JP2004281618A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】スパッタ成膜処理の実温度を安定させて、膜質の均一化を図る。
【解決手段】複数のウェハを順次連続して処理する半導体装置の製造方法において、前記処理中にウェハの実温度を測定し、測定されたウェハの実温度に基づいて、ウェハの実温度を定められた温度に合わせて処理を行なう。また、複数のウェハを順次連続して処理する半導体装置の製造方法において、前記順次連続して行なわれる一連の処理の初期には、ウェハの加熱量を大きくし、以降は加熱量を漸減させて行なう。また、マルチチャンバ方式のスパッタ装置を用いて、複数のウェハを順次連続して処理する半導体装置の製造方法において、前記スパッタ処理を行なうチャンバへウェハの搬入搬出を行なう搬送ロボットのアームに温度センサを取付け、この温度センサによって処理後のウェハの実温度を測定し、測定した実温度に基づいて、次に処理されるウェハの加熱量を変化させる。
【選択図】 図3
【解決手段】複数のウェハを順次連続して処理する半導体装置の製造方法において、前記処理中にウェハの実温度を測定し、測定されたウェハの実温度に基づいて、ウェハの実温度を定められた温度に合わせて処理を行なう。また、複数のウェハを順次連続して処理する半導体装置の製造方法において、前記順次連続して行なわれる一連の処理の初期には、ウェハの加熱量を大きくし、以降は加熱量を漸減させて行なう。また、マルチチャンバ方式のスパッタ装置を用いて、複数のウェハを順次連続して処理する半導体装置の製造方法において、前記スパッタ処理を行なうチャンバへウェハの搬入搬出を行なう搬送ロボットのアームに温度センサを取付け、この温度センサによって処理後のウェハの実温度を測定し、測定した実温度に基づいて、次に処理されるウェハの加熱量を変化させる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造方法に関し、特に、スパッタ成膜を行なう半導体装置の製造方法に適用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造では、単結晶シリコン等のウェハに設けられた複数の素子形成領域に半導体素子を形成し、これらの半導体素子を配線によって接続し所定の回路を構成しているが、前記配線形成等のための成膜に、量産性に優れ合金の成膜が用意であることから、スパッタ成膜が多用されている。
【0003】
スパッタによる成膜では処理温度によって膜質が変化する。例えば、アルミニュウムの多結晶膜を成膜する場合に、処理温度が変わると結晶の粒径が変化する。こうした粒径の変化によって、膜表面のラフネスが変化して、膜表面の反射率が変化するために、外観検査の感度が低下してしまうので、パターニング不良の発見等が難しくなる。
【0004】
このため、処理温度を一定に保つ必要があり、スパッタ処理するウェハが載置されるステージにはヒータが取り付けられており、このヒータによってウェハを加熱して、所定の温度で処理を行なうことになっている。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−150352号公報
【特許文献2】
特開平7−150353号公報
【特許文献3】
特開平3−232968号公報
前記特許文献には、ウェハと赤外線輻射特性の近似した測定部材をウェハに近接して設置して輻射強度を赤外線輻射温度計により測定する、或いはウェハの赤外線輻射率を測定しておき、その値によってスパッタ中のウェハ温度を測定する技術が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ヒータによりウェハを加熱する場合に、スパッタ装置の設定温度とは、所定の温度を維持するために必要なヒータの出力を意味しており、一定の出力でヒータを加熱して温度を安定化させている。しかし、本発明者等がスパッタ処理中のウェハについて、実際の温度の測定を行なったところ、設定温度と処理中のウェハの温度である実温度とが相違する場合があることが判明した。
【0007】
通常スパッタ処理は、一定枚数のロット単位で行なわれており、図1に示すのは、本発明者が測定したスパッタ処理の進行に伴う温度変化を示すグラフであり、実線が測定値を示し、破線が測定値を基にした温度変化の傾向を示している。本発明者等は、連続してスパッタ処理されるロットのウェハごとに実際の温度を測定した。
【0008】
グラフに示されているように、設定温度を一定にしても、同一のロットの中で、早期に処理されたウェハと終期に処理されたウェハとでは、処理中のウェハの温度である実温度が変化しており、設定温度と実温度とは最大で20℃〜50℃程度の差があり、処理の進行に伴い実温度は上昇し、処理の初期段階で温度の変化が顕著であり、ある程度処理が進み、約10枚程度の処理が終わると温度変化が小さくなっている。
【0009】
このように、スパッタ処理の実温度が変化してしまうと、膜質に差が生じてしまう。微細化の進展により、膜質として許容される範囲が狭くなっており、スパッタ成膜の膜質についても高い精度でより均質な成膜を行なうことが求められている。
【0010】
こうした温度変化による膜質の変化を回避するために、必要なウェハ処理に先立って、余分なウェハを何枚か処理して温度を安定化させる所謂空デポを行なう方法もある。しかし、空デポに要する時間或いは費用によって生産効率化が低下しコストが上昇する。この点は、近年多用されている多品種少量生産を行なう場合に、特に大きな問題となってしまう。
【0011】
本発明の課題は、これらの問題点を解決し、スパッタ成膜処理の実温度を安定させて、膜質の均一化を図ることが可能な技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかになるであろう。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
複数のウェハを順次連続して処理する半導体装置の製造方法において、前記処理中にウェハの実温度を測定し、測定されたウェハの実温度に基づいて、ウェハの実温度を定められた温度に合わせて処理を行なう。
【0013】
また、複数のウェハを順次連続して処理する半導体装置の製造方法において、前記順次連続して行なわれる一連の処理の初期には、ウェハの加熱量を大きくし、以降は加熱量を漸減させて行なう。
【0014】
また、マルチチャンバ方式のスパッタ装置を用いて、複数のウェハを順次連続して処理する半導体装置の製造方法において、前記スパッタ処理を行なうチャンバへウェハの搬入搬出を行なう搬送ロボットのアームに温度センサを取付け、この温度センサによって処理後のウェハの実温度を測定し、測定した実温度に基づいて、次に処理されるウェハの加熱量を変化させる。
【0015】
上述した本発明によれば、連続して行なわれる一連のスパッタ処理の処理温度を一定に保つことができるので、成膜による膜質を均一化することができる。
【0016】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
なお、実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0017】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図2は、本発明の一実施の形態である半導体装置の製造方法に用いられるスパッタ装置を示す概略構成図であり、図3はこのスパッタ装置のステージ部分を拡大して示す縦断面図である。
【0018】
本実施の形態のスパッタ装置では、チャンバ1内に設けられた対向する一対の電極間でプラズマを発生させ、プラズマ中の不活性ガスイオンを一方の電極となるターゲット2に衝突させてターゲット2の分子・原子をはじき飛ばし、他方の電極であるステージ3に固定されたウェハ4に、はじき飛ばされたターゲット2の分子・原子を堆積させて成膜するものである。
【0019】
ターゲット2の裏側には、直交電磁界を形成してターゲット2表面付近のプラズマ密度を高め効率よくスパッタするためのマグネット5が取り付けられており、ウェハ4は、クランプリング6によってステージ3に固定され、ターゲット2の周囲及び対向電極の周囲はシールド7によって覆われている。
【0020】
スパッタ処理では、ターゲット2をはじき飛ばすためのイオンの衝突によってターゲット2に熱が発生し、処理の進行に伴いこの熱が蓄積してターゲット2の温度が上昇する。このターゲット2の温度上昇によって、ウェハ4には、ステージ3に設けられたヒータからの加熱に加えて、ターゲット2から輻射熱が加えられることになる。
【0021】
そして、処理の進行に伴うターゲット2の温度上昇によって、ターゲット2からの輻射熱が増加するため、処理の進行に伴いウェハ4の実温度が上昇してしまう。このため、本実施の形態のスパッタ装置では、ステージ3に孔を設け、ステージ3の下に設けた赤外線放射温度計8を温度センサとして、この孔を通してウェハ4の温度を測定し、測定したウェハ4の実温度に基づいて、ヒータによるウェハ4の設定温度を変化させ、ウェハ4の実温度を安定させている。
【0022】
図4は本実施の形態のスパッタ成膜の処理を示すフローであり、スパッタ処理を開始し、ステージ3のヒータがオンとなりウェハ4が加熱される。スパッタ処理中にウェハ4の実温度を赤外線放射温度計8によって測定し、予め測定或いは計算により得られるウェハ4の熱的挙動を示すウェハ初期昇温カーブに基づいて、測定された実温度からヒータの起電力を調整することによって、ウェハ4の実温度を予め設定された温度に合わせて、スパッタ処理を行なうことができる。
【0023】
即ち、具体的には測定されたウェハ4の実温度を基に、ターゲット2の温度が輻射熱の少ない処理の初期には、ステージ3のヒータによるウェハ4の加熱量を大きくし、輻射熱の増加に合わせて加熱量を漸減させていく。
【0024】
こうした温度変化については、同種の処理に関してある程度のデータが蓄積され、その熱的挙動が過去のデータに基づいて充分に予測することができる場合には、同種のウェハに同種の成膜を行なう場合に、ヒータをプログラム制御して実温度を一定に維持することもできる。
【0025】
例えば、スパッタ処理の際の温度変化が、図1のグラフに示す挙動をして実温度が50℃程度の範囲で変化することが解っている場合には、図5のグラフに破線にて示すように、図1の温度変化とは逆にヒータの設定温度を変化させることによって、輻射熱による温度変化をヒータの温度変化によって相殺し、ウェハの実温度を図5中実線に示すように一定に保つことができる。
【0026】
図6は、近年主流となっているマルチチャンバ方式のスパッタ装置を示す斜視図であり、このスパッタ装置では、処理が行なわれるウェハがロット単位で収容されたカセットを搬入・搬出するロードロックチャンバ9に続いて、ウェハを搬送する搬送ロボットが設けられている搬送チャンバ10が設けられており、この搬送チャンバ10の周囲に、自然酸化膜除去等の成膜前処理を行なうスパッタエッチングチャンバ11、プレヒートチャンバ12、スパッタ成膜チャンバ13等の複数のチャンバをクラスタ型に配置してあるので、スパッタ処理に関連する一連の処理を連続して行なうことができる。
【0027】
こうしたマルチチャンバ方式のスパッタ装置では、前述したステージ3のヒータの設定温度を変化させる代わりに、プレヒートチャンバ12によって、ウェハを加熱し、その加熱量を変化させることによって、輻射熱による温度変化を相殺させることも可能である。
【0028】
(実施の形態2)
図6に示すマルチチャンバ方式のスパッタ装置では、各チャンバ間のウェハ搬送は中央の搬送チャンバ10に設けられた搬送ロボットによって行なわれており、図7は本実施の形態の搬送ロボットを示す斜視図である、搬送ロボットでは、搬送チャンバ10内を移動及び回転が可能な台座14に取り付けられたアーム15の伸縮により、各チャンバへのウェハの搬入搬出を行なっている。
【0029】
本実施の形態では、この搬送ロボットのアーム15に温度センサ16を取り付けて、図8に示すように、スパッタ処理の終わったウェハ4を回収する際に、アーム15に載せられたウェハ4の実温度を測定し、その温度に基づいて次に処理されるウェハ4の設定温度を変えて、処理温度を調節する。
【0030】
図9は本実施の形態のスパッタ成膜の処理を示すフローであり、スパッタ処理を開始し、ステージ3のヒータがオンとなりウェハ4が加熱されスパッタ処理が行なわれ、スパッタ処理が終了すると、搬送ロボットのアーム15によってチャンバ1内からウェハ4が回収される。この際にアーム15に取り付けた温度センサ16によってウェハ4の実温度を測定し、測定された実温度から次に処理するウェハ4の加熱に必要なヒータ起電力を決定し、このヒータ起電力に基づく補正値を入力して、次のウェハ4のスパッタ処理が行なって、一連のスパッタ処理中にウェハの実温度が変化するのを抑制し、ウェハの実温度を予め設定された温度に合わせて、スパッタ処理を行なうことができる。
【0031】
温度センサ16としては、熱電対等を取り付けてウェハ4の温度測定を行なう、或いは、アーム15に孔を設け、搬送チャンバ10の測定位置に取り付けた赤外線放射温度計によって、前記孔を通してウェハ4の温度測定を行なうことも可能である。
【0032】
本実施の形態では、スパッタチャンバ内に温度センサを設ける必要がなくなるので、既存の装置からの変更が容易である。
【0033】
以上、本発明を、前記実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。例えば、前述した説明では、スパッタ処理について記述したが、一連の処理に伴い温度変化が生じる他の処理についても、本発明は適用することが可能である。
【0034】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
(1)本発明によれば、連続して行なわれる一連のスパッタ処理の処理温度を一定に保つことができるという効果がある。
(2)本発明によれば、上記効果(1)により、成膜による膜質を均一化することができるという効果がある。
(3)本発明によれば、上記効果(1)により、処理を安定させるための空デポが不要になるという効果がある。
(4)本発明によれば、上記効果(3)により、空デポに要する時間或いは費用をなくすことにより生産効率化が向上しコストが低下するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】スパッタ処理の進行に伴う温度変化を示すグラフである。
【図2】本発明の一実施の形態である半導体装置の製造方法に用いられるスパッタ装置を示す概略構成図である。
【図3】図1のスパッタ装置のステージ部分を拡大して示す縦断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態におけるスパッタ成膜の処理を示すフローである。
【図5】ヒータの設定温度の変化とウェハ実温度の変化とを示すグラフである。
【図6】マルチチャンバ方式のスパッタ装置を示す斜視図である。
【図7】マルチチャンバ方式の搬送ロボットを示す斜視図である。
【図8】マルチチャンバ方式の搬送ロボットを示す斜視図である。
【図9】本発明の他の実施の形態におけるスパッタ成膜の処理を示すフローである。
【符号の説明】
1…チャンバ、2…ターゲット、3…ステージ、4…ウェハ、5…マグネット、6…クランプリング、7…シールド、8…赤外線放射温度計、9…ロードロックチャンバ、10…搬送チャンバ、11…スパッタエッチングチャンバ、12…プレヒートチャンバ、13…スパッタ成膜チャンバ、14…台座、15…アーム、16…温度センサ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造方法に関し、特に、スパッタ成膜を行なう半導体装置の製造方法に適用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造では、単結晶シリコン等のウェハに設けられた複数の素子形成領域に半導体素子を形成し、これらの半導体素子を配線によって接続し所定の回路を構成しているが、前記配線形成等のための成膜に、量産性に優れ合金の成膜が用意であることから、スパッタ成膜が多用されている。
【0003】
スパッタによる成膜では処理温度によって膜質が変化する。例えば、アルミニュウムの多結晶膜を成膜する場合に、処理温度が変わると結晶の粒径が変化する。こうした粒径の変化によって、膜表面のラフネスが変化して、膜表面の反射率が変化するために、外観検査の感度が低下してしまうので、パターニング不良の発見等が難しくなる。
【0004】
このため、処理温度を一定に保つ必要があり、スパッタ処理するウェハが載置されるステージにはヒータが取り付けられており、このヒータによってウェハを加熱して、所定の温度で処理を行なうことになっている。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−150352号公報
【特許文献2】
特開平7−150353号公報
【特許文献3】
特開平3−232968号公報
前記特許文献には、ウェハと赤外線輻射特性の近似した測定部材をウェハに近接して設置して輻射強度を赤外線輻射温度計により測定する、或いはウェハの赤外線輻射率を測定しておき、その値によってスパッタ中のウェハ温度を測定する技術が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ヒータによりウェハを加熱する場合に、スパッタ装置の設定温度とは、所定の温度を維持するために必要なヒータの出力を意味しており、一定の出力でヒータを加熱して温度を安定化させている。しかし、本発明者等がスパッタ処理中のウェハについて、実際の温度の測定を行なったところ、設定温度と処理中のウェハの温度である実温度とが相違する場合があることが判明した。
【0007】
通常スパッタ処理は、一定枚数のロット単位で行なわれており、図1に示すのは、本発明者が測定したスパッタ処理の進行に伴う温度変化を示すグラフであり、実線が測定値を示し、破線が測定値を基にした温度変化の傾向を示している。本発明者等は、連続してスパッタ処理されるロットのウェハごとに実際の温度を測定した。
【0008】
グラフに示されているように、設定温度を一定にしても、同一のロットの中で、早期に処理されたウェハと終期に処理されたウェハとでは、処理中のウェハの温度である実温度が変化しており、設定温度と実温度とは最大で20℃〜50℃程度の差があり、処理の進行に伴い実温度は上昇し、処理の初期段階で温度の変化が顕著であり、ある程度処理が進み、約10枚程度の処理が終わると温度変化が小さくなっている。
【0009】
このように、スパッタ処理の実温度が変化してしまうと、膜質に差が生じてしまう。微細化の進展により、膜質として許容される範囲が狭くなっており、スパッタ成膜の膜質についても高い精度でより均質な成膜を行なうことが求められている。
【0010】
こうした温度変化による膜質の変化を回避するために、必要なウェハ処理に先立って、余分なウェハを何枚か処理して温度を安定化させる所謂空デポを行なう方法もある。しかし、空デポに要する時間或いは費用によって生産効率化が低下しコストが上昇する。この点は、近年多用されている多品種少量生産を行なう場合に、特に大きな問題となってしまう。
【0011】
本発明の課題は、これらの問題点を解決し、スパッタ成膜処理の実温度を安定させて、膜質の均一化を図ることが可能な技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかになるであろう。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
複数のウェハを順次連続して処理する半導体装置の製造方法において、前記処理中にウェハの実温度を測定し、測定されたウェハの実温度に基づいて、ウェハの実温度を定められた温度に合わせて処理を行なう。
【0013】
また、複数のウェハを順次連続して処理する半導体装置の製造方法において、前記順次連続して行なわれる一連の処理の初期には、ウェハの加熱量を大きくし、以降は加熱量を漸減させて行なう。
【0014】
また、マルチチャンバ方式のスパッタ装置を用いて、複数のウェハを順次連続して処理する半導体装置の製造方法において、前記スパッタ処理を行なうチャンバへウェハの搬入搬出を行なう搬送ロボットのアームに温度センサを取付け、この温度センサによって処理後のウェハの実温度を測定し、測定した実温度に基づいて、次に処理されるウェハの加熱量を変化させる。
【0015】
上述した本発明によれば、連続して行なわれる一連のスパッタ処理の処理温度を一定に保つことができるので、成膜による膜質を均一化することができる。
【0016】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
なお、実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0017】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図2は、本発明の一実施の形態である半導体装置の製造方法に用いられるスパッタ装置を示す概略構成図であり、図3はこのスパッタ装置のステージ部分を拡大して示す縦断面図である。
【0018】
本実施の形態のスパッタ装置では、チャンバ1内に設けられた対向する一対の電極間でプラズマを発生させ、プラズマ中の不活性ガスイオンを一方の電極となるターゲット2に衝突させてターゲット2の分子・原子をはじき飛ばし、他方の電極であるステージ3に固定されたウェハ4に、はじき飛ばされたターゲット2の分子・原子を堆積させて成膜するものである。
【0019】
ターゲット2の裏側には、直交電磁界を形成してターゲット2表面付近のプラズマ密度を高め効率よくスパッタするためのマグネット5が取り付けられており、ウェハ4は、クランプリング6によってステージ3に固定され、ターゲット2の周囲及び対向電極の周囲はシールド7によって覆われている。
【0020】
スパッタ処理では、ターゲット2をはじき飛ばすためのイオンの衝突によってターゲット2に熱が発生し、処理の進行に伴いこの熱が蓄積してターゲット2の温度が上昇する。このターゲット2の温度上昇によって、ウェハ4には、ステージ3に設けられたヒータからの加熱に加えて、ターゲット2から輻射熱が加えられることになる。
【0021】
そして、処理の進行に伴うターゲット2の温度上昇によって、ターゲット2からの輻射熱が増加するため、処理の進行に伴いウェハ4の実温度が上昇してしまう。このため、本実施の形態のスパッタ装置では、ステージ3に孔を設け、ステージ3の下に設けた赤外線放射温度計8を温度センサとして、この孔を通してウェハ4の温度を測定し、測定したウェハ4の実温度に基づいて、ヒータによるウェハ4の設定温度を変化させ、ウェハ4の実温度を安定させている。
【0022】
図4は本実施の形態のスパッタ成膜の処理を示すフローであり、スパッタ処理を開始し、ステージ3のヒータがオンとなりウェハ4が加熱される。スパッタ処理中にウェハ4の実温度を赤外線放射温度計8によって測定し、予め測定或いは計算により得られるウェハ4の熱的挙動を示すウェハ初期昇温カーブに基づいて、測定された実温度からヒータの起電力を調整することによって、ウェハ4の実温度を予め設定された温度に合わせて、スパッタ処理を行なうことができる。
【0023】
即ち、具体的には測定されたウェハ4の実温度を基に、ターゲット2の温度が輻射熱の少ない処理の初期には、ステージ3のヒータによるウェハ4の加熱量を大きくし、輻射熱の増加に合わせて加熱量を漸減させていく。
【0024】
こうした温度変化については、同種の処理に関してある程度のデータが蓄積され、その熱的挙動が過去のデータに基づいて充分に予測することができる場合には、同種のウェハに同種の成膜を行なう場合に、ヒータをプログラム制御して実温度を一定に維持することもできる。
【0025】
例えば、スパッタ処理の際の温度変化が、図1のグラフに示す挙動をして実温度が50℃程度の範囲で変化することが解っている場合には、図5のグラフに破線にて示すように、図1の温度変化とは逆にヒータの設定温度を変化させることによって、輻射熱による温度変化をヒータの温度変化によって相殺し、ウェハの実温度を図5中実線に示すように一定に保つことができる。
【0026】
図6は、近年主流となっているマルチチャンバ方式のスパッタ装置を示す斜視図であり、このスパッタ装置では、処理が行なわれるウェハがロット単位で収容されたカセットを搬入・搬出するロードロックチャンバ9に続いて、ウェハを搬送する搬送ロボットが設けられている搬送チャンバ10が設けられており、この搬送チャンバ10の周囲に、自然酸化膜除去等の成膜前処理を行なうスパッタエッチングチャンバ11、プレヒートチャンバ12、スパッタ成膜チャンバ13等の複数のチャンバをクラスタ型に配置してあるので、スパッタ処理に関連する一連の処理を連続して行なうことができる。
【0027】
こうしたマルチチャンバ方式のスパッタ装置では、前述したステージ3のヒータの設定温度を変化させる代わりに、プレヒートチャンバ12によって、ウェハを加熱し、その加熱量を変化させることによって、輻射熱による温度変化を相殺させることも可能である。
【0028】
(実施の形態2)
図6に示すマルチチャンバ方式のスパッタ装置では、各チャンバ間のウェハ搬送は中央の搬送チャンバ10に設けられた搬送ロボットによって行なわれており、図7は本実施の形態の搬送ロボットを示す斜視図である、搬送ロボットでは、搬送チャンバ10内を移動及び回転が可能な台座14に取り付けられたアーム15の伸縮により、各チャンバへのウェハの搬入搬出を行なっている。
【0029】
本実施の形態では、この搬送ロボットのアーム15に温度センサ16を取り付けて、図8に示すように、スパッタ処理の終わったウェハ4を回収する際に、アーム15に載せられたウェハ4の実温度を測定し、その温度に基づいて次に処理されるウェハ4の設定温度を変えて、処理温度を調節する。
【0030】
図9は本実施の形態のスパッタ成膜の処理を示すフローであり、スパッタ処理を開始し、ステージ3のヒータがオンとなりウェハ4が加熱されスパッタ処理が行なわれ、スパッタ処理が終了すると、搬送ロボットのアーム15によってチャンバ1内からウェハ4が回収される。この際にアーム15に取り付けた温度センサ16によってウェハ4の実温度を測定し、測定された実温度から次に処理するウェハ4の加熱に必要なヒータ起電力を決定し、このヒータ起電力に基づく補正値を入力して、次のウェハ4のスパッタ処理が行なって、一連のスパッタ処理中にウェハの実温度が変化するのを抑制し、ウェハの実温度を予め設定された温度に合わせて、スパッタ処理を行なうことができる。
【0031】
温度センサ16としては、熱電対等を取り付けてウェハ4の温度測定を行なう、或いは、アーム15に孔を設け、搬送チャンバ10の測定位置に取り付けた赤外線放射温度計によって、前記孔を通してウェハ4の温度測定を行なうことも可能である。
【0032】
本実施の形態では、スパッタチャンバ内に温度センサを設ける必要がなくなるので、既存の装置からの変更が容易である。
【0033】
以上、本発明を、前記実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。例えば、前述した説明では、スパッタ処理について記述したが、一連の処理に伴い温度変化が生じる他の処理についても、本発明は適用することが可能である。
【0034】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
(1)本発明によれば、連続して行なわれる一連のスパッタ処理の処理温度を一定に保つことができるという効果がある。
(2)本発明によれば、上記効果(1)により、成膜による膜質を均一化することができるという効果がある。
(3)本発明によれば、上記効果(1)により、処理を安定させるための空デポが不要になるという効果がある。
(4)本発明によれば、上記効果(3)により、空デポに要する時間或いは費用をなくすことにより生産効率化が向上しコストが低下するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】スパッタ処理の進行に伴う温度変化を示すグラフである。
【図2】本発明の一実施の形態である半導体装置の製造方法に用いられるスパッタ装置を示す概略構成図である。
【図3】図1のスパッタ装置のステージ部分を拡大して示す縦断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態におけるスパッタ成膜の処理を示すフローである。
【図5】ヒータの設定温度の変化とウェハ実温度の変化とを示すグラフである。
【図6】マルチチャンバ方式のスパッタ装置を示す斜視図である。
【図7】マルチチャンバ方式の搬送ロボットを示す斜視図である。
【図8】マルチチャンバ方式の搬送ロボットを示す斜視図である。
【図9】本発明の他の実施の形態におけるスパッタ成膜の処理を示すフローである。
【符号の説明】
1…チャンバ、2…ターゲット、3…ステージ、4…ウェハ、5…マグネット、6…クランプリング、7…シールド、8…赤外線放射温度計、9…ロードロックチャンバ、10…搬送チャンバ、11…スパッタエッチングチャンバ、12…プレヒートチャンバ、13…スパッタ成膜チャンバ、14…台座、15…アーム、16…温度センサ。
Claims (5)
- 複数のウェハを順次連続して処理する半導体装置の製造方法において、
前記処理中にウェハの実温度を測定し、測定されたウェハの実温度に基づいて、ウェハの実温度を定められた温度に合わせて処理を行なうことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 複数のウェハを順次連続してスパッタ処理する半導体装置の製造方法において、
スパッタ処理中にウェハの実温度を赤外線放射温度計によって測定し、測定されたウェハの実温度に基づいて、ステージに設けられたヒータの起電力を調整することによって、ウェハの実温度を定められた温度に合わせてスパッタ処理を行なうことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 複数のウェハを順次連続して処理する半導体装置の製造方法において、
前記順次連続して行なわれる一連の処理の初期には、ウェハの加熱量を大きくし、以降は加熱量を漸減させて行なうことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - マルチチャンバ方式のスパッタ装置を用いて、複数のウェハを順次連続して処理する半導体装置の製造方法において、
前記スパッタ処理を行なうチャンバへウェハの搬入搬出を行なう搬送ロボットのアームに温度センサを取付け、この温度センサによって処理後のウェハの実温度を測定し、測定した実温度に基づいて、次に処理されるウェハの加熱量を変化させることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記加熱量の変化がプレヒートチャンバによって行なわれることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
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