JP2004281473A - 配線基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】配線基板の接続パッドと外部電気回路基板の端子パッドとを導体バンプを介して高い接続信頼性で電気的に接続する。
【解決手段】絶縁基体1の内部に配線導体2が形成され、主面に多数の接続パッド3が形成された配線基板5において、接続パッドは、絶縁基体1の外周に沿って四角枠状の配列に形成された第1の接続パッド3aと、絶縁基体1の中央部の四角形状の領域に格子状の配列に形成された第2の接続パッド3bとからなり、第1の接続パッド3aの四角形状の配列の角部に位置するものと、第2の接続パッド3bのうち格子状の配列の最外周の角部に位置するものとの間の絶縁基体1の主面に、長軸方向が絶縁基体1の中心に向かっている楕円形状の補強用ダミーパッド4が設けられている配線基板である。補強用ダミーパッド4により配線基板5と外部電気回路基板との接続を効果的に補強することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】絶縁基体1の内部に配線導体2が形成され、主面に多数の接続パッド3が形成された配線基板5において、接続パッドは、絶縁基体1の外周に沿って四角枠状の配列に形成された第1の接続パッド3aと、絶縁基体1の中央部の四角形状の領域に格子状の配列に形成された第2の接続パッド3bとからなり、第1の接続パッド3aの四角形状の配列の角部に位置するものと、第2の接続パッド3bのうち格子状の配列の最外周の角部に位置するものとの間の絶縁基体1の主面に、長軸方向が絶縁基体1の中心に向かっている楕円形状の補強用ダミーパッド4が設けられている配線基板である。補強用ダミーパッド4により配線基板5と外部電気回路基板との接続を効果的に補強することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、絶縁基体の一方主面に接続パッドが配置され、この接続パッドが外部電気回路基板に導体バンプを介して接続される配線基板に関するものであり、詳細には、接続パッドの外部電気回路基板に対する接続信頼性が良好な配線基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子や容量素子・圧電振動子等の電子部品が搭載される配線基板は、一般に、酸化アルミニウム質焼結体等から成り、表面および内部に配線層が形成された四角形状の絶縁基体と、絶縁基体の一方主面の四角形状の領域に配列形成され配線層と電気的に接続された外部接続用の多数の接続パッドとを有する構造である。
【0003】
そして、絶縁基体の、接続パッドが形成された一方主面と反対側の主面(他方主面)に電子部品を搭載するとともに、電子部品の電極を配線層と半田やボンディングワイヤを介して接続し、必要に応じて電子部品を樹脂やキャップで封止することにより電子装置として完成する。
【0004】
その後、絶縁基体の一方主面に配列形成した多数の接続パッドを、それぞれ対応する外部電気回路基板の回路配線に導体バンプを介して接続することにより、電子装置が外部電気回路基板に実装される。
【0005】
このような配線基板においては、近年、配線基板に形成される配線層の高密度化に伴い、接続パッドの配置を、絶縁基体の外周に沿って四角枠状の配列に形成された第1の接続パッドと、絶縁基体の中央部の四角形状の領域に格子状の配列に形成された第2の接続パッドとからなるものとしたタイプが多用されるようになってきている。
【0006】
なお、この配線基板の接続パッドと外部電気回路基板の端子パッドとの接合時には、通常、導体バンプの接続パッドに対する濡れ性を良好とするために、フラックス等の接着助剤が用いられる。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−92965号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような配線基板、特に、接続パッドの配置を、絶縁基体の外周に沿って四角枠状の配列に形成された第1の接続パッドと、絶縁基体の中央部の四角形状の領域に格子状の配列に形成された第2の接続パッドとからなるものとしたタイプの配線基板においては、絶縁基体と外部電気回路基板との熱膨張係数の違いや電子部品を樹脂で封止した場合の封止樹脂の収縮に伴う応力によって、導体バンプが第1の接続パッドのうち配列の角部に位置するものや、第2の接続パッドのうち配列の最外周の角部に位置するものから特に剥がれやすく、配線基板の接続パッドを外部電気回路基板の端子パッド等に導体バンプを介して接続する際に、接続パッドと外部電気回路基板との接続信頼性が低下するおそれがあるという問題点があった。
【0009】
特に、近年、配線基板の小型化と接続パッドの個数の増加とに応じて接続パッドを小さくする必要があり、導体バンプの接続面積が小さくなっているため、このような接続信頼性の確保は重要な課題になってきている。
【0010】
本発明は上記従来の技術の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、配線基板、特に、接続パッドの配置を、絶縁基体の外周に沿って四角枠状の配列に形成された第1の接続パッドと、絶縁基体の中央部の四角形状の領域に格子状の配列に形成された第2の接続パッドとからなるものとしたタイプの配線基板において、接続パッドを外部電気回路基板の端子パッドに導体バンプを介して長期にわたって確実に電気的接続させておくことが可能で、特に絶縁基体と外部電気回路基板との熱膨張係数の差による応力が大きくなっても、その接続を確保することが可能な、外部電気回路基板に対して高い電気的な接続信頼性を有する配線基板を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の配線基板は、セラミックスから成る四角形状の絶縁基体の内部に配線導体が形成され、前記絶縁基体の主面に前記配線導体と電気的に接続された多数の接続パッドが形成された配線基板において、前記接続パッドは、前記絶縁基体の外周に沿って四角枠状の配列に形成された第1の接続パッドと、前記絶縁基体の中央部の四角形状の領域に格子状の配列に形成された第2の接続パッドとからなり、前記第1の接続パッドの前記四角形状の配列の角部に位置するものと、前記第2の接続パッドのうち前記格子状の配列の最外周の角部に位置するものとの間の前記絶縁基体の主面に、長軸方向が前記絶縁基体の中心に向かっている楕円形状の補強用ダミーパッドが設けられていることを特徴とするものである。
【0012】
本発明の配線基板によれば、接続パッドは、絶縁基体の外周に沿って四角枠状の配列に形成された第1の接続パッドと、絶縁基体の中央部の四角形状の領域に格子状の配列に形成された第2の接続パッドとからなり、第1の接続パッドの四角形状の配列の角部に位置するものと、第2の接続パッドのうち格子状の配列の最外周の角部に位置するものとの間の絶縁基体の主面に、長軸方向が絶縁基体の中心に向かっている楕円形状の補強用ダミーパッドが設けられていることにより、発生する応力方向に平行な方向に広面積の導体バンプを形成することができるため、配線基板の絶縁基体と外部電気回路基板との熱膨張係数の差で特に熱応力が大きく作用する、第1の接続パッドの四角形状の配列の角部に位置するものと、第2の接続パッドのうち格子状の配列の最外周の角部に位置するものとの間において、配線基板と外部電気回路基板との接続を、その間に設けられ、長軸方向が絶縁基体の中心に向かって、それら角部間を結ぶように熱応力の作用する方向に沿って配置された楕円形状の補強用ダミーパッドによって効果的に補強することができる。
【0013】
そのため、配線基板の絶縁基体と外部電気回路基板との熱膨張係数の差により発生し、第1の接続パッドの四角形状の配列の角部に位置するものおよび第2の接続パッドのうち格子状の配列の最外周の角部に位置するものと、導体バンプとの接続を長期間にわたって維持することができ、絶縁基体の一方主面に形成した接続パッドを外部電気回路基板の端子パッドに対して長期にわたって確実に電気的接続させておくことができる、高い電気的な接続信頼性を有する配線基板とすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の配線基板を添付の図面に基づき詳細に説明する。
【0015】
図1は本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す平面図であり、図2は本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す断面図である。
【0016】
これらの図において、1は絶縁基体、2は配線導体、3aは第1の接続パッド、3bは第2の接続パッドである。これら絶縁基体1・配線導体2・第1の接続パッド3aおよび第2の接続パッド3bにより配線基板5が構成される。
【0017】
絶縁基体1は、酸化アルミニウム質焼結体・窒化アルミニウム質焼結体・ムライト質焼結体・窒化珪素質焼結体・炭化珪素質焼結体・ガラスセラミックス焼結体等の電気絶縁材料から成る。例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、酸化アルミニウム・酸化珪素・酸化マグネシウム・酸化カルシウム等のセラミック原料粉末に適当な有機バインダ・溶剤を添加混合して泥漿状となすとともに、これをドクターブレード法を採用してシート状となすことにより複数枚のセラミックグリーンシートを得て、しかる後、セラミックグリーンシートを切断加工や打ち抜き加工により適当な形状とするとともにこれを複数枚積層し、最後にこの積層されたセラミックグリーンシートを還元雰囲気中、約1600℃の温度で焼成することによって製作される。
【0018】
この絶縁基体1は、半導体素子や容量素子・圧電振動子等の電子部品を搭載・支持するための基体として機能し、その上面等の主面に電子部品が搭載される。
【0019】
また、絶縁基体1の内部には、配線導体2が形成されており、この配線導体2は、後述するように絶縁基体1の下面等の一方の主面に形成された第1の接続パッド3a、および第2の接続パッド3bと接続している。
【0020】
そして、この配線導体2を、絶縁基体1の他方の主面、例えば上面に導出し、この導出した露出部分に電子部品の電極を接続することにより、絶縁基体1に搭載した電子部品の電極が配線導体2を介して第1の接続パッド3aおよび第2の接続パッド3bと電気的に接続される。
【0021】
このような配線導体2は、タングステン・モリブデン・銅・銀等のメタライズ導体により形成されている。
【0022】
配線導体2は、例えば、絶縁基体1となるセラミックグリーンシートに予め所定のスルーホールを形成しておくとともに、タングステン・モリブデン・銅・銀等の金属ペーストをセラミックグリーンシートのスルーホール内および表面に印刷塗布し、また充填しておくことにより形成される。
【0023】
この配線導体2には、電子部品(図示せず)の電極が電気的に接続される。また、配線導体2と電気的に接続された電子部品は、例えば封止樹脂等により封止される。
【0024】
絶縁基体1の一方主面、通常は、外部電気回路基板(図示せず)に対向する側の主面、つまり下面には、多数の第1の接続パッド3aおよび第2の接続パッド3bが配線導体2と接続するようにして配列形成されている。
【0025】
第1および第2の接続パッド3a,3bは、配線基板5の外部接続用のパッドとして機能し、この第1および第2の接続パッド3a,3bを導体バンプ(図示せず)を介して外部電気回路基板の例えば端子パッド(図示せず)に接合することにより、配線基板5が外部電気回路基板に対して電気的・機械的に接続され、電子部品が外部電気回路と電気的に接続される。
【0026】
この第1および第2の接続パッド3a,3bは、通常、配線導体2と同種・同系のメタライズ金属から成り、例えば配線導体2と同様の金属ペーストを絶縁基体1となるアルミナセラミックグリーンシートに予め従来周知のスクリーン印刷法により所定のパターンに印刷塗布しておくことにより形成される。
【0027】
なお、配線基板5の外部接続用の接続パッドを、絶縁基体1の外周に沿って四角枠状の配列に形成された第1の接続パッド3aと、絶縁基体1の中央部の四角形状の領域に格子状の配列に形成された第2の接続パッド3bとからなるものとすることにより、絶縁基体1の内層の配線導体2が第1の接続パッド3aと第2の接続パッド3bとの間において、配線を形成する際の引き回しの自由度が増すため、配線基板5の配線導体2を高密度に形成するという効果が得られる。
【0028】
本発明の配線基板5においては、第1の接続パッド3aの四角枠状の配列の角部に位置するものと、第2の接続パッド3bのうち格子状の配列の最外周の角部に位置するものとの間の絶縁基体1の主面に、長軸方向が絶縁基体1の中心に向かっている楕円形状の補強用ダミーパッド4を設けておくことが重要である。
【0029】
この補強用ダミーパッド4は、通常、配線導体2と同種・同系のメタライズ金属から成り、例えば配線導体2と同様の金属ペーストを絶縁基体1となるセラミックグリーンシートの予め所定の箇所に絶縁基体1の中心に向かって楕円形状に形成される。
【0030】
このように、絶縁基体1の外周に沿って四角枠状の配列に形成された第1の接続パッド3aの四角形状の配列の角部に位置するものと、絶縁基体1の中央部の四角形状の領域に格子状の配列に形成された第2の接続パッド3bのうち格子状の配列の最外周の角部に位置するものとの間の絶縁基体1の主面に、長軸方向が絶縁基体1の中心に向かっている楕円形状の補強用ダミーパッド4が設けられていることにより、発生する応力方向に平行な方向に広面積の導体バンプを形成することができるため、配線基板5の絶縁基体1と外部電気回路基板との熱膨張係数の差で絶縁基体1の外辺部に隣接する第1の接続パッド3aに特に大きく作用する、配線基板5の絶縁基体1と外部電気回路基板との熱膨張係数の差により発生する熱応力を効果的に緩和することができるため、絶縁基体1の一方主面に形成した第1の接続パッド3aおよび第2の接続パッド3bを外部電気回路基板の端子パッドに対して長期にわたって確実に電気的接続させておくことができ、高い電気的な接続信頼性を有する配線基板5とすることができる。
【0031】
この場合の補強用ダミーパッド4の楕円形状としては、長軸の長さが短軸の長さに対して1.5倍以内であることが好ましい。長軸の長さが短軸の長さに対して1.5倍を超えると、第1の接続パッド3aと第2の接続パッド3bとの間隔を大きく設ける必要があり、絶縁基体1(配線基板5)の小形化が困難となる傾向がある。
【0032】
なお、本発明は上述の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。例えば、上述の実施の形態の例では、補強用ダミーパッド4の形状は、楕円形の形状としたが、第1の接続パッド3aおよび第2の接続パッド3bより広面積の、角部を丸めた長方形に近い形状としてもよい。
【0033】
【発明の効果】
本発明の配線基板によれば、接続パッドは、絶縁基体の外周に沿って四角枠状の配列に形成された第1の接続パッドと、絶縁基体の中央部の四角形状の領域に格子状の配列に形成された第2の接続パッドとからなり、第1の接続パッドの四角形状の配列の角部に位置するものと、第2の接続パッドのうち格子状の配列の最外周の角部に位置するものとの間の絶縁基体の主面に、長軸方向が絶縁基体の中心に向かっている楕円形状の補強用ダミーパッドが設けられていることにより、発生する応力方向に平行な方向に広面積の導体バンプを形成することができるため、配線基板の絶縁基体と外部電気回路基板との熱膨張係数の差で特に熱応力が大きく作用する、第1の接続パッドの四角形状の配列の角部に位置するものと、第2の接続パッドのうち格子状の配列の最外周の角部に位置するものとの間において、配線基板と外部電気回路基板との接続を、その間に設けられ、長軸方向が絶縁基体の中心に向かって、それら角部間を結ぶように熱応力の作用する方向に沿って配置された楕円形状の補強用ダミーパッドによって効果的に補強することができる。
【0034】
そのため、配線基板の絶縁基体と外部電気回路基板との熱膨張係数の差により発生し、第1の接続パッドの四角形状の配列の角部に位置するものおよび第2の接続パッドのうち格子状の配列の最外周の角部に位置するものと、導体バンプとの接続を長期間にわたって維持することができ、絶縁基体の一方主面に形成した接続パッドを外部電気回路基板の端子パッドに対して長期にわたって確実に電気的接続させておくことができる、高い電気的な接続信頼性を有する配線基板とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す平面図である。
【図2】本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・絶縁基体
2・・・配線導体
3a・・第1の接続パッド
3b・・第2の接続パッド
4・・・補強用ダミーパッド
5・・・配線基板
【発明の属する技術分野】
本発明は、絶縁基体の一方主面に接続パッドが配置され、この接続パッドが外部電気回路基板に導体バンプを介して接続される配線基板に関するものであり、詳細には、接続パッドの外部電気回路基板に対する接続信頼性が良好な配線基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子や容量素子・圧電振動子等の電子部品が搭載される配線基板は、一般に、酸化アルミニウム質焼結体等から成り、表面および内部に配線層が形成された四角形状の絶縁基体と、絶縁基体の一方主面の四角形状の領域に配列形成され配線層と電気的に接続された外部接続用の多数の接続パッドとを有する構造である。
【0003】
そして、絶縁基体の、接続パッドが形成された一方主面と反対側の主面(他方主面)に電子部品を搭載するとともに、電子部品の電極を配線層と半田やボンディングワイヤを介して接続し、必要に応じて電子部品を樹脂やキャップで封止することにより電子装置として完成する。
【0004】
その後、絶縁基体の一方主面に配列形成した多数の接続パッドを、それぞれ対応する外部電気回路基板の回路配線に導体バンプを介して接続することにより、電子装置が外部電気回路基板に実装される。
【0005】
このような配線基板においては、近年、配線基板に形成される配線層の高密度化に伴い、接続パッドの配置を、絶縁基体の外周に沿って四角枠状の配列に形成された第1の接続パッドと、絶縁基体の中央部の四角形状の領域に格子状の配列に形成された第2の接続パッドとからなるものとしたタイプが多用されるようになってきている。
【0006】
なお、この配線基板の接続パッドと外部電気回路基板の端子パッドとの接合時には、通常、導体バンプの接続パッドに対する濡れ性を良好とするために、フラックス等の接着助剤が用いられる。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−92965号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような配線基板、特に、接続パッドの配置を、絶縁基体の外周に沿って四角枠状の配列に形成された第1の接続パッドと、絶縁基体の中央部の四角形状の領域に格子状の配列に形成された第2の接続パッドとからなるものとしたタイプの配線基板においては、絶縁基体と外部電気回路基板との熱膨張係数の違いや電子部品を樹脂で封止した場合の封止樹脂の収縮に伴う応力によって、導体バンプが第1の接続パッドのうち配列の角部に位置するものや、第2の接続パッドのうち配列の最外周の角部に位置するものから特に剥がれやすく、配線基板の接続パッドを外部電気回路基板の端子パッド等に導体バンプを介して接続する際に、接続パッドと外部電気回路基板との接続信頼性が低下するおそれがあるという問題点があった。
【0009】
特に、近年、配線基板の小型化と接続パッドの個数の増加とに応じて接続パッドを小さくする必要があり、導体バンプの接続面積が小さくなっているため、このような接続信頼性の確保は重要な課題になってきている。
【0010】
本発明は上記従来の技術の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、配線基板、特に、接続パッドの配置を、絶縁基体の外周に沿って四角枠状の配列に形成された第1の接続パッドと、絶縁基体の中央部の四角形状の領域に格子状の配列に形成された第2の接続パッドとからなるものとしたタイプの配線基板において、接続パッドを外部電気回路基板の端子パッドに導体バンプを介して長期にわたって確実に電気的接続させておくことが可能で、特に絶縁基体と外部電気回路基板との熱膨張係数の差による応力が大きくなっても、その接続を確保することが可能な、外部電気回路基板に対して高い電気的な接続信頼性を有する配線基板を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の配線基板は、セラミックスから成る四角形状の絶縁基体の内部に配線導体が形成され、前記絶縁基体の主面に前記配線導体と電気的に接続された多数の接続パッドが形成された配線基板において、前記接続パッドは、前記絶縁基体の外周に沿って四角枠状の配列に形成された第1の接続パッドと、前記絶縁基体の中央部の四角形状の領域に格子状の配列に形成された第2の接続パッドとからなり、前記第1の接続パッドの前記四角形状の配列の角部に位置するものと、前記第2の接続パッドのうち前記格子状の配列の最外周の角部に位置するものとの間の前記絶縁基体の主面に、長軸方向が前記絶縁基体の中心に向かっている楕円形状の補強用ダミーパッドが設けられていることを特徴とするものである。
【0012】
本発明の配線基板によれば、接続パッドは、絶縁基体の外周に沿って四角枠状の配列に形成された第1の接続パッドと、絶縁基体の中央部の四角形状の領域に格子状の配列に形成された第2の接続パッドとからなり、第1の接続パッドの四角形状の配列の角部に位置するものと、第2の接続パッドのうち格子状の配列の最外周の角部に位置するものとの間の絶縁基体の主面に、長軸方向が絶縁基体の中心に向かっている楕円形状の補強用ダミーパッドが設けられていることにより、発生する応力方向に平行な方向に広面積の導体バンプを形成することができるため、配線基板の絶縁基体と外部電気回路基板との熱膨張係数の差で特に熱応力が大きく作用する、第1の接続パッドの四角形状の配列の角部に位置するものと、第2の接続パッドのうち格子状の配列の最外周の角部に位置するものとの間において、配線基板と外部電気回路基板との接続を、その間に設けられ、長軸方向が絶縁基体の中心に向かって、それら角部間を結ぶように熱応力の作用する方向に沿って配置された楕円形状の補強用ダミーパッドによって効果的に補強することができる。
【0013】
そのため、配線基板の絶縁基体と外部電気回路基板との熱膨張係数の差により発生し、第1の接続パッドの四角形状の配列の角部に位置するものおよび第2の接続パッドのうち格子状の配列の最外周の角部に位置するものと、導体バンプとの接続を長期間にわたって維持することができ、絶縁基体の一方主面に形成した接続パッドを外部電気回路基板の端子パッドに対して長期にわたって確実に電気的接続させておくことができる、高い電気的な接続信頼性を有する配線基板とすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の配線基板を添付の図面に基づき詳細に説明する。
【0015】
図1は本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す平面図であり、図2は本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す断面図である。
【0016】
これらの図において、1は絶縁基体、2は配線導体、3aは第1の接続パッド、3bは第2の接続パッドである。これら絶縁基体1・配線導体2・第1の接続パッド3aおよび第2の接続パッド3bにより配線基板5が構成される。
【0017】
絶縁基体1は、酸化アルミニウム質焼結体・窒化アルミニウム質焼結体・ムライト質焼結体・窒化珪素質焼結体・炭化珪素質焼結体・ガラスセラミックス焼結体等の電気絶縁材料から成る。例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、酸化アルミニウム・酸化珪素・酸化マグネシウム・酸化カルシウム等のセラミック原料粉末に適当な有機バインダ・溶剤を添加混合して泥漿状となすとともに、これをドクターブレード法を採用してシート状となすことにより複数枚のセラミックグリーンシートを得て、しかる後、セラミックグリーンシートを切断加工や打ち抜き加工により適当な形状とするとともにこれを複数枚積層し、最後にこの積層されたセラミックグリーンシートを還元雰囲気中、約1600℃の温度で焼成することによって製作される。
【0018】
この絶縁基体1は、半導体素子や容量素子・圧電振動子等の電子部品を搭載・支持するための基体として機能し、その上面等の主面に電子部品が搭載される。
【0019】
また、絶縁基体1の内部には、配線導体2が形成されており、この配線導体2は、後述するように絶縁基体1の下面等の一方の主面に形成された第1の接続パッド3a、および第2の接続パッド3bと接続している。
【0020】
そして、この配線導体2を、絶縁基体1の他方の主面、例えば上面に導出し、この導出した露出部分に電子部品の電極を接続することにより、絶縁基体1に搭載した電子部品の電極が配線導体2を介して第1の接続パッド3aおよび第2の接続パッド3bと電気的に接続される。
【0021】
このような配線導体2は、タングステン・モリブデン・銅・銀等のメタライズ導体により形成されている。
【0022】
配線導体2は、例えば、絶縁基体1となるセラミックグリーンシートに予め所定のスルーホールを形成しておくとともに、タングステン・モリブデン・銅・銀等の金属ペーストをセラミックグリーンシートのスルーホール内および表面に印刷塗布し、また充填しておくことにより形成される。
【0023】
この配線導体2には、電子部品(図示せず)の電極が電気的に接続される。また、配線導体2と電気的に接続された電子部品は、例えば封止樹脂等により封止される。
【0024】
絶縁基体1の一方主面、通常は、外部電気回路基板(図示せず)に対向する側の主面、つまり下面には、多数の第1の接続パッド3aおよび第2の接続パッド3bが配線導体2と接続するようにして配列形成されている。
【0025】
第1および第2の接続パッド3a,3bは、配線基板5の外部接続用のパッドとして機能し、この第1および第2の接続パッド3a,3bを導体バンプ(図示せず)を介して外部電気回路基板の例えば端子パッド(図示せず)に接合することにより、配線基板5が外部電気回路基板に対して電気的・機械的に接続され、電子部品が外部電気回路と電気的に接続される。
【0026】
この第1および第2の接続パッド3a,3bは、通常、配線導体2と同種・同系のメタライズ金属から成り、例えば配線導体2と同様の金属ペーストを絶縁基体1となるアルミナセラミックグリーンシートに予め従来周知のスクリーン印刷法により所定のパターンに印刷塗布しておくことにより形成される。
【0027】
なお、配線基板5の外部接続用の接続パッドを、絶縁基体1の外周に沿って四角枠状の配列に形成された第1の接続パッド3aと、絶縁基体1の中央部の四角形状の領域に格子状の配列に形成された第2の接続パッド3bとからなるものとすることにより、絶縁基体1の内層の配線導体2が第1の接続パッド3aと第2の接続パッド3bとの間において、配線を形成する際の引き回しの自由度が増すため、配線基板5の配線導体2を高密度に形成するという効果が得られる。
【0028】
本発明の配線基板5においては、第1の接続パッド3aの四角枠状の配列の角部に位置するものと、第2の接続パッド3bのうち格子状の配列の最外周の角部に位置するものとの間の絶縁基体1の主面に、長軸方向が絶縁基体1の中心に向かっている楕円形状の補強用ダミーパッド4を設けておくことが重要である。
【0029】
この補強用ダミーパッド4は、通常、配線導体2と同種・同系のメタライズ金属から成り、例えば配線導体2と同様の金属ペーストを絶縁基体1となるセラミックグリーンシートの予め所定の箇所に絶縁基体1の中心に向かって楕円形状に形成される。
【0030】
このように、絶縁基体1の外周に沿って四角枠状の配列に形成された第1の接続パッド3aの四角形状の配列の角部に位置するものと、絶縁基体1の中央部の四角形状の領域に格子状の配列に形成された第2の接続パッド3bのうち格子状の配列の最外周の角部に位置するものとの間の絶縁基体1の主面に、長軸方向が絶縁基体1の中心に向かっている楕円形状の補強用ダミーパッド4が設けられていることにより、発生する応力方向に平行な方向に広面積の導体バンプを形成することができるため、配線基板5の絶縁基体1と外部電気回路基板との熱膨張係数の差で絶縁基体1の外辺部に隣接する第1の接続パッド3aに特に大きく作用する、配線基板5の絶縁基体1と外部電気回路基板との熱膨張係数の差により発生する熱応力を効果的に緩和することができるため、絶縁基体1の一方主面に形成した第1の接続パッド3aおよび第2の接続パッド3bを外部電気回路基板の端子パッドに対して長期にわたって確実に電気的接続させておくことができ、高い電気的な接続信頼性を有する配線基板5とすることができる。
【0031】
この場合の補強用ダミーパッド4の楕円形状としては、長軸の長さが短軸の長さに対して1.5倍以内であることが好ましい。長軸の長さが短軸の長さに対して1.5倍を超えると、第1の接続パッド3aと第2の接続パッド3bとの間隔を大きく設ける必要があり、絶縁基体1(配線基板5)の小形化が困難となる傾向がある。
【0032】
なお、本発明は上述の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。例えば、上述の実施の形態の例では、補強用ダミーパッド4の形状は、楕円形の形状としたが、第1の接続パッド3aおよび第2の接続パッド3bより広面積の、角部を丸めた長方形に近い形状としてもよい。
【0033】
【発明の効果】
本発明の配線基板によれば、接続パッドは、絶縁基体の外周に沿って四角枠状の配列に形成された第1の接続パッドと、絶縁基体の中央部の四角形状の領域に格子状の配列に形成された第2の接続パッドとからなり、第1の接続パッドの四角形状の配列の角部に位置するものと、第2の接続パッドのうち格子状の配列の最外周の角部に位置するものとの間の絶縁基体の主面に、長軸方向が絶縁基体の中心に向かっている楕円形状の補強用ダミーパッドが設けられていることにより、発生する応力方向に平行な方向に広面積の導体バンプを形成することができるため、配線基板の絶縁基体と外部電気回路基板との熱膨張係数の差で特に熱応力が大きく作用する、第1の接続パッドの四角形状の配列の角部に位置するものと、第2の接続パッドのうち格子状の配列の最外周の角部に位置するものとの間において、配線基板と外部電気回路基板との接続を、その間に設けられ、長軸方向が絶縁基体の中心に向かって、それら角部間を結ぶように熱応力の作用する方向に沿って配置された楕円形状の補強用ダミーパッドによって効果的に補強することができる。
【0034】
そのため、配線基板の絶縁基体と外部電気回路基板との熱膨張係数の差により発生し、第1の接続パッドの四角形状の配列の角部に位置するものおよび第2の接続パッドのうち格子状の配列の最外周の角部に位置するものと、導体バンプとの接続を長期間にわたって維持することができ、絶縁基体の一方主面に形成した接続パッドを外部電気回路基板の端子パッドに対して長期にわたって確実に電気的接続させておくことができる、高い電気的な接続信頼性を有する配線基板とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す平面図である。
【図2】本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・絶縁基体
2・・・配線導体
3a・・第1の接続パッド
3b・・第2の接続パッド
4・・・補強用ダミーパッド
5・・・配線基板
Claims (1)
- セラミックスから成る四角形状の絶縁基体の内部に配線導体が形成され、前記絶縁基体の主面に前記配線導体と電気的に接続された多数の接続パッドが形成された配線基板において、前記接続パッドは、前記絶縁基体の外周に沿って四角枠状の配列に形成された第1の接続パッドと、前記絶縁基体の中央部の四角形状の領域に格子状の配列に形成された第2の接続パッドとからなり、前記第1の接続パッドの前記四角形状の配列の角部に位置するものと、前記第2の接続パッドのうち前記格子状の配列の最外周の角部に位置するものとの間の前記絶縁基体の主面に、長軸方向が前記絶縁基体の中心に向かっている楕円形状の補強用ダミーパッドが設けられていることを特徴とする配線基板。
Priority Applications (1)
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JP2003067242A JP2004281473A (ja) | 2003-03-12 | 2003-03-12 | 配線基板 |
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JP2003067242A JP2004281473A (ja) | 2003-03-12 | 2003-03-12 | 配線基板 |
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Country | Link |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7105927B2 (en) * | 2004-05-28 | 2006-09-12 | Magnachip Semiconductor, Ltd. | Structure of dummy pattern in semiconductor device |
WO2008004288A1 (fr) * | 2006-07-05 | 2008-01-10 | Fujitsu Limited | Plaque de circuit imprimé et dispositif électronique |
WO2009044737A1 (ja) * | 2007-10-01 | 2009-04-09 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | 電子部品 |
US8525333B2 (en) | 2008-03-17 | 2013-09-03 | Renesas Electronics Corporation | Electronic device and manufacturing method therefor |
CN109841577A (zh) * | 2017-11-27 | 2019-06-04 | 中芯国际集成电路制造(上海)有限公司 | 芯片及其制造方法、晶圆结构 |
-
2003
- 2003-03-12 JP JP2003067242A patent/JP2004281473A/ja active Pending
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