JP2004288660A - 配線基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】配線基板の接続パッドを外部回路基板の端子パッドと導体バンプを介して接続する際に、配線基板の全体の複雑な反りや接続パッドの高密度化の影響で半田ブリッジによる接続パッド間の電気的な短絡が生じる。
【解決手段】セラミックスから成る四角形状の絶縁基体1の内部に配線導体2が形成され、絶縁基体1の一方主面に配線導体2と電気的に接続された多数の接続パッド3が形成された配線基板5において、絶縁基体1の角部に、絶縁基体1の側面の下端から上端にかけて形成された切欠きの内部に充填されたメタライズ導体が、絶縁基体1の一方主面側の端面を一方主面と同一面をなすようにして絶縁基体1の側面に帯状に露出して、端面を補強用ダミーパッド4として形成されている配線基板5である。補強用ダミーパッド4により接続パッド3にかかる熱応力を効果的に緩和することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】セラミックスから成る四角形状の絶縁基体1の内部に配線導体2が形成され、絶縁基体1の一方主面に配線導体2と電気的に接続された多数の接続パッド3が形成された配線基板5において、絶縁基体1の角部に、絶縁基体1の側面の下端から上端にかけて形成された切欠きの内部に充填されたメタライズ導体が、絶縁基体1の一方主面側の端面を一方主面と同一面をなすようにして絶縁基体1の側面に帯状に露出して、端面を補強用ダミーパッド4として形成されている配線基板5である。補強用ダミーパッド4により接続パッド3にかかる熱応力を効果的に緩和することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、絶縁基体の一方主面に接続パッドが配置され、この接続パッドが外部回路基板に導体バンプを介して接続される配線基板に関するものであり、詳細には、接続パッドの外部回路基板に対する接続信頼性が良好な配線基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子や容量素子・圧電振動子等の電子部品が搭載される配線基板は、一般に、酸化アルミニウム質焼結体等から成り、表面および内部に配線層が形成された板状の絶縁基体と、絶縁基体の一方主面に配線層と接続するようにして形成された外部接続用の接続パッドとを有する構造である。
【0003】
そして、絶縁基体の、接続パッドが形成された一方主面と反対側の主面(他方主面)に電子部品を搭載するとともに、電子部品の電極を配線層と半田やボンディングワイヤを介して接続し、必要に応じて電子部品を樹脂やキャップで封止することにより電子装置として完成する。
【0004】
その後、絶縁基体の一方主面に形成した接続パッドを外部電気回路基板の回路配線に接続することにより、電子装置が外部電気回路基板に実装される。
【0005】
なお、この配線基板の接続パッドと外部電気回路基板(端子パッド)との接合時には、通常、導体バンプの接続パッドに対する濡れ性を良好とするために、フラックス等の接着助剤が用いられる。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−92965号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような配線基板は、絶縁基体と配線導体との熱膨張係数の違いや電子部品を樹脂で封止した場合の封止樹脂の収縮に伴う応力によって、配線基板の接続パッドを外部電気回路基板の端子パッド等に導体バンプを介して接続する際に、接続パッドと外部電気回路基板との接続信頼性が低下する恐れがあるという問題点があった。
【0008】
特に、近年、配線基板の小型化と接続パッドの個数の増加とに応じて接続パッドを小さくする必要があり、導体バンプの接続面積が小さくなっているため、このような接続信頼性の確保は重要な課題になってきている。
【0009】
本発明は上記従来の技術の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、接続パッドを外部電気回路基板の端子パッドに導体バンプを介して長期にわたって確実に電気的接続させておくことが可能で、特に絶縁基体と外部回路基板の熱膨張係数の差による応力が大きくなっても、その接続を確保することが可能な、外部電気回路基板に対して高い電気的な接続信頼性を有する配線基板を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の配線基板は、セラミックスから成る四角形状の絶縁基体の内部に配線導体が形成され、前記絶縁基体の一方主面に前記配線導体と電気的に接続された多数の接続パッドが形成された配線基板において、前記絶縁基体の角部に、前記絶縁基体の側面の下端から上端にかけて形成された切欠きの内部に充填されたメタライズ導体が、前記絶縁基体の前記一方主面側の端面を前記一方主面と同一面をなすようにして前記絶縁基体の前記側面に帯状に露出して、前記端面を補強用ダミーパッドとして形成されていることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の配線基板は、上記構成において、前記切欠きは、前記絶縁基体の前記側面の下端から上端に向かって幅が狭くなっていることを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の配線基板は、上記構成において、前記切欠きは、前記絶縁基体の前記側面の下端から上端に向かって深さが浅くなっていることを特徴とするものである。
【0013】
本発明の配線基板によれば、絶縁基体の角部に、絶縁基体の側面の下端から上端にかけて形成した切欠きの内部に充填させたメタライズ導体を、絶縁基体の一方主面側の端面が絶縁基体の一方主面と同一面をなすようにして絶縁基体の側面に帯状に露出させ、その端面を補強用ダミーパッドとして形成したことにより、絶縁基体の外辺部に隣接する接続パッドにかかる、配線基板の絶縁基体と外部電気回路基板との熱膨張係数の差により発生する応力を効果的に緩和することができるため、絶縁基体の一方主面に形成した接続パッドを外部回路基板の端子パッドに対して長期にわたって確実に電気的接続させておくことができ、高い電気的な接続信頼性を有する配線基板とすることができる。
【0014】
また、切欠きを絶縁基体の一方主面側から他方主面側に向かって幅が狭くなっているものとすることにより、絶縁基体の他方主面側に電子部品実装領域を効果的に広く確保しつつ、外部電気回路基板との接続強度を効果的に強くすることができる。
【0015】
また、切欠きを絶縁基体の一方主面側から他方主面側に向かって深さが浅くなっているものとすることにより、絶縁基体の他方主面側に電子部品実装領域を効果的に広く確保しつつ、外部電気回路基板との接続強度を効果的に強くすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の配線基板を添付の図面に基づき詳細に説明する。
【0017】
図1は本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す平面図であり、図2は本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す側面図である。
【0018】
これらの図において、1は絶縁基体、2は配線導体、3は接続パッド、4は補強用ダミーパッドである。これら絶縁基体1・配線導体2・接続パッド3・補強用ダミーパッド4により配線基板5が構成される。
【0019】
絶縁基体1は、酸化アルミニウム質焼結体・窒化アルミニウム質焼結体・ムライト質焼結体・窒化珪素質焼結体・炭化珪素質焼結体・ガラスセラミックス焼結体等の電気絶縁材料から成り、例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、酸化アルミニウム・酸化珪素・酸化マグネシウム・酸化カルシウム等のセラミック原料粉末に適当な有機バインダ・溶剤を添加混合して泥漿状となすとともに、これをドクターブレード法を採用してシート状となすことにより複数枚のセラミックグリーンシートを得て、しかる後、セラミックグリーンシートを切断加工や打ち抜き加工により適当な形状とするとともにこれを複数枚積層し、最後にこの積層されたセラミックグリーンシートを還元雰囲気中、約1600℃の温度で焼成することによって製作される。
【0020】
この絶縁基体は、半導体素子や容量素子・圧電振動子等の電子部品を搭載・支持するための基体として機能し、その上面等の主面に電子部品が搭載される。
【0021】
また、絶縁基体1の内部には、配線導体2が形成されており、この配線導体2は、後述するように絶縁基体1の一方主面、例えば下面に形成された接続パッド3と接続している。
【0022】
そして、この配線導体2を、絶縁基体1の他方主面、例えば上面に導出し、この導出した露出部分に電子部品の電極を接続することにより、絶縁基体1に搭載した電子部品の電極が配線導体2を介して接続パッド3と接続される。
【0023】
このような配線導体2は、タングステン・モリブデン・銅・銀等のメタライズ導体により形成されている。
【0024】
配線導体2は、例えば、絶縁基体1となるセラミックグリーンシートに予め所定のスルーホールを形成しておくとともに、タングステン・モリブデン・銅・銀等の金属ペーストをセラミックグリーンシートのスルーホール内および表面に印刷塗布し、また充填しておくことにより形成される。
【0025】
この配線導体2には、電子部品(図示せず)の電極が電気的に接続される。また、配線導体2と電気的に接続した電子部品は、例えば封止樹脂等により封止される。
【0026】
絶縁基体1の一方主面、通常は、外部電気回路基板(図示せず)に対向する側の主面、つまり下面には、多数の接続パッド3が配線導体2と接続するようにして形成されている。
【0027】
接続パッド3は、配線基板5の外部接続用のパッドとして機能し、この接続パッド3を導体バンプ(図示せず)を介して外部電気回路基板の例えば端子パッド(図示せず)に接合することにより、配線基板5が外部電気回路基板に対して電気的・機械的に接続され、電子部品が外部電気回路と電気的に接続される。
【0028】
この接続パッド3は、通常、配線導体2と同種・同系のメタライズ金属から成り、例えば配線導体2と同様の金属ペーストを絶縁基体1となるアルミナセラミックグリーンシートに予め従来周知のスクリーン印刷法により所定のパターンに印刷塗布しておくことにより形成される。
【0029】
また本発明の配線基板は、絶縁基体1の角部に、絶縁基体1の側面の下端から上端にかけて形成された切欠きの内部に充填されたメタライズ導体が、絶縁基体1の一方主面側の端面を一方主面と同一面をなすようにして絶縁基体1の側面に帯状に露出して、端面を補強用ダミーパッド4として形成されていることが重要である。
【0030】
この補強用ダミーパッド4は、通常、配線導体2と同種・同系のメタライズ金属から成り、例えば配線導体2と同様の金属ペーストを絶縁基体1となるセラミックグリーンシートの予め所定の箇所に形成した貫通穴に充填することにより形成される。
【0031】
このように、絶縁基体1の角部に絶縁基体1の側面の下端から上端にかけて形成された切欠きの内部に充填されたメタライズ導体が、絶縁基体1の一方主面側の端面を一方主面と同一面をなすようにして絶縁基体1の側面に帯状に露出して、端面を補強用ダミーパッド4として形成されていることにより、絶縁基体1の外辺部に隣接する接続パッドにかかる熱膨張係数の差により発生する応力を効果的に緩和することができ、一主面に形成した接続パッド3を外部回路基板の端子パッドに対して長期にわたって確実に電気的接続させることができるため、高い電気的な接続信頼性を有することができる。
【0032】
また、本発明の配線基板においては、図3に図2と同様の側面図で本発明の配線基板の実施の形態の他の例を示すように、補強用ダミーパッド4’を形成する切欠きを絶縁基体1の一方主面側から他方主面側に向かって幅が狭くなっているものとすることが好ましい。このことにより、絶縁基体1の他方主面側では切欠きの露出面の大きさを小さくすることができ、他方主面側に電子部品実装領域を効果的に広く確保しつつ、外部電気回路基板との接続強度を効果的に強くすることができる。
【0033】
また、本発明の配線基板においては、同様に切欠きを絶縁基体1の一方主面側から他方主面側に向かって深さが浅くなっているものとすることが好ましい。このことにより、絶縁基体1の他方主面側では切欠きの露出面の大きさを小さくすることができ、他方主面側に電子部品実装領域を効果的に広く確保しつつ、外部電気回路基板との接続強度を効果的に強くすることができる。
【0034】
このように補強用ダミーパッド4’を形成する切欠きの幅を絶縁基体1の一方主面側から他方主面側に向かって狭くする場合は、絶縁基体1を構成する各絶縁層毎に形成する切欠きの幅を順次狭くする必要がある。また、この場合の一方の主面側の切欠きの幅に対して他方主面側の切欠きの幅は、0.5乃至0.8倍程度であることが好ましい。一方の主面側の切欠きの幅に対して他方主面側の切欠きの幅が0.5倍未満では、絶縁基体1の他方主面側に近づくにつれて絶縁基体1の側面に露出するメタライズ導体の幅が急に狭くなるため、補強用ダミーパッド4’からこの側面のメタライズ導体にかけて導体バンプのフィレットを十分な大きさで形成することが困難となり、効果的に外部電気回路基板との接続強度を強くすることが困難となってしまう傾向がある。また、0.8倍を超えると、他方主面側に露出するメタライズ導体の面積が大きくなるため、電子部品実装領域を効果的に広く確保することが困難となる傾向がある。
【0035】
また、切欠きの深さを絶縁基体1の一方主面側から他方主面側に向かって浅くする場合は、他方主面側における深さを、一方主面側における深さの0.5倍乃至0.8倍としておくことが好ましい。この場合、0.8倍を超えると、他方主面側に露出するメタライズ導体の面積が大きくなるため、電子部品実装領域を効果的に広く確保することが困難となる傾向がある。また、0.5倍未満になると、一方主面側から他方主面側にかけて切り欠きの断面積が小さくなり、これに応じてメタライズ導体の厚みも小さくなるため、他方主面側におけるメタライズ導体の厚みが薄くなりすぎて、このような薄いメタライズ導体に対する導体バンプの接合強度が劣化するので、配線基板5の外部回路基板に対する接続を効果的に補強させることが困難となるおそれがある。
【0036】
なお、この絶縁基体1の角部に形成された、補強用ダミーパッド4’が形成される切欠きは、以上のように、絶縁基体1の一方主面側から他方主面側に向かってその幅を狭くするか、またはその深さを浅くするかのどちらかとしてもよく、幅を狭くするとともに深さを浅くしてもよい。切欠きの幅を狭くするとともに深さを浅くするようにしておくと、この切欠きの内部に充填されるメタライズ導体に対する導体バンプの接合強度やメタライズ導体の絶縁基体1に対する接合強度を確保しながら、他方主面側における切欠きの幅および深さを確実に小さなものとして、他方主面側に露出するメタライズ導体の面積をより効果的に小さくし、より一層確実に、他方主面側に電子部品実装領域を効果的に広く確保することができ、電子部品を搭載するとともに外部電気回路基板に接続するための配線基板5としてより一層好ましいものとすることができる。
【0037】
このような絶縁基体1の角部に、内部にメタライズ導体が充填された、絶縁基体1の側面の下端から上端にかけて形成された切欠きを形成するには、例えば、セラミックグリーンシートの積層体に絶縁基体1となる領域を複数個縦横に配列しておくとともに、この縦横に配列された絶縁基体1となる領域の角部における交差部に円形状等の打ち抜き加工を施して打ち抜き孔を形成し、この打ち抜き孔内に配線導体2や接続パッド3を形成するのと同様の金属ペーストを充填させておき、これを焼成後、この絶縁基体1となる領域をダイシング加工等により個々に分割するといった方法を用いることができる。
【0038】
この際、金属ペーストの粘度や充填圧等を調節すること等により、貫通孔に充填された金属ペーストの端面がセラミックグリーンシートの積層体の一方主面と同一面となるようにしておくことで(または焼成時の収縮を考慮して若干突出するようにしておくことで)、切欠きの内部に充填されたメタライズ導体を、その絶縁基体1の一方主面側の端面が絶縁基体1の一方主面と同一面をなすようにして、絶縁基体1の側面に帯状に露出させることができる。
【0039】
なお、この補強用ダミーパッド4は、配線基板と外部電気回路基板との接続の信頼性を高めるうえでは大きければ大きいほど好ましいが、絶縁基体1に対する接合強度やメタライズ導体そのものの機械的強度を確保する上では、半径が500μm程度の円弧状よりも小さいものとすることが好ましい。また、接続パッド3との電気絶縁性の低下を防止する上では、接続パッド3の外縁から100μm以上間をあけて形成することが好ましい。
【0040】
なお、本発明は上述の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。
【0041】
【発明の効果】
本発明の配線基板によれば、絶縁基体の角部に、絶縁基体の側面の下端から上端にかけて形成した切欠きの内部に充填させたメタライズ導体を、絶縁基体の一方主面側の端面が絶縁基体の一方主面と同一面をなすようにして絶縁基体の側面に帯状に露出させ、その端面を補強用ダミーパッドとして形成したことにより、絶縁基体の外辺部に隣接する接続パッドにかかる、配線基板の絶縁基体と外部電気回路基板との熱膨張係数の差により発生する応力を効果的に緩和することができるため、一方主面に形成した接続パッドを外部回路基板の端子パッドに対して長期にわたって確実に電気的接続させておくことができ、高い電気的な接続信頼性を有する配線基板とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す平面図である。
【図2】本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す側面図である。
【図3】本発明の配線基板の実施の形態の他の例を示す側面図である。
【符号の説明】
1・・・絶縁基体
2・・・配線導体
3・・・接続パッド
4、4’・・・補強用ダミーパッド
5、5’・・・配線基板
【発明の属する技術分野】
本発明は、絶縁基体の一方主面に接続パッドが配置され、この接続パッドが外部回路基板に導体バンプを介して接続される配線基板に関するものであり、詳細には、接続パッドの外部回路基板に対する接続信頼性が良好な配線基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子や容量素子・圧電振動子等の電子部品が搭載される配線基板は、一般に、酸化アルミニウム質焼結体等から成り、表面および内部に配線層が形成された板状の絶縁基体と、絶縁基体の一方主面に配線層と接続するようにして形成された外部接続用の接続パッドとを有する構造である。
【0003】
そして、絶縁基体の、接続パッドが形成された一方主面と反対側の主面(他方主面)に電子部品を搭載するとともに、電子部品の電極を配線層と半田やボンディングワイヤを介して接続し、必要に応じて電子部品を樹脂やキャップで封止することにより電子装置として完成する。
【0004】
その後、絶縁基体の一方主面に形成した接続パッドを外部電気回路基板の回路配線に接続することにより、電子装置が外部電気回路基板に実装される。
【0005】
なお、この配線基板の接続パッドと外部電気回路基板(端子パッド)との接合時には、通常、導体バンプの接続パッドに対する濡れ性を良好とするために、フラックス等の接着助剤が用いられる。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−92965号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような配線基板は、絶縁基体と配線導体との熱膨張係数の違いや電子部品を樹脂で封止した場合の封止樹脂の収縮に伴う応力によって、配線基板の接続パッドを外部電気回路基板の端子パッド等に導体バンプを介して接続する際に、接続パッドと外部電気回路基板との接続信頼性が低下する恐れがあるという問題点があった。
【0008】
特に、近年、配線基板の小型化と接続パッドの個数の増加とに応じて接続パッドを小さくする必要があり、導体バンプの接続面積が小さくなっているため、このような接続信頼性の確保は重要な課題になってきている。
【0009】
本発明は上記従来の技術の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、接続パッドを外部電気回路基板の端子パッドに導体バンプを介して長期にわたって確実に電気的接続させておくことが可能で、特に絶縁基体と外部回路基板の熱膨張係数の差による応力が大きくなっても、その接続を確保することが可能な、外部電気回路基板に対して高い電気的な接続信頼性を有する配線基板を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の配線基板は、セラミックスから成る四角形状の絶縁基体の内部に配線導体が形成され、前記絶縁基体の一方主面に前記配線導体と電気的に接続された多数の接続パッドが形成された配線基板において、前記絶縁基体の角部に、前記絶縁基体の側面の下端から上端にかけて形成された切欠きの内部に充填されたメタライズ導体が、前記絶縁基体の前記一方主面側の端面を前記一方主面と同一面をなすようにして前記絶縁基体の前記側面に帯状に露出して、前記端面を補強用ダミーパッドとして形成されていることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の配線基板は、上記構成において、前記切欠きは、前記絶縁基体の前記側面の下端から上端に向かって幅が狭くなっていることを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の配線基板は、上記構成において、前記切欠きは、前記絶縁基体の前記側面の下端から上端に向かって深さが浅くなっていることを特徴とするものである。
【0013】
本発明の配線基板によれば、絶縁基体の角部に、絶縁基体の側面の下端から上端にかけて形成した切欠きの内部に充填させたメタライズ導体を、絶縁基体の一方主面側の端面が絶縁基体の一方主面と同一面をなすようにして絶縁基体の側面に帯状に露出させ、その端面を補強用ダミーパッドとして形成したことにより、絶縁基体の外辺部に隣接する接続パッドにかかる、配線基板の絶縁基体と外部電気回路基板との熱膨張係数の差により発生する応力を効果的に緩和することができるため、絶縁基体の一方主面に形成した接続パッドを外部回路基板の端子パッドに対して長期にわたって確実に電気的接続させておくことができ、高い電気的な接続信頼性を有する配線基板とすることができる。
【0014】
また、切欠きを絶縁基体の一方主面側から他方主面側に向かって幅が狭くなっているものとすることにより、絶縁基体の他方主面側に電子部品実装領域を効果的に広く確保しつつ、外部電気回路基板との接続強度を効果的に強くすることができる。
【0015】
また、切欠きを絶縁基体の一方主面側から他方主面側に向かって深さが浅くなっているものとすることにより、絶縁基体の他方主面側に電子部品実装領域を効果的に広く確保しつつ、外部電気回路基板との接続強度を効果的に強くすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の配線基板を添付の図面に基づき詳細に説明する。
【0017】
図1は本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す平面図であり、図2は本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す側面図である。
【0018】
これらの図において、1は絶縁基体、2は配線導体、3は接続パッド、4は補強用ダミーパッドである。これら絶縁基体1・配線導体2・接続パッド3・補強用ダミーパッド4により配線基板5が構成される。
【0019】
絶縁基体1は、酸化アルミニウム質焼結体・窒化アルミニウム質焼結体・ムライト質焼結体・窒化珪素質焼結体・炭化珪素質焼結体・ガラスセラミックス焼結体等の電気絶縁材料から成り、例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、酸化アルミニウム・酸化珪素・酸化マグネシウム・酸化カルシウム等のセラミック原料粉末に適当な有機バインダ・溶剤を添加混合して泥漿状となすとともに、これをドクターブレード法を採用してシート状となすことにより複数枚のセラミックグリーンシートを得て、しかる後、セラミックグリーンシートを切断加工や打ち抜き加工により適当な形状とするとともにこれを複数枚積層し、最後にこの積層されたセラミックグリーンシートを還元雰囲気中、約1600℃の温度で焼成することによって製作される。
【0020】
この絶縁基体は、半導体素子や容量素子・圧電振動子等の電子部品を搭載・支持するための基体として機能し、その上面等の主面に電子部品が搭載される。
【0021】
また、絶縁基体1の内部には、配線導体2が形成されており、この配線導体2は、後述するように絶縁基体1の一方主面、例えば下面に形成された接続パッド3と接続している。
【0022】
そして、この配線導体2を、絶縁基体1の他方主面、例えば上面に導出し、この導出した露出部分に電子部品の電極を接続することにより、絶縁基体1に搭載した電子部品の電極が配線導体2を介して接続パッド3と接続される。
【0023】
このような配線導体2は、タングステン・モリブデン・銅・銀等のメタライズ導体により形成されている。
【0024】
配線導体2は、例えば、絶縁基体1となるセラミックグリーンシートに予め所定のスルーホールを形成しておくとともに、タングステン・モリブデン・銅・銀等の金属ペーストをセラミックグリーンシートのスルーホール内および表面に印刷塗布し、また充填しておくことにより形成される。
【0025】
この配線導体2には、電子部品(図示せず)の電極が電気的に接続される。また、配線導体2と電気的に接続した電子部品は、例えば封止樹脂等により封止される。
【0026】
絶縁基体1の一方主面、通常は、外部電気回路基板(図示せず)に対向する側の主面、つまり下面には、多数の接続パッド3が配線導体2と接続するようにして形成されている。
【0027】
接続パッド3は、配線基板5の外部接続用のパッドとして機能し、この接続パッド3を導体バンプ(図示せず)を介して外部電気回路基板の例えば端子パッド(図示せず)に接合することにより、配線基板5が外部電気回路基板に対して電気的・機械的に接続され、電子部品が外部電気回路と電気的に接続される。
【0028】
この接続パッド3は、通常、配線導体2と同種・同系のメタライズ金属から成り、例えば配線導体2と同様の金属ペーストを絶縁基体1となるアルミナセラミックグリーンシートに予め従来周知のスクリーン印刷法により所定のパターンに印刷塗布しておくことにより形成される。
【0029】
また本発明の配線基板は、絶縁基体1の角部に、絶縁基体1の側面の下端から上端にかけて形成された切欠きの内部に充填されたメタライズ導体が、絶縁基体1の一方主面側の端面を一方主面と同一面をなすようにして絶縁基体1の側面に帯状に露出して、端面を補強用ダミーパッド4として形成されていることが重要である。
【0030】
この補強用ダミーパッド4は、通常、配線導体2と同種・同系のメタライズ金属から成り、例えば配線導体2と同様の金属ペーストを絶縁基体1となるセラミックグリーンシートの予め所定の箇所に形成した貫通穴に充填することにより形成される。
【0031】
このように、絶縁基体1の角部に絶縁基体1の側面の下端から上端にかけて形成された切欠きの内部に充填されたメタライズ導体が、絶縁基体1の一方主面側の端面を一方主面と同一面をなすようにして絶縁基体1の側面に帯状に露出して、端面を補強用ダミーパッド4として形成されていることにより、絶縁基体1の外辺部に隣接する接続パッドにかかる熱膨張係数の差により発生する応力を効果的に緩和することができ、一主面に形成した接続パッド3を外部回路基板の端子パッドに対して長期にわたって確実に電気的接続させることができるため、高い電気的な接続信頼性を有することができる。
【0032】
また、本発明の配線基板においては、図3に図2と同様の側面図で本発明の配線基板の実施の形態の他の例を示すように、補強用ダミーパッド4’を形成する切欠きを絶縁基体1の一方主面側から他方主面側に向かって幅が狭くなっているものとすることが好ましい。このことにより、絶縁基体1の他方主面側では切欠きの露出面の大きさを小さくすることができ、他方主面側に電子部品実装領域を効果的に広く確保しつつ、外部電気回路基板との接続強度を効果的に強くすることができる。
【0033】
また、本発明の配線基板においては、同様に切欠きを絶縁基体1の一方主面側から他方主面側に向かって深さが浅くなっているものとすることが好ましい。このことにより、絶縁基体1の他方主面側では切欠きの露出面の大きさを小さくすることができ、他方主面側に電子部品実装領域を効果的に広く確保しつつ、外部電気回路基板との接続強度を効果的に強くすることができる。
【0034】
このように補強用ダミーパッド4’を形成する切欠きの幅を絶縁基体1の一方主面側から他方主面側に向かって狭くする場合は、絶縁基体1を構成する各絶縁層毎に形成する切欠きの幅を順次狭くする必要がある。また、この場合の一方の主面側の切欠きの幅に対して他方主面側の切欠きの幅は、0.5乃至0.8倍程度であることが好ましい。一方の主面側の切欠きの幅に対して他方主面側の切欠きの幅が0.5倍未満では、絶縁基体1の他方主面側に近づくにつれて絶縁基体1の側面に露出するメタライズ導体の幅が急に狭くなるため、補強用ダミーパッド4’からこの側面のメタライズ導体にかけて導体バンプのフィレットを十分な大きさで形成することが困難となり、効果的に外部電気回路基板との接続強度を強くすることが困難となってしまう傾向がある。また、0.8倍を超えると、他方主面側に露出するメタライズ導体の面積が大きくなるため、電子部品実装領域を効果的に広く確保することが困難となる傾向がある。
【0035】
また、切欠きの深さを絶縁基体1の一方主面側から他方主面側に向かって浅くする場合は、他方主面側における深さを、一方主面側における深さの0.5倍乃至0.8倍としておくことが好ましい。この場合、0.8倍を超えると、他方主面側に露出するメタライズ導体の面積が大きくなるため、電子部品実装領域を効果的に広く確保することが困難となる傾向がある。また、0.5倍未満になると、一方主面側から他方主面側にかけて切り欠きの断面積が小さくなり、これに応じてメタライズ導体の厚みも小さくなるため、他方主面側におけるメタライズ導体の厚みが薄くなりすぎて、このような薄いメタライズ導体に対する導体バンプの接合強度が劣化するので、配線基板5の外部回路基板に対する接続を効果的に補強させることが困難となるおそれがある。
【0036】
なお、この絶縁基体1の角部に形成された、補強用ダミーパッド4’が形成される切欠きは、以上のように、絶縁基体1の一方主面側から他方主面側に向かってその幅を狭くするか、またはその深さを浅くするかのどちらかとしてもよく、幅を狭くするとともに深さを浅くしてもよい。切欠きの幅を狭くするとともに深さを浅くするようにしておくと、この切欠きの内部に充填されるメタライズ導体に対する導体バンプの接合強度やメタライズ導体の絶縁基体1に対する接合強度を確保しながら、他方主面側における切欠きの幅および深さを確実に小さなものとして、他方主面側に露出するメタライズ導体の面積をより効果的に小さくし、より一層確実に、他方主面側に電子部品実装領域を効果的に広く確保することができ、電子部品を搭載するとともに外部電気回路基板に接続するための配線基板5としてより一層好ましいものとすることができる。
【0037】
このような絶縁基体1の角部に、内部にメタライズ導体が充填された、絶縁基体1の側面の下端から上端にかけて形成された切欠きを形成するには、例えば、セラミックグリーンシートの積層体に絶縁基体1となる領域を複数個縦横に配列しておくとともに、この縦横に配列された絶縁基体1となる領域の角部における交差部に円形状等の打ち抜き加工を施して打ち抜き孔を形成し、この打ち抜き孔内に配線導体2や接続パッド3を形成するのと同様の金属ペーストを充填させておき、これを焼成後、この絶縁基体1となる領域をダイシング加工等により個々に分割するといった方法を用いることができる。
【0038】
この際、金属ペーストの粘度や充填圧等を調節すること等により、貫通孔に充填された金属ペーストの端面がセラミックグリーンシートの積層体の一方主面と同一面となるようにしておくことで(または焼成時の収縮を考慮して若干突出するようにしておくことで)、切欠きの内部に充填されたメタライズ導体を、その絶縁基体1の一方主面側の端面が絶縁基体1の一方主面と同一面をなすようにして、絶縁基体1の側面に帯状に露出させることができる。
【0039】
なお、この補強用ダミーパッド4は、配線基板と外部電気回路基板との接続の信頼性を高めるうえでは大きければ大きいほど好ましいが、絶縁基体1に対する接合強度やメタライズ導体そのものの機械的強度を確保する上では、半径が500μm程度の円弧状よりも小さいものとすることが好ましい。また、接続パッド3との電気絶縁性の低下を防止する上では、接続パッド3の外縁から100μm以上間をあけて形成することが好ましい。
【0040】
なお、本発明は上述の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。
【0041】
【発明の効果】
本発明の配線基板によれば、絶縁基体の角部に、絶縁基体の側面の下端から上端にかけて形成した切欠きの内部に充填させたメタライズ導体を、絶縁基体の一方主面側の端面が絶縁基体の一方主面と同一面をなすようにして絶縁基体の側面に帯状に露出させ、その端面を補強用ダミーパッドとして形成したことにより、絶縁基体の外辺部に隣接する接続パッドにかかる、配線基板の絶縁基体と外部電気回路基板との熱膨張係数の差により発生する応力を効果的に緩和することができるため、一方主面に形成した接続パッドを外部回路基板の端子パッドに対して長期にわたって確実に電気的接続させておくことができ、高い電気的な接続信頼性を有する配線基板とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す平面図である。
【図2】本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す側面図である。
【図3】本発明の配線基板の実施の形態の他の例を示す側面図である。
【符号の説明】
1・・・絶縁基体
2・・・配線導体
3・・・接続パッド
4、4’・・・補強用ダミーパッド
5、5’・・・配線基板
Claims (3)
- セラミックスから成る四角形状の絶縁基体の内部に配線導体が形成され、前記絶縁基体の一方主面に前記配線導体と電気的に接続された多数の接続パッドが形成された配線基板において、前記絶縁基体の角部に、前記絶縁基体の側面の下端から上端にかけて形成された切欠きの内部に充填されたメタライズ導体が、前記絶縁基体の前記一方主面側の端面を前記一方主面と同一面をなすようにして前記絶縁基体の前記側面に帯状に露出して、前記端面を補強用ダミーパッドとして形成されていることを特徴とする配線基板。
- 前記切欠きは、前記絶縁基体の前記側面の下端から上端に向かって幅が狭くなっていることを特徴とする請求項1記載の配線基板。
- 前記切欠きは、前記絶縁基体の前記側面の下端から上端に向かって深さが浅くなっていることを特徴とする請求項1記載の配線基板。
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- 2003-02-21 JP JP2003044402A patent/JP2004288660A/ja active Pending
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