JP2004277659A - 洗剤粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用時に粒子内への浸水性がよく、易溶解性に優れ、特に手洗い洗濯に適し、粒子流動性が良好で、製品保存時の耐ケーキング性にも優れた低嵩密度の洗剤粒子を低コストで得ることができる製造方法、前記特性を有する低嵩密度の洗剤粒子及び該洗剤粒子を含有してなる洗剤組成物を提供すること。
【解決手段】粉末又は顆粒状の固体洗剤原料を液体洗剤原料で一次造粒し、得られた一次造粒物を粉砕した後に、該粉砕一次造粒物を液体バインダーにより流動層中で凝集させて二次造粒する工程を有する、嵩密度600 g/L以下の洗剤粒子の製造方法、界面活性剤を含有してなり、嵩密度700 g/L以上且つ平均粒径200 μm以下で且つ粒径が1000μmより大きい粒子の含有量が5 重量%以下となる粉体が液体バインダーで架橋した構造を有する、嵩密度600 g/L以下の洗剤粒子、並びに該洗剤粒子及び表面処理剤を含有してなる洗剤組成物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低嵩密度の洗剤粒子の製造方法に関する。さらに詳しくは、噴霧乾燥工程を必要としない低嵩密度の洗剤粒子の製造方法、新規な低嵩密度の洗剤粒子及び該洗剤粒子を含有してなる洗剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、洗剤粒子は高嵩密度化が図られてきた。700 〜900 g/L程の嵩密度を有する高嵩密度洗剤は、製造及び販売業者にとって輸送、保管、陳列時のコストやスペースの削減が可能であり、一般消費者にとってもそのコンパクトさ故に小売店より手軽に買って帰り、スプーンで計量可能と非常に使い勝手の良い洗剤である。ただし、これらの高嵩密度洗剤は一般的に噴霧乾燥した洗剤粒子を更に圧密化して製造する為、単に噴霧乾燥しただけの空隙率が高い在来型低嵩密度洗剤に比べて溶解性が若干劣るという課題があった。
【0003】
また、同一使用回数で比較した場合、当然に低嵩密度洗剤の方がボリューム感(軽量感) があり、この点を重視する消費者層に対しては、高嵩密度洗剤は馴染みにくい形態の洗剤であった。
【0004】
そこで、この様な消費者層にも受け入れられる低嵩密度洗剤、更には嵩密度の嗜好に対してフレキシブルに対応可能な洗剤製造設備の開発が望まれていた。
【0005】
しかし、この様な低嵩密度洗剤を開発するにあたり、従来の在来型低嵩密度洗剤の製造技術の応用では噴霧乾燥工程が必須であり、固定費や変動費が高くなるという欠点がある。
【0006】
そこで、混合造粒機中で液体バインダーとビルダー原料を含む洗剤固体原料等の微粒子出発原料とを混合して一次造粒物を得、次いで非常に低剪断の混合状態へ一次造粒物を供給し、そこで高くとも700 g/Lの嵩密度を有する微粒子原料と一次造粒物を共造粒(凝集造粒)して得られる700 g/L未満の嵩密度を有する洗剤粒子及びその製造方法が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。この方法によれば、噴霧乾燥工程を必要とせずコスト面で有利であるが、低嵩密度化の為には前記微粒子出発原料の使用が必須であった。
【0007】
このことは、前記特許文献1では、微粒子出発原料として嵩密度380 〜500 g/Lのトリポリリン酸ナトリウム(STPP)を使用することが特に好ましく、一般的に洗剤原料として使用される嵩密度800 〜1000g/Lのものとは異なる旨の記載があり、実施例でも嵩密度400 〜440 g/Lのトリポリリン酸ナトリウムが用いられているのに対し、比較例では嵩密度800 g/Lのものが使用されていることからも推察できる。更に、凝集造粒工程では、一次造粒物と共造粒させる為に、別途、高くとも700 g/Lまでの嵩密度を有する微粒子原料を予め仕込んでおく必要がある等、原料選定上及び作業上未だ改善の余地があった。又、かかる低嵩密度洗剤の製造方法においては、出発原料に微粒子原料を用いたとしても、一次造粒時に圧密化することが一般的である。
【0008】
【特許文献1】
国際公開第97/28246号パンフレット
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前記のような従来技術に対し、我々は一次造粒物を適度な粒径まで細かくした後に凝集造粒することで、特別な原料を用いることなく、また凝集造粒工程に別途粉体原料を添加しなくても効率よく、低嵩密度の洗剤粒子が得られることを見出した。
【0010】
従って、本発明の課題は、使用時に粒子内への浸水性がよく、易溶解性に優れ、特に手洗い洗濯に適し、粒子流動性が良好で、製品保存時の耐ケーキング性にも優れた低嵩密度の洗剤粒子を低コストで得ることができる製造方法、前記特性を有する低嵩密度の洗剤粒子及び該洗剤粒子を含有してなる洗剤組成物を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕 粉末又は顆粒状の固体洗剤原料を液体洗剤原料で一次造粒し、得られた一次造粒物を粉砕した後に、該粉砕一次造粒物を液体バインダーにより流動層中で凝集させて二次造粒する工程を有する、嵩密度600 g/L以下の洗剤粒子の製造方法、
〔2〕 界面活性剤を含有してなり、嵩密度700 g/L以上且つ平均粒径200 μm以下で且つ粒径が1000μmより大きい粒子の含有量が5 重量%以下となる粉体が液体バインダーで架橋した構造を有する、嵩密度600 g/L以下の洗剤粒子、並びに
〔3〕 前記〔2〕記載の洗剤粒子及び表面処理剤を含有してなる洗剤組成物
に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の嵩密度600 g/L以下の洗剤粒子の製造方法(以下、本発明の製造方法という)を以下に工程順に詳細に説明する。なお、特に断らない限り、%は洗剤粒子の全重量に基づく重量比率を表す。
【0013】
〔一次造粒工程〕
本発明の製造方法においては、まず、粉末又は顆粒状の固体洗剤原料を液体洗剤原料で一次造粒する。
【0014】
一次造粒の方法としては、バッチ式又は連続式のいずれでもよく、例えば、混合造粒機に、粉末又は顆粒状の固体洗剤原料を投入して、前混合し、その後、液体洗剤原料を噴霧しつつ前記固体洗剤原料を造粒する方法、粉末又は顆粒状の固体洗剤原料と熱により溶融する固体状の液体原料を投入して混合造粒機のジャケット加熱等により固体状の洗剤原料を液体にせしめ溶融造粒する方法等が挙げられる。また、かかる一次造粒後にさらに表面処理剤を混合して表面改質処理を行ってもよい。
【0015】
本発明に用いる粉末又は顆粒状の固体洗剤原料とは、通常の洗剤の製造に使用される原料であって、製造中に液状化しない粉末又は顆粒状の形状を有する固体原料であればよく、噴霧乾燥や押出造粒などで得られたものも使用でき、特に限定されない。また、前記液体洗剤原料とは、通常の洗剤の製造に使用される原料であって、製造時に液体状を有する段階を示す原料であればよい。なお、前記固体又は液体洗剤原料の例及び洗剤粒子における組成については後述する。
【0016】
また、粉末又は顆粒状の固体洗剤原料としてアルカリ無機物質と共に液体洗剤原料として非石鹸性陰イオン性界面活性剤の液体酸前駆体を原料として用いることで、一次造粒時に乾式中和を行うこともできる。かかる乾式中和は、前記原料を混合造粒機に添加し、攪拌しながら造粒することで達成される。本発明においては、一次造粒に乾式中和を行うことで、液体洗剤原料を担持させる吸油担体原料を用いることなく造粒できるという利点がある。混合造粒機の操作条件は、原料の種類により一概に特定できないが、国際公開第98/10052号パンフレットに開示された方法に基づいて行うことが好ましい。乾式中和を行う場合は、非石鹸性陰イオン性界面活性剤の液体酸前駆体1モルに対して、硫酸等の無機酸を0.1〜1.0モルの比率で存在させることで、一次造粒物の粗大化を抑制することができる。なお、アルカリ無機物質及び非石鹸性陰イオン性界面活性剤の液体酸前駆体については後述する。
【0017】
また、必要であれば、造粒進行の制御及び過造粒を低減もしくは防ぐ為に、アルミノケイ酸塩、例えば、ゼオライト4A等の表面処理剤を添加して一次造粒物の解砕や表面改質を行なっても構わない。レーザー回折式粒度分布測定装置「LA−500」、堀場製作所製を用いて測定した表面処理剤の平均粒径は、20μm以下のものが好ましく、10μm以下のものがより好ましい。表面処理剤の配合量は、一次造粒物中、2〜15重量%とすることが好ましい。
【0018】
また、前記液体洗剤原料には、水溶性ポリマー(ポリエチレングリコール、アクリル酸及び又はマレイン酸コポリマー等)、脂肪酸等の任意の液体成分を添加することができる。これらの任意の液体成分は、液体洗剤原料と別に添加しても良い。その際、任意の液体成分の添加時期は特に限定されるものではないが、表面処理剤を添加する場合は表面処理剤の添加前が好ましい。任意の液体成分の含有量としては、過造粒を抑制する観点から、洗剤粒子の10重量%以下が好ましく、より好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは2重量%以下である。
【0019】
一次造粒に使用される混合造粒機としては、攪拌機構及び剪断機構の両方を具備する混合機が好ましい。かかる混合機を用いる場合、攪拌機構及び剪断機構の両方を作動させながら一次造粒を行うことが好ましく、例えば、攪拌機構は主軸攪拌周速度2 〜15m/s、剪断機構は独立して、周速度20〜60m/sに調整されることが望ましい。なお、バッチ式で一次造粒を行なう場合には、一次造粒工程の順序としては、一般的には、固体原料の前混合、液体洗剤原料の添加、造粒、次いで一次造粒物の排出工程となるが、攪拌機構及び剪断機構の回転速度は、それら各工程毎に適切に調節されることが好ましい。
【0020】
前記混合造粒機としては、レーディゲミキサー(バッチ式・ 連続式) ((株)マツボー)、プローシェアーミキサー(太平洋機工(株))、ハイスピードミキサー(深江パウテック(株))、ヘンシェルミキサー(三井鉱山(株))、リボンミキサー等が挙げられる。この内、レーディゲミキサー、プローシェアーミキサーが好ましく、比較的中低剪断機構のものが、洗剤粒子の過度な圧密を抑制する観点から最も好ましい。
【0021】
また、前記混合造粒機には、内部の温度を調整するためのジャケットやガス吹き込み操作を行うためのノズルが具備されていることが好ましい。
【0022】
以上のような一次造粒工程〔混合/造粒(場合により乾式中和)・解砕/表面改質〕の全工程時間として、例えば後述の実施例に記載のような35kgの洗剤粒子をバッチ式で製造する場合、10分以内で行うことができる。また、一次造粒時の温度条件としては、40〜90℃が好ましく、50〜80℃がより好ましい。
【0023】
かかる工程により得られる一次造粒物の平均粒径及びその嵩密度は、後に示す粉砕一次造粒物が得られるものであれば、特に限定はない。
【0024】
〔粉砕工程〕
次いで、本発明の製造方法においては、前記一次造粒物を粉砕して、粉砕一次造粒物を得る。本発明においては、粉砕工程を行うことに一つの大きな特徴があり、本工程で得られた粉砕一次造粒物を用いることで、後述の二次造粒(凝集造粒)時に、比較的空隙率の高い凝集粒子が得られ、かかる凝集粒子を用いることにより、洗剤粒子の水浸透性が高まり、洗剤としての溶解性が向上するという効果が発現される。
【0025】
一次造粒物の粉砕方法としては、公知の粉砕装置を用いる方法が挙げられる。本工程で用いられる好ましい粉砕装置としては、フィッツミル(ホソカワミクロン(株))、フェザーミル(ホソカワミクロン(株))、パルペライザー(不二パウダル(株))、パルペライザー(ホソカワミクロン(株))、コーミル((株)パウレック)、ACMパルペライザー(ホソカワミクロン(株))、アトマイザー(不二パウダル(株))等が挙げられる。例えば、フィッツミル(ホソカワミクロン(株))の場合、「DKASO6型」(商品名、スクリーン1.5 mm、ヘリーンボーンタイプ、先端周速度30〜100m/s、好ましくは50〜80m/s)が挙げられる。
【0026】
また、本工程においては、粉砕性向上又は粉砕機内での粘着性抑制のため、固体洗剤原料である粉砕助剤を添加しても良い。粉砕助剤としては、例えば、ゼオライト4A等のアルミノケイ酸塩が挙げられる。中でも平均粒径が10μm以下のものが好ましい。粉砕助剤の量としては、洗剤粒子中、10重量%以下が好ましい。
【0027】
本工程で得られる粉砕一次造粒物は、二次造粒の際に所望の低嵩密度に調整し易くする観点から、平均粒径200 μm以下且つ二次造粒物の粒子成長度及び比表面積を適度に調整し易く、大量のバインダー量も必要とせず、その結果、疎な凝集体となって、所望の低嵩密度に調整し易い観点から、粒径が1000μmより大きい粒子の含有量が5重量%以下となる粒径分布を有することが好ましく、平均粒径が50〜200 μmであることがより好ましい。また、必要があれば、粉砕一次造粒物を篩にかけて所望の粒径分布に調節してもよい。なお、粉砕一次造粒物の粒径はロータップ(乾式篩)を用いて測定することができる。
【0028】
〔二次造粒(凝集造粒) 工程〕
本発明の製造方法においては、次いで、前記粉砕一次造粒物を液体バインダーにより流動層中で凝集させて二次造粒させる。
したがって、本発明の製造方法における二次造粒とは、いわゆる凝集造粒を示す。本発明においてはかかる二次造粒(凝集造粒)を行う点にも一つの大きな特徴があり、かかる工程により水に投入した後に速やかに分散・溶解する洗剤が得られ、且つその粒径・嵩密度を消費者の嗜好に対してフレキシブルに調製できるという利点がある。
【0029】
二次造粒の方法としては、バッチ式でも連続式のいずれでもよく、例えば、粉砕一次造粒物を流動層装置に仕込み、所望の条件で流動しながら、液体バインダーを噴霧して造粒させる方法、粉砕一次造粒物に液体バインダーを連続的に供給しながら造粒する方法等が挙げられる。
【0030】
前記流動層装置は、好ましくは50〜100 ℃の温度及び、約0.5 〜1.5 m/sの見かけ空気流速で適切に操作される。流動層装置としては、例えば、アグロマスター(ホソカワミクロン(株))、スリットフロー((株)大河原製作所)、ミックスグラード((株)大河原製作所)等が挙げられる。
【0031】
また、本発明においては、使用する液体バインダーの粘弾性及び粘度が粗に凝集した洗剤粉を得るために重要である。
液体バインダーの粘弾性は、損失物性(tanδ)で示される。即ち、損失物性の値が1より大きければ粘性が支配的であり、1より小さければ弾性が支配的であることを示す。かかる式tanδ=G”/G’(G’:貯蔵弾性率,G”:損失弾性率)で定義される損失物性tanδ(ひずみγ:10 %における値)としては、1〜10が好ましく、2〜8がより好ましい。粘弾性の値が上記範囲内では造膜性が良く、より満足な低嵩密度粒子が得られやすい。また、粘弾性の測定方法を以下に示す。
【0032】
粘弾性の測定方法
測定装置:ARES(ネオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー(株)製)
測定条件:液温50℃,1Hz
測定方法:上記測定条件により、測定装置にセッティングし設定温度になったところで、測定開始し、得られたデータを用いた。
【0033】
液体バインダーの粘度は、100 〜1000mPa・sが好ましく、100 〜500 mPa・sがより好ましい。粘度が該範囲よりも高い場合には凝集造粒時の噴霧液滴径が増大し粗粒化し易くなり、一方、低い場合には凝集造粒時に粒子内部にバインダーが浸透し、塑性変形による圧密化が起こりやすくなる。よって、前記範囲内であれば、洗剤粒子の空隙率アップ(低嵩密度化)を効率よく行うことができる。粘度は、(株)東和計器製のBM型粘度計を用いて測定条件:50℃、60r/min、60秒、ローターNo.2で測定することができる。液体バインダーの例については、後述する。
【0034】
液体バインダーの添加量は、所望の粒径の二次造粒物を得やすい観点から、粉砕一次造粒物100重量部に対して、10重量部以上50重量部以下であることが好ましく、15〜40重量部がより好ましい。
【0035】
なお、液体バインダーの添加は、流動層に二流体ノズル等の噴霧装置を用いて噴霧したり又は、場合によってはその前工程として、シュギミキサー等の連続混合分散装置で行うことができる。中でも流動層中に液体バインダーを添加しつつ凝集させる方がより低嵩密度化を図ることができるので好ましい。
また、粉砕一次造粒物は、その全てを予め流動層へ仕込んでおいても良く、又は連続的にもしくは間欠的に分割添加しても良い。
【0036】
また、洗剤粒子の低嵩密度化を促進する観点から、二次造粒工程において、粉砕一次造粒物を1種以上の固体洗剤原料と共に造粒することが好ましい。
この場合、添加する固体洗剤原料の嵩密度は800 g/L以下であることが好ましい。固体洗剤原料の粒子形状は、粗な共造粒物(二次造粒物)を効率よく得る観点から、不規則な形状が好ましく、非球状(板状、針状等)が好ましい。比較的異形なものを用いることにより粒子間空隙の発生が促進されるので好ましい。この様な固体洗剤原料としては、例えば、ソーダ灰〔例えば、ANSAC ソーダ灰(平均粒径150 〜600 μm,嵩密度700 〜900 g/L)〕等が挙げられる。
【0037】
以上のようにして得られた二次造粒物は、そのまま洗剤粒子として使用してもよいが、必要に応じて、芒硝、ゼオライト等の無機粉体によって粒子表面を被覆し、粉末物性をより一層向上させて使用することも好ましい。
【0038】
本発明の洗剤粒子の嵩密度としては、600 g/L以下、好ましくは550 g/L以下である。かかる洗剤粒子は、界面活性剤を含有してなり、嵩密度700 g/L以上且つ平均粒径200 μm以下で且つ粒径が1000μmより大きい粒子の含有量が5 重量%以下となる粉体(粉砕一次造粒物)が液体バインダーで架橋した構造を有するものである。
【0039】
前記のような構成を有する本発明の洗剤粒子は、使用時に粒子内への浸水性がよく、易溶解性に優れ、特に手洗い洗濯に適し、粒子流動性が良好で、製品保存時の耐ケーキング性にも優れたものである。
【0040】
(洗剤粒子の組成)
本発明に使用される液体洗剤原料としては、例えば、液状界面活性剤が挙げられる。
該液状界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤及び/又はそれらの液体酸前駆体、非イオン性界面活性剤、必要に応じて陽イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤を含有することができる。陰イオン性界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル又はアルケニルエーテル硫酸塩、アルキル又はアルケニル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩又はエステル、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、脂肪酸塩等が挙げられる。陰イオン性界面活性剤の対イオンとしてアルカリ金属イオンが洗浄力向上の点で好適である。非イオン性界面活性剤として、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、高級脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグリコシド、アルキルグルコースアミド、アルキルアミンオキサイド等が挙げられる。洗浄力の点で、炭素数10〜18、好ましくは12〜14のアルコールのエチレンオキシドの付加物、もしくはエチレンオキシドとプロピレンオキシドの混合付加物であって、アルキレンオキシド平均付加モル数5〜30、好ましくは6〜15のポリオキシアルキレンアルキルエーテルが望ましい。また、洗浄力及び溶解性の点で、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましい。該化合物は炭素数10〜18、好ましくは12〜14のアルコールのエチレンオキシド付加物に、プロピレンオキシド、更にエチレンオキシドを反応させることにより得ることができる。非イオン性界面活性剤の含有量は、洗浄力の点から洗剤粒子中1〜50重量%が好ましく、5〜30重量%がより好ましい。陽イオン性界面活性剤として、アルキルトリメチルアンモニウム塩等が、両性界面活性剤として、カルボベタイン型、スルホベタイン型活性剤等が挙げられる。洗剤粒子中のこれら液状界面活性剤組成物の総含有量は、洗浄力及び洗剤粒子が所望の粉末物性を得る等の点より、5〜35重量%、好ましくは10〜25重量%、更に好ましくは15〜20重量%である。
【0041】
また、本発明に使用される粉末又は顆粒状の固体洗剤原料としては、リン酸、炭酸、重炭酸、硫酸の無機塩及びアルミノケイ酸塩、結晶性シリケート又はそれらの混合物等が挙げられる。その含有量としては、洗浄性の観点から洗剤粒子基準として、65〜95重量%が好ましい。
【0042】
この内、一次造粒時に界面活性剤の酸前駆体を使用する際にはアルミノケイ酸塩等では酸によりキレート能が低下することがある為、リン酸塩、特にトリポリリン酸ナトリウム(STPP)を使用することが好ましい。
【0043】
また、本発明の製造方法においては、粉砕工程において二次造粒に好ましい粒度に一次造粒物を粉砕するため、一次造粒工程において使用する固体洗剤原料の平均粒径、粒度に特に限定はなく、例えば平均粒径60μm程度の粒状STPP等の、一般的に入手可能である市販原料を使用することができる。もちろん、平均粒径18μm程度のSTPP等の予め粉砕された固体洗剤原料もなんら問題なく使用できる。
【0044】
また、一次造粒時にアルカリ無機物質と非石鹸性陰イオン性界面活性剤の液体酸前駆体とからなる乾式中和を行う場合、アルカリ無機物質としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。非石鹸性陰イオン性界面活性剤の液体酸前駆体としては、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS)、α−オレフィンスルホン酸(AOS)、アルキル硫酸(AS)、内部オレフィンスルホン酸、脂肪酸エステルスルホン酸、アルキルエーテル硫酸、ジアルキルスルホコハク酸等が挙げられる。これらの成分はそれぞれ2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、アルカリ無機物質の量は、非石鹸性陰イオン性界面活性剤の液体酸前駆体の中和当量の1〜20倍が好ましく、2〜15倍がより好ましく、3〜15倍が最も好ましい。
【0045】
また、本発明に使用される液体バインダーとしては、所望の粘弾性及び粘度を示す液体状のバインダーであれば特に制限はないが、好ましい一例を挙げるとPVA(ポリビニルアルコール)、CMC(カルボキシルメチルセルロース)、LAS−Na(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩)、PEG(ポリエチレングリコール)、カルボン酸系ポリマー若しくはコポリマー(マレイン酸―アクリル酸コポリマー等)、又はそれらの変性物、及びそれらの混合物の水溶液である。これらの内、PVAは少量で所望の粘弾性及び粘度を呈する為、最も好ましい。
【0046】
(洗剤組成物)
本発明の洗剤粒子は、表面処理剤、必要であればその他の洗剤原料と混合することで洗剤組成物を製造することができる。
ここで、表面処理剤とは、洗剤組成物の流動性を向上させる等の目的で使用する剤をいい、例えば、洗濯液中のイオン強度を高める観点から炭酸塩、炭酸水素塩、珪酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、リン酸塩等の水溶性の無機塩類を配合できる。
【0047】
ここで、洗浄力と冷水中での長時間静置条件における低温分散性の点より、炭酸塩は、無水物換算で洗剤組成物中、好ましくは25重量%以下、より好ましくは5〜20重量%、特に好ましくは7〜15重量%含有され、炭酸塩及び硫酸塩の総和は、無水物換算で洗剤組成物中、好ましくは5〜35重量%、より好ましくは10〜30重量%、特に好ましくは12〜25重量%含有される。更に洗剤組成物にはアルカリ金属珪酸塩を配合できる。アルカリ金属珪酸塩としては、結晶質、非晶質のいずれのものも用いることが出来るが、カチオン交換能をも有することから結晶質のものを含むことが好ましい。アルカリ金属珪酸塩において、SiO/MO(但しMはアルカリ金属を表す。)は、アルカリ能の観点から好ましくは2.6以下、より好ましくは2.4以下、特に好ましくは2.2以下であり、また、保存安定性の観点から、好ましくは0.5以上、より好ましくは1.0以上、さらに好ましくは1.5以上、特に好ましくは1.7以上である。ここで非晶質アルカリ金属珪酸塩としては、例えば、JIS 1号、2号珪酸ナトリウムや水ガラス乾燥物の顆粒である「BritesilC20」、「BritesilH20」、「BritesilC24」、「BritesilH24」(いずれも登録商標,The PQ Corporation製)等を用いても良い。また、炭酸ナトリウムと非晶質アルカリ金属塩の複合体である「NABION15」(登録商標,RHONE−BOULENC製)を用いても良い。
【0048】
アルカリ金属珪酸塩は、結晶化することで優れたアルカリ能と4A型ゼオライトに匹敵するカチオン交換能を有し、また、低温分散性の観点からも好ましい。具体的には、下記式(I):
x(MO)・y(SiO)・z(MemOn)・w(HO) (I)
(式中、Mは周期律表のIa族元素(好ましくはK及び/又はNa)を表し、Meは周期律表のIIa族元素、IIb族元素、IIIa族元素、IVa族元素及びVIII族元素から選ばれる1種以上(好ましくはMg、Ca)を示し、y/x=0.5〜2.6、z/x=0.001〜1.0、w=0〜20、n/m=0.5〜2.0である。)
及び/又は式(II):
O・x’(SiO)・y’(HO) (II)
(式中、Mはアルカリ金属元素(好ましくはK及び/又はNa)を表し、x’=1.5〜2.6、y’=0〜20(好ましくは実質的に0)である。)
で表される1種以上の結晶性アルカリ金属珪酸塩を、洗剤組成物中に好ましくは0.5〜40重量%、より好ましくは1〜25重量%、さらに好ましくは3〜20重量%、特に好ましくは5〜15重量%配合される。ここで、結晶質のものは、アルカリ金属珪酸塩中に好ましくは20重量%以上、より好ましくは30%重量以上、特に好ましくは40重量%以上を含有することが好ましい。この結晶性アルカリ金属珪酸塩は、例えばクラリアントジャパン社より商品名「Na−SKS−6」(δ−NaO・2SiO)として入手でき、粉末状及び/又は顆粒状のものを用いても良い。特に、炭酸ナトリウムとの併用が好ましい。
【0049】
また、他の表面処理剤としては、金属イオン封鎖能の点でクエン酸塩、ヒドロキシイミノジコハク酸塩、メチルグリシンジ酢酸塩、グルタミン酸ジ酢酸塩、アスパラギンジ酢酸塩、セリンジ酢酸塩、エチレンジアミンジコハク酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩等の有機酸塩が配合できる。また、金属イオン封鎖能や固体粒子汚れの分散能等の点で、カルボン酸基及び/又はスルホン酸基を有するカチオン交換型ポリマーの配合が好適であり、特に、分子量が1千〜8万のアクリル酸−マレイン酸コポリマーの塩、ポリアクリル酸塩や特開昭54−52196号公報に記載の分子量が8百〜百万、好ましくは5千〜20万のポリグリオキシル酸等のポリアセタールカルボン酸塩が望ましい。該カチオン交換型ポリマー及び/又は有機酸塩は、洗浄力の点から好ましくは洗剤組成物の0.5〜12重量%、より好ましくは1〜10重量%、更に好ましくは1〜7重量%、特に好ましくは2〜5重量%含有される。
【0050】
また、他の表面処理剤としては、A型、X型、P型ゼオライト等の結晶性アルミノ珪酸塩を配合できる。その平均一次粒子径は0.1〜10μmが好ましい。また、非イオン性界面活性剤等の液状成分のしみ出し防止を目的に、JIS K5101法による吸油能が80mL/100g以上の非晶質アルミノケイ酸塩を配合できる。該非晶質アルミノケイ酸塩として、例えば、特開昭62−191417号公報、特開昭62−191419号公報等が参照できる。非晶質アルミノ珪酸塩の含有量は、洗剤組成物中の0.1〜20重量%が好ましい。
【0051】
また、他の洗剤原料として、クエン酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩等の有機酸塩、カルボキシルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン及びポリビニルアルコール等の分散剤又は色移り防止剤、過炭酸塩等の漂白剤、漂白活性化剤、酵素、ビフェニル型、スチルベン型蛍光染料、消泡剤、酸化防止剤、青味付剤、香料等を配合することもできる。
【0052】
中でも特に好ましい漂白活性化剤としては、テトラアセチルエチレンジアミン、グルコースペンタアセテート、テトラアセチルグリコールウリル、特開平8−3593号公報に記載の一般式(I)、(II)、(III) 又は(IV)で表される化合物、例えば、p−フェノールスルホン酸エステルのナトリウム(アセトキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ベンゾイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、線状もしくは分枝鎖のオクタノイル/ノナノイル/デカノイル/ドデカノイルフェノールスルホン酸塩等)又はp−ヒドロキシ安息香酸エステル(アセトキシベンゼンカルボン酸、オクタノイルオキシベンゼンカルボン酸、デカノイルオキシベンゼンカルボン酸、ドデカノイルオキシベンゼンカルボン酸等)等が挙げられる。
【0053】
また、酵素としては、特に限定されないが、例えば、ハイドロラーゼ類、オキシドレダクターゼ類、リアーゼ類、トランスフェラーゼ類及びイソメラーゼ類等が挙げられ、特に好ましいのはセルラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、プルラナーゼ、エステラーゼ、ヘミセルラーゼ、パーオキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、プロトペクチナーゼ及びペクチナーゼ等が挙げられる。これらの酵素は、二種以上用いてもよい。中でも、酵素造粒時の着色剤の分散性及び衣類への染着性を考慮した時に、特に好ましいのはプロテアーゼ及びセルラーゼの組合せである。その理由は定かではないが、プロテアーゼによる繊維表面のシミや角質の除去効果と相まってセルラーゼによる繊維内部の皮脂の除去効果が向上し、それにより染料が皮脂成分等への残留を防ぐことができると推測される。前記の酵素は、如何なる方法で製造されたものでも良く、特に限定されないが、通常、微生物により生産された酵素を含有する培養物を濾過し更に乾燥して得られるものが用いられる。又、培養条件、分離条件等により安定化剤、糖類、硫酸ナトリウム等の無機塩類、ポリエチレングリコール、不純物、水等が含まれていてもよい。
【0054】
尚、酵素、漂白活性化剤、消泡剤等は別途粒状化された粒子群として、アフターブレンドしても良い。これらの基剤の製造工程での添加方法として、炭酸ナトリウムは水性スラリーに配合し、噴霧乾燥することで粉末化する方法や、平均粒径1〜40μm程度に調整したものを造粒工程や表面改質工程等に添加する方法や、デンス灰やライト灰等をアフターブレンドする方法等がある。非晶質アルカリ金属珪酸塩は、水性スラリーに配合し、噴霧乾燥する方法や、顆粒化されたものをアフターブレンドする方法等が挙げられる。結晶性アルカリ金属珪酸塩は、平均粒径1〜40μm程度、好ましくは1〜30μm程度、より好ましくは1〜20μm程度、さらに好ましくは1〜10μm程度に調整したものを造粒工程や表面改質工程等に添加する方法がある。この時、結晶質及び/又は非晶質のアルミノ珪酸塩等の基剤を混合して用いることが、保存安定性等の点から好ましい。また、特開平3−16442号公報記載のローラーコンパクター等を用いた方法で調製した顆粒をアフターブレンドする方法等が挙げられる。
【0055】
また、別の好ましい一態様として、本発明の洗剤組成物は、硫酸基及び/又は、スルホン酸塩を有するアニオン性界面活性剤を、洗剤組成物に対して5重量%以上配合することができる。該アニオン性界面活性剤を用いることにより、洗剤を冷水中で長時間静置した条件において、洗剤粒子間での分散性をより良好に保つことができる。その含有量は、洗剤組成物中、好ましくは5重量%以上、より好ましくは7重量%以上、特に好ましくは10重量%以上である。好ましいものは、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩又はそのエステル、特に好ましいのはアルキルベンゼンスルホン酸塩である。
【0056】
以上のような構成を有する本発明の洗剤組成物は、水に投入した際に速やかに分散し、溶解性に優れるという効果を有するものである。
【0057】
以下、実施例、比較例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等によりなんら限定されるものではない。
【0058】
【実施例】
実施例1
以下の手順にしたがい、表1に示す組成の洗剤粒子を35kg単位で製造した。
〔一次造粒工程〕
一次造粒にはレディゲミキサーFKM−130D((株)マツボー製)高速ミキサーを用いた。このミキサーは攪拌羽根と解砕/分散用チョッパーに相当する剪断機を具備するものである。各操作は以下のように実施した。
【0059】
<粉体混合>
粉末状の固体洗剤成分である、トリポリリン酸ナトリウム(STPP(三井化学(株) 製) :平均粒径60μm)4.6重量部、炭酸ナトリウム(ライト灰:セントラル硝子(株)製、平均粒径106μm)14.2重量部、重曹4.7重量部、亜硫曹0.12重量部及び蛍光剤0.019重量部を、レディゲミキサーにより、攪拌羽根回転数115rpm(周速度3.0m/s)、剪断機回転数2850rpm(周速度27m/s)の条件で1分間混合した。
【0060】
<反応開始剤添加>
48%水酸化ナトリウム(0.16重量部)をミキサー中に反応開始剤として加え、同じ混合条件で1分間混合した。
【0061】
<乾式中和>
ミキサーを前記と同条件で作動させながら、予め混合させておいた直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS:分子量322)6.4重量部及び98%硫酸0.98重量部を1分30秒間で加えた。この間、ミキサージャケットには40℃の水を通して冷却した。この段階で、温度は最高75℃に達した。尚、この段階を通して、反応混合物は粒状であった。なお、上記のLASはSOガススルホン化法により製造されたものであり、0.16重量部の硫酸を含有するものであった。
LAS添加後、引き続きミキサーを同条件で1分間作動させ、乾式中和反応及び造粒操作を完結した。
【0062】
<液体成分の添加・表面改質>
乾式中和反応及び造粒操作が完了した時点で、ミキサーを前記と同条件で作動させながら、更にポリエチレングリコール(XG−1300:三井化学(株) 製、平均分子量13000)0.12重量部及び40重量%アクリル酸マレイン酸コポリマー水溶液0.12重量部をミキサーに加え1分間混合し、続いて表面処理剤として平均粒径4μmのゼオライト(2.2重量部)を加え、さらに2分間ミキサーを作動させることにより表面改質処理を行った。
得られた一次造粒物は、平均粒径202μm、嵩密度710g/Lであった。
【0063】
〔粉砕工程〕
次に、一次造粒物全量をフィッツミル(DKAS06型, スクリーン幅1.5 mm×長さ12.6mmヘリーンボーンタイプ, ホソカワミクロン(株)製)を用いて、約400 kg/hrの供給量にて先端周速65m/sで平均粒径185μmまで粉砕して、粉砕一次造粒物を得た。粉砕一次造粒物中の粒径が1000μmより大きい粒子の含有量(表中、1000μmオン量)は1.3重量%であった。又、嵩密度は687g/Lであった。
【0064】
〔二次造粒(凝集造粒)工程〕
粉砕一次造粒物1kgを2L流動層(バッチ式, 「アグロマスターAGM−LAB02 」,0.019 m,ホソカワミクロン(株)製) へ仕込み、送風温度90℃設定で約1.0 m/sの見かけ空気流速にて流動化させた。粉体温度が50℃到着後、予め濃度調整した下記の液体バインダーを二流体ノズル(二流体ノズル外部混合型「SSJ2850/70」、スプレーイングシステム製)で噴霧し、二次造粒(凝集造粒)を行った。この時、二流体ノズルの二次空気量は20L/minであった。所定の液体バインダーを添加した後、乾燥及び冷却操作を約5分間程度行い40℃以下となったところで全量排出した。
【0065】
<液体バインダー>
種類:PVA(クラレ製「KM−118」, 重合度1800,2 mol ,マレイン酸変性)
濃度:7.5%水溶液
添加量 :粉砕一次造粒物100重量部に対し、22重量部(有姿換算)、添加速度18g/min
添加温度:50℃
【0066】
その後、排出した二次造粒物100重量部に対し、1重量部のゼオライト4Aで表面改質(手混合) を行い、手篩(355〜1410μm)で分級し製品とした。
得られた製品は、嵩密度が低く、ボリューム感があり、水に投入すると速やかに分散し溶解性に優れた洗剤粒子であった。
【0067】
実施例2
粉末状の固体洗剤原料粒子として平均粒径18μmのSTPPを用いた以外は実施例1の方法と同様にして洗剤粒子を得た。
得られた製品は、嵩密度が低く、ボリューム感があり、水に投入すると速やかに分散し溶解性に優れた洗剤粒子であった。
【0068】
実施例3
液体洗剤原料として直鎖アルキルベンゼンスルホン酸の量を4.7重量部に減じ、二次造粒時にPVAに変えて、液体バインダーとして、以下に示す、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムを用いた以外は実施例1の方法と同様にして洗剤粒子を得た。
得られた製品は、嵩密度が低く、ボリューム感があり、水に投入すると速やかに分散し溶解性に優れた洗剤粒子であった。
【0069】
<液体バインダー>
種類:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
濃度:26%水溶液
添加量:粉砕一次造粒物100重量部に対し、32重量部(有姿換算),添加速度18g/min
添加温度:40℃
【0070】
実施例4
二次造粒時に更に固体洗剤原料として、ANSAC ソーダ灰(平均粒径227μm,嵩密度770g/L)を内比18.9重量%添加(添加した量を全体組成で希釈) した以外は実施例1の方法と同様にして洗剤粒子を得た。
得られた製品は、嵩密度が低く、ボリューム感があり、水に投入すると速やかに分散し溶解性に優れた洗剤粒子であった。
【0071】
比較例1
一次造粒工程で得られた洗剤粒子を粉砕しない以外は実施例3の方法と同様にして洗剤粒子を得た。
得られた製品は、嵩密度が高く、ボリューム感に欠け、溶解性に劣った洗剤粒子であった。
【0072】
【表1】
Figure 2004277659
【0073】
【発明の効果】
本発明により、使用時に粒子内への浸水性がよく、易溶解性に優れ、特に手洗い洗濯に適し、粒子流動性が良好で、製品保存時の耐ケーキング性にも優れる低嵩密度の洗剤粒子を低コストで得ることができるという効果が奏される。

Claims (7)

  1. 粉末又は顆粒状の固体洗剤原料を液体洗剤原料で一次造粒し、得られた一次造粒物を粉砕した後に、該粉砕一次造粒物を液体バインダーにより流動層中で凝集させて二次造粒する工程を有する、嵩密度600 g/L以下の洗剤粒子の製造方法。
  2. 粉砕一次造粒物の平均粒径が200 μm以下で且つその粒径が1000μmより大きい粒子の含有量が5重量%以下である請求項1記載の洗剤粒子の製造方法。
  3. 二次造粒工程において、粉砕一次造粒物を1種以上の固体洗剤原料と共に造粒する、請求項1又は2記載の洗剤粒子の製造方法。
  4. 一次造粒工程において、固体洗剤原料が1種以上のアルカリ無機物質を含むと共に液体洗剤原料が1種以上の非石鹸性陰イオン性界面活性剤の液体酸前駆体を含み、一次造粒時に乾式中和を行う、請求項1〜3いずれか記載の洗剤粒子の製造方法。
  5. 非石鹸性陰イオン性界面活性剤の液体酸前駆体1モルに対して、無機酸を0.1〜1.0モルの比率で存在させる請求項4記載の洗剤粒子の製造方法。
  6. 界面活性剤を含有してなり、嵩密度700 g/L以上且つ平均粒径200 μm以下で且つ粒径が1000μmより大きい粒子の含有量が5 重量%以下となる粉体が液体バインダーで架橋した構造を有する、嵩密度600 g/L以下の洗剤粒子。
  7. 請求項6記載の洗剤粒子及び表面処理剤を含有してなる洗剤組成物。
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