JP2004277477A - 樹脂硬化体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐熱性に優れるポリウレタン系反応性ホットメルト接着剤を、より簡単な操作でかつ短時間で製造することにより、多目的用途に利用可能な樹脂硬化体の新規な製造方法を提供する。
【解決手段】特定の反応性物質を使用して、加熱混合器中特定の反応条件の下で線状高分子合成を中心とした高分子化を、又塗布室温固化後は架橋反応を中心とした、2段階の反応を同時に制御することを特徴とする。
【解決手段】特定の反応性物質を使用して、加熱混合器中特定の反応条件の下で線状高分子合成を中心とした高分子化を、又塗布室温固化後は架橋反応を中心とした、2段階の反応を同時に制御することを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐熱性に優れるポリウレタン系反応性ホットメルト接着剤を得ることを目的とし、より簡単で短時間に樹脂硬化体を得るための新規な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ホットメルト接着剤は、ポリオレフィン系、エチレン酢ビ系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系などの線状高分子からなる熱可塑性樹脂に、粘着付与剤、ワックス類などを配合した、常温で固体の樹脂組成物であることは公知である。接着操作は、該樹脂組成物を塗工機に供給し、加熱溶融し得られる溶融物を被着体に塗布接着すると、溶融体は周囲の温度で冷却されてすぐ固化する。このように冷却操作だけで簡単に接着できるため接着作業性が極めて高く、その上、該接着剤には揮発性の溶剤類を含まないため環境・安全面でも優れる。そのため産業界で広く使用されている。しかし、この接着剤の最大の欠点は、樹脂の軟化点以上において、樹脂が軟化、流動してしまうため、本質的に耐熱性が劣ることである。そのため耐熱性が要求される部材の接着には不向きである。
【0003】そこで、この耐熱性の欠点を解決するために、現在努力が傾注されている。この耐熱性を改善する代表的なものとして、反応性ホットメルト接着剤がある。耐熱性を改善する方法としては、例えば、加熱、エネルギー線(電子線、紫外線)照射、水分/湿気による方法が提案されている。その中で、最も実用化が進んでいるものは、水分/湿気による硬化する方法であり、代表的なものとして、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー樹脂を主成分とするポリウレタン系反応性ホットメルト接着剤があり、例えば、特開平5−17736、特開2001−316654、特開2002−155254等に開示されている。
【0004】通常、これらポリウレタン系反応性ホットメルト接着剤の製造には、先ず、反応槽に2官能のジオールなどを添加し、さらに過剰のジイソシアネートモノマー及び又はプレポリマーを添加し、これに触媒、必要に応じ溶剤、初期接着性改善剤等を加へ、加熱混合下数時間重合して末端にイソシアネート基を有するポリウレタン樹脂を合成している。この合成には長時間を要し、更に接着剤として使用するには、得られた樹脂を使用し接着剤用に配合する必要もあった。さらに、また、接着剤を塗工機アプリケータに装填し、加熱溶融する必要があった。このように、従来のポリウレタン系反応性接着剤は、別工程での線状ポリマー合成、接着剤配合、塗工機への装填の3工程を要していた。
【0005】他方、物性面における耐熱性の改善においては、従来ポリウレタン系反応性ホットメルト接着剤は末端イソシアネート基と水との硬化反応により架橋構造を形成することにより耐熱性の改善を図っている。そして架橋形成に使用される反応源の水は、接着の際における、空気中の湿気や被着材料中に含まれる水分から供給される。供給水は湿度など周囲の環境条件や被着材料の材質によって変化するので、その結果、乾燥状態での接着や含水量の少ない材料(金属、非極性プラスチックス)の接着においては十分な水が供給されず、十分な架橋反応が発揮できないため耐熱性が不十分であった。又、耐熱性を得るため、被着材に水を霧吹きするなどの調湿を必要とする場合もあった。そのため、接着剤としての用途も制限されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のポリウレタン系反応性ホットメルト接着剤の耐熱性を改善し、かつ製造工程の煩雑さを改善し、耐熱性に優れるポリウレタン系反応性ホットメルト剤をより簡単な操作でかつ短時間で製造することにより、多目的用途に利用可能な樹脂硬化体の新規な製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決のための手段】本発明者は上記課題について鋭意検討した結果、特定の反応性物質を使用して、加熱された混合器内特定の条件下で、極めて短時間に線状高分子の合成を中心に反応させることにより、該加熱温度では流動性を示し常温に冷却すると固化する流動体が得られ、該流動体の塗布固化後は架橋形成を中心に反応させることにより、一連の工程で耐熱性に優れるポリウレタン系反応性ホットメルト接着剤の新しい製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち本発明は、1.常温で液体又は固体であって、好ましくは液体であって、かつ2剤からなっており、一方の剤(A剤)及び他方の剤(B剤)は、常温下それぞれ単独では安定に存在するが2剤の混合によって反応が開始できるように、少なくとも1種以上の高分子形成用の反応性物質を含有する。該反応性物質を使用して、(1)該A剤及びB剤を一定比率で、加熱された混合器に供給し、該混合器中で、該加熱温度では流動性を示しかつ常温に冷却すると固化する流動体(C)を高分子化により短時間で合成し、次いで直ちに吐出し固化体(D)を形成させ、(2)さらに、該固化体の架橋化を開始及び又は進行させることにより、樹脂硬化体を得るための樹脂硬化体の製造方法からなっている。
【0009】2.ここで使用される高分子形成物質はポリウレタンの合成に使用される反応性物質であって、A剤には、イソシアネート基(NCO)を含む官能性モノマー及び又はプレポリマーを含有する。また、B剤には有機活性水素基を含む官能性モノマー及び又はプレポリマーを含有する。
【0010】3.ここで、A剤のイソシアネート基(NCO)を含む官能性モノマー及び又はプレポリマーは、NCO基当量が約125〜1000でありNCO基の平均官能基数が約2である、MDIの誘導体を主成分として含む。また、前記B剤の有機活性水素基を含む官能性モノマー及び又はプレポリマーは、有機活性水素当量が約75〜1500であり、有機活性水素の平均官能基数が約2であるジオールを主成分として含む。
【0011】ここで、4.官能性モノマー及び又はプレポリマーが、該物質の分子内にエチレン性不飽和基を少なくとも一個以上含有するものが使用せられ、その中でも、5.両末端に水酸基を有する液状ポリブタジエンを含有するものが適切である。
【0012】また、6.A剤及びまたはB剤に、反応性物質として、エチレン性不飽和基を有する重合性モノマー及び又はプレポリマーを含有し、7.該エチレン性不飽和基含有の重合性モノマー及び又はプレポリマーが、常圧における沸点が約200℃以上のメタクリレート又はアクリレートが適切である。
【0013】ここで、8.メタアクリレート又はアクリレートが、A剤及びB剤の反応性物質の全量に対し1〜50重量%含有し、9.より好ましい含有量はA剤及びB剤の反応性物質の全量に対し3〜25重量%である。
【0014】さらに、10.触媒としてB剤に、トリエチレンジアミン等の3級アミン触媒、有機スズ系触媒、ナフテン酸金属塩等の触媒の群から選ばれた、少なくとも1種の触媒を含有し、かつ触媒量は、B剤全量に対し0.01〜5重量%が使用される。
【0015】さらに、11.A剤に、触媒として有機過酸化物触媒を約0.1〜5重量%含有することが望ましい。
【0016】また、12.前記1の(1)で示されるより好ましい合成条件は、NCO基/有機活性水素基の当量比が3/1〜1/3、反応温度が60〜180℃、反応時間が3〜60秒、である。
【0017】13.さらに好ましい条件は、NCO基/活性水素基の当量比が2.5/1〜1.5/1、又は1/1.3〜1/2.5であり、反応温度が80〜150℃、反応時間が3〜30秒、である。
【0018】14.さらにより好ましい条件は、NCO基/活性水素基の当量比が1/1.3〜1/2.0であり、反応温度が80〜150℃、反応時間が3〜15秒、である。
【0019】本発明は又、15.前記1(1)の流動体(C)が接着剤であり、該接着剤はポリウレタン系反応性ホットメルト接着剤の機能を有することからなっている。
【0020】本発明は又、16.硬化性組成物を提供し、A剤の反応性物質は、イソシアネート基(NCO)当量が125〜1000であるMDIの誘導体を主成分として含み、B剤の反応性物質は、有機活性水素基当量が75〜1500の官能性モノマー及び又はプレポリマーを主成分として含み、かつ、NCO基/有機活性水素基の当量比が1/1〜1/2.5の範囲で使用される2剤硬化性組成物からなっている。
【0021】17.さらに、前記A剤及B剤の反応成分が99〜50重量%、沸点が約200℃以上である分子内にエチレン性不飽和基を少なくとも1個以上有する重合性モノマー及びプレポリマーの反応成分が1〜50重量%、かつ、NCO基/有機活性水素基の当量比が1/1〜1/2.5の範囲で使用され、
【0022】18.さらに、前記A剤及B剤の反応成分が97〜75重量%、沸点が約200℃以上である分子内にエチレン性不飽和基を少なくとも1個以上有する重合性モノマー及びプレポリマーの反応成分が3〜25重量%、かつ、NCO基/有機活性水素基の当量比が1/1〜1/2.5の範囲で使用される。
【0023】19.さらに、触媒として、トリエチレンジアミン等の3級アミン触媒、有機スズ系触媒、ナフテン酸金属塩等の触媒の群から選ばれた、少なくとも1種の触媒を含有し、かつ触媒量は、前記、全反応成分に対し0.01〜5重量%を含む。2剤硬化性組成物からなっている。
【0024】本発明は又、20.前記1.(1)の流動体を使用して、被着材に塗布する塗布方法、又は被着材に注入する注入方法、又は被着材を接着する接合方法からなっている。
【0025】ここで、本発明で使用している用語について説明する。樹脂硬化体とは:いわゆる通常の樹脂の他にゴム等の弾性体を含めた高分子体のことを言い、接着剤、塗料、コティング剤、シーリング剤等の硬化体を含む。
【0026】線状高分子とは:通常の線状高分子のことを言うが、いわゆる分子量が約1万以上のものに限定されず、プレポリマーを含めた分子量が1万以下のものを含めて指す。
【0027】架橋化には:共有結合による架橋の他に、イオン結合架橋、水素結合架橋、物理的架橋を含む。
【0028】固化とは:固体並びに半固体(固体と液体の中間的な性状を呈し、ここでは高粘着により固着される状態も含める)のことを指す。
【0029】線状高分子合成には、加熱温度で流動性が保持される範囲であれば架橋等を含んでいてもよい。
【0030】
【発明の実施の形態】以下本発明を説明する。本発明は、特定の反応性物質を使用して、例えば塗工機等の、加熱された混合器中で、特定の反応条件下で(1)線状高分子合成を中心とした高分子化を、(2)又塗布常温固化後は架橋反応を中心とした、2段階の反応を同時に制御する方法を見出し、本発明の課題解決が達成された。以下、本発明を詳細に説明する。
【0031】本発明で使用される高分子形成用の反応性物質は、線状高分子及び架橋高分子を合成するのに使用されるモノマー及び又はプレポリマーであって、常温で液体又は固体のものであれば使用できる。この他にも高分子化が形成される物質であれば用いることができる。それらは例えば、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、エポキシ、シリコーン等の重付加・重縮合型ポリマー合成用に使用される官能性モノマー及び又はプレポリマー等。又、メタアクリレート、アクリレート等の不飽和基を有する付加重合型のモノマー、及び又はオリゴマー等。又、官能基間の反応を利用したカップリング剤等の架橋剤、又、金属カチオン種と有機酸アニオン種等、キレート化剤等の架橋剤、等を挙げることができる。この中でも、速い高分子化反応がえられ分子量が制御し易い点において、ポリウレタンが、耐熱性が優れる点においてメタアクリレート類が、本発明の達成には適切である。
【0032】又、反応性物質の使用形態は、2剤(A剤、B剤)として使用されるのが望ましい。理由は、本発明のポリウレタン系反応性ホットメルト接着剤を製造する時、2剤の混合によって反応が開始、促進され、また、接着剤の長期保存に際しては反応を抑制する必要がある。本発明においては、線状高分子、架橋高分子の双方を形成させる必要があるので、そのため、上記の高分子形成用の反応性物質群から選ばれた少なくとも1種の反応性物質を2剤に含有させる必要がある。
【0033】本発明で使用される反応性物質として、(1)ポリウレタン合成用の官能性モノマー及び又はプレポリマーが適切である。これら官能性モノマー及び又はプレポリマーの内、一方の反応性基である、イソシアネート基(NCO基)を有する官能性モノマー及び又はプレポリマーが使用せられる。これらは例えば、ジフェニルメタン4,’4ジイソシアネート(MDIと略記)、MDI誘導体(MDIのプレポリマー、及び変性MDIを含む)、トリレンジイソシアネート(TDI)、TDI誘導体(TDIのプレポリマー)等の芳香族ジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、又はイソホロンジイソシネートがあるが、これに限定されない。この中でも、速い硬化速度、優れた耐熱性、イソシアネート中では蒸気圧が低くいために安全面で有利な、MDIとMDIの誘導体が適切である。
【0034】MDIの誘導体としては、NCO基当量が約125〜1000でありNCO基の平均官能基数が約2であるものが適切である。その理由は、当量が1000を越えると硬化が遅くなる傾向があり、その結果、加熱混合器中短時間で線状高分子の形成がされ難くなる。又、平均官能基数が2を越えると線状高分子の形成が困難になり、架橋高分子が形成され混合器を閉塞する恐れがある。一方、平均官能基数が2未満であると高分子の形成が困難である。
【0035】本発明で使用する、ポリウレタン合成用のもう一方の官能性モノマー及び又はプレポリマーは、有機活性水素基を有する官能性モノマー及び又はプレポリマーである。有機活性水素基としては、例えば、−OH基、−COOH基、−NH2基、−NHR基、−SH基等である。この中で、イソシアネート(NCO)基との反応性に優れ、安全性(低毒性、低臭気)、価格の点で−OH基(水酸基)が適切である。有機活性水素基が−OH基である官能性モノマー及び又はプレポリマーとして、例えばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ひまし油、末端水酸基化変性シリコーン油など。また、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどのジオール、やグリセリンなどのトリオールは鎖延長剤として用いられる。しかし、ここで例示したものに限定されるものではない。
【0036】この中で好ましいモノマー及び又はプレポリマーは、−OH基当量が約75〜1500の範囲であり、平均官能基数が約2のジオールが適切である。−OH基当量が1500を越えると−NCO基との反応が遅くなる傾向を示し、短時間では線状高分子の形成が得られ難くなる。又、平均官能基数が2を越えると線状高分子の形成が困難になり、架橋高分子が形成され、混合器を閉塞する恐れがある。一方、平均官能基数が2未満であると高分子の形成が困難である。
【0037】さらに、ポリウレタン形成用官能性モノマー及び又はプレポリマーとしては、分子内にエチレン性不飽和基を有する反応性物質が適切である。理由は、該物質自身が線状ポリウレタンの形成と同時に、架橋形成に関与することにおいて、又、エチレン性不飽和基を有するモノマーやオリゴマーと架橋を形成することにおいて有利である。この分子内に不飽和基を有する反応性物質としては、例えば、両末端水酸基化液状ポリブタジエンがあり、1.4型ポリブタジエン、1.2型ポリブタジエンいずれも有用である。
【0038】本発明の架橋反応形成に関与する反応性物質としては、付加重合型のエチレン性不飽和基を有するモノマー及び又はオリゴマーが適切である。これらは、例えば、アクリレート、メタアクリレートである。その他、常温で液体であり、かつ重合性を示すものであれば本発明への適用は可能である。
【0039】好ましいアクリレート、メタアクリレ−トは、常圧下で、沸点が約200℃以上であることが望ましい。理由は、加熱下混合器中で線状高分子形成する際高温になる。この時、沸点が200℃以下であるとアクリレート、メタアクリレートの蒸気圧が高くなり蒸気吸入による人体への影響や又、場合によっては沸騰する恐れがあり安全面で不安である。使用されるアクリレート、メタアクリレートとしては、例えば、ウレタンアクリレート、ウレタンメタアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエステルメアクリレート、エポキシアクリレート、エポキシメタアクリレー、のモノー、ジー、トリーアクリレート、モノー、ジー、トリーメタクリレートや、トリメチロールプロパントリメタアクリレート等が挙げられる。他、アクレート、メタアクリレート以外にも、例えば、亜麻仁油等乾性油は有用である。しかし、ここで例示した物質に限定されない。
【0040】ここで使用されるアクリレート、メタアクリレートの添加量は、ポリウレタン線状ポリマー形成に使用される反応性物質を含めた全量に対し、1〜50重量%の範囲で使用することができる。ここで添加量が50重量%を越えると、加熱された混合器中で形成された線状ポリマーを室温に冷却した際固着されなかったり、又混合器内で反応が開始するとゲルの生成が加速され混合器を閉塞させる恐れがある。添加量が1重量%未満であると、架橋形成量が少なくなり耐熱性改善の効果が小さい。
【0041】アクリレート、メタアクリレートのより好ましい添加量は、線状ポリマー形成に使用される反応性物質を含めた全量に対し、3〜25重量%である。
【0042】又他の架橋形成用反応性物質としては、シランカップリング剤などの架橋剤、官能基間の反応による架橋剤、キレート化による金属と水素結合(金属カチオン種と有機酸アニオン種の結合等)を挙げることができる。
【0043】本発明のポリウレタン線状ポリマー形成のために使用される触媒は、公知のポリウレタン合成触媒が有用である。その中でも、例えば、トリエチレンジアミン等の3級アミン、ジブチルスズジラウリレート等の有機スズ、ナフテン酸コバルト等のナフテン酸塩等が好適である。これら触媒の添加量は、B剤の全量に対し0.01〜5重量%の範囲である。添加量5重量%で十分速い硬化が得られるのでそれ以上使用する必要がない。反対に、0.01%未満では十分速い硬化が得られない。
【0044】また、本発明の架橋反応に使用される触媒は、通常のラジカル重合を起こさせるレドクッス触媒が有用であり、不飽和ポリエステル合成に使用される公知の触媒が使用される。例えば、有機過酸化物/金属石鹸の組み合わせが有用である。使用される有機過酸化物は、クメンハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等である。パーオキサイドの添加量はA剤の全量に対し、0.1〜5重量%の範囲が望ましい。添加量5重量%で十分速い硬化が得られるのでそれ以上使用する必要がない。反対に、0.1%未満では十分速い速度が得られない。なお、触媒はここで例示した触媒に限定されない。
【0045】次いで、本発明の反応について説明する。反応は、(1)加熱混合器中では、該加熱温度で流動性を示し、常温に冷却した時固化する流動体を短時間で合成すること。(2)固化後は架橋化を行うことにある。さらに、該混合器中で合成される流動体は、常温に冷却した時固化を与えるのが前提であると同時に、該混合器中ではゲル化などにより混合器が閉塞しないように、流動性が安定して保持される必要ある。
【0046】そのため、混合器内での反応は分子量の小さい線状高分子(プレポリマーを含む)合成の反応が中心であり、固化後の反応は架橋化が中心である。以下、反応条件等について説明する。
【0047】(1)加熱混合器中での流動体合成:加熱された混合器に、A剤とB剤を一定比率で供給して、該加熱温度では流動性を示すが常温に冷却すると非流動性(固化)が保持されるように、両剤を素早く反応させ高分子化し流動体を得る。ここで、A剤/B剤を一定比率で供給する理由は、ポリウレタン系線状高分子を安定に合成するには、NCO基と有機活性水素基(OH基)を一定に保つ必要がある。この比率が崩れると一定の分子量のものが得られなくなり、その結果、流動特性が変化したり硬化物の物性が変化する。
【0048】本発明は塗工機内でポリウレタン系反応性ホットメルト接着剤を合成することにあるので、そのため加熱された混合器内では、極めて短時間に高分子化し流動体(該接着剤)を得る必要がある、と同時に得られた流動体は混合器内でゲルの生成を抑制しかつ安定に保たれることが望ましい。このことが工業的に利用する際重要である。加熱は反応を促進するために又適切な粘度を有する流動体を得るために、又該流動体を常温に冷却した際固化させるために必須である。
【0049】又、本発明は、NCO基/OH基当量比、反応温度、反応時間を適切に制御することが重要である。
【0050】より好ましい反応条件は、NCO基/OH基当量比が3/1〜1/3範囲にあり、反応温度が60℃〜180℃であり、反応時間が3〜 60秒である。理由は、該当量比が3/1以上、また1/3以下では、いずれにおいても分子量が大きくならないために、得られた流動体を常温に冷却した際、固化するのが非常に困難である。また、温度については、温度が180℃を越えると、反応性物質の蒸気圧が高くなり吸入による人体への衛生面、又反応性物質の劣化の可能性があり、又塗工時に被着材を変質させる可能性があり不利である。時間については、60秒以上では、合成時間が長くなりすぎ実用性を低下させる。3秒以下では合成が困難である。
【0051】さらに好ましい反応条件は該当量比が2.5/1〜1.5/1、又は1/1.3〜1/2.5の範囲が適切である。反応温度は80℃〜150℃が適切である。、反応時間は3〜30秒が適切である。理由は、該当量比が2.5/1〜1.5/1、又は1/1.3〜1/2.5の範囲において、高分子化反応の分子量調整が行い易いからである。
【0052】該当量比が1.5/1〜1/1.3の範囲においては、分子量が大きくなりかつ当量比の僅かな変動によっても分子量が大きく変動する。分子量の変動は流動体の粘度の変化につながり、粘度変化は接着塗工に影響を与える。その結果、接着操作に厳密な管理を要する。NCO基/OH基比が2.5/1以上、1/2.5以下では、いずれにおいても分子量が大きくならないため、常温冷却した際固化しない恐れがある。
【0053】該当量比が2.5/1〜1.5/1範囲においては、合成された分子末端基の大部分がNCO基で停止、又、1/1.3〜1/2.5の範囲においては、合成された分子末端基の大部分がOH基で停止された、比較的分子量の小さい線状高分子(プレポリマー)が形成される。
【0054】該高分子は、該加熱温度では流動性であり常温に冷却すれば固化する領域を保持し易い。又、該高分子が同種末端基で停止されると反応が進行し難いので、加熱が続けられても分子量の上昇が少なく混合器内でのゲル化を抑制しかつ安定した粘度の流動体を保持することができる。その結果、接着操作がより容易にできる。
【0055】さらにより好ましくは、当量比が1/1.3〜1/2.0の範囲であり、反応時間は3〜15秒である。該当量比において得られる流動体は、残存NCO基量が殆ど存在しないか或いは微少量なため、硬化に際し水による発泡(NCO基と水の反応により炭酸ガス発生)を抑止でき、発泡の無い樹脂硬化体を得るのに有用である。
【0056】(2)常温固化後の硬化反応:加熱混合器中で得た流動体を冷却固化したものは、固化直後再加熱すると再び流動体に戻るため耐熱性に優れたポリウレタン系反応性ホットメルト接着剤が得られない。そのため、本反応は、架橋反応形成に与る反応性物質が加熱混合器中で又は室温冷却固化後に開始され、固化後、時間の経過と共に、ラジカル架橋を中心とした反応が進行される。
【0057】本発明によれば、該反応性物質等並びに反応性物質の添加量等を適切に選択することにより、架橋反応を数時間〜数10日間の間で任意に制御、かつ耐熱性も制御できる。そして短期耐熱性として200℃以上の耐熱性のものが得られ、本発明の有用性を示すもである。
【0058】なお、架橋化手段として、ここで例示したラジカル架橋の他に、例えば、イオン架橋や、水素結合架橋、物理的架橋を用いることができる。本発明で使用されるMDI誘導体のような高極性物質は物理架橋を得ることにおいても有用である。
【0059】さらに、本発明は、下記硬化性組成物を提供する。A剤の反応性物質は、イソシアネート基(NCO)の平均当量が125〜1000であるMDIの誘導体を主成分として含み、B剤の反応性物質は、有機活性水素基の平均当量が75〜1500の官能性モノマー及び又はプレポリマーを主成分として含み、かつ、NCO基/有機活性水素基の当量比が1/1〜1/2.5の範囲で使用される2剤硬化性組成物からなっている。
【0060】これら硬化性組成物はポリウレタン系反応性ホットメルト接着剤として使用せられる他に常温硬化型のポリウレタン系接着剤としても有用である。特にNCO基/有機活性水素基が1/1〜1/2.5の範囲で、使用せられる接着剤は、ポリウレタン接着剤の欠点である水による発泡を抑止した、無発泡型接着剤として有用である。
【0061】しかし、NCO基/有機活性水素基が1/1〜1/2.5の範囲で反応して得られる樹脂硬化体は親水性が増し、耐水性を低下させる傾向がある。又、該樹脂硬化体は低分子量であるため常態下での樹脂強度や耐熱強度に欠ける傾向がある。そのため耐水性、及び耐熱性を改善するために、沸点が約200℃以上である分子内にエチレン性不飽和基を少なくとも1個以上有する重合性モノマー及びプレポリマーの反応成分を使用して架橋化させるのが有効であり、該反応性分の添加量は1〜50%が有効である。
【0062】
また、上記硬化性組成物に、各種の添加剤を配合することができる。添加剤の例としては、テルペン系樹脂、ロジン誘導体等の粘着付与剤、フマル酸エステル、アジピン酸エステル、リン酸エステル等の可塑剤、モンタンワックス、ポリエチレンワックス、等のワックス、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、石英粉末、シリカ、半水石膏、ゼオライト、セメント、タルクなどの充填剤、さらに各種金属粉、各種の有機系粉末、着色剤、熱安定剤、光安定剤などが添加できる。
【0063】さらに、本発明は、加熱混合器内で合成された流動体を使用して、被着材に塗布する塗布方法、又は被着材に注入する注入方法、又は被着材を接着する接合方法を提供する。
【0064】本発明は操作性と環境性(無溶剤・無臭)に優れる。また、樹脂硬化体の物性は耐熱性、耐寒性、耐温度特性、耐水性等に優れる。
【0065】本発明の更なる利点は、反応性物質と反応条件を材料設計に合わせ適宜選択することにより、ゴム的な材料から耐熱性に優れる樹脂まで、多目的用途に適した材料(樹脂硬化体)を効率よく製造することが可能である。
【0066】そのため、接着接合の他に、家電・情報通信等の電子部材、輸送機材、建築資材、環境衛生、一般工業資材等のコーティング、シーリング、ポッティング等の製造に幅広く利用できる。また、応力・衝撃緩和、振動・音響吸収材並びに調節材等にも利用できる。また、各種の機能性充填剤を使用することによって電磁遮蔽材、熱伝導材、導電材等の機能材としても利用できる。
【0067】(実施例)以下の実験例により、本発明を説明する。本試験に使用した各物質については、下記3種のイソシアネートプレポリマーを除き、市販品を使用した。尚、各物性については、次の方法で測定した。
【0068】[プレポリマーの合成]プレポリマー1.ジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート(MDI)20ミリグラム当量、トリエチレングリコール5ミリグラム当量を、攪拌棒を備えた加熱された15mlのサンプル管に採取した。該サンプル管をポリエチレンフィルムで密封し空気、湿気の侵入を遮断し、外温100℃に保持されたホットプレート上で1時間攪拌すると粘度上昇もなくなり、さらに1時間攪拌を続け流動液を得た。この流動液をサンプル管ごと室温になるまで冷却し、NCO基の平均当量数が約190の、イソシアネートプレポリマーと未反応MDIの混合体からなる無色透明な高粘性液を得た。
【0069】プレポリマー2.原料に、MDI、30ミリグラム当量、末端水酸基化液状ポリブタジエン(出光石油化学製、R15HT、OH基含量が1.83モル/kg)10ミリグラム当量を使用した他は例1の方法によった。NCO基の平均当量数が約460の、イソシアネートプレポリマーと未反応MDIの混合体からなる淡黄色透明な高粘性液を得た。
【0070】プレポリマー3.原料に、MDI、15ミリグラム当量、末端水酸基化液状ポリブタジエン(出光石油化学製、R45HT、OH基含量が0.83モル/kg)5ミリグラム当量を使用した他は例1の方法によった。NCO基の平均当量数が約800の、イソシアネートプレポリマーと未反応MDIの混合体からなる、淡黄色透明な高粘性液を得た。
【0071】〔加熱混合器中での流動性の評価〕底部が平坦で直径50ミリ、深さ10ミリのブリキ製容器をホットプレート上で予め反応温度に加熱しておき、該加熱温度で所定量の試験液を添加し、素早く混合し流動状態を観察した。
【0072】〔ゲル化時間〕上記混合器中で流動体がゲル化した時間(単位は秒)。
【0073】〔常温固着性〕上記加熱混合容器中の流動液を素早く抜き取り、ガラス板上のアルミホイル小片に滴下、他のアルミホイル小片で挟み他のガラス板で圧着、室温に冷えたところでアルミホイルを引き剥がした。判定:○流動体が常温で固化し、アルミホイルが剥がせない(アルミが破れる)。×流動体が常温で流動し、アルミが簡単にはがれる。△流動体が高粘着状態でアルミがはがれ難い。
【0074】[外観形態] 上記加熱混合容器中の流動液を素早く抜き取り、ガラス板上のアルミホイル小片に滴下し室温で固化したサンプルを使用して、室温放置、経時的に外観形態を観察した。判定:○表面、内部とも硬化。表面タック:内部は硬化しているが表面はタック(ややべたつく)がある。
【0075】〔常温アルミの接着性〕上記常温固着性評価に供したサンプルを室温で1日間硬化後アルミを剥がした。判定:○アルミ接着性良好(アルミが破れる)×接着性不良(アルミが簡単に剥がれる)。
【0076】〔耐熱性〕上記加熱混合容器中の流動液を素早く抜き取り、ガラス板上のアルミホイル小片に滴下し室温で固化したサンプルを使用して、ホットプレート上で定速加熱(加熱速度1分間当たり10℃)し、固化した試験片の溶融状態を拡大鏡で観察し、溶融する温度を測定した。
【0077】〔耐水性〕耐熱性試験に供した試験片を水に侵漬し室温で7日間保持、水中から取り出し外観の状態を観察した。判定:○外観形状変化なし。アルミとの接着性良好。×著しく膨潤。△外観は、白化が認められるが膨潤殆ど無し。
【0078】〔臭気〕本試験の合成に使用した試験液(硬化性組成物)の臭気を判定した。判定:○殆ど臭気が無い。×僅かな臭気がある。
【0079】〔塗工機混合器内における反応試験〕塗工機混合器としてスタティクミキサー(静的混合器)が使用されることを想定して、該ミキサー中での反応を確認するための模擬試験を行った。試験:予め50℃に加熱された5mlのガラス製注射器に、同温度で調整された、加熱混合器中流動体合成に使用される配合液を混合し、得られる混合液約1mlを素早く注射器に採取、吐出し0.5mlとした後、注射器の先端をゴムキャップで蓋を被せ素早く100℃の沸騰水中に浸し、注射器を60秒間加熱した。その後直ちに注射器を引き上げ、混合液をアルミホイル上に吐出し常温固着性を観察した。
【0080】以下、実験例により本発明を説明する。
【0081】実験例1.流動体合成に関し、温度、触媒効果:表1で示した組成のA剤及びB剤を使用して、該表に示した加熱温度で所定の時間混合し流動体を合成した後、室温に冷却し、常温固着性を測定した。試験結果を表1に併記した。
【0082】
【表1】
【0083】実験例2.流動体合成に関しNCO基/OH基当量比の効果:表2に示した条件で試験した。試験結果を同表に併記した。表中の比較例1に、注射器を使用した塗工機混合器内での流動体合成の模擬試験結果を示した。
【0084】
【表2】
【0085】実験例3.流動体合成に関し、当量数及び官能基数の効果:表3に示した条件で試験した。試験結果を同表に併記した。
【0086】
【表3】
【0087】実験例4.架橋化に関し架橋性反応性物質等の効果:表4に示す条件で試験した。試験結果を同表に併記した。
【0088】
【表4】
【0089】実験例5.樹脂硬化体の物性試験等:表1〜表4で得られた硬化体の中から選択し、物性測定を行った。試験結果を表5に示した。なお、比較例として市販のホットメルト接着剤の物性測定結果を示した。
【0090】
【表5】
【0091】
【発明の効果】以上の結果から、耐熱性に優れるポリウレタン系反応性ホットメルト接着剤が、より簡単な操作でかつ短時間で製造できるようになり、かつ、接着剤の他にも、多目的用途に利用可能な樹脂硬化体が効率よく製造でき、産業上への有益性は極めて大きい。
【発明の属する技術分野】本発明は耐熱性に優れるポリウレタン系反応性ホットメルト接着剤を得ることを目的とし、より簡単で短時間に樹脂硬化体を得るための新規な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ホットメルト接着剤は、ポリオレフィン系、エチレン酢ビ系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系などの線状高分子からなる熱可塑性樹脂に、粘着付与剤、ワックス類などを配合した、常温で固体の樹脂組成物であることは公知である。接着操作は、該樹脂組成物を塗工機に供給し、加熱溶融し得られる溶融物を被着体に塗布接着すると、溶融体は周囲の温度で冷却されてすぐ固化する。このように冷却操作だけで簡単に接着できるため接着作業性が極めて高く、その上、該接着剤には揮発性の溶剤類を含まないため環境・安全面でも優れる。そのため産業界で広く使用されている。しかし、この接着剤の最大の欠点は、樹脂の軟化点以上において、樹脂が軟化、流動してしまうため、本質的に耐熱性が劣ることである。そのため耐熱性が要求される部材の接着には不向きである。
【0003】そこで、この耐熱性の欠点を解決するために、現在努力が傾注されている。この耐熱性を改善する代表的なものとして、反応性ホットメルト接着剤がある。耐熱性を改善する方法としては、例えば、加熱、エネルギー線(電子線、紫外線)照射、水分/湿気による方法が提案されている。その中で、最も実用化が進んでいるものは、水分/湿気による硬化する方法であり、代表的なものとして、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー樹脂を主成分とするポリウレタン系反応性ホットメルト接着剤があり、例えば、特開平5−17736、特開2001−316654、特開2002−155254等に開示されている。
【0004】通常、これらポリウレタン系反応性ホットメルト接着剤の製造には、先ず、反応槽に2官能のジオールなどを添加し、さらに過剰のジイソシアネートモノマー及び又はプレポリマーを添加し、これに触媒、必要に応じ溶剤、初期接着性改善剤等を加へ、加熱混合下数時間重合して末端にイソシアネート基を有するポリウレタン樹脂を合成している。この合成には長時間を要し、更に接着剤として使用するには、得られた樹脂を使用し接着剤用に配合する必要もあった。さらに、また、接着剤を塗工機アプリケータに装填し、加熱溶融する必要があった。このように、従来のポリウレタン系反応性接着剤は、別工程での線状ポリマー合成、接着剤配合、塗工機への装填の3工程を要していた。
【0005】他方、物性面における耐熱性の改善においては、従来ポリウレタン系反応性ホットメルト接着剤は末端イソシアネート基と水との硬化反応により架橋構造を形成することにより耐熱性の改善を図っている。そして架橋形成に使用される反応源の水は、接着の際における、空気中の湿気や被着材料中に含まれる水分から供給される。供給水は湿度など周囲の環境条件や被着材料の材質によって変化するので、その結果、乾燥状態での接着や含水量の少ない材料(金属、非極性プラスチックス)の接着においては十分な水が供給されず、十分な架橋反応が発揮できないため耐熱性が不十分であった。又、耐熱性を得るため、被着材に水を霧吹きするなどの調湿を必要とする場合もあった。そのため、接着剤としての用途も制限されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のポリウレタン系反応性ホットメルト接着剤の耐熱性を改善し、かつ製造工程の煩雑さを改善し、耐熱性に優れるポリウレタン系反応性ホットメルト剤をより簡単な操作でかつ短時間で製造することにより、多目的用途に利用可能な樹脂硬化体の新規な製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決のための手段】本発明者は上記課題について鋭意検討した結果、特定の反応性物質を使用して、加熱された混合器内特定の条件下で、極めて短時間に線状高分子の合成を中心に反応させることにより、該加熱温度では流動性を示し常温に冷却すると固化する流動体が得られ、該流動体の塗布固化後は架橋形成を中心に反応させることにより、一連の工程で耐熱性に優れるポリウレタン系反応性ホットメルト接着剤の新しい製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち本発明は、1.常温で液体又は固体であって、好ましくは液体であって、かつ2剤からなっており、一方の剤(A剤)及び他方の剤(B剤)は、常温下それぞれ単独では安定に存在するが2剤の混合によって反応が開始できるように、少なくとも1種以上の高分子形成用の反応性物質を含有する。該反応性物質を使用して、(1)該A剤及びB剤を一定比率で、加熱された混合器に供給し、該混合器中で、該加熱温度では流動性を示しかつ常温に冷却すると固化する流動体(C)を高分子化により短時間で合成し、次いで直ちに吐出し固化体(D)を形成させ、(2)さらに、該固化体の架橋化を開始及び又は進行させることにより、樹脂硬化体を得るための樹脂硬化体の製造方法からなっている。
【0009】2.ここで使用される高分子形成物質はポリウレタンの合成に使用される反応性物質であって、A剤には、イソシアネート基(NCO)を含む官能性モノマー及び又はプレポリマーを含有する。また、B剤には有機活性水素基を含む官能性モノマー及び又はプレポリマーを含有する。
【0010】3.ここで、A剤のイソシアネート基(NCO)を含む官能性モノマー及び又はプレポリマーは、NCO基当量が約125〜1000でありNCO基の平均官能基数が約2である、MDIの誘導体を主成分として含む。また、前記B剤の有機活性水素基を含む官能性モノマー及び又はプレポリマーは、有機活性水素当量が約75〜1500であり、有機活性水素の平均官能基数が約2であるジオールを主成分として含む。
【0011】ここで、4.官能性モノマー及び又はプレポリマーが、該物質の分子内にエチレン性不飽和基を少なくとも一個以上含有するものが使用せられ、その中でも、5.両末端に水酸基を有する液状ポリブタジエンを含有するものが適切である。
【0012】また、6.A剤及びまたはB剤に、反応性物質として、エチレン性不飽和基を有する重合性モノマー及び又はプレポリマーを含有し、7.該エチレン性不飽和基含有の重合性モノマー及び又はプレポリマーが、常圧における沸点が約200℃以上のメタクリレート又はアクリレートが適切である。
【0013】ここで、8.メタアクリレート又はアクリレートが、A剤及びB剤の反応性物質の全量に対し1〜50重量%含有し、9.より好ましい含有量はA剤及びB剤の反応性物質の全量に対し3〜25重量%である。
【0014】さらに、10.触媒としてB剤に、トリエチレンジアミン等の3級アミン触媒、有機スズ系触媒、ナフテン酸金属塩等の触媒の群から選ばれた、少なくとも1種の触媒を含有し、かつ触媒量は、B剤全量に対し0.01〜5重量%が使用される。
【0015】さらに、11.A剤に、触媒として有機過酸化物触媒を約0.1〜5重量%含有することが望ましい。
【0016】また、12.前記1の(1)で示されるより好ましい合成条件は、NCO基/有機活性水素基の当量比が3/1〜1/3、反応温度が60〜180℃、反応時間が3〜60秒、である。
【0017】13.さらに好ましい条件は、NCO基/活性水素基の当量比が2.5/1〜1.5/1、又は1/1.3〜1/2.5であり、反応温度が80〜150℃、反応時間が3〜30秒、である。
【0018】14.さらにより好ましい条件は、NCO基/活性水素基の当量比が1/1.3〜1/2.0であり、反応温度が80〜150℃、反応時間が3〜15秒、である。
【0019】本発明は又、15.前記1(1)の流動体(C)が接着剤であり、該接着剤はポリウレタン系反応性ホットメルト接着剤の機能を有することからなっている。
【0020】本発明は又、16.硬化性組成物を提供し、A剤の反応性物質は、イソシアネート基(NCO)当量が125〜1000であるMDIの誘導体を主成分として含み、B剤の反応性物質は、有機活性水素基当量が75〜1500の官能性モノマー及び又はプレポリマーを主成分として含み、かつ、NCO基/有機活性水素基の当量比が1/1〜1/2.5の範囲で使用される2剤硬化性組成物からなっている。
【0021】17.さらに、前記A剤及B剤の反応成分が99〜50重量%、沸点が約200℃以上である分子内にエチレン性不飽和基を少なくとも1個以上有する重合性モノマー及びプレポリマーの反応成分が1〜50重量%、かつ、NCO基/有機活性水素基の当量比が1/1〜1/2.5の範囲で使用され、
【0022】18.さらに、前記A剤及B剤の反応成分が97〜75重量%、沸点が約200℃以上である分子内にエチレン性不飽和基を少なくとも1個以上有する重合性モノマー及びプレポリマーの反応成分が3〜25重量%、かつ、NCO基/有機活性水素基の当量比が1/1〜1/2.5の範囲で使用される。
【0023】19.さらに、触媒として、トリエチレンジアミン等の3級アミン触媒、有機スズ系触媒、ナフテン酸金属塩等の触媒の群から選ばれた、少なくとも1種の触媒を含有し、かつ触媒量は、前記、全反応成分に対し0.01〜5重量%を含む。2剤硬化性組成物からなっている。
【0024】本発明は又、20.前記1.(1)の流動体を使用して、被着材に塗布する塗布方法、又は被着材に注入する注入方法、又は被着材を接着する接合方法からなっている。
【0025】ここで、本発明で使用している用語について説明する。樹脂硬化体とは:いわゆる通常の樹脂の他にゴム等の弾性体を含めた高分子体のことを言い、接着剤、塗料、コティング剤、シーリング剤等の硬化体を含む。
【0026】線状高分子とは:通常の線状高分子のことを言うが、いわゆる分子量が約1万以上のものに限定されず、プレポリマーを含めた分子量が1万以下のものを含めて指す。
【0027】架橋化には:共有結合による架橋の他に、イオン結合架橋、水素結合架橋、物理的架橋を含む。
【0028】固化とは:固体並びに半固体(固体と液体の中間的な性状を呈し、ここでは高粘着により固着される状態も含める)のことを指す。
【0029】線状高分子合成には、加熱温度で流動性が保持される範囲であれば架橋等を含んでいてもよい。
【0030】
【発明の実施の形態】以下本発明を説明する。本発明は、特定の反応性物質を使用して、例えば塗工機等の、加熱された混合器中で、特定の反応条件下で(1)線状高分子合成を中心とした高分子化を、(2)又塗布常温固化後は架橋反応を中心とした、2段階の反応を同時に制御する方法を見出し、本発明の課題解決が達成された。以下、本発明を詳細に説明する。
【0031】本発明で使用される高分子形成用の反応性物質は、線状高分子及び架橋高分子を合成するのに使用されるモノマー及び又はプレポリマーであって、常温で液体又は固体のものであれば使用できる。この他にも高分子化が形成される物質であれば用いることができる。それらは例えば、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、エポキシ、シリコーン等の重付加・重縮合型ポリマー合成用に使用される官能性モノマー及び又はプレポリマー等。又、メタアクリレート、アクリレート等の不飽和基を有する付加重合型のモノマー、及び又はオリゴマー等。又、官能基間の反応を利用したカップリング剤等の架橋剤、又、金属カチオン種と有機酸アニオン種等、キレート化剤等の架橋剤、等を挙げることができる。この中でも、速い高分子化反応がえられ分子量が制御し易い点において、ポリウレタンが、耐熱性が優れる点においてメタアクリレート類が、本発明の達成には適切である。
【0032】又、反応性物質の使用形態は、2剤(A剤、B剤)として使用されるのが望ましい。理由は、本発明のポリウレタン系反応性ホットメルト接着剤を製造する時、2剤の混合によって反応が開始、促進され、また、接着剤の長期保存に際しては反応を抑制する必要がある。本発明においては、線状高分子、架橋高分子の双方を形成させる必要があるので、そのため、上記の高分子形成用の反応性物質群から選ばれた少なくとも1種の反応性物質を2剤に含有させる必要がある。
【0033】本発明で使用される反応性物質として、(1)ポリウレタン合成用の官能性モノマー及び又はプレポリマーが適切である。これら官能性モノマー及び又はプレポリマーの内、一方の反応性基である、イソシアネート基(NCO基)を有する官能性モノマー及び又はプレポリマーが使用せられる。これらは例えば、ジフェニルメタン4,’4ジイソシアネート(MDIと略記)、MDI誘導体(MDIのプレポリマー、及び変性MDIを含む)、トリレンジイソシアネート(TDI)、TDI誘導体(TDIのプレポリマー)等の芳香族ジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、又はイソホロンジイソシネートがあるが、これに限定されない。この中でも、速い硬化速度、優れた耐熱性、イソシアネート中では蒸気圧が低くいために安全面で有利な、MDIとMDIの誘導体が適切である。
【0034】MDIの誘導体としては、NCO基当量が約125〜1000でありNCO基の平均官能基数が約2であるものが適切である。その理由は、当量が1000を越えると硬化が遅くなる傾向があり、その結果、加熱混合器中短時間で線状高分子の形成がされ難くなる。又、平均官能基数が2を越えると線状高分子の形成が困難になり、架橋高分子が形成され混合器を閉塞する恐れがある。一方、平均官能基数が2未満であると高分子の形成が困難である。
【0035】本発明で使用する、ポリウレタン合成用のもう一方の官能性モノマー及び又はプレポリマーは、有機活性水素基を有する官能性モノマー及び又はプレポリマーである。有機活性水素基としては、例えば、−OH基、−COOH基、−NH2基、−NHR基、−SH基等である。この中で、イソシアネート(NCO)基との反応性に優れ、安全性(低毒性、低臭気)、価格の点で−OH基(水酸基)が適切である。有機活性水素基が−OH基である官能性モノマー及び又はプレポリマーとして、例えばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ひまし油、末端水酸基化変性シリコーン油など。また、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどのジオール、やグリセリンなどのトリオールは鎖延長剤として用いられる。しかし、ここで例示したものに限定されるものではない。
【0036】この中で好ましいモノマー及び又はプレポリマーは、−OH基当量が約75〜1500の範囲であり、平均官能基数が約2のジオールが適切である。−OH基当量が1500を越えると−NCO基との反応が遅くなる傾向を示し、短時間では線状高分子の形成が得られ難くなる。又、平均官能基数が2を越えると線状高分子の形成が困難になり、架橋高分子が形成され、混合器を閉塞する恐れがある。一方、平均官能基数が2未満であると高分子の形成が困難である。
【0037】さらに、ポリウレタン形成用官能性モノマー及び又はプレポリマーとしては、分子内にエチレン性不飽和基を有する反応性物質が適切である。理由は、該物質自身が線状ポリウレタンの形成と同時に、架橋形成に関与することにおいて、又、エチレン性不飽和基を有するモノマーやオリゴマーと架橋を形成することにおいて有利である。この分子内に不飽和基を有する反応性物質としては、例えば、両末端水酸基化液状ポリブタジエンがあり、1.4型ポリブタジエン、1.2型ポリブタジエンいずれも有用である。
【0038】本発明の架橋反応形成に関与する反応性物質としては、付加重合型のエチレン性不飽和基を有するモノマー及び又はオリゴマーが適切である。これらは、例えば、アクリレート、メタアクリレートである。その他、常温で液体であり、かつ重合性を示すものであれば本発明への適用は可能である。
【0039】好ましいアクリレート、メタアクリレ−トは、常圧下で、沸点が約200℃以上であることが望ましい。理由は、加熱下混合器中で線状高分子形成する際高温になる。この時、沸点が200℃以下であるとアクリレート、メタアクリレートの蒸気圧が高くなり蒸気吸入による人体への影響や又、場合によっては沸騰する恐れがあり安全面で不安である。使用されるアクリレート、メタアクリレートとしては、例えば、ウレタンアクリレート、ウレタンメタアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエステルメアクリレート、エポキシアクリレート、エポキシメタアクリレー、のモノー、ジー、トリーアクリレート、モノー、ジー、トリーメタクリレートや、トリメチロールプロパントリメタアクリレート等が挙げられる。他、アクレート、メタアクリレート以外にも、例えば、亜麻仁油等乾性油は有用である。しかし、ここで例示した物質に限定されない。
【0040】ここで使用されるアクリレート、メタアクリレートの添加量は、ポリウレタン線状ポリマー形成に使用される反応性物質を含めた全量に対し、1〜50重量%の範囲で使用することができる。ここで添加量が50重量%を越えると、加熱された混合器中で形成された線状ポリマーを室温に冷却した際固着されなかったり、又混合器内で反応が開始するとゲルの生成が加速され混合器を閉塞させる恐れがある。添加量が1重量%未満であると、架橋形成量が少なくなり耐熱性改善の効果が小さい。
【0041】アクリレート、メタアクリレートのより好ましい添加量は、線状ポリマー形成に使用される反応性物質を含めた全量に対し、3〜25重量%である。
【0042】又他の架橋形成用反応性物質としては、シランカップリング剤などの架橋剤、官能基間の反応による架橋剤、キレート化による金属と水素結合(金属カチオン種と有機酸アニオン種の結合等)を挙げることができる。
【0043】本発明のポリウレタン線状ポリマー形成のために使用される触媒は、公知のポリウレタン合成触媒が有用である。その中でも、例えば、トリエチレンジアミン等の3級アミン、ジブチルスズジラウリレート等の有機スズ、ナフテン酸コバルト等のナフテン酸塩等が好適である。これら触媒の添加量は、B剤の全量に対し0.01〜5重量%の範囲である。添加量5重量%で十分速い硬化が得られるのでそれ以上使用する必要がない。反対に、0.01%未満では十分速い硬化が得られない。
【0044】また、本発明の架橋反応に使用される触媒は、通常のラジカル重合を起こさせるレドクッス触媒が有用であり、不飽和ポリエステル合成に使用される公知の触媒が使用される。例えば、有機過酸化物/金属石鹸の組み合わせが有用である。使用される有機過酸化物は、クメンハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等である。パーオキサイドの添加量はA剤の全量に対し、0.1〜5重量%の範囲が望ましい。添加量5重量%で十分速い硬化が得られるのでそれ以上使用する必要がない。反対に、0.1%未満では十分速い速度が得られない。なお、触媒はここで例示した触媒に限定されない。
【0045】次いで、本発明の反応について説明する。反応は、(1)加熱混合器中では、該加熱温度で流動性を示し、常温に冷却した時固化する流動体を短時間で合成すること。(2)固化後は架橋化を行うことにある。さらに、該混合器中で合成される流動体は、常温に冷却した時固化を与えるのが前提であると同時に、該混合器中ではゲル化などにより混合器が閉塞しないように、流動性が安定して保持される必要ある。
【0046】そのため、混合器内での反応は分子量の小さい線状高分子(プレポリマーを含む)合成の反応が中心であり、固化後の反応は架橋化が中心である。以下、反応条件等について説明する。
【0047】(1)加熱混合器中での流動体合成:加熱された混合器に、A剤とB剤を一定比率で供給して、該加熱温度では流動性を示すが常温に冷却すると非流動性(固化)が保持されるように、両剤を素早く反応させ高分子化し流動体を得る。ここで、A剤/B剤を一定比率で供給する理由は、ポリウレタン系線状高分子を安定に合成するには、NCO基と有機活性水素基(OH基)を一定に保つ必要がある。この比率が崩れると一定の分子量のものが得られなくなり、その結果、流動特性が変化したり硬化物の物性が変化する。
【0048】本発明は塗工機内でポリウレタン系反応性ホットメルト接着剤を合成することにあるので、そのため加熱された混合器内では、極めて短時間に高分子化し流動体(該接着剤)を得る必要がある、と同時に得られた流動体は混合器内でゲルの生成を抑制しかつ安定に保たれることが望ましい。このことが工業的に利用する際重要である。加熱は反応を促進するために又適切な粘度を有する流動体を得るために、又該流動体を常温に冷却した際固化させるために必須である。
【0049】又、本発明は、NCO基/OH基当量比、反応温度、反応時間を適切に制御することが重要である。
【0050】より好ましい反応条件は、NCO基/OH基当量比が3/1〜1/3範囲にあり、反応温度が60℃〜180℃であり、反応時間が3〜 60秒である。理由は、該当量比が3/1以上、また1/3以下では、いずれにおいても分子量が大きくならないために、得られた流動体を常温に冷却した際、固化するのが非常に困難である。また、温度については、温度が180℃を越えると、反応性物質の蒸気圧が高くなり吸入による人体への衛生面、又反応性物質の劣化の可能性があり、又塗工時に被着材を変質させる可能性があり不利である。時間については、60秒以上では、合成時間が長くなりすぎ実用性を低下させる。3秒以下では合成が困難である。
【0051】さらに好ましい反応条件は該当量比が2.5/1〜1.5/1、又は1/1.3〜1/2.5の範囲が適切である。反応温度は80℃〜150℃が適切である。、反応時間は3〜30秒が適切である。理由は、該当量比が2.5/1〜1.5/1、又は1/1.3〜1/2.5の範囲において、高分子化反応の分子量調整が行い易いからである。
【0052】該当量比が1.5/1〜1/1.3の範囲においては、分子量が大きくなりかつ当量比の僅かな変動によっても分子量が大きく変動する。分子量の変動は流動体の粘度の変化につながり、粘度変化は接着塗工に影響を与える。その結果、接着操作に厳密な管理を要する。NCO基/OH基比が2.5/1以上、1/2.5以下では、いずれにおいても分子量が大きくならないため、常温冷却した際固化しない恐れがある。
【0053】該当量比が2.5/1〜1.5/1範囲においては、合成された分子末端基の大部分がNCO基で停止、又、1/1.3〜1/2.5の範囲においては、合成された分子末端基の大部分がOH基で停止された、比較的分子量の小さい線状高分子(プレポリマー)が形成される。
【0054】該高分子は、該加熱温度では流動性であり常温に冷却すれば固化する領域を保持し易い。又、該高分子が同種末端基で停止されると反応が進行し難いので、加熱が続けられても分子量の上昇が少なく混合器内でのゲル化を抑制しかつ安定した粘度の流動体を保持することができる。その結果、接着操作がより容易にできる。
【0055】さらにより好ましくは、当量比が1/1.3〜1/2.0の範囲であり、反応時間は3〜15秒である。該当量比において得られる流動体は、残存NCO基量が殆ど存在しないか或いは微少量なため、硬化に際し水による発泡(NCO基と水の反応により炭酸ガス発生)を抑止でき、発泡の無い樹脂硬化体を得るのに有用である。
【0056】(2)常温固化後の硬化反応:加熱混合器中で得た流動体を冷却固化したものは、固化直後再加熱すると再び流動体に戻るため耐熱性に優れたポリウレタン系反応性ホットメルト接着剤が得られない。そのため、本反応は、架橋反応形成に与る反応性物質が加熱混合器中で又は室温冷却固化後に開始され、固化後、時間の経過と共に、ラジカル架橋を中心とした反応が進行される。
【0057】本発明によれば、該反応性物質等並びに反応性物質の添加量等を適切に選択することにより、架橋反応を数時間〜数10日間の間で任意に制御、かつ耐熱性も制御できる。そして短期耐熱性として200℃以上の耐熱性のものが得られ、本発明の有用性を示すもである。
【0058】なお、架橋化手段として、ここで例示したラジカル架橋の他に、例えば、イオン架橋や、水素結合架橋、物理的架橋を用いることができる。本発明で使用されるMDI誘導体のような高極性物質は物理架橋を得ることにおいても有用である。
【0059】さらに、本発明は、下記硬化性組成物を提供する。A剤の反応性物質は、イソシアネート基(NCO)の平均当量が125〜1000であるMDIの誘導体を主成分として含み、B剤の反応性物質は、有機活性水素基の平均当量が75〜1500の官能性モノマー及び又はプレポリマーを主成分として含み、かつ、NCO基/有機活性水素基の当量比が1/1〜1/2.5の範囲で使用される2剤硬化性組成物からなっている。
【0060】これら硬化性組成物はポリウレタン系反応性ホットメルト接着剤として使用せられる他に常温硬化型のポリウレタン系接着剤としても有用である。特にNCO基/有機活性水素基が1/1〜1/2.5の範囲で、使用せられる接着剤は、ポリウレタン接着剤の欠点である水による発泡を抑止した、無発泡型接着剤として有用である。
【0061】しかし、NCO基/有機活性水素基が1/1〜1/2.5の範囲で反応して得られる樹脂硬化体は親水性が増し、耐水性を低下させる傾向がある。又、該樹脂硬化体は低分子量であるため常態下での樹脂強度や耐熱強度に欠ける傾向がある。そのため耐水性、及び耐熱性を改善するために、沸点が約200℃以上である分子内にエチレン性不飽和基を少なくとも1個以上有する重合性モノマー及びプレポリマーの反応成分を使用して架橋化させるのが有効であり、該反応性分の添加量は1〜50%が有効である。
【0062】
また、上記硬化性組成物に、各種の添加剤を配合することができる。添加剤の例としては、テルペン系樹脂、ロジン誘導体等の粘着付与剤、フマル酸エステル、アジピン酸エステル、リン酸エステル等の可塑剤、モンタンワックス、ポリエチレンワックス、等のワックス、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、石英粉末、シリカ、半水石膏、ゼオライト、セメント、タルクなどの充填剤、さらに各種金属粉、各種の有機系粉末、着色剤、熱安定剤、光安定剤などが添加できる。
【0063】さらに、本発明は、加熱混合器内で合成された流動体を使用して、被着材に塗布する塗布方法、又は被着材に注入する注入方法、又は被着材を接着する接合方法を提供する。
【0064】本発明は操作性と環境性(無溶剤・無臭)に優れる。また、樹脂硬化体の物性は耐熱性、耐寒性、耐温度特性、耐水性等に優れる。
【0065】本発明の更なる利点は、反応性物質と反応条件を材料設計に合わせ適宜選択することにより、ゴム的な材料から耐熱性に優れる樹脂まで、多目的用途に適した材料(樹脂硬化体)を効率よく製造することが可能である。
【0066】そのため、接着接合の他に、家電・情報通信等の電子部材、輸送機材、建築資材、環境衛生、一般工業資材等のコーティング、シーリング、ポッティング等の製造に幅広く利用できる。また、応力・衝撃緩和、振動・音響吸収材並びに調節材等にも利用できる。また、各種の機能性充填剤を使用することによって電磁遮蔽材、熱伝導材、導電材等の機能材としても利用できる。
【0067】(実施例)以下の実験例により、本発明を説明する。本試験に使用した各物質については、下記3種のイソシアネートプレポリマーを除き、市販品を使用した。尚、各物性については、次の方法で測定した。
【0068】[プレポリマーの合成]プレポリマー1.ジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート(MDI)20ミリグラム当量、トリエチレングリコール5ミリグラム当量を、攪拌棒を備えた加熱された15mlのサンプル管に採取した。該サンプル管をポリエチレンフィルムで密封し空気、湿気の侵入を遮断し、外温100℃に保持されたホットプレート上で1時間攪拌すると粘度上昇もなくなり、さらに1時間攪拌を続け流動液を得た。この流動液をサンプル管ごと室温になるまで冷却し、NCO基の平均当量数が約190の、イソシアネートプレポリマーと未反応MDIの混合体からなる無色透明な高粘性液を得た。
【0069】プレポリマー2.原料に、MDI、30ミリグラム当量、末端水酸基化液状ポリブタジエン(出光石油化学製、R15HT、OH基含量が1.83モル/kg)10ミリグラム当量を使用した他は例1の方法によった。NCO基の平均当量数が約460の、イソシアネートプレポリマーと未反応MDIの混合体からなる淡黄色透明な高粘性液を得た。
【0070】プレポリマー3.原料に、MDI、15ミリグラム当量、末端水酸基化液状ポリブタジエン(出光石油化学製、R45HT、OH基含量が0.83モル/kg)5ミリグラム当量を使用した他は例1の方法によった。NCO基の平均当量数が約800の、イソシアネートプレポリマーと未反応MDIの混合体からなる、淡黄色透明な高粘性液を得た。
【0071】〔加熱混合器中での流動性の評価〕底部が平坦で直径50ミリ、深さ10ミリのブリキ製容器をホットプレート上で予め反応温度に加熱しておき、該加熱温度で所定量の試験液を添加し、素早く混合し流動状態を観察した。
【0072】〔ゲル化時間〕上記混合器中で流動体がゲル化した時間(単位は秒)。
【0073】〔常温固着性〕上記加熱混合容器中の流動液を素早く抜き取り、ガラス板上のアルミホイル小片に滴下、他のアルミホイル小片で挟み他のガラス板で圧着、室温に冷えたところでアルミホイルを引き剥がした。判定:○流動体が常温で固化し、アルミホイルが剥がせない(アルミが破れる)。×流動体が常温で流動し、アルミが簡単にはがれる。△流動体が高粘着状態でアルミがはがれ難い。
【0074】[外観形態] 上記加熱混合容器中の流動液を素早く抜き取り、ガラス板上のアルミホイル小片に滴下し室温で固化したサンプルを使用して、室温放置、経時的に外観形態を観察した。判定:○表面、内部とも硬化。表面タック:内部は硬化しているが表面はタック(ややべたつく)がある。
【0075】〔常温アルミの接着性〕上記常温固着性評価に供したサンプルを室温で1日間硬化後アルミを剥がした。判定:○アルミ接着性良好(アルミが破れる)×接着性不良(アルミが簡単に剥がれる)。
【0076】〔耐熱性〕上記加熱混合容器中の流動液を素早く抜き取り、ガラス板上のアルミホイル小片に滴下し室温で固化したサンプルを使用して、ホットプレート上で定速加熱(加熱速度1分間当たり10℃)し、固化した試験片の溶融状態を拡大鏡で観察し、溶融する温度を測定した。
【0077】〔耐水性〕耐熱性試験に供した試験片を水に侵漬し室温で7日間保持、水中から取り出し外観の状態を観察した。判定:○外観形状変化なし。アルミとの接着性良好。×著しく膨潤。△外観は、白化が認められるが膨潤殆ど無し。
【0078】〔臭気〕本試験の合成に使用した試験液(硬化性組成物)の臭気を判定した。判定:○殆ど臭気が無い。×僅かな臭気がある。
【0079】〔塗工機混合器内における反応試験〕塗工機混合器としてスタティクミキサー(静的混合器)が使用されることを想定して、該ミキサー中での反応を確認するための模擬試験を行った。試験:予め50℃に加熱された5mlのガラス製注射器に、同温度で調整された、加熱混合器中流動体合成に使用される配合液を混合し、得られる混合液約1mlを素早く注射器に採取、吐出し0.5mlとした後、注射器の先端をゴムキャップで蓋を被せ素早く100℃の沸騰水中に浸し、注射器を60秒間加熱した。その後直ちに注射器を引き上げ、混合液をアルミホイル上に吐出し常温固着性を観察した。
【0080】以下、実験例により本発明を説明する。
【0081】実験例1.流動体合成に関し、温度、触媒効果:表1で示した組成のA剤及びB剤を使用して、該表に示した加熱温度で所定の時間混合し流動体を合成した後、室温に冷却し、常温固着性を測定した。試験結果を表1に併記した。
【0082】
【表1】
【0083】実験例2.流動体合成に関しNCO基/OH基当量比の効果:表2に示した条件で試験した。試験結果を同表に併記した。表中の比較例1に、注射器を使用した塗工機混合器内での流動体合成の模擬試験結果を示した。
【0084】
【表2】
【0085】実験例3.流動体合成に関し、当量数及び官能基数の効果:表3に示した条件で試験した。試験結果を同表に併記した。
【0086】
【表3】
【0087】実験例4.架橋化に関し架橋性反応性物質等の効果:表4に示す条件で試験した。試験結果を同表に併記した。
【0088】
【表4】
【0089】実験例5.樹脂硬化体の物性試験等:表1〜表4で得られた硬化体の中から選択し、物性測定を行った。試験結果を表5に示した。なお、比較例として市販のホットメルト接着剤の物性測定結果を示した。
【0090】
【表5】
【0091】
【発明の効果】以上の結果から、耐熱性に優れるポリウレタン系反応性ホットメルト接着剤が、より簡単な操作でかつ短時間で製造できるようになり、かつ、接着剤の他にも、多目的用途に利用可能な樹脂硬化体が効率よく製造でき、産業上への有益性は極めて大きい。
Claims (20)
- 一方の剤(A剤)及び他方の剤(B剤)の2剤からなり、2剤それぞれには少なくとも1種以上の高分子形成用の反応性物質を含有し、該反応性物質を使用して、(1)該A剤及びB剤を一定比率で、加熱された混合器に供給し、該混合器中で、該加熱温度では流動性を示しかつ常温に冷却すると固化する流動体(C)を高分子化により短時間で合成し、次いで吐出し固化体(D)を形成させ、(2)さらに、該固化体の架橋化を開始及び又は進行させることにより、樹脂硬化体を得ることを特徴とする樹脂硬化体の製造方法。
- 請求項1記載の反応性物質がポリウレタンの合成に使用される反応性物質であって、A剤には、イソシアネート基(NCO)を含む官能性モノマー及び又はプレポリマーを含有する。また、B剤には有機活性水素基を含む官能性モノマー及び又はプレポリマーを含有することを特徴とする請求項1記載の樹脂硬化体の製造方法。
- 前記A剤のイソシアネート基(NCO)を含む官能性モノマー及び又はプレポリマーは、NCO基当量が125〜1000でありNCO基の平均官能基数が約2である、MDIの誘導体を主成分として含有する。また、前記B剤の有機活性水素基を含む官能性モノマー及び又はプレポリマーは、有機活性水素当量が75〜1500であり、有機活性水素基の平均官能基数が約2であるジオールを主成分として含有する、ことを特徴とする請求項1記載の樹脂硬化体の製造方法。
- 前記の官能性モノマー及び又はプレポリマーが、該物質の分子内にエチレン性不飽和基を少なくとも一個以上含有することを特徴とする請求項1記載の樹脂硬化体の製造方法。
- 前記の官能性モノマー及び又はプレポリマーが、両末端に水酸基を有する液状ポリブタジエンを含有することを特徴とする請求項1記載の樹脂硬化体の製造方法。
- A剤及び又はB剤に、反応性物質として、エチレン性不飽和基を有する重合性モノマー及び又はプレポリマーを含有することを特徴とする請求項1記載の樹脂硬化体の製造方法。
- 前記、エチレン性不飽和基含有の重合性モノマー及び又はプレポリマーが、常圧における沸点が約200℃以上のメタクリレート又はアクリレートであることを特徴とする請求項1記載の樹脂硬化体の製造方法。
- 前記、メタアクリレート又はアクリレートが、A剤及びB剤の反応性物質の全量に対し1〜50重量%含有することを特徴とする請求項1記載の樹脂硬化体の製造方法。
- 前記、メタアクリレート又はアクリレートが、A剤及びB剤の反応性物質の全量に対し3〜25重量%含有することを特徴とする請求項1記載の樹脂硬化体の製造方法。
- B剤に、触媒として、トリエチレンジアミン等の3級アミン触媒、有機スズ系触媒、ナフテン酸金属塩等の触媒の群から選ばれた、少なくとも1種の触媒を含有し、かつ触媒量は、B剤全量に対し約0.01〜5重量%であることを特徴とする請求項1記載の樹脂硬化体の製造方法。
- A剤に、触媒として有機過酸化物触媒を約0.1〜5重量%含有することを特徴とする請求項1記載の樹脂硬化体の製造方法。
- 請求項1の(1)の合成条件が、NCO基/有機活性水素基の当量比が3/1〜1/3、反応温度が60〜180℃、反応時間が3〜60秒、であることを特徴とする請求項1〜11いずれかの項に記載の樹脂硬化体の製造方法。
- 前記の条件が、NCO基/活性水素基の当量比が2.5/1〜1.5/1、又は1/1.3〜1/2.5であり、反応温度が80〜150℃、反応時間が3〜30秒、であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかの項に記載の樹脂硬化体の製造方法。
- 前記の条件が、NCO基/活性水素基の当量比が1/1.3〜1/2.0であり、反応温度が80〜150℃、反応時間が3〜15秒、であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかの項に記載の樹脂硬化体の製造方法。
- 請求項1(1)の流動体(C)が接着剤であることを特徴とする請求項1〜14のいずれかの項に記載の樹脂硬化体の製造方法。
- A剤の反応性物質は、イソシアネート基(NCO)当量が125〜1000であるMDIの誘導体を主成分として含み、B剤の反応性物質は、有機活性水素基当量が75〜1500の官能性モノマー及び又はプレポリマーを主成分として含み、かつ、NCO基/有機活性水素基の当量比が1/1〜1/2.5の範囲で使用されることを特徴とする2剤硬化性組成物。
- 前記A剤及B剤の反応成分が99〜50重量%、沸点が約200℃以上である分子内にエチレン性不飽和基を少なくとも1個以上有する重合性モノマー及びプレポリマーの反応成分が1〜50重量%、かつ、NCO基/有機活性水素基の当量比が1/1〜1/2.5の範囲で使用されることを特徴とする請求項16に記載の2剤硬化性組成物。
- 前記A剤及B剤の反応成分が97〜75重量%、沸点が約200℃以上である分子内にエチレン性不飽和基を少なくとも1個以上有する重合性モノマー及びプレポリマーの反応成分が3〜25重量%、かつ、NCO基/有機活性水素基の当量比が1/1〜1/2.5の範囲で使用されることを特徴とする請求項16に記載の2剤硬化性組成物。
- 触媒として、トリエチレンジアミン等の3級アミン触媒、有機スズ系触媒、ナフテン酸金属塩等の触媒の群から選ばれた、少なくとも1種の触媒を含有し、かつ触媒量は、前記、全反応成分に対し0.01〜5重量%を含む。ことを特徴とする請求項16〜18のいずれかの項に記載の2剤硬化性組成物。
- 請求項1(1)の流動体を使用して、被着材に塗布する塗布方法、又は被着材に注入する注入方法、又は被着材を接着する接合方法。
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