JP2004277668A - 色彩記憶性光変色性筆記具用インキ組成物、及びそれを用いた筆記具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ジアリールエテン系フォトクロミック化合物を含む光変色剤を、少なくとも溶剤とバインダーを含むビヒクル中に溶解、分散、又は懸濁させて、色彩記憶性光変色性筆記具用インキ組成物を調製し、前記インキ組成物を軸胴内に収容し、筆記先端部に導出可能に構成して、各種形態の筆記具を構成する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、色彩記憶性光変色性筆記具用インキ組成物、及びそれを用いた筆記具に関する。詳細には、紫外線又は紫外線を含む太陽光の照射により発色して、無色から有色、或いは有色(1)から有色(2)に変色し、変色状態を維持する筆跡を与え、必要に応じて前記筆跡に可視光を照射することにより、元の無色、或いは有色(1)を呈する筆跡に復帰可能な色彩記憶性光変色性筆記具用インキ組成物、及び前記筆跡を効果的に形成させる軽便な筆記具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、色変化する像を形成する筆記具用インキとして、熱変色性材料を利用したもの(例えば、特許文献1)、光変色性材料を利用したもの(例えば、特許文献2)が知られている。
前記熱変色性材料を利用したインキにより形成される筆記像の変色には、熱又は冷熱手段を要するのに対して、光変色性材料を利用したインキにより形成される筆記像は、太陽光の照射により自然に色変化させることができ、手間を要さない。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−124993号公報
【0004】
【特許文献2】
特開平8−156479号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記従来の光変色性材料を利用したインキにより形成される筆記像は、太陽光の照射により発色し、太陽光の照射下にあっては発色状態を維持するが、太陽光の当たらない場所に放置すると、発色状態が維持されず、自然に可逆的に消色して元の筆跡に戻り、常態では発色状態は維持されない。
本発明者らは、光メモリー(色彩記憶性光変色性)に必要とされる熱不可逆性をもつフォトクロミック化合物の応用を検討する過程において、特定のフォトクロミック化合物(ジアリールエテン系化合物)が、発色状態を維持する色彩記憶性、熱的安定性、感度、繰り返し耐久性等に顕著に優れており、色彩記憶性光変色筆跡を与える筆記具用インキの光変色剤として有効であり、前記光変色剤を溶解、分散、又は懸濁させたインキ組成物を筆記具形態として適用することが効果的なことを見出し、本発明を完成させたものであり、紫外線又は紫外線を含む太陽光の照射により発色して、無色から有色、或いは有色(1)から有色(2)に変色し、変色状態を維持する筆跡を与え、必要に応じて前記筆跡に可視光を照射することにより、元の無色、或いは有色(1)の筆跡に復帰可能な色彩記憶性光変色性筆記具用インキ組成物、及び前記筆跡を効果的に形成させる軽便な光変色性筆記具を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ジアリールエテン系フォトクロミック化合物を含む光変色剤を、少なくとも溶剤とバインダーを含むビヒクル中に溶解、分散、又は懸濁させてなることを特徴とする色彩記憶性光変色性筆記具用インキ組成物を要件とする。
更には、前記ビヒクルは、350nm〜400nmの波長域における乾燥塗膜の光反射率が、20%以上であること、光変色剤は、ジアリールエテン系フォトクロミック化合物を内包させたマイクロカプセル形態の顔料、又は前記フォトクロミック化合物を含有する樹脂粉粒体であること、非光変色性の染料又は顔料を併用してなること、前記顔料は光輝性顔料から選ばれること、剪断減粘性物質を含み、剪断減粘性を有してなること、水溶性高分子凝集剤を含み、ジアリールエテン系フォトクロミック化合物を内包させたマイクロカプセル形態の顔料、又は前記フォトクロミック化合物を含有する樹脂粉粒体を緩やかな凝集状態に懸濁させてなること等を要件とする。
更には、前記色彩記憶性光変色性筆記具用インキ組成物を軸胴内に収容してなり、筆記先端部より流出させて筆記可能に構成した筆記具を要件とする。
更には、前記筆記具は、色彩記憶性光変色性筆記具用インキ組成物を軸胴内に収容した、ボールペン形態の筆記具であること、色彩記憶性光変色性筆記具用インキ組成物を、繊維収束体からなるインキ吸蔵体に収容し、繊維加工体からなるペン体より流出させる形態の筆記具であること等を要件とする。
【0007】
前記ジアリールエテン系フォトクロミック化合物を以下に例示する。
なお、本発明に用いられるジアリールエテン系フォトクロミック化合物は以下の化合物に限定されるものではない。
ジアリールエテン系フォトクロミック化合物の基本骨格としては一般式(1)で示される化合物が挙げられる。
【化1】
前記一般式(1)の環Aは、フッ化(フルオロ化)又はペルフルオロ化されていてもよい炭化水素環又は複素環を示す。
【0008】
前記一般式(1)で示される化合物を、一般式(2)又は(3)で具体的に例示する。
【化2】
前記一般式(2)で示される化合物は、5個の炭素原子を含むフッ化又はペルフルオロ化されていてもよい環を有する。
【化3】
前記一般式(3)で示される化合物は、4個の炭素原子を含む無水環を形成してなり、Xは酸素原子又はNR基(ここで、Rは炭素数2乃至16のアルキル及び/又はヒドロキシアルキル基である)を示す。
【0009】
更に、別のジアリールエテン系フォトクロミック化合物の基本骨格としては一般式(4)で示される化合物が挙げられる。
【化4】
前記一般式(4)で示される化合物のA1基及びA2基は、二重結合に対して常にシス形にあり、互いに独立した置換或いは非置換のアルキル基、脂肪酸エステル基、ニトリル基を示す。
【0010】
前記一般式(4)で示される化合物を、一般式(5)及び(6)で具体的に例示する。
【化5】
【化6】
前記一般式(6)で示される化合物のR1及びR2はメチル基又はエチル基を示す。
【0011】
前記した一般式(1)乃至(6)で示される化合物中のB基とC基は、同一或いは異なっていてもよく、次の構造式で示される基を例示できる。
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
〔式中、YとZは、同一或いは異なっていてもよく、酸素原子又は硫黄原子或いは硫黄、窒素またはセレニウムの酸化形を示し、DとEは、同一或いは異なっていてもよく、炭素原子又は窒素原子を示し、R3乃至R17は、同一或いは異なっていてもよく、水素、直鎖又は分枝状の炭素数1乃至16のアルキル又はアルコキシ基、ハロゲン、直鎖又は分枝状の炭素数1乃至4のフルオロ又はペルフルオロ基、カルボン酸基、炭素数1乃至16のアルキルカルボン酸基、炭素数1乃至16のモノ又はジアルキルアミノ基、ニトリル基、フェニル基、ナフタレン基、複素環(ピリジン、キノリン、チオフェン、フラン、インドール、ピロール、セレノフェン、チアゾール、ベンゾチオフェン等)を示す。R13乃至R17については、隣接する基と環を結んだナフタレン骨格であってもよい。〕
【0012】
前記B基及びC基について更に具体的には、
【化12】
【化13】
【化14】
等が挙げられる。
【0013】
前記一般式(2)又は(3)で示される化合物を更に詳しく説明すると、
マレイン酸無水物系化合物としては、
3,4−ビス(1,2−ジメチル−3−インドリル)フラン−2,5−ジオン、
3,4−ジ(2−メチル−3−ベンゾチオフェン)フラン−2,5−ジオン等が挙げられる。
シクロペンテン系化合物としては、
1−(1,2−ジメチルインドリル)−2−(2−シアノ−3,5−ジメチル−4−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、1−(1,2−ジメチル−3−インドリル)−2−(3−シアノ−2,5−ジメチル−4−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1−(1,2,−ジメチル−3−インドリル)−2−(2−メチル−3−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(5−(4−メトキシフェニル)−2,4−ジメチル−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(5−(2−(4−メトキシフェニル)−1−エテニル)−2,4−ジメチル−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(5−(2−(4−シアノフェニル)−1−エテニル)−2,4−ジメチル−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(2,4−ジメチル−5−(2−(2−キノリル)−1−エテニル)−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(2,4−ジメチル−5−(2−(4−ピリジル)−1−エテニル)−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(2,4−ジメチル−5−(2−(1−ナフチル)−1−エテニル)−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(5−(2−(4−メトキシフェニル)−1−エテニル)−2−メチル−4−オクチル−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(5−(2−(4−t−ブチルフェニル)−1−エテニル)−2,4−ジメチル−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(2,4−ジメチル−5−(2−(2−ベンゾチアジル)−1−エテニル)−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1−(6−(2−(4−メトキシフェニル)−1−エテニル)−2−メチル−3−ベンゾチエニル)−2−(5−(4−(4−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル)−2,4−ジメチル−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1−(6−(4−(4−メトキシフェニル)−1,3−ブタジエニル)−2−メチル−3−ベンゾチエニル)−2−(5−(4−(4−メトキシフェニル)−1,3−ブタジチエニル)−2,4−ジメチル−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(6−(4−(4−メトキシフェニル)−1,3−ブタジエニル)−2−メチル−3−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(6−(2−(4−メトキシフェニル)−1−エテニル)−2−メチル−3−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1−(6−(2−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−エテニル)−2−メチル−3−ベンゾチエニル)−2−(5−(2−(4−シアノフェニル)−1−エテニル)−2,4−ジメチル−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1−(6−(2−(4−メトキシフェニル)−1−エテニル)−2−メチル−3−ベンゾチエニル)−2−(5−(2−(4−シアノフェニル)−1−エテニル)−2,4−ジメチル−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1−(6−(2−(4−メトキシフェニル)−1−エテニル)−2−メチル−3−ベンゾチエニル)−2−(5−(2−(4−メトキシフェニル)−1−エテニル)−2,4−ジメチル−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1−(6−(4−(4−メトキシフェニル)−1,3−ブタジエニル)−2−メチル−3−ベンゾチエニル)−2−(5−(2−(4−メトキシフェニル)−1−エテニル)−2,4−ジメチル−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1−(6−(2−(4−メトキシフェニル)−1−エテニル)−2−メチル−3−ベンゾチエニル)−2−(2,4−ジメチル−(5−(4−(4−メトキシフェニル)−1,3−ブタジエニル))−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1−(1,2−ジメチル−3−インドリル)−2−(2−シアノ−3−メトキシ−5−メチルチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン
1,2−ビス(2−メチル−5−フェニル−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(2,4−ジメチル−5−フェニル−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(5−メチル−2−フェニル−4−チアゾイル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(2−メチルベンゾチオフェン−3−イル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(3−メチルベンゾチオフェン−2−イル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(3−メチル−2−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1−(3−メチル−2−チエニル)−2−(2−メチル−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(5−(4−メチルフェニル)−2−メチル−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1−(2,4−ジメチル−5−フェニル−3−チエニル)−2−(2−メチル−5−フェニル−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン等が挙げられる。
【0014】
前記一般式(5)又は(6)で示される化合物を更に詳しく説明すると、
マレイン酸系化合物としては、2,3−ジ(2−メチルベンゾチエニル)−マレイン酸ジメチル等が挙げられる。
ジシアノエチレン系化合物としては、1,2−ビス(2,3,5−トリメチル−4−チエニル)−1,2−ジシアノエチレン、1,2−ビス(2−メチル−3−ベンゾチエニル)−1,2−ジシアノエチレン等が挙げられる。
【0015】
前記ジアリールエテン系フォトクロミック化合物は、そのままの染料形態、前記化合物を含有する樹脂粉粒体、或いは前記化合物をマイクロカプセル中に内包させたマイクロカプセル形態の顔料として実用に供することができ、水性乃至油性のビヒクル中に配合して各種形態の筆記具に適応する性状の色彩記憶性光変色性インキ組成物を調製し、前記インキ組成物を収容して色彩記憶性光変色性筆記具を構成する。
尚、前記マイクロカプセル形態の顔料は、従来より公知の界面重合法、in Situ重合法、液中界面重合法、スプレ−ドライング法等の適宜の方法により得ることができ、粒子径0.5〜50μm、好ましくは1〜30μm程度のものが、分散性、持久性、加工性の面で有効である。
【0016】
前記ジアリールエテン系フォトクロミック化合物は、インキ中に0.5〜50重量%、好ましくは、1〜40重量%の範囲の含有量が実用的であり、視覚効果を満たす。
0.5重量%未満では、低発色濃度であり、光変色による視覚効果を満たさない。一方、50重量%以上となしても、含有量に相応する発色濃度効果が得られ難い。
ここで、インキ中には非光変色性染料又は顔料を併存させて、有色(1)から有色(2)へと色変化させることができる。
更には、前記顔料として金属光沢顔料を適用することによって、特に無色から有色に変色させる系において、無色の筆跡に光輝性を付与して識別効果を与え、有色の筆跡に光輝感を付与する。
【0017】
前記金属光沢顔料を下記に例示する。
金属光沢顔料として、アルミニウム粉、錫粉、鉛粉、亜鉛末、ステンレススチール粉、ニッケル粉、鉄粉、銅粉、銅合金粉、錫・鉛・亜鉛・半田粉、真鍮粉、金粉、銀粉や、天然雲母、合成雲母、ガラス、アルミナを芯物質とし、その表面にチタン、ジルコニウム、クロム、バナジウム、鉄等の金属酸化物を被覆したもの、多重層フイルムを細粉化したもの、アルミニウム蒸着した透明フイルムを細粉化したもの、アルミニウム蒸着したホログラムフイルムを細粉化したもの、コレステリック液晶型のもの等が挙げられる。
【0018】
前記天然雲母を芯物質とする金属光沢顔料としては、天然雲母の表面を酸化チタン及び/又は酸化鉄を主成分とする金属酸化物で被覆してなる、平均の厚みが0.1〜5μmであり、平均粒子径が2〜300μmのものが有効である。
前記金属酸化物の被覆率によって、金色、銀色、或いはメタリック色の金属光沢色を呈する。ここで、前記平均粒子径は、レーザー回折法平均粒子径を示し、体積基準のメジアン径が累積分布の50%に相当する粒子径である。
前記天然雲母の表面を金属酸化物で被覆した金属光沢顔料として具体的には、メルク社製の商品名「イリオジン」品番:100(10〜60μm:銀色)、103(10〜50μm:銀色)、111(15μm以下:銀色)、120(5〜20μm:銀色)、151(5〜100μm:銀色)、153(30〜100μm:銀色)、163(40〜200μm:銀色)、201(5〜50μm:金色)、205(10〜60μm:金色)、249(10〜100μm:金色)、215(10〜60μm:赤紫色)、217(10〜60μm:赤銅色)、219(10〜60μm:紫色)、225(10〜60μm:青色)、235(10〜60μm:緑色)、300(10〜60μm:金色)、302(5〜20μm:金色)、320(10〜60μm:金色)、351(5〜100μm:金色)、355(30〜100μm:金色)、500(10〜60μm:金色)、504(10〜60μm:赤金色)、520(5〜20μm:金色)、530(10〜100μm:金色)、エンゲルハード社製の商品名「マーリン」品番:マグナパール3000(2〜10μm:銀色)、サテンホワイト9130F(4〜32μm:銀色)、スーパーホワイト9020C(6〜48μm:銀色)、マグナパール1000(8〜48μm:銀色)、スパークル9110P(10〜110μm:銀色)、スーパースパークル9110S(10〜150μm:銀色)、ハイライトスーパーゴールド9230Z(6〜48μm:金色)、ハイライトスーパーレッド9430Z(6〜48μm:赤色)、ハイライトスーパーグリーン9830Z(6〜48μm:緑色)、ハイライトスーパーオレンジ9330Z(6〜48μm:橙色)、ハイライトスーパーバイオレット9530Z(6〜48μm:紫色)、ハイライトスーパーブルー9630Z(6〜48μm:青色)、エンゲルハード社製の商品名「LUMINA」品番:GOLD(10〜48μm:金色)、RED(10〜48μm:赤色)、RED−BLUE(10〜48μm:紫色)、AQUA−BLUE(10〜48μm:青色)、TURQUOISE(10〜48μm:青緑色)、GREEN(10〜48μm:緑色)等を例示できる。
尚、品番中の括弧内は平均粒子径と顔料の色調を示す。
前記合成雲母を芯物質とする金属光沢顔料は、合成雲母の表面を酸化チタン及び/又は酸化鉄を主成分とする金属酸化物で被覆してなる、平均の厚みが0.1〜5μmであり、平均粒子径が2〜300μmのものが有効である。前記金属酸化物の被覆率によって、金色、銀色、或いはメタリック色の金属光沢色を呈する。ここで、前記平均粒子径は、レーザー回折法平均粒子径を示し、体積基準のメジアン径が累積分布の50%に相当する粒子径である。
前記合成雲母の表面を金属酸化物で被覆した金属光沢顔料として具体的には、日本光研工業(株)製の商品名「アルティミカ」品番:SB−100(5〜30μm:銀色)、SD−100(10〜60μm:銀色)、SE−100(15〜100μm:銀色)、SF−100(44〜150μm:銀色)、SH−100(150〜600μm:銀色)、YB−100(5〜30μm:金色)、YD−100(10〜60μm:金色)、YE−100(15〜100μm:金色)、YF−100(44〜150μm:金色)、RB−100(5〜30μm:赤色)、RD−100(10〜60μm:赤色)、RE−100(15〜100μm:赤色)、RF−100(44〜150μm:赤色)、RBB−100(5〜30μm:赤紫色)、RBD−100(10〜60μm:赤紫色)、RBE−100(15〜100μm:赤紫色)、RBF−100(44〜150μm:赤紫色)、VB−100(5〜30μm:紫色)、VD−100(10〜60μm:紫色)、VE−100(15〜100μm:紫色)、VF−100(44〜150μm:紫色)、BB−100(5〜30μm:青色)、BD−100(10〜60μm:青色)、BE−100(15〜100μm:青色)、BF−100(44〜150μm:青色)、GB−100(5〜30μm:緑色)、GD−100(10〜60μm:緑色)、GE−100(15〜100μm:緑色)、GF−100(44〜150μm:緑色)等を例示できる。
前記扁平ガラス片を芯物質とする金属光沢顔料は、扁平ガラス片の表面を酸化チタン、金、銀、ニッケル、及び酸化鉄を主成分とする金属で被覆してなる、平均の厚みが0.1〜5μmであり、平均粒子径が2〜300μmのものが有効である。ここで、前記平均粒子径は、レーザー回折法平均粒子径を示し、体積基準のメジアン径が累積分布の50%に相当する粒子径である。
前記扁平ガラス片の表面を金属で被覆した金属光沢顔料として具体的には、日本板硝子(株)製の商品名「メタシャイン」品番:MC5480PS(480μm:銀色)、MC5230PS(230μm:銀色)、MC5150PS(150μm:銀色)、MC5090PS(90μm:銀色)、MC5030PS(30μm:銀色)、MC2080PS(80μm:銀色)、ME2040PS(40μm:銀色)、ME2015PS(15μm:銀色)、ME2025PSS1(25μm:銀色)、MC5090PSS1(90μm:銀色)、MC5090PSS2(90μm:銀色)、MC2015PSW1(15μm:銀色)、ME2025PSD1(25μm:銀色)、MC5480NS(480μm:銀色)、MC5140NS(140μm:銀色)、MC5090NS(90μm:銀色)、MC5030NS(30μm:銀色)、MC5480NB(480μm:銀色)、MC5090NB(90μm:銀色)、MC5030NB(480μm:銀色)、MC1080NB(80μm:銀色)、MC1020NB(20μm:銀色)、MC5090RS(90μm:銀色)、MC5090RY(90μm:金色)、MC5090RR(90μm:赤色)、MC5090RV(90μm:紫色)、MC5090RB(90μm:青色)、MC5090RG(90μm:緑色)、MC1080RS(80μm:銀色)、MC1080RY(80μm:金色)、MC1080RR(80μm:赤色)、MC1080RB(80μm:青色)、MC1080RG(80μm:緑色)、MC1040RS(40μm:銀色)、MC1040RY(40μm:金色)、MC1040RR(40μm:赤色)、MC1040RB(40μm:青色)、MC1040RG(40μm:緑色)、MC1020RS(20μm:銀色)、MC1020RY(20μm:金色)、MC1020RR(20μm:赤色)、MC1020RB(20μm:青色)、MC1020RG(20μm:緑色)、MC1080RSS1(80μm:銀色)、MC1080RYS1(80μm:金色)等を例示できる。
薄片状酸化アルミニウムを芯物質とする金属光沢顔料は、薄片状酸化アルミニウムの表面を酸化チタン及び/又は酸化鉄を主成分とする金属酸化物で被覆してなる、平均の厚みが0.1〜5μmであり、平均粒子径が2〜100μmのものが有効である。前記金属酸化物の被覆率によって、金色、銀色、或いはメタリック色の金属光沢色を呈する。ここで、前記平均粒子径は、レーザー回折法平均粒子径を示し、体積基準のメジアン径が累積分布の50%に相当する粒子径である。
前記薄片状酸化アルミニウムの表面を金属酸化物で被覆した金属光沢顔料として具体的には、メルク(株)製の商品名「シラリック」品番:T60−10WNT(10〜30μm:銀色)、T60−20WNT(10〜30μm:金色)、T60−21WNT(10〜30μm:赤色)、F60−50WNT(10〜30μm:銅色)、F60−51WNT(10〜30μm:赤色)、T50−10(10〜30μm:銀色)等を例示できる。
薄片状アルミニウムを芯物質とする多層の金属光沢顔料は、具体的には、薄片状アルミニウムの表面を酸化ケイ素、更にその上から酸化鉄を主成分とする金属酸化物で被覆してなる、平均の厚みが0.1〜5μmであり、平均粒子径が2〜100μmのものが有効である。ここで、前記平均粒子径は、レーザー回折法平均粒子径を示し、体積基準のメジアン径が累積分布の50%に相当する粒子径である。
前記薄片状アルミニウムの表面を多層の金属酸化物で被覆した金属光沢顔料として具体的には、BASF社製の商品名「VARIOCROM」品番:MAGIC RED L4420(10〜30μm:赤色)を例示できる。
薄片状酸化鉄を芯物質とする多層の金属光沢顔料としては、薄片状酸化鉄の表面を酸化ケイ素、更にその上から酸化鉄を主成分とする金属酸化物で被覆してなる、平均の厚みが0.1〜5μmであり、平均粒子径が2〜100μmのものが有効である。ここで、前記平均粒子径は、レーザー回折法平均粒子径を示し、体積基準のメジアン径が累積分布の50%に相当する粒子径である。
前記薄片状酸化鉄の表面を多層の金属酸化物で被覆した金属光沢顔料として具体的には、BASF社製の商品名「VARIOCROM」品番:MAGIC PURPLE L5520(10〜30μm:紫色)を例示できる。
薄片状アルミニウムを芯物質とする金属光沢顔料としては、薄片状アルミニウムの表面を酸化鉄を主成分とする金属酸化物で被覆してなる、平均の厚みが0.1〜5μmであり、平均粒子径が2〜100μmのものが有効である。ここで、前記平均粒子径は、レーザー回折法平均粒子径を示し、体積基準のメジアン径が累積分布の50%に相当する粒子径である。
前記薄片状アルミニウムの表面を金属酸化物で被覆した金属光沢顔料として具体的には、BASF社製の商品名「PALIOCROM」品番:GOLD L2000(10〜30μm:金色)、GOLD L2020(10〜30μm:金色)、GOLD L2025(10〜30μm:金色)等を例示できる。
薄片状酸化鉄を芯物質とする金属光沢顔料は、具体的には、薄片状酸化鉄の表面をアルミニウムとマンガンを主成分とする金属で被覆してなる、平均の厚みが0.1〜5μmであり、平均粒子径が2〜100μmのものが有効である。ここで、前記平均粒子径は、レーザー回折法平均粒子径を示し、体積基準のメジアン径が累積分布の50%に相当する粒子径である。
前記薄片状アルミニウムの表面を金属酸化物で被覆した金属光沢顔料として具体的には、BASF社製の商品名「PALIOCROM」品番:COPPER L3000(10〜30μm:金赤色)、COPPER L3101(10〜30μm:金赤色)等を例示できる。
前記コレステリック液晶型の金属光沢顔料は、用いられる液晶ポリマーが光の干渉効果によって広いスペクトル領域で入射する光の一部の領域のみが反射し、これ以外の領域は全て光が透過する性質を有する。反射スペクトルの領域は、らせん状のポリマーのピッチ幅、及び材料の屈折率によって決まり、また、反射スペクトル領域は左、及び右らせんに偏光した光線成分に分割され、その際、らせんの回転方向に応じて一方は反射され、他方は透過させることが可能となる。これにより全体的なスペクトル領域にわたり、透過、及び反射する性質、即ち、優れた金属光沢と視点により色調が変化するカラーフロップ性を有する。
前記コレステリック液晶型の金属光沢顔料として具体的には、ワッカーケミー社製の商品名「ヘリコーンHC」、品番:Sapphire(SLM90020)〔青色→暗色〕、Scarabeus(SLM90120)〔緑色→青色〕、Jade(SLM90220)〔金色→緑青色〕、Maple(SLM90320)〔赤銅色→緑色〕等を例示できる。
【0019】
前記ジアリールエテン系フォトクロミック化合物の光変色剤としての発色性を効果的に発現させて高視覚濃度の筆跡を形成させるために、ビヒクルは以下の要件を満たすことが効果的である。
ビヒクルは、下記測定方法による、350nm〜400nmの波長域における乾燥塗膜の光反射率が20%以上であること、好ましくは、エマルジョン型バインダーを適用した、バインダー自体が溶剤に非溶解状態にある系では、反射率30%以上であり、バインダーがビヒクルに溶解状態にある系では、反射率40%以上であることが更に望ましい。
測定方法は、試料ビヒクルをバーコーターを使用して、白色合成紙(白色顔料がブレンドされたポリオレフィン系合成紙)上に、約50nmの厚みに塗布し、常温乾燥して乾燥塗膜を形成して測定試料とし、前記白色合成紙を比較対照試料として、分光光度計(株式会社日立製作所製、自記分光光度計U−3210型)を使用して、350nm〜400nmの波長域の反射率を測定して求める。
【0020】
ビヒクルの光反射率が20%未満では、光変色剤に対する紫外線の照射効果の有効な発現を阻害し、本来の光変色剤の発色濃度を有効に発現させて視覚させる効果に乏しい。
従って、ビヒクルを構成するバインダー樹脂や各種添加物は、紫外線吸収性のないもの、或いは、紫外線吸収性を有するとしても、前記反射特性を阻害しない程度のものが適用される。
なお、紫外線吸収剤等の光安定剤についても、前記反射特性を阻害しない程度であればビヒクル中に添加することができる。
【0021】
前記要件を満たすビヒクルを構成するバインダー樹脂としては、ポリアクリル酸エステル、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、α−オレフィン−マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、ポリエステル、ポリウレタンの水分散体等の各種合成樹脂エマルジョン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール等の水溶性樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、エチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体等のアルカリ可溶性樹脂や、ケトン樹脂、ケトン−ホルムアルデヒド樹脂、アミド樹脂、アルキッド樹脂、ロジン変性樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルピロリドン、α−及びβーピネン・フェノール重縮合樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂等の油溶性樹脂、その他糊剤等から選ばれる固着剤、各種添加剤として、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、低分子量ポリエチレングリコール等のグリコール類及びそれらの低級アルキルエーテル、2−ピロリドン、N−ビニルピロリドン、尿素等の乾燥を抑制するための保湿剤を適宜量を配合することができる。
更には、剪断減粘性物質、例えば、特定のHLB値を有するノニオン系界面活性剤、キサンタンガム、ウエランガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100乃至800万)、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の重合体、グルコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する炭水化物、ベンジリデンソルビトール又はその誘導体、架橋性アクリル酸重合体等から選ばれる物質を、単独或いは混合して配合して、粘度が40〜160mPa・s(EMD型回転粘度計による回転数100rpmでの値、25℃)の剪断減粘系インキを調製して、筆記時における筆記先端の剪断力、例えば、ボールペン形態にあっては、筆記時のボールの高速回転による高剪断力による、ボール近傍のインキを低粘度化してスムーズに流出させることができる。
更には、高分子凝集剤、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、水溶性多糖類、非イオン性水溶性セルローズ誘導体等を適用した、粘度が3〜20mPa・s(25℃)の凝集系インキを調製することができ、前記水溶性高分子凝集剤の緩い橋架け作用により、緩い凝集状のマイクロカプセル形態、或いは樹脂粉粒体の形態の顔料の懸濁状態にあるインキが、毛細間隙を有する部材中で懸濁状態が破壊されることなく、長期間、安定的に保持させ、筆記先端から流出させることができる。
前記水溶性多糖類としては、トラガントガム、グアーガム、プルラン、サイクロデキストリンが挙げられ、非イオン性水溶性セルロース誘導体としては、メチルセルローズ、ヒドロキシセルローズ、ヒドロキシエチルセルローズ、ヒドロキシプロピルセルローズ、ヒドロキシエチルメチルセルローズ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。
【0022】
前記剪断減粘性物質を配合した剪断減粘系インキは、回転自在にボールを抱持したチップを先端部に備えた軸筒内に充填し、後部にインキ逆流防止体(液栓)を配して、ボールペン形態の色彩記憶性光変色性筆記具を構成できる(図1参照)。
又、高分子凝集剤を配合した凝集系インキは、隣接する繊維相互間に毛細間隙が形成された繊維収束体に含浸させたものを軸筒内に収容し、先端部にペン体を備えたマーキングペン形態の色彩記憶性光変色性筆記具を構成できる(図2参照)。
粘度が1〜2万mPa・s程度の高粘性の油性系インキにあっては、従来より汎用の油性ボールペン機構に適用でき、粘度が1〜15mPa・s程度の低粘性の水性インキにあっては、ボールペンチップとインキタンクの間にインキタンクの内圧上昇に応じて溢出インキを一時的に保持するインキ調節部材を配した機構や、ボールペンチップの軸心にボールに通じるインキ通孔が設けられ、前記インキ通孔にボール背面を弾発的に先端方向に押圧する弾発部材を配してボール外周をボール抱持部内壁の先端部に密接させた先端部機構を備えた筆記具機構に適用できる。
【0023】
前記色彩記憶性光変色性筆記具により形成された筆跡は、紫外線照射具による紫外線照射、或いは紫外線を含む太陽光の照射により発色し、無色から有色、或いは、有色(1)から有色(2)に速やかに変色し、前記紫外線の非照射下に放置しても変色状態を維持して視覚され、必要に応じて可視光の照射により元の状態〔無色、或いは有色(1)〕に復帰させ、その状態を記憶保持させて視覚させることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の色彩記憶性光変色性筆記具用インキ組成物は以下の実施例に限定されるものではなく、目的に応じた筆記具の形態に適用でき、前記筆記具形態に適応するインキ性状となし、実用に供することができる。
尚、実施例中の部は、重量部を示す。
又、実施例中における剪断減粘性指数(n)は、剪断応力値(T)及び剪断速度(J)値の如き、粘度計による流動学的測定から得られる実験式(T=KJn 、但し、K及びnは計算された定数である)にあてはめることによって算出されたn値を示す。
【0025】
【実施例】
実施例1
色彩記憶性光変色性筆記具用インキの調製
無色から青色に可逆的に色変化するジアリールエテン系フォトクロミック化合物A(1,2−ビス(2,4−ジメチル−5−フェニル−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン)を公知の界面重合法によりエポキシ樹脂膜で内包されたマイクロカプセル顔料(平均粒子径2.5μm)のマイクロカプセルスラリー44.0部(固形分27.3%)、キサンタンガム(剪断減粘性物質)0.33部、水32.86部、尿素11.0部、グリセリン11.0部、ノニオン系浸透性付与剤(サンノプコ社製、商品名:ノプコSW−WET−366)0.55部、変性シリコーン系消泡剤(サンノプコ社製、商品名:ノプコ8034)0.13部、防黴剤(ゼネカ株式会社製、商品名:プロキセルXL−2)0.13部からなる剪断減粘系色彩記憶性光変色性インキを調製した。
前記インキの粘度をEMD型粘度計にて25℃で測定した結果、測定回転数1rpmで1020mPa・s、100rpmで84mPa・sの値を示し、剪断減粘指数nは0.48であった。また、前記インキのうち、マイクロカプセルスラリーを除いたビヒクルの皮膜の光反射率は400nmで97%、350nmで90%であった。
【0026】
色彩記憶性光変色性筆記具の作製
前記インキを内径3.3mmのポリプロピレン製パイプに0.8g吸引充填し、樹脂製ホルダーを介してボールペンチップと凍結させた。
なお、前記ボールペンチップは、0.8mmのステンレス鋼ボールを収容した切削型ボールペンチップ(ボールの径方向に移動距離が約20μm、軸方向の移動可能な距離が約70μm)を用いた。
次いで、前記ポリプロピレン製パイプの尾部より、ポリブテンベースの粘弾性を有するインキ追従体(液栓)を充填し、軸胴、キャップ、口金、尾栓を組み付けた後、遠心処理により脱気処理を行ない、色彩記憶性光変色性ボールペンを得た。
【0027】
筆跡の変色挙動
前記ボールペンを用いてレポート用紙に筆記した後、太陽光を照射すると太陽光に含まれる紫外光によって筆跡は無色から青色に変化し、この状態は屋外、室内、暗所のいずれの場所でも変色することなく、その状態を維持した。
【0028】
実施例2
色彩記憶性光変色性筆記具用インキの調製
無色からピンク色に可逆的に色変化するジアリールエテン系フォトクロミック化合物B(1,2−ビス(5−メチル−2−フェニル−4−チアゾイル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン)をスチレン樹脂及びキシレンに溶解させ、水中で攪拌機により平均粒子径2μmにした後、その乳化物から加温によりキシレンを除去して得られた色彩記憶性光変色性顔料のスラリー44.0部(固形分30%)を、グリセリン5.0部、防黴剤(ゼネカ株式会社製、商品名:プロキセルXL−2)0.7部、シリコーン系消泡剤(サンノプコ社製、商品名:SNデフォーマー381)0.1部、及び水42.2部からなる水性媒体中に均一に分散した後、ヒドロキシエチルセルロース(ユニオンカーバイド日本株式会社製、商品名:セロサイズWP−09L、水溶性高分子凝集剤)5.0重量%を含む水溶液8.0部を攪拌しながら、前記分散状態にある液中に添加して、前記色彩記憶性光変色性顔料をゆるやかな凝集状態に懸濁させた凝集系色彩記憶性光変色性筆記具用インキを調製した。
前記インキの粘度をB型粘度計にてBLアダプターを適用し、25℃で測定した結果、測定回転数60rpmで4.4mPa・sであった。また、前記凝集系色彩記憶性光変色性筆記具用インキのうち、色彩記憶性光変色性顔料を除いたビヒクルの皮膜の光反射率は400nmで95%、350nmで85%であった。
【0029】
色彩記憶性光変色性筆記具の作製
ポリエステルスライバーを合成樹脂フィルムで被覆した繊維収束インキ吸蔵体(気孔率約80%)中に、前記インキを均一状態に攪拌した直後に含浸させて軸胴内に収容し、軸筒先端部に装着させたポリエステル繊維の樹脂加工ペン体(気孔率50%)と接触状態に組み立て、色彩記憶性光変色性マーキングペンを得た。
【0030】
筆跡の変色挙動
前記マーキングペンを用いてレポート用紙に筆記した後、太陽光を照射すると太陽光に含まれる紫外光によって筆跡は無色からピンク色に変化し、この状態は屋外、室内、暗所のいずれの場所でも変色することなく、その状態を維持した。
【0031】
実施例3
色彩記憶性光変色性筆記具用インキの調製
無色から黄色に可逆的に色変化するジアリールエテン系フォトクロミック化合物C(1,2−ビス(3−メチル−2−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン)を公知の界面重合法によりエポキシ樹脂膜で内包されたマイクロカプセル顔料(平均粒子径2.5μm)のマイクロカプセルスラリー44.0部(固形分30%)、銀色金属光沢顔料(メルク社製、商品名:イリオジン111)1部、キサンタンガム(剪断減粘物質)0.33部、水31.86部、尿素11.0部、グリセリン11.0部、ノニオン系浸透性付与剤(サンノプコ社製、商品名:ノプコSW−WET−366)0.55部、変性シリコーン系消泡剤(サンノプコ社製、商品名:ノプコ8034)0.13部、防黴剤(ゼネカ株式会社製、商品名:プロキセルXL−2)0.13部からなる剪断減粘系色彩記憶性光変色性筆記具用インキを調製した。
前記インキの粘度をEMD型粘度計にて25℃で測定した結果、測定回転数1rpmで1020mPa・s、100rpmで84mPa・sの値を示し、剪断減粘指数nは0.48であった。また、前記インキのうち、マイクロカプセルスラリーを除いたビヒクルの皮膜の光反射率は400nmで55%、350nmで40%であった。
【0032】
色彩記憶性光変色性筆記具の作製
直径0.7mmのボールを抱持するステンレススチール製チップがポリプロピレン製パイプの一端に嵌着されたボールペンレフィルに前記インキを充填し、更に、インキ後端面にインキ逆流防止体を充填したボールペンレフィルを軸筒に組み込み、色彩記憶性光変色性ボールペンを得た。
前記ボールペンを用いてレポート用紙に筆記したところ、淡い銀色の筆跡が得られた。
【0033】
筆跡の変色挙動
前記筆跡は、プラスチック製本体内部に紫外線ランプと電源を組込み、スイッチの押圧により先端部から紫外線を照射できる紫外線照射具から紫外線を照射すると、筆跡は淡い銀色から金色に変化し、この状態は屋外、室内、暗所のいずれの場所でも変色することなく、その状態を維持した。
【0034】
実施例4
色彩記憶性光変色性筆記具用インキの調製及び筆記具の作製
無色から青色に可逆的に色変化するジアリールエテン系フォトクロミック化合物A(1,2−ビス(2,4−ジメチル−5−フェニル−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン)をスチレン樹脂に溶解させた後、塊状樹脂粉砕法により得られた平均粒子径2μmの色彩記憶性光変色性顔料13.0部を、赤色染料(エリスロシン、C.I.45430、アイゼン保土谷株式会社製)0.5部、グリセリン5.0部、防黴剤(ゼネカ株式会社製、商品名:プロキセルXL−2)0.7部、シリコーン系消泡剤(サンノプコ社製、商品名:SNデフォーマー381)0.1部、及び水41.7部からなる水性媒体中に均一に分散状態となした後、ヒドロキシエチルセルロース(ユニオンカーバイド日本株式会社製、商品名:セロサイズWP−09L、水溶性高分子凝集剤)5.0重量%を含む水溶液8.0部を攪拌しながら、前記分散状態にある液中に添加して、前記色彩記憶性光変色性顔料をゆるやかな凝集状態に懸濁させた凝集系色彩記憶性光変色性筆記具用インキを調製した。
前記インキの粘度をB型粘度計にてBLアダプターを適用し、25℃で測定した結果、測定回転数60rpmで4.4mPa・sであった。また、前記インキのうち、色彩記憶性光変色性顔料を除いたビヒクルの皮膜の光反射率は400nmで45%、350nmで35%であった。 前記インキを用いて、実施例2と同様にして色彩記憶性光変色性マーキングペンを得た。
前記マーキングペンを用いてレポート用紙に筆記したところ、長時間の筆記または速記によっても筆跡は濃淡を示すことなく、ピンク色の鮮明な筆跡が得られた。
【0035】
筆跡の変色挙動
前記筆跡は、太陽光を照射すると、太陽光に含まれる紫外光によってピンク色から紫色に変化し、この状態は屋外、室内、暗所のいずれの場所でも変色することなく、その状態を維持した。
【0036】
実施例5
色彩記憶性光変色性筆記具用インキの調製
無色から橙色に可逆的に色変化するジアリールエテン系フォトクロミック化合物D(1−(2−フェニル−5−メチル−4−チアゾイル)−2−(3−メチル−2−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン)3部、ケトン・ホルムアルデヒド樹脂(ヒュルス社製、商品名:シンセチックレジンSK)7部、プロピレングリコールモノメチルエーテル78部、乳酸メチル10部を攪拌・混合して、色彩記憶性光変色性筆記具用インキを調製した。
前記色彩記憶性光変色性筆記具用インキのうち、ジアリールエテン系フォトクロミック化合物Dを除いたビヒクルの皮膜の光反射率は400nmでは90%、350nmでは80%であった。
【0037】
色彩記憶性光変色性筆記具の作製
軸筒先端部に毛細管インキ通路を有する繊維束樹脂加工体からなるペン体を備え、内部に繊維束からなるインキ吸蔵体を収容したマーキングペンの前記インキ吸蔵体にインキを含浸させて色彩記憶性光変色性マーキングペンを得た。
【0038】
筆跡の変色挙動
前記マーキングペンを用いて紙面に筆記した後、太陽光を照射すると、太陽光に含まれる紫外光によって筆跡は無色から橙色に変化し、この状態は屋外、室内、暗所のいずれの場所でも変色することなく、その状態を維持した。
【0039】
実施例6
色彩記憶性光変色性筆記具用インキの調製
無色からピンク色に可逆的に色変化するジアリールエテン系フォトクロミック化合物B(1,2−ビス(5−メチル−2−フェニル−4−チアゾイル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン)4部、青色染料(ビクトリアピュアブルーBOH、C.I.ベーシックブルー7、保土谷化学工業(株)製)0.1部、ケトン・ホルムアルデヒド樹脂(ヒュルス社製、商品名:シンセチックレジンSK)7部、プロピレングリコールモノメチルエーテル78部、乳酸メチル10部を攪拌・混合して、色彩記憶性光変色性筆記具用インキを調製した。
前記色彩記憶性光変色性筆記具用インキのうち、ジアリールエテン系フォトクロミック化合物Bを除いたビヒクルの皮膜の光反射率は400nmでは60%、350nmでは50%であった。
【0040】
色彩記憶性光変色性筆記具の作製
軸筒先端部に毛細管インキ通路を有する繊維束樹脂加工体からなるペン体を備え、内部に繊維束からなるインキ吸蔵体を収容したマーキングペンの前記インキ吸蔵体にインキを含浸させて色彩記憶性光変色性マーキングペンを得た。
前記マーキングペンを用いて紙面に筆記したところ、長時間の筆記または速記によっても筆跡は濃淡を示すことなく、青色の鮮明な筆跡が得られた。
【0041】
筆跡の変色挙動
前記筆跡は、太陽光を照射すると、太陽光に含まれる紫外光によって青色から紫色に変化し、この状態は屋外、室内、暗所のいずれの場所でも変色することなく、その状態を維持した。
【0042】
実施例7
色彩記憶性光変色性筆記具用インキの調製
無色から緑色に可逆的に色変化するジアリールエテン系フォトクロミック化合物E(1,2−ビス(2−メチル−6−ニトロ−3−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン)3部、ケトン・ホルムアルデヒド樹脂(ヒュルス社製、商品名:シンセチックレジンSK)7部、アクリル共重合体エマルジョン(ローム&ハース社製、商品名:プライマルASE−60)10部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル(第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフA207H)2部、ベンジルアルコール5部、エチルアルコール71部を攪拌・混合して、色彩記憶性光変色性筆記具用インキを調製した。
前記インキのうち、ジアリールエテン系フォトクロミック化合物Eを除いたビヒクルの皮膜の光反射率は400nmでは96%、350nmでは80%であった。
【0043】
色彩記憶性光変色性筆記具の作製
直径0.7mmのボールを抱持するステンレススチール製チップがポリプロピレン製パイプの一端に嵌着されたボールペンレフィルに前記インキを充填し、更に、前記インキ後端面にインキ逆流防止体を充填したボールペンレフィルを軸筒に組み込み、色彩記憶性光変色性ボールペンを得た。
【0044】
筆跡の変色挙動
前記ボールペンを用いて紙面に筆記した後、太陽光を照射すると、太陽光に含まれる紫外光によって筆跡は無色から緑色に変化し、この状態は屋外、室内、暗所のいずれの場所でも変色することなく、その状態を維持した。
【0045】
実施例8
色彩記憶性光変色性筆記具用インキの調製
無色からピンク色に可逆的に色変化するジアリールエテン系フォトクロミック化合物B(1,2−ビス(5−メチル−2−フェニル−4−チアゾイル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン)3部、青色染料(ビクトリアピュアブルーBOH、C.I.ベーシックブルー7、保土谷化学工業株式会社製)0.1部、ケトン・ホルムアルデヒド樹脂(ヒュルス社製、商品名:シンセチックレジンSK)7部、アクリル共重合体エマルジョン(ローム&ハース社製、商品名:プライマルASE−60)10部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル(第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフA207H)2部、ベンジルアルコール5部、エチルアルコール71部を攪拌・混合して、色彩記憶性光変色性筆記具用インキを調製した。
前記インキのうち、ジアリールエテン系フォトクロミック化合物Bを除いたビヒクルの皮膜の光反射率は400nmでは60%、350nmでは50%であった。
【0046】
色彩記憶性光変色性筆記具の作製
直径0.7mmのボールを抱持するステンレススチール製チップがポリプロピレン製パイプの一端に嵌着されたボールペンレフィルに前記インキを充填し、更に、インキ後端面にインキ逆流防止体を充填したボールペンレフィルを軸筒に組み込み、色彩記憶性光変色性ボールペンを得た。
前記ボールペンを用いて紙面に筆記したところ、長時間の筆記または速記によっても筆跡は濃淡を示すことなく、青色の鮮明な筆跡が得られた。
【0047】
筆跡の変色挙動
前記筆跡は、太陽光を照射すると太陽光に含まれる紫外光によって青色から紫色に変化し、この状態は屋外、室内、暗所のいずれの場所でも変色することなく、その状態を維持した。
【0048】
実施例9
色彩記憶性光変色性筆記具用インキの調製
無色から青色に可逆的に色変化するジアリールエテン系フォトクロミック化合物A(1,2−ビス(2,4−ジメチル−5−フェニル−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン)を公知の界面重合法によりエポキシ樹脂膜で内包されたマイクロカプセル顔料(平均粒子径2.5μm)のマイクロカプセルスラリー6.3部(固形分27.3%)、アルミペースト(東洋アルミニウム(株)製、商品名:96−2104)0.7部、グリセリン15.0部、サクシノグリカン(構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体)0.3部、ナトリウムオマジン(パーマケム(株)製、商品名:トップサイド280)0.3部、EDTAのアミン塩(キレスト(株)製、商品名:キレストM−50)1.0部、α−サイクロデキストリン(塩水港製糖(株)製、商品名:デキシパールK−100)3.0部、トリエタノールアミン0.3部、水73.3%からなる色彩記憶性光変色性筆記具用インキを調製した。前記インキの粘度をEMD型粘度計にて25℃で測定した結果、測定回転数1rpmで1400mPa・s、100rpmで44mPa・sの値を示し、剪断減粘指数nは0.25であった。また、前記インキのうち、マイクロカプセルスラリーを除いたビヒクルの皮膜の光反射率は400nmで50%、350nmで40%であった。
【0049】
色彩記憶性光変色性筆記具の作製
直径0.7mmのボールを抱持するステンレススチール製チップがポリプロピレン製パイプの一端に嵌着されたボールペンレフィルに前記インキを充填し、更に、前記インキ後端面にインキ逆流防止体を充填したボールペンレフィルを軸筒に組み込み、色彩記憶性光変色性ボールペンを得た。
前記ボールペンを用いてレポート用紙に筆記したところ、長時間の筆記または速記によっても筆跡は濃淡を示すことなく、銀色が疎らにみえる筆跡が得られた。
【0050】
筆跡の変色挙動
前記筆跡は、太陽光を照射すると、太陽光に含まれる紫外光によって銀色が疎らにみえる状態から青色で疎らに銀色が見える状態に変化し、この状態は屋外、室内、暗所のいずれの場所でも変色することなく、その状態を維持した。
【0051】
【発明の効果】
本発明インキ組成物は、紫外線又は紫外線を含む太陽光の照射により発色して無色から有色に、或いは非光変色性の染料、又は顔料を併用した系では、有色(1)から有色(2)に、高感度且つ高濃度に変色して視覚され、前記変色状態は、可視光を照射しない限り、常態では記憶保持される筆跡を与えることができる。更には、光輝性の顔料を併用した系では、無色の筆跡に光輝性を付与して識別効果を与えることができる。
前記インキ組成物は、軸胴内に収容し、筆記先端部より導出させる各種形態の筆記具を構成し、任意の筆記像を形成でき、マジック性や玩具性の用途に限らず、学習、情報伝達等、多様な分野に適用性を備えた、軽便な色彩記憶性光変色性筆記具として実用性を満たす。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の色彩記憶性光変色性筆記具における、ボールペン形態の一例を示す縦断面説明図である。
【図2】本発明の色彩記憶性光変色性筆記具における、繊維ペン体を備えたマーキングペン形態の一例を示す縦断面説明図である。
【符号の説明】
1 ボールペン形態の色彩記憶性光変色性筆記具
1a ボール
1b 軸胴
1c 色彩記憶性光変色性インキ(剪断減粘系)
1d インキ逆流防止体
2 マーキングペン形態の色彩記憶性光変色性筆記具
2a 繊維ペン体
2b 軸胴
2c 色彩記憶性光変色性インキ(凝集系)
2d インキ吸蔵体
Claims (10)
- ジアリールエテン系フォトクロミック化合物を含む光変色剤を、少なくとも溶剤とバインダーを含むビヒクル中に溶解、分散、又は懸濁させてなることを特徴とする色彩記憶性光変色性筆記具用インキ組成物。
- ビヒクルは、350nm〜400nmの波長域における乾燥塗膜の光反射率が20%以上である、請求項1記載の色彩記憶性光変色性筆記具用インキ組成物。
- 光変色剤は、ジアリールエテン系フォトクロミック化合物を内包させたマイクロカプセル形態の顔料、又は前記フォトクロミック化合物を含有する樹脂粉粒体である、請求項1記載の色彩記憶性光変色性筆記具用インキ組成物。
- 非光変色性の染料又は顔料を併用してなる、請求項1記載の色彩記憶性光変色性筆記具用インキ組成物。
- 顔料は光輝性顔料から選ばれる、請求項4記載の色彩記憶性光変色性筆記具用インキ組成物。
- 剪断減粘性物質を含み、剪断減粘性を有してなる、請求項1記載の色彩記憶性光変色性筆記具用インキ組成物。
- 水溶性高分子凝集剤を含み、ジアリールエテン系フォトクロミック化合物を内包させたマイクロカプセル形態の顔料、又は前記フォトクロミック化合物を含有する樹脂粉粒体を緩やかな凝集状態に懸濁させてなる、請求項1記載の色彩記憶性光変色性筆記具用インキ組成物。
- 請求項1乃至7から選ばれる色彩記憶性光変色性筆記具用インキ組成物を軸胴内に収容してなり、筆記先端部より流出させて筆記可能に構成した色彩記憶性光変色性筆記具。
- 請求項6記載の色彩記憶性光変色性筆記具用インキ組成物を軸胴内に収容した、ボールペン形態の筆記具である、請求項8記載の色彩記憶性光変色性筆記具。
- 請求項7記載の色彩記憶性光変色性筆記具用インキ組成物を、繊維収束体からなるインキ吸蔵体に収容し、繊維加工体からなるペン体より流出させる形態の筆記具である、請求項8記載の色彩記憶性光変色性筆記具。
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