JP2004281061A - 電池用防爆弁およびそれを備える電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の防爆弁では作動しない低い圧力でも、安定的に作動する電池用防爆弁を提供する。
【解決手段】電池容器に設けられた貫通孔12と、該貫通孔を密閉する複合膜とを有し、該複合膜が、撥水性の多孔質層15と、該多孔質層の電池外部側に接着されているガスバリアー性のシールド層16とを有することを特徴とする電池用防爆弁。撥水性の多孔質層としては、電池内部のガスに対する通気性を有し、電池電解液に対する耐性を有する四フッ化エチレン樹脂多孔質層が好ましい。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池用防爆弁およびそれを備える電池に関する。より詳細には、電池内部の圧力が所定値を越えたとき、該圧力により破断し、該圧力を外部に開放して電池の爆発を防ぐ防爆弁および該防爆弁を備える電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
電池の使用時、過電流、過充電、過放電などにより、電池内部に異常な発熱や異常なガス発生が生じることがある。特に密閉型の電池の場合、この異常な発熱やガス発生は、異常な圧力上昇をもたらし、電池を爆発させる危険がある。そこで、電池の爆発を防ぐため、電池内部の圧力が所定値を越えたとき破断し、該圧力を外部に開放する機能を有する防爆弁が種々提案されている。
【0003】
例えば、電池の容器に貫通孔を設け、該貫通孔を金属箔で密閉した構造の防爆弁が提案されている。図4は、この方式の防爆弁が設けられた電池蓋の要部斜視図である。この例では、電池容器の蓋部分(電池蓋)41に貫通孔42が設けられており、電池蓋41の電池内部側(図中の下方)にアルミ箔43aが圧着加工などにより接着されている。これにより、アルミ箔43aにより覆われている貫通孔42の部分に防爆エリア(電池内部の圧力により破断するエリア)43bが形成されている。
電池内部での圧力上昇があると、防爆エリア43bを覆っているアルミ箔43aが、該圧力を(図中では下方より)受圧し、外部側へ(図中では上方へ)膨張する。異常な発熱やガスの発生などによる異常な圧力上昇があり、該圧力がある限界点を越えると、該アルミ箔43aは破断して、内部の圧力が外部に開放される。このようにして内部圧力が低下し、電池の爆発を防ぐことができる。
【0004】
また、電池容器の一部に鍛造やプレス加工などにより、薄肉部を設けた構造の防爆弁も提案されている。図5は、この方式の防爆弁が設けられた電池蓋の要部斜視図である。この例では、防爆弁は金属製の電池蓋51に設けられており、電池蓋51には、鍛造またはプレス加工などにより、薄肉部が形成されている。さらに、より低い圧力での防爆弁の作動を可能とするために、精密鍛造加工などにより、より薄い薄肉部からなる防爆作動部53cが設けられ防爆エリア53bが形成されている。
電池内部での圧力上昇があると、防爆エリア53bが、該圧力を(図中では下方より)受圧する。そして、電池内部の異常な圧力上昇により、該圧力がある限界点を越えると、防爆作動部53cが破断して、内部の圧力が外部に開放され、電池の爆発を防ぐことができる。
また、特開平11−273640号には、金属板の表面に凹部を形成するとともに、該凹部の底面に所定の領域を囲む溝および該溝の内側に金属板の表面側に膨出する膨出部を形成してなる電池の封口板が開示されている。この封口板の防爆機構は、上記の薄肉部を設けた構造の防爆弁の一態様であり、凹部が防爆エリア53bに、また溝が防爆作動部53cに該当する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近年の電池の高容量化、小型化により、電池内部での化学反応はより早くなり、過電流、過充電、過放電などがより起こりやすくなってきており、確実に安定的に作動する防爆弁の必要性が増大してきている。また、小型化に対応するため電池容器としてより薄いものが求められるようになってきている。一般的に、容器の材質が薄くなれば、容器の耐圧は低下し、より低い内部圧力での電池の爆発の危険性が増す。そこで、低い内部圧力でも安定的に作動する防爆弁が望まれている。
しかし、上述の従来の防爆弁は、低い内部圧力でも安定的に作動するとの近年の要求を十分に満たすものではなかった。
【0006】
例えば、貫通孔をアルミ箔で密閉した構造の防爆弁では、アルミ箔の厚さが20μm程度より薄いと、電池内で発生したガスの外部への漏れを防ぐことができず、アルミ箔の厚さを20μm程度以上とする必要がある。このため、アルミ箔の破断強度を一定値より低くすることはできず、その結果防爆弁が作動する圧力(以下作動圧という。)も一定値より低くすることはできない。現在ではこの構造の防爆弁の作動圧は最も低い場合でも12kgf/cm程度である。
また、電池の容器の一部に薄肉部を設けた構造の防爆弁も、防爆作動部の薄肉部の厚さを20μm以下とすることは製造上難しく、同様に、防爆弁の作動圧を一定値より低くすることはできない。現在ではこの構造の防爆弁の作動圧は最も低い場合でも14kgf/cm程度である。
【0007】
しかも近年の電池の小型化にともない、防爆弁が設けられる電池の容器の表面積、特に防爆弁の設置に好適な位置である電池蓋の面積が非常に小さくなっており、その結果、防爆エリアの面積(防爆面積)を十分に取ることが困難になってきている。一般に、防爆面積が小さいと防爆弁の作動圧も上昇する傾向にあり、また、作動圧が不安定になる傾向にある。従って、従来の防爆弁により、低い圧力で安定的に作動するとの要求を満たすことは、ますます困難になってきている。
【0008】
本発明の目的は、従来の防爆弁では作動しない低い圧力でも、安定的に作動する電池用の防爆弁およびそれを備えた電池を提供することにある。
本発明者は、この目的を達成するために鋭意検討した結果、四フッ化エチレン樹脂などを素材とする撥水性の多孔質層、および該多孔質層と接着しているシールド層を有する複合膜を用いることにより、上記の目的が達成されることを見いだした。すなわち、この複合膜により電池容器に設けられた貫通孔を密閉して得られる防爆弁においては、従来の防爆弁では作動しない低い圧力でも、該複合膜のシールド層の破断が起こり、電池内部の圧力を外部に開放し、防爆弁として作動すること、またこの防爆弁の作動圧は、電池の使用条件などにほとんど影響されず安定していることを見いだした。さらに、この防爆弁の作動圧は、防爆面積に依存せず、従って防爆面積が小さい場合であっても低い作動圧が得られることを見いだした。
本発明は、これらの知見に基づき完成されたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電池容器に設けられた貫通孔と、該貫通孔を密閉する複合膜とを有し、該複合膜が、撥水性の多孔質層と、該多孔質層の電池外部側に接着されているガスバリアー性のシールド層とを有する電池用防爆弁および該電池用防爆弁を備える電池である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の防爆弁を構成する貫通孔は、電池容器に形成されるものであり、電池容器上の位置は特に限定されないが、角形や筒状電池の場合は、好適には、貫通孔を設けるためのスペースが得やすい電池蓋に設けられる。上述のように、近年電池蓋の面積は非常に小さくなり、広い防爆面積をとることは困難になっているが、本発明の防爆弁によれば、防爆面積が小さい場合であっても、安定的に低い作動圧が得られる。
【0011】
電池容器に設けられた貫通孔は、撥水性の多孔質層とガスバリアー性のシールド層を有する複合膜により密閉される。
【0012】
多孔質層は、該複合膜中で電池内部側に位置する。該多孔質層は、撥水性であるので、電池内部の電解液がシールド層側に漏れて、シールド層と接触するのを防ぐ。その結果、シールド層に電池の電解液に腐食される可能性がある材質、例えば後に述べるポリアミド樹脂膜を用いることができる。なお、シールド層に、電池の電解液に対し優れた耐性を有する材質、例えばフッ素樹脂を用いる場合は、撥水性のないまたは撥水性の低い多孔質層を用いて防爆弁を作ることもできる。
多孔質層は、電池内部の電解液と接触する位置にあるので、使用する電解液に対する耐腐食性を有するものが好ましい。
本発明の防爆弁において、多孔質層自体は、電池内の圧力を受圧して破断するものではなく、異常な圧力上昇があった場合、シールド層が該圧力を受圧して破断する。従って、電池内部の圧力上昇がシールド層に伝わるように、該多孔質層には、電池内部で発生したガスを外部側、すなわちシールド層側に通気できるすぐれた透過性を有する材料が用いられる。
また、多孔質層はシールド層を補強する機能を有する。多孔質層とシールド層を組合せることにより、所定の圧力で安定して破断すること、すなわちシールド層の安定した破断強度を得ることができる。多孔質層の補強がないシールド層単独、例えば後に述べるポリアミド樹脂や、多孔質でないフッ素樹脂単独では安定した破断強度を得ることはできない。
【0013】
撥水性の多孔質層としては、四フッ化エチレン樹脂を素材とする多孔質膜からなる層が特に好適である。
四フッ化エチレン樹脂を素材とする多孔質膜は、その優れた耐薬品性、耐熱性や均一で微細な多孔質構造から、分離膜や通気針用フィルターなど多くの分野で使用されているが、電池の電解液に対しても優れた耐性を有している。また、四フッ化エチレン樹脂多孔質層を素材とする多孔質膜は、特別な処理をしない限り撥水性である。
【0014】
この多孔質膜は、例えば以下の方法で製造することができる。
先ず、四フッ化エチレン樹脂の未焼結粉末に液状潤滑剤(助剤)を混和し、押出、圧延などにより所定の形状に予備成形する。得られた成形体から液状潤滑剤を除去し、あるいは除去することなく、少なくとも一軸方向に延伸して多孔化する。次に、延伸により得られた成形体を固定した状態で、該樹脂の融点以上の温度に加熱して、延伸した構造を焼結することにより、四フッ化エチレン樹脂多孔質膜を得ることができる。このような方法で得られた四フッ化エチレン樹脂多孔質膜は、繊維と該繊維によって互いに連結された結節からなる微細繊維状組織を有する多孔質体である。
四フッ化エチレン樹脂を多孔化する方法としては、上記の延伸法以外にも、造孔剤を混合した後造孔剤を抽出する方法、発泡剤による発泡を用いる方法などがあり、本発明においては特に限定されないが、強度や多孔化の安定性の面から延伸法が好適である。
【0015】
本発明の防爆弁に用いられる撥水性の多孔質層の厚さ、平均孔径、気孔率、耐水圧等の好適な範囲は、多孔質層に用いられる材質、使用される電池の大きさ、形状や、使用条件などに依存し、特に限定されない。一般に、厚さが増すほど多孔質層の強度そして複合膜の強度が向上するのでこの面では好ましいが、反面電池内部のガスの透過性が低下し、作動圧の上昇をもたらすこともある。多孔質層として四フッ化エチレン樹脂多孔質層を用いる場合は、通常10〜1000μm程度の厚さのものが用いられる。
平均孔径、気孔率については、電池内部で発生したガスを外部側、すなわちシールド層側に充分通気できる範囲であれば、本発明で採用可能な範囲である。耐水圧については、特に限定される範囲はないが、望ましくは30KPa以上である。このような理由から、多孔質層として四フッ化エチレン樹脂多孔質層を用いる場合は、通常平均孔径が1μm以下で、耐水圧が30KPa以上のものが一般に用いられる。
【0016】
シールド層は、撥水性の多孔質層とともに本発明の防爆弁に用いられる複合膜を構成する。シールド層は、該多孔質層の電池の外部側に位置し、該多孔質層と接着している。
また、シールド層は、電池内部のガスを外部へ透過しないガスバリヤー性である。
電池内部で異常な圧力上昇があった場合、内部のガスは、該多孔質層を透過し、シールド層を、多孔質層との接着面側から押圧し、該圧力が所定値を越えたときにシールド層を多孔質層から剥離させ(図2)、さらにシールド層を破断する。このようにして、電池内部の圧力を外部に開放し、電池の爆発を防ぐことができる。
以上より、シールド層は、多孔質層に対して、所定範囲の圧力では剥離がおこらず、一方圧力が所定範囲を越えた場合は、確実に剥離が生じる接着力を有する必要がある。
同様に、シールド層は、所定範囲の圧力では破断せず、かつ圧力が所定範囲を越えた場合は、確実に破断する強度(破裂強度)を有する必要がある。
【0017】
シールド層の厚さ等の好適な範囲は、シールド層の材質、使用される電池の大きさ、形状や、使用条件、また求められる作動圧などに依存し、特に限定されない。一般に厚さが増すほどシールド層の強度は向上し、従って防爆弁の作動圧も上昇する。
【0018】
シールド層の材質としては、多孔質層と強固な接着を形成する樹脂などが好適に用いられ、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、多孔質でないフッ素樹脂などが例示される。特にポリアミド樹脂を用いた場合は防爆弁の作動圧がより安定するので好ましい。
シールド層は、異なる材質からなる2層以上から構成されていてもよい。例えば、ガスバリヤー性と所定の破裂強度を有しているが、それ自体は多孔質層と強固な接着を形成し難い樹脂の層と、該樹脂層と多孔質層双方に強固に接着できる樹脂の層との組合せも考えられる。
【0019】
複合膜は、上述の多孔質層とシールド層を接着することにより得られる。多孔質層上でシールド層を形成してもよい。シールド層がポリアミド樹脂などの樹脂層の場合、複合膜を得る方法としては、(1)該樹脂の溶液を多孔質層上にコートした後、乾燥などにより溶媒を除去する方法、(2)重合して該樹脂となるモノマーやプレポリマーまたはそれらの溶液を多孔質層上にコートした後、重合反応をコート層内で行い必要により溶媒の除去を行う方法、(3)シールド層となる樹脂層膜を別途形成し、圧着などによりまたは接着剤を用いて、多孔質層と接着する方法、などが例示される。通常、所定の厚さを有し多孔質層と強固に接着する樹脂層が簡便に得られる点で、(1)の方法が好ましい。この場合、樹脂を溶解する溶媒としては、イソプロピルアルコールなどのアルコール類やトルエン等の炭化水素類が例示される。(1)の方法において、厚いシールド層を得るためにコートを複数回繰り返してもよい。
【0020】
次に、本発明の防爆弁の構成、製法の一例を説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではない。
図1は、本発明の防爆弁が設けられた電池蓋11の部分断面図である。電池が角形の場合、電池蓋11は長方形となるが、防爆弁はその長方形の一端付近に設けられる場合が一般的である。電池蓋11には、貫通孔12が形成されており、貫通孔12の電池外部側(図中の上側)は、電池内部側(図中の下側)よりも大きな開口部を有し、電池外部側と内部側の大小の開口部により段差部分14が形成されている。撥水性の多孔質層15およびシールド層16からなる複合膜は、前記段差部分14に載るように、かつ電池外部側の開口部より大きい部分はその周囲に沿って折り曲げられるように設置されている。このように設置することにより、電解液の防爆弁周辺部からの漏れを防ぐことができる。さらに、多孔質層15およびシールド層16からなる複合膜は、押さえリング17により固定されている。押さえリング17としては、通常金属製のリングが使用される。上記の構造は、電池外部側の開口部と折り曲げられる部分をあわせた形状および大きさに切り取られた複合膜を、該開口部上に載せ、該複合膜上から押さえリング17を、該開口部に挿入する方法により製造することができる。
さらに、多孔質層15の折り曲げられた部分と電池蓋の材質との間にシールド剤18が設けられている。これは、複合膜の電池蓋への接着性を高めるとともに、電解液の防爆弁周辺部からの漏れを防ぐために用いられるものである。該シールド剤としてはアスファルトなどが例示される。
【0021】
以上のようにして本発明の防爆弁が形成された電池蓋11は、電池容器本体(電池缶:図示せず)の開口部に溶接などにより接合される。
電池内部で異常な圧力上昇があった場合、上記のように、電池内部のガスは多孔質層15を透過し、シールド層16を多孔質層15側から押圧する。圧力が所定値以下の場合は、多孔質層15とシールド層16は接着している(図1)が、圧力が所定値を越えると、図2で示すように、多孔質層15とシールド層16が剥離する。多孔質層を透過したガスは剥離したシールド層16をさらに押圧し該シールド層を破断する。
本発明の防爆弁の別の例として、図3で示す構造の防爆弁が挙げられる。この例は、後に述べる実施例の防爆弁に該当する。この例でも、撥水性の多孔質層35およびシールド層36からなる複合膜は、段差部分34上に載せられており、押さえリング37により固定されているが、電池外部側の開口部の周囲に沿って折り曲げられる部分は存在しない。押えリングは、防爆弁が形成される電池蓋31の一部(カシメ部39)をかしめて固定されている。
【0022】
本発明の防爆弁が用いられる電池の種類は特に限定されず、通常の1次電池、2次電池の他、キャパシタなども含まれる。また、その形状も限定されず、角形、丸形など各種の形状の電池に使用される。大きさも限定されないが、特に密閉型の小型の電池において本発明の効果が顕著に発揮される。とりわけリチウム電池などの2次電池に好適に用いられる。
【0023】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明をより具体的に説明するが、実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
【0024】
実施例1
四フッ化エチレン樹脂多孔質膜(ポアフロンメンブラン FP−010−60、平均孔径0.1μm、厚さ60μm、空気流量1l/min/cm、耐水圧440KPa 、住友電工ファインポリマー株式会社製)を短冊状にカットした。カットした四フッ化エチレン樹脂多孔質膜に、ローラーを用いて、イソプロピルアルコール、トルエンおよびポリアミド樹脂を3:7:3の重量比で混合し溶解して得られたポリアミド樹脂溶液を、前記多孔質膜上にコートした。コートされた層を常温(平均25℃)で150分間乾燥して、シールド層を四フッ化エチレン樹脂多孔質膜上に形成し、複合膜を得た。
このようにして得られた複合膜を、防爆弁の形状及び面積に合せてカットし、電池蓋(封口体)に設けられた貫通孔の段差部分に、シールド層が電池外部側になるようにして載せた。図3は、このようにして得られた防爆弁が設けられた電池蓋の部分断面図であり、四フッ化エチレン樹脂多孔質層35とシールド層36からなる複合膜が、段差部分34上に載っている。前記封口体としては、A−3003(三菱アルミニウム株式会社製)を使用した。
さらにその上に、はり合せ強度保持のため、押えリング37を載せ、封口体アルミ部39をかしめて押えリング37を固定することにより防爆弁を得た。
【0025】
このようにして得られた防爆弁について、その作動圧を、小型電池弁作動圧検査装置(OA−G−0182、テクノワ−ルド株式会社製)を用いて、n(試料数)=5で測定した。また、シールド層36の厚さは、光学式非接触厚さ段差測定装置(THS−10、ユニオン光学株式会社製)により測定した。
その結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
Figure 2004281061
【0027】
【発明の効果】
本発明の防爆弁は、従来の防爆弁では作動しない低い圧力でも作動する。4kgf/cm程度の低い作動圧を達成することもできる。また、この防爆弁の作動圧は、電池の使用条件などに影響されず安定している。さらにこの防爆弁の作動圧は、防爆面積に依存せず、防爆面積が小さい場合であっても低い作動圧が安定的に得られる。従って、充分な防爆面積をとることができない小型の電池にも好適に適用可能である。
さらに、撥水性の多孔質層として、四フッ化エチレン樹脂多孔質層を用いた場合は、優れた耐薬品性、耐熱性、微細な孔の均一性などに加え、以下に示す利点も有する。
四フッ化エチレン樹脂多孔質層が弾力を有するので、電池蓋と電池缶の組立てが容易になる。
従来の、金属箔により電池容器に設けられた貫通孔を密閉して得られる防爆弁では、電池蓋と電池缶を溶接により組立てる際にその熱による金属箔の剥離の問題が生じることがあるが、このような問題は生じない。
四フッ化エチレン樹脂多孔質層が弾力を有するので、落下などによる衝撃に強い。175cmよりの落下テストを6面体×10サイクルの条件で行っても防爆弁の破損は見られなかった。
さらに、本発明の防爆弁は電池の超音波による溶接の影響が無く好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防爆弁が設けられた電池蓋の部分断面図である。
【図2】本発明の防爆弁の作動状況を示す電池蓋の部分断面図である。
【図3】本発明の他の防爆弁が設けられた電池蓋の部分断面図である。
【図4】従来の防爆弁が設けられた電池蓋の要部斜視図である。
【図5】従来の他の防爆弁が設けられた電池蓋の要部斜視図である。
【符号の説明】
11、31、41、51 電池蓋
12、42 貫通孔
14、34 段差部分
15、35 多孔質層
16、36 シールド層
17、37 押さえリング
18、 シールド剤
39、 カシメ部
43a、 アルミ箔
43b、53b 防爆エリア
53c 防爆作動部

Claims (7)

  1. 電池容器に設けられた貫通孔と、該貫通孔を密閉する複合膜とを有し、該複合膜が、撥水性の多孔質層と、該多孔質層の電池外部側に接着されているガスバリアー性のシールド層とを有することを特徴とする電池用防爆弁。
  2. 撥水性の多孔質層が、四フッ化エチレン樹脂多孔質層であることを特徴とする請求項1記載の電池用防爆弁。
  3. シールド層が、ポリアミド樹脂層であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電池用防爆弁。
  4. シールド層が、多孔質層上にコートした樹脂溶液を乾燥して得られることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電池用防爆弁。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電池用防爆弁を備えることを特徴とする電池。
  6. 電池用防爆弁が、電池蓋に設けられていることを特徴とする請求項5記載の電池。
  7. 電池が、2次電池であることを特徴とする請求項5または請求項6記載の電池。
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