JP7240720B2 - 固形粉体化粧料及び固形粉体化粧料の製造方法 - Google Patents
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粉体として、例えば、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、アルミナ、ガラスフレーク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、窒化ホウ素、無水ケイ酸、硫酸バリウム、化粧品用タール色素、有機色素、βカロチン、カルサミン、カルミン、クロロフィル、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、群青、紺青、各種雲母(天然物および合成品)、酸化クロム、カーボンブラック、白色顔料、パール顔料などの顔料、
アルミニウム粉末、球状ナイロン、球状ポリスチレン、雲母チタン、金雲母鉄、二酸化チタン、酸化チタン、酸化鉄などの無機粉体;
ナイロンパウダー、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル、ウールパウダー、シルクパウダー、シリコーンパウダー、ポリウレタンパウダー、でんぷん粉などの有機粉末などを挙げることができる。
例えば、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、水添ポリイソブテン(軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン)、トコフェノール、リンゴ酸ジイソステアリル、ワセリン、エチルヘキサン酸セチル、1,2-ヘキサンジオール、ダイマージリノール酸水添ヒマシ油、トリ(カプリン酸/カプリル酸)グリセリルなどの油剤が挙げられる。
ジイソステアリン酸デカグリセリル、ラウリン酸デカグリセリル、トリラウリン酸デカグリセリル、オレイン酸デカグリセリル、ジオレイン酸デカグリセリル、ステアリン酸デカグリセリル、ジステアリン酸デカグリセリル、イソステアリン酸デカグリセリル、ジイソステアリン酸デカグリセリル、ミリスチン酸デカグリセリル、ジミリスチン酸デカグリセリル、カプリン酸デカグリセリルなどから選ばれる1種以上であることが好ましい。
本発明の固形粉体化粧料は、湿式充填・プロセス、中でもバックインジェクション充填方法に適用できるスラリーの調製において、(C)成分として特定の疎水化多糖類を特定量使用することにより各化粧料成分を可溶、乳化することができ、均一に分散したスラリーを得ることができる。
ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロースは、市販品として、サンジェロース60シリーズ及び90シリーズ(大同化成工業社製)を使用することができる。
(B)油相がHLB8を超える界面活性剤を含まない場合、(C)成分の含有量は0.1~0.15質量部であって、好ましくは0.1~0.14質量部、より好ましくは0.1~0.13質量部を含む。
前記含有量範囲は、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対する数値範囲を示す。
(B)油相がHLB8を超える界面活性剤を含む場合、(C)成分の含有量は0.005~0.15質量部であって、好ましくは0.005~0.05質量部、より好ましくは0.009~0.014質量部を含む。
例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビット、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジグリセリン、マンニトール、POEメチルグリコシド、生体高分子、蔗糖などの保湿剤、エモリエント成分、防腐剤、乳化剤、安定化剤、可塑剤;
薬効成分、ビタミンCジパルミテート、ビタミン類、トコフェロール、アミノ酸、美白剤、殺菌剤;
pH調整剤、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、クエン酸、クエン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、
紫外線吸収剤、抗酸化剤、香料、防腐剤、キレート剤、酸化防止剤、分散剤、褐色防止剤、緩衝剤、沈殿防止成分、有機変性粘土鉱物、使用性改質剤、などが挙げられる。
(D)成分は、製造時に分散媒として添加された水の残存分であって、本発明の固形粉体化粧料の製造過程で調製されたスラリーを成形、乾燥後に残存する水であるため、固形粉体化粧料中において(D)成分は含まれないことが好ましい。
本発明の固形粉体化粧料は、
(A)成分の粉体相と(B)成分の油相を混合して混合物を得る第1工程、
前記混合物100質量部に対して、(C)成分の疎水化多糖類と分散媒である(D)成分の水10~90質量部とを添加して混合し、スラリーを調製する第2工程、
前記スラリーを成形型に充填後、乾燥する第3工程、を有する固形粉体化粧料の製造方法により得られる。
本工程では、(A)成分の粉体相と(B)成分の油相とを混合して混合物を得る。
前記(A)成分の粉体相が入ったミキサーに、(B)成分の油相を構成する公知の化粧料成分(前記粉体相に含まれる粉体を除く)を添加して、均一になるまで攪拌混合することで、本工程の混合物が得られる。
本工程では、前工程で得られた混合物100質量部に対して、(C)成分の疎水化多糖類と、分散媒である(D)成分の水10~90質量部とを添加して混合し、スラリーを調製する。
前工程で得られた混合物は、20メッシュの濾布で濾したものを用いるのが好ましい。
分散媒である(D)成分の水は、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対しては10~90質量部、好ましくは20~90質量部、より好ましくは30~70質量部で配合される。
前記疎水化多糖類を(D)成分の水に溶解する際に、適宜pH調整して溶解させることもできる。
本工程では、前工程で得られたスラリーを成形型に充填後、乾燥して、固形粉体化粧料を得る。
加熱温度は、好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上であって、スラリーが完全に固化するまで加熱乾燥する。
(C1)ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトキシル基27~30%含有)、製品名「サンジェロース60L」、大同化成工業株式会社製
(C2)ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトキシル基21.5~24%含有)、製品名「サンジェロース90L」、大同化成工業株式会社製
(C3)ヒドロキシプロピルグアーガム(置換度0.6)、製品名「JAGUAR HP-105」、三晶株式会社製
・ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10(HLB10.0)、製品名「DECAGLYN 2-ISV」、日光ケミカルズ株式会社製
・アセチルヒアルロン酸ナトリウム、製品名「アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム」、日光ケミカルズ株式会社製
・ヒドロキシプロピルグアーガム、(置換度1.2)製品名「JAGUAR HP-120」、三晶株式会社製
・ヒドロキシアルキルヒドロキシプロピルグアーガム(置換度1.2)、製品名「JAGUAR HP-120」、三晶株式会社製
調製したスラリーをBIM法により金皿内に所定量を充填した。スラリーを1回分吐出した後、BIM法で使用される充填機の充填口(ノズル)およびシリンダーの汚れ具合を目視観察して、下記基準により評価した。
○:スラリーの分離およびノズル詰まりが生じることなく充填することができる。
×:シリンダー内でスラリーが団子状に固まり、ノズルが詰まる。
BIM法により金皿内にプレス成型した直後及び乾燥後のプレス成型品(固形粉体化粧料)の外観を、目視観察して、下記基準により評価した。
○:プレス成型品にヒビや割れが見られなかった。
×:プレス成型品にヒビや割れが確認できた。
金皿に入った各固形粉体化粧料を、コンパクトに装着した状態で50cmの高さから床(コンクリートの床)に落下させ、下記基準で評価した。
○:10回落としてもプレス成型品(固形粉体化粧料)の表面は正常だった。
×:1~4回落としたところで、プレス成型品(固形粉体化粧料)の表面にヒビ又は割れが見られた。
(1)表1の(A)粉体相の各成分をミキサーで混合した後、前記ミキサー内の粉体相に表1の(B)油相の各成分を添加して、攪拌混合し、化粧料成分からなる混合物(表1)を調製した。なお、ここでの(B)油相は、HLB8を超えるノニオン界面活性剤2質量%を含まない。
(2)前工程の混合物を20メッシュの濾布をとおした後、前記混合物100質量部に対して、表2に示す(C2)ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび水10~90質量部を添加し、ミキサーで均一に混合してスラリーを調製した。水は、前記範囲内で適量を添加して調製する。
(3)前記スラリーをBIM法(バックインジェクションモールディング法)により金皿内にプレス成型した。ここでBIM法とは、プレス型にセットされた皿(成形型)の底部にある充填孔よりスラリーを充填した後に、プレス成型する方法をいう。その後、金皿ごと50℃の乾燥機で20時間乾燥させ、各固形粉体化粧料が得られた(表2)。
得られた固形粉体化粧料を用いて、スラリー吐出性、プレス成型性、プレス成型品の耐落下衝撃性について評価した(表2)。
表1、3の(A)粉体相と(B)油相を用いて、実施例1と同様にスラリーを調製した。前記スラリーから実施例1と同様に固形粉体化粧料を製造して、スラリー吐出性、プレス成型性、プレス成型品の耐落下衝撃性を評価した(表2、3)。
一方、表2に示す比較例1-1は、充填開始からまもなくスラリーが水と固形分に分離し、その固形分がシリンダー内で固まって団子状になり、その結果ノズル詰まりが生じて、充填したスラリー全量を金型内へ充填することができなかった。
また、表2に示す(C2)ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロースの多い比較例1-2、1-3は、スラリーをノズルへ押し出す柔軟性に劣るため、スラリーをノズルから吐出することができなかった。
表4に示す(A)粉体相およびHLB8を超えるノニオン界面活性剤を含む(B)油相の合計100質量部に対して、(C2)ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース0.02質量%水溶液を添加して、実施例1と同様に固形粉体化粧料を調製した。得られた固形粉体化粧料のスラリー吐出性、プレス成型性、プレス成型品の耐落下衝撃性を評価した。
一方、表4に示す(C2)ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロースの少ない比較例2の固形粉体化粧料は、充填開始からまもなくスラリーが水と固形分に分離し、その固形分がシリンダー内で固まって団子状になり、その結果ノズル詰まりが生じて、充填したスラリー全量を金型内へ充填することができなかった。
表5に示す各成分を用いて、実施例2と同様に固形粉体化粧料を調製し、評価した。なお、ここでの(B)油相は、HLB8を超えるノニオン界面活性剤2質量%を含む。
また(C3)成分を含有する実施例3-3の固形粉体化粧料も、スラリー吐出性、プレス成型性および耐落下衝撃性に優れることが確認できた。
一方、(C2)成分の含有量の多い比較例3-1は、スラリーから水が早くに分離して、固形物がシリンダー内で固まり、その結果ノズル詰まりが生じて、充填機に充填したスラリー全量を金型内へ充填することができなかった。
Claims (6)
- (A)粉体相成分、(B)油相成分(HLB8を超えるノニオン界面活性剤を含まない)、(C)疎水化多糖類を含有し、水を含有しない固形粉体化粧料であって、
(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、(C)成分を0.1~0.15質量部で含有し、
(C)成分の疎水化多糖類が、炭素数8~18のアルキル基が導入されたヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピル基の平均置換度が0.1~1.0であるヒドロキシプロピルグアーガム、から選ばれるものである、固体粉体化粧料。 - (A)粉体相成分、(B)HLB8を超えるノニオン界面活性剤を含む油相成分、(C)疎水化多糖類を含有し、水を含有しない固形粉体化粧料であって、
(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、(C)成分を0.005~0.15質量部で含有し、
(C)成分の疎水化多糖類が、炭素数8~18のアルキル基が導入されたヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピル基の平均置換度が0.1~1.0であるヒドロキシプロピルグアーガム、から選ばれるものである、固体粉体化粧料。 - (C)成分の疎水化多糖類が、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピル基の平均置換度が0.5~1.0であるヒドロキシプロピルグアーガム、から選ばれるものである、請求項1又は2記載の固体粉体化粧料。
- 請求項1~3のいずれか1項記載の固体粉体化粧料の製造方法であって、
(A)成分の粉体相成分と(B)成分の油相成分を混合して混合物を得る第1工程、
前記混合物100質量部に対して(C)成分の疎水化多糖類と、(D)成分の分散媒となる水10~90質量部を添加して混合してスラリーを得る第2工程、
前記スラリーを成形型に充填後、40℃以上でスラリーが固化するまで乾燥する第3工程を有している、固体粉体化粧料の製造方法。 - 前記第3工程が、前記スラリーを成形型に充填後、プレス成形して、50℃で20時間以上乾燥する工程である、請求項4記載の固体粉体化粧料の製造方法。
- 前記第3工程が、バックインジェクションモールディング法により成形後、50℃で20時間以上乾燥する工程である、請求項4記載の固体粉体化粧料の製造方法。
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