JP2004277366A - 固形粉末化粧料 - Google Patents
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Abstract
【課題】指や小道具(マット、チップ、ブラシ等)への移行性(とれ)が良好であり、塗布時の延び広がりの滑らかさに優れ、且つ、成型性に優れ、しかも成型品の強度にも優れる固形粉末化粧料を提供すること。
【解決手段】粉体と油剤を主成分とする化粧料基材に、溶剤を加えて混合した混合物を、容器に充填し、その後、該溶剤を除去することにより得られる固形粉末化粧料において、前記化粧基材中に、次の成分(A)及び(B);
(A)デキストリン脂肪酸エステル
(B)液状炭化水素油
を含有することを特徴とする固形粉末化粧料。
【選択図】 なし
【解決手段】粉体と油剤を主成分とする化粧料基材に、溶剤を加えて混合した混合物を、容器に充填し、その後、該溶剤を除去することにより得られる固形粉末化粧料において、前記化粧基材中に、次の成分(A)及び(B);
(A)デキストリン脂肪酸エステル
(B)液状炭化水素油
を含有することを特徴とする固形粉末化粧料。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉体と油剤を主成分とする化粧料基材に、溶剤を加えて混合した混合物を、容器に充填し、その後、該溶剤を除去することにより得られる固形粉末化粧料において、前記化粧基材中に、成分(A)デキストリン脂肪酸エステル及び成分(B)液状炭化水素油を含有する固形粉末化粧料に関するものであり、更に詳しくは、指や小道具(マット、チップ、ブラシ等)への移行性(とれ)が良好であり、塗布時の延び広がりの滑らかさに優れ、且つ、成型性に優れ、しかも成型品の強度にも優れる固形粉末化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
固形粉末化粧料は、粉体が主成分の化粧料であり、これに結合剤や感触調整剤として油剤を添加してなる化粧品剤型の一つであり、コンパクトファンデーション等に汎用されている化粧品剤型である。この固形粉末化粧料の成型方法としては、粉体と油剤を主成分とする化粧料基剤をプレス型に充填し、圧縮することで所定の形状を得る圧縮成型方法、化粧料基材を溶剤と混合し、金皿や樹脂皿等の容器に充填し、その後該溶剤を除去することで所定形状を得る湿式成型方法とに分類される。固形粉末化粧料に、これらどちらの成型方法を選ぶかは、化粧料の目標品質に合わせて適宜使い分けられてきた。以前は、圧縮成型方法が一般的であったが、最近では湿式成型方法も一般的になってきている。しかし、湿式成型方法では、圧縮成型方法に用いられる化粧料基剤をそのまま用いると、成型性が悪く、且つ成型品の強度が低くなってしまうという課題がある。このため従来は、有機変性ベントナイト等の粘土鉱物(例えば、特許文献1参照)、微粒子無水ケイ酸等の結合剤を添加していた。
【0003】
【特許文献1】
特公平2−22728号公報(第1頁−第5頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の結合剤では、成型性や強度をある程度向上させることはできるが、使用性において満足できる水準にはなかった。具体的には、結合剤として有機変性ベントナイトを用いる方法では、指や小道具への移行性が良好ではなく、且つ塗布時の延び広がりの滑らかさも満足できる水準にはなかった。また、結合剤として微粒子無水ケイ酸を用いる方法では、塗布時の延び広がりの滑らかさが良好ではなかった。
【0005】
このため、湿式成型方法により得られる固形粉末化粧料において、指や小道具への移行性が良好であり、塗布時の延び広がりの滑らかさに優れ、且つ、成型性に優れ、しかも成型品の強度にも優れる固形粉末化粧料の開発が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる実情に鑑み、本発明者は鋭意検討した結果、粉体と油剤を主成分とする化粧料基材に、溶剤を加えて混合した混合物を、容器に充填し、その後、該溶剤を除去することにより得られる固形粉末化粧料において、前記化粧基材中に、結合剤として、成分(A)デキストリン脂肪酸エステル及び成分(B)液状炭化水素油を含有することにより、上記課題を解決する固形粉末化粧料が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち本発明は、粉体と油剤を主成分とする化粧料基材に、溶剤を加えて混合した混合物を、容器に充填し、その後、該溶剤を除去することにより得られる固形粉末化粧料において、前記化粧基材中に、次の成分(A)及び(B);
(A)デキストリン脂肪酸エステル
(B)液状炭化水素油
を含有することを特徴とする固形粉末化粧料を提供するものである。
【0008】
また、前記成分(A)及び(B)の含有質量比が、A/B=0.01〜0.5であることを特徴とする前記固形粉末化粧料を提供するものである。
【0009】
そして、前記化粧基材中の油剤の含有量が10〜30質量%であることを特徴とする前記何れかの固形粉末化粧料を提供するものである。
【0010】
更に、成分(A)と成分(B)がゲル化された状態で含有されていることを特徴とする前記何れかの固形粉末化粧料を提供するものである。
【0011】
そして更に、前記化粧基材中の油剤がシリコーン油を含有することを特徴とする前記何れかの固形粉末化粧料を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明における化粧料基材とは、粉体と油剤を主成分とする混合物である。該化粧料基材中における、粉体と油剤の混合比は、特に限定されないが、使用性及び使用感の観点より、粉体:油剤=60〜99:1〜40(質量比)が好ましく、更には70〜90:10〜30が好ましい。
【0013】
本発明の化粧料基材に用いられる粉体は、通常、化粧料用粉体として用いられている粉体であれば、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的には、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化セリウム、無水ケイ酸、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、雲母、合成雲母、セリサイト、合成セリサイト、タルク、窒化ホウ素、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、酸化鉄コーティング雲母、酸化鉄雲母チタン、有機顔料処理雲母チタン、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、ウレタンパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等の有機粉体類、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体等が挙げられ、これら粉体はその一種又は二種以上を複合化したものを用いても良い。また、フッ素系化合物、シリコーン系油剤、金属石鹸、レシチン、水素添加レシチン、N−長鎖アシルアミノ酸、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤等の通常公知の表面処理剤により処理を施して用いてもよい。
【0014】
本発明の化粧料基材に用いられる油剤としては、動物油、植物油、合成油等の起源、及び、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類等が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、エチレンプロピレンコポリマー、モンタンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレスレロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレンアルキル共変性オルガノポリシロキサン、アルコキシ変性ポリシロキサン、部分架橋型オルガノポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、蔗糖脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を用いることができる。
【0015】
本発明の化粧料基材に必須に用いられる成分(A)のデキストリン脂肪酸エステルとは、本発明の固形粉末化粧料において、油剤をゲル化させ、粉体同士の結合剤として機能する成分であり、デキストリンと脂肪酸とのエステル化物である。成分(A)における脂肪酸としては、パルミチン酸、ミリスチン酸、オクタン酸、カプリル酸、カプリン酸、イソノナン酸、イソミリスチン酸、イソパルミチン酸等の炭素数8〜20の高級脂肪酸が好ましい。
【0016】
このような成分(A)は、市販品として、レオパールKL、レオパールTL、レオパールMKL、レオパールTT(何れも、千葉製粉社製)等を用いることができる。
【0017】
本発明の化粧料基材中における成分(A)の含有量は、特に限定されないが、0.1〜20質量%(以下単に「%」と略す)が好ましい。成分(A)をこの範囲で用いると、より延び広がりの滑らかさに優れ、成型性と強度が特に優れる固形粉末化粧料を得ることができる。
【0018】
また、成分(B)は、本発明の化粧料基材に必須の成分として、前記油剤の中から選択される液状炭化水素であり、本発明の固形粉末化粧料において、成分(A)と共にゲルを形成することにより、粉体同士の結合剤として機能する成分である。成分(B)の液状炭化水素としては、流動パラフィン、スクワラン、ポリイソブチレン、ポリブテン等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を用いることができる。
【0019】
本発明の化粧料基材中における成分(B)の含有量は、特に限定されないが、5〜20%が好ましい。成分(B)をこの範囲で用いると、指や小道具への移行性をより良好に維持しながら、成型性と強度が特に優れる固形粉末化粧料を得ることができる。
【0020】
本発明の化粧料基材における前記成分(A)と成分(B)の含有比は、A/B=0.01〜0.5が好ましい。成分(A)と成分(B)をこの範囲で含有すると、成型性と強度が特に優れる固形粉末化粧料を得ることができる。
【0021】
そして、本発明の化粧料基材中に前記必須成分に加えて、油剤として更に成分(C)シリコーン油を選択すると、塗布時の延び広がりの滑らかさが特に優れる固形粉末化粧料を得ることができる。このような成分(C)としては、ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、ポリオキシアルキレンアルキル共変性オルガノポリシロキサン、アルコキシ変性ポリシロキサン、部分架橋型オルガノポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を用いることができる。
【0022】
本発明の化粧料基材中における成分(C)の含有量は、特に限定されないが、0.1〜15%が好ましい。成分(C)をこの範囲で用いると、塗布時の延び広がりの滑らかさが特に優れる固形粉末化粧料を得ることができる。
【0023】
本発明の化粧料基材中には、前記成分の他に、通常の化粧料に用いられる成分、例えば、水性成分、界面活性剤、紫外線吸収剤、保湿剤、冷感剤、酸化防止剤、美容成分、防腐剤、香料等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
【0024】
本発明の化粧料基材に用いられる水性成分としては、水に可溶な成分であれば何れでもよく、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、ソルビトール、マルチトール、ショ糖、でんぷん糖、ラクチトール等の糖類、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性高分子、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、乳酸ナトリウム等の塩類、アロエベラ、ウィッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を用いることができる。
【0025】
本発明の化粧料基材に用いられる界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を用いることができる。非イオン界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物等が挙げられる。アニオン界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸等の脂肪酸の無機及び有機塩、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩、ο−アルキル置換リンゴ酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられる。カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアルカノールアミン脂肪酸誘導体、アルキル四級アンモニウム塩、環式四級アンモニウム塩等が挙げられる。両性界面活性剤としては、レシチンやリゾレシチン及びこれらの水素添加物等のリン脂質含有成分、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型等が挙げられる。
【0026】
本発明の化粧料基材に用いられる紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられ、PABA系としては、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、パラジヒドロキシプロピル安息香酸エチル等が挙げられ、ケイ皮酸系としては、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、4−メトキシケイ皮酸−2−エトキシエチル等が挙げられ、サリチル酸系としては、サリチル酸−2−エチルヘキシル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ホモメンチル等が挙げられ、その他、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を用いることができる。
【0027】
本発明の化粧料基材に用いられる保湿剤としては、例えばタンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等が挙げられる。酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等が挙げられる。美容成分としては、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等が挙げられる。防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸アルキル、フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0028】
本発明の固形粉末化粧料において、前記化粧料基材との混合に用いられる溶剤は、エタノール、イソプロピルアルコール、水、ヘキサン、低分子量の鎖状シリコーン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等の揮発性シリコーン、軽質イソパラフィン等の揮発性炭化水素、フルオロカーボン等の低沸点フッ素化合物等が挙げられる。この中でも、溶剤の回収のし易さより、揮発性炭化水素が好ましい。溶剤の量は、前記化粧料基材中の粉体の配合量、吸油量、比表面積、粒子径、形状、表面状態等の性質及び、油剤の配合量及びIOB値等の特性により変動し、また充填する容器の形状等を考慮して決められるものである。化粧料基材と溶剤の混合質量比は、概ね、化粧料基材:溶剤=1:0.3〜2が好ましく、1:0.4〜1が好ましい。溶剤量が多すぎると、溶剤の除去に時間がかかり、容器又は中皿への充填量が少なくなり、強度が低下する場合がある。
【0029】
本発明の固形粉末化粧料は、ファンデーション、白粉、頬紅、口紅、アイシャドウ、アイブロウ、コンシーラー等のメーキャップ化粧料等が挙げられる。また、本発明の固形粉末化粧料の形態は、ケーキ状、スティック状、球状等が挙げられる。
【0030】
本発明の固形粉末化粧料における化粧料基材の調製方法は、特に限定されないが、成分(A)及び成分(B)を加熱混合し、これを粉体及びその他の成分とV型混合機やスーパーミキサー等のパウダーミキサーにより、均一に混合し、必要に応じて粉砕する方法等が挙げられる。尚、前記調製方法において、成分(A)及び成分(B)を加熱し混合することで、化粧料基材中又は固形粉末化粧料中で、成分(A)及び成分(B)がゲルを形成するため、成型性と強度が特に優れる固形粉末化粧料を得ることができる。
【0031】
本発明の固形粉末化粧料の調製方法も、特に限定されないが、前記化粧料基材と溶剤とを混合し、流動性を有する状態(好ましくは、スラリー状態)とし、この混合物を金皿や樹脂皿等の容器に充填し、溶媒を乾燥(例えば、70℃で24時間乾燥)等により除去して得られるものである。
【0032】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0033】
実施例1〜9及び比較例1〜3:ケーキ状アイシャドウ
表1及び表2に示す組成のアイシャドウを以下に示す製造方法により調製し、「小道具(マット)への移行性」、「延び広がりの滑らかさ」、「成型性」、「成型品の強度」の其々の項目について、以下に示す評価方法及び判断基準により評価し、結果を併せて表1及び表2に示した。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
(製造方法)
A:成分13〜18を加熱溶解し、均一混合する。
B:成分1〜12をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で均一分散する。
C:BにAを添加し、混合する。
D:Cに成分19を添加し、均一に混合し、スラリー状の混合物とする。
E:Dを金皿に充填し、70℃で24時間乾燥して、ケーキ状アイシャドウを得た。
【0037】
〔評価方法:「小道具(マット)への移行性」、「延び広がりの滑らかさ」〕
化粧品評価専門パネル20名に前記実施例及び比較例のケーキ状アイシャドウを使用してもらい、「小道具(マット)への移行性」、「延び広がりの滑らかさ」について、各自が以下の評価基準に従って5段階評価しアイシャドウ毎に評点を付し、更に全パネルの評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。
評価基準:
[評価結果] :[評 点]
非常に良好 : 5点
良好 : 4点
普通 : 3点
やや不良 : 2点
不良 : 1点
判定基準:
[評点の平均点] :[判 定]
4.5以上 : ◎
3.5以上〜4.5未満 : ○
1.5以上〜3.5未満 : △
1.5未満 : ×
【0038】
〔評価方法:成型性〕
前記実施例及び比較例のケーキ状アイシャドウの表面状態を観察し、ひび割れ、亀裂、収縮等の成型不良の発生状況を以下の判定基準に従って判定した。
判定基準:
[表面状態] :[判 定]
成型不良無し : ○
僅かに収縮が確認される : △
ひび割れ、亀裂が確認される: ×
【0039】
〔評価方法:成型品の強度〕
前記実施例及び比較例のケーキ状アイシャドウを女性の専門パネル20名に各1個、1週間持ち運びと実使用を繰り返してもらい、成型品の欠け、割れ、はがれ等の強度不良の発生程度を目視にて観察し、その発生頻度を以下の判定基準に従って判定した。
判定基準:
[強度不良の発生程度] :[判 定]
強度不良無し : ○
1〜5個不良が確認される : △
6個以上の不良が確認される: ×
【0040】
表1及び表2の結果から明らかなように、本発明の実施品である実施例1〜9のケーキ状アイシャドウは、「小道具(マット)への移行性」、「延び広がりの滑らかさ」、「成型性」、「成型品の強度」の全ての項目に優れた固形粉末化粧料であった。一方、成分(A)を含有しない比較例1では、成型性と強度に劣っていた。また、結合剤として、有機変性ベントナイトを用いた比較例2では、小道具への移行性が悪かった。そして、結合剤として、微粒子無水ケイ酸を用いた比較例3では、延び広がりの滑らかさが悪く、成型品の強度も満足できる水準にはなかった。
【0041】
実施例10:ケーキ状ファンデーション
(成分) (%)
1.シリコーン処理タルク(注7) 20
2.シリコーン処理セリサイト(注7) 残量
3.球状シリカ(平均粒径10μm) 2
4.シリコーン処理酸化チタン(注7) 10
5.シリコーン処理黒色酸化鉄(注7) 0.8
6.シリコーン処理ベンガラ(注7) 0.8
7.シリコーン処理黄色酸化鉄(注7) 2
8.デキストリン脂肪酸エステル(注8) 2
9.ジメチルポリシロキサン 2.5
10.流動パラフィン 5
11.スクワラン 3
12.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 1
13.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 10
(溶剤)
14.エタノール(処方外) 40
15.精製水(処方外) 20
※注7:メチルハイドロジェンポリシロキサン5%処理
※注8:レオパールTL(千葉製粉社製)
【0042】
(製造方法)
A:成分8〜13を加熱溶解し、均一混合する。
B:成分1〜7をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で均一分散する。
C:BにAを添加し、混合する。
D:Cに成分14〜15を添加し、均一に混合し、スラリー状の混合物とする。
E:Dを金皿に充填し、70℃で24時間乾燥して、ケーキ状ファンデーションを得た。
実施例10のケーキ状ファンデーションは、「小道具(マット)への移行性」、「延び広がりの滑らかさ」、「成型性」、「成型品の強度」の全ての項目に優れた固形粉末化粧料であった。
【0043】
実施例11:ケーキ状口紅
(成分) (%)
1.雲母 残量
2.タルク 5
3.雲母チタン(注9) 20
4.赤色226号 2.5
5.群青 0.5
6.黄色4号アルミニウムレーキ 1
7.黒色酸化鉄 0.5
8.デキストリン脂肪酸エステル(注10) 0.2
9.スクワラン 2.5
10.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 5
11.メチルフェニルポリシロキサン 2.5
12.ひまし油 2
(溶剤)
13.イソプロピルアルコール(処方外) 45
※注9:FLAMENCO RED 420C(エンゲルハード社製)
※注10:レオパールKL(千葉製粉社製)
【0044】
(製造方法)
A:成分8〜12を加熱溶解し、均一混合する。
B:成分1〜7をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で均一分散する。
C:BにAを添加し、混合する。
D:Cに成分13を添加し、均一に混合し、スラリー状の混合物とする。
E:Dを金皿に充填し、70℃で24時間乾燥して、ケーキ状口紅を得た。
実施例11のケーキ状口紅は、「小道具(チップ)への移行性」、「延び広がりの滑らかさ」、「成型性」、「成型品の強度」の全ての項目に優れた固形粉末化粧料であった。
【0045】
実施例12:ケーキ状頬紅
(成分) (%)
1.セリサイト 残量
2.タルク 30
3.雲母チタン(注9) 10
4.ナイロンパウダー 5
5.赤色226号 0.5
6.黄色酸化鉄 1
7.群青 0.5
8.黄色205号 0.2
9.黒色酸化鉄 0.3
10.デキストリン脂肪酸エステル(注10) 1.5
11.フェニルポリシロキサン 1.5
12.ポリブテン(注11) 1
13.流動パラフィン 2.5
14.スクワラン 7
(溶剤)
15.軽質イソパラフィン(注12)(処方外) 30
※注11:ポリブテン 35R(出光石油化学社製)
※注12:沸点120〜150℃
【0046】
(製造方法)
A:成分10〜14を加熱溶解し、均一混合する。
B:成分1〜9をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で均一分散する。
C:BにAを添加し、混合する。
D:Cに成分15を添加し、均一に混合し、スラリー状の混合物とする。
E:Dを金皿に充填し、70℃で24時間乾燥して、ケーキ状頬紅を得た。
実施例12のケーキ状頬紅は、「小道具(ブラシ)への移行性」、「延び広がりの滑らかさ」、「成型性」、「成型品の強度」の全ての項目に優れた固形粉末化粧料であった。
【0047】
【発明の効果】
本発明の固形粉末化粧料は、指や小道具(マット、チップ、ブラシ等)への移行性(とれ)が良好であり、塗布時の延び広がりの滑らかさに優れ、且つ、成型性に優れ、しかも成型品の強度にも優れる固形粉末化粧料であった。
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉体と油剤を主成分とする化粧料基材に、溶剤を加えて混合した混合物を、容器に充填し、その後、該溶剤を除去することにより得られる固形粉末化粧料において、前記化粧基材中に、成分(A)デキストリン脂肪酸エステル及び成分(B)液状炭化水素油を含有する固形粉末化粧料に関するものであり、更に詳しくは、指や小道具(マット、チップ、ブラシ等)への移行性(とれ)が良好であり、塗布時の延び広がりの滑らかさに優れ、且つ、成型性に優れ、しかも成型品の強度にも優れる固形粉末化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
固形粉末化粧料は、粉体が主成分の化粧料であり、これに結合剤や感触調整剤として油剤を添加してなる化粧品剤型の一つであり、コンパクトファンデーション等に汎用されている化粧品剤型である。この固形粉末化粧料の成型方法としては、粉体と油剤を主成分とする化粧料基剤をプレス型に充填し、圧縮することで所定の形状を得る圧縮成型方法、化粧料基材を溶剤と混合し、金皿や樹脂皿等の容器に充填し、その後該溶剤を除去することで所定形状を得る湿式成型方法とに分類される。固形粉末化粧料に、これらどちらの成型方法を選ぶかは、化粧料の目標品質に合わせて適宜使い分けられてきた。以前は、圧縮成型方法が一般的であったが、最近では湿式成型方法も一般的になってきている。しかし、湿式成型方法では、圧縮成型方法に用いられる化粧料基剤をそのまま用いると、成型性が悪く、且つ成型品の強度が低くなってしまうという課題がある。このため従来は、有機変性ベントナイト等の粘土鉱物(例えば、特許文献1参照)、微粒子無水ケイ酸等の結合剤を添加していた。
【0003】
【特許文献1】
特公平2−22728号公報(第1頁−第5頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の結合剤では、成型性や強度をある程度向上させることはできるが、使用性において満足できる水準にはなかった。具体的には、結合剤として有機変性ベントナイトを用いる方法では、指や小道具への移行性が良好ではなく、且つ塗布時の延び広がりの滑らかさも満足できる水準にはなかった。また、結合剤として微粒子無水ケイ酸を用いる方法では、塗布時の延び広がりの滑らかさが良好ではなかった。
【0005】
このため、湿式成型方法により得られる固形粉末化粧料において、指や小道具への移行性が良好であり、塗布時の延び広がりの滑らかさに優れ、且つ、成型性に優れ、しかも成型品の強度にも優れる固形粉末化粧料の開発が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる実情に鑑み、本発明者は鋭意検討した結果、粉体と油剤を主成分とする化粧料基材に、溶剤を加えて混合した混合物を、容器に充填し、その後、該溶剤を除去することにより得られる固形粉末化粧料において、前記化粧基材中に、結合剤として、成分(A)デキストリン脂肪酸エステル及び成分(B)液状炭化水素油を含有することにより、上記課題を解決する固形粉末化粧料が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち本発明は、粉体と油剤を主成分とする化粧料基材に、溶剤を加えて混合した混合物を、容器に充填し、その後、該溶剤を除去することにより得られる固形粉末化粧料において、前記化粧基材中に、次の成分(A)及び(B);
(A)デキストリン脂肪酸エステル
(B)液状炭化水素油
を含有することを特徴とする固形粉末化粧料を提供するものである。
【0008】
また、前記成分(A)及び(B)の含有質量比が、A/B=0.01〜0.5であることを特徴とする前記固形粉末化粧料を提供するものである。
【0009】
そして、前記化粧基材中の油剤の含有量が10〜30質量%であることを特徴とする前記何れかの固形粉末化粧料を提供するものである。
【0010】
更に、成分(A)と成分(B)がゲル化された状態で含有されていることを特徴とする前記何れかの固形粉末化粧料を提供するものである。
【0011】
そして更に、前記化粧基材中の油剤がシリコーン油を含有することを特徴とする前記何れかの固形粉末化粧料を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明における化粧料基材とは、粉体と油剤を主成分とする混合物である。該化粧料基材中における、粉体と油剤の混合比は、特に限定されないが、使用性及び使用感の観点より、粉体:油剤=60〜99:1〜40(質量比)が好ましく、更には70〜90:10〜30が好ましい。
【0013】
本発明の化粧料基材に用いられる粉体は、通常、化粧料用粉体として用いられている粉体であれば、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的には、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化セリウム、無水ケイ酸、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、雲母、合成雲母、セリサイト、合成セリサイト、タルク、窒化ホウ素、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、酸化鉄コーティング雲母、酸化鉄雲母チタン、有機顔料処理雲母チタン、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、ウレタンパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等の有機粉体類、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体等が挙げられ、これら粉体はその一種又は二種以上を複合化したものを用いても良い。また、フッ素系化合物、シリコーン系油剤、金属石鹸、レシチン、水素添加レシチン、N−長鎖アシルアミノ酸、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤等の通常公知の表面処理剤により処理を施して用いてもよい。
【0014】
本発明の化粧料基材に用いられる油剤としては、動物油、植物油、合成油等の起源、及び、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類等が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、エチレンプロピレンコポリマー、モンタンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレスレロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレンアルキル共変性オルガノポリシロキサン、アルコキシ変性ポリシロキサン、部分架橋型オルガノポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、蔗糖脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を用いることができる。
【0015】
本発明の化粧料基材に必須に用いられる成分(A)のデキストリン脂肪酸エステルとは、本発明の固形粉末化粧料において、油剤をゲル化させ、粉体同士の結合剤として機能する成分であり、デキストリンと脂肪酸とのエステル化物である。成分(A)における脂肪酸としては、パルミチン酸、ミリスチン酸、オクタン酸、カプリル酸、カプリン酸、イソノナン酸、イソミリスチン酸、イソパルミチン酸等の炭素数8〜20の高級脂肪酸が好ましい。
【0016】
このような成分(A)は、市販品として、レオパールKL、レオパールTL、レオパールMKL、レオパールTT(何れも、千葉製粉社製)等を用いることができる。
【0017】
本発明の化粧料基材中における成分(A)の含有量は、特に限定されないが、0.1〜20質量%(以下単に「%」と略す)が好ましい。成分(A)をこの範囲で用いると、より延び広がりの滑らかさに優れ、成型性と強度が特に優れる固形粉末化粧料を得ることができる。
【0018】
また、成分(B)は、本発明の化粧料基材に必須の成分として、前記油剤の中から選択される液状炭化水素であり、本発明の固形粉末化粧料において、成分(A)と共にゲルを形成することにより、粉体同士の結合剤として機能する成分である。成分(B)の液状炭化水素としては、流動パラフィン、スクワラン、ポリイソブチレン、ポリブテン等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を用いることができる。
【0019】
本発明の化粧料基材中における成分(B)の含有量は、特に限定されないが、5〜20%が好ましい。成分(B)をこの範囲で用いると、指や小道具への移行性をより良好に維持しながら、成型性と強度が特に優れる固形粉末化粧料を得ることができる。
【0020】
本発明の化粧料基材における前記成分(A)と成分(B)の含有比は、A/B=0.01〜0.5が好ましい。成分(A)と成分(B)をこの範囲で含有すると、成型性と強度が特に優れる固形粉末化粧料を得ることができる。
【0021】
そして、本発明の化粧料基材中に前記必須成分に加えて、油剤として更に成分(C)シリコーン油を選択すると、塗布時の延び広がりの滑らかさが特に優れる固形粉末化粧料を得ることができる。このような成分(C)としては、ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、ポリオキシアルキレンアルキル共変性オルガノポリシロキサン、アルコキシ変性ポリシロキサン、部分架橋型オルガノポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を用いることができる。
【0022】
本発明の化粧料基材中における成分(C)の含有量は、特に限定されないが、0.1〜15%が好ましい。成分(C)をこの範囲で用いると、塗布時の延び広がりの滑らかさが特に優れる固形粉末化粧料を得ることができる。
【0023】
本発明の化粧料基材中には、前記成分の他に、通常の化粧料に用いられる成分、例えば、水性成分、界面活性剤、紫外線吸収剤、保湿剤、冷感剤、酸化防止剤、美容成分、防腐剤、香料等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
【0024】
本発明の化粧料基材に用いられる水性成分としては、水に可溶な成分であれば何れでもよく、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、ソルビトール、マルチトール、ショ糖、でんぷん糖、ラクチトール等の糖類、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性高分子、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、乳酸ナトリウム等の塩類、アロエベラ、ウィッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を用いることができる。
【0025】
本発明の化粧料基材に用いられる界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を用いることができる。非イオン界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物等が挙げられる。アニオン界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸等の脂肪酸の無機及び有機塩、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩、ο−アルキル置換リンゴ酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられる。カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアルカノールアミン脂肪酸誘導体、アルキル四級アンモニウム塩、環式四級アンモニウム塩等が挙げられる。両性界面活性剤としては、レシチンやリゾレシチン及びこれらの水素添加物等のリン脂質含有成分、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型等が挙げられる。
【0026】
本発明の化粧料基材に用いられる紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられ、PABA系としては、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、パラジヒドロキシプロピル安息香酸エチル等が挙げられ、ケイ皮酸系としては、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、4−メトキシケイ皮酸−2−エトキシエチル等が挙げられ、サリチル酸系としては、サリチル酸−2−エチルヘキシル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ホモメンチル等が挙げられ、その他、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を用いることができる。
【0027】
本発明の化粧料基材に用いられる保湿剤としては、例えばタンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等が挙げられる。酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等が挙げられる。美容成分としては、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等が挙げられる。防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸アルキル、フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0028】
本発明の固形粉末化粧料において、前記化粧料基材との混合に用いられる溶剤は、エタノール、イソプロピルアルコール、水、ヘキサン、低分子量の鎖状シリコーン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等の揮発性シリコーン、軽質イソパラフィン等の揮発性炭化水素、フルオロカーボン等の低沸点フッ素化合物等が挙げられる。この中でも、溶剤の回収のし易さより、揮発性炭化水素が好ましい。溶剤の量は、前記化粧料基材中の粉体の配合量、吸油量、比表面積、粒子径、形状、表面状態等の性質及び、油剤の配合量及びIOB値等の特性により変動し、また充填する容器の形状等を考慮して決められるものである。化粧料基材と溶剤の混合質量比は、概ね、化粧料基材:溶剤=1:0.3〜2が好ましく、1:0.4〜1が好ましい。溶剤量が多すぎると、溶剤の除去に時間がかかり、容器又は中皿への充填量が少なくなり、強度が低下する場合がある。
【0029】
本発明の固形粉末化粧料は、ファンデーション、白粉、頬紅、口紅、アイシャドウ、アイブロウ、コンシーラー等のメーキャップ化粧料等が挙げられる。また、本発明の固形粉末化粧料の形態は、ケーキ状、スティック状、球状等が挙げられる。
【0030】
本発明の固形粉末化粧料における化粧料基材の調製方法は、特に限定されないが、成分(A)及び成分(B)を加熱混合し、これを粉体及びその他の成分とV型混合機やスーパーミキサー等のパウダーミキサーにより、均一に混合し、必要に応じて粉砕する方法等が挙げられる。尚、前記調製方法において、成分(A)及び成分(B)を加熱し混合することで、化粧料基材中又は固形粉末化粧料中で、成分(A)及び成分(B)がゲルを形成するため、成型性と強度が特に優れる固形粉末化粧料を得ることができる。
【0031】
本発明の固形粉末化粧料の調製方法も、特に限定されないが、前記化粧料基材と溶剤とを混合し、流動性を有する状態(好ましくは、スラリー状態)とし、この混合物を金皿や樹脂皿等の容器に充填し、溶媒を乾燥(例えば、70℃で24時間乾燥)等により除去して得られるものである。
【0032】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0033】
実施例1〜9及び比較例1〜3:ケーキ状アイシャドウ
表1及び表2に示す組成のアイシャドウを以下に示す製造方法により調製し、「小道具(マット)への移行性」、「延び広がりの滑らかさ」、「成型性」、「成型品の強度」の其々の項目について、以下に示す評価方法及び判断基準により評価し、結果を併せて表1及び表2に示した。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
(製造方法)
A:成分13〜18を加熱溶解し、均一混合する。
B:成分1〜12をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で均一分散する。
C:BにAを添加し、混合する。
D:Cに成分19を添加し、均一に混合し、スラリー状の混合物とする。
E:Dを金皿に充填し、70℃で24時間乾燥して、ケーキ状アイシャドウを得た。
【0037】
〔評価方法:「小道具(マット)への移行性」、「延び広がりの滑らかさ」〕
化粧品評価専門パネル20名に前記実施例及び比較例のケーキ状アイシャドウを使用してもらい、「小道具(マット)への移行性」、「延び広がりの滑らかさ」について、各自が以下の評価基準に従って5段階評価しアイシャドウ毎に評点を付し、更に全パネルの評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。
評価基準:
[評価結果] :[評 点]
非常に良好 : 5点
良好 : 4点
普通 : 3点
やや不良 : 2点
不良 : 1点
判定基準:
[評点の平均点] :[判 定]
4.5以上 : ◎
3.5以上〜4.5未満 : ○
1.5以上〜3.5未満 : △
1.5未満 : ×
【0038】
〔評価方法:成型性〕
前記実施例及び比較例のケーキ状アイシャドウの表面状態を観察し、ひび割れ、亀裂、収縮等の成型不良の発生状況を以下の判定基準に従って判定した。
判定基準:
[表面状態] :[判 定]
成型不良無し : ○
僅かに収縮が確認される : △
ひび割れ、亀裂が確認される: ×
【0039】
〔評価方法:成型品の強度〕
前記実施例及び比較例のケーキ状アイシャドウを女性の専門パネル20名に各1個、1週間持ち運びと実使用を繰り返してもらい、成型品の欠け、割れ、はがれ等の強度不良の発生程度を目視にて観察し、その発生頻度を以下の判定基準に従って判定した。
判定基準:
[強度不良の発生程度] :[判 定]
強度不良無し : ○
1〜5個不良が確認される : △
6個以上の不良が確認される: ×
【0040】
表1及び表2の結果から明らかなように、本発明の実施品である実施例1〜9のケーキ状アイシャドウは、「小道具(マット)への移行性」、「延び広がりの滑らかさ」、「成型性」、「成型品の強度」の全ての項目に優れた固形粉末化粧料であった。一方、成分(A)を含有しない比較例1では、成型性と強度に劣っていた。また、結合剤として、有機変性ベントナイトを用いた比較例2では、小道具への移行性が悪かった。そして、結合剤として、微粒子無水ケイ酸を用いた比較例3では、延び広がりの滑らかさが悪く、成型品の強度も満足できる水準にはなかった。
【0041】
実施例10:ケーキ状ファンデーション
(成分) (%)
1.シリコーン処理タルク(注7) 20
2.シリコーン処理セリサイト(注7) 残量
3.球状シリカ(平均粒径10μm) 2
4.シリコーン処理酸化チタン(注7) 10
5.シリコーン処理黒色酸化鉄(注7) 0.8
6.シリコーン処理ベンガラ(注7) 0.8
7.シリコーン処理黄色酸化鉄(注7) 2
8.デキストリン脂肪酸エステル(注8) 2
9.ジメチルポリシロキサン 2.5
10.流動パラフィン 5
11.スクワラン 3
12.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 1
13.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 10
(溶剤)
14.エタノール(処方外) 40
15.精製水(処方外) 20
※注7:メチルハイドロジェンポリシロキサン5%処理
※注8:レオパールTL(千葉製粉社製)
【0042】
(製造方法)
A:成分8〜13を加熱溶解し、均一混合する。
B:成分1〜7をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で均一分散する。
C:BにAを添加し、混合する。
D:Cに成分14〜15を添加し、均一に混合し、スラリー状の混合物とする。
E:Dを金皿に充填し、70℃で24時間乾燥して、ケーキ状ファンデーションを得た。
実施例10のケーキ状ファンデーションは、「小道具(マット)への移行性」、「延び広がりの滑らかさ」、「成型性」、「成型品の強度」の全ての項目に優れた固形粉末化粧料であった。
【0043】
実施例11:ケーキ状口紅
(成分) (%)
1.雲母 残量
2.タルク 5
3.雲母チタン(注9) 20
4.赤色226号 2.5
5.群青 0.5
6.黄色4号アルミニウムレーキ 1
7.黒色酸化鉄 0.5
8.デキストリン脂肪酸エステル(注10) 0.2
9.スクワラン 2.5
10.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 5
11.メチルフェニルポリシロキサン 2.5
12.ひまし油 2
(溶剤)
13.イソプロピルアルコール(処方外) 45
※注9:FLAMENCO RED 420C(エンゲルハード社製)
※注10:レオパールKL(千葉製粉社製)
【0044】
(製造方法)
A:成分8〜12を加熱溶解し、均一混合する。
B:成分1〜7をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で均一分散する。
C:BにAを添加し、混合する。
D:Cに成分13を添加し、均一に混合し、スラリー状の混合物とする。
E:Dを金皿に充填し、70℃で24時間乾燥して、ケーキ状口紅を得た。
実施例11のケーキ状口紅は、「小道具(チップ)への移行性」、「延び広がりの滑らかさ」、「成型性」、「成型品の強度」の全ての項目に優れた固形粉末化粧料であった。
【0045】
実施例12:ケーキ状頬紅
(成分) (%)
1.セリサイト 残量
2.タルク 30
3.雲母チタン(注9) 10
4.ナイロンパウダー 5
5.赤色226号 0.5
6.黄色酸化鉄 1
7.群青 0.5
8.黄色205号 0.2
9.黒色酸化鉄 0.3
10.デキストリン脂肪酸エステル(注10) 1.5
11.フェニルポリシロキサン 1.5
12.ポリブテン(注11) 1
13.流動パラフィン 2.5
14.スクワラン 7
(溶剤)
15.軽質イソパラフィン(注12)(処方外) 30
※注11:ポリブテン 35R(出光石油化学社製)
※注12:沸点120〜150℃
【0046】
(製造方法)
A:成分10〜14を加熱溶解し、均一混合する。
B:成分1〜9をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で均一分散する。
C:BにAを添加し、混合する。
D:Cに成分15を添加し、均一に混合し、スラリー状の混合物とする。
E:Dを金皿に充填し、70℃で24時間乾燥して、ケーキ状頬紅を得た。
実施例12のケーキ状頬紅は、「小道具(ブラシ)への移行性」、「延び広がりの滑らかさ」、「成型性」、「成型品の強度」の全ての項目に優れた固形粉末化粧料であった。
【0047】
【発明の効果】
本発明の固形粉末化粧料は、指や小道具(マット、チップ、ブラシ等)への移行性(とれ)が良好であり、塗布時の延び広がりの滑らかさに優れ、且つ、成型性に優れ、しかも成型品の強度にも優れる固形粉末化粧料であった。
Claims (5)
- 粉体と油剤を主成分とする化粧料基材に、溶剤を加えて混合した混合物を、容器に充填し、その後、該溶剤を除去することにより得られる固形粉末化粧料において、前記化粧基材中に、次の成分(A)及び(B);
(A)デキストリン脂肪酸エステル
(B)液状炭化水素油
を含有することを特徴とする固形粉末化粧料。 - 前記成分(A)及び(B)の含有質量比が、A/B=0.01〜0.5であることを特徴とする請求項1記載の固形粉末化粧料。
- 前記化粧基材中の油剤の含有量が10〜30質量%であることを特徴とする請求項1又は2記載の固形粉末化粧料。
- 成分(A)と成分(B)がゲル化された状態で含有されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかの項記載の固形粉末化粧料。
- 前記化粧基材中の油剤が成分(C)シリコーン油を含有することを特徴とする請求項1〜4の何れかの項記載の固形粉末化粧料。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011225560A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-11-10 | Kose Corp | 固形粉末化粧料 |
JP2015214506A (ja) * | 2014-05-09 | 2015-12-03 | 株式会社日本色材工業研究所 | 立体的形状に成型されてなる固形粉末化粧料 |
JP2020164428A (ja) * | 2019-03-28 | 2020-10-08 | 東色ピグメント株式会社 | 固形粉体化粧料及び固形粉体化粧料の製造方法 |
-
2003
- 2003-03-18 JP JP2003073132A patent/JP2004277366A/ja active Pending
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JP7240720B2 (ja) | 2019-03-28 | 2023-03-16 | 東色ピグメント株式会社 | 固形粉体化粧料及び固形粉体化粧料の製造方法 |
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