JP2004281290A - 燃料電池用セパレータおよび燃料電池 - Google Patents

燃料電池用セパレータおよび燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】簡便な構造によりスタックセル型燃料電池の気密性を向上させるとともに、生成水による流路の詰まりを防止することによって、装置の小型化・安定化を実現することが可能な燃料電池用セパレータおよびこれを用いた燃料電池を提供する。
【解決手段】セパレータ本体に、燃料ガスの供給孔及び排出孔を形成し、燃料ガス流路が供給孔と引き込み口を介して接続され、該セパレータを積層する際にセパレータ間に挟持される気密部材の変形を防止して、引き込み口の流路断面積を確保する気密部材支持部を形成する。気密部材支持部によってセパレータ間に挟持される気密部材の変形を防止することで、気密部材とセパレータとの密着性を向上させ、引き込み口で変形した気密部材から燃料ガスが漏洩する可能性を低減することができる。また、気密部材保持部に撥水性材料を用いることによって、引き込み口、吐き出し口における水の滞留を防止することができる。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料ガス流路が形成された燃料電池用セパレータに関するものであり、さらには、これを用いた燃料電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、例えば水素ガス(燃料ガス)と空気に含まれる酸素(酸化剤ガス)を電気化学的に反応させることにより発電を行う発電素子である。燃料電池は、発電により生成される生成物が水であることから環境を汚染することがない発電素子として近年注目されており、例えば自動車を駆動するための駆動電源として使用する試みが行われている。
【0003】
さらに、上述の自動車駆動用の駆動電源に止まらず、例えばノート型パソコン、携帯電話及びPDAなどの携帯型電子機器の駆動電源としての燃料電池の開発も活発に行われている。このような燃料電池においては、所要の電力を安定して出力できるとともに、携帯可能なサイズ及び重量とされることが重要となり、このような要求に対応するべく各種技術開発が盛んに行われている。
【0004】
燃料電池は、電解質の違い等により様々なタイプのものに分類されるが、代表的なものに、電解質に固体高分子電解質を用いた燃料電池が知られている。固体高分子電解質型燃料電池は、低コスト化が可能で、小型化、軽量化も容易であり、電池性能の点でも高い出力密度を有することから、例えば上記の用途に有望である。また、複数の接合体とセパレータを交互に積層することにより構成するスタックセル型の燃料電池も提案されている。
【0005】
ところで、上述の如きスタックセル型の燃料電池では、セパレータには接合体に対して燃料ガスを供給するための燃料流路が形成されており、接合体とセパレータとの間に気密を保持するためのガスケットを挟持して、燃料電池内部からの燃料ガスの漏洩を防止する構造がとられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したスタックセル型の燃料電池においては、セパレータに形成されている燃料流路の形状によっては、ガスケットと燃料流路が重なり合うことがある。図9はセパレータ120に形成された燃料流路121の一部にガスケット122が重なりあった状態を示す部分拡大断面図である。図9に示すように、セパレータ120を積層しても燃料流路121部分ではガスケット122は燃料流路121の溝部分で凸形状に変形してしまい、ガスケット122と燃料極123との間に間隙124が生じていた。
【0007】
この間隙124がガスケット122と燃料極123との間に生じていることにより燃料ガスが酸化剤極に漏洩する可能性が高くなってしまう。このため、セパレータ120間に挟持しているガスケット122とセパレータ120との密着性が保てず、燃料電池の気密性を保つためにさらに気密を保持するための手段等が必要となり、装置構成が複雑なものとなる。装置構成の複雑化は、装置の小型化においても妨げになる。
【0008】
また、燃料流路121に燃料を供給するための引き込み口や、燃料流路121から燃料を排出するための吐き出し口は、燃料が流れている他の流路部分よりも断面積が小さいため、水分が滞留して閉塞し易い。これらの引き込み口や吐き出し口部分が詰まると、スタックセル構造の一層に相当するセルに対して燃料ガスの供給が不足して、燃料電池全体の発電効率が大幅に悪化してしまう。
【0009】
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、簡便な構造によりスタックセル型燃料電池の気密性を向上させることができ、装置の小型化を実現することが可能であり、また、燃料の流路に水分が滞留しにくく、発電体への燃料の供給を円滑に行うことができる燃料電池用セパレータおよびこれを用いた燃料電池を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本願発明の燃料電池用セパレータは、セパレータ本体に燃料ガスの供給孔を有するとともに、前記供給孔と引き込み口を介して接続される燃料ガス流路を有し、該セパレータの前記引き込み口が形成された面に当接される気密部材の変形を防止して、前記引き込み口の流路断面積を確保する気密部材支持部が前記引き込み口に形成されていることを特徴とする。
【0011】
気密部材支持部によって気密部材の変形を防止することにより、気密部材とセパレータとの密着性が引き込み口で悪化することを防止することができ、引き込み口で変形した気密部材から燃料ガスが漏洩する可能性を低減することができるため、当該セパレータを用いた燃料電池にさらに気密を確保するための部材を付加する必要がなくなり、製造コストの低減を図ることが可能となる。
【0012】
また、気密部材支持部をチューブ状部材を引き込み口に埋設することにより形成し、チューブ状部材を撥水性の材質により形成して、その外径を引き込み口の高さよりも大きいものとすることにより、気密部材支持部を簡便に形成して効果的に気密部材の変形を防止することが可能となる。撥水性の材質によりチューブ状部材を形成することで、引き込み口に水分が滞留することを防止することも可能であり、当該セパレータを用いた燃料電池での発電効率を向上させることが可能となる。
【0013】
また気密部材支持部を、平板状の部材を引き込み口上に覆設することにより形成し、引き込み口の内壁に撥水処理を施すことによっても、気密部材支持部を簡便に形成して効果的に気密部材の変形を防止することが可能となる。撥水性の材質によりチューブ状部材を形成することで、引き込み口に水分が滞留することを防止することも可能であり、当該セパレータを用いた燃料電池での発電効率を向上させることが可能となる。
【0014】
さらに、吐き出し口を介して燃料ガスの排出孔と燃料ガス流路が接続され、該セパレータの吐き出し口が形成された面に当接される気密部材の変形を防止して、吐き出し口の流路断面積を確保する第二の気密部材支持部が吐き出し口に形成することで、吐き出し口側においても気密部材とセパレータとの密着性が吐き出し口で悪化することを防止することができ、吐き出し口で変形した気密部材から燃料ガスが漏洩する可能性を低減することができるため、当該セパレータを用いた燃料電池にさらに気密を確保するための部材を付加する必要がなくなり、製造コストの低減を図ることが可能となる。
【0015】
また、上記課題を解決するために本願発明の燃料電池用セパレータは、セパレータ本体に燃料ガスの供給孔を有するとともに、前記供給孔と引き込み口を介して接続される燃料ガス流路を有し、前記引き込み口に水分の滞留を防止する撥水部が形成されていることを特徴とする。
【0016】
引き込み口に水分の滞留を防止する撥水部を形成することにより、当該セパレータを用いた燃料電池では、引き込み口に水分が溜まって燃料ガスの供給が困難になる不具合を防止することが可能となり、発電効率を向上させることが可能となる。
【0017】
撥水部は、撥水性のチューブ状部材を引き込み口に埋設することにより形成され、チューブ状部材は、外径が前記引き込み口の高さよりも大きいものとされてもよい。また撥水部は、引き込み口の内壁に撥水処理を施すことにより形成されてもよい。さらに、吐き出し口を介して燃料ガスの排出孔と燃料ガス流路が接続され、吐き出し口に水分の滞留を防止する第二の撥水部を形成することで、吐き出し口側でも水分が溜まって燃料ガスの排出が困難になる不具合を防止することが可能となり、発電効率を向上させることが可能となる。
【0018】
また、上記課題を解決するために本願発明の燃料電池は、イオン伝導性を有するイオン伝導体と当該イオン伝導体を挟んで対峙する電極とを備える接合体と、前記接合体を挟装するセパレータとを有するとともに、これら接合体とセパレータとが積層されたスタック構造を有し、前記セパレータは、燃料ガスの供給孔を有するとともに、前記供給孔と引き込み口を介して接続される燃料ガス流路を有し、前記セパレータの前記引き込み口が形成された面と、前記接合体の燃料極との間に燃料ガスの漏洩を防止する気密部材が挟持され、前記引き込み口における前記気密部材の変形を防止して前記引き込み口の流路断面積を確保する気密部材支持部が前記引き込み口に形成されていることを特徴とする。
【0019】
気密部材支持部によってセパレータ間に挟持される気密部材の変形を防止することにより、気密部材とセパレータとの密着性が引き込み口で悪化することを防止することができ、引き込み口で変形した気密部材から燃料ガスが漏洩する可能性を低減することができるため、燃料電池にさらに気密を確保するための部材を付加する必要がなくなり、製造コストの低減を図ることが可能となる。
【0020】
また、上記課題を解決するために本願発明の燃料電池は、イオン伝導性を有するイオン伝導体と当該イオン伝導体を挟んで対峙する電極とを備える接合体と、前記接合体を挟装するセパレータとを有するとともに、これら接合体とセパレータとが積層されたスタック構造を有し、前記セパレータは、燃料ガスの供給孔及び排出孔を有するとともに、前記供給孔と引き込み口を介して接続される燃料ガス流路を有し、前記セパレータの前記引き込み口が形成された面と、前記接合体の燃料極との間に燃料ガスの漏洩を防止する気密部材が挟持され、前記引き込み口に水分の滞留を防止する撥水部が形成されていることを特徴とする。
【0021】
引き込み口に水分の滞留を防止する撥水部を形成することにより、当該セパレータを用いた燃料電池では、引き込み口に水分が溜まって燃料ガスの供給が困難になる不具合を防止することが可能となり、発電効率を向上させることが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
[第一の実施の形態]
以下、本願発明を適用した燃料電池用セパレータおよびそれを用いた燃料電池について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお本願発明は、以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0023】
図1は、燃料電池の発電部分を分解して示すものである。燃料電池はスタック構造を有し、このスタック構造は、固体高分子電解質膜からなる電解質膜1と、この電解質膜1を挟持するように電解質膜の両面に配設される二つの燃料極2と酸化剤極3と、セル間の隔壁となるセパレータ4と、燃料極2とセパレータ4との間で気密を確保するガスケット11を積層することにより構成される。
【0024】
ここで、電解質膜1には、高エネルギー密度化、低コスト化、軽量化等の要求を考慮して、例えば固体高分子電解質膜が用いられる。固体高分子電解質膜としては、例えばパーフルオロスルホン酸系の固体高分子電解質膜を用いることができる。また、燃料極2および酸化剤極3には、例えば発電反応を促進するための触媒が担持された電極が用いられる。
【0025】
電解質膜1は、燃料極2と酸化剤極3により挟み込まれ、これら電解質膜1と燃料極2,酸化剤極3とからなる接合体を2枚のセパレータ4で挟み込むことにより発電セル(単位素子)が構成される。
【0026】
燃料極2には、燃料である水素が供給され、供給された水素が水素イオンと電子とに解離され、水素イオンは電解質を通り、電子は外部回路を通って電力を発生させ、酸化剤極3にそれぞれ移動する。酸化剤極3には、酸化剤である酸素(空気)が供給され、供給された空気中の酸素と上記水素イオン及び電子が反応して水が生成する。
【0027】
セパレータ4は、基本的には各接合体間の隔壁としての機能を有するものであるが、その他、集電体としての機能、燃料ガスの流路、空気の流路としての機能も有する。したがって、これらのガスを透過しない緻密な材料により形成されている。
【0028】
セパレータ4の燃料極2,酸化剤極3と接する面には、それぞれ燃料である水素を流すための燃料ガス流路5、及び空気を流すための空気流路10が形成されている。燃料ガス流路5は、いわゆるミアンダ状に蛇行形成される溝部からなり、この燃料ガス流路5に水素ガスを供給することで、各接合体の燃料極2のほぼ全面に水素ガスが供給されることになる。
【0029】
空気流路10は、セパレータ4の酸化剤極3(空気極)と接する面に多数のリブを所定の間隔で形成することにより、これらリブ間の溝部として形成されている。したがって、空気流路10は、平行する複数本の流路からなり、セパレータ4の一方の長辺側からこれら流路に空気が送り込まれ、セパレータ4の反対側の長辺側から排出される。この空気流路10に酸素を含んだ空気を供給することで、各接合体の酸化剤極3のほぼ全面に酸素を含んだ空気が供給されることになる。
【0030】
各セパレータ4には、水素ガスの入口となる燃料供給孔6及び燃料極で水素が消費された後の燃料排ガスの出口となる燃料排出孔7がセパレータ4を厚さ方向に貫通する形で形成されており、上記燃料ガス流路5の一方の端部は燃料引き込み口8を介して燃料供給孔6と接続され、他方の端部は燃料吐き出し口9を介して燃料排出孔7と接続されている。上記燃料供給孔6と燃料排出孔7は、複数のセパレータ4を重ね合わせたときに互いに連通し、それぞれ燃料供給路、燃料排出路を構成する。
【0031】
ガスケット11は、セパレータ4の燃料ガス流路5が形成された面と接合体の燃料極2との間に挟持されて、接合体とセパレータ4の間から燃料ガスが漏洩することを防止する枠形状の気密部材である。接合体とセパレータ4とによって挟み込まれたガスケット11は、燃料ガス流路5の周囲を取り囲み、燃料引き込み口8と燃料吐き出し口9上を横断するように覆設して配置される。燃料引き込み口8と燃料吐き出し口9はセパレータ4に形成された溝であるため、ガスケット11が覆設された場合においても燃料ガス流路5との間で燃料ガスの授受を行うことが可能である。
【0032】
しかし、ガスケット11は燃料引き込み口8および燃料吐き出し口9上に覆設される位置では、燃料引き込み口8と燃料吐き出し口9がセパレータ4に形成された溝であるために、セパレータ4によってガスケット11の支持がなされず、燃料極2に対して十分には当接されない。そこで、燃料引き込み口8と燃料吐き出し口9に、ガスケット11を燃料極2に当接させるための支持部を形成する。
【0033】
図2は図1中の丸枠Aで示された燃料引き込み口8周辺を拡大した部分拡大平面図である。セパレータ4に形成された燃料ガス流路5と燃料供給孔6とが燃料引き込み口8によって接続されている。燃料引き込み口8の溝には、ガスケット11を燃料極2に当接させるための支持部として、溝の長手方向に孔が貫通したチューブ12が埋設して配置されている。ガスケット11を支持するためには、チューブ12の長さは燃料引き込み口8の溝上に覆設されるガスケット11の幅と同等かそれ以上であるほうが望ましい。
【0034】
図3は燃料引き込み口8の部分拡大断面図であり、図3(a)はチューブ12を燃料引き込み口8に埋設する前の状態であり、図3(b)はチューブ12を燃料引き込み口8に埋設した後の状態である。図3(a)に示すように、燃料引き込み口8の溝深さをh、溝幅をwとし、チューブ12の外径をdとすると、チューブ12の外径dは燃料引き込み口8の溝深さhと同程度か少し大きい程度であり、チューブ12の外径dは燃料引き込み口8の溝幅wと同程度か少し小さい程度である。
【0035】
図3(b)に示すように、チューブ12を燃料引き込み口8に埋設してセパレータ4を積層した場合には、隣接するガスケット11と燃料極2によって圧力がチューブ12に加えられて、燃料引き込み口8の溝内でチューブ12が変形して溝内に収納される。また、燃料引き込み口8の溝とチューブ12との間には間隙が生じてしまうため、チューブ12は溝に接着剤で固定することで、間隙を塞いでしまうことが望ましい。
【0036】
チューブ12は、SUSなどの金属製、ポリイミド製、フッ素樹脂製、シリコンゴム製などにより形成されるが、耐腐食性と加圧時の変形を考慮すると樹脂製であることが好ましい。また、セパレータ4を積層してチューブ12に加圧したときに、チューブ12が潰れて内孔が塞がってしまい、燃料ガスの供給が滞ってしまうことがない程度の強度を持ち合わせている必要がある。
【0037】
さらには、他の流路に比べチューブ12の内孔のほうが流路断面が小さくなるので水が詰まりやすくなるため、これを防止するために、撥水性の材料を選択することが望ましく、フッ素樹脂製チューブが好適である。チューブ12を撥水性の材料とすることにより、燃料引き込み口8での水分の滞留を防止することや、滞留した水分を効率的に外部に排出することができる。これにより、燃料ガス流路5との燃料ガスの授受を円滑に行うことが可能となるため、燃料極2に対する燃料ガスの供給を十分に行って発電効率が低下することを防止することができる。
【0038】
図4にガスケット11が燃料引き込み口8上に覆設された状態の部分拡大図を示す。図4(a)は燃料引き込み口8上にガスケット11が覆設された状態を示す部分拡大平面図であり、図4(b)はチューブ12を燃料引き込み口8に埋設した場合でのガスケット11の様子を示す部分拡大断面図である。
【0039】
図4(a)に示すように、燃料引き込み口8上にガスケット11が重なったとしても、燃料引き込み口8の溝にチューブ12を埋設しておくことにより、図4(b)に示すようにセパレータ4の表面凹凸を微小なものとし、ガスケット11を支持して燃料極2に押し付けて当接させることができる。このとき、チューブ12の外径を燃料引き込み口8の溝深さよりも若干大きくしておくことで、セパレータ4を積層した場合にチューブ12が変形して溝内に収納され、燃料ガスの漏洩を防止することが可能な程度にガスケット11を燃料極に押し付ける圧力が得られる。これによって、燃料引き込み口8部分の溝によるガスケット11に対する加圧力低下を防ぐことができ、酸化剤極3側への燃料ガスの漏洩の可能性が低減される。
【0040】
燃料吐き出し口9にもチューブ12を埋設することで、図4を用いて説明したのと同様にして、燃料吐き出し口9側での燃料ガスの漏洩の可能性を低減することができる。また、燃料吐き出し口9に埋設するチューブ12にも撥水性を持たせることにより、燃料吐き出し口9での水分の滞留を防止することや、滞留した水分を効率的に外部に排出することができる。
【0041】
したがって、燃料引き込み口8と燃料吐き出し口9にチューブ12を埋設して、ガスケット11の変形を防止して流路断面積の確保を行うことにより、燃料ガス漏洩の可能性を低減することができ、セパレータ4を積層してスタックセル型燃料電池を構成した場合に、新たに燃料ガス漏洩を防止するための部材を付加する必要がなくなり、製造コストの低減を図ることが可能となる。
【0042】
上述の構成を有する燃料電池用セパレータは、種々の構成の燃料電池に用いることができる。以下、この種の燃料電池用セパレータが用いられる燃料電池の構成例について説明する。
【0043】
図5に示すように、燃料電池100は、筐体101と、当該燃料電池100を動作させるのに必要な各種回路が形成された制御基板102と、上述のセパレータ4を用いて構成される発電部103と、この発電部103を冷却するための冷却ファン104と、発電部103に対して空気を供給する空気供給部に相当する2つの空気供給ファン105,106と、燃料ガス流路5に滞留した水を排出するための水素パージバルブ107と、水素ガスの圧力制御を行うレギュレータ108と、水素ガスを発電部103に供給するための手動バルブ109とを備える。さらには、図示しないが、必要に応じて、外部から取りこまれる空気や当該燃料電池100の内部から排出される空気の温度・湿度・圧力等を検知するセンサや、発電部103自体の温度を検知するセンサ等を備える。
【0044】
また、この燃料電池100には、水素ガスを吸蔵させた水素吸蔵カートリッジ110が取り付けられる。燃料電池100は、この水素吸蔵カートリッジ110から供給される水素ガスを受け取り、発電を行う。すなわち、この水素吸蔵カートリッジ110は、水素ガスを供給する水素供給部に相当するものである。
【0045】
発電部103は、略直方体状の外形を呈し、冷却ファン104及び空気供給ファン105,106に臨む側面に対向する側面の一部が上下方向に沿って矩形状に切り欠かれた形状とされる。具体的には発電部103は、例えば9枚のセパレータ4の間にそれぞれ発電体としての接合体が挟み込まれて構成され、これにより、発電を行う単位素子が8個直列に接続されたスタック構造を有する。
【0046】
単位素子は、上述した2つのセパレータ4と、燃料極2と酸化剤極3とで電解質膜1が挟み込まれた接合体とから構成される。なお、同図においては、直列に接続される2つの単位素子を示している。
【0047】
また接合体の周縁付近には、発電部103としてスタック構造を形成した際に、燃料ガスが燃料供給孔6及び燃料排出孔7から漏れないようにセパレータ4と接合体との間を封止する封止部材が配置される。この封止部材は、セパレータ4の周縁部と接合体の周縁部とを十分に絶縁することができる材質から構成される。また、封止部材としては、発電部103の放熱性を高めるために高い熱伝導性を有する材質を用いることが好ましく、例えば商品名コサーム(太陽金網社製)といった十分な熱伝導性及び電気的絶縁性を有する材質が好適である。
【0048】
以上の構成を有する燃料電池100は、例えば、ノート型のパーソナルコンピュータ、携帯電話機又は携帯情報端末機(Personal Digital Assistants;PDA)といった携帯型の各種電子機器をはじめとする任意の電子機器を駆動するための電力を供給する電源として極めて好適に用いることができる。
【0049】
[第二の実施の形態]
次に、本願発明を適用した燃料電池用セパレータおよびそれを用いた燃料電池について、他の実施の形態として燃料引き込み口にのみチューブを埋設して、燃料吐き出し口にはチューブを埋設しない場合の効果について説明する。
【0050】
本実施の形態の燃料電池も第一の実施の形態と同様にスタック構造を有し、このスタック構造は、図6に示すように、固体高分子電解質膜からなる電解質膜21と、この電解質膜を挟持するように電解質膜21の両面に配設される二つの燃料極22と酸化剤極23と、セル間の隔壁となるセパレータ24と、燃料極22とセパレータ24との間で気密を確保するガスケット31を積層することにより構成される。
【0051】
セパレータ24の燃料極22,酸化剤極23と接する面には、それぞれ燃料である水素を流すための燃料ガス流路25、及び空気を流すための空気流路30が形成されている。燃料ガス流路25は、いわゆるミアンダ状に蛇行形成される溝部からなり、この燃料ガス流路25に水素ガスを供給することで、各接合体の燃料極22のほぼ全面に水素ガスが供給されることになる。
【0052】
空気流路30は、セパレータ24の酸化剤極23(空気極)と接する面に多数のリブを所定の間隔で形成することにより、これらリブ間の溝部として形成されている。したがって、空気流路30は、平行する複数本の流路からなり、セパレータ24の一方の長辺側からこれら流路に空気が送り込まれ、セパレータ24の反対側の長辺側から排出される。この空気流路30に酸素を含んだ空気を供給することで、各接合体の酸化剤極23のほぼ全面に酸素を含んだ空気が供給されることになる。
【0053】
各セパレータ24には、水素ガスの入口となる燃料供給孔26及び燃料極で水素が消費された後の燃料排ガスの出口となる燃料排出孔27がセパレータ24を厚さ方向に貫通する形で形成されており、上記燃料ガス流路25の一方の端部は引き込み口28を介して燃料供給孔26と接続され、他方の端部は吐き出し口29を介して燃料排出孔27と接続されている。上記燃料供給孔26と燃料排出孔27は、複数のセパレータ24を重ね合わせたときに互いに連通し、それぞれ燃料供給路、燃料排出路を構成する。
【0054】
ガスケット31は、セパレータ24の燃料ガス流路25が形成された面と接合体の燃料極22との間に挟持されて、接合体とセパレータ24の間から燃料ガスが漏洩することを防止する枠形状の気密部材である。接合体とセパレータ24とによって挟み込まれたガスケット31は、燃料ガス流路25の周囲を取り囲み、燃料引き込み口28と燃料吐き出し口29上を横断するように覆設して配置される。燃料引き込み口28と燃料吐き出し口29はセパレータ24に形成された溝であるため、ガスケット31が覆設された場合においても燃料ガス流路25との間で燃料ガスの授受を行うことが可能である。
【0055】
しかし、ガスケット31は燃料引き込み口28および燃料吐き出し口29上に覆設される位置では、燃料引き込み口28と燃料吐き出し口29がセパレータ24に形成された溝であるために、セパレータ24によってガスケット31の支持がなされず、燃料極22に対して十分には当接されない。そこで燃料引き込み口28に、ガスケット31を燃料極22に当接させるための支持部を形成する。
【0056】
燃料引き込み口28の溝には、ガスケット31を燃料極22に当接させるための支持部として、溝の長手方向に孔が貫通したチューブ32を埋設して配置する。チューブ32の外径は燃料引き込み口28の溝深さと同程度か少し大きい程度であり、セパレータ24を積層した場合には隣接するガスケット31と燃料極22によって圧力が加えられて、燃料引き込み口28の溝内で変形して溝内に収納される。ガスケット31を支持するためには、チューブ32の長さは燃料引き込み口28の溝上に覆設されるガスケット31の幅と同等かそれ以上であるほうが望ましい。また、燃料引き込み口28の溝とチューブ32との間には間隙が生じてしまうため、チューブ32は溝に接着剤で固定することで、間隙を塞いでしまうことが望ましい。
【0057】
燃料引き込み口28の溝にチューブ32を埋設することで、セパレータ24の表面凹凸が微小なものとなり、ガスケット31を支持して燃料極22に押し付けて当接させる。このとき、チューブ32の外径を燃料引き込み口28の溝深さよりも若干大きくしておくことで、セパレータ24を積層した場合にチューブ32が変形して溝内に収納され、燃料ガスの漏洩を防止することが可能な程度にガスケット31を燃料極に押し付ける圧力が得られる。これによって、燃料引き込み口28部分の溝によるガスケット31に対する加圧力低下を防ぐことができ、酸化剤極23側への燃料ガスの漏洩の可能性が低減される。
【0058】
本実施の形態では上述した第一の実施の形態とは異なり、燃料吐き出し口29にはチューブ32を埋設しない。これは、燃料引き込み口28は燃料ガスが供給される側であるのに対して、燃料吐き出し口29は燃料ガスの排出側だからである。燃料引き込み口28では燃料ガスの圧力や流速が大きくなり燃料ガスが漏洩する可能性が高いのに対して、燃料ガス流路25を通過する間に燃料ガスが燃料極22で消費されるため、燃料吐き出し口29では燃料ガスの圧力や流速が燃料引き込み口28よりも小さくなり、燃料ガスが漏洩する可能性は低い。
【0059】
セパレータ24において、例えば燃料ガス流路25に水が凝縮し、これが蓄積されると燃料ガスを燃料極22に対して安定して供給することが難しくなり、また燃料極22の発電面を水が覆って反応を抑制し、発電を安定して継続することが困難になるおそれがある。
【0060】
しかし、燃料引き込み口28にはチューブ32を埋設し、燃料吐き出し口29にはチューブ32を埋設しないことにより、燃料引き込み口28の流路断面積が燃料吐き出し口29の流路断面積よりも小さくなり、燃料引き込み口28の流路抵抗が相対的に高くなる。その結果、燃料ガス流路25に水が凝縮した場合に、アノード側のバルブを開き燃料排出側を大気開放とすることによって、燃料ガスの供給側と排出側との間に圧力差を生じさせることができ、この圧力差によって燃料ガス流路25から凝縮した水を速やかに排出することが可能となる。また、チューブ32を撥水性の材質で形成することで、水分の排出効率が向上する。
【0061】
したがって、燃料引き込み口28にはチューブ32を埋設して、燃料吐き出し口29にはチューブ32を埋設しないことにより、燃料ガスの漏洩の可能性を低減するとともに、燃料極22に水分が蓄積された場合に速やかに水分を除去することが可能になる。
【0062】
[第三の実施の形態]
次に、本願発明を適用した燃料電池用セパレータおよびそれを用いた燃料電池について、他の実施の形態として燃料引き込み口および燃料吐き出し口に平板状の部材を覆設することでガスケットの変形を防止する支持部を形成する例を示す。
【0063】
本実施の形態の燃料電池も第一の実施の形態と同様にスタック構造を有し、このスタック構造は、図7に示すように、固体高分子電解質膜からなる電解質膜41と、この電解質膜を挟持するように電解質膜41の両面に配設される二つの燃料極42と酸化剤極43と、セル間の隔壁となるセパレータ44と、燃料極42とセパレータ44との間で気密を確保するガスケット51を積層することにより構成される。
【0064】
セパレータ44の燃料極42,酸化剤極43と接する面には、それぞれ燃料である水素を流すための燃料ガス流路45、及び空気を流すための空気流路50が形成されている。燃料ガス流路45は、いわゆるミアンダ状に蛇行形成される溝部からなり、この燃料ガス流路45に水素ガスを供給することで、各接合体の燃料極42のほぼ全面に水素ガスが供給されることになる。
【0065】
空気流路50は、セパレータ44の酸化剤極43(空気極)と接する面に多数のリブを所定の間隔で形成することにより、これらリブ間の溝部として形成されている。したがって、空気流路50は、平行する複数本の流路からなり、セパレータ44の一方の長辺側からこれら流路に空気が送り込まれ、セパレータ44の反対側の長辺側から排出される。この空気流路50に酸素を含んだ空気を供給することで、各接合体の酸化剤極43のほぼ全面に酸素を含んだ空気が供給されることになる。
【0066】
各セパレータ44には、水素ガスの入口となる燃料供給孔46及び燃料極で水素が消費された後の燃料排ガスの出口となる燃料排出孔47がセパレータ44を厚さ方向に貫通する形で形成されており、上記燃料ガス流路45の一方の端部は引き込み口48を介して燃料供給孔46と接続され、他方の端部は吐き出し口49を介して燃料排出孔47と接続されている。上記燃料供給孔46と燃料排出孔47は、複数のセパレータ44を重ね合わせたときに互いに連通し、それぞれ燃料供給路、燃料排出路を構成する。
【0067】
ガスケット51は、セパレータ44の燃料ガス流路45が形成された面と接合体の燃料極42との間に挟持されて、接合体とセパレータ44の間から燃料ガスが漏洩することを防止する枠形状の気密部材である。接合体とセパレータ44とによって挟み込まれたガスケット51は、燃料ガス流路45の周囲を取り囲み、燃料引き込み口48と燃料吐き出し口49上を横断するように覆設して配置される。燃料引き込み口48と燃料吐き出し口49はセパレータ44に形成された溝であるため、ガスケット51が覆設された場合においても燃料ガス流路45との間で燃料ガスの授受を行うことが可能である。
【0068】
しかし、ガスケット51は燃料引き込み口48および燃料吐き出し口49上に覆設される位置では、燃料引き込み口48と燃料吐き出し口49がセパレータ44に形成された溝であるために、セパレータ44によってガスケット51の支持がなされず、燃料極42に対して十分には当接されない。そこで燃料引き込み口48に、ガスケット51を燃料極42に当接させるための支持部を形成する。
【0069】
図8は燃料引き込み口48周辺を拡大した図であり、燃料引き込み口48上に平板状の部材を覆設して支持部を形成した様子を示す部分拡大断面図である。セパレータ44のガスケット51と当接する面の燃料引き込み口48周辺に、段差が設けられて凹部52を形成しており、凹部52には平板状の部材である支持板53が配置されている。凹部52の深さと支持板53の厚さは略同一であり、凹部52の幅と支持板53の幅も略同一である。支持板53が燃料引き込み口48を覆うように凹部52に配置されることにより、セパレータ44のガスケット51が当接する面はセパレータ44表面と支持板53表面とが略同一面を形成することになる。
【0070】
支持板53は、セパレータ44を積層した際にガスケット51が燃料引き込み口48内で変形しないように、ガスケット51に対して燃料極42方向への圧力を加えることができる程度の剛性を有している必要がある。また、支持板53はSUSなどの金属製、ポリイミド製、フッ素樹脂製、シリコンゴム製などにより形成され、耐腐食性と加圧時の変形を考慮して材質を選択することができる。また、セパレータ44を積層して支持板53に加圧したときに、支持板53が潰れてしまい、燃料ガスの供給が滞ってしまうことがない程度の強度を持ち合わせている必要がある。
【0071】
また、燃料引き込み口48および燃料吐き出し口49の内側壁面には撥水性の被膜を形成するなど、撥水処理を施しておく。これにより、燃料引き込み口48および燃料吐き出し口49での水分の滞留を防止することができ、燃料ガス流路45との燃料ガスの授受を円滑に行うことが可能となるため、燃料極42に対する燃料ガスの供給を十分に行って発電効率が低下することを防止することができる。
【0072】
燃料引き込み口48周辺に凹部52を形成して支持板53を配置することで、セパレータ44の表面凹凸が微小なものとなり、ガスケット51を支持して燃料極42に押し付けて当接させる。このとき、支持板53の表面とセパレータ44の表面が略同一平面を形成するため、セパレータ44を積層した場合に燃料ガスの漏洩を防止することが可能な程度にガスケット51を燃料極42に押し付ける圧力が得られる。これによって、燃料引き込み口48部分の溝によるガスケット51に対する加圧力低下を防ぐことができ、酸化剤極43側への燃料ガスの漏洩の可能性が低減される。
【0073】
燃料吐き出し口49周辺にも同様に凹部52を形成して支持板53を配置することで、燃料吐き出し口49側での燃料ガスの漏洩の可能性を低減することができる。
【0074】
したがって、燃料引き込み口48と燃料吐き出し口49の周辺に凹部52を形成して支持板53を配置することで、ガスケット51の変形を防止して流路断面積の確保を行い、燃料ガス漏洩の可能性を低減することができる。これにより、セパレータ44を積層してスタックセル型燃料電池を構成した場合に、新たに燃料ガス漏洩を防止するための部材を付加する必要がなくなり、製造コストの低減を図ることが可能となる。また、燃料引き込み口48および燃料吐き出し口49の内側壁面には撥水処理を施しておくことにより、水分の滞留を防止することや、滞留した水分を効率的に外部に排出することができる。これにより、燃料ガス流路45との燃料ガスの授受を円滑に行うことが可能となるため、燃料極42に対する燃料ガスの供給を十分に行って発電効率が低下することを防止することができる。
【0075】
【発明の効果】
燃料引き込み口と燃料吐き出し口にチューブを埋設することや、平板状の部材を覆設することによって、セパレータ間に挟持されるガスケットの変形を防止することにより、ガスケットとセパレータとの密着性が燃料引き込み口で悪化することを防止することができ、燃料引き込み口で変形したガスケットから燃料ガスが漏洩する可能性を低減することができるため、当該セパレータを用いた燃料電池にさらに気密を確保するための部材を付加する必要がなくなり、製造コストの低減を図ることが可能となる。
【0076】
燃料引き込み口にはチューブを埋設して、燃料吐き出し口にはチューブを埋設しないことにより、燃料ガスの漏洩の可能性を低減するとともに、アノード側ガス排出時に、バルブを開き大気開放とすることによって、燃料引き込み口と燃料吐き出し口に圧力差を生じさせて燃料極に水分が蓄積された場合に速やかに水分を除去することが可能になる。
【0077】
燃料引き込み口に形成する支持部に水分の滞留を防止するために撥水性を持たせることで、燃料引き込み口に水分が溜まって燃料ガスの供給が困難になる不具合を防止することが可能となり、発電効率を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施の形態で、接合体をセパレータで挟み込むスタック構造の燃料電池を模式的に示す分解斜視図である。
【図2】図1中の丸枠Aで示された燃料引き込み口周辺を拡大した平面図である。
【図3】第一の実施の形態での燃料引き込み口の部分拡大断面図であり、図3(a)はチューブを埋設する前の状態で、図3(b)はチューブを埋設した後を示す。
【図4】第一の実施の形態での燃料引き込み口とガスケットを示す拡大図であり、図4(a)は燃料引き込み口上にガスケットが覆設された状態を示す部分拡大平面図であり、図4(b)は燃料引き込み口にチューブを埋設した状態でのガスケットの様子を示す部分拡大断面図である。
【図5】セパレータを積層したスタックセル型燃料電池の構成例を示す分解斜視図である。
【図6】第二の実施の形態で、接合体をセパレータで挟み込むスタック構造の燃料電池を模式的に示す分解斜視図である。
【図7】第三の実施の形態で、接合体をセパレータで挟み込むスタック構造の燃料電池を模式的に示す分解斜視図である。
【図8】第三の実施の形態で燃料引き込み口上に平板状の部材を覆設して支持部を形成した様子を示す部分拡大断面図である。
【図9】燃料引き込み口に気密部材支持部を形成していない場合のガスケットの変形の様子を示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1,21,41 電解質膜
2,22,42,123 燃料極
3,23,43 酸化剤極
4,24,44,120 セパレータ
5,25,45 燃料ガス流路
121 燃料流路
6,26,46 燃料供給孔
7,27,47 燃料排出孔
8,28,48 燃料引き出し口
9,29,49 燃料吐き出し口
10,30,50 空気流路
11,31,51,122 ガスケット
12,32 チューブ
13 間隙
53 支持板
100 燃料電池
101 筐体
102 制御基板
103 発電部
104 冷却ファン
105,106 空気供給ファン
107 水素パージバルブ
108 レギュレータ
109 手動バルブ
110 水素吸蔵カートリッジ

Claims (22)

  1. セパレータ本体に燃料ガスの供給孔を有するとともに、前記供給孔と引き込み口を介して接続される燃料ガス流路を有し、
    該セパレータ本体の前記引き込み口が形成された面に当接される気密部材の変形を防止しながら前記引き込み口の流路断面積を確保する気密部材支持部が前記引き込み口に形成されていることを特徴とする燃料電池用セパレータ。
  2. 前記気密部材支持部は、チューブ状部材を前記引き込み口に埋設することにより形成されることを特徴とする請求項1記載の燃料電池用セパレータ。
  3. 前記チューブ状部材は、撥水性の材質により形成されることを特徴とする請求項2記載の燃料電池用セパレータ。
  4. 前記チューブ状部材は、外径が前記引き込み口の高さよりも大きいことを特徴とする請求項2記載の燃料電池用セパレータ。
  5. 前記気密部材支持部は、平板状の部材を前記引き込み口上に覆設することにより形成されることを特徴とする請求項1記載の燃料電池用セパレータ。
  6. 前記引き込み口の内壁は撥水処理を施されていることを特徴とする請求項5記載の燃料電池用セパレータ。
  7. 吐き出し口を介して燃料ガスの排出孔と前記燃料ガス流路が接続され、
    前記セパレータ本体の前記吐き出し口が形成された面に当接される前記気密部材の変形を防止しながら前記吐き出し口の流路断面積を確保する第二の気密部材支持部が前記吐き出し口に形成されていることを特徴とする請求項1記載の燃料電池用セパレータ。
  8. セパレータ本体に燃料ガスの供給孔を有するとともに、前記供給孔と引き込み口を介して接続される燃料ガス流路を有し、
    前記引き込み口に水分の滞留を防止する撥水部が形成されていることを特徴とする燃料電池用セパレータ。
  9. 前記撥水部は、撥水性のチューブ状部材を前記引き込み口に埋設することにより形成されることを特徴とする請求項8記載の燃料電池用セパレータ。
  10. 前記チューブ状部材は、外径が前記引き込み口の高さよりも大きいことを特徴とする請求項9記載の燃料電池用セパレータ。
  11. 前記撥水部は、前記引き込み口の内壁に撥水処理を施すことにより形成されることを特徴とする請求項8記載の燃料電池用セパレータ。
  12. 吐き出し口を介して燃料ガスの排出孔と前記燃料ガス流路が接続され、
    前記吐き出し口に水分の滞留を防止する第二の撥水部が形成されていることを特徴とする請求項8記載の燃料電池用セパレータ。
  13. イオン伝導性を有するイオン伝導体と当該イオン伝導体を挟んで対峙する電極とを備える接合体と、前記接合体を挟装するセパレータとを有するとともに、これら接合体とセパレータとが積層されたスタック構造を有し、
    前記セパレータは、燃料ガスの供給孔を有するとともに、前記供給孔と引き込み口を介して接続される燃料ガス流路を有し、
    前記セパレータの前記引き込み口が形成された面と、前記接合体の燃料極との間に燃料ガスの漏洩を防止する気密部材が挟持され、
    前記引き込み口における前記気密部材の変形を防止して前記引き込み口の流路断面積を確保する気密部材支持部が前記引き込み口に形成されていることを特徴とする燃料電池。
  14. 隣接する各セパレータ間において前記供給孔が互いに接続されて各セパレータに燃料ガスを供給するための供給路が形成されていることを特徴とする請求項13記載の燃料電池。
  15. 前記気密部材支持部は、チューブ状部材を前記引き込み口に埋設してすることにより形成され、前記チューブ状部材によって前記気密部材を前記接合体の燃料極に当接させることを特徴とする請求項13記載の燃料電池。
  16. 前記気密部材支持部は、平板状の部材を前記引き込み口上に覆設することにより形成され、前記平板状の部材によって前記気密部材を前記接合体の燃料極に当接させることを特徴とする請求項13記載の燃料電池。
  17. 吐き出し口を介して燃料ガスの排出孔と前記燃料ガス流路が接続され、
    前記吐き出し口における前記気密部材の変形を防止して前記吐き出し口の流路断面積を確保する第二の気密部材支持部が前記吐き出し口に形成されていることを特徴とする請求項13記載の燃料電池。
  18. 隣接する各セパレータ間において前記排出孔が互いに接続されて各セパレータから燃料排ガスを排出するための排出路が形成されていることを特徴とする請求項17記載の燃料電池。
  19. イオン伝導性を有するイオン伝導体と当該イオン伝導体を挟んで対峙する電極とを備える接合体と、前記接合体を挟装するセパレータとを有するとともに、これら接合体とセパレータとが積層されたスタック構造を有し、
    前記セパレータは、燃料ガスの供給孔を有するとともに、前記供給孔と引き込み口を介して接続される燃料ガス流路を有し、
    前記セパレータの前記引き込み口が形成された面と、前記接合体の燃料極との間に燃料ガスの漏洩を防止する気密部材が挟持され、
    前記引き込み口に水分の滞留を防止する撥水部が形成されていることを特徴とする燃料電池。
  20. 隣接する各セパレータ間において前記供給孔が互いに接続されて各セパレータに燃料ガスを供給するための供給路が形成されていることを特徴とする請求項19記載の燃料電池。
  21. 吐き出し口を介して燃料ガスの排出孔と前記燃料ガス流路が接続され、
    前記吐き出し口に水分の滞留を防止する第二の撥水部が形成されていることを特徴とする請求項22記載の燃料電池用セパレータ。
  22. 隣接する各セパレータ間において前記排出孔が互いに接続されて各セパレータから燃料排ガスを排出するための排出路が形成されていることを特徴とする請求項21記載の燃料電池。
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