング補正を行うことにより、イメージセンサの感度不均一性や光学特性の補正量を失うことなく、白基準板の汚れ等のみを除去した補正シェーディングデータを取得して、シェーディング補正し、基準板の汚れ等の影響を受けることなく、高精度にシェーディング補正して、読取画像の画像品質を向上させることのできる画像読取装置を提供することを目的としている。
【0017】
請求項2記載の発明は、基準シェーディングデータ格納手段に、一様な光源を用いて汚れ等のない白基準板を読み取ったシェーディングデータ、または、個別に測定した光電変換手段の感度不均一性と光学シミュレーションを用いて得たシェーディングデータが、基準シェーディングデータとして、予め格納することにより、高精度な基準シェーディングデータに基づいて補正シェーディングデータを生成し、より一層高精度にシェーディング補正して、読取画像の画像品質をより一層向上させることのできる画像読取装置を提供することを目的としている。
【0018】
請求項3記載の発明は、シェーディングデータ補正手段が、読取時シェーディングデータを基準シェーディングデータで除算することで、白基準板の汚れ等による当該読取時シェーディングデータへの影響を除去することにより、簡単に白基準板の汚れ等による当該読取時シェーディングデータへの影響を除去し、安価にかつ高精度にシェーディング補正して、読取画像の画像品質を安価に向上させることのできる画像読取装置を提供することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の画像読取装置は、原稿に光源から光を照射してその反射光を走査光学系を通して光電変換手段に入射して、光電変換手段で光電変換して当該原稿の画像を読み取る読取手段で、当該原稿読取前の所定時期に所定の白基準板を読み取って、当該白基準板を読み取ったときの画像データを読取時シェーディングデータとして読取時シェーディングデータ格納手段に格納し、当該読取時シェーディングデータ格納手段の読取時シェーディングデータに基づいて前記原稿を読み取ったときの画像データをシェーディング補正する画像読取装置において、前記光電変換手段の感度不均一性及び前記走査光学系のシェーディング特性のみのデータを基準シェーディングデータとして基準シェーディングデータ格納手段に予め格納し、シェーディングデータ補正手段で、当該基準シェーディングデータ格納手段の基準シェーディングデータを用いて前記読取時シェーディングデータから前記白基準板の汚れ等による当該読取時シェーディングデータへの影響のみを除去する補正処理を施して補正シェーディングデータを取得し、当該補正シェーディングデータに基づいて前記シェーディング補正を行うことにより、上記目的を達成している。
【0020】
上記構成によれば、原稿に光源から光を照射してその反射光を走査光学系を通して光電変換手段に入射して、光電変換手段で光電変換して当該原稿の画像を読み取る読取手段で、当該原稿読取前の所定時期に所定の白基準板を読み取って、当該白基準板を読み取ったときの画像データを読取時シェーディングデータとして読取時シェーディングデータ格納手段に格納し、当該読取時シェーディングデータ格納手段の読取時シェーディングデータに基づいて原稿を読み取ったときの画像データをシェーディング補正するに際して、光電変換手段の感度不均一性及び走査光学系のシェーディング特性のみのデータを基準シェーディングデータとして基準シェーディングデータ格納手段に予め格納し、シェーディングデータ補正手段で、当該基準シェーディングデータ格納手段の基準シェーディングデータを用いて読取時シェーディングデータから白基準板の汚れ等による当該読取時シェーディングデータへの影響のみを除去する補正処理を施して補正シェーディングデータを取得し、当該補正シェーディングデータに基づいてシェーディング補正を行うので、イメージセンサの感度不均一性や光学特性の補正量を失うことなく、白基準板の汚れ等のみを除去した補正シェーディングデータを取得して、シェーディング補正することができ、基準板の汚れ等の影響を受けることなく、高精度にシェーディング補正して、読取画像の画像品質を向上させることができる。
【0021】
この場合、例えば、請求項2に記載するように、前記基準シェーディングデータ格納手段は、一様な光源を用いて汚れ等のない前記白基準板を読み取ったシェーディングデータ、または、個別に測定した前記光電変換手段の感度不均一性と光学シミュレーションを用いて得たシェーディングデータが、前記基準シェーディングデータとして、予め格納されていてもよい。
【0022】
上記構成によれば、基準シェーディングデータ格納手段に、一様な光源を用いて汚れ等のない白基準板を読み取ったシェーディングデータ、または、個別に測定した光電変換手段の感度不均一性と光学シミュレーションを用いて得たシェーディングデータが、基準シェーディングデータとして、予め格納しているので、高精度な基準シェーディングデータに基づいて補正シェーディングデータを生成することができ、より一層高精度にシェーディング補正して、読取画像の画像品質をより一層向上させることができる。
【0023】
また、例えば、請求項3に記載するように、前記シェーディングデータ補正手段は、前記読取時シェーディングデータを前記基準シェーディングデータで除算することで、前記白基準板の汚れ等による当該読取時シェーディングデータへの影響を除去するものであってもよい。
【0024】
上記構成によれば、シェーディングデータ補正手段が、読取時シェーディングデータを基準シェーディングデータで除算することで、白基準板の汚れ等による当該読取時シェーディングデータへの影響を除去しているので、簡単に白基準板の汚れ等による当該読取時シェーディングデータへの影響を除去することができ、安価にかつ高精度にシェーディング補正して、読取画像の画像品質を安価に向上させることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0026】
図1は、本発明の画像読取装置の一実施の形態を適用した画像読取装置1のブロック構成図である。
【0027】
図1において、画像読取装置1は、読取部2、読取時シェーディングデータ格納部3、一様光源シェーディングデータ格納部4、シェーディングデータ演算部5及びシェーディング補正演算部6等を備えている。
【0028】
読取部2は、原稿を主走査及び副走査して、原稿の画像を読み取るとともに、原稿の読取前の所定タイミングに白色に施された白基準板を読み取ってシェーディングデータを取得し、読み取った原稿の画像データをシェーディング補正演算部6に出力し、また、白基準板を読み取ったときのデータを読取時シェーディングデータ格納部3及び一様光源シェーディングデータ格納部4に出力する。
【0029】
読取部2は、具体的には、光源ランプから読取光を原稿や白基準板に照射し、原稿や白基準板で反射された反射光を光学系を通してCCD(Charge Coupled Device )等のイメージセンサ(光電変換手段)に入射して、イメージセンサで光電変換することで、原稿の画像や白基準板を読み取る。
【0030】
読取時シェーディングデータ格納部(読取時シェーディングデータ格納手段)3は、RAM(Random Access Memory)等で構成され、実際に原稿を読み取る前の所定タイミングに読取部2が白基準板を読み取ったときの読取時シェーディングデータを格納する。
【0031】
一様光源シェーディングデータ格納部(基準シェーディングデータ格納手段)4は、不揮発性メモリまたは電池バックアップされたRAM等の画像読取装置1の電源がオフの場合にも記憶内容を保持するメモリが用いられ、画像読取装置1の出荷時に、画像読取装置1のメーカ等が読取部2に一様な光源を用いて白基準板を読み取らせたり、光学シミュレーションで得た、一様光源を用いたときの一様光源シェーディングデータ(基準シェーディングデータ)を格納する。
【0032】
シェーディングデータ演算部(シェーディングデータ補正手段)5は、読取時シェーディングデータ格納部3に格納されている読取時シェーディングデータから一様光源シェーディングデータ格納部4に格納されている一様光源シェーディングデータに基づいて、白基準板の汚れによる影響のみを除去して、読取部2の光源ランプの特性(以下、ランプ特性という。)を示す補正シェーディングデータを求め、求めた補正シェーディングデータをシェーディング補正演算部6に出力する。
【0033】
シェーディング補正演算部6は、読取部2から入力される原稿を読み取ったときの画像データをシェーディングデータ演算部5から入力される補正シェーディングデータを用いてシェーディング補正して、次段の回路に出力する。このシェーディング補正演算部6によるシェーディング補正としては、通常のシェーディング補正が行われ、例えば、原稿の画像データを画素毎に、対応する補正シェーディングデータで割り算することにより行なう。
【0034】
次に、本実施の形態の作用を説明する。本実施の形態の画像読取装置1は、シェーディングデータから白基準板の汚れ等の影響を無くして、正確にシェーディング補正する。
【0035】
すなわち、シェーディング補正は、読取部2のレンズや光学系の特性による原稿読取面における光量のバラツキ、光源ランプの特性による原稿読取面における光量のバラツキ、CCD等のイメージセンサの画素毎の感度バラツキを補償して、高品質の画像を得るために行われるが、原稿読取前に読取部2により白基準板を読み取って、シェーディングデータを取得すると、この原稿読取前のシェーディングデータ(読取時シェーディングデータ)には、上記イメージセンサの感度不均一性及び光学特性とランプ特性による光量バラツキ以外に、白基準板の汚れの要素が入り込んでくる。
【0036】
すなわち、読取時シェーディングデータf(x)は、次式で示すような要素を含んだデータとなっている。
【0037】
f(x)=〔イメージセンサの感度不均一性〕×〔光学特性〕×〔ランプ特性〕×〔白基準板の汚れ〕
このイメージセンサの感度不均一性は、イメージセンサがデバイスとして持っている特性であり、CCDの場合には、PRNU(Photo Response Non−Uniformity)と呼ばれるものである。また、光学特性とは、レンズの特性や画像読取装置1の筐体内の光学特性によるものであり、ランプ特性とは、原稿面における光量分布を表したもので、径時変化や環境変化の大きい要素である。白基準板の汚れは、白基準板は、理想的には、紙粉やゴミの付着及び傷等の汚れが無く、均一であるべきであるが、原稿の通紙や環境の影響等で紙粉やゴミの付着及び傷等がつくことによる要素である。
【0038】
そして、上記一様光源シェーディングデータ格納部4に格納されている一様光源シェーディングデータは、上述のように、画像読取装置1の出荷時に格納されるデータであり、画像読取装置1のメーカ等が読取部2に一様な光源を用いて白基準板を読み取らせたり、光学シミュレーションで得た、一様光源を用いたときのシェーディングデータであって、上記イメージセンサの感度不均一性と光学特性の要素を含むデータである。
【0039】
すなわち、一様光源シェーディングデータfc(x)は、次式で示すような要素を含んだデータとなっている。
【0040】
fc(x)=〔イメージセンサの感度不均一性〕×〔光学特性〕
ところが、イメージセンサの感度不均一性と光学特性は、径時変化や環境変化の少ない要素であり、読取時シェーディングデータf(x)に基づいてシェーディング補正を行う本質的な目的は、径時変化や環境変化の大きいランプ特性、すなわち、光源ランプの光量変動を補正することである。
【0041】
ところが、白基準板に汚れが発生していると、ランプの光量変動(ランプ特性)を正確に把握することができず、高精度にシェーディング補正を行うことができない。
【0042】
この問題に対して、従来技術では、上述のように、主走査方向の隣接する画素の平均値を取ること等によって、白基準板の汚れの影響を抑制しようとしているが、隣接画素との演算を行うと、イメージセンサの感度不均一性等の要素についても、抑制されてしまい、かえって、画質を悪化させるおそれがある。
【0043】
そこで、本実施の形態の画像読取装置1は、上記一様光源シェーディングデータ格納部4に予め取得した一様光源シェーディングデータfc(x)を格納し、シェーディングデータ演算部5で、この一様光源シェーディングデータfc(x)に基づいて、読取時シェーディングデータf(x)を補正して、補正シェーディングデータを求め、この補正シェーディングデータを使用して原稿の画像データのシェーディング補正をシェーディング補正演算部6で行っている。
【0044】
すなわち、シェーディングデータ演算部5は、次式(1)に示すように、まず、読取時シェーディングデータ格納部3の読取時シェーディングデータf(x)を一様光源シェーディングデータfc(x)で除算して、一次補正シェーディングデータg(x)を算出する。
【0045】
g(x)=f(x)/fc(x)
この一次補正シェーディングデータg(x)は、次式で示すように、ランプ特性と白基準板の汚れのみをその要素としている.
シェーディングデータ演算部5は、続いて、白基準板の汚れの影響を除去して、ランプ特性の要素のみを抽出して、二次補正シェーディングデータg’(x)を求める。
【0046】
g’(x)=〔ランプ特性〕
このシェーディング補正データg’(x)の抽出は、一次補正シェーディングデータg(x)に対して、例えば、近隣画素との平均値処理や特異点の抽出による演算処理等を用いることができる。
【0047】
さらに、シェーディングデータ演算部5は、次式に示すように、最終的な補正シェーディングデータh(x)を演算して、白基準板の汚れの影響が除去され、かつ、イメージセンサの感度不均一性、光学特性及びランプ特性の要素の入った補正シェーディングデータh(x)を求める。
【0048】
h(x)=g’(x)・fc(x)≒〔イメージセンサの感度不均一性〕×〔光学特性〕×〔ランプ特性〕
そして、シェーディング補正演算部6は、読取部2の読み取った原稿の画像データを、シェーディングデータ演算部5の演算した白基準板の汚れが除去され、かつ、イメージセンサの感度不均一性、光学特性及びランプ特性の要素の入った高精度な補正シェーディングデータh(x)に基づいてシェーディング補正する。
【0049】
このように、本実施の形態の画像読取装置1は、読取部2で、原稿読取前の所定時期に所定の白基準板を読み取って、当該白基準板を読み取ったときの画像データを読取時シェーディングデータとして読取時シェーディングデータ格納部3に格納し、当該読取時シェーディングデータ格納部の読取時シェーディングデータに基づいて原稿を読み取ったときの画像データをシェーディング補正するに際して、読取部2のイメージセンサの感度不均一性及び走査光学系のシェーディング特性のみのデータを一様光源シェーディングデータとして一様光源シェーディングデータ格納部4に予め格納し、シェーディングデータ演算部5で、一様光源シェーディングデータ格納部4の一様光源シェーディングデータを用いて読取時シェーディングデータから白基準板の汚れ等による当該読取時シェーディングデータへの影響のみを除去する補正処理を施して補正シェーディングデータを取得し、当該補正シェーディングデータに基づいて、シェーディング補正演算部6でシェーディング補正を行っている。
【0050】
したがって、イメージセンサの感度不均一性や光学特性の補正量を失うことなく、白基準板の汚れ等のみを除去した補正シェーディングデータを取得して、シェーディング補正することができ、基準板の汚れ等の影響を受けることなく、高精度にシェーディング補正して、読取画像の画像品質を向上させることができる。
【0051】
また、本実施の形態の画像読取装置1は、一様光源シェーディングデータ格納部4に、一様な光源を用いて汚れ等のない白基準板を読み取ったシェーディングデータ、または、個別に測定した光電変換手段の感度不均一性と光学シミュレーションを用いて得たシェーディングデータを、一様光源シェーディングデータとして、予め格納している。
【0052】
したがって、高精度な一様光源シェーディングデータに基づいて補正シェーディングデータを生成することができ、より一層高精度にシェーディング補正して、読取画像の画像品質をより一層向上させることができる。
【0053】
さらに、本実施の形態の画像読取装置1は、シェーディングデータ演算部5が、読取時シェーディングデータを一様光源シェーディングデータで除算することで、白基準板の汚れ等による当該読取時シェーディングデータへの影響を除去している。
【0054】
したがって、簡単に白基準板の汚れ等による当該読取時シェーディングデータへの影響を除去することができ、安価にかつ高精度にシェーディング補正して、読取画像の画像品質を安価に向上させることができる。
【0055】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0056】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の画像読取装置によれば、原稿に光源から光を照射してその反射光を走査光学系を通して光電変換手段に入射して、光電変換手段で光電変換して当該原稿の画像を読み取る読取手段で、当該原稿読取前の所定時期に所定の白基準板を読み取って、当該白基準板を読み取ったときの画像データを読取時シェーディングデータとして読取時シェーディングデータ格納手段に格納し、当該読取時シェーディングデータ格納手段の読取時シェーディングデータに基づいて原稿を読み取ったときの画像データをシェーディング補正するに際して、光電変換手段の感度不均一性及び走査光学系のシェーディング特性のみのデータを基準シェーディングデータとして基準シェーディングデータ格納手段に予め格納し、シェーディングデータ補正手段で、当該基準シェーディングデータ格納手段の基準シェーディングデータを用いて読取時シェーディングデータから白基準板の汚れ等による当該読取時シェーディングデータへの影響のみを除去する補正処理を施して補正シェーディングデータを取得し、当該補正シェーディングデータに基づいてシェーディング補正を行うので、イメージセンサの感度不均一性や光学特性の補正量を失うことなく、白基準板の汚れ等のみを除去した補正シェーディングデータを取得して、シェーディング補正することができ、基準板の汚れ等の影響を受けることなく、高精度にシェーディング補正して、読取画像の画像品質を向上させることができる。
【0057】
請求項2記載の発明の画像読取装置によれば、基準シェーディングデータ格納手段に、一様な光源を用いて汚れ等のない白基準板を読み取ったシェーディングデータ、または、個別に測定した光電変換手段の感度不均一性と光学シミュレーションを用いて得たシェーディングデータが、基準シェーディングデータとして、予め格納しているので、高精度な基準シェーディングデータに基づいて補正シェーディングデータを生成することができ、より一層高精度にシェーディング補正して、読取画像の画像品質をより一層向上させることができる。
【0058】
請求項3記載の発明の画像読取装置によれば、シェーディングデータ補正手段が、読取時シェーディングデータを基準シェーディングデータで除算することで、白基準板の汚れ等による当該読取時シェーディングデータへの影響を除去しているので、簡単に白基準板の汚れ等による当該読取時シェーディングデータへの影響を除去することができ、安価にかつ高精度にシェーディング補正して、読取画像の画像品質を安価に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像読取装置の一実施の形態を適用した画像読取装置の要部ブロック構成図。
【符号の説明】
1 画像読取装置
2 読取部
3 読取時シェーディングデータ格納部
4 一様光源シェーディングデータ格納部
5 シェーディングデータ演算部
6 シェーディング補正演算部
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像読取装置に関し、詳細には、走査光学系の読取線上のゴミ、紙粉等の付着による汚れの影響を除去して適切なシェーディング補正を行う画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平9−130604号公報
【特許文献2】
特開2001−251506号公報
【特許文献3】
特開平5−14712号公報
【特許文献4】
特開平11−289432号公報
【特許文献5】
特開平11−261816号公報
スキャナ装置、複写装置及びファクシミリ装置等で用いられている画像読取装置においては、CCD(Charge Coupled Device )等のイメージセンサを利用して原稿に照射した光源からの光の反射光を光電変換して、原稿の画像を読み取っている。
【0003】
そして、原稿を照射する光源の照射ムラやCCDの感度ばらつきがあるため、従来から白基準板を読み取ったときの白基準データ(シェーディングデータ)に基づいてシェーディング補正を行っている。
【0004】
ところが、白基準板に紙粉やゴミ等の汚れがあると、適切な白基準データを得ることができず、適切にシェーディング補正を行うことができず、画質が悪化する。
【0005】
そこで、従来、基準板の基準情報を読み込む際に、基準板の基準情報を位置を異ならせて複数回読み込むシェーディング補正方法が提案されている(特許文献1)。
【0006】
また、白基準板を2ラインにわたって読み取って、当該2ラインのラインデータの差分を算出し、当該差分が所定値以下の画素では当該2ラインデータの両方を用いてシェーディング補正データを生成し、当該差分が所定値より大きい画素については、2ラインデータのうち所定画素数離れた画素のシェーディング補正データに近い方のラインデータを用いてシェーディング補正データを生成する画像読取装置が提案されている(特許文献2参照)。
【0007】
すなわち、上記従来技術は、いずれも白基準板を複数ライン読み取ったときの結果に基づいて、白基準板の汚れの影響を回避して、適切なシェーディング補正を行うものである。
【0008】
また、本出願人は、先に、複数ラインにわたって白基準板を読み取ったときの濃淡情報を平均化した平均化情報と白基準板を読み取ったときの白基準情報を比較して平均化情報に対する白基準情報の低下率が規定値以内であると、白基準情報をシェーディング補正データとして採用し、低下率が規定値を超えていると、平均化情報をシェーディング補正データとして採用する画像読取装置を提案している(特許文献3参照)。
【0009】
また、従来、白基準板を複数ラインについて走査して、当該複数ラインでの走査ラインに対して統計処理を施したデータをシェーディング補正データとして採用するデジタル画像読取装置が提案されている(特許文献4参照)。
【0010】
すなわち、この従来技術は、白基準板を読み取った画素の平均値や統計値をシェーディング補正データとして採用して、汚れ等の影響をなくそうとしている。
【0011】
さらに、本出願人は、先に、複数の白基準白板をそれぞれ読み取って取得した複数の白データの対象画素とその周辺画素とを比較し、対象画素と周辺画素の値が大きく異なる特異点を抽出して、複数の白データの基準値において、特異点の位置が共に一致する場合にその位置を記憶し、読み取った原稿画像データに対して、上記特異点の位置では周辺画素を参照し、周辺画素の値に置き換えるシェーディング補正処理装置を提案している(特許文献5参照)。
【0012】
すなわち、この従来技術は、シェーディング補正データの特異点を検出して、汚れ等の影響をなくそうとしている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来技術にあっては、より高精度なシェーディングデータを取得して、高精度なシェーディング補正を行う上で、改良の必要があった。
【0014】
すなわち、従来の副走査方向に異なる点のデータを取得してシェーディングデータを設定する方法にあっては、副走査方向にわたって白基準板に汚れがある場合には、高精度なシェーディングデータを取得することができず、高精度なシェーディング補正を行うことができないという問題があった。
【0015】
また、白基準板を読み取ったデータの平均値や統計値をシェーディングデータとする方法やシェーディングデータの特異点を検出してシェーディングデータを設定する方法にあっては、CCD等のイメージセンサの画素毎の感度不均一性を除去することができず、高精度なシェーディング補正を行うことができないという問題があった。
【0016】
そこで、請求項1記載の発明は、原稿に光源から光を照射してその反射光を走査光学系を通して光電変換手段に入射して、光電変換手段で光電変換して当該原稿の画像を読み取る読取手段で、当該原稿読取前の所定時期に所定の白基準板を読み取って、当該白基準板を読み取ったときの画像データを読取時シェーディングデータとして読取時シェーディングデータ格納手段に格納し、当該読取時シェーディングデータ格納手段の読取時シェーディングデータに基づいて原稿を読み取ったときの画像データをシェーディング補正するに際して、光電変換手段の感度不均一性及び走査光学系のシェーディング特性のみのデータを基準シェーディングデータとして基準シェーディングデータ格納手段に予め格納し、シェーディングデータ補正手段で、当該基準シェーディングデータ格納手段の基準シェーディングデータを用いて読取時シェーディングデータから白基準板の汚れ等による当該読取時シェーディングデータへの影響のみを除去する補正処理を施して補正シェーディングデータを取得し、当該補正シェーディングデータに基づいてシェーディング補正を行うことにより、イメージセンサの感度不均一性や光学特性の補正量を失うことなく、白基準板の汚れ等のみを除去した補正シェーディングデータを取得して、シェーディング補正し、基準板の汚れ等の影響を受けることなく、高精度にシェーディング補正して、読取画像の画像品質を向上させることのできる画像読取装置を提供することを目的としている。
【0017】
請求項2記載の発明は、基準シェーディングデータ格納手段に、一様な光源を用いて汚れ等のない白基準板を読み取ったシェーディングデータ、または、個別に測定した光電変換手段の感度不均一性と光学シミュレーションを用いて得たシェーディングデータが、基準シェーディングデータとして、予め格納することにより、高精度な基準シェーディングデータに基づいて補正シェーディングデータを生成し、より一層高精度にシェーディング補正して、読取画像の画像品質をより一層向上させることのできる画像読取装置を提供することを目的としている。
【0018】
請求項3記載の発明は、シェーディングデータ補正手段が、読取時シェーディングデータを基準シェーディングデータで除算することで、白基準板の汚れ等による当該読取時シェーディングデータへの影響を除去することにより、簡単に白基準板の汚れ等による当該読取時シェーディングデータへの影響を除去し、安価にかつ高精度にシェーディング補正して、読取画像の画像品質を安価に向上させることのできる画像読取装置を提供することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の画像読取装置は、原稿に光源から光を照射してその反射光を走査光学系を通して光電変換手段に入射して、光電変換手段で光電変換して当該原稿の画像を読み取る読取手段で、当該原稿読取前の所定時期に所定の白基準板を読み取って、当該白基準板を読み取ったときの画像データを読取時シェーディングデータとして読取時シェーディングデータ格納手段に格納し、当該読取時シェーディングデータ格納手段の読取時シェーディングデータに基づいて前記原稿を読み取ったときの画像データをシェーディング補正する画像読取装置において、前記光電変換手段の感度不均一性及び前記走査光学系のシェーディング特性のみのデータを基準シェーディングデータとして基準シェーディングデータ格納手段に予め格納し、シェーディングデータ補正手段で、当該基準シェーディングデータ格納手段の基準シェーディングデータを用いて前記読取時シェーディングデータから前記白基準板の汚れ等による当該読取時シェーディングデータへの影響のみを除去する補正処理を施して補正シェーディングデータを取得し、当該補正シェーディングデータに基づいて前記シェーディング補正を行うことにより、上記目的を達成している。
【0020】
上記構成によれば、原稿に光源から光を照射してその反射光を走査光学系を通して光電変換手段に入射して、光電変換手段で光電変換して当該原稿の画像を読み取る読取手段で、当該原稿読取前の所定時期に所定の白基準板を読み取って、当該白基準板を読み取ったときの画像データを読取時シェーディングデータとして読取時シェーディングデータ格納手段に格納し、当該読取時シェーディングデータ格納手段の読取時シェーディングデータに基づいて原稿を読み取ったときの画像データをシェーディング補正するに際して、光電変換手段の感度不均一性及び走査光学系のシェーディング特性のみのデータを基準シェーディングデータとして基準シェーディングデータ格納手段に予め格納し、シェーディングデータ補正手段で、当該基準シェーディングデータ格納手段の基準シェーディングデータを用いて読取時シェーディングデータから白基準板の汚れ等による当該読取時シェーディングデータへの影響のみを除去する補正処理を施して補正シェーディングデータを取得し、当該補正シェーディングデータに基づいてシェーディング補正を行うので、イメージセンサの感度不均一性や光学特性の補正量を失うことなく、白基準板の汚れ等のみを除去した補正シェーディングデータを取得して、シェーディング補正することができ、基準板の汚れ等の影響を受けることなく、高精度にシェーディング補正して、読取画像の画像品質を向上させることができる。
【0021】
この場合、例えば、請求項2に記載するように、前記基準シェーディングデータ格納手段は、一様な光源を用いて汚れ等のない前記白基準板を読み取ったシェーディングデータ、または、個別に測定した前記光電変換手段の感度不均一性と光学シミュレーションを用いて得たシェーディングデータが、前記基準シェーディングデータとして、予め格納されていてもよい。
【0022】
上記構成によれば、基準シェーディングデータ格納手段に、一様な光源を用いて汚れ等のない白基準板を読み取ったシェーディングデータ、または、個別に測定した光電変換手段の感度不均一性と光学シミュレーションを用いて得たシェーディングデータが、基準シェーディングデータとして、予め格納しているので、高精度な基準シェーディングデータに基づいて補正シェーディングデータを生成することができ、より一層高精度にシェーディング補正して、読取画像の画像品質をより一層向上させることができる。
【0023】
また、例えば、請求項3に記載するように、前記シェーディングデータ補正手段は、前記読取時シェーディングデータを前記基準シェーディングデータで除算することで、前記白基準板の汚れ等による当該読取時シェーディングデータへの影響を除去するものであってもよい。
【0024】
上記構成によれば、シェーディングデータ補正手段が、読取時シェーディングデータを基準シェーディングデータで除算することで、白基準板の汚れ等による当該読取時シェーディングデータへの影響を除去しているので、簡単に白基準板の汚れ等による当該読取時シェーディングデータへの影響を除去することができ、安価にかつ高精度にシェーディング補正して、読取画像の画像品質を安価に向上させることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0026】
図1は、本発明の画像読取装置の一実施の形態を適用した画像読取装置1のブロック構成図である。
【0027】
図1において、画像読取装置1は、読取部2、読取時シェーディングデータ格納部3、一様光源シェーディングデータ格納部4、シェーディングデータ演算部5及びシェーディング補正演算部6等を備えている。
【0028】
読取部2は、原稿を主走査及び副走査して、原稿の画像を読み取るとともに、原稿の読取前の所定タイミングに白色に施された白基準板を読み取ってシェーディングデータを取得し、読み取った原稿の画像データをシェーディング補正演算部6に出力し、また、白基準板を読み取ったときのデータを読取時シェーディングデータ格納部3及び一様光源シェーディングデータ格納部4に出力する。
【0029】
読取部2は、具体的には、光源ランプから読取光を原稿や白基準板に照射し、原稿や白基準板で反射された反射光を光学系を通してCCD(Charge Coupled Device )等のイメージセンサ(光電変換手段)に入射して、イメージセンサで光電変換することで、原稿の画像や白基準板を読み取る。
【0030】
読取時シェーディングデータ格納部(読取時シェーディングデータ格納手段)3は、RAM(Random Access Memory)等で構成され、実際に原稿を読み取る前の所定タイミングに読取部2が白基準板を読み取ったときの読取時シェーディングデータを格納する。
【0031】
一様光源シェーディングデータ格納部(基準シェーディングデータ格納手段)4は、不揮発性メモリまたは電池バックアップされたRAM等の画像読取装置1の電源がオフの場合にも記憶内容を保持するメモリが用いられ、画像読取装置1の出荷時に、画像読取装置1のメーカ等が読取部2に一様な光源を用いて白基準板を読み取らせたり、光学シミュレーションで得た、一様光源を用いたときの一様光源シェーディングデータ(基準シェーディングデータ)を格納する。
【0032】
シェーディングデータ演算部(シェーディングデータ補正手段)5は、読取時シェーディングデータ格納部3に格納されている読取時シェーディングデータから一様光源シェーディングデータ格納部4に格納されている一様光源シェーディングデータに基づいて、白基準板の汚れによる影響のみを除去して、読取部2の光源ランプの特性(以下、ランプ特性という。)を示す補正シェーディングデータを求め、求めた補正シェーディングデータをシェーディング補正演算部6に出力する。
【0033】
シェーディング補正演算部6は、読取部2から入力される原稿を読み取ったときの画像データをシェーディングデータ演算部5から入力される補正シェーディングデータを用いてシェーディング補正して、次段の回路に出力する。このシェーディング補正演算部6によるシェーディング補正としては、通常のシェーディング補正が行われ、例えば、原稿の画像データを画素毎に、対応する補正シェーディングデータで割り算することにより行なう。
【0034】
次に、本実施の形態の作用を説明する。本実施の形態の画像読取装置1は、シェーディングデータから白基準板の汚れ等の影響を無くして、正確にシェーディング補正する。
【0035】
すなわち、シェーディング補正は、読取部2のレンズや光学系の特性による原稿読取面における光量のバラツキ、光源ランプの特性による原稿読取面における光量のバラツキ、CCD等のイメージセンサの画素毎の感度バラツキを補償して、高品質の画像を得るために行われるが、原稿読取前に読取部2により白基準板を読み取って、シェーディングデータを取得すると、この原稿読取前のシェーディングデータ(読取時シェーディングデータ)には、上記イメージセンサの感度不均一性及び光学特性とランプ特性による光量バラツキ以外に、白基準板の汚れの要素が入り込んでくる。
【0036】
すなわち、読取時シェーディングデータf(x)は、次式で示すような要素を含んだデータとなっている。
【0037】
f(x)=〔イメージセンサの感度不均一性〕×〔光学特性〕×〔ランプ特性〕×〔白基準板の汚れ〕
このイメージセンサの感度不均一性は、イメージセンサがデバイスとして持っている特性であり、CCDの場合には、PRNU(Photo Response Non−Uniformity)と呼ばれるものである。また、光学特性とは、レンズの特性や画像読取装置1の筐体内の光学特性によるものであり、ランプ特性とは、原稿面における光量分布を表したもので、径時変化や環境変化の大きい要素である。白基準板の汚れは、白基準板は、理想的には、紙粉やゴミの付着及び傷等の汚れが無く、均一であるべきであるが、原稿の通紙や環境の影響等で紙粉やゴミの付着及び傷等がつくことによる要素である。
【0038】
そして、上記一様光源シェーディングデータ格納部4に格納されている一様光源シェーディングデータは、上述のように、画像読取装置1の出荷時に格納されるデータであり、画像読取装置1のメーカ等が読取部2に一様な光源を用いて白基準板を読み取らせたり、光学シミュレーションで得た、一様光源を用いたときのシェーディングデータであって、上記イメージセンサの感度不均一性と光学特性の要素を含むデータである。
【0039】
すなわち、一様光源シェーディングデータfc(x)は、次式で示すような要素を含んだデータとなっている。
【0040】
fc(x)=〔イメージセンサの感度不均一性〕×〔光学特性〕
ところが、イメージセンサの感度不均一性と光学特性は、径時変化や環境変化の少ない要素であり、読取時シェーディングデータf(x)に基づいてシェーディング補正を行う本質的な目的は、径時変化や環境変化の大きいランプ特性、すなわち、光源ランプの光量変動を補正することである。
【0041】
ところが、白基準板に汚れが発生していると、ランプの光量変動(ランプ特性)を正確に把握することができず、高精度にシェーディング補正を行うことができない。
【0042】
この問題に対して、従来技術では、上述のように、主走査方向の隣接する画素の平均値を取ること等によって、白基準板の汚れの影響を抑制しようとしているが、隣接画素との演算を行うと、イメージセンサの感度不均一性等の要素についても、抑制されてしまい、かえって、画質を悪化させるおそれがある。
【0043】
そこで、本実施の形態の画像読取装置1は、上記一様光源シェーディングデータ格納部4に予め取得した一様光源シェーディングデータfc(x)を格納し、シェーディングデータ演算部5で、この一様光源シェーディングデータfc(x)に基づいて、読取時シェーディングデータf(x)を補正して、補正シェーディングデータを求め、この補正シェーディングデータを使用して原稿の画像データのシェーディング補正をシェーディング補正演算部6で行っている。
【0044】
すなわち、シェーディングデータ演算部5は、次式(1)に示すように、まず、読取時シェーディングデータ格納部3の読取時シェーディングデータf(x)を一様光源シェーディングデータfc(x)で除算して、一次補正シェーディングデータg(x)を算出する。
【0045】
g(x)=f(x)/fc(x)
この一次補正シェーディングデータg(x)は、次式で示すように、ランプ特性と白基準板の汚れのみをその要素としている.
シェーディングデータ演算部5は、続いて、白基準板の汚れの影響を除去して、ランプ特性の要素のみを抽出して、二次補正シェーディングデータg’(x)を求める。
【0046】
g’(x)=〔ランプ特性〕
このシェーディング補正データg’(x)の抽出は、一次補正シェーディングデータg(x)に対して、例えば、近隣画素との平均値処理や特異点の抽出による演算処理等を用いることができる。
【0047】
さらに、シェーディングデータ演算部5は、次式に示すように、最終的な補正シェーディングデータh(x)を演算して、白基準板の汚れの影響が除去され、かつ、イメージセンサの感度不均一性、光学特性及びランプ特性の要素の入った補正シェーディングデータh(x)を求める。
【0048】
h(x)=g’(x)・fc(x)≒〔イメージセンサの感度不均一性〕×〔光学特性〕×〔ランプ特性〕
そして、シェーディング補正演算部6は、読取部2の読み取った原稿の画像データを、シェーディングデータ演算部5の演算した白基準板の汚れが除去され、かつ、イメージセンサの感度不均一性、光学特性及びランプ特性の要素の入った高精度な補正シェーディングデータh(x)に基づいてシェーディング補正する。
【0049】
このように、本実施の形態の画像読取装置1は、読取部2で、原稿読取前の所定時期に所定の白基準板を読み取って、当該白基準板を読み取ったときの画像データを読取時シェーディングデータとして読取時シェーディングデータ格納部3に格納し、当該読取時シェーディングデータ格納部の読取時シェーディングデータに基づいて原稿を読み取ったときの画像データをシェーディング補正するに際して、読取部2のイメージセンサの感度不均一性及び走査光学系のシェーディング特性のみのデータを一様光源シェーディングデータとして一様光源シェーディングデータ格納部4に予め格納し、シェーディングデータ演算部5で、一様光源シェーディングデータ格納部4の一様光源シェーディングデータを用いて読取時シェーディングデータから白基準板の汚れ等による当該読取時シェーディングデータへの影響のみを除去する補正処理を施して補正シェーディングデータを取得し、当該補正シェーディングデータに基づいて、シェーディング補正演算部6でシェーディング補正を行っている。
【0050】
したがって、イメージセンサの感度不均一性や光学特性の補正量を失うことなく、白基準板の汚れ等のみを除去した補正シェーディングデータを取得して、シェーディング補正することができ、基準板の汚れ等の影響を受けることなく、高精度にシェーディング補正して、読取画像の画像品質を向上させることができる。
【0051】
また、本実施の形態の画像読取装置1は、一様光源シェーディングデータ格納部4に、一様な光源を用いて汚れ等のない白基準板を読み取ったシェーディングデータ、または、個別に測定した光電変換手段の感度不均一性と光学シミュレーションを用いて得たシェーディングデータを、一様光源シェーディングデータとして、予め格納している。
【0052】
したがって、高精度な一様光源シェーディングデータに基づいて補正シェーディングデータを生成することができ、より一層高精度にシェーディング補正して、読取画像の画像品質をより一層向上させることができる。
【0053】
さらに、本実施の形態の画像読取装置1は、シェーディングデータ演算部5が、読取時シェーディングデータを一様光源シェーディングデータで除算することで、白基準板の汚れ等による当該読取時シェーディングデータへの影響を除去している。
【0054】
したがって、簡単に白基準板の汚れ等による当該読取時シェーディングデータへの影響を除去することができ、安価にかつ高精度にシェーディング補正して、読取画像の画像品質を安価に向上させることができる。
【0055】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0056】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の画像読取装置によれば、原稿に光源から光を照射してその反射光を走査光学系を通して光電変換手段に入射して、光電変換手段で光電変換して当該原稿の画像を読み取る読取手段で、当該原稿読取前の所定時期に所定の白基準板を読み取って、当該白基準板を読み取ったときの画像データを読取時シェーディングデータとして読取時シェーディングデータ格納手段に格納し、当該読取時シェーディングデータ格納手段の読取時シェーディングデータに基づいて原稿を読み取ったときの画像データをシェーディング補正するに際して、光電変換手段の感度不均一性及び走査光学系のシェーディング特性のみのデータを基準シェーディングデータとして基準シェーディングデータ格納手段に予め格納し、シェーディングデータ補正手段で、当該基準シェーディングデータ格納手段の基準シェーディングデータを用いて読取時シェーディングデータから白基準板の汚れ等による当該読取時シェーディングデータへの影響のみを除去する補正処理を施して補正シェーディングデータを取得し、当該補正シェーディングデータに基づいてシェーディング補正を行うので、イメージセンサの感度不均一性や光学特性の補正量を失うことなく、白基準板の汚れ等のみを除去した補正シェーディングデータを取得して、シェーディング補正することができ、基準板の汚れ等の影響を受けることなく、高精度にシェーディング補正して、読取画像の画像品質を向上させることができる。
【0057】
請求項2記載の発明の画像読取装置によれば、基準シェーディングデータ格納手段に、一様な光源を用いて汚れ等のない白基準板を読み取ったシェーディングデータ、または、個別に測定した光電変換手段の感度不均一性と光学シミュレーションを用いて得たシェーディングデータが、基準シェーディングデータとして、予め格納しているので、高精度な基準シェーディングデータに基づいて補正シェーディングデータを生成することができ、より一層高精度にシェーディング補正して、読取画像の画像品質をより一層向上させることができる。
【0058】
請求項3記載の発明の画像読取装置によれば、シェーディングデータ補正手段が、読取時シェーディングデータを基準シェーディングデータで除算することで、白基準板の汚れ等による当該読取時シェーディングデータへの影響を除去しているので、簡単に白基準板の汚れ等による当該読取時シェーディングデータへの影響を除去することができ、安価にかつ高精度にシェーディング補正して、読取画像の画像品質を安価に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像読取装置の一実施の形態を適用した画像読取装置の要部ブロック構成図。
【符号の説明】
1 画像読取装置
2 読取部
3 読取時シェーディングデータ格納部
4 一様光源シェーディングデータ格納部
5 シェーディングデータ演算部
6 シェーディング補正演算部
Claims (3)
- 原稿に光源から光を照射してその反射光を走査光学系を通して光電変換手段に入射して、光電変換手段で光電変換して当該原稿の画像を読み取る読取手段で、当該原稿読取前の所定時期に所定の白基準板を読み取って、当該白基準板を読み取ったときの画像データを読取時シェーディングデータとして読取時シェーディングデータ格納手段に格納し、当該読取時シェーディングデータ格納手段の読取時シェーディングデータに基づいて前記原稿を読み取ったときの画像データをシェーディング補正する画像読取装置において、前記光電変換手段の感度不均一性及び前記走査光学系のシェーディング特性のみのデータを基準シェーディングデータとして基準シェーディングデータ格納手段に予め格納し、シェーディングデータ補正手段で、当該基準シェーディングデータ格納手段の基準シェーディングデータを用いて前記読取時シェーディングデータから前記白基準板の汚れ等による当該読取時シェーディングデータへの影響のみを除去する補正処理を施して補正シェーディングデータを取得し、当該補正シェーディングデータに基づいて前記シェーディング補正を行うことを特徴とする画像読取装置。
- 前記基準シェーディングデータ格納手段は、一様な光源を用いて汚れ等のない前記白基準板を読み取ったシェーディングデータ、または、個別に測定した前記光電変換手段の感度不均一性と光学シミュレーションを用いて得たシェーディングデータが、前記基準シェーディングデータとして、予め格納されていることを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
- 前記シェーディングデータ補正手段は、前記読取時シェーディングデータを前記基準シェーディングデータで除算することで、前記白基準板の汚れ等による当該読取時シェーディングデータへの影響を除去することを特徴とする請求項1または請求項2記載の画像読取装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003067106A JP2004282160A (ja) | 2003-03-12 | 2003-03-12 | 画像読取装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003067106A JP2004282160A (ja) | 2003-03-12 | 2003-03-12 | 画像読取装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004282160A true JP2004282160A (ja) | 2004-10-07 |
Family
ID=33284817
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003067106A Pending JP2004282160A (ja) | 2003-03-12 | 2003-03-12 | 画像読取装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004282160A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100793289B1 (ko) | 2006-06-05 | 2008-01-10 | 주식회사 코아로직 | 이미지 센서의 렌즈 셰이딩 보정장치 및 보정방법 |
-
2003
- 2003-03-12 JP JP2003067106A patent/JP2004282160A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100793289B1 (ko) | 2006-06-05 | 2008-01-10 | 주식회사 코아로직 | 이미지 센서의 렌즈 셰이딩 보정장치 및 보정방법 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3754870B2 (ja) | 画像読取装置、シェーディング補正方法、及び記憶媒体 | |
JP2017216622A (ja) | 画像読取装置、及び画像形成装置、画像形成システム | |
GB2405045A (en) | Improving digital images | |
JP6355459B2 (ja) | 撮像装置及びその制御方法 | |
US7251064B2 (en) | Calibration of an image scanning system | |
JP3985985B2 (ja) | 画像読取装置及び該画像読取装置を備えた画像処理装置 | |
JP2002344737A (ja) | 画像読み取り装置 | |
JP2005094214A (ja) | 画像読取り装置および同装置のシェーディング補正方法 | |
JP2004282160A (ja) | 画像読取装置 | |
JP2007059989A (ja) | 画像処理方法及び装置 | |
JP6303504B2 (ja) | 光電変換素子、画像読取装置及び画像形成装置 | |
JP4440488B2 (ja) | シェーディング補正データ作成装置、白シェーディング補正装置、画像読取装置、画像形成装置、シェーディング補正データ作成方法、プログラム及び記憶媒体 | |
JP3939466B2 (ja) | 画像処理装置、方法及び記録媒体 | |
US7536281B2 (en) | Method for compensating for a contaminated calibration target used in calibrating a scanner | |
US20100073734A1 (en) | Scanner, image correcting method therein, and image forming apparatus having the same | |
JP4895391B2 (ja) | 画像読み取り装置 | |
JP2010035136A (ja) | 画像読取装置、画像形成装置及び画像読取方法 | |
JP4659641B2 (ja) | 感度補正方法および撮像装置 | |
JP2003032452A (ja) | 画像読み取り装置 | |
JP2005080016A (ja) | 原稿読取装置 | |
JPH10126591A (ja) | イメージセンサの画信号補正方法、画信号補正装置およびこれを用いた画像読取装置 | |
JPH0865506A (ja) | 画像読み取り装置 | |
JP2008160699A (ja) | 画像処理装置、画像読取装置およびプログラム | |
JPH1169154A (ja) | シェーディング補正方法及び装置 | |
JP2002190929A (ja) | 画像読取装置及び画像処理方法並びに記憶媒体 |