JP2004278985A - 熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】安価かつ軽量で、オイルの通油抵抗の増加も抑えられ、かつオイルホールの位置差の吸収範囲も大きくとることができるオイル通路プレート構造を有する熱交換器を提供する。
【解決手段】本発明の熱交換器は、複数枚の第1と第2のプレート111,112を積層することにより形成された熱交換コア部110と、このコア部を収納するタンク120と、流体通路プレート構造130と、座面プレート140とを具備していて、該流体通路プレート構造が、薄板で形成されたオイル通路プレーート131と流体通路補強フィン132の2つの部品によって構成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の熱交換器は、複数枚の第1と第2のプレート111,112を積層することにより形成された熱交換コア部110と、このコア部を収納するタンク120と、流体通路プレート構造130と、座面プレート140とを具備していて、該流体通路プレート構造が、薄板で形成されたオイル通路プレーート131と流体通路補強フィン132の2つの部品によって構成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、車両のエンジンオイルやオートマチックトランスミッション用の作動オイル等を冷却するためのオイルクーラとして使用される熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用のオイルクーラは、図5に示すようにオイルクーラ100をエンジンやトランスミッション等のブロック200に直付けし、オイルクーラ本体とブロックとでシールをすることによってオイル等の流体を直通させる構造を採用している(特許文献1参照)。即ち、所定形状の凹凸を有するようにプレス成形された2枚の第1プレート111と第2プレート112を合わせることで油通路ユニットを形成し、この油通路ユニットを積層することで熱交換コア部110が形成されている。この油通路ユニットは略円盤状であり、この中をオイルが流れ、さらに各油通路ユニットを連通し各油通路ユニットのオイル入口・出口となっている2つのオイルホールが設けられている。積層された各油通路ユニットの間が、エンジンの冷却水が通る水通路となっており、オイルと冷却水の2つの流体間で熱交換が行われる。
【0003】
熱交換コア部110の水通路を密閉して冷却水の出入口121を設けるために、コップ状のタンク120が熱交換コア部110を囲んでいる。さらに水出入口121を除いて熱交換コア部110周りの冷却水を完全に密閉するようにタンク120の開口部を塞ぐためと、エンジンやトランスミッション等のブロック200と熱交換コア部110のオイルホールの位置差を吸収してオイルを循環させるためのオイル通路プレート130が熱交換コア部110のブロック200側に設けられる。さらにブロック200に取り付けるための機構(例えばボルト穴)があり、かつオイルクーラ100とブロック200の間をシールするための座面プレート140が、オイル通路プレート130のブロック側に設けられている。この座面プレート140には、ブロック200のオイルホール位置に合うようにオイルホールが開けられている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−12887号公報(第3,4頁、第1図)
【0005】
このオイル通路プレート130は、前述のオイルホール位置を吸収する通路としての機能の他に、その側面でタンク120をろう付け接着し冷却水を密閉する機能を持っている。またオイル通路プレート130は、タンク120の中に熱交換コア部110が入れられてからタンク120に圧入され、その後、座面プレート140と合わせてろう付けされる。このオイル通路プレート130のオイル通路131b,131c内の通油抵抗を抑えるためと、上記圧入の目的からオイル通路プレート130の板厚の厚さが必要であり、厚板となっている。
【0006】
厚板材(圧延材)は、特にアルミの場合、一般的に材料費が高く、さらにコイル状化が困難なため搬送などの取り扱いも難しく、またプレスにおいても厚板だとプレス荷重が必要なため大きな設備が必要となる。更に図6に示すようにオイル通路131を形成するため打ち抜き穴が必要であり、打つ抜かれた部材は廃材となるため歩留まりが悪い。このように厚板は総じてコストが高くなる要因となっている。
【0007】
またオイル通路プレート130にオイル通路131を形成するための打ち抜き穴は、そのオイルホール位置を吸収する通路の機能としては、大きい穴のほうが良く、それは通油抵抗のうえからも有利である。しかしながら、大きな穴にすると、その反面で熱交換コア部110を抑える面積が減り熱交換コア部110の耐圧強度が弱くなるので、あまり大きくすることもできない。さらに厚板のため、加工上多数の穴を開けて軽量化することもできない。従って、オイルクーラの重量が重くなる原因にもなっている。
このように、従来のオイルクーラにおける厚板のオイル通路プレート構造は、オイルクーラのコストと重量が大きくなる要因となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的は、安価かつ軽量可能であると共に、オイルの通油抵抗の増加も抑えられ、かつオイルホールの位置差の吸収範囲も大きくとることができるオイル通路プレート構造を有する熱交換器を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するための手段として、特許請求の範囲の各請求項に記載の熱交換器を提供する。
請求項1に記載の熱交換器は、熱交換コア部、流体通路プレート構造及び座面プレートとを具備していて、この流体通路プレート構造を薄板によって形成された2つの部品で構成するようにしたものであり、これにより、流体通路プレート構造として厚板を使用する必要がないため、熱交換器の重量を軽減することができ、また材料費も安くすみ、更に薄板を使用するため大きなプレス荷重の大型の設備を必要とせず、材料の搬送も容易である。
【0010】
請求項2の熱交換器は、流体通路プレート構造の一方の部品が、その外周に縦壁部を有し、また1つの開口部がカップ形状の張出部を有するようにしたものであり、これにより、縦壁部がタンク圧入とタンクろう付け機能を有することとなり、また張出部で流体の入口と出口とを仕切ることになるので、流体通路プレート構造のホールの位置差吸収機能を向上させることができる。
請求項3の熱交換器は、流体通路プレート構造の他方の部品を補強フィンとしたものであり、これにより、補強フィンを一方の部品の補強部材として使用することで、流体通路プレート構造の補強と軽量化との両面の効果が得られる。
【0011】
請求項4の熱交換器は、補強フィンを流体が全方向に向けて抜けられる形状としたものであり、これにより、補強フィンの設置による流体抵抗の増加を抑制することができる。
請求項5の熱交換器は、補強フィンとしてオフセットフィンに特定したものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に従って本発明の実施の形態の熱交換器について説明する。本発明の熱交換器は、好適には車両用オイルクーラに使用されるものであるが、これに限定されるものではない。図1は、本実施形態に係るオイルクーラ(熱交換器)100の縦断面図である。なお、オイルクーラ100は走行用エンジンのシリンダブロック又はクランクケース或いはトランスミッション本体の壁面等200に装着されて、エンジン冷却水とエンジンオイルやオートマチックトランスミッション用の作動オイル等のオイルとを熱交換して、オイルを冷却するものである。
【0013】
オイルと冷却水とを熱交換する熱交換コア部110は、所定形状の凹凸を有するようにプレス成形された複数枚の円盤状第1、第2プレート111,112をその厚み方向に積層することにより形成されている。言い換えれば、第1プレート111と第2プレート112とを重ね合わせて油通路ユニットを形成し、これら油通路ユニットを積層することによって熱交換コア部110を形成している。なお、図1に示される実施形態では、熱交換コア部110の下部に第3プレート113が設けられており、最下段の第2プレート112の強度を補強すると共に、熱交換コア部110の下面の平坦化を図っている。
【0014】
熱交換コア部110は、有底略円筒状のタンク120内に収納されており、このタンク120の軸方向の一端側の開放部120aが、オイル通路プレート構造(流体通路プレート構造)130により閉塞されて、熱交換コア部110を収納する閉じた空間がタンク120内に形成されている。
【0015】
タンク120の円筒壁部には、冷却水が流入する流入口121と、この流入口121から流入した冷却水が熱交換コア部110の油通路ユニット間を通ってオイルとの熱交換を終えた冷却水を流出する流出口(図示していないが、流入口と同様に設ける)とが設けられている。
【0016】
第1プレート111と第2プレート112とによって形成された油通路ユニット内の空間がオイルが流通するオイル通路114を構成し、この油通路ユニット外の空間(油通路ユニット間の空間)が冷却水が流通する冷却水通路122を構成している。この両通路114,122内には、オイルと冷却水との熱交換を促進するインナーフィン115,123が設けられている。なお、第1、第2プレート111,112には、オイルが流入する側のホールと流出する側のホールの2つのホールが形成されており、第1と第2のプレート111,112が積層されることでこれらのホールが連結して、流入側オイルホールと流出側オイルホールが形成されるものである。また、第3プレート113にも、当然に2つのホールが形成されている。
【0017】
符号140は、タンク120又はオイル通路プレート構造130或いはこの両者にろう付け接合される座面プレートであり、この座面プレート140のオイル通路プレート構造130と反対側の面(シリンダブロック又はクランクケースの壁面等200に接触する側の面)141には、この面(シール面)141とシリンダブロック又はクランクケースの壁面等200との隙間をシールするアクリルゴム製のOリング150が装着されるOリング溝142が形成されている。このOリング溝142及びシール面141は、所定のシール性を確保するために、機械加工にて所定の面粗さ、例えば12.5Z以下に仕上げられている。また座面プレート140にも、オイルの流入用と流出用の2つのオイルホール143,144が形成されている。
この座面プレート140は、取付ボルト160によってシリンダブロック又はクランクケースの壁面等200に複数個所(図1には1個所だけ示されている)で固定される。即ち、オイルクーラ100がシリンダブロック又はクランクケースの壁面等200に取付け固定される。
【0018】
次に、図2〜4に従って本発明の特徴であるオイル通路プレート構造130について説明する。本発明においては、従来の厚板のオイル通路プレートに代えて、オイル通路プレート構造130は、薄板のオイル通路プレート131と同じく薄板で形成されたオイル通路補強フィン132の2つの部品から構成されている。
【0019】
薄板のオイル通路プレート131は、その外周に縦壁部131aが設けられた平底の略円形水盤形状をしていて、その平底にはオイルが流出入するための2つの開口部(オイルホール)131b,131cが形成されていて、1方の開口部131bは、平底からカップ状に張り出した張出部131dの頂部に形成されている。このオイル通路プレート131は、平底の底面が熱交換コア部110側に、縦壁部131aの開口側(張出部131dの頂部側)が座面プレート140側に向けられている。この縦壁部131aが、熱交換コア部110のタンク120への圧入機能とタンク120へのろう付け機能とを有している。
【0020】
また、オイル通路プレート131の縦壁部131aの開口縁は、内側又は外側(図1〜3においては内側)に曲げられて平面部131eが形成されると共に、張出部131dの頂部に形成される開口部131bの周縁にも張出平面部131fが形成され、これら平面部131eと張出平面部131fとが、座面プレート140にろう付けされる。
更に、オイル通路プレート131に形成された2つの開口部(オイルホール)131b,131cは、熱交換コア部110のオイルの流入側と流出側の2つのオイルホールとそのホールの位置が略一致しており、更に一方の開口部131bは座面プレート140の片方のオイルホール(図1では、オイル流入側)143とホールの位置が略一致している。こうすることにより、オイル通路プレート131の張出部131dが、オイルの流入側と流出側とを仕切るようになる。
【0021】
オイル通路プレート131の張出部131dを避けた水盤状の内部には、図2に示すようにオイル通路補強フィン132が詰められている。この補強フィン132はオイル通路プレート131を補強するためのもので、開口部131cから入るオイルが全方向に抜けられる形状、例えば、図4に示されるようにオフセットフィンのような形状をしている。この補強フィン132は、オイル通路プレート131の底面にろう付けされると共に、最終的には、座面プレート140にもろう付けされ、補強柱の役割をしている。
なお、オイルクーラ100のほとんど全ての接合部分は、一般にはろう付けによって接合されている。
【0022】
以上説明したように、本発明のオイルクーラのオイル通路プレート構造においては、薄板品の組み合わせ構造としたので材料費自体が安価となり、かつ重量が軽減される。また、開口部の打ち抜き穴が小さくなり、更にその捨てられる部分の板厚も薄いので材料の歩留まりが良い。また補強フィンによる補強構造を採用しているので、ハニカム構造と同じように同一強度での軽量化効果が高い。
更に、オフセットフィンによってオイルが全方向に向けて抜けることができると共に、オイル通路の流路断面積が広くとれるので、通油抵抗の増加が抑えられると同時に、オイルホールの位置差の吸収範囲も大きくとれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の熱交換器の全体構成を示す縦断面図である。
【図2】本発明の熱交換器であるオイルクーラのオイル通路プレート構造の半上面図、断面図及び半下面図である。
【図3】図2のオイル通路プレート構造のオイル通路プレートの半上面図、断面図及び半下面図である。
【図4】図2のオイル通路プレート構造のオイル通路補強フィンの断面図及び半平面図とオフセットフィンの斜視図である。
【図5】従来のオイルクーラ(熱交換器)の全体構成を示す縦断面図である。
【図6】従来のオイルクーラのオイル通路プレート半上面図、断面図及び半下面図である。
【符号の説明】
100…オイルクーラ(熱交換器)
110…熱交換コア部
111,112,113…第1、第2、第3プレート
120…タンク
130…オイル通路プレート構造(流体通路プレート構造)
131…オイル通路プレート
131a…縦壁部
131b,131c…開口部
131d…張出部
132…オイル通路補強フィン
200…シリンダブロック又はクランクケース或いはトランスミッション本体の壁面等
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、車両のエンジンオイルやオートマチックトランスミッション用の作動オイル等を冷却するためのオイルクーラとして使用される熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用のオイルクーラは、図5に示すようにオイルクーラ100をエンジンやトランスミッション等のブロック200に直付けし、オイルクーラ本体とブロックとでシールをすることによってオイル等の流体を直通させる構造を採用している(特許文献1参照)。即ち、所定形状の凹凸を有するようにプレス成形された2枚の第1プレート111と第2プレート112を合わせることで油通路ユニットを形成し、この油通路ユニットを積層することで熱交換コア部110が形成されている。この油通路ユニットは略円盤状であり、この中をオイルが流れ、さらに各油通路ユニットを連通し各油通路ユニットのオイル入口・出口となっている2つのオイルホールが設けられている。積層された各油通路ユニットの間が、エンジンの冷却水が通る水通路となっており、オイルと冷却水の2つの流体間で熱交換が行われる。
【0003】
熱交換コア部110の水通路を密閉して冷却水の出入口121を設けるために、コップ状のタンク120が熱交換コア部110を囲んでいる。さらに水出入口121を除いて熱交換コア部110周りの冷却水を完全に密閉するようにタンク120の開口部を塞ぐためと、エンジンやトランスミッション等のブロック200と熱交換コア部110のオイルホールの位置差を吸収してオイルを循環させるためのオイル通路プレート130が熱交換コア部110のブロック200側に設けられる。さらにブロック200に取り付けるための機構(例えばボルト穴)があり、かつオイルクーラ100とブロック200の間をシールするための座面プレート140が、オイル通路プレート130のブロック側に設けられている。この座面プレート140には、ブロック200のオイルホール位置に合うようにオイルホールが開けられている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−12887号公報(第3,4頁、第1図)
【0005】
このオイル通路プレート130は、前述のオイルホール位置を吸収する通路としての機能の他に、その側面でタンク120をろう付け接着し冷却水を密閉する機能を持っている。またオイル通路プレート130は、タンク120の中に熱交換コア部110が入れられてからタンク120に圧入され、その後、座面プレート140と合わせてろう付けされる。このオイル通路プレート130のオイル通路131b,131c内の通油抵抗を抑えるためと、上記圧入の目的からオイル通路プレート130の板厚の厚さが必要であり、厚板となっている。
【0006】
厚板材(圧延材)は、特にアルミの場合、一般的に材料費が高く、さらにコイル状化が困難なため搬送などの取り扱いも難しく、またプレスにおいても厚板だとプレス荷重が必要なため大きな設備が必要となる。更に図6に示すようにオイル通路131を形成するため打ち抜き穴が必要であり、打つ抜かれた部材は廃材となるため歩留まりが悪い。このように厚板は総じてコストが高くなる要因となっている。
【0007】
またオイル通路プレート130にオイル通路131を形成するための打ち抜き穴は、そのオイルホール位置を吸収する通路の機能としては、大きい穴のほうが良く、それは通油抵抗のうえからも有利である。しかしながら、大きな穴にすると、その反面で熱交換コア部110を抑える面積が減り熱交換コア部110の耐圧強度が弱くなるので、あまり大きくすることもできない。さらに厚板のため、加工上多数の穴を開けて軽量化することもできない。従って、オイルクーラの重量が重くなる原因にもなっている。
このように、従来のオイルクーラにおける厚板のオイル通路プレート構造は、オイルクーラのコストと重量が大きくなる要因となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的は、安価かつ軽量可能であると共に、オイルの通油抵抗の増加も抑えられ、かつオイルホールの位置差の吸収範囲も大きくとることができるオイル通路プレート構造を有する熱交換器を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するための手段として、特許請求の範囲の各請求項に記載の熱交換器を提供する。
請求項1に記載の熱交換器は、熱交換コア部、流体通路プレート構造及び座面プレートとを具備していて、この流体通路プレート構造を薄板によって形成された2つの部品で構成するようにしたものであり、これにより、流体通路プレート構造として厚板を使用する必要がないため、熱交換器の重量を軽減することができ、また材料費も安くすみ、更に薄板を使用するため大きなプレス荷重の大型の設備を必要とせず、材料の搬送も容易である。
【0010】
請求項2の熱交換器は、流体通路プレート構造の一方の部品が、その外周に縦壁部を有し、また1つの開口部がカップ形状の張出部を有するようにしたものであり、これにより、縦壁部がタンク圧入とタンクろう付け機能を有することとなり、また張出部で流体の入口と出口とを仕切ることになるので、流体通路プレート構造のホールの位置差吸収機能を向上させることができる。
請求項3の熱交換器は、流体通路プレート構造の他方の部品を補強フィンとしたものであり、これにより、補強フィンを一方の部品の補強部材として使用することで、流体通路プレート構造の補強と軽量化との両面の効果が得られる。
【0011】
請求項4の熱交換器は、補強フィンを流体が全方向に向けて抜けられる形状としたものであり、これにより、補強フィンの設置による流体抵抗の増加を抑制することができる。
請求項5の熱交換器は、補強フィンとしてオフセットフィンに特定したものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に従って本発明の実施の形態の熱交換器について説明する。本発明の熱交換器は、好適には車両用オイルクーラに使用されるものであるが、これに限定されるものではない。図1は、本実施形態に係るオイルクーラ(熱交換器)100の縦断面図である。なお、オイルクーラ100は走行用エンジンのシリンダブロック又はクランクケース或いはトランスミッション本体の壁面等200に装着されて、エンジン冷却水とエンジンオイルやオートマチックトランスミッション用の作動オイル等のオイルとを熱交換して、オイルを冷却するものである。
【0013】
オイルと冷却水とを熱交換する熱交換コア部110は、所定形状の凹凸を有するようにプレス成形された複数枚の円盤状第1、第2プレート111,112をその厚み方向に積層することにより形成されている。言い換えれば、第1プレート111と第2プレート112とを重ね合わせて油通路ユニットを形成し、これら油通路ユニットを積層することによって熱交換コア部110を形成している。なお、図1に示される実施形態では、熱交換コア部110の下部に第3プレート113が設けられており、最下段の第2プレート112の強度を補強すると共に、熱交換コア部110の下面の平坦化を図っている。
【0014】
熱交換コア部110は、有底略円筒状のタンク120内に収納されており、このタンク120の軸方向の一端側の開放部120aが、オイル通路プレート構造(流体通路プレート構造)130により閉塞されて、熱交換コア部110を収納する閉じた空間がタンク120内に形成されている。
【0015】
タンク120の円筒壁部には、冷却水が流入する流入口121と、この流入口121から流入した冷却水が熱交換コア部110の油通路ユニット間を通ってオイルとの熱交換を終えた冷却水を流出する流出口(図示していないが、流入口と同様に設ける)とが設けられている。
【0016】
第1プレート111と第2プレート112とによって形成された油通路ユニット内の空間がオイルが流通するオイル通路114を構成し、この油通路ユニット外の空間(油通路ユニット間の空間)が冷却水が流通する冷却水通路122を構成している。この両通路114,122内には、オイルと冷却水との熱交換を促進するインナーフィン115,123が設けられている。なお、第1、第2プレート111,112には、オイルが流入する側のホールと流出する側のホールの2つのホールが形成されており、第1と第2のプレート111,112が積層されることでこれらのホールが連結して、流入側オイルホールと流出側オイルホールが形成されるものである。また、第3プレート113にも、当然に2つのホールが形成されている。
【0017】
符号140は、タンク120又はオイル通路プレート構造130或いはこの両者にろう付け接合される座面プレートであり、この座面プレート140のオイル通路プレート構造130と反対側の面(シリンダブロック又はクランクケースの壁面等200に接触する側の面)141には、この面(シール面)141とシリンダブロック又はクランクケースの壁面等200との隙間をシールするアクリルゴム製のOリング150が装着されるOリング溝142が形成されている。このOリング溝142及びシール面141は、所定のシール性を確保するために、機械加工にて所定の面粗さ、例えば12.5Z以下に仕上げられている。また座面プレート140にも、オイルの流入用と流出用の2つのオイルホール143,144が形成されている。
この座面プレート140は、取付ボルト160によってシリンダブロック又はクランクケースの壁面等200に複数個所(図1には1個所だけ示されている)で固定される。即ち、オイルクーラ100がシリンダブロック又はクランクケースの壁面等200に取付け固定される。
【0018】
次に、図2〜4に従って本発明の特徴であるオイル通路プレート構造130について説明する。本発明においては、従来の厚板のオイル通路プレートに代えて、オイル通路プレート構造130は、薄板のオイル通路プレート131と同じく薄板で形成されたオイル通路補強フィン132の2つの部品から構成されている。
【0019】
薄板のオイル通路プレート131は、その外周に縦壁部131aが設けられた平底の略円形水盤形状をしていて、その平底にはオイルが流出入するための2つの開口部(オイルホール)131b,131cが形成されていて、1方の開口部131bは、平底からカップ状に張り出した張出部131dの頂部に形成されている。このオイル通路プレート131は、平底の底面が熱交換コア部110側に、縦壁部131aの開口側(張出部131dの頂部側)が座面プレート140側に向けられている。この縦壁部131aが、熱交換コア部110のタンク120への圧入機能とタンク120へのろう付け機能とを有している。
【0020】
また、オイル通路プレート131の縦壁部131aの開口縁は、内側又は外側(図1〜3においては内側)に曲げられて平面部131eが形成されると共に、張出部131dの頂部に形成される開口部131bの周縁にも張出平面部131fが形成され、これら平面部131eと張出平面部131fとが、座面プレート140にろう付けされる。
更に、オイル通路プレート131に形成された2つの開口部(オイルホール)131b,131cは、熱交換コア部110のオイルの流入側と流出側の2つのオイルホールとそのホールの位置が略一致しており、更に一方の開口部131bは座面プレート140の片方のオイルホール(図1では、オイル流入側)143とホールの位置が略一致している。こうすることにより、オイル通路プレート131の張出部131dが、オイルの流入側と流出側とを仕切るようになる。
【0021】
オイル通路プレート131の張出部131dを避けた水盤状の内部には、図2に示すようにオイル通路補強フィン132が詰められている。この補強フィン132はオイル通路プレート131を補強するためのもので、開口部131cから入るオイルが全方向に抜けられる形状、例えば、図4に示されるようにオフセットフィンのような形状をしている。この補強フィン132は、オイル通路プレート131の底面にろう付けされると共に、最終的には、座面プレート140にもろう付けされ、補強柱の役割をしている。
なお、オイルクーラ100のほとんど全ての接合部分は、一般にはろう付けによって接合されている。
【0022】
以上説明したように、本発明のオイルクーラのオイル通路プレート構造においては、薄板品の組み合わせ構造としたので材料費自体が安価となり、かつ重量が軽減される。また、開口部の打ち抜き穴が小さくなり、更にその捨てられる部分の板厚も薄いので材料の歩留まりが良い。また補強フィンによる補強構造を採用しているので、ハニカム構造と同じように同一強度での軽量化効果が高い。
更に、オフセットフィンによってオイルが全方向に向けて抜けることができると共に、オイル通路の流路断面積が広くとれるので、通油抵抗の増加が抑えられると同時に、オイルホールの位置差の吸収範囲も大きくとれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の熱交換器の全体構成を示す縦断面図である。
【図2】本発明の熱交換器であるオイルクーラのオイル通路プレート構造の半上面図、断面図及び半下面図である。
【図3】図2のオイル通路プレート構造のオイル通路プレートの半上面図、断面図及び半下面図である。
【図4】図2のオイル通路プレート構造のオイル通路補強フィンの断面図及び半平面図とオフセットフィンの斜視図である。
【図5】従来のオイルクーラ(熱交換器)の全体構成を示す縦断面図である。
【図6】従来のオイルクーラのオイル通路プレート半上面図、断面図及び半下面図である。
【符号の説明】
100…オイルクーラ(熱交換器)
110…熱交換コア部
111,112,113…第1、第2、第3プレート
120…タンク
130…オイル通路プレート構造(流体通路プレート構造)
131…オイル通路プレート
131a…縦壁部
131b,131c…開口部
131d…張出部
132…オイル通路補強フィン
200…シリンダブロック又はクランクケース或いはトランスミッション本体の壁面等
Claims (5)
- 所定形状のプレートを積層することで複数の流体通路を形成し、2つの熱交換流体が前記流体通路を積層方向交互に流通すること熱交換する熱交換コア部と、
前記熱交換コア部の流通ホールの位置と熱交換器が取り付けられるブロックの流通ホールの位置との位置差を吸収する機能を有し、前記熱交換コア部の前記ブロック側に固着される流体通路プレート構造と、
前記流体通路プレート構造に固着され、前記ブロックとの間をシールする座面プレートと、
を具備している熱交換器において、
前記流体通路プレート構造が薄板によって形成される2つの部品の組み合わせによって構成されていることを特徴とする熱交換器。 - 前記流体通路プレート構造の一方の部品が、その外周に縦壁部を有し、その内部の1つの開口部がカップ形状の張出部を有していることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
- 前記流体通路プレート構造の他方の部品が、補強フィンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱交換器。
- 前記補張フィンが流体を全方向に向けて抜けられる形状をしていることを特徴とする請求項3に記載の熱交換器。
- 前記補強フィンがオフセットフィンであることを特徴とする請求項4に記載の熱交換器。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003073781A JP2004278985A (ja) | 2003-03-18 | 2003-03-18 | 熱交換器 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2003
- 2003-03-18 JP JP2003073781A patent/JP2004278985A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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