JP2004281466A - 部品内臓モジュールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】無機フィラーと熱硬化性樹脂とを含む混合物からなる電気絶縁性シートを用い、積層された電気絶縁性シート内部に能動部品や受動部品を埋設するキャビティを設け、導通品質の高い高密度で平滑な回路部品内蔵モジュールの製造方法を提供する。
【解決手段】電気絶縁シートとして半硬化状態の熱硬化性樹脂を含むシート(6a〜6f)を用い、電気絶縁性シート内部に部品(3)を配置する前に、部品(3)の形状に合わせたキャビティ(9)を形成し、キャビティ(9)に部品(3)を配置した後、加熱、加圧処理して半硬化状態のシートを硬化させるとともに、キャビティ(9)の隙間を埋める。
【選択図】図5
【解決手段】電気絶縁シートとして半硬化状態の熱硬化性樹脂を含むシート(6a〜6f)を用い、電気絶縁性シート内部に部品(3)を配置する前に、部品(3)の形状に合わせたキャビティ(9)を形成し、キャビティ(9)に部品(3)を配置した後、加熱、加圧処理して半硬化状態のシートを硬化させるとともに、キャビティ(9)の隙間を埋める。
【選択図】図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂と無機質フィラーの混合物により放熱性、熱膨張係数、誘電体特性を向上させ、且つ半導体チップなどの能動部品やチップコンデンサなどの受動部品を内蔵した高密度実装モジュールの製造方法に関するもので、特に半導体チップやチップコンデンサなどを内蔵するためのキャビティ加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の高性能化、小型化要求に伴い、半導体チップを実装したパッケージの高密度、高機能化が要求されており、ビルドアップ基板が多用されている。このように半導体チップなどの回路部品を3次元実装するため、樹脂と無機質フィラーの混合物からなる熱硬化型電気絶縁性シートにて高密度回路部品内蔵モジュール技術の開発が活発に行われている(下記特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−245359号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
回路部品内臓モジュールの例を図6A−B及び図7A−Cを用いて説明する。樹脂と無機質フィラーの混合物からなる熱硬化性電気絶縁性シート6a〜6f内に能動部品の半導体チップ及び/又は受動部品のチップコンデンサなどの部品3を埋設するためのキャビティ(空隙)が、それら埋設部品の形状に関係なく、キャビティ加工具7によりストレート状に打ち抜かれて形成される(以下「ストレート工法」という。)。回路基板にはフリップチップ実装された半導体チップや半田付け実装されたチップコンデンサなどのフィレット(封止材や半田しろ)3a、3bが、元々の半導体チップやチップコンデンサなどの形状より露出した状態で、且つ異形(主に三角柱)となって突出している。そのため、ストレート状に形成されている埋設用キャビティの形状に沿わない。又、多くは埋設品よりも少し大きめな形状のキャビティ形状に加工されているため、埋設品と電気絶縁シート間に隙間が生じる。その状態で電気絶縁性シートを熱硬化させると、樹脂が一次柔軟性を帯び流動する。そして、埋設部品との隙間を埋めようと樹脂が流動する。その際、キャビティ近傍にある、内蔵した能動部品や受動部品と複数の配線パターンと配線パターンを電気的に接合する導電性樹脂組成物からなるインナービア2a、2bが連鎖的に動き、インナービアの変位や倒れなどによりインナービアのストレート構造が損なわれ、導通コンタクトが取れなくなる恐れがある。その後、樹脂は硬化状態となる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の部品内蔵モジュールの製造方法は、無機質フィラー70〜95重量%と熱硬化性樹脂5〜30重量%とを含む混合物からなる電気絶縁性シートの少なくとも主面に形成された複数の配線パターンと、
前記電気絶縁性シート内部に配置され前記配線パターンに電気的に接続された部品と、
前記複数の配線パターンを電気的に接続するように前記電気絶縁性シート内に形成されたインナービアとを含む回路部品内蔵モジュールの製造方法であって、
前記電気絶縁シートとして半硬化状態の熱硬化性樹脂を含むシートを用い、前記電気絶縁性シート内部に前記部品を配置する前に、前記部品の形状に合わせたキャビティを形成し、
前記キャビティに前記部品を配置した後、加熱、加圧処理して前記半硬化状態のシートを硬化させるとともに、前記キャビティの隙間を埋めることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の電気絶縁性シートに用いる無機質フィラーはAl203、MgO、BN、AlN、SiO2から選ばれた少なくとも一種以上のものであり、前記熱硬化性樹脂組成物の主成分は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂及びシアネート樹脂から選ばれた少なくとも一つの樹脂が好ましい。
【0007】
更に前記無機質フィラーと前記未硬化状態の熱硬化性樹脂からなる複数枚のシート状物に貫通孔を形成し、前記貫通孔に導電性樹脂生成物を充填するインナービア形成工程と、前記熱硬化性樹脂組成物からなる複数枚のシート状物に能動部品の半導体チップ及び/又は受動部品のチップコンデンサなどを埋設するためのキャビティを加工する工程と、更に前記電気絶縁性シートの少なくとも主面に形成された複数の配線パターンと、前記電気絶縁性シート内部に配置され前記配線パターンに電気的に接続された回路部品と、前記インナービアに複数の配線パターンを電気的に接続する工程を含む回路部品内蔵モジュールの製造方法において、前記キャビティの形状は埋設する前記能動部品及び/又は受動部品などそれら回路基板にフリップチップ実装された半導体チップや半田付け実装されたチップコンデンサなどのフィレット(封止剤や半田しろ)を含む形状に合わせ、加工することにより前記電気絶縁性シートと前記能動部品及び/又は受動部品の間に隙間を生じることがなくなり、前記電気絶縁性シートを熱硬化させても前記電気絶縁性シートの樹脂の余分な部位への流動がなくなる。すなわち前記キャビティに近傍する前記インナービアの前記電気絶縁性シートの余分な部位への流動による連鎖流動がなくなり、前記インナービアの変位や倒れなどによるストレート構造が損なわれることなく、内蔵基板の導通品質が向上する。
【0008】
又、前記構成においては、前記能動部品及び/又は受動部品を埋設させる工程が、前記熱硬化性樹脂の硬化開始温度以下の温度で加熱加圧することが望ましい。
【0009】
熱硬化性樹脂の硬化温度以下で加熱加圧して埋設することで、充分な埋設とモジュールとしての平滑度が確保できる。更に充分な埋設が完了してから硬化に充分な温度以上で処理することで、配線パターン及び埋設部品との密着性が確保できる。
【0010】
以下に、本発明の一実施形態について、能動部品の半導体チップ及び/又は受動部品のチップコンデンサなどを埋設するキャビティ加工する工程を図面に基づき説明する。但し、これに限定されるものではない。
【0011】
図1は、本発明の一実施例による回路部品内蔵モジュールの一部断面切り欠き斜視図である。図1において、1は配線パターンで多層配線構造を有している。2はその層間の配線パタ−ン1を電気的に接続する導電性組成物が充填されたインナービアである。無機質フィラーと熱硬化性樹脂の複合された電気絶縁性シート(コンポジット材料)6には、能動部品である半導体チップ3が埋設一体化されている。4はその半導体チップ3と配線パターン1を電気的に接続している接続部であり、5は受動部品であるチップコンデンサなどである。
【0012】
(実施の形態1)
図2A−C及び図3A−Cは、本発明の一実施形態における回路部品内蔵モジュールの製造方法を示す断面図である。図2Aに示すように、ストレート工法で加工するための加工具7及び加工法を用い、電気絶縁性シート6を個別(1枚毎)にキャビティ加工を行う。その際に、加工形状、寸法は図3B−Cの埋設する半導体チップやチップコンデンサ等の部品3の形状及びそれら周辺に突出しているフィレット3a、3bの形状に即した形状に形成する。例えば半導体チップと外周フィレットを含めた3次元形状を、予め図2Aの加工するための加工具7及び加工法に情報として与え、それぞれ加工する。又それら加工後、個別シートの位置合わせを行い、前記電気絶縁性シートの硬化開始温度以下の温度で加熱加圧し、半硬化状態で積層させた時に半導体チップやチップコンデンサ3などの形状及びそれら周辺に突出しているフィレット3a、3bの形状に即した隙間の殆どない形状に合致させる。更に後処理で電気絶縁性シート6a〜6fを硬化開始温度以上で加熱加圧して硬化させると、前記電気絶縁性シートの余分な部位への樹脂の熱流動がないため、近傍のインナービア2a、2bのストレート構造が損なわれることなく硬化できる。
【0013】
上記構成においてキャビティ加工は、パンチング、レーザー、ドリル、金型及びフォトリソグラフィから選ばれる少なくとも一つの加工によって行うことが好ましい。
【0014】
上記構成においてのキャビティ部位(前記能動部品及び/又は受動部品に即した形状)の形状認識方法は、カメラ認識、レーザー認識、接触型段差測定、非接触型段差測定などから選ばれる少なくとも一つの認識測定によって認識させることが好ましい。
【0015】
上記構成においての電気絶縁性シート(熱硬化性樹脂主成分)は、無機質フィラー70〜95重量%のAl203、MgO、BN、AlN、SiO2から選ばれた少なくとも一種以上のものであり、熱硬化性樹脂5〜30重量%のエポキシ樹脂、フェノール樹脂及びシアネート樹脂から選ばれた少なくとも一つの樹脂を含む混合物からなる電気絶縁性シートである。
【0016】
上記において、電気絶縁性シートの硬化開始温度以下で加熱加圧する温度は、25〜120℃であることが好ましく、圧力は1〜10Kg/cm2であることが好ましい。処理時間は30〜240秒間が好ましい。
【0017】
上記において、電気絶縁性シートの硬化開始温度以上で加熱加圧する温度は、130〜250℃であることが好ましく、圧力は1〜40Kg/cm2であることが好ましい。処理時間は30〜180分間が好ましい。
【0018】
(実施の形態2)
図4A−B及び図5A−Cは、本発明の実施形態2における回路部品内蔵モジュールの製造方法を示す断面図である。図5Cに示す埋設する半導体チップやチップコンデンサなどの部品3の形状及びそれら周辺に突出しているフィレット3a、3bの形状に即した形状の加工具8(図4A)を用いてキャビティ9を形成する。図4Aでは、先端が細く根元が太くなったパンチング、ドリルまたは金型加工具を示す。それら加工具を用いた加工法により電気絶縁性シート6の硬化開始温度以下の温度で加熱加圧し半硬化状態で積層させた電気絶縁性シートをキャビティ加工行い、半導体チップやチップコンデンサなどの部品3の形状及びそれら周辺に突出しているフィレット3a、3bの形状に即した隙間のない形状を得ることができる。更に後処理で電気絶縁性シート6a〜6fを硬化開始温度以上で加熱加圧硬化させると、電気絶縁性シートの余分な部位への樹脂の熱流動がないため近傍のインナービア2a、2bのストレート構造が損なわれることなく硬化させることができる。
【0019】
上記においての電気絶縁性シートの硬化開始温度以下で加熱加圧半硬化の温
度とは、25〜120℃であることが好ましく、圧力は1〜10Kg/cm2であることが好ましい。
【0020】
上記においてキャビティは、パンチング、レーザー、ドリル、金型及びフォトリソグラフィから選ばれる少なくとも一つの加工によって形成される。
【0021】
上記において先端が細く根元が太くなったパンチング及び金型でのキャビティ加工は、先端部の細くなった部位のみ電気絶縁性シート6a〜6fが切除され、根元の太くなった部位はその形状を電気絶縁性シートに形成される。
【0022】
上記においてキャビティ部位(前記能動部品及び/又は受動部品に即した形状)の形状認識方法は、カメラ認識、レーザー認識、接触型段差測定、非接触型段差測定などから選ばれる少なくとも一つの認識測定によって認識される。
【0023】
上記において電気絶縁性シート(熱硬化性樹脂主成分)は、無機質フィラー70〜95重量%のAl203、MgO、BN、AlN、SiO2から選ばれた少なくとも一種以上のものであり、熱硬化性樹脂5〜30重量%のエホキシ樹脂、フェノール樹脂及びシアネート樹脂から選ばれた少なくとも一つの樹脂を含む混合物からなる電気絶縁性シートである。
【0024】
上記において電気絶縁性シートの硬化開始温度以下で加熱加圧半硬化の温度は、25〜120℃であることが好ましく、圧力は1〜10Kg/cm2であることが好ましい。
【0025】
上記において電気絶縁性シートの硬化開始温度以上で加熱加圧硬化の温度は、130〜250℃であることが好ましく、圧力は1〜40Kg/cm2であることが好ましい。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の回路部品内蔵モジュールの製造方法によれば、電気絶縁性シート(熱硬化性樹脂)に能動部品の半導体チップ及び/又は受動部品のチップコンデンサなどを内部に埋設するためのキャビティ(空隙)を、能動部品及び/又は受動部品とそれら回路基板にフリップチップ実装された半導体チップや半田付け実装されたチップコンデンサなどのフィレット(封止材や半田しろ)を含む歪な形状に合わせてキャビティ加工することで、埋設部品とキャビティ間に隙間を発生させることがなくなる。更に、電気絶縁性シートを加熱加圧硬化する時に生じる電気絶縁性シートの余分な部位への熱流動がなくなり、それによりキャビティ近傍の電気絶縁性シートの少なくとも主面に形成された複数の配線パターンと、電気絶縁性シート内部に配置された配線パターンを電気的に接続する導電性組成物が充填されたインナビアのストレート構造が損なわれることなく硬化され、導通品質が向上しより高密度で平滑なモジュールを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による回路部品内蔵モジュールの一部断面切り欠き斜視図である。
【図2】本発明の一実施例による回路部品内蔵モジュールのキャビティ形成工程図であり、Aは加工具及び加工法と個別(1枚)電気絶縁性シート、Bは個別加工された電気絶縁性シート、Cは個別加工された電気絶縁性シートを積層した断面図である。
【図3】本発明の一実施例による回路部品内蔵モジュールのキャビティ形成工程図であり、Aは積層された電気絶縁性シートにインナービア形成した断面図、Bは回路部品を内蔵した断面図、Cは熱硬化した後の断面図である。
【図4】本発明の一実施例による回路部品内蔵モジュールのキャビティ形成工程図であり、Aは加工具及び加工法と積層された電気絶縁性シートの断面図、Bは加工された積層電気絶縁性シートの断面図である。
【図5】本発明の一実施例による回路部品内蔵モジュールのキャビティ形成工程図であり、Aは積層電気絶縁性シートにインナービアを形成した断面図、BはAを上下逆転させた断面図、CはBに回路部品を内蔵し熱硬化させた後の断面図である。
【図6】従来の一実施例による回路部品内蔵モジュールのキャビティ形成工程断面図であり、Aは加工具及び加工法と積層された電気絶縁性シートの断面図、Bは加工された積層電気絶縁性シートの断面図である。
【図7】従来の一実施例による回路部品内蔵モジュールのキャビティ形成工程図であり、Aは積層電気絶縁性シートにインナービアを形成した断面図、BはAに回路部品を内蔵した断面図、CはBを熱硬化させた断面図である。
【符号の説明】
1a〜1d 配線パターン
2a,2b 導電性樹脂組成物(インナービア)
3 内蔵した半導体又は部品
3a,3b 封止剤又は半田しろ
4 導電性接着剤
5 チップ部品
6a〜6f 無機質フィラーと熱硬化性樹脂の混合物絶縁層
7,8 キャビティ加工具
9,9a,9b,9c キャビティ
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂と無機質フィラーの混合物により放熱性、熱膨張係数、誘電体特性を向上させ、且つ半導体チップなどの能動部品やチップコンデンサなどの受動部品を内蔵した高密度実装モジュールの製造方法に関するもので、特に半導体チップやチップコンデンサなどを内蔵するためのキャビティ加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の高性能化、小型化要求に伴い、半導体チップを実装したパッケージの高密度、高機能化が要求されており、ビルドアップ基板が多用されている。このように半導体チップなどの回路部品を3次元実装するため、樹脂と無機質フィラーの混合物からなる熱硬化型電気絶縁性シートにて高密度回路部品内蔵モジュール技術の開発が活発に行われている(下記特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−245359号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
回路部品内臓モジュールの例を図6A−B及び図7A−Cを用いて説明する。樹脂と無機質フィラーの混合物からなる熱硬化性電気絶縁性シート6a〜6f内に能動部品の半導体チップ及び/又は受動部品のチップコンデンサなどの部品3を埋設するためのキャビティ(空隙)が、それら埋設部品の形状に関係なく、キャビティ加工具7によりストレート状に打ち抜かれて形成される(以下「ストレート工法」という。)。回路基板にはフリップチップ実装された半導体チップや半田付け実装されたチップコンデンサなどのフィレット(封止材や半田しろ)3a、3bが、元々の半導体チップやチップコンデンサなどの形状より露出した状態で、且つ異形(主に三角柱)となって突出している。そのため、ストレート状に形成されている埋設用キャビティの形状に沿わない。又、多くは埋設品よりも少し大きめな形状のキャビティ形状に加工されているため、埋設品と電気絶縁シート間に隙間が生じる。その状態で電気絶縁性シートを熱硬化させると、樹脂が一次柔軟性を帯び流動する。そして、埋設部品との隙間を埋めようと樹脂が流動する。その際、キャビティ近傍にある、内蔵した能動部品や受動部品と複数の配線パターンと配線パターンを電気的に接合する導電性樹脂組成物からなるインナービア2a、2bが連鎖的に動き、インナービアの変位や倒れなどによりインナービアのストレート構造が損なわれ、導通コンタクトが取れなくなる恐れがある。その後、樹脂は硬化状態となる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の部品内蔵モジュールの製造方法は、無機質フィラー70〜95重量%と熱硬化性樹脂5〜30重量%とを含む混合物からなる電気絶縁性シートの少なくとも主面に形成された複数の配線パターンと、
前記電気絶縁性シート内部に配置され前記配線パターンに電気的に接続された部品と、
前記複数の配線パターンを電気的に接続するように前記電気絶縁性シート内に形成されたインナービアとを含む回路部品内蔵モジュールの製造方法であって、
前記電気絶縁シートとして半硬化状態の熱硬化性樹脂を含むシートを用い、前記電気絶縁性シート内部に前記部品を配置する前に、前記部品の形状に合わせたキャビティを形成し、
前記キャビティに前記部品を配置した後、加熱、加圧処理して前記半硬化状態のシートを硬化させるとともに、前記キャビティの隙間を埋めることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の電気絶縁性シートに用いる無機質フィラーはAl203、MgO、BN、AlN、SiO2から選ばれた少なくとも一種以上のものであり、前記熱硬化性樹脂組成物の主成分は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂及びシアネート樹脂から選ばれた少なくとも一つの樹脂が好ましい。
【0007】
更に前記無機質フィラーと前記未硬化状態の熱硬化性樹脂からなる複数枚のシート状物に貫通孔を形成し、前記貫通孔に導電性樹脂生成物を充填するインナービア形成工程と、前記熱硬化性樹脂組成物からなる複数枚のシート状物に能動部品の半導体チップ及び/又は受動部品のチップコンデンサなどを埋設するためのキャビティを加工する工程と、更に前記電気絶縁性シートの少なくとも主面に形成された複数の配線パターンと、前記電気絶縁性シート内部に配置され前記配線パターンに電気的に接続された回路部品と、前記インナービアに複数の配線パターンを電気的に接続する工程を含む回路部品内蔵モジュールの製造方法において、前記キャビティの形状は埋設する前記能動部品及び/又は受動部品などそれら回路基板にフリップチップ実装された半導体チップや半田付け実装されたチップコンデンサなどのフィレット(封止剤や半田しろ)を含む形状に合わせ、加工することにより前記電気絶縁性シートと前記能動部品及び/又は受動部品の間に隙間を生じることがなくなり、前記電気絶縁性シートを熱硬化させても前記電気絶縁性シートの樹脂の余分な部位への流動がなくなる。すなわち前記キャビティに近傍する前記インナービアの前記電気絶縁性シートの余分な部位への流動による連鎖流動がなくなり、前記インナービアの変位や倒れなどによるストレート構造が損なわれることなく、内蔵基板の導通品質が向上する。
【0008】
又、前記構成においては、前記能動部品及び/又は受動部品を埋設させる工程が、前記熱硬化性樹脂の硬化開始温度以下の温度で加熱加圧することが望ましい。
【0009】
熱硬化性樹脂の硬化温度以下で加熱加圧して埋設することで、充分な埋設とモジュールとしての平滑度が確保できる。更に充分な埋設が完了してから硬化に充分な温度以上で処理することで、配線パターン及び埋設部品との密着性が確保できる。
【0010】
以下に、本発明の一実施形態について、能動部品の半導体チップ及び/又は受動部品のチップコンデンサなどを埋設するキャビティ加工する工程を図面に基づき説明する。但し、これに限定されるものではない。
【0011】
図1は、本発明の一実施例による回路部品内蔵モジュールの一部断面切り欠き斜視図である。図1において、1は配線パターンで多層配線構造を有している。2はその層間の配線パタ−ン1を電気的に接続する導電性組成物が充填されたインナービアである。無機質フィラーと熱硬化性樹脂の複合された電気絶縁性シート(コンポジット材料)6には、能動部品である半導体チップ3が埋設一体化されている。4はその半導体チップ3と配線パターン1を電気的に接続している接続部であり、5は受動部品であるチップコンデンサなどである。
【0012】
(実施の形態1)
図2A−C及び図3A−Cは、本発明の一実施形態における回路部品内蔵モジュールの製造方法を示す断面図である。図2Aに示すように、ストレート工法で加工するための加工具7及び加工法を用い、電気絶縁性シート6を個別(1枚毎)にキャビティ加工を行う。その際に、加工形状、寸法は図3B−Cの埋設する半導体チップやチップコンデンサ等の部品3の形状及びそれら周辺に突出しているフィレット3a、3bの形状に即した形状に形成する。例えば半導体チップと外周フィレットを含めた3次元形状を、予め図2Aの加工するための加工具7及び加工法に情報として与え、それぞれ加工する。又それら加工後、個別シートの位置合わせを行い、前記電気絶縁性シートの硬化開始温度以下の温度で加熱加圧し、半硬化状態で積層させた時に半導体チップやチップコンデンサ3などの形状及びそれら周辺に突出しているフィレット3a、3bの形状に即した隙間の殆どない形状に合致させる。更に後処理で電気絶縁性シート6a〜6fを硬化開始温度以上で加熱加圧して硬化させると、前記電気絶縁性シートの余分な部位への樹脂の熱流動がないため、近傍のインナービア2a、2bのストレート構造が損なわれることなく硬化できる。
【0013】
上記構成においてキャビティ加工は、パンチング、レーザー、ドリル、金型及びフォトリソグラフィから選ばれる少なくとも一つの加工によって行うことが好ましい。
【0014】
上記構成においてのキャビティ部位(前記能動部品及び/又は受動部品に即した形状)の形状認識方法は、カメラ認識、レーザー認識、接触型段差測定、非接触型段差測定などから選ばれる少なくとも一つの認識測定によって認識させることが好ましい。
【0015】
上記構成においての電気絶縁性シート(熱硬化性樹脂主成分)は、無機質フィラー70〜95重量%のAl203、MgO、BN、AlN、SiO2から選ばれた少なくとも一種以上のものであり、熱硬化性樹脂5〜30重量%のエポキシ樹脂、フェノール樹脂及びシアネート樹脂から選ばれた少なくとも一つの樹脂を含む混合物からなる電気絶縁性シートである。
【0016】
上記において、電気絶縁性シートの硬化開始温度以下で加熱加圧する温度は、25〜120℃であることが好ましく、圧力は1〜10Kg/cm2であることが好ましい。処理時間は30〜240秒間が好ましい。
【0017】
上記において、電気絶縁性シートの硬化開始温度以上で加熱加圧する温度は、130〜250℃であることが好ましく、圧力は1〜40Kg/cm2であることが好ましい。処理時間は30〜180分間が好ましい。
【0018】
(実施の形態2)
図4A−B及び図5A−Cは、本発明の実施形態2における回路部品内蔵モジュールの製造方法を示す断面図である。図5Cに示す埋設する半導体チップやチップコンデンサなどの部品3の形状及びそれら周辺に突出しているフィレット3a、3bの形状に即した形状の加工具8(図4A)を用いてキャビティ9を形成する。図4Aでは、先端が細く根元が太くなったパンチング、ドリルまたは金型加工具を示す。それら加工具を用いた加工法により電気絶縁性シート6の硬化開始温度以下の温度で加熱加圧し半硬化状態で積層させた電気絶縁性シートをキャビティ加工行い、半導体チップやチップコンデンサなどの部品3の形状及びそれら周辺に突出しているフィレット3a、3bの形状に即した隙間のない形状を得ることができる。更に後処理で電気絶縁性シート6a〜6fを硬化開始温度以上で加熱加圧硬化させると、電気絶縁性シートの余分な部位への樹脂の熱流動がないため近傍のインナービア2a、2bのストレート構造が損なわれることなく硬化させることができる。
【0019】
上記においての電気絶縁性シートの硬化開始温度以下で加熱加圧半硬化の温
度とは、25〜120℃であることが好ましく、圧力は1〜10Kg/cm2であることが好ましい。
【0020】
上記においてキャビティは、パンチング、レーザー、ドリル、金型及びフォトリソグラフィから選ばれる少なくとも一つの加工によって形成される。
【0021】
上記において先端が細く根元が太くなったパンチング及び金型でのキャビティ加工は、先端部の細くなった部位のみ電気絶縁性シート6a〜6fが切除され、根元の太くなった部位はその形状を電気絶縁性シートに形成される。
【0022】
上記においてキャビティ部位(前記能動部品及び/又は受動部品に即した形状)の形状認識方法は、カメラ認識、レーザー認識、接触型段差測定、非接触型段差測定などから選ばれる少なくとも一つの認識測定によって認識される。
【0023】
上記において電気絶縁性シート(熱硬化性樹脂主成分)は、無機質フィラー70〜95重量%のAl203、MgO、BN、AlN、SiO2から選ばれた少なくとも一種以上のものであり、熱硬化性樹脂5〜30重量%のエホキシ樹脂、フェノール樹脂及びシアネート樹脂から選ばれた少なくとも一つの樹脂を含む混合物からなる電気絶縁性シートである。
【0024】
上記において電気絶縁性シートの硬化開始温度以下で加熱加圧半硬化の温度は、25〜120℃であることが好ましく、圧力は1〜10Kg/cm2であることが好ましい。
【0025】
上記において電気絶縁性シートの硬化開始温度以上で加熱加圧硬化の温度は、130〜250℃であることが好ましく、圧力は1〜40Kg/cm2であることが好ましい。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の回路部品内蔵モジュールの製造方法によれば、電気絶縁性シート(熱硬化性樹脂)に能動部品の半導体チップ及び/又は受動部品のチップコンデンサなどを内部に埋設するためのキャビティ(空隙)を、能動部品及び/又は受動部品とそれら回路基板にフリップチップ実装された半導体チップや半田付け実装されたチップコンデンサなどのフィレット(封止材や半田しろ)を含む歪な形状に合わせてキャビティ加工することで、埋設部品とキャビティ間に隙間を発生させることがなくなる。更に、電気絶縁性シートを加熱加圧硬化する時に生じる電気絶縁性シートの余分な部位への熱流動がなくなり、それによりキャビティ近傍の電気絶縁性シートの少なくとも主面に形成された複数の配線パターンと、電気絶縁性シート内部に配置された配線パターンを電気的に接続する導電性組成物が充填されたインナビアのストレート構造が損なわれることなく硬化され、導通品質が向上しより高密度で平滑なモジュールを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による回路部品内蔵モジュールの一部断面切り欠き斜視図である。
【図2】本発明の一実施例による回路部品内蔵モジュールのキャビティ形成工程図であり、Aは加工具及び加工法と個別(1枚)電気絶縁性シート、Bは個別加工された電気絶縁性シート、Cは個別加工された電気絶縁性シートを積層した断面図である。
【図3】本発明の一実施例による回路部品内蔵モジュールのキャビティ形成工程図であり、Aは積層された電気絶縁性シートにインナービア形成した断面図、Bは回路部品を内蔵した断面図、Cは熱硬化した後の断面図である。
【図4】本発明の一実施例による回路部品内蔵モジュールのキャビティ形成工程図であり、Aは加工具及び加工法と積層された電気絶縁性シートの断面図、Bは加工された積層電気絶縁性シートの断面図である。
【図5】本発明の一実施例による回路部品内蔵モジュールのキャビティ形成工程図であり、Aは積層電気絶縁性シートにインナービアを形成した断面図、BはAを上下逆転させた断面図、CはBに回路部品を内蔵し熱硬化させた後の断面図である。
【図6】従来の一実施例による回路部品内蔵モジュールのキャビティ形成工程断面図であり、Aは加工具及び加工法と積層された電気絶縁性シートの断面図、Bは加工された積層電気絶縁性シートの断面図である。
【図7】従来の一実施例による回路部品内蔵モジュールのキャビティ形成工程図であり、Aは積層電気絶縁性シートにインナービアを形成した断面図、BはAに回路部品を内蔵した断面図、CはBを熱硬化させた断面図である。
【符号の説明】
1a〜1d 配線パターン
2a,2b 導電性樹脂組成物(インナービア)
3 内蔵した半導体又は部品
3a,3b 封止剤又は半田しろ
4 導電性接着剤
5 チップ部品
6a〜6f 無機質フィラーと熱硬化性樹脂の混合物絶縁層
7,8 キャビティ加工具
9,9a,9b,9c キャビティ
Claims (4)
- 無機質フィラー70〜95重量%と熱硬化性樹脂5〜30重量%とを含む混合物からなる電気絶縁性シートの少なくとも主面に形成された複数の配線パターンと、
前記電気絶縁性シート内部に配置され前記配線パターンに電気的に接続された部品と、
前記複数の配線パターンを電気的に接続するように前記電気絶縁性シート内に形成されたインナービアとを含む回路部品内蔵モジュールの製造方法であって、
前記電気絶縁シートとして半硬化状態の熱硬化性樹脂を含むシートを用い、前記電気絶縁性シート内部に前記部品を配置する前に、前記部品の形状に合わせたキャビティを形成し、
前記キャビティに前記部品を配置した後、加熱、加圧処理して前記半硬化状態のシートを硬化させるとともに、前記キャビティの隙間を埋めることを特徴とする回路部品内蔵モジュールの製造方法。 - 前記キャビティを形成するに際し、前記回路部品の形状に合わせた加工具を使用する請求項1に記載の回路部品内蔵モジュールの製造方法。
- 前記電気絶縁性シートが複数枚からなり、前記回路部品形状に合うように個々に穴を開け、積層一体化することでキャビティを形成する請求項1または2に記載の回路部品内蔵モジュールの製造方法。
- 前記キャビティを開ける加工が、パンチング、レーザー、ドリル、金型及びフォトリソグラフィから選ばれる少なくとも一つの加工方法である請求項1〜3のいずれかに記載の回路部品内蔵モジュールの製造方法。
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---|---|---|---|
JP2003067155A JP2004281466A (ja) | 2003-03-12 | 2003-03-12 | 部品内臓モジュールの製造方法 |
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JP2007150186A (ja) * | 2005-11-30 | 2007-06-14 | Tdk Corp | 薄膜電子部品用電極、薄膜電子部品及びその製造方法 |
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2003
- 2003-03-12 JP JP2003067155A patent/JP2004281466A/ja not_active Withdrawn
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