JP2004277441A - オレフィン系樹脂フィルム - Google Patents

オレフィン系樹脂フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】カレンダー成形して得られる、透明性に優れると共に、縦横方向の強度バランスがとれ、かつ密着性の優れた塗膜を有するポリオレフィン系樹脂フィルムを提供する。
【解決手段】メルトインデックスが異なる2種以上の、メタロセン触媒を用いないαオレフィン−エチレン共重合体であって、少なくとも1種がオクテンを共重合した線状低密度ポリエチレンであり、当該共重合体に、一般式(1)で表される化合物を加え、更に粒径1μm以下の無機充填剤および/またはエチレン−ビニルアセテート樹脂を加えて、カレンダー成形されたフィルムの少なくとも一方の面に塗膜を設けてなる。
【化1】
Figure 2004277441

一般式(1)中、R、R、R、R、R、Rは、少なくとも2個がエポキシ基、その他は水素またはアルキル基である。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明性に優れると共に、縦横方向の強度バランスがとれ、かつ密着性の優れた塗膜を有するポリオレフィン系樹脂フィルムに関する。
【0002】
【技術背景】
農業用のハウス、電子機器等の防塵用テント、建物の窓あるいは家電機器や計測器類等の覗き窓等に取り付ける透明フィルム、印刷面や装飾面等の保護に用いられる透明フィルム、その他の高い透明度が要求される各種用途のフィルムにおいて、近年、オレフィン系樹脂フィルムが多用されるようになって来ている。
【0003】
このオレフィン系樹脂フィルムは、従来、カレンダー成形により得ることが多い(カレンダー加工に関する文献として、例えば、特開昭58−40335号公報、特開平5−214178号公報等が挙げられる)。
ところで、カレンダー成形の場合、次のような問題がある。
(1)製品フィルムの縦・横延伸のバランスが悪い。すなわち、カレンダー成形の場合、横方向(フィルムの幅方向)に強く延伸される場合と、縦方向(フィルムの長さ方向あるいはフィルムの進行方向)に強く延伸される場合とがあり、前者のフィルムの横(幅)方向に強く延伸される場合は、フィルムの縦(長さ)方向における引裂き強度が大幅に低下し、後者のフィルムの縦(長さ)方向に強く延伸される場合は、フィルムの横(幅)方向における引裂き強度が大幅に低下する。
(2)製品フィルムに肌荒れが生じ、優れた透明性を確保することが困難になる場合もある。
(3)オレフィン系樹脂フィルムに塗膜を設ける場合、その塗膜の密着性が乏しいため、各種成分を添加した塗膜によりオレフィン系樹脂フィルムに各種の特性(例えば、防曇性や耐傷性等)を保持させることが困難である。
【特許文献1】特開昭58−40335号公報
【特許文献2】特開平5−214178号公報
【0004】
【発明の目的】
本発明は、上記(1)〜(3)の問題がなく、縦横方向の強度バランスがとれるのみならず、優れた透明性を有し、かつ密着性の優れた塗膜を設けることができるポリオレフィン系樹脂フィルムを提供することを目的とする。
【0005】
【発明の概要】
本発明者らは、上記の目的を達成するために種々検討を重ねた結果、メルトイッデックスの異なる2種以上の、かつ例えば化2に示すような構成のメタロセン触媒を用いないαオレフィン−エチレン共重合体であって、少なくとも1種がオクテンを共重合した線状低密度ポリエチレンである、αオレフィン−エチレン共重合体を使用し、これに化3の一般式で表される化合物(1)を加えれば、優れた透明性を有すると共に、密着性に優れた塗膜を設けることができるフィルムが得られるとの知見を得た。
【0006】
【化2】
Figure 2004277441
【0007】
【化3】
Figure 2004277441
一般式(1)中、R、R、R、R、R、Rは、少なくとも2個がエポキシ基、その他は水素またはアルキル基である。
【0008】
本発明は、これらの知見に基づいてなされたものであり、その要旨は、メルトインデックスが異なる2種以上の、メタロセン触媒を用いないαオレフィン−エチレン共重合体であって、少なくとも1種がオクテンを共重合した線状低密度ポリエチレンであり、
当該共重合体に、一般式(1)で表される化合物を加え、更に粒径1μm以下の無機充填剤および/またはエチレン−ビニルアセテート樹脂(以下、EVAと略す)を加えて、カレンダー成形されたフィルムの少なくとも一方の面に塗膜を設けてなることを特徴とするオレフィン系樹脂フィルムにある。
そして、本発明のフィルムは、上記の2種以上のαオレフィン−エチレン共重合体が、MIが1以上5以下の範囲にある少なくとも1種のαオレフィン−エチレン共重合体90〜50重量部と、MIが5を超え15以下の範囲にある少なくとも1種のαオレフィン−エチレン共重合体10〜50重量部とからなり、一般式(1)の化合物を0.01〜3重量部加えてなるものであることが好ましい。
更に、本発明のフィルムは、上記塗膜が、親水性無機化合物とバインダー樹脂からなるものであることが好ましい。
【0009】
本発明におけるαオレフィン−エチレン共重合体は、メタロセン系触媒を用いずに得られるものであって、少なくとも1種がオクテンを共重合した線状低密度ポリエチレンであることが重要である。共重合方法は、特に限定されず、メタロセン系触媒を用いない従来公知の方法であればよい。
【0010】
本発明においては、上記のようなαオレフィン−エチレン共重合体であって、MIが異なる2種以上を用いる。
この2種以上のαオレフィン−エチレン共重合体は、MIが1以上5以下(1≦MI(a)≦5)のものと、5を超え15以下(5<MI(b)≦15)のものとの2種類以上とすることが好ましく、1≦MI(a)≦5のものを1種もしくは2種以上と、5<MI(b)≦15のものを1種もしくは2種以上としてもよい。
なお、MIが1未満(MI(a)<1)のものと、15より高い(MI(b)>15)ものとの混合体であると、フィルムの肌荒れを良好に解消することが不可能ないしは極めて困難となる。
【0011】
1≦MI(a)≦5のαオレフィン−エチレン共重合体を2種以上用いる場合は、それぞれ異なるMI(a)のものを2種以上用いてもよいし、MI(a)は同じであるが、αオレフィンとエチレンとの共重合比率の異なるものや、炭素数の異なるαオレフィンを使用したもの等を2種以上用いてもよい。
5<MI(b)≦15のαオレフィン−エチレン共重合体を2種以上用いる場合も同様に、それぞれ異なるMI(b)のものを2種以上用いてもよいし、MI(b)は同じであるが、αオレフィンとエチレンとの共重合比率の異なるものや、炭素数の異なるαオレフィンを使用したもの等を2種以上用いてもよい。
これらの場合の各αオレフィン−エチレン共重合体の配合比率は、特に限定されない。
【0012】
但し、本発明において、1≦MI(a)≦5の1種あるいは2種以上のαオレフィン−エチレン共重合体と、5<MI(b)≦15の1種あるいは2種以上のαオレフィン−エチレン共重合体との配合比率は、前者が90〜50重量部で、後者が10〜50重量部が好ましい。
1≦MI(a)≦5のαオレフィン−エチレン共重合体が90重量部より多く、5<MI(b)≦15のαオレフィン−エチレン共重合体が10重量部未満であっても、1≦MI(a)≦5のαオレフィン−エチレン共重合体が50重量部未満で、5<MI(b)≦15のαオレフィン−エチレン共重合体が50重量部より多くても、製品フィルムに肌荒れが生じ、透明度が低下してしまう。
【0013】
そして、上記αオレフィン−エチレン共重合体は、少なくとも1種がオクテンを共重合した線状低密度ポリエチレンを用いる。
このオクテンを共重合した線状低密度ポリエチレンは、特に限定しないが、密度が0.8〜0.9程度で、オクテンを部分的に側鎖として共重合させたものを使用することが好ましい。
このようなオクテンを共重合した線状低密度ポリエチレンを使用することにより、カレンダー成形性が向上し、カレンダー加工途上でフィルムの切れが生じたり、透明性の低下を招く等の不都合を生ずることなく、縦横方向の強度のバランスがとれ、肌荒れ等のない美麗な状態での製品フィルムを得ることができ、しかもこのフィルム上に設ける塗膜との密着性を優れたものとすることができる。
このオクテンを共重合した線状低密度ポリエチレンは、1≦MI(a)≦5のものであっても、5<MI(b)≦15のものであってもよく、MI(a)とMI(b)の両方がオクテンを共重合した線状低密度ポリエチレンであってもよい。
このオクテンを共重合した線状低密度ポリエチレンの使用割合は特に制限されず、このもののMI、あるいはカレンダー成形条件や製品フィルムの性状等に応じて適宜選定されるが、一般には90〜50重量部の範囲内から選定することが適している。
【0014】
以上のαオレフィン−エチレン共重合体には、化合物(1)が加えられる。
この化合物(1)は、塗膜との密着性を高めるために加えるものであって、化合物(1)を加えることにより、カレンダー加工途上でフィルムの切れが生じたり、透明性の低下を招く等の不都合が発生することなく、縦横方向の強度のバランスがとれ、肌荒れ等のない美麗な製品フィルムを得ることができ、かつ優れた密着性を有して塗膜を形成することができる。
化合物(1)の配合割合は、上記のαオレフィン−エチレン共重合体100重量に対し、0.01〜3重量部とする。
0.01重量部未満では、塗膜との密着性の向上がみられず、3重量部より多くてもこの向上効果が飽和してしまう。
【0015】
更に、本発明では、粒径1μm以下の無機充填剤および/またはEVAが加えられる。
この無機充填剤は、αオレフィン−エチレン共重合体のカレンダー成形によるフィルムに一般的に加えられるものであって、例えば、ハイドロタルサイト類として協和化学社製商品名“アルカマイザー4”、Li,Al複合金属種として富士化学社製商品名“フジレインLS”等があり、これらはそれぞれ単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの無機充填剤の粒径を1μm以下とするのは、1μmより大きい粒径のものでは、フィルムの平滑性や透明性を得ることが不可能ないしは極めて困難となることがあるからである。
【0016】
また、これらの無機充填剤の配合量は、特に限定しないが、少なすぎれば、配合する技術的意義が生じず、多すぎると、カレンダー加工途上でフィルムの切れが生じたり、透明性の低下を招く等の不都合が発生するため、αオレフィン−エチレン共重合体100重量部に対して0.1〜10重量部程度とすることが好ましい。
【0017】
EVAは、MIが1〜10程度のものが好ましく使用できる。
このEVAのエチレンと酢酸ビニルとの共重合比率は特に限定しないが、酢酸ビニルが4〜30%程度のものが好ましく使用できる。
MIが上記範囲内にあれば、異なるMIを有するEVAを2種以上、またエチレンと酢酸ビニルとの共重合比率が上記範囲内にあれば、異なる共重合比率のEVAを2種以上併用してもよい。
EVAの配合量は、上記の無機充填剤と同様、特に限定しないが、少なすぎれば、配合する技術的意義が生じず、多すぎると、カレンダー加工途上でフィルムの切れが生じたり、透明性の低下を招く等の不都合が発生するため、αオレフィン−エチレン共重合体100重量部に対して1〜30重量部程度とすることが好ましい。
【0018】
なお、無機充填剤とEVAの双方を配合する場合は、無機充填剤、EVAそれぞれの配合量が上記の配合量となるようにすることが好ましい。
【0019】
以上の他に、本発明では、カレンダー成形によるこの種のフィルムに通常配合される光安定剤、スリップ剤、AB剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤等を適宜の量で配合することもできる。
光安定剤は、ヒンダードアミン系化合物が好ましく用いられ、配合量はαオレフィン−エチレン共重合体100重量部に対して0.01〜5重量部程度とすることが好ましい。
スリップ剤は、製品フィルムのスリップ性を目的としたもので、アマイド系滑剤が好ましく、AB剤は、製品フィルムに耐ブロッキング(Anti Blocking)性を付与することを目的としたもので、粒径1〜5mmの無機系AB剤が好ましく、紫外線吸収剤は、ベンゾフェノン系やベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤が好ましく、滑剤は、カレンダー成形時のロール滑性を目的としたもので、ステアリン酸等の脂肪酸や、そのCa、Zn、Ba塩等金属石鹸等が好ましく用いられる。
【0020】
本発明のフィルムは、上記のような各成分を配合したものをカレンダー成形する。このカレンダー成形時の条件は、通常のαオレフィン−エチレン共重合体からなるフィルムのカレンダー成形時の条件と略同様とする。
本発明では、通常のカレンダー成形条件をそのまま採用しても、透明性に優れると共に、縦横方向の強度バランスがとれた良好なフィルムを得ることができ、しかもこのフィルムは塗膜との密着性に優れた特性を有したものとなる。
【0021】
本発明では、上記フィルムの少なくとも一方の面に、塗膜を設ける。
この塗膜は、各種の添加剤とバインダー樹脂からなり、この塗膜によって、上記のフィルムに、防曇、防滴、防霧、紫外線カット、防塵、防藻等の特性を付与することができる。
例えば、防曇性や防滴性を有する塗膜は、親水性無機化合物とバインダー樹脂とからなるものが好ましい。親水性無機化合物としては、シリカ、長石、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト類、ゼオライト類、タルク、ヘクトライト、スメクタイト等が挙げられる。
【0022】
バインダー樹脂としては、上記の添加剤を結着し、上記のオレフィン系樹脂フィルムと密着して塗膜を形成するものを適宜選定すればよく、例えば、ポリエチレン、他のポリオレフィン系樹脂からなるオレフィン系エマルジョン、あるいはアクリル系エマルジョン、ウレタン系エマルジョン等が使用できる。
【0023】
親水性無機化合物の配合量は、使用する親水性無機化合物の種類によって異なり、特に限定しないが、一般にはバインダー樹脂固形分100重量部に対し100〜2000重量部の範囲から、使用する親水性無機化合物の種類によって最適な配合量を選定すればよい。
また、これらの外に、シリコン系等の界面活性剤、シリコン系等のカップリング剤、消泡剤、ヒンダードアミン系化合物等の光安定剤等を適宜の量で配合してもよい。
塗膜の形成方法は、特に制限されず、カレンダー成形により得られる本発明のフィルムに通常の塗膜形成方法(例えば、ロールコーター、ドクターナイフコーター、コンマドクターナイスコーター、グラビアコーター、スクリーンコーター、ディップコーター、その他の適宜手段)により形成することができる。
なお、塗膜を形成するベースフィルム、すなわち本発明に係るオレフィン系樹脂フィルムには、塗膜の形成前に、コロナ放電処理、プライマー処理等の表面処理を施しておいてもよい。
【0024】
【実施例】
実施例1〜10、比較例1〜9
表1,2に示す成分を表1,2に示す割合で配合したものを、175℃でカレンダー成形し、厚さ0.15mm、幅200cmのフィルムとした。
このフィルムの片面に、下記配合の塗工液をグラビアコーターにて塗工し、85℃×30秒間乾燥して、厚さ1μmの塗膜を得た。
【0025】
水 100重量部
ラポナイトS 10重量部
(日本シリカ社製、合成ヘクトライト)
SB1250E 5重量部
(ユニチカ社製、ポリエチレン系エマルジョン、固形分25.2%)
L−77 0.5重量部
(日本ユニカー社製、シリコン系界面活性剤)
サーフィノール440 0.2重量部
(日信化学社製、消泡剤)
A−187 0.1重量部
(日本ユニカー社製、シリコン系カップリング剤)
LX332 0.1重量部
(旭電化社製、ヒンダードアミン系化合物)
【0026】
得られたフィルムについて、引裂強度、透明性、密着性を下記の要領で測定し、またカレンダー成形途上での加工性について、下記の要領で観察し、結果を表1,2に併せて示す。
【0027】
(1)引裂強度:エルメンドルフ強度を測定した。
縦方向;フィルムの進行方向への引裂強度を測定。
横方向;フィルムの進行方向に対し直角方向への引裂強度を測定。
【0028】
(2)透明性:製品フィルムを目視観察し、次の評価基準により評価した。
◎;肌荒れが全く認められず、美麗な透明性を有しているもの。
○;肌荒れは僅かに認められるが、実用に供して問題ない透明性を有しているもの。
△;肌荒れが認められ、実用に供し得ない透明性を有しているもの(半透明に近い状態のもの)。
×;肌荒れが大量に発生し、半透明ないしは不透明なもの。
【0029】
(3)密着性:塗膜面に粘着テープ(登録商標“セロテープ”を使用)を貼り、指で強く10回擦った後、セロテープを剥がした時の状況を観察した。
◎:塗膜面が全く剥がれず、フィルム製造直後の美麗な状態をそのまま保持するもの。
○:塗膜表面が若干剥がれるものの、美麗な状態を保持するもの。
△:塗膜が1/2以上剥がれ、美麗な表面状態を保持し得ないもの。
×:塗膜が大きく剥がれ、実用に供し得ないもの。
【0030】
(4)加工性:
◎;製品フィルムがカレンダーロールに付着したり、切れる等の問題が全くなく、美麗に成形できるもの。
○;製品フィルムがカレンダーロールに付着したり、切れる等の問題が多少生じ、また皺が多少生じるが、実用に供して問題ないもの。
△;製品フィルムがカレンダーロールに付着したり、切れる等の問題が生じ、また皺も生じ、実用に供し得ないもの。
×;樹脂配合物がカレンダーロールに付着し、フィルム化し得ないもの。
【0031】
また、表1,2中、
樹脂1:MI=1.3、αオレフィンの炭素数8、メタロセン触媒を用いない、オクテンを共重合した線状低密度ポリエチレン(出光石油社製商品名“0138N”)
樹脂2:MI=5.0、αオレフィンの炭素数8、メタロセン触媒を用いない、オクテンを共重合した線状低密度ポリエチレン(ダウケミカル社製商品名“アフィニティーEG8200”)
樹脂3:MI=9、αオレフィンの炭素数4、メタロセン触媒を用いない、αオレフィン−エチレン共重合体(出光石油社製商品名“1014T”)
樹脂4:MI=12、αオレフィンの炭素数4、メタロセン触媒を用いないαオレフィン−エチレン共重合体(出光石油社製商品名“1014G”)
PE:MI=2.0、メタロセン触媒を用いたPE(日本ポリケム社製商品名“カーネルKF280”)
EVA:MI=1.5(東ソー社製商品名“ウルトラセン630”)
化合物(1):東邦化成社製商品名“YDC−1312”)
無機物1:粒径1μm以下のハイドロタルサイト(協和化学社製商品名“アルカマイザー4”)
無機物2:粒径1μm以下のLi,Al複合金属塩(富士化学社製商品名“フジレインLS”)
光安定剤:チバガイギー社製商品名“キマソープ944LD”
スリップ剤:メチルビスステアロアミド(日本化成社製)
AB剤:長石粉末(白石カルシウム社製商品名“ミネックス♯7”)
酸化防止剤:チバガイギー社製商品名“イルカノックス1010”
滑剤:ステアリン酸カルシウム
である。
【0032】
【表1】
Figure 2004277441
【0033】
【表2】
Figure 2004277441
【0034】
実施例11〜13、比較例10〜13
実施例2、比較例6〜9で得られたフィルムの片面に、表3に示す配合の塗工液をロッドコーターにて塗工し、80℃×50秒間乾燥して、厚さ1μmの塗膜(防曇塗膜)を得た。
この塗膜について、防曇性、耐傷性、耐剥離性を下記の要領で観察し、結果を表3に併せて示す。
【0035】
(1)防曇性:露天にフィルム(1m×1m)を地面から1mの高さに広げて敷設し、1ケ月放置後に、地面に置いた葉付き大根をフィルムを通して目視観察し、次の評価基準により評価した。
◎;葉付き大根を鮮明に確認することができるもの。
○;多少のボヤケがあるものの、葉付き大根であることが認識できるもの。
△;緑(葉)と白(根)の認識はできるものの、大根であることの認識ができないもの。
×;緑と白の認識も、大根であることの認識もできないもの。
【0036】
(2)耐傷性:(1)の態様で1ケ月放置したフィルムの表面を水洗した後、目視観察し、次の評価基準により評価した。
◎;表面に何らの異常が見られないもの。
○;僅かの微小な擦り傷様が認められるもの。
△;塗膜剥離に起因する微小な擦り傷が全面に明確に認められるもの。
×;塗膜剥離に起因する微小な擦り傷と大きな擦り傷が全面に明確に認められるもの。
【0037】
(3)耐剥離性:(1)の態様で1ケ月放置したフィルムの端部において、人の爪で塗膜表面を引っ掻き、次の評価基準により評価した。
◎;塗膜が密着したままであるもの。
○;僅かな塗膜剥離が認められるものの、それ以上の剥離は生じないもの。
△;塗膜剥離が数10cm程度生じるもの。
×;塗膜剥離が全面に渡って生じるもの。
【0038】
また、表3中、
合成ヘクトライト:日本シリカ社製商品名“ラポナイトS”5%水分散液
合成スメクタイト:コープケミカル社製、親水性スメクタイト5%水分散液
アクリル系エマルジョン:楠本化成社製商品名“ネオクリルA623”5%分散液
ウレタン系エマルジョン:アデカ社製商品名“アデカボンタイターHUX232”100重量部と“アデカボンタイターHUX XW−2”6重量部との5%分散液
界面活性剤:シリコン系界面活性剤、日本ユニカー社製商品名“L−77”
カップリング剤:シリコン系カップリング剤、日本ユニカー社製商品名“A−187”
である。
【0039】
【表3】
Figure 2004277441
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、優れたカレンダー加工性を有して、縦横方向の強度バランスがとれ、しかも優れた透明性を有し、かつ密着性に優れた塗膜を形成し得るポリオレフィン系樹脂フィルムを得ることができる。

Claims (3)

  1. メルトインデックスが異なる2種以上の、メタロセン触媒を用いないαオレフィン−エチレン共重合体であって、少なくとも1種がオクテンを共重合した線状低密度ポリエチレンであり、
    当該共重合体に、一般式(1)で表される化合物を加え、更に粒径1μm以下の無機充填剤および/またはエチレン−ビニルアセテート樹脂を加えて、カレンダー成形されたフィルムの少なくとも一方の面に塗膜を設けてなることを特徴とするオレフィン系樹脂フィルム。
    Figure 2004277441
    一般式(1)中、R、R、R、R、R、Rは、少なくとも2個がエポキシ基、その他は水素またはアルキル基である。
  2. メルトインデックスが1以上5以下の範囲にある少なくとも1種のαオレフィン−エチレン共重合体90〜50重量部と、メルトインデックスが5を超え15以下の範囲にある少なくとも1種のαオレフィン−エチレン共重合体10〜50重量部とからなり、
    一般式(1)の化合物を0.01〜3重量部加えてなることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン系樹脂フィルム。
  3. 塗膜が、親水性無機化合物とバインダー樹脂からなることを特徴とする請求項1または2に記載のオレフィン系樹脂フィルム。
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