JP2004279862A - カラーフィルター用材料及びカラーフィルター - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー液晶表示装置等に用いられるカラーフィルター用材料及びこれを用いて形成される硬化物並びにカラーフィルターに関するものであり、詳しくは、青色画素形成に好適なカラーフィルター用材料とその硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カラーフィルターは液晶表示装置等のカラー化の目的で広く用いられており、一般に原色系三原色である赤、緑、青の画素がモザイク様に配置されている。このカラーフィルターに要求される最も重要な性能は色分離性能であり、各着色画素の分光特性が表示装置等の性能を大きく支配することになる。各画素の色素は、一般にその画素の透過特性がバックライト光の発光特性に合うよう選択され、例えば、赤色画素には赤色色素のほかに黄色色素、橙色色素を、緑色画素には緑色色素のほかに黄色色素を、青色画素には青色色素のほかに紫色色素を一定割合で混合することにより所望の透過特性を付与している。
【0003】
しかし、近年の液晶表示装置に対する高精細化、高輝度化、高色再現性の要求は高く、カラーフィルターの更なる高明度化、高彩度化が望まれている昨今、これらの色素のうち液晶表示装置等に用いて高水準の明彩度性を示すものはきわめて限定されている。例えば、青色画素を形成するためのカラーフィルター用材料には銅フタロシアニン系の青色色素であるピグメント・ブルー15:6と共に紫色色素が使用されることが多いが、この紫色の色素としては、特許第2543052号公報に開示されているように、カルバゾールジオキサジンよりなる紫色色素であるピグメント・バイオレット23が良好に用いることのできるほとんど唯一のものである。液晶表示装置等に使用されるカラーフィルターの作成に当たっては、使用されるカラーフィルター用材料は用途や目的に適した色の調整が必須であり、このような場合にカルバゾールジオキサジン紫色色素に代わる色素を使用した高明彩化カラーフィルター用材料(以下、カラーレジストインキとも称する。)が望まれていた。
【0004】
ところで、特開平11−24255号公報や特開2001−318462号公報には、サブフタロシアニン化合物を用いた光重合性組成物が示されている。しかし、これらの光重合性組成物は、サブフタロシアニン化合物の光増感作用に着目し、サブフタロシアニン化合物を感光性樹脂組成物中に溶解させて、アルゴンレーザー(514nm)あるいはYAG(第二高調波)レーザー(532nm)等の長波長レーザー光など、可視光に対する光増感剤として用いるものであり、サブフタロシアニン化合物の優れた色分離性能に着目し、着色材としてカラーフィルター用組成物に用いることは示唆されていない。
【0005】
【特許文献1】
特許第2543052号公報
【特許文献2】
特開平11−24255号公報
【特許文献3】
特開2001−318462号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の欠点に鑑みなされたもので、液晶表示装置等に用いられる高水準の明彩度性を与える(特に、青色)画素形成のためのカラーフィルター用材料及びこれを用いて形成される硬化物並びにカラーフィルターを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するために検討した結果、特定の色素を含み、これを配合した組成物、その硬化物が高水準の明彩度性を与え、特に、カラーフィルターの画素形成に好適であることを見出し本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、(イ)感光性樹脂及び/又は単量体、(ロ)着色材、(ハ)溶剤及び(ニ)光重合開始剤を含有してなるカラーフィルター用材料において、(ロ)の着色材成分として下式(1)で示されるサブフタロシアニン系色素を全着色材中0.5重量%以上含有し、前記カラーフィルター用材料中の着色材(ロ)と全樹脂成分(R)との各成分の合計重量比で表される(ロ)/(R)が0.05〜1.5の範囲であることを特徴とするカラーフィルター用材料である。
【化2】
(但し、Xはハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基を示す。)
【0009】
更に、本発明は、前記のカラーフィルター用材料を硬化して得られる硬化物である。また、本発明は、青色画素を形成する硬化膜が前記の硬化物からなるカラーフィルターである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のカラーフィルター用材料は、(イ)感光性樹脂及び/又は単量体(以下、成分(イ)ともいう)、(ロ)着色材(以下、成分(ロ)ともいう)、(ハ)溶剤(以下、成分(ハ)ともいう)及び(ニ)光重合開始剤(以下、成分(ニ)ともいう)を必須成分として含有し、必要により他の樹脂成分及びその他の表面調整剤、消泡剤等の各種添加剤を配合することができる。
【0011】
成分(イ)の感光性樹脂及び/又は単量体は、光重合性樹脂、光重合性モノマー及び光重合性オリゴマーの少なくとも1種以上から選ばれ、エチレン性不飽和結合を有するものである。カラーフィルター用材料には硬化した状態で樹脂となるものを含めば良く、未硬化の状態では樹脂化していない成分のみが含まれる場合をも含む。本発明でいう全樹脂成分には、樹脂化する前のモノマーやオリゴマーも含む。成分(イ)は、カラーフィルターの製造プロセスを考慮して適宜選択すれば良い。
【0012】
光重合性樹脂、光重合性モノマー及び光重合性オリゴマーとしては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールフルオレン型エポキシジ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類等が挙げられる。また、アクリル酸(共)重合体、(メタ)アクリル酸(共)重合体、マレイン酸(共)重合体等のビニル樹脂や、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリエステル等の側鎖にエチレン性二重結合を有する樹脂類も挙げることができる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。また、これらの樹脂は、現像性を高める目的で、側鎖にカルボン酸基、フェノール性水酸基等のアルカリ溶解性置換基を有していることも望ましい。
【0013】
成分(イ)の配合率は、本発明のカラーフィルター用材料中の全固形分中40〜95重量%であることが好ましく、更には50〜90重量%であることが好ましい。組成物中には、必要に応じて他の樹脂類等の固形分を配合することができるが、この場合には、他の樹脂類を合わせた合計量が上記範囲に入ることが望ましい。なお、全固形分とは乾燥、重合又は硬化後に固形分として残る成分をいい、溶剤を含まず、単量体を含む。
【0014】
成分(ロ)の着色材には、前記の式(1)で示されるサブフタロシアニン系色素を全着色材中0.5重量%以上含有することを必要とする。式(1)中のXはハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基のいずれかであれば特に限定されるものではないが、取り扱いに優れる点から塩素又は臭素が好ましい。
【0015】
本発明で使用される成分(ロ)は、上記サブフタロシアニン系色素を全着色材中0.5重量%以上、好ましくは5重量%以上含有するものであれば良く、他の顔料や染料を併用して用いることもできる。青色のカラーレジストインキを調製するために適した他の着色材としては、色相の点から青色、紫色の色素が好ましく、例えばピグメント・ブルー15:3、同15:6、同60、ピグメント・バイオレット19、同23、同37等の顔料を挙げることができるが、併用可能な色素はこれらに限定されるものではない。
【0016】
本発明において、着色材としてサブフタロシアニン系色素を用いる理由は、その特異な分光特性に起因する。つまり、液晶表示装置等のバックライトには、赤、緑及び青の三原色に対応する波長(一般的に610nm、545nm及び435nm)に鋭い発光を有する高演色性の三波長型蛍光ランプが広く用いられており、この三波長の発光をそれぞれ効果的に透過し又は遮光することが高水準の明彩度性を示すために必要である。本発明のサブフタロシアニン系色素を主たる着色材として含むカラーフィルター用組成物を用いて製作されるカラーフィルターは、340〜520nm付近及び630nmより長波長域に透過を、530〜620nm付近に吸収を持つ優れた分光特性を示すために、三波長型蛍光ランプの青の発光を効果的に透過し、緑及び赤の発光を効果的に遮光することができる。そのために、本発明のカラーフィルターは高水準の明彩度性を有し、これを用いる液晶表示装置等に高水準の明彩度性を与えることができる。
【0017】
サブフタロシアニン化合物の合成方法は公知であり、その例としては、A. Meller and A. Ossko, Monatshefte fur Chemie 103, 150−155 (1972) などが挙げられ、化学量論的には三ハロゲン化硼素1モルと必要に応じてベンゼン骨格周辺の水素原子がニトロ基に置換されたフタロニトリル3モルを反応させることで合成できる。こうして得られたサブフタロシアニン化合物には副反応等によって生ずる不純物が含まれていることが多いが、例えば濾過洗浄やソックスレー抽出を行うことにより不純物を取り除くことができる。ここで、不純物としては、原料の三ハロゲン化硼素の加水分解生成物、未反応のフタロニトリル等を挙げることができる。濾過洗浄やソックスレー抽出で用いる溶媒については、特に制約はない。例えばメタノール、エタノール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤等を用いることができる。但し、合成法及び精製法は上記の方法に限定されるものではない。
【0018】
カラーフィルター用材料中の着色材の割合は、着色濃度等に応じて適宜選定されるが、カラーフィルター用材料中の成分(ロ)の着色材と全樹脂成分(R)との(ロ)/(R)の重量比が0.05〜1.5の範囲であることが必要であり、好ましくは、0.1〜1の範囲である。この比が0.05に満たないと、着色性能が十分発揮できず良好なカラーフィルターを形成できなくなり、また、1.5を超えると、フォトリソグラフィー工程において有効な画素形成能が発揮できなくなる。なお、全樹脂成分(R)は、前記成分(イ)、及び成分(イ)以外の樹脂成分(モノマーを含む)からなる。
【0019】
成分(ハ)の溶剤としては、エステル類、ケトン類、グリコールエーテル類、含窒素系溶剤等を好ましく用いることができる。例えばエステル類では酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等、ケトン類ではメチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等、グリコ−ルエーテル類ではエチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル等、含窒素系溶剤ではジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等をそれぞれ挙げることができる。これらの溶剤は、配合される樹脂類及びその他の添加物の構成、サブフタロシアニン系色素の含有量並びに溶解性、顔料の分散性、塗布性に応じて適宜選択すれば良く、単独で用いても良いし2種以上を併用しても良い。
【0020】
成分(ニ)の光重合開始剤としては、例えばアセトフェノン、p−tert−ブチルアセトフェノン等のアセトフェノン類、ベンゾフェノン、p,p′−ビス(N,N−ジメチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイン−tert−ブチルエーテル等のベンゾインエーテル類、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−(N,N−ジメチルアミノ)−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン等のα−アミノアルキルフェノン類、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン等のトリアジン類、過酸化ベンゾイル、3,3′,4,4′−テトラ(tert−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン等の有機過酸化物類、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等の硫黄化合物類等を挙げることができる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0021】
成分(ニ)の光重合開始剤の配合率は、露光感度等に応じて適宜選択されるが、成分(イ)に対して0.1〜20重量%であることが好ましく、更には0.5〜15重量%であることが好ましい。含有割合が0.1重量%未満では、感光性が不十分となり、反対に20重量%を超えると、レジストインキとしての保存安定性にかける。
【0022】
本発明のカラーフィルター用材料は、上記成分以外に現像性や塗膜形成能を向上させる目的で、バインダー樹脂成分として、アルカリ溶解性を有する樹脂を加えても良い。例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル等が挙げられるが、主鎖又は側鎖にカルボキシル基を含有しアルカリ現像性に優れるものが好ましい。このようなものには、例えばアクリル酸(共)重合体、(メタ)アクリル酸(共)重合体、マレイン酸(共)重合体等のビニル樹脂類が挙げられる。この他に、水酸基を有する樹脂に酸無水物を付加させたものなども有用である。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0023】
なお、本発明のカラーフィルター用材料は、必須成分として前記の成分(イ)〜(ニ)を含有するが、全固形分は1〜40重量%であることが好ましく、更には5〜30重量%であることが好ましい。
【0024】
カラーフィルター用材料を作製する方法としては、予め前記サブフタロシアニン系色素を単独で又は他の染料と共に溶剤に溶解し、これに他の顔料分散体、樹脂成分、光重合開始剤等を配合する方法や、サブフタロシアニン系色素を樹脂組成物中に直接溶解させる方法等を挙げることができるが、上記の方法に限定されるものではない。
【0025】
本発明のカラーフィルター用材料を硬化して得られる硬化物は、カラーフィルター用材料を基板等に塗布し、光照射、加熱等で硬化させることによって得られる。カラーフィルター用材料を塗布する方法としては公知の方法が利用でき、例えばスピンコーター、バーコーター、ダイコーター等の塗布装置による塗布を挙げることができる。塗布後は、ホットプレート、IRオーブン等を用いて乾燥を行なっても良い。
【0026】
カラーフィルター用材料を光照射する方法も公知の方法が利用でき、適用し得る露光光源は特に限定されるものではないが、例えばキセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、中圧水銀灯、低圧水銀灯等のランプ光源等が用いられる。ただし、塗布及び光照射の方法は上記の方法に限定されない。
【0027】
かかる光源にて画像露光を行った後、現像すれば基板上に画像を形成することができる。現像液としては、未露光部分を溶解し露光部分溶解しない現像液であればいかなるものも用いることができる。具体時には、種々の添加物を含んだアルカリ溶液であり、添加物としては、有機溶剤、緩衝剤、界面活性剤等を含有することができる。現像処理方法については特に制限はないが、浸漬現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音波現像等の方法が用いられる。
【0028】
また、塗膜の強度を上げる方法として、熱風オーブンによる加熱硬化を行っても良い。カラーフィルター用材料の硬化条件については特に制約はないが、硬化後の硬化膜の変色、褪色を防ぐために、加熱については250℃以下で1時間以内とすることが好ましい。なお、上記のカラーフィルター用材料の硬化膜を用いてカラーフィルターを製作する方法としては、公知の方法を利用できる。
【0029】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものでない。なお、以下における「部」はいずれも重量部を示す。
【0030】
製造例1
4−ニトロフタロニトリル100部に1−クロロナフタレン100部を加え、窒素雰囲気下、室温で30分攪拌したのち、三臭化硼素72部を滴下する。その後、100℃までゆっくり加熱し、反応が穏やかになったら更に120〜150℃で10〜60分加熱撹拌を行なう。放冷後、析出物を濾取して、アセトン、炭酸水素ナトリウム水溶液、水、メタノールの順で洗浄し乾燥して、式(2)で示されるBr−トリニトロサブフタロシアニン硼素錯体83部(収率71%)を得た。
【0031】
【化3】
【0032】
実施例1
製造例1で得たBr−トリニトロサブフタロシアニン硼素錯体50部にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート562部を加えて溶解させた後、ビスフェノールフルオレン骨格を有するエポキシアクリレート樹脂の54.2重量%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(新日鐵化学社製商品名:V−259ME)150部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート55部、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製商品名:エピコートYX4000HK)17部、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン7部、p,p′−ビス(N,N−ジエチルアミノ)ベンゾフェノン1部、ジエチレングリコールジメチルエーテル156部、界面活性剤1部及びシランカップリング剤1部を配合し、十分に攪拌して、弱アルカリ溶液に可溶な感光性樹脂を含むカラーフィルター用材料1000部を製作した。こうして得られたカラーフィルター用材料の固形分濃度は21.1重量%、全固形分中の着色材成分の割合は23.7重量%であり、低粘度かつ低チクソトロピー性を示すものであった。
【0033】
実施例2 (モデルカラーフィルターの製作)
このようにして得られたカラーフィルター用材料を、5インチ角、厚さ1mmの青板ガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布した。このとき、スピンコーターの回転数を変化させて膜厚の異なる2つの試験片を製作した。この試験片を乾燥した後、フォトマスクを被せて200mJ/cm2の紫外線露光を行い露光部のカラーフィルター用材料を硬化させた。次いで試験片を0.4%炭酸ナトリウム水溶液で60秒間アルカリ現像して未露光部のカラーフィルター用組成物を除去し、これを乾燥した。最後に試験片を熱硬化して、モデルカラーフィルターとしてのカラーフィルター用材料の硬化膜を製作した。スピンコーターの回転数400rpmで作成した膜厚1.2μmの試験片を試験片1とし、回転数600rpmで作成した膜厚0.8μmの試験片を試験片2とした。
【0034】
(モデルカラーフィルターの特性評価)
製作したモデルカラーフィルターの分光透過率、色度(x値、y値)及び明度(Y値)は、色度計(東京電色社製商品名:カラーアナライザーTC−1800MK2)を用いて測定したが、このときの測色用の光は標準の光Cとした。本実施例で得られたモデルカラーフィルターの分光透過率を図1に、色度及び明度を表1に示す。
【0035】
図1に示したように、本実施例で得られたモデルカラーフィルターの分光特性は、三波長型蛍光ランプの青の発光を効果的に透過し、赤及び緑の発光を効果的に遮光することができる、高水準の明彩度性を有するものであった。また、カラーレジストインキの硬化膜は、膜厚均一で凝集析出物等のない塗布性良好なものであった。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】
本発明におけるカラーフィルター用材料は、高水準の明彩度性を有するため、高品位の液晶ディスプレイ等の製造を可能にする点できわめて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】モデルカラーフィルターの分光透過率を示すグラフ
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー液晶表示装置等に用いられるカラーフィルター用材料及びこれを用いて形成される硬化物並びにカラーフィルターに関するものであり、詳しくは、青色画素形成に好適なカラーフィルター用材料とその硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カラーフィルターは液晶表示装置等のカラー化の目的で広く用いられており、一般に原色系三原色である赤、緑、青の画素がモザイク様に配置されている。このカラーフィルターに要求される最も重要な性能は色分離性能であり、各着色画素の分光特性が表示装置等の性能を大きく支配することになる。各画素の色素は、一般にその画素の透過特性がバックライト光の発光特性に合うよう選択され、例えば、赤色画素には赤色色素のほかに黄色色素、橙色色素を、緑色画素には緑色色素のほかに黄色色素を、青色画素には青色色素のほかに紫色色素を一定割合で混合することにより所望の透過特性を付与している。
【0003】
しかし、近年の液晶表示装置に対する高精細化、高輝度化、高色再現性の要求は高く、カラーフィルターの更なる高明度化、高彩度化が望まれている昨今、これらの色素のうち液晶表示装置等に用いて高水準の明彩度性を示すものはきわめて限定されている。例えば、青色画素を形成するためのカラーフィルター用材料には銅フタロシアニン系の青色色素であるピグメント・ブルー15:6と共に紫色色素が使用されることが多いが、この紫色の色素としては、特許第2543052号公報に開示されているように、カルバゾールジオキサジンよりなる紫色色素であるピグメント・バイオレット23が良好に用いることのできるほとんど唯一のものである。液晶表示装置等に使用されるカラーフィルターの作成に当たっては、使用されるカラーフィルター用材料は用途や目的に適した色の調整が必須であり、このような場合にカルバゾールジオキサジン紫色色素に代わる色素を使用した高明彩化カラーフィルター用材料(以下、カラーレジストインキとも称する。)が望まれていた。
【0004】
ところで、特開平11−24255号公報や特開2001−318462号公報には、サブフタロシアニン化合物を用いた光重合性組成物が示されている。しかし、これらの光重合性組成物は、サブフタロシアニン化合物の光増感作用に着目し、サブフタロシアニン化合物を感光性樹脂組成物中に溶解させて、アルゴンレーザー(514nm)あるいはYAG(第二高調波)レーザー(532nm)等の長波長レーザー光など、可視光に対する光増感剤として用いるものであり、サブフタロシアニン化合物の優れた色分離性能に着目し、着色材としてカラーフィルター用組成物に用いることは示唆されていない。
【0005】
【特許文献1】
特許第2543052号公報
【特許文献2】
特開平11−24255号公報
【特許文献3】
特開2001−318462号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の欠点に鑑みなされたもので、液晶表示装置等に用いられる高水準の明彩度性を与える(特に、青色)画素形成のためのカラーフィルター用材料及びこれを用いて形成される硬化物並びにカラーフィルターを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するために検討した結果、特定の色素を含み、これを配合した組成物、その硬化物が高水準の明彩度性を与え、特に、カラーフィルターの画素形成に好適であることを見出し本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、(イ)感光性樹脂及び/又は単量体、(ロ)着色材、(ハ)溶剤及び(ニ)光重合開始剤を含有してなるカラーフィルター用材料において、(ロ)の着色材成分として下式(1)で示されるサブフタロシアニン系色素を全着色材中0.5重量%以上含有し、前記カラーフィルター用材料中の着色材(ロ)と全樹脂成分(R)との各成分の合計重量比で表される(ロ)/(R)が0.05〜1.5の範囲であることを特徴とするカラーフィルター用材料である。
【化2】
(但し、Xはハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基を示す。)
【0009】
更に、本発明は、前記のカラーフィルター用材料を硬化して得られる硬化物である。また、本発明は、青色画素を形成する硬化膜が前記の硬化物からなるカラーフィルターである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のカラーフィルター用材料は、(イ)感光性樹脂及び/又は単量体(以下、成分(イ)ともいう)、(ロ)着色材(以下、成分(ロ)ともいう)、(ハ)溶剤(以下、成分(ハ)ともいう)及び(ニ)光重合開始剤(以下、成分(ニ)ともいう)を必須成分として含有し、必要により他の樹脂成分及びその他の表面調整剤、消泡剤等の各種添加剤を配合することができる。
【0011】
成分(イ)の感光性樹脂及び/又は単量体は、光重合性樹脂、光重合性モノマー及び光重合性オリゴマーの少なくとも1種以上から選ばれ、エチレン性不飽和結合を有するものである。カラーフィルター用材料には硬化した状態で樹脂となるものを含めば良く、未硬化の状態では樹脂化していない成分のみが含まれる場合をも含む。本発明でいう全樹脂成分には、樹脂化する前のモノマーやオリゴマーも含む。成分(イ)は、カラーフィルターの製造プロセスを考慮して適宜選択すれば良い。
【0012】
光重合性樹脂、光重合性モノマー及び光重合性オリゴマーとしては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールフルオレン型エポキシジ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類等が挙げられる。また、アクリル酸(共)重合体、(メタ)アクリル酸(共)重合体、マレイン酸(共)重合体等のビニル樹脂や、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリエステル等の側鎖にエチレン性二重結合を有する樹脂類も挙げることができる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。また、これらの樹脂は、現像性を高める目的で、側鎖にカルボン酸基、フェノール性水酸基等のアルカリ溶解性置換基を有していることも望ましい。
【0013】
成分(イ)の配合率は、本発明のカラーフィルター用材料中の全固形分中40〜95重量%であることが好ましく、更には50〜90重量%であることが好ましい。組成物中には、必要に応じて他の樹脂類等の固形分を配合することができるが、この場合には、他の樹脂類を合わせた合計量が上記範囲に入ることが望ましい。なお、全固形分とは乾燥、重合又は硬化後に固形分として残る成分をいい、溶剤を含まず、単量体を含む。
【0014】
成分(ロ)の着色材には、前記の式(1)で示されるサブフタロシアニン系色素を全着色材中0.5重量%以上含有することを必要とする。式(1)中のXはハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基のいずれかであれば特に限定されるものではないが、取り扱いに優れる点から塩素又は臭素が好ましい。
【0015】
本発明で使用される成分(ロ)は、上記サブフタロシアニン系色素を全着色材中0.5重量%以上、好ましくは5重量%以上含有するものであれば良く、他の顔料や染料を併用して用いることもできる。青色のカラーレジストインキを調製するために適した他の着色材としては、色相の点から青色、紫色の色素が好ましく、例えばピグメント・ブルー15:3、同15:6、同60、ピグメント・バイオレット19、同23、同37等の顔料を挙げることができるが、併用可能な色素はこれらに限定されるものではない。
【0016】
本発明において、着色材としてサブフタロシアニン系色素を用いる理由は、その特異な分光特性に起因する。つまり、液晶表示装置等のバックライトには、赤、緑及び青の三原色に対応する波長(一般的に610nm、545nm及び435nm)に鋭い発光を有する高演色性の三波長型蛍光ランプが広く用いられており、この三波長の発光をそれぞれ効果的に透過し又は遮光することが高水準の明彩度性を示すために必要である。本発明のサブフタロシアニン系色素を主たる着色材として含むカラーフィルター用組成物を用いて製作されるカラーフィルターは、340〜520nm付近及び630nmより長波長域に透過を、530〜620nm付近に吸収を持つ優れた分光特性を示すために、三波長型蛍光ランプの青の発光を効果的に透過し、緑及び赤の発光を効果的に遮光することができる。そのために、本発明のカラーフィルターは高水準の明彩度性を有し、これを用いる液晶表示装置等に高水準の明彩度性を与えることができる。
【0017】
サブフタロシアニン化合物の合成方法は公知であり、その例としては、A. Meller and A. Ossko, Monatshefte fur Chemie 103, 150−155 (1972) などが挙げられ、化学量論的には三ハロゲン化硼素1モルと必要に応じてベンゼン骨格周辺の水素原子がニトロ基に置換されたフタロニトリル3モルを反応させることで合成できる。こうして得られたサブフタロシアニン化合物には副反応等によって生ずる不純物が含まれていることが多いが、例えば濾過洗浄やソックスレー抽出を行うことにより不純物を取り除くことができる。ここで、不純物としては、原料の三ハロゲン化硼素の加水分解生成物、未反応のフタロニトリル等を挙げることができる。濾過洗浄やソックスレー抽出で用いる溶媒については、特に制約はない。例えばメタノール、エタノール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤等を用いることができる。但し、合成法及び精製法は上記の方法に限定されるものではない。
【0018】
カラーフィルター用材料中の着色材の割合は、着色濃度等に応じて適宜選定されるが、カラーフィルター用材料中の成分(ロ)の着色材と全樹脂成分(R)との(ロ)/(R)の重量比が0.05〜1.5の範囲であることが必要であり、好ましくは、0.1〜1の範囲である。この比が0.05に満たないと、着色性能が十分発揮できず良好なカラーフィルターを形成できなくなり、また、1.5を超えると、フォトリソグラフィー工程において有効な画素形成能が発揮できなくなる。なお、全樹脂成分(R)は、前記成分(イ)、及び成分(イ)以外の樹脂成分(モノマーを含む)からなる。
【0019】
成分(ハ)の溶剤としては、エステル類、ケトン類、グリコールエーテル類、含窒素系溶剤等を好ましく用いることができる。例えばエステル類では酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等、ケトン類ではメチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等、グリコ−ルエーテル類ではエチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル等、含窒素系溶剤ではジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等をそれぞれ挙げることができる。これらの溶剤は、配合される樹脂類及びその他の添加物の構成、サブフタロシアニン系色素の含有量並びに溶解性、顔料の分散性、塗布性に応じて適宜選択すれば良く、単独で用いても良いし2種以上を併用しても良い。
【0020】
成分(ニ)の光重合開始剤としては、例えばアセトフェノン、p−tert−ブチルアセトフェノン等のアセトフェノン類、ベンゾフェノン、p,p′−ビス(N,N−ジメチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイン−tert−ブチルエーテル等のベンゾインエーテル類、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−(N,N−ジメチルアミノ)−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン等のα−アミノアルキルフェノン類、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン等のトリアジン類、過酸化ベンゾイル、3,3′,4,4′−テトラ(tert−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン等の有機過酸化物類、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等の硫黄化合物類等を挙げることができる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0021】
成分(ニ)の光重合開始剤の配合率は、露光感度等に応じて適宜選択されるが、成分(イ)に対して0.1〜20重量%であることが好ましく、更には0.5〜15重量%であることが好ましい。含有割合が0.1重量%未満では、感光性が不十分となり、反対に20重量%を超えると、レジストインキとしての保存安定性にかける。
【0022】
本発明のカラーフィルター用材料は、上記成分以外に現像性や塗膜形成能を向上させる目的で、バインダー樹脂成分として、アルカリ溶解性を有する樹脂を加えても良い。例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル等が挙げられるが、主鎖又は側鎖にカルボキシル基を含有しアルカリ現像性に優れるものが好ましい。このようなものには、例えばアクリル酸(共)重合体、(メタ)アクリル酸(共)重合体、マレイン酸(共)重合体等のビニル樹脂類が挙げられる。この他に、水酸基を有する樹脂に酸無水物を付加させたものなども有用である。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0023】
なお、本発明のカラーフィルター用材料は、必須成分として前記の成分(イ)〜(ニ)を含有するが、全固形分は1〜40重量%であることが好ましく、更には5〜30重量%であることが好ましい。
【0024】
カラーフィルター用材料を作製する方法としては、予め前記サブフタロシアニン系色素を単独で又は他の染料と共に溶剤に溶解し、これに他の顔料分散体、樹脂成分、光重合開始剤等を配合する方法や、サブフタロシアニン系色素を樹脂組成物中に直接溶解させる方法等を挙げることができるが、上記の方法に限定されるものではない。
【0025】
本発明のカラーフィルター用材料を硬化して得られる硬化物は、カラーフィルター用材料を基板等に塗布し、光照射、加熱等で硬化させることによって得られる。カラーフィルター用材料を塗布する方法としては公知の方法が利用でき、例えばスピンコーター、バーコーター、ダイコーター等の塗布装置による塗布を挙げることができる。塗布後は、ホットプレート、IRオーブン等を用いて乾燥を行なっても良い。
【0026】
カラーフィルター用材料を光照射する方法も公知の方法が利用でき、適用し得る露光光源は特に限定されるものではないが、例えばキセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、中圧水銀灯、低圧水銀灯等のランプ光源等が用いられる。ただし、塗布及び光照射の方法は上記の方法に限定されない。
【0027】
かかる光源にて画像露光を行った後、現像すれば基板上に画像を形成することができる。現像液としては、未露光部分を溶解し露光部分溶解しない現像液であればいかなるものも用いることができる。具体時には、種々の添加物を含んだアルカリ溶液であり、添加物としては、有機溶剤、緩衝剤、界面活性剤等を含有することができる。現像処理方法については特に制限はないが、浸漬現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音波現像等の方法が用いられる。
【0028】
また、塗膜の強度を上げる方法として、熱風オーブンによる加熱硬化を行っても良い。カラーフィルター用材料の硬化条件については特に制約はないが、硬化後の硬化膜の変色、褪色を防ぐために、加熱については250℃以下で1時間以内とすることが好ましい。なお、上記のカラーフィルター用材料の硬化膜を用いてカラーフィルターを製作する方法としては、公知の方法を利用できる。
【0029】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものでない。なお、以下における「部」はいずれも重量部を示す。
【0030】
製造例1
4−ニトロフタロニトリル100部に1−クロロナフタレン100部を加え、窒素雰囲気下、室温で30分攪拌したのち、三臭化硼素72部を滴下する。その後、100℃までゆっくり加熱し、反応が穏やかになったら更に120〜150℃で10〜60分加熱撹拌を行なう。放冷後、析出物を濾取して、アセトン、炭酸水素ナトリウム水溶液、水、メタノールの順で洗浄し乾燥して、式(2)で示されるBr−トリニトロサブフタロシアニン硼素錯体83部(収率71%)を得た。
【0031】
【化3】
【0032】
実施例1
製造例1で得たBr−トリニトロサブフタロシアニン硼素錯体50部にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート562部を加えて溶解させた後、ビスフェノールフルオレン骨格を有するエポキシアクリレート樹脂の54.2重量%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(新日鐵化学社製商品名:V−259ME)150部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート55部、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製商品名:エピコートYX4000HK)17部、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン7部、p,p′−ビス(N,N−ジエチルアミノ)ベンゾフェノン1部、ジエチレングリコールジメチルエーテル156部、界面活性剤1部及びシランカップリング剤1部を配合し、十分に攪拌して、弱アルカリ溶液に可溶な感光性樹脂を含むカラーフィルター用材料1000部を製作した。こうして得られたカラーフィルター用材料の固形分濃度は21.1重量%、全固形分中の着色材成分の割合は23.7重量%であり、低粘度かつ低チクソトロピー性を示すものであった。
【0033】
実施例2 (モデルカラーフィルターの製作)
このようにして得られたカラーフィルター用材料を、5インチ角、厚さ1mmの青板ガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布した。このとき、スピンコーターの回転数を変化させて膜厚の異なる2つの試験片を製作した。この試験片を乾燥した後、フォトマスクを被せて200mJ/cm2の紫外線露光を行い露光部のカラーフィルター用材料を硬化させた。次いで試験片を0.4%炭酸ナトリウム水溶液で60秒間アルカリ現像して未露光部のカラーフィルター用組成物を除去し、これを乾燥した。最後に試験片を熱硬化して、モデルカラーフィルターとしてのカラーフィルター用材料の硬化膜を製作した。スピンコーターの回転数400rpmで作成した膜厚1.2μmの試験片を試験片1とし、回転数600rpmで作成した膜厚0.8μmの試験片を試験片2とした。
【0034】
(モデルカラーフィルターの特性評価)
製作したモデルカラーフィルターの分光透過率、色度(x値、y値)及び明度(Y値)は、色度計(東京電色社製商品名:カラーアナライザーTC−1800MK2)を用いて測定したが、このときの測色用の光は標準の光Cとした。本実施例で得られたモデルカラーフィルターの分光透過率を図1に、色度及び明度を表1に示す。
【0035】
図1に示したように、本実施例で得られたモデルカラーフィルターの分光特性は、三波長型蛍光ランプの青の発光を効果的に透過し、赤及び緑の発光を効果的に遮光することができる、高水準の明彩度性を有するものであった。また、カラーレジストインキの硬化膜は、膜厚均一で凝集析出物等のない塗布性良好なものであった。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】
本発明におけるカラーフィルター用材料は、高水準の明彩度性を有するため、高品位の液晶ディスプレイ等の製造を可能にする点できわめて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】モデルカラーフィルターの分光透過率を示すグラフ
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