JP2004277534A - 粘着シート及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】粘着シートの貼り付け位置を容易に調整できる一方、粘着剤層の凹凸パターンに影響されて、装飾的な商品価値が低下するおそれが少ない粘着シートおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】シート基材上に粘着剤層が設けてある粘着シートおよびその製造方法であって、粘着剤層が、混合溶剤から粘着剤を相分離させて形成した点状物であるとともに、製造する際には、粘着剤と、この粘着剤の良溶媒及び貧溶媒からなる混合溶剤とを含有する塗布液を、シート基材上に塗布する工程と、混合溶剤を蒸発させるとともに、粘着剤を相分離させて、点状物を形成する工程とを含むことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘着シート及び粘着シートの製造方法に関し、特に、粘着シートの貼り付け位置を容易に調整等することができる一方、粘着剤層の凹凸パターンに影響されて、装飾的な商品価値が低下するおそれが少ない粘着シート及びそのような粘着シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、窓、建物、自動車、バス等に貼り付けて使用される粘着シートは、基本的に、剥離材と、粘着剤層と、シート基材と、を順次に積層して、構成されている。そして、かかる粘着シートの寸法が、マーキングフィルム(装飾用フィルム)や飛散防止フィルム等の大型になるほど、被着体に貼り付ける際に空気を巻き込みやすく、いわゆるエアがみを生じるという問題が見られた。また、粘着シートの貼り付け位置を誤った場合、従来の粘着シートでは、貼り直しが困難であるという問題が見られた。
そのため、粘着シートを被着体に貼付した後に、エアがみ部分に針等で小穴を開け、巻き込んだ空気を外部に取り出しているが、粘着シートを傷めたり、貼り付け作業に過度に時間を要するなどの問題が見られた。
【0003】
そこで、粘着層913と被着体との間に巻き込まれた空気を外部に逃がしやすくする一方、貼り直しが容易であるように、図4に示すような剥離紙915および粘着層913の表面に、所定の凸部914を設けた構造の粘着加工シート910が知られている。すなわち、表面シート体911と、散点状に配置された独立した多数の小凸部914を有する粘着層913と、この多数の小凸部914に対応して密着する散点状に配置された独立した多数の小凹部912を有する剥離紙915とから構成し、小凸部914は粘着層913の基本平坦面から突出し、小凸部914の高さ寸法Hを3〜50μmの範囲に設定した粘着加工シート910が開示されている(実用新案文献1参照。)。
【0004】
【実用新案文献1】
実用新案登録第2503717号公報(図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実用新案文献1に開示された粘着加工シート910は、粘着層913の表面に、多数の小凸部914が形成されているため、被着体に貼り付けた後に、表面シート体911を介して、粘着層913の小凸部914が外部から認識されやすいという問題が見られた。このため、かかるの粘着加工シート910は、外観性に劣り、商品価値が低下しやすいという問題点があった。
そこで、本発明は、上記の問題点を解決して、空気の巻き込みが少ない一方、粘着シートの貼り付け位置を容易に調整することができ、しかも、粘着剤層の凹凸パターンに影響されて、装飾的な商品価値が低下するおそれが少ない粘着シートおよびそのような粘着シートを効率的に、安定して生産することができる製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の粘着シートは、シート基材上に粘着剤層が設けてある粘着シートであって、粘着剤層が粘着剤を、混合溶剤から相分離させて形成した点状物であることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の粘着シートを構成するにあたり、点状物の平面形状が、円形又は不定形状であることが好ましい。
【0008】
また、本発明の粘着シートを構成するにあたり、点状物の高さを5〜200μmの範囲内の値とすることが好ましい。
【0009】
また、本発明の粘着シートを構成するにあたり、点状物の平均直径を1〜500μmの範囲内の値とすることが好ましい。
【0010】
また、本発明の粘着シートを構成するにあたり、点状物の底部が、連続層によって連結されていることが好ましい。
【0011】
また、本発明の粘着シートを構成するにあたり、シート基材の表面に、表面改質層を備えることが好ましい。
【0012】
すなわち、本発明の粘着シートによれば、粘着剤層が複数の点状物から形成されているため、空気の巻き込みが少なくなる一方、仮に巻き込まれた場合であっても、空気を外部に対して容易に逃がすことができる。
また、本発明の粘着シートによれば、最終的に押圧して変形させる前であれば、複数の点状物からなる粘着剤層が被着体に対して点接触しているため、貼付位置を誤った場合であっても、容易に再調整することができる。
さらに、本発明の粘着シートによれば、粘着剤層が、混合溶剤からの相分離によって得られる、不規則パターンを有する点状物であることから、点状物が外部から認識されることが少なく、装飾性の観点から商品価値が低下することを有効に防止することができる。
【0013】
本発明の別の態様は、シート基材上に粘着剤層が設けてある粘着シートの製造方法であって、粘着剤と、この粘着剤の良溶媒及び貧溶媒からなる混合溶剤と、を含有する塗布液を、シート基材上に塗布する工程と、混合溶剤を蒸発させるとともに、粘着剤を相分離させて、点状物を形成する工程と、を含むことを特徴とする粘着シートの製造方法である。
【0014】
また、本発明の粘着シートの製造方法を実施するにあたり、混合溶剤の貧溶媒として、少なくとも水を含む混合溶剤を使用することが好ましい。
【0015】
また、本発明の粘着シートの製造方法を実施するにあたり、混合溶剤を加熱することによって蒸発させるとともに、当該加熱する際の温度を80〜180℃の範囲内の値とすることが好ましい。
【0016】
すなわち、本発明の粘着シートの製造方法によれば、相分離によって複数の点状物が形成されるため、空気の巻き込みが少なく、貼付位置を容易に再調整することができ、さらには、貼付した後は、点状物が外部から認識されることが少ない粘着シートを効率的に製造することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態は、図1(a)および(b)に例示されるように、シート基材210上に粘着剤層222が設けてある粘着シート200であって、粘着剤層222が、混合溶剤から粘着剤を相分離させて形成した点状物であることを特徴とする粘着シート200である。
以下、構成要件ごとに分けて、適宜図面を参照しながら、第1の実施形態に係る粘着シートについて詳細に説明する。
【0018】
1.シート基材
(1)種類
図1(a)および(b)に例示されるシート基材としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリウレタン等のプラスチックフィルムや、紙類が好適である。
【0019】
(2)厚さ
また、シート基材の厚さを10μm〜3mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、シート基材の厚さが10μm未満の値となると、機械的強度が著しく低下する場合があるためであり、一方、シート基材の厚さが3mmを超えると、剛性が高くなりすぎ、粘着シートの貼り付けが困難になる場合があるためである。
したがって、かかるシート基材の厚さを20μm〜1mmの範囲内の値とすることがより好ましく、25〜200μmの範囲内の値とすることがよりさらに好ましい。
【0020】
(3)表面改質層
また、シート基材の表面に、プライマー層、微細凹凸層、および酸化物層等の表面改質層を設けることが好ましい。
この理由は、これらのプライマー層、微細凹凸層、および酸化物層等を設けることにより、シート基材と、点状物との間の密着力を向上させることができるためである。また、このような表面改質層を設けることにより、粘着剤の相分離現象を制御して、得られる点状物の高さや大きさの制御が容易となるためである。
ここで、プライマー層の構成材料としては、シランカップリング剤、エポキシ樹脂層、ウレタン樹脂層等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
また、微細凹凸層としては、例えば、0.01〜1μm程度の凹凸層が挙げられる。
さらに、酸化物層としては、コロナ放電処理層、クロム酸処理層、酸化炎処理層、プラズマ処理層、オゾン・紫外線照射処理層等が挙げられる。
【0021】
2.粘着剤層
(1)粘着剤
図1(a)および(b)に例示される点状物222を構成する粘着剤としては、公知のものを好ましく用いることができる。例えば、アクリル系粘着剤、天然ゴム又は合成ゴムからなるゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤等があげられる。
なお、使用する粘着剤中には、用途によって、粘着付与剤や着色剤等を含有させてもよく、また、消泡剤、界面活性剤、酸化防止剤等の添加剤を添加してもよい。
【0022】
(2)点状物
▲1▼高さ
また、点状物の高さを5〜200μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる点状物の高さが5μm未満となると、粘着シートを粘着対象物に貼り付ける際や貼り付けた後のふくれを十分防止することが困難になったり、粘着シートの貼り直しの作業性を十分に向上させることが困難になったりする場合があるためである。一方、点状物の高さが200μmを超えると、粘着シートの凹凸パターンが目立つ場合があるためである。
なお、かかる点状物の高さは、シート基材の表面から、点状物の頂点までの高さと定義されるが、例えば、断面写真から測定することができる。
【0023】
▲2▼平均直径
点状物の平均直径を1〜500μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる点状物の平均直径が1μm未満となると、粘着力を確保することが困難になる場合があるためである。一方、点状物の平均直径が500μmを超えると、粘着シートの凹凸パターンが目立たつようになる場合があるためである。
【0024】
▲3▼ピッチ
また、隣接する点状物間のピッチを50〜1,000μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる隣接する点状物間のピッチが1,000μmを超えると、粘着剤層の粘着力が低下する場合があるためである。一方、かかる隣接する点状物間のピッチが50μm未満となると、粘着シートを粘着対象物に貼り付ける際や貼り付けた後のふくれを十分防止するとともに粘着シートの貼り直しの作業性を向上させることが困難になる場合があるからである。
【0025】
▲4▼形状
また、点状物の平面形状は特に制限されるものではなく、例えば、円形や不定形状とすることができる。
なお、かかる点状物の平面形状は、使用する粘着剤の種類、混合溶剤の種類および添加量、加熱温度等を適宜変更することにより、制御することができる。
【0026】
▲5▼連続層
また、点状物は、図2に示すように、底面において、連続層223により連結されていることが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、粘着シートを粘着対象物に貼り付ける際や貼り付けた後のふくれを十分防止することできるとともに、粘着剤層の粘着力を確保することができるためである。
なお、かかる点状物の底面の連続層は、使用する粘着剤の種類、混合溶剤の種類および添加量、加熱温度等を適宜変更することにより、制御することができる。
【0027】
▲6▼相分離
また、点状物は、混合溶剤から粘着剤を相分離させて形成することを特徴としている。
すなわち、後述するように、塗布液を加熱し、混合溶剤の一部(良溶媒)を蒸発させ、粘着剤と残留溶剤(貧溶媒)とを相分離させるとともに、シート基材に対してはじき現象を生じさせて、未硬化状態の粘着剤からなる点状物を形成することを特徴としている。
このように混合溶剤から相分離により形成された点状物であれば、空気の巻き込みが少なくなる一方、最終的に押圧して変形させる前であれば、被着体に対して点接触することができ、さらに、不規則パターンを有することから、点状物が外部から認識されることが少なく、装飾性の観点から商品価値が低下することを有効に防止することができる。
なお、本発明において、混合溶剤からの相分離現象とは、相分離現象に特有の核成長から続くスピノーダル分解現象が観察される場合はもちろんのこと、かかるスピノーダル分解現象が観察されずに、あるいは単なるはじき現象が生じているような場合であっても、同等の点状物が得られる限り、混合溶剤からの相分離現象が生じていると認定することができる。
【0028】
3.粘着シートの製造方法
本発明の実施形態に係る粘着シートは、図3(a)〜(c)に例示されるように、シート基材210上に、粘着剤層としての点状物222が設けてある粘着シート200の製造方法であって、下記工程(1)および(2)を含むことを特徴とする粘着シートの製造方法により得ることができる。
(1)粘着剤と、この粘着剤の良溶媒及び貧溶媒からなる混合溶剤と、を含有する塗布液を、シート基材上に塗布する工程(以下、単に、塗布工程と称する場合がある。)
(2)混合溶剤を蒸発させるとともに、粘着剤を相分離させて、点状物を形成する工程(以下、単に、相分離工程と称する場合がある。)
【0029】
(1)塗布工程
▲1▼粘着剤の調製工程
配合材料を均一に混合し、粘着剤層形成用の粘着剤を調製する工程である。
この粘着剤としては、上記したように、公知のものを好ましく用いることができる。例えば、アクリル系粘着剤、天然ゴム又は合成ゴムからなるゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤等があげられる。
【0030】
▲2▼混合溶剤
混合溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、ペンチルアルコール、エチルセロソルブ、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、および水等の二種以上の組み合わせが挙げられる。そして、これらの溶剤のうち、粘着剤の良溶媒と、貧溶媒とからなる混合溶剤を使用することが好ましい。
【0031】
また、粘着剤を容易に溶解できるとともに、かかる粘着剤の貧溶媒である水とも容易に溶解できることから、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類と、水とからなる混合溶剤を使用することが好ましい。
また、アルコール類と、水とからなる混合溶剤を使用する場合、その混合比率(重量基準)を10/90〜90/10の範囲内の値とすることが好ましく、20/80〜80/20の範囲内の値とすることがより好ましい。
【0032】
▲3▼塗布液
塗布液は、粘着剤と、この粘着剤の良溶媒及び貧溶媒からなる混合溶剤と、を混合することによって製造することができる。
ここで、粘着剤100重量部に対し、混合溶剤の添加量を50〜10,000重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる混合溶剤の添加量が50重量部未満の値となると、加熱による混合溶剤の蒸発が速すぎて、粘着剤と混合溶剤との間の相分離が不十分となり、所望の点状物を形成することが困難となる場合があるためである。
一方、かかる混合溶剤の添加量が10,000重量部を超えると、加熱による混合溶剤の蒸発に時間がかかりすぎて、粘着剤と混合溶剤との間の相分離が不十分となり、所望の点状物を形成することが困難となる場合があるためである。
したがって、粘着剤100重量部に対して混合溶剤の添加量を100〜5,000重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、150〜300重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、塗布液中に、所望により消泡剤やレベリング剤などの公知の添加剤を配合することができる。
【0033】
▲4▼塗布方法
また、図3(a)に示すように、シート基材110を準備した後、図3(b)に示すように、調整された粘着剤塗布液220を塗工することが好ましい。その場合、乾燥後の膜厚が5〜200μmとなるように塗工し、好ましくは10〜100μmになるように塗工することが好ましい。
なお、塗膜の膜厚は、粘着剤の固形分濃度及び相分離後の粘着剤層の密度から、必要な粘着剤の塗工量を算出することによっても制御することができる。
【0034】
また、塗布方法についても特に制限されるものではないが、公知の方法、例えばバーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法などを用いることができる。
さらに、塗布液の塗布工程において、塗布液を複数回塗布してもよい。具体的には、2〜5回、塗布することが好ましい。このように塗布液を複数回塗布することにより、所望の点状物を容易に制御、構成することができ、より性能の優れた粘着シートを製造することができる。
【0035】
(2)相分離工程
次いで、図3(c)に示すように、塗布液を加熱し、混合溶剤の一部(良溶媒)を蒸発させ、粘着剤と残留溶剤(貧溶媒)とを相分離させるとともに、シート基材に対してはじき現象を生じさせて、未硬化状態の粘着剤からなる点状物122を形成することが好ましい。
すなわち、混合溶剤中の一部の溶剤を加熱して蒸発させるとともに、粘着剤と残留溶剤とを非相溶状態となし相分離させるとともに、シート基材に対するはじき現象を利用して、粘着剤からなる点状物を形成することが好ましい。
【0036】
また、加熱温度は、未硬化状態の粘着剤と残留溶剤とが非相溶状態となって相分離するとともに、シート基材に対してはじき現象が生じる程度の温度であれば良い。
具体的には、加熱温度を80〜180℃の範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、かかる加熱温度が80℃未満の値となると、混合溶剤の蒸発の制御が不十分となる場合があるためである。一方、かかる加熱温度が180℃を超えると、混合溶剤の蒸発速度が速すぎて、粘着剤の相分離が困難となったり、良好なはじき現象が生じなかったりする場合があるためである。
したがって、加熱温度を80〜160℃の範囲内の値とすることがより好ましく、90〜140℃の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0037】
【実施例】
以下、実施例を参照しながら、本発明の粘着シートを詳細に説明する。但し、言うまでもなく、本発明の技術的範囲は、以下の実施例の記載に制限されるものではない。
【0038】
また、粘着シートは、以下の記載にしたがって評価した。
(1)空気巻き込み防止性
粘着シートを被着体(厚さ2mm、30cm×30cm角のガラス板)に貼り付ける際、粘着シートと被着体との間に巻き込まれた空気を外部に逃がすように粘着シートを貼り付けることができるかどうかを、粘着シートの外観を目視で観察することにより、以下の基準に準拠して評価した。
○:空気の巻き込みは観察されない。
△:空気の巻き込みは少し観察される。
×:空気の巻き込みは顕著に観察される。
【0039】
(2)ふくれ防止性
粘着シートを軽く押圧して貼り付けた被着体(厚さ2mm、30cm×30cm角のアクリル板)を35℃に加熱した状態で長時間(7日間)放置した。その後、粘着剤層と被着体との間に発生したガスを外部に逃がすことができるかどうかを、粘粘着シートの外観を目視で観察することにより、以下の基準に準拠して評価した。
○:発生ガスによる気泡は観察されない。
△:発生ガスによる気泡が少し観察される。
×:発生ガスによる気泡が顕著に観察される。
【0040】
(3)位置調整性
粘着シートを被着体(厚さ2mm、30cm×30cm角のガラス板)に軽く貼り付け、その後この粘着シートを容易に剥離することができるか否かの位置調整性を、以下の基準に準拠して評価した。
○:容易に剥離することができる。
△:容易ではないが剥離することができる。
×:剥離するのは困難である。
【0041】
(4)外観性
粘着シートを被着体(厚さ2mm、30cm×30cm角のガラス板)に押圧して貼り付けた際に、粘着シートを介して認識される粘着剤層の凹凸パターンが目立つか否かの外観性を、以下の基準に準拠して評価した。
○:ほとんど目立たない。
△:少し目立つ。
×:顕著に目立つ。
【0042】
[実施例1]
アクリル系粘着剤(コーボニールN−2147、日本合成化学工業株式会社製)100重量部に、エポキシ系架橋剤(E−AX、綜研化学株式会社製)3重量部、良溶媒としてのイソプロピルアルコール及び貧溶媒としての水からなる混合溶剤(重量比:2/1)中に溶解させて、塗布液を作成した。
次いで、この塗布液を、シート基材である厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上にナイフコート法により塗布した。塗布後、オーブンを用いて、100℃に加熱し、混合溶剤を蒸発させることによって、アクリル系粘着剤を相分離させて、不定形状の点状物を形成した。
得られた粘着シートについて、上述した評価を行った。その結果を表1に示す。
【0043】
[比較例1]
剥離材として、厚さ100μmの上質紙にポリエチレンを30μmの厚さにラミネートした剥離紙の表面に、円錐形の凹部をエンボス加工により形成したものを準備した。
次いで、剥離材の表面に、シリコーン樹脂を、厚さが2μmになるように塗布して、この面に、粘着剤として、実施例1と同じアクリル系粘着剤をグラビア印刷し、乾燥後の膜厚30μmの粘着剤層とした。この際、粘着剤層には、剥離基材の凹部に対応して凸部が形成されたことを確認した。
最後に、粘着剤層の上に、シート基材としての70μmのポリ塩化ビニルフィルムを積層し、この粘着シートについて、上述した評価を行った。その結果を表1に示す。
その結果、表1に示すように、比較例1に係る粘着シートは、空気の巻き込みが少ない一方、巻き込んだ空気を容易に外部に逃がすことができ、粘着シートの貼り付け位置を容易に調整することができるものの、実施例1に係る粘着シートと比較して、外観性に劣る結果となった。
【0044】
【表1】
Figure 2004277534
【0045】
【発明の効果】
以上、詳述したように、本発明の粘着シートによれば、粘着剤層が、混合溶剤からの相分離を利用してなる点状物であることにより、空気の巻き込みが少ない一方、粘着シートの貼り付け位置を容易に調整することができ、しかも、粘着剤層の凹凸パターンに影響されて、装飾的な商品価値が低下するおそれが少ない粘着シートを容易に提供できるようになった。
また、本発明の粘着シートの製造方法によれば、粘着剤層を、混合溶剤からの相分離を利用して形成することにより、空気の巻き込みが少ない一方、粘着シートの貼り付け位置を容易に調整することができ、しかも、粘着剤層の凹凸パターンに影響されて、装飾的な商品価値が低下するおそれが少ない粘着シートを効率的に生産できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粘着シートの構造を示す図である。
【図2】本発明の別の粘着シートの構造を示す図である。
【図3】本発明の粘着シートの製造方法を示す図である。
【図4】従来の粘着シートの構造を示す図である。
【符号の説明】
200:粘着シート
210:シート基材
220:塗布膜
222:点状物
223:連続層

Claims (9)

  1. シート基材上に粘着剤層が設けてある粘着シートであって、前記粘着剤層が粘着剤を、混合溶剤から相分離させて形成した点状物であることを特徴とする粘着シート。
  2. 前記点状物の平面形状が、円形又は不定形状であることを特徴とする請求項1に記載の粘着シート。
  3. 前記点状物の高さを5〜200μmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項1または2に記載の粘着シート。
  4. 前記点状物の平均直径を1〜500μmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の粘着シート。
  5. 前記点状物の底部が、連続層によって連結されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の粘着シート。
  6. 前記シート基材の表面に、表面改質層を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の粘着シート。
  7. シート基材上に粘着剤層が設けてある粘着シートの製造方法であって、
    粘着剤と、この粘着剤の良溶媒及び貧溶媒からなる混合溶剤と、を含有する塗布液を、シート基材上に塗布する工程と、
    混合溶剤を蒸発させるとともに、粘着剤を相分離させて、点状物を形成する工程と、を含むことを特徴とする粘着シートの製造方法。
  8. 前記混合溶剤の貧溶媒として、少なくとも水を含む混合溶剤を使用することを特徴とする請求項7に記載の粘着シートの製造方法。
  9. 前記混合溶剤を加熱することにより蒸発させるとともに、当該加熱する際の温度を80〜180℃の範囲内の値とすることを特徴とする請求項7または8に記載の粘着シートの製造方法。
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